| 【発明の名称】 |
既製ライニング管挿入装置及び該装置を用いた既製ライニング管挿入工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大岡 伸吉
【氏名】張 満良
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| 【要約】 |
【課題】既製のライニング管を簡単な構成、簡単な工程により、補修対象である既設管内に迅速且つ容易に挿入することのできる装置及び工法を得ること。
【構成】先頭部が該既製ライニング管40の端部から突出するように既製ライニング管40内に挿入される可撓性を有する長尺本体部12と、長尺本体部12の前記突出した部分から挿入方向後方に向けて流体を圧縮噴射させるための流体噴射機構と、長尺本体部12の所定位置に固定され既製ライニング管40にその内方から係止され該係止部で長尺本体部12と既製ライニング管40とを固定する係止部20と、を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め既設管内に挿入可能に製造された既設管補修用の既製ライニング管を既設管内に挿入する既製ライニング管挿入装置において、 前記既製ライニング管内に先頭部が該既製ライニング管の端部から突出するように挿入される可撓性を有する長尺本体部と、 該長尺本体部の前記突出した部分から前記挿入方向後方に向けて流体を圧縮噴射させるための流体噴射機構と、 前記長尺本体部の所定位置に固定され前記既製ライニング管にその内方から係止され該係止部で前記長尺本体部と前記既製ライニング管とを固定する係止部と、 を備えたことを特徴とする既製ライニング管挿入装置。 【請求項2】 前記流体噴射機構は、 前記長尺本体部の突出部分に設けられ噴射口を前記挿入方向後方に向けて配置された複数の噴射通路と、 前記長尺本体部内に内装され前記複数の噴射通路に連通された流体送りホースと、 前記流体送りホースを介して前記各噴射通路から流体を圧縮噴射させる圧縮流体供給部と、 を含むことを特徴とする請求項1に記載の既製ライニング管挿入装置。 【請求項3】 前記流体送りホースは、前記噴射通路毎にそれぞれ独立して設けられ、 前記圧縮流体供給部から各送りホースを介して前記各噴射通路へ供給される流体の供給量を変化させる供給量可変機構を有することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の既製ライニング管挿入装置。 【請求項4】 前記係止部は、 外部からの操作により前記外径を変化させることのできる外径可変機構を有し、外径を拡大することにより前記既製ライニング管に係止され、縮小することにより係止解除されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の既製ライニング管挿入装置。 【請求項5】 前記長尺本体部は、ねじれ方向のへの剛性を有する構成とされ、 前記長尺本体部には、前記既設管への挿入方向の後方側の前記既設管外部にて、前記長尺本体部に対してその長手方向中心軸を中心に回転方向への力を加えるハンドル部が設けられ、 該ハンドル部の操作により、前記長尺本体部に付与した前記回転方向の力を前記係止部を介して既製ライニング管に伝達可能としたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の既製ライニング管挿入装置。 【請求項6】 前記流体送りホースが長尺本体部に内装された構成に代え、 前記長尺本体部が、1本の前記流体送りホース自体又は複数の前記流体送りホースの束自体によって構成されたことを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の既製ライニング管挿入装置。 【請求項7】 前記請求項1から6に記載の既製ライニング管挿入装置を用いて既製ライニング管を既設管補修のために既設管内に挿入する既製ライニング管挿入工法において、 前記既製ライニング管の一端側から該既製ライニング管内に前記長尺本体部を挿入して先端部を所定長さ前記既設管から突出させる工程と、 前記長尺本体部の係止部を前記既製ライニング管の挿入方向の先端部近傍の所定位置に係止させ該係止部にて前記長尺本体部と前記既製ライニング管とを固定する係止工程と、 前記流体噴射機構により前記長尺本体部の前記突出した先端部近傍から前記挿入方向後方に向けて流体を圧縮噴射させる流体噴射工程と、 を含み、前記流体噴射工程により生じる前記長尺本体の推進力により、既製ライニング管を前記挿入方向に移動させることを特徴とする既製ライニング管挿入方法。 【請求項8】 前記流体噴射機構は、 前記長尺本体部の突出部分に設けられ、噴射口を前記挿入方向後方に向けて配置された噴射通路と、該噴射通路に連通された流体送りホースと、該流体送りホースを介して前記噴射通路から流体を圧縮噴射させる圧縮流体供給部と、を有し、 前記流体噴射工程は、 前記噴射通路からの流体噴射量に急速な変化を与えることにより前記長尺本体部に前記挿入方向の前後方向の振動を生じさせつつ行われることを特徴とする請求項7に記載の既製ライニング管挿入方法。 【請求項9】 前記長尺本体部は、 ねじれ方向への剛性を有し、且つ、前記挿入方向の後方側の前記既製ライニング管外から当該長尺本体部に対してその長手方向中心軸を中心に回転方向への力を加えるためのハンドル部を有し、 前記係止工程では、前記係止部を既製ライニング管の前記挿入方向先頭近傍位置にて係止させ、 前記流体噴射工程は、 前記ハンドル部の操作により前記長尺本体部に付与した前記回転方向の力を前記係止部を介して既製ライニング管に伝達しつつ行われることを特徴とする請求項7又は8の何れか1項に記載の既製ライニング管挿入方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、排水管からの排水を下水道本管に流入させる取付管や下水道本管等の既設管を補修するために既設管内に挿入されるライニング管の挿入装置及び当該装置を用いて行うライニング管の挿入工法に関する。 【背景技術】 【0002】 日本の下水道普及率は平均67%であり、都市部では、ほぼ100%に近い普及率である。この様な現状において、下水管渠の新設事業は一部地方を除いて殆ど無くなり、老朽管渠の維持管理が重要なものとなっている。下水管渠の総延長は約36万kmであり、そのうち耐用年数50年を越えた管渠は7000km以上となっている。また、今後年間数千kmずつ増加する見込みである。 【0003】 一般に、下水管渠などの地中に埋設される管については、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、ズレによる段差の発生や径の変化などが生じることは不可避である。また、特に変形が生じなくても老朽化に伴って交換が必要になり、更には、管路を大型化するために径の大きな管への移行が必要となる。この様な種々の事情から、既設管は所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。 【0004】 現在、下水管路再生補修技術としては、地上からの作業により地面を開削し、老朽化した管路を地上から掘り出して新管を入れる作業方法、非開削で管の内部から管内面を補修する作業方法、更に、非開削で新管を入れる方法として、特殊機械を用いて既設管を内部から拡径、破壊し、出来た空間に新管を入れる作業方法や軟性のライニング管を既設管内に挿入し、これを硬化させる補修方法などが知られている。 【0005】 例えば、特許文献1には、非開削でライニング管を挿入する技術として、屈曲した既設管の内周面に硬化性樹脂管をしわの発生なしに全周に亘って密着させつつ導入する技術が開示されており、例えば、その図5には、既設管内に硬化性樹脂管を一方の端部から内周面が外周面になるように、すなわち反転させながら挿入し、その後に硬化させる技術が開示されている。硬化前の硬化性樹脂管の伸縮性により既設管の内周面への密着性を確保しているものである。挿入後は、熱や光によって硬化性樹脂管を硬化させることが行われる。 【0006】 また、特許文献2のように既製のライニング管を既設管内に挿入する技術も知られており、当該文献では、いわゆる蛇腹状のライニング管(断面が波形の周壁を有する管)を既設管内に挿入することにより的確に既設管の補修を行う技術が開示されている。 【0007】 また、本件出願人は、いわゆる工場生産の既製のライニング管及びそれを用いたライニング方法について、平成17年12月16日付けにて、発明の名称「組み管ピース、該組み管ピースを用いたライニング用組み管及び該組み管を用いたライニング方法」として特許出願を行っている(特願2005−363418号)。この技術は、既設管内に「既製」のライニング管、すなわち、予め工場にて製造した樹脂製の新管を挿入するものであり、補修後の管の性能の品質の均一を図ったものである。 【0008】 【特許文献1】特開平6−246830号 【特許文献2】特開2004−156682号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 上記特許文献1の技術のような、施行現場で硬化させて完成させるライニング管の場合、既設管内おいて最終的な形状が形成されることから、施工後の品質は現場での施工管理に依存する割合が大きい。したがって、現場の環境や既設管の状況などによって最終的に設置されたライニング管の品質にバラツキが生じる可能性がある。 【0010】 この様な状況への対応としては、上記特許文献2に開示された既製のライニング管や上述した本件出願人による他の出願に係る組み管ピースを用いたライニング用組み管を用いることにより施行現場における管理に依存しない品質の均一化を達成することができる。 【0011】 しかしながら、このような既製のライニング管の場合、既設管内に挿入する段階で、既に必要な強度を持った状態であることから、柔軟な状態で挿入された後に硬化される熱/光硬化型のライニング管より以上に、既設管内への挿入作業には困難性がある。例えば、既設管の内径と既製ライニング管の外径に差を持たせることで挿入は容易なものになるが、補修の前後で管内の流下断面積が小さくなり好ましいことではない。したがって、できるだけ補修後の管の内径の減少を少なくして既製ライニング管を既設管内に挿入することが望まれる。 【0012】 この様な状況で、既設管が大きな曲率で湾曲しているような場合や急激な直線的曲がり部分が存するよう場合、スムーズな挿入作業が困難となる。例えば、上記特許文献2にも記載されているように既製ライニング管の先端にワイヤを取り付けこれを離れた場所から牽引することにより既設管内に引き込むことで挿入作業は非常に煩雑なものとなる。 【0013】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設のライニング管を簡単な構成、簡単な工程により、補修対象である既設管内に迅速且つ容易に挿入することのできる既製ライニング管挿入装置及び該装置を用いた既製ライニング管挿入工法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0014】 上記課題を解決するため、請求項1に係る既製ライニング管挿入装置は、 予め既設管内に挿入可能に製造された既設管補修用の既製ライニング管を既設管内に挿入する既製ライニング管挿入装置において、 前記既製ライニング管内に先頭部が該既製ライニング管の端部から突出するように挿入される可撓性を有する長尺本体部と、該長尺本体部の前記突出した部分から前記挿入方向後方に向けて流体を圧縮噴射させるための流体噴射機構と、前記長尺本体部の所定位置に固定され前記既製ライニング管にその内方から係止され該係止部で前記長尺本体部と前記既製ライニング管とを固定する係止部と、を備えることを特徴とする。 【0015】 この構成によれば、既製ライニング管の端部から突出した長尺本体部の当該突出部分から流体噴射機構によって流体が噴射される。この流体の圧縮噴射によって長尺本体部には挿入方向前方に向けて推進力が付与される。そして、長尺本体部に固定された係止部により長尺本体部と既製ライニング管はその部分で固定状態となるので、長尺本体部の推進力は既製ライニング管に与えられる。従って、この流体の圧縮噴射による推進力により既製ライニング管を挿入方向に推進させることができる。この装置によれば、既製ライニング管に比較的近い位置から既製ライニング管に推進力を与えることができるので、補修対象の既設管の前方方向の遠い個所からワイヤなどで既製ライニング管を牽引する場合に比べ既設管の伸長方向に沿った推進力が与えられることとなるので、既製ライニング管の既設管への挿入がよりスムーズに行われる。 【0016】 請求項2に係る既製ライニング管挿入装置は、 前記流体噴射機構が、前記長尺本体部の突出部分に設けられ噴射口を前記挿入方向後方に向けて配置された複数の噴射通路と、前記長尺本体部に内装され前記複数の噴射通路に連通された流体送りホースと、前記流体送りホースを介して前記各噴射通路から流体を圧縮噴射させる圧縮流体供給部と、を含むことを特徴とする。 【0017】 この構成によれば、複数の噴射通路からの流体の噴射により長尺本体部に対して的確に挿入方向前方へ向けた推進力を付与することができる。すなわち圧縮流体供給部、流体送りホース及び噴射通路という簡単な構成により請求項1のそうする作用を具体的に達成することができる。 【0018】 請求項3に係る既製ライニング管挿入装置は、 前記流体送りホースは、前記噴射通路毎にそれぞれ独立して設けられ、前記圧縮流体供給部から各送りホースを介して前記各噴射通路へ供給される流体の供給量を変化させる供給量可変機構を有することを特徴とする。 【0019】 この構成によれば、噴射通路からの流体の噴射量を変化させることにより長尺本体部の推進力を流体の供給量の変化により変化させることが可能となる。例えば、各噴射通路からの噴射を断続的な噴射とするような急速な変化を付与することにより、長尺本体部の推進動作に前後方向の振動動作を付与することが可能となる。これにより、長尺本体部の推進力を用いた既製ライニング管の既設管への挿入動作をより円滑なものとすることができる。 【0020】 請求項4に係る既製ライニング管挿入装置は、 前記係止部が、外部からの操作により前記外径を変化させることのできる外径可変機構を有し、外径を拡大することにより前記既製ライニング管に係止され、縮小することにより係止解除されることを特徴とする。これにより、複雑な構成を伴うことなく、簡単な動作で係止部の既製ライニング管への係止固定が可能となる。また、既製ライニング管側の構成に修正を加える必要もない。 【0021】 請求項5に係る既製ライニング管挿入装置は、 前記長尺本体部が、ねじれ方向のへの剛性を有する構成とされ、前記長尺本体部には、前記既設管への挿入方向の後方側の前記既設管外部にて、前記長尺本体部に対してその長手方向中心軸を中心に回転方向への力を加えるハンドル部が設けられ、該ハンドル部の操作により、前記長尺本体部に付与した前記回転方向の力を前記係止部を介して既製ライニング管に伝達可能としたことを特徴とする。 【0022】 この構成によれば、ハンドル部の操作により長尺本体部に係止部の部分で固定された既製ライニング管に対して回転方向の力を伝達することが可能となる。これにより、例えば、既設管の曲がり部分などで既製ライニング管の挿入方向への進行が滞っている場合などに、このハンドル部の操作に既製ライニング管を回転方向に動かすことができ、これにより進行の滞りを解消することが可能となる。これは、特に、既製ライニング管として後述する組管ピースを用いたライニング管を用いる場合に特に好的に機能するものである。 【0023】 請求項6に係る既製ライニング管挿入装置は、 前記流体送りホースが長尺本体部内に装填された構成に代え、前記長尺本体部が、1本の前記流体送りホース自体又は複数の前記流体送りホースの束自体によって構成されたことを特徴とする。 【0024】 この構成によれば、長尺本体部を極めて簡単に構成することができる。すなわち、流体送りホースは通常可撓性を有する部材にて形成されているので、これを束ねることなどによってその流体送りホース自体を長尺本体部とすることができる。従って、この流体送りホースの先端部に上述した噴射通路などを取り付けることにより長尺本体部の推進力を得るための流体噴射機構等の形成も簡単に行うことができる。 【0025】 請求項7に係る既製ライニング管挿入工法は、 前記請求項1から6に記載の既製ライニング管挿入装置を用いて既製ライニング管を既設管補修のために既設管内に挿入する既製ライニング管挿入工法において、前記既製ライニング管の一端側から該既製ライニング管内に前記長尺本体部を挿入して先端部を所定長さ前記既設管から突出させる工程と、前記長尺本体部の係止部を前記既製ライニング管の挿入方向の先端部近傍の所定位置に係止させ該係止部にて前記長尺本体部と前記既製ライニング管とを固定する係止工程と、前記流体噴射機構により前記長尺本体部の前記突出した先端部近傍から前記挿入方向後方に向けて流体を圧縮噴射させる流体噴射工程と、を含み、前記流体噴射工程により生じる前記長尺本体の推進力により、既製ライニング管を前記挿入方向に移動させることを特徴とする。 【0026】 この工法によれば、流体噴射機構によって流体を圧縮噴射することにより長尺本体部の推進力が得られこの長尺本体部の推進力により既製ライニング管を既設管内で挿入方向に既設することができる。既製ライニング管から突出した長尺本体部の先端部で生じる推進力を用いることによりワイヤなどで前方の離れた場所から牽引する場合に比べ、既設管の曲がり方向に沿った的確な推進力を与えることができ、既製ライニング管の既設管への挿入動作をより円滑なものとすることができる。又、噴射する流体として水などを用いることにより、特別な後処理を行う必要がない。すなわち噴射された水は最終的に既設管内を流下していくので噴射した水の特別な排水措置を施す必要もない。 【0027】 請求項8に係る既製ライニング管挿入工法は、 前記流体噴射機構が、前記長尺本体部の突出部分に設けられ、噴射口を前記挿入方向後方に向けて配置された噴射通路と、該噴射通路に連通された流体送りホースと、該流体送りホースを介して前記噴射通路から流体を圧縮噴射させる圧縮流体供給部と、を有し、前記流体噴射工程は、前記噴射通路からの流体噴射量に急速な変化を与えることにより前記長尺本体部に前記挿入方向の前後方向の振動を生じさせつつ行われることを特徴とする。 【0028】 この構成によれば、流体噴射量の急速な変化により長尺本体部に挿入方向の前後方向への振動が生じ、この振動が係止部により既製ライニング管に伝達され流体噴射による推進及びこの振動により、より円滑な既製ライニング管の挿入動作が達成される。 【0029】 請求項9に係る既製ライニング管挿入方法は、 前記長尺本体部が、ねじれ方向への剛性を有し、且つ、前記挿入方向の後方側の前記既製ライニング管外から当該長尺本体部に対してその長手方向中心軸を中心に回転方向への力を加えるためのハンドル部を有し、前記係止工程では、前記係止部を既製ライニング管の前記挿入方向先頭近傍位置にて係止させ、前記流体噴射工程は、前記ハンドル部の操作により前記長尺本体部に付与した前記回転方向の力を前記係止部を介して既製ライニング管に伝達しつつ行われることを特徴とする。 【0030】 この構成によれば、ハンドル部の操作により長尺部に設けられた係止部の部分で既製ライニング管へ回転方向の力を伝達することができる。これにより、既製ライニング管が既設管の曲がり部などでその進行が止まっているような場合に、この回転移動によりその停滞を解消することが可能となる。この方法は、特に既製ライニング管後述する組管ピースによるライニング管を用いた場合に特に有効に機能するものである。 【発明の効果】 【0031】 本発明に係る既製ライニング管挿入装置及び既製ライニング管挿入方法によれば簡単な構成の装置、方法により既製ライニング管を補修対象である既設管内に円滑かつ容易に挿入することが可能となり、これにより既製ライニングの管既設管内への挿入作業の迅速化が図られ、完成時における品質の均質化を達成することができる既製ライニング管を用い 【発明を実施するための最良の形態】 【0032】 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、実施の形態に係る既製ライニング管挿入装置の構成例を示している。図示のように、既製ライニング管挿入装置10は可撓性を有する長尺本体部12を備えており、後述するように挿入すべき既製ライニング管に挿入され、その既製ライニング管の両端から突出し得る長さを有している。長尺本体部12の先端部には挿入方向後方に向けて流体を噴射する機構が設けられており、本実施の形態では内部に流体の噴射通路を形成した噴射ヘッド16が設けられている。噴射通路が流体のジェット噴射のためのノズルとして機能するものである。流体噴射の方向は、挿入方向略後方(図上矢印100方向)であり、本実施の形態では90°間隔に4個所に噴射通路(図示せず)が設けられている。 【0033】 また、長尺本体部12の噴射ヘッド16の挿入方向後方側の所定個所には係止部20が設けられている。係止部20は図2において後述するように拡径動作により既製ライニング管に内方から係止固定可能な構成を有している。 【0034】 噴射ヘッド16から流体(本実施の形態では水)を噴射させるために水を供給するポンプなどで形成された高圧水供給部30が設けられている。高圧水供給部30から噴射ヘッド16まではそれぞれ噴射通路毎にホースにより連通されている。本実施の形態では、長尺本体部12は、噴射ヘッド16に連結された4本のホースの束にこれを被覆したカバー管から構成されている。すなわち、ホースの束及びこれをカバーするカバー管によって可撓性を有しかつ捻れ方向に剛性を有する構成を得ているものである。 【0035】 図2は、本実施の形態に係る係止部20の具体的な構成を示している。図示のように、円弧状の外側形状を有する移動体22―1及び22−2が対向設置され、これら移動体22が互いに近づきあるいは離反することにより係止部20の外径を変化させるものである。本実施の形態では、移動体22の移動は油圧方式で行われ、油圧ホース24(図1参照乞う)から供給された作動油により、油圧シリンダ26、28を伸縮させることにより行われる。油圧ホース24は油圧ポンプ27に連結されており、油圧ポンプ27の作動レバー29により拡径と収縮をおこなうことにより係止部20の既製ライニング管への固定と解除を選択するようにしている。なお、移動体22の外側部は、既製ライニング管の内側面に対して滑りの少ないゴムや樹脂などの材質を用いるのが好適である。 【0036】 図3は、本発明の他の実施の形態を示しており、特徴的なことは長尺本体部12の上部位置、すなわち既製ライニング管内に挿入されない部位にハンドル32を取付けたことである。ハンドル32は長尺本体部12に対する取付け位置を調整可能とするために着脱自在な構成にされている。 【0037】 このハンドル32を操作者が操作し回転させることによりその回転力を係止部20に伝達するようにしたものである。すなわち、このハンドル32の回転操作により長尺本体部12の挿入方向前方に取り付けられている係止部20に回転力が伝わり、この係止部20が既製ライニング管への係止位置でその回転力を既製ライニング管に伝達するものである。なお、この長尺本体部12の回転をより容易なものとするためにハンドル32の取付け位置よりも挿入方向後方側に中継部34を設け、この部分で長尺本体部12を着脱可能としハンドル32の操作を行う際には中継部34の部分で長尺本体部12を取り外して解放した状態で回転させることも可能である。 【0038】 次に、図4〜図8は、補修対象である既設管、例えば、排水を下水道本管に導く取付管にその補修のために挿入される既製のライニング管の好適な例、すなわち、本発明に係る既製ライニング管挿入装置及び工法に用いるのに適した既製ライニング管を示している。図示のように、この既製ライニング管は、樹脂製(例えば、塩化ビニル製)の複数の組み管ピース42を連結してライニング用組み管40(図7及び図8)を構成するものであり、このライニング用組み管40については、本件出願人が特許出願を行っている(特願4005−363418号)。 【0039】 まず、図4には、1個の組み管ピース42の構成が示されており、同図(A)は斜視図、同図(B)は側面図を示している。図示のように、組み管ピース42は所定長さの両端開放筒状体として構成されており、両端面は互いに所定の対向角を有する様に非平行に形成され、端面の形状は略円形とされている。本実施の形態における対向角は約20度に設定されているが、好適には15度から30度の範囲で設定され、更に、5度〜60度の範囲まで使用することも可能である。 【0040】 この両端面の形状は、本件発明において重要な構成であり、この略円形の端面形状により後述する組み管ピース42相互の摺動回転を可能にしているものである。すなわち、直線的形状の断面円形状の筒状体を斜めに切断して、端面形状を楕円形状にしたものではなく、端面形状を略円形とし、両端面をつなぐ筒状部のできるだけ直線上に構成するため断面は正確な円形にはなっていない構成である。 【0041】 同図(B)からも明らかなように、組み管ピース42の一方の端部にはほぼ円形に伸長する凸状部42aが形成され、その先端部には拡張部42bが形成されている。また、他方の端部には凸状部42aと同形状に伸長する凹状部42cが形成され、その底部には拡張凹部42dが形成されている。凸状部42aと凹状部42cは互いに拡張部42bと拡張凹部42dの部分が嵌合し、その嵌合状体で摺動回転可能となる形状とサイズに構成されている。したがって、この組み管ピース42を複数準備することにより相互に連結することが可能であり、その連結状態となったライニング用組み管は、各組み管ピース42の両端面の対向角が上述のように角度付けされているので、各組み管ピース42を回転させることで連結されたライニング用組み管はその伸長形状、すなわち、曲がり具合が変化する。 【0042】 図5は、2つの組み管ピース42−1,42−2を連結する動作を示す図であり、組み管ピース42−2の凸状部42aを組み管ピース42−1の凹状部42cに嵌合させるものである。図6は、組み管ピース42−1,42−2が連結された状態を示しており、図示のように、互いに摺動回転が可能となっている。このため、凸状部42aは組み管ピース42の端面に対してほぼ垂直に立設さており、凹状部42cもこれに対応して端面に対してほぼ垂直に形成されている。 【0043】 図7は、上記組み管ピース42を複数連結してライニング用組み管40を構成した状態が示されている。この状態は、全体がほぼ真っ直ぐに伸長するように各組み管ピース42の連結状態が調整されている。すなわち、各組み管ピース42はほぼ同じ形状に形成されており、各組み管ピース42の両端面の対向角はほぼ共通しているので、隣り合う組み管ピース42同士は、長さの最も長い側部と長さの最も短い側部の位置を合わせるように摺動回転され、ライニング用組み管30は真っ直ぐな伸長形状とされている。 【0044】 図8は、ライニング用組み管40の所定の組み管ピース42の所定箇所の回転角度を変えて略S字形に曲げた状態が示されている。すなわち、この既製ライニング管では、組み管ピース42を複数連結することで、既設管のライニング作業のために必要な長さを確保することができ、また、既設管の蛇行状態に対応する曲がり形状を所定の組み管ピース42を摺動回転させることによって作り出すことができる。 【0045】 図9は、他の既製ライニング管の例の概略構成を示している。すなわち、軸方向断面が波形の周壁を有するいわゆる蛇腹状のライニング管90、92であり、ポリエチレンなどで形成され、全体として可撓性を有する。上述の特許文献2にも一例が開示されている。このライニング管も予め工場にて製造されるものであり、完成時の均質化を達成できることは上記組み管式の既製ライニング管40(図4〜8)と同様である。この様な蛇腹式のライニング管は図示のように、管内壁も波形のままにしたもの(同図(A)符号90)、管内壁は平坦な周面にしたもの(同図(B)符号92)などが存する。 【0046】 この様な、蛇腹式の既製ライニング管についても本発明に係る既製ライニング管挿入装置及び工法を適用することが可能である。 【0047】 次に、上述した既製ライニング管を用いて、実際に既製ライニング管を既設管内に挿入する動作について説明する。図10は、実際に既製ライニング管を既設管内に挿入している途中の状態を示している。本実施の形態では排水を集約する桝50から下水道本管52までの間に設置され、桝50からの排水を下水道本管52に流入させる取付管54の補修を行う状況を例としている。また、既製ライニング管としては上述の組管ピース42を組み合わせて形成したライニング用組管40が用いられている(図7参照乞う)。 【0048】 図示のように、ライニング用組管40の挿入方向先端から更に突出した長尺本体部12の先端部には流体の噴射ヘッド16が設けられ、その後方側の所定位置、すなわち、ライニング用組管40の先頭位置にある組管ピース42―1の部分には係止部20が位置している。 【0049】 図11は、先頭の組管ピース42−1近傍の管内の長尺本体部12の先頭部分の状態を示す説明図である。図示のように、係止部20は拡径した状態にあり、移動体2 2−1、22−2が組管ピース42−1の内周面を押圧した状態で係止固定された状態となっている。また、長尺本体部12の先端部に設けられた噴射ヘッド16の部分からは、ライニング用組管40の挿入方向とはほぼ逆方向に高圧の流体、本実施の形態では水が噴射されている。いわゆる高圧水のジェット噴射が行われている。複数設けられた噴射通路(図示せず)からそれぞれ噴射する場合だけでなく、噴射ヘッド16の先端全周から均等に高圧水が噴射されるようにしてもよい。また、噴射通路の個数も種々選択することが可能である。 【0050】 この流体のジェット噴射は、高圧水供給部30のレバー31の操作によりその噴射量を調整することができ、例えば脈動的に噴射量を変化させることにより、水のジェット噴射による推進力を加えつつ更にライニング用組管40に対して前後方向の振動をあたえることが可能である。この前後振動により、取付管54に微妙な凹凸があるような場合にこれを乗り越えて前進することが容易となる。 【0051】 更に、ライニング用組管40は各組管ピース42を回転させることによりその伸長方向を変化させることが可能であり、ハンドル32を回転操作することにより係止部20と固定状態にある先頭の組管ピース42−1を回動させることができる。これにより、ライニング用組管40の先頭部分の曲げた状態とすることが可能であり、取付管54の曲がり部に沿った曲がり状態を得て、より円滑な挿入動作が可能となる。 【0052】 すなわち、噴射ヘッド16からの高圧水のジェット噴射によりライニング用組管40の挿入方向への推進力を得て、更に高圧水の噴射量を変化させることによりライニング用組管40に前後方向の振動を与え、更に加えてハンドル32の操作により係止部20が固定されている組管ピース42の伸長角度を変化させることができこれらの作用が相まってライニング用組管40は円滑に取付管54内に挿入されていく。 【0053】 図12は、ライニング用組管40が取付管54に挿入され、その挿入動作がほぼ終了に近づいている状態が示されている。図示のように、ライニング用組管40は取付管54の2個所の曲がり部分に沿って曲げられた状態で挿入動作が行われていることが理解される。ライニング用組管40を構成する組管ピース42の相互の組み付けは容易に回動動作可能な状態で行われており、取付管54の曲がり部において振動を受けることにより徐々に自ら回動し、その伸長方向を変化させる。したがって、係止部20が先頭の組管ピース42−1のみを係止し、この組管ピース42−1のみを直接的に回転させることだけでもライニング用組管40の挿入動作は可能である。 【0054】 しかしながら、係止部20の係止固定位置は、この先頭組管ピース42−1のみに限られるものではなくて、適宜係止部20の係止位置を変えて選択的に組管ピース42の回転動作を行いより円滑な挿入動作を行うようにすることも可能である。 【0055】 図13及び14は、本発明に係る既製ライニング管挿入装置を用いた他の挿入方法を示している。図13に示したように補修対象である取付管54には既製ライニング管の挿入動作の前に柔軟性を有し所定の耐圧性を有する外筒材60が導入されている。外筒材60はポリエステル、ポリエチレン、ナイロンなどの熱可塑性樹脂にて形成されており、下水道本管52側からの牽引などにより簡単に導入することが可能である。この外筒材60の筒径は、拡張した際に少なくとも取付管54の内周壁に密着しうるサイズに設定されている。 【0056】 そして、図14に示したように、この外筒材60の導入後、上述の図10及び図11で示した動作と同様に既製ライニング管であるライニング用組管40を挿入していくものである。この挿入動作については上述の実施の形態で述べた通りである。 【0057】 図15は、外筒材60の導入後更にライニング用組管40が挿入された後の工程を示している。図示のように、挿入されたライニング用組管40の先端部及び後端部は閉塞部材62及び64にて密閉されている。そして、外筒材60の両端は、ライニング用組管40を覆う形で絞られており、図上上端側は空気抜き孔60aを、図上下端側は注入材の注入口60bを設けた形となっている。図示されているように注入口60bからはシーリング材65が徐々に注入されていく。本図では、符号P1の位置までシーリング材65が充填された状態が示されている。図示のように、シーリング材65は、ライニング用組管40と外筒材60との間管を充満しつつ導入され、これにより、ライニング用組管40と取付管54の隙間は埋められていく。 【0058】 なお、シーリング材65が隙間に充満した状態で、更に、一定時間加圧する作業を行うことが好適であり、これにより、シーリング材が、ライニング用組管40の部材間の隙間にも適度に進入させることができる。 【0059】 このシーリング材の注入がすべて終了した状態では、ライニング用組管40の外側面と外筒材60の内側面の間は全てシーリング材で充満した状態となり、更にライニング用組管40を構成する組管ピース40に相互間に存在する結合部分の外表面の隙間部分にもシーリング材が好的に進入した状態となっている。そして、シーリング材65は時間の経過によって硬化し硬化後は良好な止水性を有する構成となる。すなわち、シーリング材が硬化した後は組管ピース42相互間の隙間及びライニング用組管40の外周部全体がシーリング材65で的確に止水されることとなる。 【0060】 これにより、既設管(取付管54)の外側から水が進入し、更に、既設管とライニング用組管40との隙間を水が流れることを確実に防止することができ、既設管の周辺に水の流れる通路の発生を防止することができる。これにより、既設管の設置されている領域の地盤の不安定化を防止することも可能となっている。 【0061】 また、既製のライニング管を取付管54等の既設管に挿入する場合、既設管の内径よりも既設ライニング管の外径を小さくしておかなければ既設用ライニング管の挿入動作は事実上困難であるので、既製ライニング管の挿入動作が終了した時点では既製ライニング管の外周面と既設管の内周面との間には若干の隙間が生ずることは不可避である。従って、この隙間を埋めて既製ライニング管の設置状態を安定化させる機能も有するものである。 【0062】 なお、図15に示された工法の最終工程としてはシーリング材の硬化後ライニング用組管40の両端部を適正位置、例えば取付管54の両端部近傍位置(図上L1、L2のライン)で切断することによってライニング用組管40の両端を開口状態とし、挿入動作及びシーリング作業が完了することとなる。 【0063】 本発明は上述の種々の実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、複数の噴射通路からの流体の噴射量の制御は噴射通路の全体を同時に同様の噴射量で制御することも可能であるが、噴射通路毎に異なる噴射量で変化させることにより挿入する既製ライニング管への付与振動を微妙に調整することが可能である。また、係止部20については油圧式の拡径/収縮機構を示したがこれに限られず、簡単な動作により既設ライニング管の内周面に係止固定することができる構成であれば他の構成を用いることが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0064】 【図1】本発明の実施の形態に係る既製ライニング管挿入装置の構成を示す概略説明図である。 【図2】図1の実施の形態に用いられた係止部の構成を示す概略説明図である。 【図3】ハンドルを付加した既製ライニング管挿入装置の他の実施の形態を示す概略説明図である。 【図4】本発明に係る既製ライニング管挿入装置により挿入される既製ライニング管の好適な構成例であるライニング用組み管を構成する組み管ピースを示しており、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 【図5】図4に示した組み管ピースの連結動作を示す説明図である。 【図6】図4に示した組み管ピースを連結した状態を示す説明図である。 【図7】組み管ピースを連結して構成したライニング用組み管が真っ直ぐに伸長した状態を示す説明図である。 【図8】組み管ピースを連結して構成したライニング用組み管を曲げた状態を示す説明図である。 【図9】既製ライニング管の他の例(蛇腹管)を示す説明図である。 【図10】実施の形態に係る既製ライニング管挿入装置を用いた既製ライニング管の挿入工法を示す説明図である。 【図11】既製ライニング管先頭部分内の長尺本体部の状態を示す説明図である。 【図12】実施の形態に係る既製ライニング管挿入装置を用いた既製ライニング管の挿入工法を示す説明図である。 【図13】他の既製ライニング管の挿入方法を示す説明図である。 【図14】他の既製ライニング管の挿入方法を示す説明図である。 【図15】他の既製ライニング管の挿入方法を示す説明図である。 【符号の説明】 【0065】 10 既製ライニング管挿入装置 12 長尺本体部 16 噴射ヘッド 20 係止部 22 移動体 24 油圧ホース 32 ハンドル 40 ライニング用組管 42 組管ピース 60 外筒材
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| 【出願人】 |
【識別番号】595053777 【氏名又は名称】吉佳株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月7日(2006.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100354 【弁理士】 【氏名又は名称】江藤 聡明
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| 【公開番号】 |
特開2008−62520(P2008−62520A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−243073(P2006−243073) |
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