| 【発明の名称】 |
射出成形金型 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 修
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| 【要約】 |
【課題】多数個取り金型における各キャビティの樹脂の充填バランスをとり、品質を均一化させることができる射出成形金型。
【構成】ランナープレート10には横ランナー部11と両側の横ランナー部43とを接続する略T字形の横ランナー部を構成する横ランナー部21及び22が形成されている。横ランナー部43に沿って摺動可能に組み込まれている可動ランナープレート20の固定位置はランナープレート10の側面に設置されたマイクロメータ26によって微調整できるようになっている。横ランナー部21の一端は可動ランナープレート20一側面中央に形成された凸部20cの端面に開口しており、横ランナー部22の両端は可動ランナープレート20の側面の一部20aに開口している。凸部20cは横ランナー部11に嵌入している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定側金型と可動側金型との間に形成した複数のキャビティを有し、前記固定側金型のランナープレートには樹脂流路として、スプルー部につながる第1の横ランナー部と、この第1の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第2の横ランナー部と、この第2の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第3の横ランナー部と、この第3の横ランナー部の両端につながり前記キャビティへ向かう縦ランナー部とが形成されており、前記キャビティによって樹脂成形品を多数個取りする射出成形金型において、両側の前記第3の横ランナー部の間の前記ランナープレートに前記第3の横ランナー部の長手方向に沿って摺動可能な可動ランナープレートを配設し、この可動ランナープレート上に前記第1の横ランナー部と同方向につながる横ランナー部と、前記第3の横ランナー部とをつなぐ第2の横ランナー部とで略T字形の横ランナー部を形成したことを特徴とする射出成形金型。 【請求項2】 前記可動ランナープレートには前記略T字形の横ランナー部の一端が延在する凸部が形成されており、この凸部が前記第1の横ランナー部へ嵌入していることを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、射出成形金型に関し、更に詳しくは多数個取り射出成形金型における各キャビティへの樹脂の充填バランスをとるための金型構造に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、多数個取り金型の各キャビティの充填完了時間を均一にするためには、経験によって設計されたランナーの金型を製作し、数回実際に成形をしながら充填時間が遅いキャビティについてはそこにつながるランナーの断面積を拡大する加工を施して、充填バランスを取っていく方法が行われている。また、各キャビティへのランナーに突出し部材を設けて樹脂流路断面積を可変にし、樹脂の充填速度を変化させることによりバランスをとる機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 従来の多数個取り射出成形金型について説明する。図5は従来の多数個取り射出成形金型の要部断面図である。図6はこの射出成形金型の樹脂流路を示す斜視図である。図7は図5のA−A矢視平面を示す射出成形金型の要部平面図である。図5に示すように、従来の射出成形金型60は固定側金型61と可動側金型62とから成り、固定側金型61と可動側金型62との間にそれぞれ同形のキャビティ51〜54が形成されている。 【0004】 射出成形金型60の樹脂流路として、図6、図7に示すように、スプルー部40につながる第1の横ランナー部である横ランナー部41と、横ランナー部41の端部の第1の分岐点P1において直角につながる第2の横ランナー部である横ランナー部42と、横ランナー部42の両端部の第2の分岐点P2において直角につながる第3の横ランナー部である両横ランナー部43とが、固定側金型61の一部であるランナープレート50の上面に沿って形成されている。 【0005】 更に、樹脂流路として横ランナー部43の両端部近傍とキャビティ51〜54とをつなぐ縦ランナー部44〜47がランナープレート50の上面から下面に向かって形成されている。なお、両横ランナー部43とこれらにつながる縦ランナー部44及び45並びに縦ランナー部46及び47は横ランナー部41の中心線に対して互いに対称に形成されている。 【0006】 このような多数個取りの射出成形金型60を用いて成形を行う場合には、溶融樹脂が図6に示すように矢印に沿って流れる。各キャビティ51〜54において成形される製品品質を均一化するためには、各キャビティ51〜54間の成形条件、とりわけ樹脂の充填状態を等しくしてバランスをとることが重要である。 【特許文献1】特開2002−264177号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、射出成形金型の樹脂流路であるスプルー部40から各キャビティ51〜54に達するまでのランナー長をそれぞれ等しくなるように設定して金型を製造したとしても、実際の射出成形に当っては、樹脂が分岐点P2において二手に分かれて流れる際に、キャビティ51とキャビティ52、あるいはキャビティ53とキャビティ54とでは樹脂の流動に差が生じてしまう。したがって、各キャビティ51と52あるいはキャビティ53と54における樹脂の充填バランスが崩れ、各キャビティ間の製品品質がばらついてしまう。樹脂の充填バランスをとろうとする場合、流動解析を実施したり、実成形をもとにランナー長を変更してランナープレートを作り直したりする場合がある。このような場合には、成形機からの金型の脱着及び分解再組立の必要が生じるので、時間とコストがかかってしまう。 【0008】 上記発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、容易に各キャビティの樹脂の充填バランスをとり、品質を均一化させることができる射出成形金型を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 前記課題を解決するための本発明の手段は、固定側金型と可動側金型との間に形成した複数のキャビティを有し、前記固定側金型のランナープレートには樹脂流路として、スプルー部につながる第1の横ランナー部と、この第1の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第2の横ランナー部と、この第2の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第3の横ランナー部と、この第3の横ランナー部の両端につながり前記キャビティへ向かう縦ランナー部とが形成されており、前記キャビティによって樹脂成形品を多数個取りする射出成形金型において、両側の前記第3の横ランナー部の間の前記ランナープレートに前記第3の横ランナー部の長手方向に沿って摺動可能な可動ランナープレートを配設し、この可動ランナープレート上に前記第1の横ランナー部と同方向につながる横ランナー部と、前記第3の横ランナー部とをつなぐ第2の横ランナー部とで略T字形の横ランナー部を形成したことを特徴とする。 【0010】 また、前記可動ランナープレートには前記略T字形の横ランナー部の一端が延在する凸部が形成されており、この凸部が前記第1の横ランナー部へ嵌入していることを特徴とする。 【発明の効果】 【0011】 以上説明したように、本発明によれば、固定側金型と可動側金型との間に形成した複数のキャビティを有し、前記固定側金型のランナープレートには樹脂流路として、スプルー部につながる第1の横ランナー部と、この第1の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第2の横ランナー部と、この第2の横ランナー部の端部から直角方向に互いに離反して分岐する第3の横ランナー部と、この第3の横ランナー部の両端につながり前記キャビティへ向かう縦ランナー部とが形成されており、前記キャビティによって樹脂成形品を多数個取りする射出成形金型において、両側の前記第3の横ランナー部の間の前記ランナープレートに前記第3の横ランナー部の長手方向に沿って摺動可能な可動ランナープレートを配設し、この可動ランナープレート上に前記第1の横ランナー部と同方向につながる横ランナー部と、前記第3の横ランナー部とをつなぐ第2の横ランナー部とで略T字形の横ランナー部を形成したので、射出成形機にこの射出成形金型を取り付けた状態のまま、ランナー長を変更して前記キャビティ間の樹脂の充填バランスをとることができるようになった。従ってランナープレートの再製作や流動解析をしなくても済むようになった。 【0012】 また、前記可動ランナープレートには前記略T字形の横ランナー部の一端が延在する凸部が形成されており、この凸部が前記第1の横ランナー部へ嵌入しているので、前記可動ランナープレートが移動しても、樹脂流路に樹脂漏れや樹脂詰まりを発生させることがない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態である射出成形金型の樹脂流路を示す要部平面図、図2は図1のA−A断面を示す射出成形金型の要部断面、図3は図1のB−B断面を示す拡大断面図である。図4は図1のC−C断面を示す拡大断面図である。 【0014】 まず、図1〜図4により、本発明の実施の形態である射出成形金型の構成について説明する。なお、従来の射出成形金型50と同じ構成要素には同じ符号と名称とを付して説明を省略する。本発明の実施の形態である射出成形金型1は従来と同様に固定側金型と可動側金型との間に同形のキャビティ51〜54が形成されている。固定側金型のランナープレート10には両横ランナー部43間に凹部10cが形成されており、この凹部10cに横ランナー部43の長手方向に摺動可能に可動ランナープレート20が組み込まれている。 【0015】 可動ランナープレート20の一方の対向する側面の一部20aは、図3にも示すように、横ランナー部43の側面の一部を構成している。可動ランナープレート20は、図3に示すように下部が膨出しており、両膨出部20bが両横ランナー部43下に形成された溝10aに係合している。可動ランナープレート20はランナープレート10に収納された一対の圧縮コイルバネ24によってスプルー部40から遠ざかる方向へ付勢されており、バネ24とは反対側のランナープレート10に組み込まれた一対の調整ボルト25によって受け止められている。可動ランナープレート20の固定位置はランナープレート10の側面に設置されたマイクロメータ26によって微調整できるようになっている。 【0016】 ランナープレート10には第1の横ランナー部としてランナー部40につながる横ランナー部11が形成されており、横ランナー部11の一方の端部は可動ランナープレート20に対向するランナープレート10の側面10bに開口している。側面10bと可動ランナープレート20との間には隙間gがある。可動ランナープレート20には横ランナー部11と同方向につながる横ランナー部21並びに横ランナー部21と分岐点P1において直角方向につながる第2の横ランナー部である横ランナー部22とからなる略T字形の樹脂流路が形成されている。 【0017】 可動ランナープレート20のスプルー部40に対向する側面の中央に形成された凸部20cには横ランナー部21の一端が延在しており、凸部20a端面に開口している。図4にも示すように、可動ランナープレート20の凸部20cはランナープレート10の横ランナー部11に摺動可能に嵌入している。このように横ランナー部21は横ランナー部11と同方向につながって第1の横ランナー部を構成している。横ランナー部22の両端部は可動ランナープレート20の両側面の一部20aに開口している。 【0018】 次に、本実施の形態の作用について説明する。この射出金型金型1が出来上がったら実成形を行って、各キャビティ51〜54への樹脂の充填具合を確認する。このとき、キャビティ51への樹脂の到達がキャビティ52への樹脂の到達より早い場合には、調整ボルト25を回して可動ランナープレート20をスプルー部40から離れる側へわずかに移動させる。また、キャビティ51への樹脂の到達の方が遅い場合には、可動ランナープレート20を逆側へ移動させる。これによりスプルー部40からキャビティ51及び52までのランナー長をそれぞれ変化させることができるから、キャビティ1とキャビティ2との樹脂の充填バランスを調整することができる。これと同時に、キャビティ53とキャビティ54との樹脂の充填バランスをも調整することができる。 【0019】 次に、本実施の形態の効果について説明する。ランナープレート10に可動ランナープレート20を設けたので、金型を成形機に装着したままでキャビティ51とキャビティ52並びにキャビティ53とキャビティ54とのランナー長を調整することができるようになり、樹脂の充填バランスを取れるようになった。また、ランナープレート10にマイクロメータ26を設けたので、可動ランナープレート20の移動量を微調整して正確に設定できる。また、可動ランナープレート20の凸部20cに横ランナー部21を延在させて、凸部20cを横ランナー部11に嵌入させたので樹脂漏れや樹脂詰りを生じさせないで、ランナー長を変化させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明の実施の形態である射出成形金型の樹脂流路を示す要部平面図である。 【図2】図1のA−A断面を示す要部断面図である。 【図3】図1のB−B断面を示す要部拡大断面図である。 【図4】図1のC−C断面を示す要部拡大断面図である。 【図5】従来の射出成形金型の要部断面図である。 【図6】従来の射出成形金型の樹脂流路を示す斜視図である。 【図7】図5のA−Aから見た要部平面図である。 【符号の説明】 【0021】 1 射出成形金型 10 ランナープレート 11 横ランナー部 20 可動ランナープレート 20c 凸部 21、22、43 横ランナー部 40 スプルー部 44、45、46、47 縦ランナー部 51、52、53、54 キャビティ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000131430 【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月4日(2006.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085280 【弁理士】 【氏名又は名称】高宗 寛暁
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| 【公開番号】 |
特開2008−62399(P2008−62399A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239461(P2006−239461) |
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