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【発明の名称】 薄膜成形用タッチロールおよび薄膜成形機
【発明者】 【氏名】脇田 隆一

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールの表面に鏡面で厚さ0.15mm以上0.5mm以下の薄肉の金属スリーブを有し、その内層にはゴム材に準ずる弾性体で且つ2W/m.K以上の熱伝導率を有する高熱伝導材を、厚さ2mm以上12mm以下の範囲で支持体となる鉄製またはアルミニウム製のロール芯金に積層一体形成し、芯金の内部に設けた冷却水通路に通水して冷却能力をもたせ、ロールの両軸端に設けた軸受部とロール駆動装置により、強制駆動回転または浮遊駆動回転させ、流体シリンダまたは電動推力装置等により相手ロールに対する接近離脱を可能としたタッチロールを用いて、溶融樹脂薄膜を主冷却ロールと適性圧力で挟圧することにより、厚さ約0.1mm以下、目標としては0.02mm以下の樹脂薄膜を均質平滑に冷却固化成形することが可能なタッチロールとその成形装置。
【請求項2】
請求項1のタッチロールとその成形装置に対して、タッチロールの反主冷却ロール側にバックアップロールを追加し、バックアップロールの外表層にはゴム材に準ずる弾性体で且つ2W/m.K以上の熱伝導率を有する高熱伝導材を、厚さ2mm以上12mm以下の範囲で支持体となる鉄製またはアルミニウム製のロール芯金に積層一体形成し、芯金の内部に設けた冷却水通路に通水して冷却能力をもたせ、ロールの両軸端に設けた軸受部とロール駆動装置により、浮遊駆動回転またはフリー回転させ、流体シリンダまたは電動推力装置等により相手タッチロールに対する押付けと離脱を可能とし、請求項1のタッチロールの押付均一性と冷却能力を補う事を可能としたもの。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチックフィルム等の薄膜成形機に関し、さらに詳しくは溶融膜状態の薄膜を金属ロール間で挟圧して薄膜を冷却固化成形する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルム等の薄膜を溶融状態から冷却固化し平坦なフィルムを得るためには、主冷却ロールに均一に密着させる必要があり、均一密着を促進する方法として、空圧や静電気を利用した非接触式の補助密着装置が活用されているが、光学フィルム等の平滑性を重視する成形においては品質上不十分である。
【0003】
接触式ではタッチロール法として、シリコンゴムやフッソゴム等の弾性材を表面に有するゴムタッチロールを用いて、主冷却ロール間で薄膜を挟圧して成形する方法が公知技術としてあるが、タッチロール押圧面側の表面平滑性や冷却能力において光学フィルム用としては問題がある。
【0004】
タッチロールの表面を金属鏡面として金属鏡面ロール同士での挟圧成形が望まれるが、厚さ0.1mm以下の薄膜成形においては、従来構造の金属タッチロールでは表面に弾力性が無いために、薄膜への均一タッチ性に乏しく、均質で平滑な薄膜成形には適さない。
【0005】
ゴムタッチロールの外周に鏡面の薄い金属スリーブを一体装着して鏡面性と弾力性を生かす方法は、ゴム層の熱伝導性が低いため冷却能力が無く実用化されていない。
【0006】
このような問題を改善する方法として、特許文献1や特許文献2および特許文献3に開示されているものがある。
【特許文献1】公開番号、特開平11−235747号公報
【特許文献2】公開番号、特開2002−36333号公報
【特許文献3】国際公開番号、W097/28950号公報
【0007】
前掲特許文献1および特許文献2に類する方法は、金属ロールの外筒を可能な範囲で薄肉化したものだが、円筒精度確保と弾力性との相関に限界があり、厚さ0.1mm以下の薄膜成形には使用出来ていない。
【0008】
前掲特許文献3に類する方法は、薄い金属スリーブ内部に設けたゴムタッチロールをスリーブとは異なる回転中心で個別に回転させ、樹脂接触点で頂点を合わせて押圧するものだが、低速少量のテスト成形においては薄膜成形が可能な条件もあるが、毎分数mを越える成形速度では、金属スリーブ内側の変則的な冷却水流路による流速ムラが過大となって、ロール表面の温度分布ムラが図5で示すように増大し、またロールの剛性不足や外筒と内部弾性体との速度差が悪影響を及ぼして、毎分10mを越える生産速度での成形使用はかなり難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
厚さ約0.1mm以下、目標としては0.02mm以下の薄膜を均質平滑に冷却固化成形する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ゴムロールの表面に鏡面薄金属スリーブを一体装着し鏡面性と弾力性を有する低熱伝導のタッチロールに対し、ロールのゴム層を高熱伝導化して、キャスティング成膜で必要な冷却能力を付与し、溶融膜状態の薄膜を金属鏡面ロール間で挟圧して薄膜の冷却固化成形を可能とする。
【0011】
従来のゴム材は熱伝導率が0.2W/m.K前後であるが、このゴム材に代えて、ゴム弾性を有する高熱伝導材を使用し、高熱伝導材の熱伝導率と硬度および厚さは、成形に適する弾力性と必要な冷却能力に合わせて選定する。
【0012】
高熱伝導材の熱伝導率は、本発明の効果を発揮させるためには、2W/m.K以上が必要となるが、現状10W/m.K以下のものは、放熱シートあるいは熱伝導シートの商品名で市販されており、また特注品として熱伝導率とシート厚さや硬さおよび耐熱特性等を指定する事も可能である。
【0013】
鏡面薄金属スリーブと高熱伝導材の支持体となるロール芯金の内側には、冷却水通路を設けて循環通水を可能とする。
【0014】
この高熱伝導材を用いた金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロールを主冷却ロールと組み合わせて金属鏡面ロール同士での挟圧成形が可能なプラスチックフィルム成形装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1または請求項2に記載の発明によれば、厚さ0.1mm以下の両面平滑で均質な光学フィルムの成形が可能となり、関連する周辺条件の適性化により、0.02mm以下の成形も期待出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の実施例1の形態を示すもので、金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール1は、厚さ0.15mm以上0.5mm以下の鏡面薄金属スリーブ2と、厚さ2mm以上12mm以下のゴム弾性を有する高熱伝導材3、および支持体となる芯金4で構成され、冷却水5を循環通水させるが、ロールの冷却能力や温度精度をより高める必要がある場合には芯金4と一体で構成される内筒6を設けて冷却水の流速を上げると共に流速の均一化を図る。
【0017】
金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール1は、流体シリンダまたは電動推力装置等により押引自在に可動でき、金型7から吐出される樹脂膜8を挟んで主冷却ロール9に適性圧力で押付ける。
【0018】
図2は実施例1の別の表現として、図1で示す金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール1をロール幅方向に断面図示したものであり、両軸端10に冷却水入口11および冷却水出口12を設け、更に図示されない軸受部を設けて強制駆動回転または浮遊駆動回転させる。
【0019】
図1および図2で示す実施例1の形態において、金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール1の外径が200mmで金属スリーブの厚さ0.3mmを選定し、高熱伝導ゴム弾性体の熱伝導率が、6.5W/m.Kのものを、厚さ4mmと6mmの2種類、および4.0W/m.Kで厚さ6mmのものを加えて計3種類を比較用本発明品とし、押付線圧に対するタッチロール接触面の弾性変形幅の関係を図3に示し、また従来品との冷却能力の比較を図4に示す。
【0020】
本発明タッチロールは一般の温調ロールと同様に、芯金の円筒内壁面を通過する冷却水の流速均一度確保が容易なため、ロール幅方向の温度精度1℃以内が可能であり、背景技術としての特許文献3に類するタッチロールの予想温度ムラを示す図5のような問題は無い。
【0021】
図6は本発明の実施例2の形態を示すもので、実施例1に対してバックアップロール13を追加し、バックアップロール13の外表層に高熱伝導弾性材14を2mm以上で12mm以下の厚さ範囲として芯金15と一体形成し、芯金内部に冷却水を循環通水し、軸端部には図示されない軸受部と流体シリンダまたは電動推力装置等を有して回転および押引自在に可動でき、金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール1の押付均一性と冷却能力を補う事を可能としたものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係わる金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロールおよびバックアップロールは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の形態を示す断面図。
【図2】本発明の実施例1の形態を示すタッチロールのロール幅方向断面図。
【図3】本発明の実施において本発明品と従来品の弾性機能を比較した値
【図4】本発明の実施において本発明品と従来品の冷却能力を比較した値
【図5】本発明の実施において本発明品と従来品の温度精度を比較した値
【図6】本発明の実施例2の形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0024】
1 金属スリーブ付き高熱伝導ゴム弾性タッチロール
2 鏡面薄金属スリーブ
3 高熱伝導材
4 支持体となる芯金
5 冷却水
6 内筒
7 金型
8 樹脂膜
9 主冷却ロール
10 両軸端
11 冷却水入口
12 冷却水出口
13 バックアップロール
14 高熱伝導弾性材
15 芯金

【出願人】 【識別番号】505373649
【氏名又は名称】三機テクノ株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−49630(P2008−49630A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229945(P2006−229945)