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【発明の名称】 エンドレスベルトの製造方法
【発明者】 【氏名】本田 和也

【要約】 【課題】ベルトスラブを幅断ちした際に、切断面にコードが露出しない、エンドレスベルトの製造方法を提供すること。

【構成】コード2を芯体としたエンドレスベルトBのコード設置方法において、金型9上にコード2を螺旋状に連続的に巻き付ける工程と、ベルトスラブの幅断ち位置Pから離れた位置で隣り合うコード2,2相互を固定する工程と、幅断ち位置Pから前記コード2,2相互の固定位置までのコード2部分を切除する工程とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードを芯体としたエンドレスベルトのコード設置方法において、金型上にコードを螺旋状に連続的に巻き付ける工程と、ベルトスラブの幅断ち位置から離れた位置で隣り合うコード相互を固定する工程と、幅断ち位置から前記コード相互の固定位置までのコード部分を切除する工程とを備えたことを特徴とするエンドレスベルトの製造方法。
【請求項2】
コードを芯体としたエンドレスベルトのコード設置方法において、金型に被せた帆布上にコードを螺旋状に連続的に巻き付ける工程と、ベルトスラブの幅断ち位置から離れた位置で、隣り合うコード相互を固定するか又はコードを帆布に固定する工程と、幅断ち位置から前記固定位置までのコード部分を切除する工程とを備えたことを特徴とするエンドレスベルトの製造方法。
【請求項3】
幅断ち面からコードの最外位置までの距離は、両側でベルト幅の10%以内であって、端面には芯線が露出していないことを特徴とする請求項1又は2記載のエンドレスベルトの製造方法。
【請求項4】
隣り合うコード相互を固定する手段は、粘着テープ、接着剤やホッチキスであることを特徴とする請求項1又は3記載のエンドレスベルトの製造方法。
【請求項5】
隣り合うコード相互又はコードを帆布に固定する手段は、粘着テープ、接着剤やホッチキスであることを特徴とする請求項2又は3記載のエンドレスベルトの製造方法。
















【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、エンドレスベルトの製造方法、特に、コードを芯体としたエンドレスベルトの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コードを芯体としたエンドレスベルト、例えば、歯付きベルトは以下のようにして製造されている。
【0003】
先ず、ベルト歯形成溝を設けている円筒状のモールドに、筒状の歯布を被せ、その上にコードを巻き、更にその上にゴムシートを巻き付けて成形体を準備する。ここで、上記コードは連続的に巻き付けることから、螺旋状に巻き付けられる(例えば、特許文献1。)。
【0004】
次に、この成形体を耐熱性のあるゴム筒を介して蒸気で加熱加圧し、加硫成形する。
【0005】
そして、前記加硫成形されたベルトスラブを型抜きした後、所定の幅に幅断ちすると、歯付きベルトは完成する。
【0006】
しかしながら、上記製造方法では、歯布上にコードを連続的に螺旋状に巻き付けるようにしているので、ベルトスラブを幅断ちした際に、ベルト側面(幅断ち面)からコードが露出する。そして、前記コードの露出が原因でベルト使用時において、ほつれが生じ、短期間でベルトが破壊に至るという問題がある。
【特許文献1】特開2002−160304(従来の技術の欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明では、ベルトスラブを幅断ちした際に、切断面にコードが露出しない、エンドレスベルトの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1記載の発明)
この発明は、コードを芯体としたエンドレスベルトのコード設置方法において、金型上にコードを螺旋状に連続的に巻き付ける工程と、ベルトスラブの幅断ち位置から離れた位置で隣り合うコード相互を固定する工程と、幅断ち位置から前記コード相互の固定位置までのコード部分を切除する工程とを備えている。
【0009】
(請求項2記載の発明)
この発明は、コードを芯体としたエンドレスベルトのコード設置方法において、金型に被せた帆布上にコードを螺旋状に連続的に巻き付ける工程と、ベルトスラブの幅断ち位置から離れた位置で、隣り合うコード相互を固定するか又はコードを帆布に固定する工程と、幅断ち位置から前記固定位置までのコード部分を切除する工程とを備えている。
【0010】
(請求項3記載の発明)
この発明は、上記請求項1又は2記載の発明に関し、幅断ち面からコードの最外位置までの距離は、両側でベルト幅の10%以内であって、端面には芯線が露出していないものとしている。
【0011】
(請求項4記載の発明)
この発明は、上記請求項1又は3記載の発明に関し、隣り合うコード相互を固定する手段は、粘着テープ、接着剤やホッチキスである。
【0012】
(請求項5記載の発明)
この発明は、上記請求項2又は3記載の発明に関し、隣り合うコード相互又はコードを帆布に固定する手段は、粘着テープ、接着剤やホッチキスである。
【発明の効果】
【0013】
この発明のエンドレスベルトの製造方法では、ベルトスラブを幅断ちした際に、切断面にコードが露出しないので、ベルト使用時においてコードのほつれが生じることはなく、その結果、短期間でベルトが破壊に至るということはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下にこの発明のエンドレスベルトの製造方法を実施するための最良の形態として実施例について詳しく説明する。
【実施例1】
【0015】
図1はこの発明の実施例1のエンドレスベルトBの断面斜視図、図2は前記エンドレスベルトBの製造方法の説明図、図3は帆布1上にコード2を螺旋状に連続的に巻き付けた状態の正面図、図4はベルトスラブBSの幅断ち位置Pから離れた位置で、隣り合うコード2,2相互を固定した状態の正面図、図5は幅断ち位置からコードの固定位置までに存在するコード部分を切除した状態の正面図、図6は金型9とバッグゴム8との間で帆布1、コード2、未加硫ゴムシート3を挟み込んだ状態を示す断面図、図7はベルトスラブBSの斜視図を示している。
【0016】
(このエンドレスベルトBについて)
このエンドレスベルトBは、図1に示すように、片面に歯部を有する歯付きベルトであり、歯部30から背面部31までを構成する本体ゴム3’(後述する未加硫ゴムシート3を加硫成形して成る)と、前記本体ゴム3’内にベルト長手方向に延びる態様で埋設されたコード2、前記歯部30を被覆する帆布1とから構成されている。
【0017】
ここで、このエンドレスベルトBでは、コード2は図1に示すように、ベルト幅方向中央部分は間隔を設けて等ピッチで配列されており、ベルト側面にはコード2は全く露出していない。
【0018】
したがって、このエンドレスベルトBでは、ベルト使用時においてコード2には、ほつれが生じることはなく、その結果、短期間でベルトが破壊に至るということはない。
【0019】
なお、幅断ち面(ベルト側面)からコードの最外位置までの距離は、両側でベルト幅の10%以内に設定しておくことが重要である。何故ならば、コード2が存在しない部分はゴムの収縮によりベルトが反り、歯荷重分担或いはスラストが変わることで耐久性が低下するからであり、また、ベルト強度が低下するからである。
【0020】
したがって、幅断ち面(ベルト側面)からコード2の最外位置までの距離は、両側でベルト幅の5%程度であることが好ましい。
【0021】
(このエンドレスベルトBの製造方法について)
このエンドレスベルトBは、以下の手順により製造されている。
【0022】
(1) 工程1
金型9に 図2(A)に示すように、周方向に伸縮性を有する円筒状の帆布1を外挿する。
ここで、金型9は、外周に一定角度間隔でベルト歯成形溝を設けてある。
【0023】
(2) 工程2
帆布1の上からコード2を、図2(B)や図3に示すように螺旋状に連続的に巻き付けた後、図4に示す如く、ベルトスラブの幅断ち位置Pから離れた位置で、隣り合うコード2,2相互を固定(接着剤やホッチキス「登録商標」による)し、幅断ち位置Pから前記固定位置Nまでのコード2部分を切除(切って取り除く)する。これにより、コード2が存在していないベルトスラブBSの幅断ち領域を設ける。
【0024】
なお、ベルトスラブの幅断ち位置Pから離れた位置で、コード2を帆布1に固定するようにし、幅断ち位置Pから前記固定位置Nまでのコード2部分を切除するようにしてもよい。
【0025】
(3) 工程3
コード2の上から、図2の(C)や図6に示すように、未加硫ゴムシート3を巻きつける。
【0026】
(4) 工程4
未加硫ゴムシート3の上から、図2の(D)に示すように、バッグゴム8を外挿する。
【0027】
(5) 工程5
工程4で構成したものを、図2の(E)に示すように、加硫缶7に投入して所定の温度・圧力・時間で加熱・加圧し、ベルトスラブBSを形成する。
【0028】
(6) 工程6
ベルトスラブBSを金型9及びバッグゴム8から脱型する。図7にベルトスラブBSを示す。
【0029】
(7)工程7
ベルトスラブBSを上記したカットラインで幅立ちする。
上記した工程1〜7により、このエンドレスベルトBが製造できる。
【0030】
(その他の形態について)
上記実施例1にかえて、金型上にコードを螺旋状に連続的に巻き付けるような場合、工程2の作業は、ベルトスラブの幅断ち位置Pから離れた位置で、隣り合うコード2,2相互を固定し、幅断ち位置Pから前記固定位置Nまでのコード2部分を切除する。
【0031】
また、上記実施例1では、幅断ち面からコード2の最外位置までの距離は、両側でベルト幅の5%以内としているが、これに限定されることなく、両側でベルト幅の10%以内であれば採用できる。
【0032】
更に、上記実施例1は、エンドレスベルトBとして、片面に歯部を有する歯付きベルトとしてあるが、これに限定されることはない。要するに、コード2が埋設されたベルトスラブBSを幅断ちして製造する形式のエンドレスベルトBであれば、全てこの発明の構成を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施例1のエンドレスベルトの断面斜視図。
【図2】前記エンドレスベルトの製造方法の説明図。
【図3】帆布上にコードを螺旋状に連続的に巻き付けた状態の正面図。
【図4】ベルトスラブの幅断ち位置から離れた位置で、隣り合うコード相互を固定した状態の正面図。
【図5】幅断ち位置からコードの固定位置までに存在するコード部分を切除した状態の正面図。
【図6】金型とバッグゴムとの間で帆布、コード、未加硫ゴムシートを挟み込んだ状態を示す断面図。
【図7】ベルトスラブの斜視図。
【符号の説明】
【0034】
B エンドレスベルト
BS ベルトスラブ
P 幅断ち位置
ん 固定位置
1 帆布
2 コード
3’ 本体ゴム
3 未加硫ゴムシート
30 歯部
31 背面部
7 加硫缶
8 バッグゴム
9 金型
【出願人】 【識別番号】000115245
【氏名又は名称】ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義

【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士

【識別番号】100121577
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 雅也


【公開番号】 特開2008−1056(P2008−1056A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175061(P2006−175061)