Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
成形ドラム - 特開2008−12739 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B29 プラスチツクの加工;可塑状態の物質の加工一般

【発明の名称】 成形ドラム
【発明者】 【氏名】山崎 功司

【要約】 【課題】筒状部材のトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材の端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることのできる成形ドラムを提供する。

【構成】各アーム20は一端が各保持機構10の径方向に移動するように支持部材40によって支持されるとともに、各アーム20の一端にはそれぞれローラ30が設けられ、支持部材40が保持機構10側に移動することにより各ローラ30が保持機構10に押付けられ、駆動装置50の駆動軸を所定の回転速度で回転させて各ローラ30を回転させることにより、各ローラ30が保持機構10の径方向に移動することから、筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材Tの端部をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未加硫ゴムから成る筒状部材の外周面側の軸方向所定位置に一対のビード部材が配置された状態で各ビード部材を筒状部材の径方向内側からそれぞれ保持する一対の保持機構を備え、各保持機構を互いに近づくように軸方向に移動しながら各保持機構の間の筒状部材をトロイダル状に成形するようにした成形ドラムにおいて、
前記各保持機構の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端側が各保持機構側に位置するように各保持機構の軸方向外側に配置された複数のアームと、
各アームを一端が保持機構の径方向に移動するように他端側を回動可能に支持するとともに、保持機構の軸方向に移動可能な支持部材と、
各アームの一端にそれぞれ回転可能に支持され、各保持機構によって保持された筒状部材の軸方向端部の内側に配置可能な複数のローラと、
支持部材を所定の付勢力で付勢して保持機構側に移動させることにより、各ローラを保持機構または筒状部材に押付ける付勢手段と、
各ローラが保持機構の径方向に移動するように前記所定の付勢力によって保持機構または筒状部材に押付けられている各ローラを任意の回転速度で回転させる回転手段とを備えた
ことを特徴とする成形ドラム。
【請求項2】
前記回転手段を、支持部材とともに各保持機構の軸方向に移動可能な駆動装置と、駆動装置の回転力を各ローラにそれぞれ伝達する複数の回転力伝達部材とから構成した
ことを特徴とする請求項1記載の成形ドラム。
【請求項3】
前記各アームを、トロイダル状に成形された部分に押付けられた筒状部材の軸方向端部よりも径方向外側まで各ローラが移動するように形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の成形ドラム。
【請求項4】
未加硫ゴムから成る筒状部材の外周面側の軸方向所定位置に一対のビード部材が配置された状態で各ビード部材を筒状部材の径方向内側からそれぞれ保持する一対の保持機構を備え、各保持機構を互いに近づくように軸方向に移動しながら各保持機構の間の筒状部材をトロイダル状に成形するようにした成形ドラムにおいて、
前記各保持機構の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端側が各保持機構側に位置するように各保持機構の軸方向外側に配置された複数のアームと、
各アームを一端が保持機構の径方向に移動するように他端側を回動可能に支持するとともに、保持機構の軸方向に移動可能な支持部材と、
各アームの一端にそれぞれ一部が支持され、各アームの一端に支持された部分を各保持機構によって保持された筒状部材の軸方向端部の内側に配置可能な複数の無端状部材と、
支持部材を所定の付勢力で付勢して保持機構側に移動させることにより、各無端状部材のアームの一端に支持された部分を保持機構または筒状部材に押付ける付勢手段と、
各無端状部材が保持機構の径方向に移動するように前記所定の付勢力によって保持機構または筒状部材に押付けられている各無端状部材を任意の回動速度で回動させる回動手段とを備えた
ことを特徴とする成形ドラム。
【請求項5】
前記各アームを保持機構の径方向内側に向かって付勢するアーム付勢部材を備えた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の成形ドラム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用空気入りタイヤの製造工程において、インナーライナー部材、カーカス部材、サイドウォール部材等から成る筒状部材に一対のビード部材を装着してトロイダル状に成形する成形ドラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の成形ドラムとしては、筒状部材の外周面側に配置された一対のビード部材を筒状部材の径方向内側からそれぞれ保持可能な一対の保持機構と、各保持機構を互いに近づく方向に移動しながら各保持機構の間の筒状部材をトロイダル状に成形する成形手段と、各保持機構の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端側が各保持機構側に位置するように各保持機構の軸方向外側に配置された複数のアームと、各アームを一端が保持機構の径方向に移動するように他端側を回動可能に支持するとともに、保持機構の軸方向に移動可能な支持部材と、各アームの一端にそれぞれ回転可能に支持され、各保持機構によって保持された筒状部材の軸方向端部の内側に配置可能な複数のローラと、各アームを保持機構の径方向外側に向かって回動させる回動機構と、支持部材を保持機構側に移動させる支持部材移動機構とを備え、各ローラが筒状部材の軸方向端部の内側に配置された状態で回動機構によって各アームを回動させることにより、各ローラによって筒状部材の軸方向端部側をビードが包み込まれるように折り返した後、支持部材移動機構によって支持部材を保持機構側に移動することにより、筒状部材の軸方向端部側が各ローラによってトロイダル状に成形された部分に押付けられるとともに、支持部材移動機構による押付力及びトロイダル状に成形された部分の傾斜によって各ローラが筒状部材の径方向外側に向かって移動し、各ローラによって筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に貼り付けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−309159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記成形ドラムでは、筒状部材の軸方向端部側がトロイダル状に成形された部分に押付けられた後、支持部材移動機構の押付力及びトロイダル状に成形された部分の傾斜によって各ローラが筒状部材の径方向外側に向かって移動するようになっているので、トロイダル状に成形された部分の傾斜の大きさに応じて各ローラが筒状部材の軸方向端部側を押付ける押付力が異なり、例えば傾斜が大きい場合は各ローラが径方向外側に向かって移動する速度が速くなり、筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができないという問題点があった。一方、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材の移動方向と反対方向に傾斜している場合は、各ローラを筒状部材の径方向外側に向かって移動させることができないという問題点もあった。
【0004】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒状部材のトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることのできる成形ドラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記目的を達成するために、未加硫ゴムから成る筒状部材の外周面側の軸方向所定位置に一対のビード部材が配置された状態で各ビード部材を筒状部材の径方向内側からそれぞれ保持する一対の保持機構を備え、各保持機構を互いに近づくように軸方向に移動しながら各保持機構の間の筒状部材をトロイダル状に成形するようにした成形ドラムにおいて、前記各保持機構の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端側が各保持機構側に位置するように各保持機構の軸方向外側に配置された複数のアームと、各アームを一端が保持機構の径方向に移動するように他端側を回動可能に支持するとともに、保持機構の軸方向に移動可能な支持部材と、各アームの一端にそれぞれ回転可能に支持され、各保持機構によって保持された筒状部材の軸方向端部の内側に配置可能な複数のローラと、支持部材を所定の付勢力で付勢して保持機構側に移動させることにより、各ローラを保持機構または筒状部材に押付ける付勢手段と、各ローラが保持機構の径方向に移動するように前記所定の付勢力によって保持機構または筒状部材に押付けられている各ローラを任意の回転速度で回転させる回転手段とを備えている。
【0006】
これにより、各アームは一端が保持機構の径方向に移動するように支持部材によって支持されるとともに、各アームの一端にはそれぞれローラが設けられ、支持部材が付勢手段の所定の付勢力によって保持機構側に移動することにより、各ローラが保持機構または筒状部材に押付けられ、回転手段によって各ローラを任意の回転速度で回転させることにより、各ローラが保持機構の径方向に移動することから、各ローラによって筒状部材の軸方向端部側が折り返されてトロイダル状に成形された部分に押付けられる。また、トロイダル状に成形された部分の傾斜が大きい場合は、各ローラの回転速度を遅くすることにより、筒状部材の軸方向端部側が十分な押付力でトロイダル状に成形された部分に押付けられ、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材の付勢方向と反対方向に傾斜している場合でも、各ローラが前記反対方向に傾斜している部分を径方向外側に向かって移動する。
【0007】
また、本発明は、未加硫ゴムから成る筒状部材の外周面側の軸方向所定位置に一対のビード部材が配置された状態で各ビード部材を筒状部材の径方向内側からそれぞれ保持する一対の保持機構を備え、各保持機構を互いに近づくように軸方向に移動しながら各保持機構の間の筒状部材をトロイダル状に成形するようにした成形ドラムにおいて、前記各保持機構の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端側が各保持機構側に位置するように各保持機構の軸方向外側に配置された複数のアームと、各アームを一端が保持機構の径方向に移動するように他端側を回動可能に支持するとともに、保持機構の軸方向に移動可能な支持部材と、各アームの一端にそれぞれ一部が支持され、各アームの一端に支持された部分を各保持機構によって保持された筒状部材の軸方向端部の内側に配置可能な複数の無端状部材と、支持部材を所定の付勢力で付勢して保持機構側に移動させることにより、各無端状部材のアームの一端に支持された部分を保持機構または筒状部材に押付ける付勢手段と、各無端状部材が保持機構の径方向に移動するように前記所定の付勢力によって保持機構または筒状部材に押付けられている各無端状部材を任意の回動速度で回動させる回動手段とを備えている。
【0008】
これにより、各アームは一端が保持機構の径方向に移動するように支持部材によって支持されるとともに、各アームの一端はそれぞれ無端状部材の一部を支持し、支持部材が付勢手段の所定の付勢力によって保持機構側に移動することにより、各無端状部材のアームの一端に支持された部分が保持機構または筒状部材に押付けられ、回動手段によって各無端状部材を任意の回動速度で回動させることにより、各無端状部材が保持機構の径方向に移動することから、各無端状部材によって筒状部材の軸方向端部側が折り返されてトロイダル状に成形された部分に押付けられる。また、トロイダル状に成形された部分の傾斜が大きい場合は、各無端状部材の回動速度を遅くすることにより、筒状部材の軸方向端部側が十分な押付力でトロイダル状に成形された部分に押付けられ、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材の付勢方向と反対方向に傾斜している場合でも、各無端状部材が前記反対方向に傾斜している部分を径方向外側に向かって移動する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えばトロイダル状に成形された部分の傾斜が大きい場合でも、筒状部材の軸方向端部側を十分な押付力でトロイダル状に成形された部分に押付けることができ、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材の移動方向と反対方向に傾斜している場合でも、各ローラまたは各無端状部材をトロイダル状に成形された部分の径方向外側に向かって移動させることができるので、筒状部材のトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができ、タイヤ品質の向上を図る上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図7は本発明の一実施形態を示すもので、図1は成形ドラムの断面図、図2乃至図4は成形ドラムの動作説明図、図5は成形ドラムのブロック図、図6は制御部の動作を示すフローチャート、図7は他の形状の未加硫タイヤを成形する場合の成形ドラムの要部断面図である。
【0011】
本実施形態の成形ドラムは、支軸1と、支軸1に軸方向に移動可能に設けられた一対の保持機構10と、各保持機構10の軸方向両側にそれぞれ配置された複数のアーム20と、各アーム20の一端にそれぞれ支持された複数のローラ30と、各アーム20の他端側を支持する一対の支持部材40と、各ローラ30を回転させるための一対の駆動装置50とを備えている。各保持機構10は軸方向に対称に設けられ、各アーム20、各ローラ30、各支持部材40及び各駆動装置50もそれぞれ軸方向に対称に設けられているので、以下の文章では一方の保持機構10側の各アーム20、各ローラ30、支持部材40及び駆動装置50について説明する。
【0012】
支軸1は図示しないベースに回転自在に支持されており、内部に駆動シャフト2が挿通している。駆動シャフト2は図示しないモータ等によって回転するようになっており、駆動シャフト2の外周面には右ネジ及び左ネジが設けられたネジ部2aが設けられている。また、支軸1の一部には軸方向に延びる2つの長孔1aが設けられ、各長孔1aは支軸1の軸方向に並ぶように設けられている。
【0013】
各保持機構10は、互いに周方向に並ぶように設けられた複数のビードロック部材11と、各ビードロック部材11を保持機構10の径方向に移動可能に支持する保持機構本体12と、各ビードロック部材11を保持機構10の径方向に移動させるピストン13とを有する。
【0014】
各ビードロック部材11は保持機構10の外周面側が凹状に形成され、外周面によってビード部材BEを径方向内側から保持するようになっている。
【0015】
保持機構本体12は支軸1に軸方向に移動可能に嵌合し、保持機構12の内周面には螺合部材12aが設けられている。また、螺合部材12aは長孔1aを挿通してネジ部2aに螺合している。このため、駆動シャフト2が回転すると、各保持機構10が互いに近づく方向または互いに離れる方向に移動する。
【0016】
ピストン13は保持機構本体12内に軸方向に移動可能に設けられ、保持機構本体12内の空気室12b内の空気圧によって軸方向に移動するようになっている。空気室12bには図示しない圧縮機から圧縮空気が供給される。また、ピストン13と各ビードロック部材11とはそれぞれリンク部材13aによって接続され、ピストン13が各保持機構10の軸方向内側に移動すると、各ビードロック部材11が各保持機構10の径方向外側に移動するようになっている。
【0017】
各アーム20は保持機構10の周方向に並ぶように設けられ、それぞれ一端が保持機構10側に位置するように配置されている。また、各アーム20の一端は保持機構10の各ビードロック部材11の近傍に配置されている。各アーム20の略中央部にはそれぞれフック20aが設けられ、フック20aはアーム20から保持機構10の径方向内側に向かって延びている。各アーム20のフック20aにはゴムリングや金属製スプリング等の弾性体リング20bが保持機構10の径方向外側から係止しており、各アーム20は弾性体リング20bによって保持機構10の径方向内側に向かって付勢されている。尚、弾性体リング20bは特許請求の範囲に記載したアーム付勢部材に相当する。
【0018】
各ローラ30は各アーム20の一端にそれぞれ回転可能に支持され、各ローラ30の軸方向一端にはそれぞれプーリ部30aが一体に設けられている。各ローラ30はその回転軸が保持機構10の周方向に延びる仮想円の接線方向に延びるように配置されている。
【0019】
支持部材40は円筒状に形成され、筒状部材41の外周面に軸方向に移動可能に嵌合している。筒状部材41は支軸1に軸方向に移動可能に嵌合し、一端が保持機構本体12に固定されている。即ち、筒状部材41は保持機構10とともに軸方向に移動するようになっている。支持部材40の内周面と筒状部材41の外周面との間には第1空気室40a及び第2空気室40bが設けられ、各空気室40a,40bに圧縮空気が供給されると、支持部材40が筒状部材41に対して軸方向に移動するようになっている。支持部材40の軸方向一端には互いに周方向に間隔をおいて複数の突起40cが設けられ、各突起40cは支持部材40の外周面から径方向外側に向かって延びるように設けられている。各突起40cにはそれぞれ各アーム20の他端を回動可能に支持している。また、各突起40cにはそれぞれプーリ40dが取付けられている。各プーリ40dは互いに図示しない連結シャフトによって連結されており、各プーリ40dのうち何れか一つのプーリ40dを回転させると、全てのプーリ40dが回転するようになっている。
【0020】
駆動装置50は周知のサーボモータから成り、支持部材40の外周面に固定されている。駆動装置50の駆動軸にはプーリ50aが取付けられ、プーリ50aの回転力が第1タイミングベルト51を介して各プーリ40dのうち1つのプーリ40cに伝達される。また、各プーリ40dの回転力はそれぞれ第2タイミングベルト52を介して各ローラ30のプーリ部30aに伝達される。各タイミングベルト51,52は特許請求の範囲に記載した回転力伝達部材に相当する。
【0021】
各空気室40a,40bに圧縮空気を供給する供給装置60は制御部70に接続され、制御部70は駆動装置50に接続されている(図5参照)。また、供給装置60は周知の圧縮機から成り、所定圧力の圧縮空気を第1空気室40aと第2空気室40bにそれぞれ供給可能である。制御部70は周知のマイクロコンピュータから成り、駆動装置50を駆動軸が任意の回転速度で回転するように制御可能である。また、制御部70は成形する未加硫タイヤの仕様に応じて駆動装置50及び供給装置60を制御するようになっている。
【0022】
以上のように構成された成形ドラムにおいて、例えば図4に示す形状の未加硫タイヤを成形する場合は、先ず、各保持機構10の各ビードロック部材11が径方向内側に配置されている状態で、各保持機構10の外周面側に筒状部材Tを配置する。これにより、各ローラ30が筒状部材Tの軸方向端部の内側に配置される。筒状部材Tはインナーライナー部材、カーカス部材、サイドウォール部材等から成る。次に、筒状部材Tの外周面側の軸方向所定位置に一対のビード部材BEを配置するとともに、各ビードロック部材11を径方向外側に向かって移動する。これにより、各ビードロック部材11によって各ビード部材BEがそれぞれ筒状部材Tの径方向内側から保持される。続いて、各保持機構10を互いに近づく方向に移動しながら、各保持機構10の間に図示しない周知の圧縮空気供給装置によって圧縮空気を供給し、各保持機構10の間の筒状部材Tをトロイダル状に成形する。この時、各支持部材40、各アーム20、各ローラ30及び各駆動装置50も各保持機構10とともに移動する。
【0023】
次に、支持部材40が保持機構10側に移動することにより、各ローラ30が保持機構10に押付けられ、各ローラ30が回転することにより、各ローラ30によって筒状部材Tの軸方向端部が折り返される。この時の制御部70の動作について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0024】
先ず、制御部70が筒状部材Tの軸方向端部の折り返しを要求する信号を受けると(S1)、供給装置60によって第1空気室51への圧縮空気の供給を開始し、支持部材40を保持機構10側に移動させる(S2)。これにより、各ローラ30が保持機構10に押付けられる。次に、第1空気室51に圧縮空気を供給し続けながら、各ローラ30が保持機構10の径方向外側に向かって移動するように駆動装置50の駆動軸を所定の回転速度で回転させる(S3)。これにより、各ローラ30が保持機構10の径方向外側に向かって移動して筒状部材Tの軸方向端部側に当接する。この状態で各ローラ30が回転すると、筒状部材Tの軸方向端部側がビード部材BEを包み込むように折り返される。この状態でさらに各ローラ30が回転すると、折り返された筒状部材Tの軸方向端部側がトロイダル状に成形された部分に押付けられる(図3)。
【0025】
ここで、各ローラ30の回転速度は成形する未加硫タイヤの種類によってそれぞれ設定することが好ましい。例えば、トロイダル状に成形された部分の傾斜αが大きい場合は、各ローラ30の回転速度が速いと、筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができないので、各ローラ30を比較的遅い回転速度で回転させることにより、各ローラ30によって筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に十分な押付力で押付けることができる。
【0026】
一方、図7に示すように、トロイダル状に成形された部分の一部が第1空気室40aによる支持部材40の付勢方向と反対方向の傾斜βを有している場合でも、各ローラ30を所定の回転速度で回転させると、各ローラ30は空気室40aの付勢力に抗して径方向外側に円滑に移動する。即ち、支持部材40は第1空気室40aに供給される空気の圧力によって所定の付勢力で付勢されているので、各ローラ30が前記反対方向に傾斜している部分を移動する際に、支持部材40が付勢方向と反対の方向に適せん移動し、各ローラ30の移動を許容することができる。また、支持部材40が付勢方向と反対方向に移動している間も、各ローラ30には前記所定の付勢力が加わるので、各ローラ30によって筒状部材の軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に十分な押付力で押付けることができる。
【0027】
続いて、各ローラ30が筒状部材Tの軸方向端部よりも径方向外側の所定の位置まで移動すると(S4,図4)、駆動装置50を停止させ(S5)、供給装置60による第1空気室40aへの圧縮空気の供給を停止するとともに(S6)、供給装置60による第2空気室40bへの圧縮空気の供給を開始する(S7)。これにより、支持部材40が保持機構10から離れる方向に移動するとともに、各アーム20が弾性体リング20bの付勢力によって径方向内側に移動する。
【0028】
このように、本実施形態によれば、各アーム20は一端が保持機構10の径方向に移動するように支持部材40によって支持されるとともに、各アーム20の一端にはそれぞれローラ30が設けられ、第1空気室40aに圧縮空気が供給されて支持部材40が保持機構10側に移動することにより、各ローラ30が保持機構10に押付けられ、駆動装置50の駆動軸を所定の回転速度で回転させて各ローラ30を回転させることにより、各ローラ30が保持機構10の径方向に移動するとともに、各ローラ30によって筒状部材Tの軸方向端部側が折り返されてトロイダル状に成形された部分に押付けられることから、トロイダル状に成形された部分の傾斜αが大きい場合は、各ローラ30の回転速度を遅くすることにより、筒状部材Tの軸方向端部側が十分な押付力でトロイダル状に成形された部分に押付けられ、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材40の付勢方向と反対方向の傾斜βを有する場合でも、各ローラ30が前記反対方向の傾斜βを有する部分を径方向外側に向かって移動する。このため、筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材Tの端部をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができ、タイヤ品質の向上を図る上で極めて有利である。
【0029】
また、各ローラ30が第1空気室40aによって所定の付勢力で筒状部材Tに押付けられている状態で、各ローラ30を駆動装置50によって回転させると、各ローラ30が筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分の形状に沿って径方向外側に移動するので、筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分が複雑な形状を有する場合でも、複雑な制御を行うことなく各ローラ30を筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分に追従させることができ、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【0030】
また、支持部材40とともに保持機構10の軸方向に移動可能な駆動装置50と、駆動装置50の駆動軸の回転力を各ローラ30にそれぞれ伝達する各タイミングベルト51,52とを設け、駆動装置50の駆動軸の回転力を各ローラ30に伝達するようにしたので、駆動装置50の駆動軸の回転速度を変更することにより、各ローラの回転速度を調整することができる。即ち、簡単な構成によって各ローラ30の回転速度を調整することができ、装置の簡素化及び製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【0031】
また、各アーム20は、トロイダル状に成形された部分に押付けられた筒状部材Tの軸方向端部よりも径方向外側まで各ローラ30が移動するように形成されているので、筒状部材Tの軸方向端部をトロイダル状に成形された部分に確実に貼付けることができ、タイヤ品質の向上を図る上で極めて有利である。
【0032】
また、各アーム20は弾性体リング20bによって保持機構10の径方向内側に向かって付勢されているので、支持部材40が保持機構10から離れる方向に移動すると、各アーム20が弾性体リング20bの付勢力によって径方向内側に移動する。即ち、各アーム20の一端にそれぞれ設けられた各ローラ30を筒状部材Tの内周面よりも径方向内側に自動的に配置することができ、次の筒状部材Tの折り返し動作に円滑に移行することができる。
【0033】
尚、本実施形態では、各ローラ30の回転速度は成形する未加硫タイヤの種類によってそれぞれ設定することが好ましいことを示したが、各ローラ30の回転速度を未加硫タイヤの種類によらず一定に制御することも可能であり、この場合でも筒状部材Tの軸方向端部側をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることが可能である。
【0034】
また、本実施形態では、支持部材40を保持機構10側に移動させた際に、各ローラ30が保持機構10に押付けられるようにしたものを示したが、支持部材40を保持機構10側に移動させた際に、各ローラ30が保持機構10の外周面によって径方向外側に案内され、各ローラ30が筒状部材Tに直接押付けられるようにすることも可能である。
【0035】
尚、本実施形態では、第2タイミングベルト51が各ローラ30のプーリ部30aに巻き掛けられ、駆動装置50及び各タイミングベルト51,52によって各ローラ30を回転させると、各ローラ30の当接によって筒状部材Tの軸方向端部側が折り返されるようにしたものを示したが、図8に示すように、各アーム20の一端に各ローラ30の代わりにそれぞれプーリ31を設けるとともに、第2タイミングベルト52を各プーリ31の外周面に巻き掛け、各第2タイミングベルト52の当接によって筒状部材Tの軸方向端部側を折り返すようにすることも可能である。
【0036】
この場合、各アーム20は一端が保持機構10の径方向に移動するように支持部材40によって支持されるとともに、各アーム20の一端はそれぞれ無端状部材である第2タイミングベルト52の一部を回動可能に支持し、第1空気室40aに圧縮空気が供給されて支持部材40が保持機構10側に移動することにより、各第2タイミングベルト52のアーム20の一端に支持された部分が保持機構10に押付けられ、駆動装置50の駆動軸を所定の回転速度で回転させて各第2タイミングベルト52を回動させることにより、各第2タイミングベルト52が保持機構10の径方向に移動するとともに、各第2タイミングベルト52によって筒状部材Tの軸方向端部側が折り返されてトロイダル状に成形された部分に押付けられることから、トロイダル状に成形された部分の傾斜αが大きい場合は、各第2タイミングベルト52の回動速度を遅くすることにより、筒状部材Tの軸方向端部側が十分な押付力でトロイダル状に成形された部分に押付けられ、トロイダル状に成形された部分の一部が支持部材40の付勢方向と反対方向の傾斜βを有する場合でも、各第2タイミングベルト52が前記反対方向の傾斜βを有する部分を径方向外側に向かって移動する。このため、筒状部材Tのトロイダル状に成形された部分の形状によらず、筒状部材Tの端部をトロイダル状に成形された部分に確実に押付けることができ、タイヤ品質の向上を図る上で極めて有利である。
【0037】
また、各アーム20の一端にローラ30及びプーリ部30aを設ける場合と比較して各アーム20の一端に設ける部品を簡素化することができるので、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明における一実施形態を示す成形ドラムの断面図
【図2】成形ドラムの動作説明図
【図3】成形ドラムの動作説明図
【図4】成形ドラムの動作説明図
【図5】成形ドラムのブロック図
【図6】制御部の動作を示すフローチャート
【図7】他の形状の未加硫タイヤを成形する場合の成形ドラムの要部断面図
【図8】本実施形態の変形例を示す成形ドラムの要部断面図
【符号の説明】
【0039】
1…支軸、2…駆動シャフト、10…保持機構、11…ビードロック部材、12…保持機構本体、13…ピストン、20…アーム、20a…フック、20b…ゴムリング、30…ローラ、30a…プーリ、31…プーリ、40…支持部材、40a…第1空気室、40b…第2空気室、40c…突起、40d…プーリ、41…筒状部材、50…駆動装置、50a…プーリ、51…第1タイミングベルト、52…第2タイミングベルト、60…供給装置、70…供給装置、T…筒状部材、BE…ビード部材。

【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100069981
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝

【識別番号】100087860
【弁理士】
【氏名又は名称】長内 行雄


【公開番号】 特開2008−12739(P2008−12739A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184856(P2006−184856)