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マイクロレンズの製造方法 - 特開2008−936 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マイクロレンズの製造方法
【発明者】 【氏名】青柳 和則

【氏名】大倉 元

【氏名】新井 義久

【要約】 【課題】特にSAG量が小さい場合において、精度の良いマイクロレンズを製造する方法を提供する。

【構成】石英やガラスで形成された基板(光学基材)の上にフォトレジスト2を塗布する(a)。そして、メインGSM3を用いてフォトレジスト2を感光させ、フォトレジスト2を現像した場合に、所定のマイクロレンズアレイが得られるようにする(b)。この露光は比較的長時間行い、これによりマイクロレンズアレイの形状が大まかに決定されるようになる。次に、形状補正GSM4を用いて、フォトレジスト2を感光させ、前記メインGSM3を用いた感光で得られるマイクロレンズアレイの形状を、調整するようにする(c)。メインGSM3のグレースケール値範囲をG1〜G2、形状補正GSM4のグレースケール値範囲をgi〜g2とした場合、G1<g1<g2<G2の関係が成り立つようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に塗布したフォトレジストを露光して現像し、レンズ形状のレジストを形成する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記レジストの大まかな形状を決定するメイングレースケールマスクと、前記メイングレースケールマスクによって決定されるレジスト形状を補正するための形状補正グレースケールを用いてレジストの露光を行うものであり、前記形状補正グレースケールマスクのグレースケール値範囲が、前記メイングレースケールマスクのグレースケール値範囲の一部であることを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
【請求項2】
前記レンズ形状のSAG量が2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロレンズ(本明細書及び特許請求の範囲において、マイクロレンズとはマイクロレンズアレイを含むものである)の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロレンズは、ディジタルカメラ、光通信、MEMS分野を中心に実用化され、益々使用範囲が拡大している。従来、このようなマイクロレンズの製造方法として、特開平9−008266号公報(特許文献1)に開示されているような、光リソグラフィを使用した方法が知られている。
【0003】
これらの方法においては、通常のフォトマスクをもちい、マスクにレンズに対応するパターンを形成し、光学基材表面に形成されたフォトレジストを感光させて現像することにより、レジストの立体矩形パターンを製作する。そして、このレジストの立体矩形パターンを熱フローによりレンズ(曲面)形状に変形させることによりマイクロレンズを形成するものである。さらに、必要に応じ、このレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成している。しかし、この方法は、熱フローによりマイクロレンズの形状を決定しているために、精度の高いマイクロレンズを製造するためには適していない方法とされている。
【0004】
近年、これとは全く別の原理に基づくマイクロレンズの製造方法が開発され、特表平8−504515号公報(特許文献2)に開示されている。これは、グレースケールマスク(GSM:アナログ的とみなせる光透過率の変化を有するマスク)を使用して光学基材の表面に形成されたフォトレジストを感光させ、レジストを現像することによって、グレースケールに応じた形状の、立体的なレジストパターンを形成し、それをマイクロレンズとするか、あるいは前述のように、さらにレンズ形状となったレジストを光学基材と共にエッチングすることにより、レンズ形状のレジストのパターンを光学基材に転写し、光学基材からなるマイクロレンズを形成するものである。
【0005】
このような、GSMを使用したマイクロレンズの製造方法にも、少なくとも2種類の方法が知られている。第1は、特許3373518号公報(特許文献3)に記載されるように、単一GSMによる単一露光によりマイクロレンズを製作する方法である。第2は、特開2004−310077号公報(特許文献4)に記載されるように、1枚のメインGSMと1枚の形状補正用GSMを用いて複数回の露光によりマイクロレンズを製作する方法である。
【0006】
特許文献3に記載される方法は、単一マスク、単一露光のため、一見簡便のようにみえる。しかし、高精度のマイクロレンズを得るためには、得られた形状に基づいて、正しい形状が得られるように、新たにGSMを作り直す必要があり、すくなくとも3回以上のGSMの作り直しが必要になる。それでも、製作したGSMには必ず製造誤差が伴うため、意図した形状補正は十分にできず、高精度マイクロレンズを製作することは困難である。
【0007】
特許文献4に記載される方法は、メインGSM(概ねの設計レンズ形状を製作するのに使用するマスク)により、概ね良好な形状を製作し、設計形状との誤差分を、形状補正を行う形状補正GSMを用いて、補正する方法である。この方法は、複数のマスクを用いて、複数回の露光を行うということで、前者に比べて煩雑である。しかし、この方法は、形状製作と形状補正との役割を分けたため、マスクに許される製造誤差は10倍以上緩くなる。しかもGSMの役割分担により、単一マスク、単一露光では達成できなかった高精度マイクロレンズを製作することができる。又、製造誤差が緩くなったため、非常に高価なマスク製造装置を使用しなくても、GSMが製造できる。
【0008】
一般に、GSMに使用されるグレースケール値範囲は、光の透過率が無いときを0、光を100%透過するときの値を1として規格化した場合、0.15〜0.75の範囲にあるようにされている。これは、この範囲で、レジストの感度特性とグレースケール値との関係が最も安定しているためである。
【特許文献1】特開平9−008266号公報
【特許文献2】特表平8−504515号公報
【特許文献3】特許3373518号公報
【特許文献4】特開2004−310077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、形成しようとするレンズ形状のSAG量が小さい場合(5μm以下、特に2μm以下の場合)、形状補正GSMに使用のグレースケール値を0.15〜0.75の範囲とすると、精度の良い補正ができず、その結果、精度の良いマイクロレンズが製造できない場合がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特にSAG量が小さい場合において、精度の良いマイクロレンズを製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための第1の手段は、基板の上に塗布したフォトレジストを露光して現像し、レンズ形状のレジストを形成する工程を有するマイクロレンズの製造方法であって、前記レジストの大まかな形状を決定するメイングレースケールマスクと、前記メイングレースケールマスクによって決定されるレジスト形状を補正するための形状補正グレースケールを用いてレジストの露光を行うものであり、前記形状補正グレースケールマスクのグレースケール値範囲が、前記メイングレースケールマスクのグレースケール値範囲の一部であることを特徴とするマイクロレンズの製造方法である。
【0012】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記レンズ形状のSAG量が2μm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特にSAG量が小さい場合において、精度の良いマイクロレンズを製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例であるマイクロレンズの製造方法の概要を示す図である。まず、石英やガラスで形成された基板(光学基材)の上にフォトレジスト2を塗布する(a)。そして、メインGSM3を用いてフォトレジスト2を感光させ、フォトレジスト2を現像した場合に、所定のマイクロレンズアレイが得られるようにする(b)。この露光は比較的長時間行い、これによりマイクロレンズアレイの形状が大まかに決定されるようになる。
【0015】
次に、形状補正GSM4を用いて、フォトレジスト2を感光させ、前記メインGSM3を用いた感光で得られるマイクロレンズアレイの形状を、調整する(c)。形状補正GSM4のパターンは、まず、メインGSM3のみの露光によって得られたマイクロレンズアレイの形状を測定し、その結果に基づいて、目的とする形状との差を補正するようなパターンとなるように決定する。なお、メインGSM3による露光と、形状補正GSM4による露光は、どちらを先に行ってもよい。
【0016】
次に、露光されたフォトレジスト2を現像すると、フォトレジスト2がマイクロレンズアレイのパターンに形成される(d)。これを、フォトレジスト2に光学特性を持たせたマイクロレンズアレイとして使用することができる。
【0017】
又、このようにして得られたフォトレジスト2と基板1をドライエッチングして、その後フォトレジスト2を除去すると、フォトレジスト2のパターンが基板1に転写され、表面にマイクロレンズアレイの形状を有する基板1が得られる(e)。このとき、基板1とフォトレジスト2のエッチングレートの違いにより、フォトレジスト2のパターン形状と基板1の表面のパターン形状は等しくならないが、基板1の表面に目的とするパターン形状が得られるように、フォトレジスト2のパターン形状を決定しておく。以上の工程により、基板1の表面にレンズ形状が形成されたマイクロレンズアレイが完成する。
【0018】
本実施の形態においては、形状補正GSM4のグレースケール値範囲は、メインGSM3のグレースケール値範囲の一部(全部を含まない)とする。すなわち、メインGSM3のグレースケール値範囲をG1〜G2、形状補正GSM4のグレースケール値範囲をgi〜g2とした場合、G1<g1<g2<G2の関係が成り立つようにする。
【0019】
一般に、露光量の最小値は使用するステッパにより制限があるので、形状補正GSM4のグレースケール値範囲を広くとると、補正範囲が必要とされる補正範囲を超えてしまう可能性があるが、上記のようにすることにより、補正範囲を狭めることができ、適正な補正を行うことができる。
【0020】
さらに、グレースケール値とSAG量との関係は、近似式により求めているが、形状補正GSM4のグレースケール値範囲を狭くすることにより、この近似式の精度が向上するので、この作用効果によっても、形成されるマイクロレンズの精度を高めることができる。
【0021】
本発明は、SAG量の小さいマイクロレンズ、特にSAG量が2μm以下のマイクロレンズの製造方法として特に有効である。
【実施例】
【0022】
レンズ直径300μm、レンズ高さ(SAG量)1μmのレジスト製マイクロレンズを製作した(レンズの曲率R=11251μm)。製作法は、以下の通りである。ポジ型フォトレジスト3μmを塗布し、メインGSMを用いて、i線ステッパー(NSR)で露光し、これを現像し、レジスト製マイクロレンズアレイを製作した。用いたメインGSMのグレースケール値領域は、0.2(G1)〜0.6(G2)で、露光時間は300msecである。この時に得られた形状と設計値との形状誤差を図2に示す。
【0023】
この形状誤差より、形状補正マスクを設計製作した。形状補正マスクのグレースケール値領域は、0.3(g1)〜0.5(g2)である。形状補正GSMを用いて、露光時間100msecで露光し、続けてメインGSMで露光時間300msecで露光現像した。その結果、形状の良好なマイクロレンズを製造できた。この時に得られた形状と設計値との形状誤差を図3に示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態の1例であるマイクロレンズの製造方法の概要を示す図である。
【図2】メインGSMのみを用いてマイクロレンズを製造したときの製造誤差を示す図である。
【図3】本発明の実施例におけるマイクロレンズの製造誤差を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1…基板、2…フォトレジスト、3…メインGSM、4…形状補正GSM
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】110000246
【氏名又は名称】特許業務法人オカダ・フシミ・ヒラノ


【公開番号】 特開2008−936(P2008−936A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170832(P2006−170832)