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【発明の名称】 樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法
【発明者】 【氏名】中野 好夫

【氏名】中尾 孝

【要約】 【課題】複雑な三次元形状を有し、内面にしわやこぶ等の欠陥のない高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースを、低コストに製造する方法を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂チューブの外側に複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを被覆された樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造において、前記未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを所定長に切断した後、前記樹脂チューブの内側に中空部を有する可撓性マンドレルを挿入して、ストレートの状態で予備加硫することによって補強層の熱収縮を行い、次いで、この可撓性マンドレルの中空部に成型用マンドレルを挿入して、本加硫することにより曲がりホースを製造することを特徴とする樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法。
【請求項2】
前記可撓性マンドレルが、金属製ばねまたはインターロックチューブであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法。
【請求項3】
前記可撓性マンドレルの外面に可撓性カバーを被せることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法。
【請求項4】
前記可撓性マンドレルの内面と成型用マンドレルの外面との隙間が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つの項に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法。
【請求項5】
前記樹脂−ゴム複合曲がりホースが、樹脂チューブの外側に内面ゴム層を設けた内管と、この内管の外側に設けられた繊維補強層と、この繊維補強層の外側に設けられた外面ゴム層とからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つの項に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂層とゴム層とを設けてなる樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法に関し、更に詳しくは、自動車等の車両用エアコン(エアコンディショナー)の冷媒回路等に用いられる樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両の軽量化を目的として、車両用エアコンの冷媒回路等の配管にはアルミニウム合金製配管が使用されているが、コンプレッサ等で発生する振動が配管を共振させ騒音を引き起こす恐れがある。そこで、配管の共振を抑制するために、ゴムと樹脂とからなる複合フレキシブルホースが配管の途中に組み込まれて使用されている。
【0003】
このような車両用エアコンの冷媒回路に用いられる複合フレキシブルホースでは、一般に内管が樹脂層とゴム層とを有する樹脂−ゴム複合構造に構成されている。そして、最内層に設けられた薄い樹脂層で冷媒に対する耐ガス透過性を確保するとともに、外層のゴムホースでホースとしての柔軟性、振動吸収性および耐水分透過性を確保し、更に、前記ゴム層を繊維で補強するための繊維補強層を有するのが通常である。
【0004】
また、一般的に、車両用エアコンの冷媒用樹脂−ゴム複合ホースの最内層を形成する樹脂としては、主にポリアミド系のものが多用されている。更に、前記冷媒用樹脂−ゴム複合ホースを形成するゴムとしては、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(以下、EPDMと略す)等がある。
【0005】
しかるに、近年、自動車等車両の軽量化やエンジンルームのコンパクト化等により、配管スペースの狭小化、複雑化が進んでいる。このため車両用エアコンホースについても例外ではなく、狭いスペースに自由に配管出来かつ周辺機器と接触することなく、柔軟性に優れることが要求されている。一方、従来のストレート状のホースでは、これを強制的に曲げて装着する必要性が生じ、装着時の作業が難しくなって、場合によっては周辺機器との接触により装着できない場合が出てくる。
【0006】
従って、これらの要求に答えるために、ホースを曲げた状態で成型加硫する提案がなされている。しかしながら、樹脂−ゴム複合ホースの曲管を製造するには、通常、長尺のゴム製もしくは樹脂製のマンドレルの周囲に、樹脂およびゴムを同時もしくは段階的に重ねて内管とした後、この内管の表面にポリエステル糸等を編み上げて巻き付けた補強層を設け、この補強層の上から外面ゴムを押出被覆する。この場合、ホースがストレートな直管の場合にはそのまま加硫を行い、その後にマンドレルを抜き取れば加硫済みの樹脂−ゴム複合ホースが得られる。
【0007】
一方、ホースが曲がり形状を呈している曲がり管の場合は、長尺のストレートのマンドレルを抜き取った後に、この未加硫ホースを短尺に寸法切断し、所定の曲がり形状を有する金属製マンドレルを前記未加硫ホースに挿入して加硫するか、ストレートの長尺マンドレルを抜き取った後に寸法切断し、短尺の樹脂またはゴム製マンドレルをこの未加硫短尺ホースに再挿入し、もしくは長尺のマンドレルを挿入したまま寸法切断し、曲がり形状を有する外枠にはめて加硫を行うかのどちらかの方法で曲がりホースを製造することになる。
【0008】
前者の製造方法は、内管がゴムの場合は特に問題がなく、広く一般的に採用されている工法であるが、最内管に熱可塑性樹脂を使用する場合、曲がり形状のマンドレルを挿入する際に樹脂とゴムの界面に剥離が生じたり、成型加硫後に補強層の熱収縮により、前記マンドレルと最内層樹脂との隙間の大きい曲がり箇所の曲面内側でしわやこぶを生じさせ易く、また、成型加硫後に金属製マンドレルを抜き取る作業時に内管樹脂表面に傷を生じさせたりして正常な完成品が得られない。
【0009】
一方、ストレートのマンドレルを抜き取った後に、寸法切断したゴムまたは樹脂のマンドレルを再挿入する後者の工法の場合、外層のゴムが未加硫であることから加硫時に外枠と接触して、外面ゴムに傷を生じさせることになる。更にまた、前記金属製マンドレルを再挿入する工法と同様に、成型加硫時に補強層の熱収縮により、最内層樹脂とマンドレルとの間に隙間が出来、曲がり箇所の曲面内側でしわやこぶを生じさせ易い。
【0010】
また、長尺のマンドレルを挿入したまま寸法切断する工法では、マンドレルの再利用が出来ずコストアップの要因となる。更に、外枠による曲がり成型の場合は、三次元形状の複雑な形状を有する外枠を作ることが困難で、かつ費用も多大なものとなるため実用には適さない。
【0011】
そこで、次に述べるような曲がりホースの製造方法が提案されている。このような従来例に係る曲がりホースの製造方法について、図3および図4を参照しながら以下説明する。図3は従来例に係る成型前のストレート状態の未加硫複合ホースの部分切断図、図4は他の従来例に係る実施例を示す3層ホースの押出しの説明図を示している。
【0012】
図3において、この複合曲がりホースの製造方法は、ゴムまたは樹脂製のマンドレル20に、内側より内面樹脂層21、内管未加硫ゴム層22、中間ゴム層24を挟んで2層スパイラル構造とした補強層23,25および外被未加硫ゴム層26が順次積層して未加硫複合ホースが構成され、ストレート状態の前記未加硫複合ホースを形成する第1工程と、外被未加硫ゴム層26上に軟化点が成型加硫時の温度よりも高い性質を持つ樹脂被覆27を施す第2工程と、前記内面樹脂層21が弾性変形を示す温度域にて予熱する第3工程とを有する。
【0013】
同時に、引き続き、予め加硫温度付近に加熱した金型に前記予熱された未加硫複合ホース装填する第4工程と、所定の加硫条件にて成型加硫する第5工程と、内面樹脂層21が弾性変形を示す温度域において金型から取り外す第6工程と、内面樹脂層21が弾性変形を示す温度域において前記樹脂被覆27およびマンドレル20を取り外す第7工程と、室温まで冷却する間、目的の成型条件の型に装填しておく第8工程と、の各工程からなる(特許文献1参照)。
【0014】
しかしながら、このような従来例に係る複合曲がりホースの製造方法は、複雑で多段の工程を要するため、工程管理に手間取り製造コストが多大になるという問題点を有している。そこで、図4における他の従来例に係るゴム−樹脂積層曲がりホースの製造方法は、中芯30を流し、これに第一の押出機31で内層ゴムを、第二の押出機32で中間樹脂を、第三の押出機33で外層ゴムを夫々押出して中芯30の外周にこの順序で夫々積層していく。
【0015】
積層された前記ホースは、所定の長さにカットしてこれを予備加硫する。そして、予備加硫したこのホースから中芯30を抜き取り、このホースを所望の曲がりを設けた加硫心棒に差し込み、これを加硫心棒を付けたままで本加硫するのである(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−192668号公報
【特許文献2】特開2000−289121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、前記従来例に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法は、中芯30を抜き取った前記未加硫ホースに、加硫心棒を直接差し込み本加硫して成型するため、ホース内面に傷を生じやすく、そのため複雑な三次元形状を有する複合ホースの製造には不向きである。
【0017】
従って、本発明の目的は、複雑な三次元形状を有し内面にしわやこぶ等の欠陥のない高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースを、低コストに製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の請求項1に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法が採用した手段は、樹脂チューブの外側に複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを被覆された樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造において、前記未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを所定長に切断した後、前記樹脂チューブの内側に中空部を有する可撓性マンドレルを挿入してストレートの状態で予備加硫することによって補強層の熱収縮を行い、次いでこの可撓性マンドレルの中空部に成型用マンドレルを挿入して、本加硫することにより曲がりホースを製造することを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項2に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法が採用した手段は、請求項1に記載樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法において、前記可撓性マンドレルが、金属製ばねまたはインターロックチューブであることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項3に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法が採用した手段は、請求項1または2に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法において、前記可撓性マンドレルの外面に可撓性カバーを被せることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の請求項4に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法が採用した手段は、請求項1乃至3の何れか一つの項に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法において、前記可撓性マンドレルの内面と成型用マンドレルの外面との隙間が0.5mm以上であることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の請求項5に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法が採用した手段は、請求項1乃至4の何れか一つの項に記載の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法において、前記樹脂−ゴム複合曲がりホースが、樹脂チューブの外側に内面ゴム層を設けた内管と、この内管の外側に設けられた繊維補強層と、この繊維補強層の外側に設けられた外面ゴム層とからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法によれば、樹脂チューブの外側に複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを被覆された樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造において、先ず、前記未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを所定長に切断した後、前記樹脂チューブの内側に中空部を有する可撓性マンドレルを挿入してストレートの状態で予備加硫を行なう。
【0024】
次いで、この可撓性マンドレルの中空部に、成型用マンドレルを挿入して本加硫することにより曲がりホースを製造するので、前記予備加硫により生じた繊維補強層の熱収縮によって、前記樹脂チューブと可撓性マンドレル間の隙間がなくなり、樹脂チューブ内面にしわやこぶ等の欠陥を生ずることなく高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造が可能となる。
【0025】
また、本発明の請求項2に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法によれば、前記可撓性マンドレルが金属製ばねまたはインターロックチューブであるので、中空部を有する可撓性マンドレルとして最適な特性を発揮できる。
【0026】
更に、本発明の請求項3または4に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法によれば、前記可撓性マンドレルの外面に可撓性カバーを被せることにより樹脂チューブ内面に損傷を与えることなく高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造が可能となり、また、前記可撓性マンドレルの内面と成型用マンドレルの外面との隙間を0.5mm以上としたので、成型用マンドレルを前記可撓性マンドレルの内側に挿入し易くなる。
【0027】
また更に、本発明の請求項5に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法によれば、前記樹脂−ゴム複合曲がりホースが、樹脂チューブの外側に内面ゴム層を設けた内管と、この内管の外側に設けられた繊維補強層と、この繊維補強層の外側に設けられた外面ゴム層とからなるので、最も一般的な車両用エアコンホースの製造に適用可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法を説明するための工程図、図2は本発明の実施の形態に係る未加硫の樹脂−ゴム複合ホースの部分切断図である。
【0029】
本図1において、本発明の実施の形態に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法は、先ず、未加硫の樹脂−ゴム複合ホース1が通常50〜100m程度の長尺を有するので、これを製品長さに合わせて0.5〜2m程度の所定長に寸法切断2する。
【0030】
ここで、前記未加硫の樹脂−ゴム複合ホース1は、図2に例示したように、樹脂チューブ11aの外側に内面ゴム層11bを設けた内管11と、この内管11の外側に設けられた繊維補強層12と、この繊維補強層12の外側に被覆された外面ゴム層13とからなる。前記ゴム層は、内面ゴム層11bと外面ゴム層13に限定されることなく、その中間に中間ゴム層を有する場合もあり、また、前記繊維補強層12が複数層ある場合もある。
【0031】
そして、この切断された未加硫の樹脂−ゴム複合ホース1の樹脂チューブ11aの内側に、中空部を有する可撓性マンドレルを挿入3し、この可撓性マンドレルを挿入したままストレートの状態で予備加硫5aする。次に、この可撓性マンドレルの中空部に成型用マンドレルを挿入4する。その後、所定の温度で所定時間加熱して本加硫5する。そして、冷却が完了後、先ず成型用マンドレルを抜き取り6a、その後可撓性マンドレルを抜き取り6b、樹脂−ゴム複合曲がりホース7の製造を完了する。
【0032】
ここで、前記樹脂チューブ11aとしては、通常ポリアミド樹脂が多用されている。このようなポリアミド樹脂は、PA6,PA66,PA6とPA66の共重合体,PA11,PA12,PA11とPA12の共重合物、変性物、ブレンド物およびPAにオレフィンをブレンドしたもの等が適している。
【0033】
次に、ゴム層について以下詳細に説明する。前記内面ゴム層11bのゴム材質としてはブチルゴム(IIR)が好ましい。このブチルゴムは、イソブチレンとイソプレンの共重合体であって、耐熱、耐寒、耐候性、耐薬品性および耐屈曲亀裂性に優れる上、ガス透過性が低いという特性を有するゴムであるからである。前記ブチルゴムは、塩素化ブチルゴムや臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムでも良い。
【0034】
また、前記外面ゴム層13や中間ゴム層のゴム材質としては、ブチルゴムやEPDMが好ましい。このブチルゴムは、上述したように極めてガス透過性が小さく、反発弾性が低いという性質を持ち、耐熱性、耐候性に優れているからである。また、EPDMは、同様に耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れるためである。
【0035】
このようなゴム層の加硫に要する加熱温度と加熱時間は、使用されるゴム原料の架橋特性によって多少の違いはあるが、上述したようなゴム材質の場合は、160℃前後の温度で40分程度の加熱時間が必要である。
【0036】
次に、繊維補強層12について説明すると、複数本の補強糸を引き揃えて内面ゴム層11bの外周面に、交差させて編み込みしつつ巻き付け構成されてなる。前記補強糸は、複数本のポリエステル糸を加撚して構成されたものが強度上好ましい。
【0037】
一方、前記可撓性マンドレルとしては、加硫時の耐熱性を有するとともに、成型用マンドレルの形状に沿って未加硫の樹脂−ゴム複合ホース1に、自在な形状を賦与させる必要性があるため、金属製ばねやインターロックチューブ(例えば、株式会社ハギテック製)等の中空部を有する可撓性金属であるのが好ましい。一方、前記成型用マンドレルは、所望の三次元形状を予め賦与され、表面にクロムメッキを施された鉄鋼棒材やステンレス鋼棒材からなる。
【0038】
そして、前記可撓性マンドレルの外面には、可撓性カバーを被せて使用するのが好ましい。金属製ばねやインターロックチューブからなる可撓性マンドレルに、可撓性カバーを被せることにより、前記樹脂チューブ11a内面に可撓性マンドレルの外形形状が賦与されたり、傷が付くのを防止できるからである。このような可撓性カバーとしては、ゴムや樹脂シートからなるカバーが良い。
【0039】
また、前記可撓性マンドレルの内面と成型用マンドレルの外面との隙間は、0.5mm以上であるのが好ましい。前記隙間が0.5mm未満であると両者間に余裕がなくなり、成型用マンドレルの挿入がし難くなるためである。
【0040】
前記予備加硫5aは、160℃前後の温度で5分程度加熱するので良い。このような予備加硫によって前記繊維補強層に熱収縮を生じて、この熱収縮により前記内面樹脂チューブと可撓性マンドレル間の隙間をなくし、前記樹脂内面にしわやこぶが発生するのを防止できるからである。
【0041】
以上、本発明の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法によれば、先ず、未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを所定長に切断した後、樹脂チューブの内側に中空部を有する可撓性マンドレルを挿入してストレートの状態で予備加硫を行なう。
【0042】
次いで、この可撓性マンドレルの中空部に成型用マンドレルを挿入し、その後本加硫することにより曲がりホースを製造するので、前記予備加硫により生じた繊維補強層の熱収縮によって、前記樹脂チューブと可撓性マンドレル間の隙間がなくなり、樹脂チューブ内面にしわやこぶ等の欠陥を生ずることなく高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造が可能となる。
【実施例】
【0043】
<実施例−1>
図2に示した断面構成を有し、内径12.2mm、厚さ0.15mmのPA6チューブの外側に、ブチルゴム層、繊維補強層、EPDMからなる外面ゴム層を順次形成した外径19.0mmの未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを、図1の工程に従って先ず寸法切断し、長さ1.5mの未加硫樹脂−ゴム複合ホースを10本準備した。
【0044】
次に、ゴム製カバーを被せた外径11.9mm、内径9.4mmの金属製ばねを、切断された前記複合ゴムホースのPA6チューブの内側に挿入した。そして、前記ゴム製棒をストレートな状態に保持したままで加熱炉に装填し、温度160℃で5分間保持して予備加硫した。更に、外径8.0mmの成型用マンドレルを前記金属ばねに挿入し、そのままの状態で加硫缶に装填し、温度160℃で35分間保持して本加硫した。
【0045】
冷却後これを取り出して、前記成型用マンドレルを抜き取り、その後金属製ばねを抜き取ったところ、成型用マンドレルの形状通りの三次元形が賦形された10本の曲がりホース製品が得られた。この曲がりホースを軸方向に沿って全数分割し、PA6内面を目視観察したところ、10本全てしわやこぶ、傷等の欠陥は認められなかった。
【0046】
<実施例−2>
前記実施例−1と同様の未加硫の樹脂−ゴム複合ホース10本を用い、前記可撓性マンドレルにインターロックチューブを用いたこと以外は、実施例−1と全く同一の処理を行った。得られた曲がりホースを軸方向に沿って分割し内面を目視観察したところ、10本全てしわやこぶ、傷等の何ら損傷は認められなかった。
【0047】
<比較例−1>
前記実施例−1と同様の未加硫の樹脂−ゴム複合ホース10本を用い、予備加硫を施すことなく、温度160℃で40分間の本加硫を行ったこと以外は、全く実施例−1と同一の処理を行った。得られた曲がりホース10本全てを軸方向に沿って分割し内面を目視観察したところ、1本のホースのPA6チューブ内面にしわの発生が認められた。
【0048】
<比較例−2>
前記実施例−1と同様の未加硫の樹脂−ゴム複合ホース10本を用い、前記金属ばねにゴム製カバーを被せることなくPA6チューブの内側に挿入したこと以外は、実施例−1と全く同一の処理を行った。得られた曲がりホース全数を軸方向に沿って分割し内面を目視観察したところ、全数ともPA6チューブ内面に金属性ばねによる波型形状が賦形されていた。
【0049】
以上、本発明に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法は、前記未加硫の樹脂−ゴム複合ホースを所定長に切断した後、前記樹脂チューブの内側に中空部を有する可撓性マンドレルを挿入してストレートの状態で予備加硫を行い、更に、この可撓性マンドレルの中空部に成型用マンドレルを挿入し、その後本加硫することにより曲がりホースを製造するので、前記予備加硫により生じた繊維補強層の熱収縮によって、前記樹脂チューブと可撓性マンドレル間の隙間がなくなり、樹脂チューブ内面にしわやこぶ等の欠陥を生ずることなく高品質の樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造が可能となった。
【0050】
本発明に係るこのような樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法は、樹脂チューブの外側に複数のゴム層とこの複数のゴム層間に介在する補強層とを被覆された樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法に用いられるのが好ましいが、このようなホース構成に限定されることなく、例えば、前記樹脂チューブの内側に損傷防止のため薄いゴム層を設けた樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂−ゴム複合曲がりホースの製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る未加硫の樹脂−ゴム複合ホースの部分切断図である。
【図3】従来例に係る成型前のストレート状態の未加硫複合ホースの部分切断図である。
【図4】他の従来例に係る実施例を示す3層ホースの押出しの説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1:未加硫の樹脂−ゴム複合ホース, 2:寸法切断,
3:可撓性マンドレル挿入, 4:成型用マンドレル挿入,
5:本加硫, 5a:予備加硫
6a:成型用マンドレル抜取, 6b:可撓性マンドレル抜取,
7:樹脂−ゴム複合曲がりホース,
11:内管, 11a:樹脂チューブ, 11b:内面ゴム層
12:補強層(繊維補強層), 13:外面ゴム層

【出願人】 【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之


【公開番号】 特開2008−6614(P2008−6614A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176835(P2006−176835)