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【発明の名称】 成形装置
【発明者】 【氏名】加納 博己

【要約】 【課題】金型取外し前の水抜き作業時間を短縮化し、設備稼働率の向上を図った、成形装置を提供する。

【構成】成形機11と成形金型12と金型冷却機13とを、冷却水配管14で連絡接続した構成とする。前記冷却水配管14のうち、前記固定型12aおよび可動型12bに至る冷却水往き管14aの、固定型12aおよび可動型12b近傍、上流側に、空気主配管16から分岐した空気配管17をそれぞれ連通接続する一方、前記冷却水配管14における冷却水戻り管14bの、固定型12aおよび可動型12b近傍、下流側に、それぞれ逆止弁18,18を配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機(11)と成形金型(12)と金型冷却機(13)とを、冷却水配管(14)で連絡接続した成形装置(10)において、
前記成形金型(12)の入口側近傍の冷却水配管(14)に空気を注入する構成とする一方、
前記成形金型(12)の冷却水出口側に逆止弁(18)を設ける構成としたことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
成形機(11)と成形金型(12)と金型冷却機(13)とを、冷却水配管(14)で連絡接続した構成とし、
この冷却水配管(14)は、前記金型冷却機(13)から前記成形金型(12)を構成する固定型(12a)および可動型(12b)への冷却水往き管(14a)と、
前記固定型(12a)および可動型(12b)からの冷却水戻り管(14b)と
で構成し、
前記冷却水往き管(14a)の、固定型(12a)および可動型(12b)近傍、上流側には、空気主配管(16)から分岐した空気配管(17)をそれぞれ連通接続する一方、前記冷却水戻り管(14b)の、固定型(12a)および可動型(12b)近傍、下流側には、それぞれ逆止弁(18,18)を配設する構成としたことを特徴とする成形装置。
【請求項3】
成形機(11)と成形金型(12)と金型冷却機(13)とを、冷却水配管(14)で連絡接続した成形装置(10)において、
前記成形金型(12)の入口側近傍の冷却水配管(14)に空気を注入する構成とする一方、
前記成形金型(12)の冷却水出口側に切替弁(19)を設けて、この切替弁(19)に、水排出管(20)を設ける構成としたことを特徴とする成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、成形装置において、金型取外し前の水抜き作業時間を短縮化し、設備稼働率の向上を図った、成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば射出成形機における成形工程としては、1.型締め、2.射出、3.保圧、4.冷却、5.型開き、6.製品の取り出し、という手順で実行され、連続的に製品を取り出すようにしている。
ここで、4.冷却工程においては、冷却配管等を通じて冷却水を金型内に送り込み、冷却後は、直ちに排水することが、製品内に水が残留するのを防止し、次の製造サイクルに移行する上で望ましい。
以上のような工程の射出成形機としては、例えば、次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−1132
【0004】
この文献における成形金型における冷却水の排水システムにおいては、冷却水貯留タンクから成形金型の冷却配管に冷却水を循環供給する冷却水供給用配管、冷却水帰還用配管に、3方向切替弁を設け、一方側(供給側)の切替弁にエアブロー管を分岐接続し、他方側(帰還側)の切替弁に排水管を分岐接続するようにしている。
そして、型交換時には、切替弁を切替え、エアブロー管から冷却配管にエアブローを作用させて、冷却配管内の冷却水を強制的に外部に排水管を通じて排出することで、冷却配管の水抜きを短時間に行うとしている。
【0005】
また、他方、図4に示す成形装置1においては、成形機2と成形金型3と金型冷却機4とを、冷却水配管5で連絡接続し、前記成形金型3における水を排水するために、空気配管6から冷却水配管5内に水を通し、水を排出するようにしている(図5参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記成形金型3における冷却水通路rが細く、且つ複雑な上に、冷却水配管5内の水も抜く必要があるため、装置にもよるが、3〜5分程、水抜き作業に時間がかかってしまう。
本発明はこのような課題を改善するために提案されたものであって、成形金型取外し前の水抜き作業時間を短縮化し、設備稼働率の向上を図った、成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明における請求項1では、成形機11と成形金型12と金型冷却機13とを、冷却水配管14で連絡接続した成形装置10において、前記成形金型12の入口側近傍の冷却水配管14に空気を注入する構成とする一方、前記成形金型12の冷却水出口側に逆止弁18を設ける構成としたことで、成形金型12のみの水抜きが可能となり、大幅な水抜き時間の短縮となる。
【0008】
また本発明における請求項2では、冷却水配管14における冷却水往き管14aの、固定型12aおよび可動型12b近傍、上流側には、空気主配管16から分岐した空気配管17をそれぞれ連通接続する一方、前記冷却水戻り管14bの、固定型12aおよび可動型12b近傍、下流側には、それぞれ逆止弁18,18を配設する構成としたことで、固定型12aおよび可動型12bからの水抜き作業を短縮化することができる。
【0009】
また本発明における請求項3では、前記成形金型12の入口側近傍の冷却水配管14に空気を注入する構成とする一方、前記成形金型12の冷却水出口側に切替弁19を設けて、この切替弁19に、水排出管20を設ける構成としたことにより、成形金型12内の水を、水排出管20を通じて水抜きが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明にかかる成形装置につき、一つの実施の態様を示し、添付の図面に基づいて説明する。
図1に成形装置10を示す。
この成形装置10は、例えば周知の射出成形装置であり、成形機11と成形金型12と金型冷却機13とを、冷却水配管14で連絡接続した構成としている。
【0011】
前記成形機11は、ホッパHから投入された材料である樹脂を加熱溶融させて、押し出す手段であるスクリュウを内蔵したシリンダSから、前記成形金型12へ押し出す射出ユニットで構成している。
【0012】
また、前記成形金型12は、固定型12aと可動型12bとを備え、この可動型12bを、型締め機構15により、前記固定型12aへ圧接して、注入された樹脂を型に倣わせて成形するようにしている。なおこの型締め機構15には、図示は省略しているが、例えばトグル機構を用いることができる。
【0013】
さらに前記金型冷却機13は、前記固定型12aと可動型12bとの間に、配管された前記冷却水配管14を介して、冷却水を循環させるようにしている。前記冷却水配管14には、前記金型冷却機13から前記固定型12aおよび可動型12bへの冷却水往き管14aと、前記固定型12aおよび可動型12bからの冷却水戻り管14bとがある。
【0014】
そして、前記冷却水配管14のうち、前記固定型12aおよび可動型12bに至る冷却水往き管14aの、固定型12aおよび可動型12b近傍、上流側には、空気主配管16から分岐した空気配管17をそれぞれ連通接続している。
さらに、前記冷却水配管14における冷却水戻り管14bの、固定型12aおよび可動型12b近傍、下流側には、それぞれ逆止弁18,18を配設している。
【0015】
本発明にかかる成形装置10は以上のように構成されるものであり、その作用を説明する。
この成形装置10では、1.型締め、2.射出、3.保圧、4.冷却、5.型開き、6.製品の取り出し、という手順で成形工程が実行されるわけであるが、先ず、1.型締め工程において、成形金型12における可動型12bを、型締め機構15を駆動することで、前記固定型12aへ圧接させることができる。
【0016】
次に、2.射出工程では、成形機11において、ホッパHから投入された材料である樹脂を加熱溶融させ、押し出す手段であるスクリュウを駆動して、シリンダSから、前記成形金型12内へと、溶融樹脂を押し出し注入することができる。
【0017】
また、3.保圧工程では、成形金型12における固定型12aおよび可動型12b間に注入された樹脂が型に倣って成形する状態を維持するために、型締め機構15により、前記固定型12aと可動型12bとを圧接させておく。
【0018】
そして、4.冷却工程においては、前記固定型12aと可動型12bとが圧接状態にある際に、前記金型冷却機13は、前記固定型12aと可動型12bとの間に、配管された前記冷却水配管14を介して、冷却水を循環させるようにして、前記固定型12aと可動型12bとを冷却すると共に、保持した成形樹脂の冷却固化を促す。
【0019】
次に、5.型開き工程において、前記型締め機構15を駆動して、前記固定型12aから可動型12bを離隔移動させる。
【0020】
そして、6.製品の取り出し工程では、型開きの際に、製品である成形樹脂を、周知のエジェクタ手段(図示要略)により、前記固定型12aから押し出されることで、製品を取り出すことができる。
【0021】
以上のような成形工程のうち、上述の4.冷却工程が終了したら、5.型開き工程前に、前記固定型12aと可動型12bとに供給された冷却水を排出する工程を行う。こうすることで、型開きして製品を取り出す際に、冷却水が、固定型12aと可動型12bの冷却水通路rから製品にかかることを防ぐことができるからである。
そのために、前記金型冷却機13を停止すると共に、空気主配管16から分岐した空気配管17を介して、前記固定型12aおよび可動型12bに至る冷却水往き管14aに空気を吹き込む。
この空気は固定型12aおよび可動型12b内の冷却水通路rを通り、それぞれ、逆止弁18,18に至ることで、前記固定型12aおよび可動型12bから冷却水を排出することができる(図2参照)。なお、前記逆止弁18,18によって、前記固定型12aおよび可動型12b側に逆流するようなことはない。
【0022】
以上のように、排水するときは、固定型12aおよび可動型12bの近傍の上流側における冷却水往き管14aから空気を吹き込むことで、固定型12aおよび可動型12bから排水を迅速に行うことができ、金型交換作業が必要な場合など、速やかに交換作業にとりかかることができ、設備稼働率の向上につながる。
【0023】
本発明にかかる成形装置10は、以下のように構成することもできる。
なお、この成形装置10において、主要な構成は前述の成形装置10と同構成であるので、必要な構成のみを示し、詳細な説明は省略する。
この場合の成形装置10では、成形金型12の冷却水出口側、すなわち冷却水戻り管14bの、固定型12aおよび可動型12b近傍、下流側に切替弁19を設けて、この切替弁19に、水排出管20を設ける構成としている(図3参照)。
【0024】
このような構成によれば、成形金型12内の水を、水排出管20を通じて水抜きが可能となり、冷却水戻り管14b内に残留する冷却水によって邪魔されることなく、より迅速に水抜きが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明にかかる成形装置の、一つの実施の形態を示す、全体系統説明図である。
【図2】図1に示す成形装置の機能を説明するための要部系統図である。
【図3】本発明にかかる成形装置の、別の実施の形態における機能を説明するための要部系統図である。
【図4】従来の成形装置の一例を示す、全体系統説明図である。
【図5】図4に示す成形装置の水抜き工程を説明するための、要部系統図である。
【符号の説明】
【0026】
10 成形装置
11 成形機
12 成形金型
12a 固定型
12b 可動型
13 金型冷却機
14 冷却水配管
14a 冷却水往き管
14b 冷却水戻り管
15 型締め機構
16 空気主配管
17 空気配管
18 逆止弁
19 切替弁
20 水排出管
H ホッパ
S シリンダ
r 冷却水通路
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100110489
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 正海


【公開番号】 特開2008−62436(P2008−62436A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240459(P2006−240459)