| 【発明の名称】 |
成形用スタンパおよび成形装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古桑 健
【氏名】松田 伸
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| 【要約】 |
【課題】成形する側の表面部を領域毎に温度調整が可能な成形用スタンパおよび成形装置を提供する。
【構成】成形用スタンパ10Fは、基体19の主面部21が被成形体12を成形するために凹凸状に形成され、その基体19に流路101が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被成形体を成形する側の表面部が凹凸状に形成される基体を有し、 該基体の内部には、冷媒が流れる流路部が形成されていることを特徴とする成形用スタンパ。 【請求項2】 前記表面部の凸状部が帯状に形成され、前記流路の少なくとも一部が前記凸状部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形用スタンパ。 【請求項3】 請求項1または2に記載の成形用スタンパと 該成形用スタンパで被成形体を押圧する押圧手段と、 前記成形用スタンパを加熱する加熱手段と、 前記成形用スタンパの温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷媒の流量を制御する流量制御手段とを備えることを特徴とする成形装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、熱可塑性樹脂などの被成形体を成形するための成形用スタンパおよび前記成形用スタンパを備える成形装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、科学およびバイオの技術分野では、化学反応、生化学反応および試料を分析するためのシステムを、より小型化したマイクロ化学システムが研究されている。このマイクロ化学システムは、たとえば従来のシステムに比べて微細に加工されたマイクロ流路内で化学反応を起こさせたり、試料の分析を行う。これによって試料の単位面積当たりの反応面積を増大させ、試料の反応が完了する時間を大幅に削減することができる。またマイクロ流路内を流れる流体の流路の流量を精密に制御することができ、化学反応および試料の分析を効率的に行うことができる。このようなマイクロ化学システムにおける化学反応および試料の分析は、マイクロ流路、マイクロポンプおよびマイクロリアクタが形成されるマイクロ化学チップと呼ばれるチップにおいて行われている。 【0003】 このような高精度で微細なマイクロ化学チップを民生用に広げるために、マイクロ化学チップを量産可能な製造装置を開発し、量産に伴うマイクロ化学チップの低コスト化を図っている。量産化するための技術として、たとえばスタンパを用いて、樹脂およびガラスなどの被成形体に数十〜数百μmの突起などの構造物を転写成形し、マイクロ流路を形成する成形方法が試みられている。 【0004】 図29は、従来の技術の成形装置1を示す正面断面図である。成形装置1は、スタンパ2を用いて、ホットエンボス法で被成形体3にマイクロ流路を転写成形するための装置である。成形装置1は、スタンパ2と、スタンパ2を被成形体3に押圧させる押圧手段4と、スタンパ2を加熱する加熱手段5とを有する。加熱手段5は、電圧を印加されると発熱する1本の発熱抵抗体で構成されている。スタンパ2などの型は、その表面部がフォトリソグラフィ技術を用いて所望の形状に加工されているシリコン基板が用いられる。スタンパ2は押圧手段4の基台6に設けられている。被成形体3には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などの感光性樹脂をレジストに用いる場合、ガラスなどが用いられる。 【0005】 【特許文献1】特開2004−288845号公報 【特許文献2】特開2004−71587号公報 【特許文献3】特開2004−160647号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 従来の技術の成形装置1を用いたホットエンボス法は、加熱されているスタンパ2を高い圧力で被成形体に押圧することによって行われる。スタンパ2によって被成形体3を成形するとき、スタンパ2は、被成形体の成形状況に応じた所望の温度があり、加熱手段5を制御することによって、スタンパ2の温度が前記所望の温度に保持されている。このようにスタンパ2の温度が制御されているけれども、スタンパ2の温度は、環境および成形状態に応じて刻々と変化しているので、加熱手段5によって所望の温度以上に加熱される場合がある。所望の温度以上に加熱されているスタンパ2によって被成形体3を成形すると、加工精度のよい完成品が得られない。所望の温度以上に加熱されているスタンパ2は、自然冷却することによって、その温度を所望の温度まで低下させている。このように自然冷却によって温度を低下させているので、被成形体を加工するとき、冷却に時間がかかる。 【0007】 またこのような被成形体の成形を行うとき、スタンパ2は、被成形体に押圧する前の温度(以下、「初期温度」という)が最も低く、成形が終了するときの温度(以下、「完了温度」という)が最も高くなっている。それ故、連続して被成形体を成形するとき、成形終了後、次のスタンパ2を成形するためにスタンパ2を一定期間放置して、完了温度から初期温度まで自然冷却する。このような自然冷却では、冷却に時間がかかり、スタンパ2が初期温度まで下降する時間が長い。したがって連続して被成形体を製造するとき、被成形体の製造を開始する間隔が長くなり、単位時間当たりの製造量が少ない。 【0008】 本発明の目的は、冷却する時間を短縮可能な成形用スタンパおよび成形装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、被成形体を成形する側の表面部が凹凸状に形成される基体を有し、 該基体の内部には、冷媒が流れる流路部が形成されていることを特徴とする成形用スタンパである。 【0010】 また本発明は、前記表面部の凸状部が帯状に形成され、前記流路の少なくとも一部が前記凸状部に沿って形成されていることを特徴とする。 【0011】 また本発明は、前記成形用スタンパと 該成形用スタンパで被成形体を押圧する押圧手段と、 前記成形用スタンパを加熱する加熱手段と、 前記成形用スタンパの温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷媒の流量を制御する流量制御手段とを備えることを特徴とする成形装置である。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、被成形体を成形するための基体の内部に流路が形成されている。この流路に冷媒を流すことによって、基体を冷却することができる。加熱された基体を冷却することによって、短期間で基体を所望の温度に下降させることができる。これによって複数の被成形体を連続して成形するときの時間を、従来の技術に比べて短縮することができる。したがって従来の技術に比べて、単位時間当たりの被成形体の成形数量、つまり完成品の製造個数を増加させることができる。 【0013】 本発明によれば、流路の少なくとも一部が、帯状に形成されている凸状部に沿って形成されている。これによって冷却機構として用いられる流路が凸状部に沿って形成されるので、凸状部を効率よく冷却することができる。このように凸状部を効率的に冷却できるので、複数の被成形体を連続して成形するときの時間をさらに短縮することができる。 【0014】 本発明によれば、電力供給手段によって発熱抵抗体に電力を供給し、基体の温度を上昇させた状態で、押圧手段によって成形用スタンパを被成形体に押圧することによって、被成形体を成形することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。 【0016】 図1は、実施の第1の形態の成形用スタンパ10を含む成形装置11を示す正面断面図である。図2は、成形用スタンパ10を示す斜視図である。図3は、図2の切断面線III−IIIで切断して見た成形用スタンパ10を示す断面図である。図4は、図3の切断面線IV−IVで切断して見た成形用スタンパ10を示す断面図である。成形装置11は、成形用スタンパ10を備え、成形用スタンパ10を被成形体12に押圧して、被成形体3の表面部を成形するための型である。本実施の形態では、成形装置11は、ナノプリント法で被成形体3の表面部に微細構造を成形可能な装置であり、成形用スタンパ10を被成形体3押圧することによって前記微細構造、たとえばマイクロ化学チップを形成する装置である。ただし成形装置11は、ナノインプリント法で成形可能なものに限定されず、成形用スタンパ10を押圧して被成形体3を成形する装置であればよい。たとえばハンコおよびスタンパのマスタを成形する装置であってもよい。成形装置11は、ステージ13と、プレス手段14と、成形用スタンパ10と、温度制御手段15と、筐体16とを含む。ステージ13と、プレス手段14と、成形用スタンパ10と、温度制御手段15とは、筐体16内に配設される。 【0017】 ステージ13は、被成形体である被成形体12を載置するための台である。ステージ13は、扁平状の平板であり、たとえばSUS403から成り、被成形体12を保持する機構を有するとともに、スタンパ10に対して相対変位可能に構成され、被成形体12の位置を精密に制御する事ができる。被成形体12は、たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはこれらの材料を混合して成る混合材料から成る。具体的には、アクリル樹脂またはガラスである。 【0018】 押圧手段であるプレス手段14は、プレス駆動部17と基台18とを有する。プレス駆動部17は、筐体16に設けられている。プレス駆動部17は、基台18が設けられ、基台18を上下方向Z(以下、「Z方向」という場合がある)に変位駆動するように構成されている。基台18は、たとえばSUS403から成り、成形用スタンパ10を装着可能に構成されている。 【0019】 成形用スタンパ10は、基体19と発熱抵抗体20を含む。基体19は、セラミック、本実施の形態ではアルミナ(Al2O3)から成り、大略的に直方体状に形成され、その主面部21に凹凸状に形成されている。具体的には、基体19は、基体本体22の表面部23に1または複数の凸状部24が形成されている。本実施の形態では、基体の厚み方向である第1方向A1(以下、「A1方向」という場合がある)に垂直な第2方向A2(以下、「A2方向」という場合がある)に延びる4つの凸状部24が等間隔で形成されている。ただし凸状部24は、このような形状に限定されず、被成形体12に形成すべき凹部に応じてその形状が変更され、また凸状でなく突起であってもよい。基体19は、A1方向とZ方向とが一致するようにプレス手段14の基台18に装着されている。基体19の内部には、発熱抵抗体20が形成されている。 【0020】 発熱抵抗体20は、たとえばタングステンおよびセラミックの混合材料から成る高抵抗の抵抗体であり、電流が流れると発熱する抵抗体である。本実施の形態では、発熱抵抗体20は、基体19の第3方向A3(以下、「A3方向」という場合がある)の一端部から他端部に向かって、連続パルス波形状に蛇行するように配設されている。A3方向は、A1方向およびA2方向に垂直な方向である。ただし発熱抵抗体20は、このような形状に配設されるものに限定されない。このようにして配設される発熱抵抗体20の一端部20aおよび他端部20bには、各端部20a,20bから基体19の側面部26、具体的には主面部21に垂直な表面部26に延びる給電配線25が形成されている。給電配線である給電配線25は、導体材料たとえばタングステンメタライズから成り、発熱抵抗体20に電気的に接続され、側面部26で外方に向かって露出している。具体的には、給電配線25は、切立ち部25aと水平部25bとを有する。切立ち部25aは、発熱抵抗体20の各端部20a,20bからA1方向に立ち上がるように形成される、水平部25bは、切立ち部25aの端部から基体19の側面部26に向かって、本実施の形態ではA2方向に延びるように形成され、その端部が前記側面部26から外方に露出している。 【0021】 プレス手段14の基台18には、導体材料から成る給電配線38が設けられている。本実施の形態では、給電配線38は、基台18の外部に配設されている。給電配線38は、成形用スタンパ10の基体19が基台18に装着されている状態で、成形用スタンパ10の各給電配線25の水平部25bに電気的にそれぞれ接続されている。さらに配線38は、温度制御手段15に電気的に接続されている。 【0022】 温度検出手段であり電力供給手段である温度制御手段15は、配線38に電気的に接続され、図示しない電源に電気的に接続されている。温度制御手段15は、成形用スタンパ10の温度を検出し、この検出結果に応じて発熱抵抗体20に印加する電圧を制御し、成形用スタンパ10の温度を制御する機能を有する。具体的には、温度制御手段15は、発熱抵抗体20がタングステンとセラミックとの混合材料から成るので、発熱抵抗体20のTCR抵抗温度特性を利用して発熱抵抗体20の温度を演算し、この演算結果に基いて発熱抵抗体20に印加する電圧を制御し、成形用スタンパ10の温度制御を行っている。 【0023】 またステージ13は、載置される被成形体12の成形すべき表面部である加工面部40が、プレス手段14が成形用スタンパ10を駆動する方向、本実施の形態ではZ方向に垂直になるように、被成形体12を載置する載置面部が形成されている。 【0024】 図5A、図5Bおよび図5Cは、成形用スタンパ10を形成する手順を示す図である。以下に、このように構成される成形用スタンパ10の形成方法について説明する。成形用スタンパ10は、第1〜第3層状体27,28,29を積層し、この積層体30に大きな圧力を印加しつつ焼結することによって形成される。本実施の形態では、3つの層状体27,28,29の場合について説明するけれども、複数の層状体を積層して焼結することによって、成形用スタンパ10を形成してもよい。以下、具体的な成形用スタンパ10の製造方法について説明する。 【0025】 まず第1層状体27を形成する工程について説明する。ポリエチレンテレフタラート(PET)から成るシート32上に導体ペーストを付着させて発熱抵抗体20を形成する(図5A(a)参照)。具体的には、スクリーン印刷法などによって、シート32上に導体ペーストを付着させて連続パルス波形状の発熱抵抗体20を形成する。導体ペーストは、導体材料、有機バインダおよび有機溶剤が含まれる。たとえば導体材料には、タングステン(W)が用いられ、有機バインダには、アクリル樹脂、エチルセルロースまたは、メチルセルロースなどが用いられ、有機溶剤には、テルピネオール、ジブチルフタレート(D.B.P.)が用いられる。ただしこのような材料に限定するものではない。 【0026】 セラミック粉末、有機バインダおよび溶剤などを混合したセラミックスラリーをシート32上に塗布して、セラミックグリーンシート(以下、「グリーンシート」という場合がある)31を形成する(図5A(b)参照)。たとえばセラミック粉末には、Al2O3が用いられ、有機バインダには、アクリル樹脂、エチルセルロースまたは、メチルセルロースなどが用いられ、溶剤には、テルピネオール、ジブチルフタレート(D.B.P.)などが用いられる。シート32にセラミックスラリーを塗布してグリーンシート31を形成する方法としては、たとえば必要量のセラミックスラリーを供給し供給部または塗布面を移動することによって一定の厚みの塗布を行うダイコーター法、または一定量のセラミックスラリーを供給し、余分なセラミックスラリーをブレードにより除去し、一定厚みの塗布を行うドクターブレード法などが用いられる。グリーンシート31の厚さd1は、発熱抵抗体20の厚みd2より厚くなるように形成される。 【0027】 給電配線25の切立ち部25aを配設するための貫通孔33を形成する(図5A(c)参照)。貫通孔33は、グリーンシート31の厚み方向に貫通し、発熱抵抗体20の両端部20a,20bが貫通孔33に露出するように形成される。貫通孔33は、パンチング加工またはレーザ加工を施すことによって形成される。貫通孔33を形成後、貫通孔33には、スクリーン印刷法などによって、給電配線25の切立ち部25aの前駆体である導体ペーストが充填される。このようにしてシート31上には、第1層状体27が形成されている(図5A(d)参照)。 【0028】 次に第2層状体28を形成する工程について説明する。PETから成るシート34上に有機材料を付着させて有機グリーンシート35を形成する(図5(e)参照)。具体的には、スクリーン印刷法などによって、シート32上に有機材料を付着させて、一方向に延びる複数の有機グリーンシート35を前記一方向に垂直な方向に等間隔あけて形成する。有機材料には、アクリル樹脂などが用いられ、有機溶剤には、テルピネオール、ジブチルフタレート(D.B.P.)などが用いられる。ただしこのような材料に限定するものではない。 【0029】 セラミック粉末、有機バインダおよび溶剤などを混合したセラミックスラリーをシート34上に塗布して、グリーンシート36を形成する。シート34にセラミックスラリーを塗布してグリーンシート36を形成する方法としては、たとえば必要量のセラミックスラリーを供給し、供給部または塗布面を移動することによって一定の厚みの塗布を行うダイコーター法、または一定量のセラミックスラリーを供給し、余分なセラミックスラリーをブレードを用いて除去し、一定の厚みの塗布を行うドクターブレード法などが用いられる。グリーンシート36の厚さd3は、有機グリーンシート35の厚みd4より厚くなるように形成されている。このようにしてシート34上には、第2層状体28が形成される(図5B(f)参照)。 【0030】 次に第3層状体29を形成する工程について説明する。PETから成るシート36上に導体ペーストを付着させて給電配線25の水平部25bを形成する(図5B(g)参照)。具体的には、スクリーン印刷法などによって、シート36上に導体ペーストを付着させて一方向に延びる2つの給電配線25の水平部25bを形成する。さらにセラミックスラリーをシート36上に塗布してグリーンシート39を形成する。グリーンシート39の厚さd5は、給電配線25の水平部25bの厚みd6より厚くなるように形成される。さらに水平部25bの外部に露出する端部には、腐食を防止するためにニッケル(Ni)または金(Au)のめっきが施され、配線38と電気的に接続される外部端子が形成される。このようにしてシート36上には、第3層状体29が形成される(図5B(h)参照)。 【0031】 次に積層体30を焼結して成形用スタンパ10を形成する工程について説明する。第1層状体27と第2層状体28と第3層状体29を積層し、積層体30を構成する。積層体30を構成するとき、発熱抵抗体20が積層体30の内部に形成され、有機グリーンシート35が外方に露出するように、第1および第2層状体27,28を積層し、給電配線25の各切立ち部25aが、各水平部25bに電気的に接続されるように第1層状体28に第3層状体を積層する。具体的には、第2、第1および第3層状体28,27,29の順で積層され、発熱抵抗体20は、有機グリーンシート35が形成される表面部と反対側の表面部に臨み、発熱抵抗体20が形成されている側と反対側の表面部に給電配線25の水平部25bが臨むように配設される。このようにして形成される積層体30を、プレス装置37によって、第1および第2層状体28,29が積層される方向に挟持するように押圧する(図5C(i)参照)。押圧後、積層体30を焼結する。このとき温度が脱バインダ領域に達すると、有機グリーンシート35が燃焼し、積層体30の表面部が凹凸状に形成される。さらに温度が上昇すると、温度が焼結温度領域に達し、積層体30が焼きしまり、成形用スタンパ10が形成される(図5C(j))。このように焼結することよって主面部21が凹凸状に形成される成形用スタンパ10を形成することができる。 【0032】 図6は、成形装置11を用いて被成形体12を成形する手順を示す図である。図6には、成形装置11のうち成形用スタンパ10だけを図示し、成形用スタンパ10以外の構成については図示を省略する。以下では、成形装置11を用いて被成形体12を成形する成形方法について、図1を参照しつつ説明する。ステージ13に被成形体12を載置され、温度制御手段15によって発熱抵抗体20に電圧を印加し、成形用スタンパ20の基体19を加熱する(図6(a)参照)。加熱し予め定められる温度に達すると、プレス手段14によって成形用スタンパ20をZ方向一方に下降させ、成形用スタンパ20の凸状部24を被成形体12の加工面部40に当接させる。 【0033】 プレス手段14によって、成形用スタンパ20を当接する状態からさらに降下させて、成形用スタンパ10に被成形体12を押圧させる。このとき温度制御手段15は、被成形体12が成形用スタンパ10の降下位置に応じて、つまり成形状況に応じて、成形用スタンパ10の基体19の温度を制御する。温度制御手段15は、たとえば成形用スタンパ10が降下するに従って、基体19の温度を上昇させるように制御する。さらに成形用スタンパ10を予め定められる成形位置まで降下させる、たとえば基体本体22の表面部23が被成形体12の加工面部40に達する位置まで降下させると、プレス手段14は、成形用スタンパ10の降下を停止する(図1の2点鎖線および図6(b)参照)。温度制御は発熱抵抗体20のTCR特性を利用して行われる。つまり発熱抵抗体の抵抗値を連続的に測定し、抵抗値にあわせて電流値(または電圧値)を適正な値に制御することで温度を制御する。このように成形用スタンパ10を成形位置まで降下させると、被成形体12の成形用スタンパ10の凸状部24が押圧される部分に凹部41が形成され、残余部に凸部42が形成される。このようにして被成形体12を成形し、成形品が形成される。 【0034】 その後、プレス手段14は、成形用スタンパ10を予め定められる位置、たとえば初期位置まで上昇させる(図6(c)参照)。このとき温度制御手段15は、発熱抵抗体20に対する電圧の印加を停止し、発熱抵抗体20の発熱を停止する。次の被成形体12を成形するとき、再度、発熱抵抗体20に電圧を印加して、発熱抵抗体20を発熱させて、成形用スタンパ10を降下させて成形を行う。 【0035】 以下では、このように構成される成形用スタンパ10および成形装置11が奏する効果ついて説明する。本実施の形態の成形用スタンパ10によれば、基体19に発熱抵抗体20が配設されているので、基体19が直接的に加熱される。基体19を直接的に加熱するので、基体19以外の構成、たとえばプレス駆動部17および基台18に伝達する熱を抑制でき、熱損失を小さくすることができる。また基体19を直接的に加熱するので、外部に熱が逃げることを防ぐための断熱手段を設けずとも熱損失が小さい。したがって断熱手段を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、構成を簡単化することができる。また基体19に熱源である発熱抵抗体20が設けられるので、熱源が被成形体12に近く、従来の技術の成形装置1より小さい電流で基体19の主面部21が被成形体12を成形するために必要な温度に達する。また基体19を直接的に加熱するので、基台18などの熱膨張が抑制され、より精密な加工が可能となる。 【0036】 本実施の形態の成形用スタンパ10によれば、発熱抵抗体20が基体19の内部に配設されるので、発熱抵抗体20が被成形体12に直接接触することがない。これによって発熱抵抗体20の損傷を防止することができ、発熱抵抗体20が断線して成形用スタンパ10が使用不能になることを防止できる。さらに発熱抵抗体20が外部に露出していないので、発熱抵抗体20の腐蝕も防止することができる。このように発熱抵抗体20を基体19内部に配設することによって、損傷および腐蝕の点において、発熱抵抗体20を保護することができる。 【0037】 本実施の形態の成形装置11によれば、基体19がセラミックから成る。これによって発熱抵抗体20との一体性を高めることができる。また基体19がセラミックから成るので、耐摩耗性、耐腐蝕性および耐熱性が高く、破損および腐蝕し難く、熱による変形が抑制され、利便性の高い成形用スタンパ10を実現することができる。これによって、成形用スタンパ10によって成形が繰返し行われても基体19が損傷することがなく、また基体19の加熱および冷却が繰返し行われても、基体19が熱応力などで破損することがない。またセラミックで成形用スタンパ10を形成するので、本実施の形態のように成形用スタンパ10に直接接触させて成形しても基体19が欠けるなどすることがなく、成形用スタンパ10を繰返し使用することができる。セラミックで構成することによって、ガラスなど高温で成形しなければ成らない材料から成る被成形体12を繰返し成形する場合であっても、繰返し熱応力にも耐え得ることができ、良好なスタンパが形成される。 【0038】 本実施の形態の成形用スタンパ10によれば、基体19と発熱抵抗体20とが一体的に焼結されているので、被成形体12を繰返し成形するときの熱応力に起因する基体からの発熱抵抗体の剥離を抑制できる。 【0039】 本実施の形態の成形装置11によれば、基体19の側面部26から導出される給電配線25に電力を供給することによって、発熱抵抗体20に電力が供給され、発熱抵抗体20が発熱する。これによって基体19の温度を上昇させることができる。また側面部26から給電配線25が導出されるので、プレス手段14に内部に配線38を配設する必要がなく、プレス手段14の加工が容易になる。 【0040】 本実施の形態の成形用スタンパ10によれば、温度制御手段15によって発熱抵抗体20に電力を供給し、基体19の温度を上昇させた状態で、プレス手段14によって成形用スタンパ10を被成形体12に押圧することによって、被成形体12を成形することができる。 【0041】 本実施の形態の成形装置11によれば、温度制御手段15によって成形用スタンパ10の温度が検出され、検出された温度に応じて発熱抵抗体20に供給する供給電力、具体的には印加する電圧を調整する。成形装置1毎または成形品のロッドを成形する毎に成形用スタンパ10の温度にばらつきがある場合、各成形品の寸法にばらつきが生じ、加工精度のよい成形品が得られない。成形用スタンパ10の温度に応じて供給電力を調整することができるので、成形装置1毎または成形品のロッドを成形する毎に成形用スタンパ10の温度がばらつくことを抑制でき、成形品の寸法のばらつきを抑制し、加工精度のよい成形品を成形することができる。 【0042】 図7は、実施の第2の形態の成形用スタンパ10Aを示す斜視図である。成形用スタンパ10Aは、実施の第1の形態の成形用スタンパ10と構成が類似している。したがって成形用スタンパ10Aの構成については、実施の第1の形態の成形用スタンパ10と異なる点についてだけ説明し、同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略する。成形用スタンパ10Aは、発熱抵抗体20が基体19の内部に配設されず、基体19の凸状部24に配設されている。本実施の形態では、基体19の凸状部24に発熱抵抗体20を形成する。ただしこのような形状に限定されず、基体19の凸状部24にA2方向に延びる溝を形成し、その溝に発熱抵抗体20を形成してもよく、また凸状部24自体を発熱抵抗体20で構成してもよい。さらに発熱抵抗体20の腐蝕防止および耐摩耗性を向上させるために、発熱抵抗体20に保護膜を形成する。これによって発熱抵抗体20を凸状部24に形成しても、腐蝕することおよび損傷することを防止できる。 【0043】 本実施の形態の成形用スタンパ10Aによれば、被成形体12と接触し成形する凸状部24に発熱抵抗体20が設けられているので、被成形体12に熱が伝達しやすい。これによって熱損失が少なく、従来の技術の成形装置1よりもより小さい電流で被成形体12の成形が可能である。また凸状部24に発熱抵抗体20が設けられているので、被成形体12を整形する成形部の温度制御が精密に制御することができる。 【0044】 図8は、実施の第3の形態の成形用スタンパ10Bを備える成形装置11Bを示す正面断面図である。成形用スタンパ10Bおよび成形装置11Bは、成形用スタンパ10および成形装置11と構成が類似している。したがって成形用スタンパ10Bおよび成形装置11Bの構成については、成形用スタンパ10および成形装置11と異なる点についてだけ説明し、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。成形用スタンパ10Bには、起電力発生装置51が設けられている。起電力発生回路51は、たとえばループコイルまたは金属製のベタパターンで構成され基体19の内部に形成される。起電力発生回路51は、電磁波を受けて起電力を発生する機能を有する。起電力発生回路51は、発熱抵抗体20の各端部20a,20bに電気的に接続されている。起電力発生回路51は、グリーンシート上にループコイル状またはベタパターン状に導体ペーストを付着させた層状体を第1および第2層状体28,29に積層し、焼結することによって形成することができる。 【0045】 成形装置11は、電磁波発生手段52をさらに備える。電磁波発生手段52は、起電力発生回路51に向かって電磁波を放射する機能を有する。電磁波発生手段52は、たとえば推奨振動子などの発信回路およびアンテナを含み、発信回路から伝送される信号に基いてアンテナから電磁波を放射するように構成されている。 【0046】 さらに成形用スタンパ10には、その凸状部24上に温度検出手段53が設けられている。温度検出手段53は、たとえばアルメルクロメル熱電対または銅コンスタンタン熱電対によって構成される。温度検出手段53は、成形時における被成形体12の温度を検出する機能を有する。温度検出手段53によって検出される温度に基いて、発熱抵抗体20に印加すべき電圧が制御される。つまり電磁波発生手段52から放射される電磁波の磁束密度などが決定される。 【0047】 このように構成される成形装置11Bは、電磁波発生手段52から電磁波を放射すると、起電力発生回路51が電磁波を受けて起電力を発生する。発生した起電力が発熱抵抗体20に供給され、発熱抵抗体20が発熱する。このような発熱抵抗体20が発熱している状態で、被成形体12が成形される。 【0048】 本実施の形態の成形用スタンパ10Bによれば、基体19に配設される起電力発生回路51に向かって電磁波を放射すると、起電力発生回路51が電磁波を受け起電力を発生する。これによって発熱抵抗体20に電力が供給され、発熱抵抗体20が発熱し、基体19の温度を上昇させることができる。このように起電力発生回路51を用いることによって、電源と発熱抵抗体20とを電気的に接続する必要がなく、外部配線を省略することができる。したがって基体19は、プレス装置14によってZ方向に変動するので、外部配線の位置に制約が多いけれども、起電力発生回路51を用いることによって、このような問題を解決することができる。 【0049】 本実施の形態の成形装置11Bによれば、電磁波発生手段52によって起電力発生回路51に電磁波を放射すると、起電力発生回路51で起電力が発生し、発熱抵抗体20に電力が供給される。これによって発熱抵抗体20が発熱して基体19の温度を上昇させる。このように基体19の温度が上昇した状態で、プレス手段14によって成形用スタンパ10を被成形体12に押圧することによって、被成形体12を成形することができる。 【0050】 本実施の形態では、成形用スタンパ10は、セラミックから成るけれども、セラミックに限定されない。たとえばシリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(SiN)、多結晶シリコン、ガラス、などであってもよい。 【0051】 また本実施の形態では、導体ペーストを塗布することによって発熱抵抗体20を形成しているけれども、CVD法によって発熱抵抗体20を形成してもよい。 【0052】 また本実施の形態では、有機グリーンシート35を用いて、主面部21の凹凸形状を形成しているけれども、必ずしもこのような方法に限定されない。たとえば第1層状体27に扁平状のグリーンシートを積層した積層体の表面部を、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet:略称YAG)レーザなどを用いるレーザ加工によって、凹凸状に形成し、その後焼結して成形用スタンパ10を形成してもよい。また前記積層体を焼結した後に、焼結された積層体の表面部を、YAGレーザ等を用いるレーザ加工によって凹凸状に形成、成形用スタンパ10を形成してもよい。 【0053】 本実施の形態では、成形用スタンパ10を被成形体12に押圧しているけれども、被成形体12にレジストを形成し、そのレジストを成形用スタンパ10によって成形し、被成形体12をエッチングして成形してもよい。 【0054】 本実施の形態では、起電力発生回路51が基体19の内部に形成されているけれども、外部に形成されてもよい。 【0055】 図9は、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cを示す斜視図である。図10は、図9の切断面線X−Xで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す断面図である。図11は、図10の切断面線XI−XIで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す断面図である。成形用スタンパ10Cは、成形装置11Cに含まれている。成形装置11Cは、実施の第1の形態の成形用装置11の構成と類似し、成形用スタンパ10Cは、実施の第1の形態の成形用スタンパ10と構成が類似している。成形装置11Cおよび成形用スタンパ10Cについては、実施の第1の形態の成形装置11および成形用スタンパ10と異なる点についてだけ説明し、同一構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下では、図1も参照しつつ説明する。 【0056】 成形用スタンパ10Cは、基体19と4つの発熱抵抗体61,62,63,64とを有する。4つの発熱抵抗体61〜64は、タングステンとセラミックとの混合材料から成る。4つの発熱抵抗体61〜64は、基体19の内部に配設され、A1方向に垂直な第1仮想平面65上に形成されている。4つの発熱抵抗体61〜64は、基体19のA2方向中央を含みA3方向に垂直な第2仮想平面66と、基体19のA3方向中央を含みA2方向に垂直な第3仮想平面67とによって、分けられる4つの領域である第1〜第4領域68〜71にそれぞれ配設されている。A2方向一側面部73側の領域を第1および第3領域68,70とし、A2方向他側面部74側の領域を第2および第4領域69,71とする。以下では、第1領域68に配設される発熱抵抗体61を第1発熱抵抗体61といい、第2領域69に配設される発熱抵抗体62を、第2発熱抵抗体62といい、第3領域70に配設される発熱抵抗体63第3発熱抵抗体63といい、第4領域71に配設される発熱抵抗体64を、第4発熱抵抗体64という場合がある。 【0057】 さらに詳細に説明すると、各発熱抵抗体61〜64は、A3方向に連続パルス波形状に蛇行するように形成されている。第1発熱抵抗体61と第2発熱抵抗体62とは、第2仮想平面66に関して面対称に配設され、第1発熱抵抗体61と第3発熱抵抗体63とは、第3仮想平面67に関して面対称に配設されている。さらに第1発熱抵抗体61と第4発熱抵抗体64とは、第2仮想平面66と第3仮想平面との交線72に関して点対称に配設されている。ただしこのような配設位置に限定されない。 【0058】 第1発熱抵抗体61の両端部61a,61bに第1給電配線81が、第2発熱抵抗体62の両端部62a,62bに第2給電配線82が、第3発熱抵抗体63の両端部63a,63bに第3給電配線83が、第4発熱抵抗体64の両端部64a,64bに第4給電配線84がそれぞれ配設されている。各給電配線81〜84は、給電配線25の立上り部25aと水平部25bと同様の構成を有し、第1および第3給電配線81,83は、基体19のA2方向一側面部73で外方に露出している。第2および第4給電配線82,84は、基体19のA2方向他側面部74で外方に露出している。第1〜第4給電配線81〜84は、配線38を介して、独立して温度制御手段15Cにそれぞれ電気的に接続される。 【0059】 温度制御手段15Cは、第1〜第4給電配線81〜84にそれぞれ独立して電気的に接続され、図示しない電源に電気的に接続されている。温度制御手段15Cは、成形用スタンパ10Cの第1〜第4領域6〜71の温度を検出し、この検出結果に応じて各発熱抵抗体61〜64に印加する電圧を制御し、具体的には、供給する電力を制御し、成形用スタンパ10Cの各領域68〜71の温度を制御する機能を有する。本実施の形態では、温度制御手段15Cは、発熱抵抗体61〜64がタングステンとセラミックとの混合材料から成るので、各発熱抵抗体61〜64のTCR抵抗温度特性を利用して、各発熱抵抗体61〜64に印加される電圧に基いてこれらの温度を演算し、この演算結果に基いて発熱抵抗体61〜64に印加する電圧を制御し、成形用スタンパ10Cの温度制御を行っている。 【0060】 以下では、各領域68〜71のうち少なくとも1つの領域で温度降下が生じた場合の温度制御手段15Cの動作について説明する。各領域68〜71の少なくともいずれか1つ領域68〜71で所定の温度より下降すると、所定の温度より下降している領域68〜71に配設されている発熱抵抗体61〜64に印加する電圧を上げる。たとえば第1領域68の温度が下降すると、第1発熱抵抗体61に印加する電圧を上げる。また第1および第3領域68,70の温度が下降すると、第1発熱抵抗体61および第3発熱抵抗体63に印加する電圧を上げる。このようにして各発熱抵抗体61〜64に印加する電圧を温度制御手段15が個別に制御することによって、主面部21のうち温度が下降している一部だけを温度上昇させることができる。これによって主面部21の一部だけが温度が低いまたは高い状態で成形が行われることを抑制でき、このような状態で成形することに起因する成形不良を抑制できる。 【0061】 本実施の形態の成形用スタンパ10Cによれば、被成形体12を成形するための基体19に4つの発熱抵抗体61〜64が配設されている。4つの発熱抵抗体61〜64が配設されるので、4つの発熱抵抗体61〜64のうち一部を発熱させることによって、基体19の第1〜第4領域68〜71のうち一部だけ温度上昇させることができる。これによって基体19の第1〜第4領域68〜71毎に異なる温度に設定することができる。また基体19の第1〜第4領域68〜71のうち一部だけ温度が下降しても、4つの発熱抵抗体61〜64のうち一部を発熱させることによって、第1〜第4領域68〜71のうち前記一部を温度上昇させることができる。これによって基体19全体の温度を均一に維持することが可能になる。 【0062】 本実施の形態の成形用スタンパ10Cによれば、各発熱抵抗体61〜64には、給電配線81〜84が電気的に接続されている。これによって各発熱抵抗体61〜64に個別に電力を供給することができ、各発熱抵抗体61〜64を個別に発熱することができる。 【0063】 本実施の形態の成形用スタンパ10Cによれば、温度調整手段15Cによって各発熱抵抗体61〜64に供給する供給電力を個別に制御することができる。これによって各発熱抵抗体61〜64を個別に発熱させることができるので、基体19を第1〜第4領域68〜71毎に温度調整することが実現できる。これによって被成形体12の形状および温度などに合わせて、基体19の温度を第1〜第4領域68〜71毎に調整することができる。 【0064】 本実施の形態の成形用スタンパ10Cによれば、第1〜第4発熱抵抗体61〜64は、第2仮想面66および第3仮想面67に関して面対称または、交線72に関して線対象に配設されている。これによって各発熱抵抗体61〜64に同一の電圧を印加すると、各領域68〜71の温度分布が交線72に関して点対称になり、したがって同一の電圧を各発熱抵抗体61〜64に印加することによって、前後左右対称な被成形体12について、加工精度を良くすることができる。さらに同一仮想平面、具体的には第1仮想平面65上に形成されているので、各発熱抵抗体61〜64に印加する電圧を複雑に制御することなく、主面部21を均一な温度に維持することができる。 【0065】 本実施の形態では、4つの発熱抵抗体61〜64が第2および第3仮想平面66,67に関して面対称に配設されているけれども、必ずしもこのように配設される必要がない。第1仮想平面65上に複数の発熱抵抗体が形成されていればよい。また第1仮想平面65上に全ての発熱抵抗体が配設されている必要もなく、異なる仮想平面上に配設されてもよく、複数の発熱抵抗体が互いに重なることなく、かつ電気的に接続されなければよい。 【0066】 図12は、実施の第5の形態の成形用スタンパ10DをA2方向に垂直な仮想平面で切断して見た正面断面図である。図13は、図12の切断面線XIII−XIIIで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す平面断面図である。成形用スタンパ10Dは、成形装置11Dに含まれている。成形装置11Dは、成形装置11Bと含まれている成形用スタンパ10Bが異なり、その他の構成については同一である。成形用スタンパ10Dは、実施の第5の形態の成形用スタンパ10と構成が類似している。成形用スタンパ10Dについては、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと異なる点についてだけ説明し、同一構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下では、図1も参照しつつ説明する。 【0067】 成形用スタンパ10Dは、基体19と内側発熱抵抗体91と外側発熱抵抗体92とを有する。内側および外側発熱抵抗体91,92は、タングステンとセラミックとの混合材料から成り、基体19の内部に形成され、第1仮想平面65上に形成されている。内側発熱抵抗体91は、大略的に矩形状の板体であり、基体19のA2およびA3方向中間部に配設されている。外側発熱抵抗体92は、大略的に環状の板体であり、第1仮想平面92上において、その内側に内側発熱抵抗体92が配置されるように配設される。さらに具体的には、外側発熱抵抗体92は、ロ字状に形成され、第1仮想平面65上において、その外縁と基体19の外縁との間隔a1,a2,a3,a4が等間隔になるように配設されている。 【0068】 このような構成を有する成形装置11Dは、電磁波発生手段52によって、内側および外側発熱抵抗91,92に向かって電磁波を放射する。内側および外側発熱抵抗体91,92は、電磁波発生手段52から放射される電磁波を受けることによって、起電力を生じ、発熱する。電磁波発生手段52は、指向性の高いアンテナを有し、このアンテナから各内側および外側発熱抵抗体91,92に向かって別々に電磁波を発射可能し、別々に発熱可能に構成されている。 【0069】 このように構成される成形装置11Dは、実施の第3の構成の成形装置11Bと同様の効果を奏する。また成形用スタンパ10Dは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと同様の効果を奏する。また本実施の形態の成形用スタンパ10Dによれば、中央部に矩形状の内側発熱抵抗体91が配設され、外側発熱抵抗体92が、その間隔a1,a2,a3,a4が等間隔になるように配設されているので、主面部21について均一な温度を得ることができる。 【0070】 図14は、実施の第6の形態の成形用スタンパ10Eを示す斜視図である。図15は、図14の切断面線XV−XVで切断して見た成形用スタンパ10Eを示す断面図である。図16は、図15の切断面線XVI−XVIで切断して見た断面図である。図17は、図15の切断面線XVII−XVIIで切断して見た断面図である。実施の第6の形態の成形用スタンパ10Eは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと構成が類似している。実施の第6の形態の成形用スタンパ10Eについては、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと異なる点についてだけ説明し、同一の構成については同一の符号付してその説明を省略する。成形装置11Eは、実施の第4の形態の成形装置11Cの成形用スタンパ10Cが異なり、それ以外の構成は同一である。成形装置11Eは、成形用スタンパ10Eを含む。成形用スタンパ10Eは、成形用スタンパ10Cの構成に、さらに4つの発熱抵抗体85,86,87,88を有する。 【0071】 4つの発熱抵抗体85〜88は、第4仮想平面99上に配設されている。第4仮想平面99は、第1仮想平面65に平行であって、かつ第1仮想平面65より主面部21側にある仮想平面である。各発熱抵抗体85〜88は、第4仮想平面99上の各領域68〜71にそれぞれ配設される。以下では、第4仮想平面99上に配設される各発熱抵抗体85〜88について、第1領域68に配設される発熱抵抗体85を第5発熱抵抗体85といい、第2領域69に配設される発熱抵抗体86を、第6発熱抵抗体86といい、第3領域70に配設される発熱抵抗体87を第7発熱抵抗体87といい、第4領域71に配設される発熱抵抗体88を、第8発熱抵抗体88という場合がある。第5〜第8発熱抵抗体85〜88は、第1〜第4発熱抵抗体61〜64と同様にA3方向に連続パルス波形状に蛇行するように形成されている。 【0072】 さらに具体的には、第5発熱抵抗体85と第6発熱抵抗体86とは、第2仮想平面66に関して面対称に配設され、第5発熱抵抗体85と第7発熱抵抗体87とは、第3仮想平面67に関して面対称に配設されている。第5発熱抵抗体85と第8発熱抵抗体88とは、交線72に関して点対称に配設されている。このように配設される第5〜第8発熱抵抗体85〜88は、第1仮想平面65に投影すると、第1〜第4発熱抵抗体61〜64に一致するように配設されている。ただしこのように配設されていることに限定するものではなく、第1仮想平面65に投影しても、第1〜第4発熱抵抗体61〜64に一致しなくてもよい。 【0073】 第5発熱抵抗体85の両端部85a,85bには、第5給電配線95が、第6発熱抵抗体86の両端部86a,86bに第6給電配線96が、第7発熱抵抗体87の両端部87a,87bに第7給電配線97が、第8発熱抵抗体88の両端部88a,88bに第8給電配線98がそれぞれ配設されている。さらに第5および第7給電配線95,97は、基体19のA2方向一側面部73で外方に露出している。第6および第8給電配線96,98は、基体19のA2方向他側面部74で外方に露出している。第5〜第8給電配線95〜98は、配線38を介して、独立的に温度制御手段15Cにそれぞれ電気的に接続される。 【0074】 このようにして構成される成形装置11Eは、各発熱抵抗体61〜64,85〜88にそれぞれ印加する電圧、具体的にはそれぞれ供給する電力を独立して制御することができる。各発熱抵抗体61〜64,85〜88に供給する電力を制御することによって、各領域68〜71の温度を調節することができる。このように構成される成形装置11Eは、実施の第4の形態の成形装置11Cと同様の効果を奏する。また成形用スタンパ10Eは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと同様の効果を奏する。 【0075】 さらに各領域68〜71にA1方向に離反する2つの発熱抵抗体61〜64,85〜88が形成されている。したがって、たとえば第1領域68に配設される第1発熱抵抗体61および第5発熱抵抗体85のうち第1発熱抵抗体61または第5発熱抵抗体85に供給される電力の供給および停止を制御するだけで、第1領域68の温度を制御することができる。また第1発熱抵抗体61と第5発熱抵抗体85との主面部21との距離が異なるので、第1発熱抵抗体61だけに電力が供給される場合と、第5発熱抵抗体85に電力が供給されたときの主面部21の温度が異なる。このように温度制御手段15Cによって供給する発熱抵抗体を第1発熱抵抗体61または第5発熱抵抗体85に変えることによって、主面部21の温度を制御が可能である。2層に分けて発熱抵抗体61〜64,85〜88を配設することによって、このような効果を奏する。 【0076】 図18は、実施の第7の形態の成形用スタンパ10Fの斜視図である。図19は、図18の切断面線X1−X1で切断して見た成形用スタンパ10Fを示す断面図である。図20は、図19の切断面線X2−X2で切断して見た成形用スタンパ10Fを示す断面図である。実施の第7の形態の成形用スタンパ10Fは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと構成が類似している。具体的には、成形用スタンパ10Fは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cの構成を有し、さらに基体19に流路101が形成され、ポンプ手段102が設けられている。以下では、流路101とポンプ手段102についてだけ説明し、その他の同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。成形用スタンパ10Fは、成形装置11Fに設けられている。成形装置11Fは、実施の第4の形態の成形装置11Cと含まれている成形用スタンパ10Cが異なるだけで、他の構成については、同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。 【0077】 流路101は、基体19にS字状に形成され、一端101aがA2方向一側面部73で開放し、他端101bがA2方向一側面部74で開放している。流路101は、4つの発熱抵抗体61〜64が形成される第1仮想平面65上に4つの発熱抵抗体61〜64に避けるように形成されている。具体的には、流路101は、第1仮想平面65において、A2方向一方および他方に凹む凹所101c,101dを有するS字状に形成されている。流路101は、凹所101cに第1および第2発熱抵抗体61,62が配設され、凹所101dに第3および第4発熱抵抗体63,64が配設されるように形成されている。ただし流路101は、このような形状に限定されない。流路101の一端101aおよび他端101bには、ポンプ手段102が接続されている。 【0078】 図21は、ポンプ手段102の実施の一形態のダイヤフラム式マイクロポンプ102Aを示す断面図である。図22は、ポンプ手段102の実施の他形態の電気浸透流式マイクロポンプ102Bを示す断面図である。ポンプ手段102は、いわゆるマイクロポンプであり、冷媒を流路101に供給するものである。マイクロポンプとしては、圧電素子を用いて構成されるダイヤフラム式マイクロポンプ102Aと、流路101内の冷媒に電界を作用させ、流路101に電気浸透流を発生させる電気浸透流式マイクロポンプ102Bとが挙げられる。 【0079】 まずダイヤフラム式マイクロポンプ102A(以下、単に「マイクロポンプ102A」という)について説明する。マイクロポンプ102Aは、電気信号に応答して変形する圧電素子を有し、この圧電素子がパルス信号を受けて変形することによって、冷媒を吐出する。マイクロポンプ102Aは、具体的には、冷媒が流入する一次ポート104と、冷媒を吐出する二次ポート105と、一次ポート104と二次ポート105とに連なるポンプ通路106と、一次ポート104における冷媒の逆流を防止する逆止弁107と、電気信号に応答して、吐出方向B1および吸引方向B2に変形可能な圧電素子108と、制御部109とを有する。マクロポンプ102Aの一次ポート104は、流路101の他端101bに、二次ポート105は、流路101の一端101aに接続されている。 【0080】 マイクロポンプ102Aは、圧電素子108を吐出方向B1に変形させることによって、ポンプ通路106内の冷媒に圧力をかけ、ポンプ通路106内の冷媒を二次ポート105から排出する。このとき一次ポート104は、逆止弁107によって閉じられ、ポンプ通路106内の冷媒が一次ポート104に逆流することが防がれている。またマイクロポンプ102Bは、圧電素子108が吸引方向B2に変形すると、一次ポート104を閉じていた逆止弁107が開き、一次ポート104からポンプ通路106内に冷媒を吸引する。このような構成を有するマイクロポンプ102Aに、制御部109から圧電素子108にパルス信号を送信し、圧電素子108を吐出方向B1および吸引方向B2に変形させることによって、マイクロポンプ102Aによる冷媒の吸引および吐出を可能にしている。圧電素子108に送信するパルス信号の周波数を可変可能に構成されている。このように構成されるマイクロポンプ102Aは、制御部109から伝送されるパルス信号の周波数によって、吐出する冷媒の単位時間当たりの流量(以下、単に「流量」と称する)を変更することができる。具体的には、周波数を上げると、流量が増加し、周波数を下げると、流量が低下する。 【0081】 次に電気浸透流式マイクロポンプ102B(以下、単に「マイクロポンプ102B」という)について説明する。マイクロポンプ102Bは、流路内にある電解質の冷媒に、冷媒を流すべき方向と同一の方向の電界を作用させて、電気浸透流を生じさせる。マイクロポンプ102Bは、冷媒が流入する一次ポート110と、冷媒を流出させる二次ポート111と、一次ポート110と二次ポート111とに連なるポンプ通路112と、ポンプ通路112内の冷媒に電界を作用させる一対の電極113と、制御部115を有する。一次ポート110は、流路101の他端101bに接続され、二次ポート111は、流路101の一端101aに接続されている。ポンプ通路112は、セラミックから成るマイクロポンプ102Bの基体114に形成されている。一対の電極113は、互いに間隔をあけて対向するように基体114に埋設されている。一対の電極113は、冷媒の流下方向C1下流側に陰極113aが配設され、流下方向C1上流側に陽極113bが配設されている。一対の電極113は、制御部115に電気的に接続されている。制御部115は、温度制御手段15Cに電気的に接続され、一対の電極113に印加する電圧を可変可能に構成される。 【0082】 マイクロポンプ102Bは、一対の電極113に電圧を印加し、電界を生じさせることによって、ポンプ通路112内の冷媒に電界が作用し、電気浸透流が生じる。電気浸透流を発生させることによって、冷媒が一次ポート110から二次ポート111に向ってポンプ通路112内を流下方向C1に流下する。このように構成されるマイクロポンプ102Bは、電界の強度を変えることによって、排出する冷媒の流量を変えている。換言すると、一対の電極113に印加する電圧を制御することによって、吐出する冷媒の流量を制御している。 【0083】 このような構成を有するポンプ手段102によって、流路101内の冷媒を循環することができる。またポンプ手段102は、流量制御手段である制御部109、115が基体19の温度を取得し、この基体19の温度に応じて、制御部109,115が吐出する冷媒の流量を制御する。具体的には、基体19の温度と予め定められる温度との温度差に応じて、冷媒の流量を制御し、温度差が大きくなるにつれて冷媒の流量を増加させ、冷却速度を増加させる。 【0084】 このようにして構成される成形用スタンパ10Fの流路101は、第1層状体27を形成するとき、シート32に導体ペーストを付着させるとともに、形成すべき流路101の形状に合わせて有機バインダを付着させる。つまりシート2に有機バインダをS字状に付着させる。このように導体ペーストと有機バインダとが付着するシート32に、セラミックスラリーを塗布することによって、有機バインダが介在する第1層状体27が形成される。このようにして形成される第1層状体27と、第2層状体28と、第3層状体29とを積層し、加圧した状態で焼結すると、有機バインダが燃焼し、流路101が形成される成形用スタンパ10Fが得られる。 【0085】 以下では、このような構成を有する成形用スタンパ10Fおよび成形装置11Fが奏する効果について説明する。本実施の形態の成形用スタンパ10Fによれば、被成形体12を成形するための基体19の内部に流路101が形成されている。この流路101に冷媒を流すことによって、基体19を冷却することができる。加熱された基体19を冷却することによって、短期間で基体19を所望の温度に低下させることができる。これによって複数の被成形体12を連続して成形するときの時間を、従来の技術に比べて短縮することができる。したがって従来の技術に比べて、単位時間当たりの被成形体12の成形数量、つまり完成品の製造個数を増加させることができる。 【0086】 本実施の形態の成形装置11Fによれば、温度制御手段15Cによって発熱抵抗体61〜64に電力を供給し、基体19の温度を上昇させた状態で、プレス手段14によって成形用スタンパ10Fを被成形体12に押圧することによって、被成形体12を成形することができる。 【0087】 本実施の形態の成形装置11Fによれば、成形用スタンパ10Fにポンプ手段102が設けられているので、被成形体12を成形するとき、ポンプ手段102を成形用スタンパ10Fとともに変位させることができる。これによってポンプ手段102と流路101とを接続する配管120が、基体19の変位に伴って撓むなど変形を生じることがほとんどなく、このような変形に伴う破損が抑制されている。従って、配管120を前記変形が許容される可撓性を有する材料によって構成する必要がなく、材料の選定の自由度が向上する。 【0088】 本実施の形態では、ポンプ手段102を成形用スタンプ10Fに設けているけれども、必ずしも成形用スタンプ10Fに設ける必要はない。 【0089】 本実施の形態のマイクロポンプ102a,102bによれば、成形用スタンパ10Fに設けることができ、前述のようなポンプ手段102の効果を実現することができる。 【0090】 図23は、実施の第8の形態の成形用スタンパ10Gの正面断面図である。図24は、図23の切断面線X3−X3で切断して見た成形用スタンパ10Gを示す断面図である。図25は、図23の切断面線X4−X4で切断して見た成形用スタンパ10Gを示す断面図である。実施の第8の形態の成形用スタンパ10Gは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cと構成が類似している。具体的には、成形用スタンパ10Gは、実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cの構成を有し、さらに基体19に4つの流路121〜124が形成され、4つのポンプ手段131〜134が設けられている。各流路121〜124についてだけ説明し、その他の同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。成形用スタンパ10Gは、成形装置11Gに設けられている。成形装置11Gは、実施の第4の形態の成形装置11Cと含まれている成形用スタンパ10Cが異なるだけで、他の構成については、同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。 【0091】 各流路121〜124は、基体19の内部に形成され、連続パルス波形状に蛇行するように形成されている。各流路121〜124は、第5仮想平面上125に形成されている。第5仮想被平面125は、各発熱抵抗体61〜64が形成される第1仮想平面65と平行であって、かつ第1仮想平面65より裏側面部126側にある仮想平面である。裏側表面部126は、主面部21とA1方向反対側の表面部である。各流路121〜124は、その一端および他端にポンプ手段131〜134がそれぞれ接続され、ポンプ手段131〜134から吐出される冷媒が、流路121〜124を流れ、ポンプ手段131〜134に戻るように形成されている。各ポンプ手段131〜134は、たとえばマイクロポンプ102A,102Bによって構成される。 【0092】 以下では、各流路121〜124について説明の便宜上、図25の紙面左上に配設される、つまり第1発熱抵抗体61上に形成される流路121を、第1流路121といい、図25の紙面左下に配設される、つまり第2発熱抵抗体62上に形成される流路122を、第2流路122といい、図25の紙面右上に配設される、つまり第3発熱抵抗体63上に形成される流路123を、第3流路123といい、図25の紙面左上に配設される、つまり第4発熱抵抗体64上に形成される流路124を、第4流路124という場合がある。換言すると、第1領域68に第1流路121が形成され、第2領域69に第2流路122が形成され、第3領域70に第3流路123が形成され、第4領域71に第4流路124が形成されている。また第1流路121に接続されるポンプ手段131を第1ポンプ手段131といい、第2流路122に接続されるポンプ手段132を第2ポンプ手段132といい、第3流路123に接続されるポンプ手段133を第3ポンプ手段133といい、第4流路124に接続されるポンプ手段134を第4ポンプ手段134という場合がある。 【0093】 さらに本実施の形態では、第1〜第4流路121〜124は、第1仮想平面65に投影すると、その下方に形成されている第1〜第4発熱抵抗体61〜64に沿うように形勢されている。具体的には、第1流路121が第1発熱抵抗体61に、第2流路122が第2発熱抵抗体62に、第3流路123が第3発熱体63に、第4発熱抵抗体64が第4発熱抵抗体64に沿うように形成されている。 【0094】 このようにして構成される成形用スタンパ10Gは、第1領域68の温度が上昇しすぎると、第1ポンプ手段131を駆動させ、第1流路121に冷媒を吐出させ循環させる。第1流路121内の冷媒が循環することによって、冷媒による基体19の第1領域68の部分の熱の吸収を促進し、第1領域68の温度を下降させる。同様に第2領域69の温度が上昇すると、第2ポンプ手段132を駆動させて第2流路122で冷媒を循環させ、第3領域69の温度が上昇すると、第3ポンプ手段133を駆動させて第3流路123で冷媒を循環させ、同様に第4領域69の温度が上昇すると、第4ポンプ手段134を駆動させて第4流路123で冷媒を循環させる。これによって各領域68〜71の温度を下降させることができる。 【0095】 以下では、このようにして構成される成形用スタンパ10Gおよび成形装置11Gがそうする効果について説明する。本実施の形態の成形用スタンパ10Gによれば、第1〜第4流路121〜124が各発熱抵抗体61〜64よりも裏側面部126側に形成されている。これによって各流路121〜124によって各発熱抵抗体61〜64から主面部21への熱伝導が抑制されることがなく、所望の温度に保持しやすく、加熱時の熱損失を抑制できる。 【0096】 また本実施の形態の成形用スタンパ10Gによれば、各領域68〜71に分けて、各流路121〜124が形成されている。したがって各ポンプ手段131〜134を別々に駆動させることによって、各領域68〜71を個別に温度調整することができる、具体的には、温度を下降させることができる。したがって基体19の温度を第1〜第4領域68〜71毎に制御することができ、被成形体12を成形した場合、加工精度の高い完成品を得ることができる。 【0097】 本実施の形態の成形用スタンパ10Gおよび成形装置11Gによれば、実施の第7の形態の成形用スタンパ10Fおよび成形装置11Fと同様の効果を奏する。 【0098】 図26は、実施の第9の形態の成形用スタンパ10Hの正面断面図である。図27は、図26の切断面線X5−X5で切断して見た成形用スタンパ10Hを示す断面図である。図28は、図27の切断面線X6−X6で切断して見た成形用スタンパ10Hを示す断面図である。実施の第9の形態の成形用スタンパ10Hは、実施の第2の形態の成形用スタンパ10Aと構成が類似している。成形用スタンパ10Hの構成については、実施の第2の成形用スタンパ10Aと異なる構成についてだけ説明し、同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。成形用スタンパ10Gは、成形装置11Gに設けられている。成形装置11Gは、実施の第2の形態の成形装置11Aと含まれている成形用スタンパ10Aが異なるだけで、他の構成については、同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。 【0099】 成形用スタンパ10Hは、基体19Hと発熱抵抗体20Hとを有する。基体19Hは、主面部21が凹凸状に形成されている。具体的には、基体19Hは、基体本体22の表面部23に凸状部24Hが形成されている。凸状部24Hは、帯状に、具体的には、連続パルス波形状に蛇行するように形成されている。この主面部21の一部を構成する凸状部24の表面部135には、発熱抵抗体20Hが形成されている。発熱抵抗体20Hは、凸状部24に沿って形成される、つまり連続パルス波形状に蛇行するように形成されている。 【0100】 さらに基体19Hには、発熱抵抗体20Hに沿うように流路101Hが形成されている。具体的には、流路101Hは、連続パルス波形状に蛇行するように形成され、その一端および他端がポンプ手段102に接続されている。ポンプ手段102は、流路101の他端を流れる冷媒を吸入するとともに、この吸入する冷媒を流路101の一端に吐出する。このようにして流路101Hにおける冷媒の循環を実現している。 【0101】 以下では、このようにして構成される成形用スタンパ10Hが奏する効果について説明する。本実施の形態の成形用スタンパ10Hによれば、流路101Hが、帯状に形成されている凸状部24Hに沿って形成されている。これによって冷却機構である流路101Hが凸状部24Hに沿って形成されるので、凸状部24Hを効率よく冷却することができる。このように凸状部24Hを効率的に冷却できるので、複数の被成形体12を連続して成形するときの時間をさらに短縮することができる。 【0102】 本実施の形態の成形用スタンパ10Hによれば、実施の第2の形態の成形用スタンパ10Aと同様の効果を奏する。 【0103】 本実施の形態では、1つの帯状の凸状部24Hだけが基体本体22に形成されているけれども、2つ以上の帯状の凸状部24Hが形成されてもよく、流路101Hが前記2つ以上の凸状部24Hに沿って形勢されれば、同様の効果が達成できる。また複数の流路101Hが凸状部24Hに沿って形成されてもよく、これによっても同様の効果が達成できる。 【0104】 本実施の形態では、流路101,101Hおよびポンプ手段102によって閉じた回路が形成されているけれども、必ずしも閉じた回路である必要はない。たとえばポンプ手段102は、タンクから冷媒を吸引して、流路101Hへ吐出させてもよい。この場合、流路101Hを流れる冷媒は、他端からドレンへ流れ出るように構成することによって、新しい冷媒を流路101Hに供給する冷却機構が構成できる。 【0105】 また本実施の形態では、有機バインダを用いて流路101,101Hが形成されているけれども、必ずしもこのような方法に限定されない。たとえば第1層状体27を金型および工具などを用いて貫通孔および溝を形成することによって、流路101,101Hを形成してもよい。さらに金型を用いて形成する場合について具体的に説明すると、形成された第1層状体27を金型によって塑性変形させて溝を形成する。このように溝が形成される第1層状体27を積層し、第2および第3層状体28,29で挟み込んで、焼結させることによって、流路101,101Hが形成される。 【0106】 流路101の形状は、前述のような形状に限定するものではなく、同様の効果を奏する範囲内で変更することができる。 【図面の簡単な説明】 【0107】 【図1】実施の第1の形態の成形用スタンパ10を含む成形装置11を示す正面断面図である。 【図2】成形用スタンパ10を示す斜視図である。 【図3】図2の切断面線III−IIIで切断して見た成形用スタンパ10を示す断面図である。 【図4】図3の切断面線IV−IVで切断して見た成形用スタンパ10を示す断面図である。 【図5A】成形用スタンパ10を形成する手順を示す図である。 【図5B】成形用スタンパ10を形成する手順を示す図である。 【図5C】成形用スタンパ10を形成する手順を示す図である。 【図6】成形装置11を用いて被成形体12を成形する手順を示す図である。 【図7】実施の第2の形態の成形用スタンパ10Aを示す斜視図である。 【図8】実施の第3の形態の成形用スタンパ10Bを備える成形装置11Bを示す正面断面図である。 【図9】実施の第4の形態の成形用スタンパ10Cを示す斜視図である。 【図10】図9の切断面線X−Xで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す断面図である。 【図11】図10の切断面線XI−XIで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す断面図である。 【図12】実施の第5の形態の成形用スタンパ10DをA2方向に垂直な仮想平面で切断して見た正面断面図である。 【図13】図12の切断面線XIII−XIIIで切断して見た成形用スタンパ10Cを示す平面断面図である。 【図14】実施の第6の形態の成形用スタンパ10Eを示す斜視図である。 【図15】図14の切断面線XV−XVで切断して見た成形用スタンパ10Eを示す断面図である。 【図16】図15の切断面線XVI−XVIで切断して見た断面図である。 【図17】図15の切断面線XVII−XVIIで切断して見た断面図である。 【図18】実施の第7の形態の成形用スタンパ10Fの斜視図である。 【図19】図18の切断面線X1−X1で切断して見た成形用スタンパ10Fを示す断面図である。 【図20】図19の切断面線X2−X2で切断して見た成形用スタンパ10Fを示す断面図である。 【0108】 【図21】ポンプ手段102の実施の一形態のダイヤフラム式マイクロポンプ102Aを示す断面図である。 【図22】ポンプ手段102の実施の他形態の電気浸透流式マイクロポンプ102Bを示す断面図である。 【図23】実施の第8の形態の成形用スタンパ10Gの正面断面図である。 【図24】図23の切断面線X3−X3で切断して見た成形用スタンパ10Gを示す断面図である。 【図25】図23の切断面線X4−X4で切断して見た成形用スタンパ10Gを示す断面図である。 【図26】実施の第9の形態の成形用スタンパ10Hの正面断面図である。 【図27】図26の切断面線X5−X5で切断して見た成形用スタンパ10Hを示す断面図である。 【図28】図27の切断面線X6−X6で切断して見た成形用スタンパ10Hを示す断面図である。 【図29】従来の技術の成形装置1を示す正面断面図である。 【符号の説明】 【0109】 10F,10H 成形用スタンパ 11F,10H 成形装置 12 被成形体 14 プレス手段 15C 温度制御手段 19 基体 21 主面部 24,24H 凸状部 101,101H 流路 109 制御部 115 制御部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−62486(P2008−62486A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−242184(P2006−242184) |
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