| 【発明の名称】 |
射出成形機用ロータリーバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】上園 裕正
【氏名】延永 利行
|
| 【要約】 |
【課題】超臨界流体とその溶解物の混合物の注入と共に、可塑化時、浸透時および射出時に混合物の逆流が防止できる射出成形機用ロータリーバルブを提供する。
【構成】ロータリーバルブ(10)は、溶融樹脂入口路(12)と出口路(13)を有するロータケーシング(11)と混合物注入孔(16)開口したバルブボア(14)とからなる。ロータ(20)には溶融樹脂通過孔(24)と混合物が流れる凹溝(25)とランド部(26)とを設け、ロータを第1の位置へ駆動すると、入口路と出口路が遮断状態となると共に凹溝も遮断状態となり、可塑化と浸透動作が可能となる。第2位置へ駆動すると、入口路と出口路は遮断状態となり、混合物注入孔は凹溝を介して入口路に連通し、混合物の注入が可能となる。第3の位置へ駆動すると、入口路と出口路はロータの通過孔を介して連通し、混合物注入孔はランド部により閉鎖状態となり射出可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱シリンダと、該加熱シリンダの前方端部に取り付けられているシャットオフ装置と、該シャットオフ装置の先端部に取り付けられている射出ノズルとからなり、前記シャットオフ装置を閉じて前記加熱シリンダに設けられているスクリュを回転方向に駆動して可塑化し、可塑化された溶融樹脂を前記シャットオフ装置を開いて前記スクリュを軸方向に駆動して前記射出ノズルから射出するようになっている射出成形機において、 前記シャットオフ装置は、ロータケーシングと、該ロータケーシングのバルブボア内で揺動的に回転駆動されるロータとからなるロータリーバルブから構成され、 前記ロータケーシングの内部には、一方が前記加熱シリンダの計量室に連通し、他方が前記バルブボアに開口した溶融樹脂入口路と、一方が前記バルブボアに開口し、他方が前記射出ノズルに連通した溶融樹脂射出材料出口路とが形成され、前記ロータケーシングの外部には、超臨界流体とその溶解物を注入するための、前記バルブボアに達する混合物供給口が設けられ、 前記ロータには、溶融樹脂射出材料通過孔と、超臨界流体とその溶解物が流れる混合物流路と、前記ロータケーシングのバルブボアと液密的あるいは気密的に接してシール作用を奏するランド部とが形成され、 前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第1の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路が遮断状態となると共に、前記混合物流路も前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路とから遮断され、 前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第2の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路は遮断状態となると共に、前記混合物供給口は、前記混合物流路を介して前記溶融樹脂入口路と連通状態となり、 前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第3の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路は連通状態となると共に、前記混合物流路は前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路から遮断状態となる、ことを特徴とする射出成形機用ロータリーバルブ。 【請求項2】 請求項1に記載のロータリーバルブにおいて、ロータの溶融樹脂射出材料通過孔と混合物流路は、前記ロータの横断面と平行な、実質的に同じ面に形成されている、ことを特徴とする射出成形機用ロータリーバルブ。 【請求項3】 請求項1または2に記載のロータリーバルブにおいて、混合物流路は、ロータの外周部を所定深さに部分的に切除した形の凹溝である、ことを特徴とする射出成形機用ロータリーバルブ。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、射出成形機のロータリーバルブに関し、さらに具体的には加熱シリンダと、該加熱シリンダの前方に取り付けられているシャットオフ装置と、該シャットオフ装置の先端に取り付けられている射出ノズルとからなり、前記シャットオフ装置を閉じて前記加熱シリンダに設けられているスクリュを回転方向に駆動して可塑化し、可塑化された溶融樹脂を前記シャットオフ装置を開いて前記スクリュを軸方向に駆動して前記射出ノズルから射出するようになっている射出成形機のロータリーバルブに関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、射出成形により成形されるプラスチック成形品は多々あるが、可塑化溶融される樹脂材料によってその物性は決まる。また、プラスチック成形品は用途によっては、その表面に印刷、塗装等が施され、導電体や金属膜の形成、成形品同士の接合、その他の後加工が施される場合がある。こうした後加工を施す必要がある場合には、通常、加工性向上のため、プラスチック成形品の表面を活性化させて表面改質することが一般に行われている。例えば、プラスチック成形品よりなる電子機器の表面に金属導電膜を形成する手段として、無電解メッキが広く採用されている。しかし、無電解メッキプロセスには脱脂、エッチング、湿潤化、キャタリスト、アクセレーターといった複雑な工程が必要でコスト高の上、有害物質を多く使わなければならず、廃液の処理にも問題がある。 そこで、このような複雑な工程を経ることなく、射出成形加工時に、表面を全体的又は選択的に無電解メッキに適用可能なように改質する表面改質方法が特許文献1により提案されている。 【0003】 【特許文献1】特許第3696878号。 【0004】 特許文献1に記載されている射出成形機は、概略図3に示されているように構成されている。すなわち、バンドヒータ139が外周部にまかれている可塑化シリンダ140と、この可塑化シリンダ140内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ107とから構成されている。可塑化シリンダ140の前方には射出ノズル108が取り付けられ、この射出ノズル108内にシャットオフ弁105が設けられている。また、シャットオフ弁105とスクリュ107の間に超臨界流体とその溶解物の供給口106が設けられている。 【0005】 したがって、シャットオフ弁105を閉じて、スクリュ107を回転駆動すると、ホッパ110から供給されるペレット状の樹脂は、従来周知のように前方へ送られる過程で可塑化溶融されてフロント111に蓄積される。所定量蓄積したら、スクリュ107を後方へ駆動して、すなわちサックバックしてフロント111内を減圧すると共に、電磁弁109を開く。そうすると、超臨界流体発生装置112から供給される超臨界流体に、容器123中の金属錯体のような溶解物が混合され、そして供給口106からフロント111に注入される。電磁弁109を閉じ、そしてスクリュ107を所定量だけ前進駆動する。そうすると、フロント111内は10MPaに加圧され、超臨界流体とその溶解物は溶融樹脂に浸透する。次いで、シャットオフ弁105を開いて、スクリュ107を射出方向に駆動する。そうすると、超臨界流体とその溶解物が浸透した溶融樹脂は、図示されない金型のキャビテイに射出・充填される。これにより、特許文献1に記載されているような、表面が改質された成形品が得られる。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上記特許文献1により提案されている射出成形機によると、金属錯体などの溶解物が金型のスタンパの表面に配置されることにより成形品の表面改質が行われ、従来の無電解メッキプロセスのような複雑な工程を実施することなく無電解メッキができるようになる利点は認められる。 しかしながら、改良すべき問題点、特に射出成形機に改良すべき点が認められる。例えば、超臨界流体と金属錯体などの溶解物を注入する供給口106が、シャットオフ弁105とスクリュ107との間に位置しており、射出充填時には高圧の射出圧力が供給口106に作用する。そのため、供給口106は、超臨界流体とその溶解物を注入するときには「開」状態となり、溶融樹脂を計量可塑化するときもしくは射出充填するときには溶融樹脂が逆流しないよう「閉」状態となるような逆流防止機能を持った開閉機構109を必要とし、且つその開閉機構109は高圧の射出圧力に耐える十分な強度を持つ必要がある。実際、射出圧力は200MPaを超える圧力であり、このような高圧に強度的に耐え、且つ超臨界流体とその溶解物を滞りなく注入できるような開閉機構109は、特殊な材料を選択し、特殊な形状・構造に製作しても、品質、性能面で十分なものが実現できる保証はない。さらには、成形時など射出ノズル108を最前進させたとき、供給口106、開閉機構109等は、固定プラテン125の内部に入り込むこともあるので、上記したような供給口106、開閉機構109等は、固定プラテン125の内壁面と干渉しないよう最小寸法としなければならないという設計上の制約を受けることもある。 【0007】 本発明は、上記したような従来の問題点あるいは課題を解決した射出成形機を提供することを目的とし、具体的には従来のシャットオフ弁が奏する機能と、逆流防止機構を備えた供給口が奏する機能の、両機能を同時に備えた射出成形機用ロータリーバルブを提供することを目的とし、さらに具体的にはシャットオフ機能は勿論のこと、超臨界流体とその溶解物の注入ができると共に、可塑化計量時および射出充填時には確実に供給口への溶融樹脂の逆流を遮断できる、射出成形機用ロータリーバルブを提供することを目的としている。また、構造および操作が単純で、したがって安価な射出成形機用ロータリーバルブを提供することも目的としている。さらには、小型で配置スペースを格別に必要としない射出成形機用ロータリーバルブを提供することも目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、上記目的を達成するために、シャットオフ弁機能と開閉機構あるいは逆止弁機能の両機能を奏するように格別に構成されたロータリーバルブが適用される。このような両機能を奏するロータリーバルブは、加熱シリンダの前方に取り付けられる加熱シリンダブロック、すなわちロータケーシングと、このロータケーシングのバルブボア内で揺動的に回転駆動されるロータとから構成される。そして、ロータケーシングには、加熱シリンダに連通する溶融樹脂入口路と、射出ノズルに連通する溶融樹脂射出材料出口路と、外部に開口した混合物注入孔とが形成される。ロータは円柱状を呈する。そして、ロータには直径方向に溶融樹脂射出材料通過孔が形成される。また、この通過孔と干渉しない位置に、超臨界流体とその溶解物の混合物が流れる混合物流路が形成される。混合物流路は、望ましくはロータの外周部を所定深さに部分的に切除した形の凹溝として構成される。そして、ロータは、第1、2および3の位置、すなわち可塑化位置(混合物浸透位置)、混合物注入位置および射出・充填位置を採るように構成される。 【0009】 かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、加熱シリンダと、該加熱シリンダの前方端部に取り付けられているシャットオフ装置と、該シャットオフ装置の先端部に取り付けられている射出ノズルとからなり、前記シャットオフ装置を閉じて前記加熱シリンダに設けられているスクリュを回転方向に駆動して可塑化し、可塑化された溶融樹脂を前記シャットオフ装置を開いて前記スクリュを軸方向に駆動して前記射出ノズルから射出するようになっている射出成形機において、前記シャットオフ装置は、ロータケーシングと、該ロータケーシングのバルブボア内で揺動的に回転駆動されるロータとからなるロータリーバルブから構成され、前記ロータケーシングの内部には、一方が前記加熱シリンダの計量室に連通し、他方が前記バルブボアに開口した溶融樹脂入口路と、一方が前記バルブボアに開口し、他方が前記射出ノズルに連通した溶融樹脂射出材料出口路とが形成され、前記ロータケーシングの外部には、超臨界流体とその溶解物を注入するための、前記バルブボアに達する混合物供給口が設けられ、 前記ロータには、溶融樹脂射出材料通過孔と、超臨界流体とその溶解物が流れる混合物流路と、前記ロータケーシングのバルブボアと液密的あるいは気密的に接してシール作用を奏するランド部とが形成され、前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第1の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路が遮断状態となると共に、前記混合物流路も前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路とから遮断され、前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第2の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路は遮断状態となると共に、前記混合物供給口は、前記混合物流路を介して前記溶融樹脂入口路と連通状態となり、前記ロータが前記バルブボア内で回転駆動されて第3の位置を採ると、前記ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路は連通状態となると共に、前記混合物流路は前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路から遮断状態となるように構成される。 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータリーバルブにおいて、ロータの溶融樹脂射出材料通過孔と混合物流路は、前記ロータの横断面と平行な、実質的に同じ面に形成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のロータリーバルブにおいて、混合物流路は、ロータの外周部を所定深さに部分的に切除した形の凹溝であるように構成される。 【発明の効果】 【0010】 以上のように、本発明によれば、ロータリーバルブのロータを回転制御することによって、シャットオフ装置としての機能だけでなく、超臨界流体とその溶解物を注入するための機能も付加させることができ、ロータが第1の位置を採ると、すなわち可塑化計量時および超臨界流体とその溶解物を溶融樹脂に浸透させるときには、ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路が遮断されると共に、ロータの混合物流路も前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路から遮断される。また、ロータが第3の位置を採ると、すなわち射出・充填時には、ロータケーシングの溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路は、連通状態となると共に、ロータの混合物流路は前記溶融樹脂入口路と溶融樹脂射出材料出口路から遮断される。したがって、本発明によると、従来装置の開閉弁あるいは逆止弁のような高圧の射出圧力を考慮した逆流防止機能を備えた開閉機構が不要となり、品質・性能面において向上すると同時に、コンパクトで安価な射出成形機用ロータリーバルブを提供できる、という本発明に特有の効果が得られる。さらに、ロータを第1〜3の位置を採るように制御するだけで、すなわち簡単な操作により、可塑化、混合物の溶融樹脂への注入、混合物の浸透および浸透した溶融樹脂射出材料の射出・充填ができるという効果も得られる。また、本発明によるロータリーバルブは、シャットオフ装置機能と、混合物の供給機能の両機能を備えているので、小型で配置スペースを格別に必要としない。さらには、混合物流路がロータの外周部を所定深さに部分的に切除した形の凹溝である発明によると、加工が簡単で一層安価に提供できる効果がさらに得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明の実施形態を図1、2により説明する。図1は、本実施の形態に係る射出成形機を示す図で、その(イ)は全体の、その(ロ)、(ハ)および(ニ)はロータリーバルブのそれぞれ異なる作動段階を示す拡大断面図である。射出成形機1は、従来周知のように、加熱シリンダ2を備えている。そして、加熱シリンダ2の前方にシリンダブロックSBを介して射出ノズル3が取り付けられている。加熱シリンダ2、シリンダブロックSBおよび射出ノズル3の外周部には、個々に発熱温度が調整される複数個のバンドヒータ4、4、…が設けられている。加熱シリンダ2の内部にはシリンダボア5が軸方向に形成されている。このシリンダボア5は、シリンダブロックSB中の溶融樹脂通路6および射出ノズル3中の溶融樹脂射出材料通路7に連通している。加熱シリンダ2のボア5には、従来周知のように、回転方向と軸方向とに駆動されるスクリュ8が設けられている。このスクリュ8の先端にはスクリュヘッドが取り付けられ、スクリュヘッドの前方の、加熱シリンダ2のボア5内が計量室9となっている。 【0012】 このように構成されているシリンダブロックSBにロータリーバルブ10が設けられている。ロータリーバルブは、ロータケーシングと、このケーシングのバルブボア内で回転あるいは揺動的に駆動されるロータとから構成されているので、図示の実施の形態ではシリンダブロックSBがロータケーシング11となっている。ロータケーシング11には、前述したように、軸方向に溶融樹脂通路6が形成されているが、この通路6はバルブボア14により中断され、図1の(ロ)〜(ニ)において右方の加熱シリンダ2に連なった部分が溶融樹脂入口路12、そして左方の射出ノズル3に連なっている部分が溶融樹脂射出材料出口路13となっている。これらの入口路12と出口路13は、バルブボア14で中断されているが、軸方向には整合している。ロータケーシング11の外周部の所定位置には、超臨界流体とその溶解物の混合物用の供給管を接続するための、雌ネジを備えた取付部15が形成されている。この取付部15から延びている混合物注入孔16は、図1の(ニ)に拡大して示されているように、ロータケーシング11のバルブボア14に開口している。混合物注入孔16が開口している位置は、凹溝25に対応した位置である。 【0013】 ロータケーシング11のバルブボア14の内周壁に液密的あるいは気密的に接して揺動的に回転駆動されるロータ20は、図2の(イ)、(ロ)に拡大して示されているように、略円柱状を呈している。そして、その両端部には軸21、22が設けられ、詳しくは図1の(イ)に関して説明するように、両端部の軸21、22にリングブラケットが取り付けられるようになっている。このような形状のロータ20の軸方向の略中心部において、直径方向に溶融樹脂射出材料通過孔24が形成されている。この溶融樹脂射出材料通過孔24は、詳しくは後述するが、射出充填時にはロータケーシング11の溶融樹脂入口路12と、溶融樹脂射出材料出口路13とに整合する。また、ロータ20の外周面には、その弧の一部を溝状に切り落とした形の凹溝25が形成されている。この凹溝25から超臨界流体とその溶解物の混合物が溶融樹脂入口路12内に注入される。 【0014】 溶融樹脂射出材料通過孔24は、図2の(ロ)に示されているように、入口開口端部24aと出口開口端部24bとを有し、実質的にロータ20の直径方向に形成されているが、凹溝25の底壁は、溶融樹脂射出材料通過孔24と平行にはなっていない。すなわち、凹溝25の出口切欠端部25aと溶融樹脂射出材料通過孔24の入口開口端部24aとがなす円弧部分26は、凹溝25の入口切欠端部25bと溶融樹脂射出材料通過孔24の出口開口端部24bとがなす円弧部分27よりも大きい。また、溶融樹脂射出材料通過孔24と凹溝25は、ロータ20を軸に直角方向に切った断面と同じ面内に形成されている。この同じ面内に形成されている状態が、図2の(ロ)に示されている。このように、溶融樹脂射出材料通過孔24と凹溝25は、同じ面に形成されているので、溶融樹脂射出材料通過孔24と凹溝25は、ロータ20が同じ位置で回転し角度が変わると、溶融樹脂入口路12に共に整合する。また、同じ面に形成されているが、互いに干渉しない位置に形成されている。したがって、ロータ20がどのような位置を採っても、溶融樹脂射出材料と、超臨界流体とその溶解物とがロータリーバルブ10内で混じり合うことはない。上記した凹溝25の出口切欠端部25aと溶融樹脂射出材料通過孔24の入口開口端部24aとがなす円弧部分がランド部26となっている。このランド部26により、計量時に溶融樹脂入口路12が閉鎖される。また、射出充填時には混合物注入孔16が閉鎖される。 【0015】 上記のように構成されているロータリーバルブ10のロータ20の駆動には、本実施の形態では図1の(イ)に示されているように、例えばピストンシリンダユニットからなるアクチュエータ30が適用される。アクチュエータ30のピストンロッドは、従来周知の態様でリンクブラケット31、32等を介してロータ20を挟み込むようにその両端軸21、22に接続されている。このアクチュエータ30のピストンが3段階の動きをすると、次の作用の項で説明するように、ロータ20は3個の異なる位置を採る。 【0016】 次に、上記実施の形態の作用について説明する。ロータリーバルブ10のロータ20をアクチュエータ30により回転駆動して、図1の(ロ)に示されている閉鎖位置あるいは可塑化位置にする。すなわち、ロータ20の溶融樹脂射出材料通過孔24が、ロータケーシング11の溶融樹脂入口路12から外れ、ロータ20のランド部26が溶融樹脂射入口路12を塞ぐ位置へ駆動する。この位置では、凹溝25と溶融樹脂入口路12の間も遮断される。スクリュ8を回転駆動しながらペレット状の樹脂材料を加熱シリンダ2に供給する。樹脂材料は、スクリュ8の回転により前方へ送られる過程でスクリュ8の回転による摩擦力、せん断力等により生じる熱およびバンドヒータ4、4、…から加えられる熱により溶融し、計量室9に蓄積される。スクリュ8は蓄積される溶融樹脂の圧力により後退する。所定量計量したら可塑化を終わる。 【0017】 スクリュ8を後退させサックバックする。そうすると、計量室9の圧力が下がる。ロータリーバルブ10のロータ20を回転駆動して、図1の(ハ)に示されている混合物注入位置にする。すなわち、ロータ20の溶融樹脂射出材料通過孔24は、ロータケーシング11の溶融樹脂入口路12から外れたままで、ロータ20の凹溝25が溶融樹脂射入口路12に連通する位置へ駆動する。そうして、超臨界流体とその溶解物例えば金属錯体の混合物を、混合物注入孔16から凹溝25を通って溶融樹脂入口路12内に注入する。 【0018】 所定量注入したら、ロータ20を回転駆動して、図1の(ロ)に示されている閉鎖位置にする。この位置では、ロータ20のランド部26により、ロータケーシング11の溶融樹脂入口路12が閉鎖され、ロータ20の凹溝25と溶融樹脂入口路12の間も遮断されている。スクリュ8を所定量だけ例えば内圧が10MPa程度になるように前進させる。この加圧により、超臨界流体とその溶解物は可塑化された溶融樹脂に浸透し、溶融樹脂射出材料となる。 【0019】 ロータ20を、図1の(ニ)に示されている射出・充填位置にする。すなわち、ロータ20の溶融樹脂射出材料通過孔24が、ロータケーシング11の溶融樹脂入口路12と溶融樹脂射出材料出口路13に連通する位置へ駆動する。この位置では、混合物注入孔16はロータ20のランド26により閉鎖され、凹溝25もこれらの出入口路12、13から隔離されている。超臨界流体とその溶解物が浸透した溶融樹脂射出材料を、スクリュ8を軸方向に駆動して図示されない金型のキャビテイへ射出する。冷却固化を待って金型を開く。これにより、特許文献1に示されているような表面が改質された成形品が得られる。以下、同様にして成形する。 【0020】 本発明のロータリーバルブ10は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、上記実施の形態では、凹溝25はロータ20の円弧部分を切り欠いた形の、半径外方が開口した溝型に形成されているので加工費が安価になるが、この凹溝25も透孔として実施できることは明らかである。また、凹溝25と溶融樹脂射出材料通過孔24は、実質的に同じ面に形成されているが、凹溝25は軸に直角な断面に対して傾けても実施できる。このように実施するときは、ロータ20が混合物注入位置へ回転すると、凹溝25の出口切欠端部25aがロータケーシング10の溶融樹脂入口路12に整合するようにすればよい。さらには、ロータ20の回転に、軸方向の移動を付加して、凹溝25、溶融樹脂射出材料通過孔24、混合物注入孔16、ランド部26等の形成位置、形状等に融通がきくように実施することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明の実施の形態を示す図で、その(イ)は全体の、その(ロ)、(ハ)および(ニ)はロータリーバルブのそれぞれ異なる作動段階にある状態を示す拡大断面図である。である。 【図2】本発明の実施の形態に係るロータの斜視図で、その(イ)は全体の、その(ロ)は断面にして示す拡大断面図である。 【図3】従来の射出成形機の一部を断面にして示す模式図である。 【符号の説明】 【0022】 1 射出成形機 2 加熱シリンダ 3 射出ノズル 6 溶融樹脂通路 7 溶融樹脂射出材料通路 8 スクリュ 10 ロータリーバルブ 11 ロータケーシング 12 溶融樹脂入口路 13 溶融樹脂射出材料出口路 16 混合物注入孔 20 ロータ 24 溶融樹脂射出材料通過孔 25 凹溝 26 ランド部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004215 【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
|
| 【出願日】 |
平成18年9月11日(2006.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097696 【弁理士】 【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
【識別番号】100089130 【弁理士】 【氏名又は名称】森下 靖侑
|
| 【公開番号】 |
特開2008−62595(P2008−62595A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−245259(P2006−245259) |
|