トップ :: B 処理操作 運輸 :: B29 プラスチツクの加工;可塑状態の物質の加工一般




【発明の名称】 車両用内装材の製造方法
【発明者】 【氏名】伍井 浩

【要約】 【課題】レーザーにより金属製芯材に孔加工をしても、表皮を良好に貼着することができる車両用内装材の製造方法を提供する。

【構成】芯材2の表面2a側が未硬化の接着剤3により覆われているため、その芯材2に対して裏面2b側からレーザーLによる孔加工を行うと、吸引孔5の裏面2b側の周辺にはバリやドロス等が発生するものの、表皮4を貼着する吸引孔5の表面2a側の周辺には、バリヤやドロス等は発生しない。また、レーザーLにより、表面2a側に塗布されている接着剤3が、吸引孔5以上の範囲で焼失することも防げる。従って、孔加工後の芯材2の表面2aに対して、表皮4を真空成形により良好に貼着することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の吸引孔(5)を有する金属製の芯材(2)の表面(2a)に、接着剤(3)を介して、表皮(4)を真空成形により貼着する車両用内装材の製造方法であって、
前記芯材(2)に対する吸引孔(5)の孔加工は、接着剤(3)が予め表面(2a)に塗布され且つその接着剤(3)が未硬化の状態における芯材に対して、裏面(2b)側からレーザー(L)照射により行うことを特徴とする車両用内装材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材としてのインストルメントパネル、ドアトリム、ピラーガーニシュなどは、通常樹脂で形成された芯材の表面に、外観品質向上のための表皮を、真空成形により貼り付けている。芯材には、多数の吸引孔が樹脂の一体成形により予め形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−343594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような構造の内装材において、芯材を樹脂でなく、例えばアルミ等の金属で形成したいとう要請がある。芯材を金属にした場合、吸引孔の形成は能率の面からレーザー加工により行われることになるが、レーザーで吸引孔の孔加工を行うと、形成した吸引孔の周辺における表面側及び裏面側に、バリやドロス(金属かす)等の異物が発生する。バリやドロス等が付着したままで、芯材の表面に対し、表皮を真空成形で貼着すると、表皮に凹凸や破れが生じる。そのため、孔加工後にバリやドロス等の除去作業が必要となり、作業能率の面で大変な不利となる。
【0004】
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、レーザーにより金属製芯材に孔加工をしても、表皮を良好に貼着することができる車両用内装材の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、多数の吸引孔を有する金属製の芯材の表面に、接着剤を介して、表皮を真空成形により貼着する車両用内装材の製造方法であって、前記芯材に対する吸引孔の孔加工は、接着剤が予め表面に塗布され且つその接着剤が未硬化の状態における芯材に対して、裏面側からレーザー照射により行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、芯材の表面側が未硬化の接着剤により覆われているため、その芯材に対して裏面側からレーザーによる孔加工を行うと、吸引孔の裏面側の周辺にはバリやドロス等が発生するものの、表皮を貼着する吸引孔の表面側の周辺には、バリヤやドロス等は発生しない。また、レーザーにより、表面側に塗布されている接着剤が、吸引孔以上の範囲で焼失することも防げる。従って、孔加工後の芯材の表面に対して、表皮を真空成形により良好に貼着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、レーザーにより金属製芯材に孔加工をしても、表皮を良好に貼着することができる車両用内装材の製造方法を提供するという目的を、多数の吸引孔を有する金属製の芯材の表面に、接着剤を介して、表皮を真空成形により貼着する車両用内装材の製造方法であって、前記芯材に対する吸引孔の孔加工は、接着剤が予め表面に塗布され且つその接着剤が未硬化の状態における芯材に対して、裏面側からレーザー照射により行うことで、実現した。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0008】
図1〜図7は、本発明の一実施例を示す図である。図1は、内装材としてのインストルメントパネル1の全体を示している。図2は、インストルメントパネル1の断面構造を示している。
【0009】
インストルメントパネル1は、主に、芯材2と、接着剤3と、表皮4の三層から構成されている。
【0010】
表皮4は、車両用素材として実績のある熱可塑性樹脂シートを採用している。樹脂材質としては、真空成形用として使用可能なPVC、PVC/ABS、TPO、TPU、ASA等を使用することができる。表皮4は、発泡ポリウレタン等による発泡樹脂層(図示せず)が積層された表皮でもよい。
【0011】
芯材2はアルミ製で、全面に多数の吸引孔5が形成されている。芯材2の表面2aには、表皮4を接合するための接着剤3が設けられており、その接着剤3にも、吸引孔5が形成されている。
【0012】
次に、図3〜図7に基づいて、インストルメントパネル1の製造方法を説明する。
【0013】
まず、芯材2は、アルミにより予めインストルメントパネル1の形状に成形されている(図3参照)。
【0014】
次に、芯材2の表面2aに、例えばスチレン系ゴムからなる湿気硬化型液性の接着剤3を一定の厚さで塗布する(図4参照)。
【0015】
そして、接着剤3が未硬化の状態で、接着剤3が塗布された芯材2を裏返して、裏面2b側からレーザーLにより、芯材2に吸引孔5を加工する(図5参照)。
【0016】
芯材2の表面2a側が未硬化の接着剤3により覆われているため、レーザーLで孔加工を行った場合、吸引孔5の裏面2b側の周辺にはバリやドロス等が発生するものの、吸引孔5の表面2a側の周辺には、バリやドロス等は発生しない。また、レーザーLにより、表面2a側において、塗布されている接着剤3が、吸引孔5以上の範囲で焼失することも防げる。
【0017】
従って、接着剤3が塗布された芯材2に、レーザーLにより多数の吸引孔5を形成することができる(図6)。
【0018】
次に、多数の吸引孔5が形成された芯材2を、接着剤3が塗布された表面2aを上側にして、芯材2に相応する形状を有する真空成形用の金型6にセットする(図7参照)。そして、接着剤3の上に表皮4をセットして、金型6の真空吸着孔7から吸引して、その吸引力Vにより、表皮4を接着剤3を介して芯材2の表面2aに貼着させる。芯材2の表面2aには、バリやドロス等の異物がないため、芯材2の表面2aに対して、表皮4を真空成形により良好に貼着することができる。また、本実施形態では芯材2にレーザーで孔加工する前に接着剤3を塗布していることから、孔加工後に接着剤を塗布する場合に較べ、接着剤による孔詰まりが無くなり、真空成形が良好に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上の実施形態では、芯材2を形成する金属としてアルミを例にしたが、これに限定されない。そして、内装材としてインストルメントパネル1を例にしたが、これに限定されず、ドアトリム、ピラーガーニシュ、その他のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るインストルメントパネルを示す斜視図。
【図2】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】芯材を示す断面図。
【図4】接着剤を塗布した芯材を示す断面図。
【図5】レーザーによる孔加工を示す芯材の断面図。
【図6】多数の吸引孔を形成した芯材を示す断面図。
【図7】金型により芯材に表皮を真空成形する状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0021】
1 インストルメントパネル(内装材)
2 芯材
2a 表面
2b 裏面
3 接着剤
4 表皮
5 吸引孔
6 金型
7 真空吸着孔
L レーザー
V 吸引力
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−49668(P2008−49668A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−230872(P2006−230872)