| 【発明の名称】 |
射出成形機 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷口 吉哉
|
| 【要約】 |
【課題】計量工程時(背圧制御時)の樹脂圧の検出精度を向上させること。
【構成】加熱シリンダの後部を固定したヘッドストックと、射出用駆動源を搭載した保持ブロックと、加熱シリンダ内に回転並びに前後進可能に配設されたスクリュと、スクリュの後端を固定した回転体と、回転体を回転可能に保持すると共に、ヘッドストックに対して前後進可能な直動ブロックとを、備えた射出成形機において、ロードセルユニットを、ヘッドストックと保持ブロックの前端部との間に挟み込んで配置し、ロードセルユニットの一部をヘッドストックに固定すると共に、ロードセルユニットの他の一部を保持ブロックの前端部に固定した、構成をとる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱シリンダの後部を固定したヘッドストックと、射出用駆動源を搭載した保持ブロックと、前記加熱シリンダ内に回転並びに前後進可能に配設されたスクリュと、該スクリュの後端を固定した回転体と、該回転体を回転可能に保持すると共に、前記ヘッドストックに対して前後進可能な直動ブロックとを、備えた射出成形機において、 ロードセルユニットを、前記ヘッドストックと前記保持ブロックの前端部との間に挟み込んで配置し、前記ロードセルユニットの一部を前記ヘッドストックに固定すると共に、ロードセルユニットの他の一部を前記保持ブロックの前端部に固定したことを特徴とする射出成形機。 【請求項2】 請求項1に記載の射出成形機において、 前記直動ブロックを、レール部材上を摺動可能な直動ガイド上に固定したことを特徴とする射出成形機。 【請求項3】 請求項2に記載の射出成形機において、 前記ヘッドストックを、前記レール部材上を摺動可能な直動ガイド上に固定し、前記保持ブロックを、前記レール部材上を摺動可能な直動ガイド上に固定したことを特徴とする射出成形機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、インラインスクリュ式の射出成形機の射出系における、樹脂圧の検出手法にかかわる技術に関する。 【背景技術】 【0002】 インラインスクリュ式の射出成形機においては、射出工程時の射出圧や保圧を制御するため、あるいは、計量工程時の背圧を制御するために、スクリュの頭部より先の(前の)溶融樹脂の圧力を検出する必要があり、このために、ロードセル(歪み検出センサ)によって樹脂圧を検出する構成をとっている。ロードセルによる圧力検出手法(荷重検出手法)としては、スクリュと共に前後進する直動ブロックとボールネジ機構の直動部との間にロードセルユニットを配設して、樹脂圧による荷重(力)を、スクリュ、直動ブロックを介してロードセルユニットにて検出する手法を、採ることが多い。 【0003】 図3は、従来のインラインスクリュ式の電動射出成形機の射出系の要部断正面図である。図3において、51はヘッドストック、52は、ヘッドストック51と所定距離をおいて対向配置された保持プレート、53は、ヘッドストック51と保持プレート52にその両端をそれぞれ固定され、ヘッドストック51と保持プレート52を一体に連結した複数本の連結・ガイド軸、54は、連結・ガイド軸53に挿通・案内されて、ヘッドストック51と保持プレート52との間で前後進可能な直動ブロック、55は、その後部をヘッドストック51に固定された加熱シリンダ、56は、加熱シリンダ55の先端に固定されたノズル、57は、加熱シリンダ55内に回転並びに前後進可能であるように配設されたスクリュ、58は、スクリュ57の後端を固定すると共に、直動ブロック54に回転可能に保持されたプーリ付き回転体、58aは、プーリ付き回転体58に一体に形成された被動プーリ、59は、直動体54に搭載された計量用サーボモータ、60は、計量用サーボモータ59の出力軸に固定されて、計量用サーボモータ59の回転を図示せぬタイミングベルトを介して被動プーリ58a(プーリ付き回転体58)に伝達する駆動プーリ、61は、保持プレート52に搭載された図示せぬ射出用サーボモータの回転を直線運動に伝達するボールネジ機構、61aは、保持プレート52に回転可能に保持されて、図示せぬ射出用サーボモータの回転を図示せぬプーリとタイミングベルトよりなる回転伝達機構によって伝達されるボールネジ機構のネジ軸、61bは、ネジ軸61aに螺合されると共に、その端部をロードセルユニット62を介して直動ブロック58に連結されたボールネジ機構61のナット体、62は、直動ブロック58とナット体61bに挟持される形で配設され、その外輪部を直動ブロック58に固定されると共に、その内輪部をナット体61bに固定されたロードセルユニットであり、ロードセルユニット62には、荷重を検出するための歪みセンサが設けられている。 【0004】 図3に示す構成において、成形運転時には、図示せぬノズルタッチ/バック用モータ、ノズルタッチ/バック機構によって、加熱シリンダ55の先端のノズル56は、図示せぬ固定ダイプレートに取り付けられた図示せぬ固定側金型の樹脂注入口周辺に、所定の力で押し付けられている。このようなノズルタッチ状態において、計量工程時には、スクリュ57が計量用サーボモータ59によって回転駆動され、これによって、スクリュ57の根本側に供給された原料樹脂が、混練・可塑化されつつ、スクリュ57のネジ送り作用でスクリュ57の頭部側へ移送され、スクリュ57の頭部より前に(先に)溶融樹脂が溜まるにしたがってスクリュ57が後退する。このスクリュ57の後退に際して、図示せぬ射出用サーボモータが圧力フィードバック制御されて、背圧の制御が行われ、スクリュ57の頭部より先に(前に)所定量の溶融樹脂が蓄えられた時点で、スクリュ回転は停止される。また、射出時には、図示せぬ射出用サーボモータが回転駆動されることで、ボールネジ機構61のナット体61bが前進駆動され、これによって、直動ブロック54と一体となってスクリュ57が前進駆動されて、スクリュ57の頭部より先に蓄えられた溶融樹脂が金型内に射出・充填される。 【0005】 そして、上記した計量工程時や射出工程時(1次射出工程時および保圧工程時)には、樹脂圧による荷重(力)は、スクリュ57、プーリ付き回転体58、直動ブロック54を介してロードセルユニット62の歪みセンサによって検出され、この歪みセンサの検出出力に基づく樹脂圧力値が算出・認知されることで、圧力制御が実行されるようになっている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、図3に示した従来技術においては、樹脂圧による荷重をスクリュ57を介して検出するようにしているため、スクリュ57が回転している計量工程時には、スクリュ回転による推力が生じるため、ロードセルユニット62の歪みセンサの検出出力に基づく樹脂圧力は、実際の樹脂圧力とは一致しない。すなわち、歪みセンサの検出出力に基づく検出圧力をPLとし、樹脂の実際圧力をPAとしたとき、歪みセンサには回転するスクリュ57による推進力(圧力)PB (PB<PA)が作用するために、歪みセンサの検出出力に基づく検出圧力をPLは、実際には、PL=PA+PBとなる。 【0007】 ここで、スクリュ57による推進力(圧力)PBは、スクリュー57と樹脂間や加熱シリンダ55の内面と樹脂間の摩擦力の変動などによって、変動し易く、このため、歪みセンサの検出出力に基づく検出圧力をPLを、設定された樹脂圧力と一致させるように圧力フィードバック制御しても、スクリュ57による推進力(圧力)PBが変動すると、樹脂の実際圧力PAは、ばらつきを示すことになる。したがって、計量して貯えられた溶融樹脂の樹脂密度がばらついて、良品成形を達成する上での阻害要因となっていた。 【0008】 なおまた、スクリュ57の後退時にも、スクリュフライトが加熱シリンダ55の外側に出ないようにするため、加熱シリンダ55の後部側にはある程度の長さを確保する必要があり、これに合わせてヘッドストック51の長さ(スクリュ軸方向の長さ)も、ある程度嵩むものとなっており、マシンの全長を短くする上での1つの阻害要因となっているという、指摘もあった。 【0009】 本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、計量工程時(背圧制御時)の樹脂圧の検出精度を向上させることにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は上記した目的を達成するために、加熱シリンダの後部を固定したヘッドストックと、射出用駆動源を搭載した保持ブロックと、加熱シリンダ内に回転並びに前後進可能に配設されたスクリュと、スクリュの後端を固定した回転体と、回転体を回転可能に保持すると共に、ヘッドストックに対して前後進可能な直動ブロックとを、備えた射出成形機において、ロードセルユニットを、ヘッドストックと保持ブロックの前端部との間に挟み込んで配置し、ロードセルユニットの一部をヘッドストックに固定すると共に、ロードセルユニットの他の一部を保持ブロックの前端部に固定した、構成をとる。 【発明の効果】 【0011】 本発明では、ロードセルユニットを、ヘッドストックと保持ブロックの前端部との間に挟み込んで配置し、ロードセルユニットの一部をヘッドストックに固定すると共に、ロードセルユニットの他の一部を保持ブロックの前端部に固定するようにしているので、スクリュの頭部より先に貯えられた溶融樹脂の圧力による力(荷重)は、ノズル→加熱シリンダ→ヘッドストックを介してロードセルユニットに伝わり、これによって、樹脂圧による荷重(力)がロードセルユニットの歪みセンサにより検出される。上記のような力の伝達経路によって樹脂圧を検出するようになすと、図3に示した従来技術のようにスクリュ回転による推進力(圧力)の影響を全く受けないため、計量工程時の樹脂圧を正確に(精度高く)検出することが可能となり、以って、計量して貯えた溶融樹脂の樹脂密度のばらつきを可及的になくす背圧制御が行えて、良品成形に大いに貢献することが可能となる。また、ロードセルユニットをヘッドストックと保持ブロックの前端部との間に挟み込んで配置することで、加熱シリンダの最後端側をロードセルユニットの中心貫通穴内に配置することができ、マシンの全長を図3に示した従来技術よりもロードセルユニットの厚さ相当分だけ短くできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。 図1、図2は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)によるインラインスクリュ式の電動射出成形機に係り、図1は、本実施形態の電動式射出成形機の射出系の要部断正面図である。 【0013】 図1において、1は、図示せぬマシンメインフレーム上に必要に応じて適宜のベース部材を介して固定され、射出系メカニズム全体を前後進可能であるように支持したレール部材、2は、レール部材1に摺動可能に介装された直動ガイド3上に固定されたヘッドストック、4は、レール部材1に摺動可能に介装された直動ガイド5上に固定されると共に、ロードセルユニット6を介してヘッドストック2に連結された保持ブロック、6は、ヘッドストック2と保持ブロック4の前端部4aとの間に挟持されるように配置され、その外輪部6aを保持ブロック4の前端部4aに固定されると共に、その内輪部6bをヘッドストック2に固定されたロードセルユニット、7は、レール部材1に摺動可能に介装された直動ガイド8上に固定されて、ヘッドストック2に対して前後進可能とされた直動ブロック、9は、ヘッドストック2にその後部を固定され、その最後端側をロードセルユニット6の中心貫通穴6e内に位置させた加熱シリンダ、10は、加熱シリンダ9の先端に固定されたノズル、11は、加熱シリンダ9内に回転並びに前後進可能に配設されたスクリュ、12は、スクリュ11の後端を固定すると共に、直動ブロック7に回転可能に保持された回転体、13は、回転体12に固定されると共に、直動ブロック7に搭載された図示せぬ計量用サーボモータの回転を、図示せぬ駆動プーリ、タイミングベルトを介して伝達される被動プーリ、14は、保持ブロック4に搭載された射出用サーボモータ、15は、射出用サーボモータ14の出力軸に固定された駆動プーリ、16は、射出用サーボモータ14の回転を駆動プーリ15、図示せぬタイミングベルトを介して伝達される被動プーリ、17は、被動プーリ16の回転(すなわち、射出用サーボモータ14の回転)を直線運動に変換するボールネジ機構、17aは、保持ブロック4に回転可能に保持されると共に、その端部に被動プーリ16を固定したボールネジ機構17のネジ軸、17bは、ネジ軸17aに螺合されると共に、直動ブロック7に固定されたボールネジ機構17のナット体である。 【0014】 図1に示す構成において、成形運転時には、図示せぬノズルタッチ/バック用モータ、ノズルタッチ/バック機構によって、射出系メカニズム全体はレール部材1上を前進移動させられていて、加熱シリンダ9の先端のノズル10は、図示せぬ固定ダイプレートに固定された図示せぬ固定側金型の樹脂注入口周辺に、所定の力で押し付けられている。このようなノズルタッチ状態において、計量工程時には、スクリュ11が図示せぬ計量用サーボモータによって回転駆動され、これによって、スクリュ11の根本側に供給された原料樹脂が、混練・可塑化されつつ、スクリュ11のネジ送り作用でスクリュ11の頭部側へ移送され、スクリュ11の頭部より前に(先に)溶融樹脂が溜まるにしたがってスクリュ11が後退する。このスクリュ11の後退に際して、射出用サーボモータ14が圧力フィードバック制御されて、背圧の制御が行われ、スクリュ11の頭部より先に(前に)所定量の溶融樹脂が蓄えられた時点で、スクリュ回転は停止される。また、射出時には、射出用サーボモータ14が所定方向に回転駆動されることで、ボールネジ機構17のナット体17bが前進駆動され、これによって、直動ブロック7と一体となってスクリュ11が前進駆動されて、スクリュ11の頭部より先に蓄えられた溶融樹脂が金型内に射出・充填される。 【0015】 図2は、ロードセルユニット6の取り付け構造を示している。図2に示すように、ロードセルユニット6は、外輪部6aと、内輪部6bと、外輪部6aと内輪部6bとをつなぐ薄板部6cと、薄板部6cに貼着された歪みセンサ6dと、中心貫通穴6eとを有し、薄板部6cの弾性変形量(歪み量)を歪みセンサ6dで検出することで、荷重(圧力)を検出するようになっている。ロードセルユニット6の内輪部6bは、加熱シリンダ9の最後端側の外周に所定のクリアランスをもって遊嵌されていて、外輪部6aが保持ブロック4の前端部4aに密着し、内輪部6bがヘッドストック2に密着している。また、ロードセルユニット6の外輪部6aは、締め付けボルト18によって保持ブロック4の前端部4aに固定されており、内輪部6bは、締め付けボルト19によってヘッドストック2に固定されている。 【0016】 このようなロードセルユニット6の取り付け構造とすることで、スクリュ9の頭部より先に貯えられた溶融樹脂の圧力による力(荷重)は、ノズル10→加熱シリンダ9→ヘッドストック2を介してロードセルユニット6に伝わり、ロードセルユニット6の薄板部6cに設けた歪みセンサ6dによって、溶融樹脂の圧力による力(荷重)を検出することができる(ここでは、溶融樹脂の圧力による力(荷重)を、引っ張り荷重として検出することになる)。 【0017】 以上のように本実施形態では、ロードセルユニット6を、ヘッドストック2と保持ブロッ4クの前端部4aとの間に挟み込んで配置し、ロードセルユニット6の内輪部6bをヘッドストック2に固定すると共に、ロードセルユニット6の外輪部6aを保持ブロック4の前端部4aに固定しているので、スクリュ11の頭部より先に貯えられた溶融樹脂の圧力による力(荷重)は、ノズル10→加熱シリンダ9→ヘッドストック2を介してロードセルユニット6に伝わり、これによって、樹脂圧による荷重(力)がロードセルユニット6の歪みセンサ6dにより検出される。上記のような力の伝達経路によって樹脂圧を検出するようにしているので、図3に示し前述した従来技術のように、スクリュ回転による推進力(圧力)の影響を全く受けないため、計量工程時の樹脂圧を正確に(精度高く)検出することが可能となる。したがつて、計量して貯えた溶融樹脂の樹脂密度のばらつきを可及的になくす背圧制御が行えて、良品成形に大いに貢献することが可能となる。また、ロードセルユニット6をヘッドストック2と保持ブロック4の前端部4aとの間に挟み込んで配置しているので、加熱シリンダ9の最後端側をロードセルユニット6の中心貫通穴6e内に配置することができ、マシンの全長を図3に示した従来技術よりもロードセルユニット6の厚さ相当分だけ短くできる。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本発明の一実施形態に係るインラインスクリュ式の電動射出成形機における射出系の要部断正面図である。 【図2】本発明の一実施形態に係るインラインスクリュ式の電動射出成形機における、ロードセルユニットの取り付け構造を示す要部断面図である。 【図3】従来技術によるインラインスクリュ式の電動射出成形機における射出系の要部断正面図である。 【符号の説明】 【0019】 1 レール部材 2 ヘッドストック 3 直動ガイド 4 保持ブロック 4a 前端部 5 直動ガイド 6 ロードセルユニット 6a 外輪部 6b 内輪部 6c 薄板部 6d 歪みセンサ 6e 中心貫通穴 7 直動ブロック 8 直動ガイド 9 加熱シリンダ 10 ノズル 11 スクリュ 12 回転体 13 被動プーリ 14 射出用サーボモータ 15 駆動プーリ 16 被動プーリ 17 ボールネジ機構 17a ネジ軸 17b ナット体 18 締め付けボルト 19 締め付けボルト
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000222587 【氏名又は名称】東洋機械金属株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000442 【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
|
| 【公開番号】 |
特開2008−62447(P2008−62447A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240699(P2006−240699) |
|