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【発明の名称】 搬送装置
【発明者】 【氏名】大立 泰治

【要約】 【課題】生産ヘッド部着脱用の運搬手段に頼ることなく、したがって、生産ヘッド部着脱用の運搬手段を不要にして設備費を削減するとともに、生産ヘッド部の取付け位置の高精度な設定が容易になされてその取付作業時間を短縮でき、初期の段取り作業および段取り替え作業などを簡単にして、それらの作業性を向上させる搬送装置を提供する。

【構成】樹脂成形機Mに装着した成形用金型装置33により成形されたワークを成形用金型装置33から取り出して搬送するための成形品取出機2は、樹脂成形機Mの外部から該樹脂成形機Mに成形用金型装置33の搬入が可能であり、かつ成形用金型装置33を樹脂成形機Mの外部へ搬出可能に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産装置に装着した生産ヘッド部により生産されたワークを前記生産ヘッド部から取り出して搬送するための搬送装置において、
該搬送装置は、前記生産装置の外部から該生産装置に前記生産ヘッド部の搬入が可能であるとともに、該生産ヘッド部を前記生産装置の外部へ搬出可能に構成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置において、
前記生産装置は成形機からなり、前記生産ヘッド部は成形用金型装置からなり、前記ワークは成形品,成形品とスプールまたは成形品とスプール・ランナからなるとともに、前記搬送装置は前記ワークを前記成形用金型装置から把持して取り出すワーク取出しヘッドと、前記成形用金型装置を吊持して昇降させる金型装置吊持手段とを備え、該金型装置吊持手段に吊持された成形用金型装置を前記成形機の成形用金型装置着脱位置に近接および離間させる作動が可能な成形品取出機によって構成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の搬送装置において、
前記成形品取出機側の駆動源と金型装置吊持搬送手段側の駆動源それぞれの回転力は、成形品取出機と金型装置吊持搬送手段のそれぞれに負荷される荷重の大きさに応じて無段変速機により自動的に変化して出力するように構成されていることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すように、搬送装置としての機能を有する成形品取出機50を装備した生産装置として機能する成形機52がある。成形品取出機50の走行フレーム51は、成形機52に装着された生産ヘッド部としての機能を有する金型装置53(ただし、図7には、一方の生産ヘッド部として機能する固定金型のみが示され、他方の生産ヘッド部として機能する可動金型は図示されていない)と、成形機52の操作側または反操作側に設定された解放位置との間にわたる成形機52の軸線直交方向へ延出する幅からなり、その基台は成形機52の固定側取付盤54の上部に固定される。
【0003】
走行フレーム51には走行体55が軸線直交方向へ移動可能に支持され、該走行体55に対して軸線方向へ延出して設けられた前後フレーム56には前後走行体57が移動可能に支持されている。そして前後走行体57には下部にチャック58が取付けられた上下フレーム59が昇降可能に支持される。チャック58は必要に応じて上下フレーム59の下部チャック58を垂直位置と水平位置との間で反転回動させる姿勢駆動装置60を介して設けられる。チャック58はチャック板61と、該チャック板61に設けられる成形品を保持する吸着部材などの複数のチャッキング部材62とから構成される。
【0004】
走行体55、前後走行体57および上下フレーム59は数値制御可能なサーボモータ63,64,65により移動される。そしてサーボモータ63,64,65と対応する走行体55、前後走行体57,上下フレーム59とは、公知のベルト駆動機構、送りねじ機構、ラック・ピニオン機構(いずれも図示せず)などにより連結される。
【0005】
各サーボモータ63,64,65には、ロータリーエンコーダなどの位置検出器(図示せず)がそれぞれ設けられ、これら位置検出器からの位置検出信号に基づいてサーボモータ63,64,65を駆動制御する。成形機52の操作側または反操作側の床面にはサーボモータ63,64,65を駆動制御するサーボドライバーユニットなどの制御ユニットを収容した制御ボックス66が設置され、該制御ボックス66の盤面には各種設定スイッチ、設定キーとともに表示装置67が設けられる。
【0006】
成形機52は、加熱シリンダ68内において加熱溶融された樹脂を高圧で射出して、型締装置69により型締めされている金型装置53のキャビティ空間に充填し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却して固化させたのち、金型装置53を型開して成形品取出機50によって成形品が取出される。すなわち、搬送装置としての機能を有する成形品取出機50は、生産装置である成形機52において、生産ヘッド部として機能する金型装置53により成形(生産)された成形品(ワーク)を成形機52外に搬送して解放する
【特許文献1】。
【0007】
【特許文献1】特開2002−326258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献1に記載されている成形品取出機50は、成形品(ワーク)を金型装置53から取り出して成形機52外に搬送して解放することのみを目的としたもので、金型装置53を搬送する目的およびその目的を達成するために必要な構成は有していない。したがって、一般的な成形工場では、金型装置53を手押し式の台車やフォークリフトなどの運搬手段によって成形機52の近傍まで運搬したのちに、フォークリフト、ホイスト・クレーンなどの天井設置式の起重機、昇降可能なテーブルを備えた床面走行式の運搬装置あるいはローラコンベアのような床面固定式の運搬装置などの金型装置着脱用の運搬手段を使用してオペレータにより成形機52に取付け、また、成形機52から金型装置53を取り外す場合にも前記金型装置着脱用の運搬手段を使用してオペレータにより成形機52から取り外して成形機52の近傍に搬出している。
【0009】
前記特許文献1に記載されている成形品取出機50、つまり搬送装置では、生産ヘッド部着脱用の運搬手段が別途必要になり、それだけ設備費が増大する。しかも、生産ヘッド部の取付けには正確な位置決めが要求されるにもかかわらず、前記生産ヘッド部着脱用の運搬手段では取付け位置の正確な設定が困難である。そのため、生産ヘッド部の取付作業時間が長くなって初期の段取り作業および後に継続してなされる段取り替え作業など煩雑にし、それらの作業性を著しく悪くしている。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、生産ヘッド部着脱用の運搬手段に頼ることなく、したがって、生産ヘッド部着脱用の運搬手段を不要にして設備費を削減するとともに、生産ヘッド部の取付け位置の高精度な設定が容易になされてその取付作業時間を短縮でき、初期の段取り作業および段取り替え作業などを簡単にして、それらの作業性を向上させる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る搬送装置は、生産装置に装着した生産ヘッド部により生産されたワークを前記生産ヘッド部から取り出して搬送するための搬送装置において、該搬送装置は、前記生産装置の外部から該生産装置に前記生産ヘッド部の搬入が可能であるとともに、該生産ヘッド部を前記生産装置の外部へ搬出可能に構成されていることを特徴としている。
【0012】
これによれば、搬送装置は、生産装置の外部から該生産装置に生産ヘッド部を搬入できるとともに、生産ヘッド部を生産装置の外部へ搬出して取り出すことができるので、生産ヘッド部着脱用の運搬手段が不要になる。
【0013】
また本発明は、前記生産装置は成形機からなり、前記生産ヘッド部は成形用金型装置からなり、前記ワークは成形品,成形品とスプールまたは成形品とスプール・ランナからなるとともに、前記搬送装置は前記ワークを前記成形用金型装置から把持して取り出すワーク取出しヘッドと、前記成形用金型装置を吊持して昇降させる金型装置吊持手段とを備え、該金型装置吊持手段に吊持された成形用金型装置を前記成形機の成形用金型装置着脱位置に近接および離間させる作動が可能な成形品取出機によって構成されていることを特徴としている。
【0014】
これによれば、成形機の近傍に運搬された成形用金型装置は、成形品取出機に備わっている金型装置吊持手段により吊持し、この状態で成形品取出機を駆動して、成形用金型装置を成形機の成形用金型装置着脱位置に近接させたのち、オペレータにより成形用金型装置を金型装置吊持手段から成形用金型装置着脱位置に移載することによって、成形用金型装置を成形機に装着することができる。また、成形用金型装置が成形機に装着されている状態で成形品取出機を駆動して、金型装置吊持手段を成形用金型装置に近接させたのち、オペレータにより成形用金型装置を成形用金型装置着脱位置から金型装置吊持手段に移載して吊持したのちに、成形品取出機を駆動することによって、成形用金型装置を成形機の成形用金型装置着脱位置から離間させて成形機外に取り出すことができる。さらに、既存の成形品取出機における成形品取り出しヘッドの駆動システムと同様に、サーボドライバー(駆動源制御手段)やエンコーダ(位置検出器)などにより数値制御されるサーボモータ(駆動源)の回転によって金型装置吊持手段を駆動することで、金型装置吊持手段による成形用金型装置の昇降量および成形品取出機による金型装置吊持手段の移動量を高精度で設定できる。したがって、成形機の成形用金型装置着脱位置に対する成形用金型装置の高精度な設定が容易になされる。そのため、成形用金型装置の取付作業時間を短縮でき、初期の段取り作業および段取り替え作業などを簡単にして、それらの作業性を向上させることができる。
【0015】
さらに本発明は、前記成形品取出機側の駆動源と金型装置吊持手段側の駆動源それぞれの回転力を、成形品取出機と金型装置吊持手段のそれぞれに負荷される荷重の大きさに応じて無段変速機により自動的に変化して出力するように構成することが望ましい。これによると、成形用金型装置着脱の際には、金型装置吊持手段および成形品取出機に重荷重が負荷されるので、金型装置吊持手段側の駆動源および成形品取出機側の駆動源それぞれの定格回転力を無段変速機により大きい回転力に出力変換して金型装置吊持手段と成形品取出機とを駆動することができる。したがって、重荷重専用の高価な駆動源が不要になるので、イニシャルコストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来必要としていた生産ヘッド部着脱用の運搬手段が不要になるのでそれだけ設備費を削減できる。また、生産ヘッド部の取付け位置の高精度な設定が容易になされるので、成形用金型装置の取付作業時間を短縮でき、初期の段取り作業および段取り替え作業などを簡単にして、それらの作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面にしたがって説明する。図1は本発明の一実施形態を搭載した成形機を操作側から見た概略側面図、図2は図1の平面図、図3は引抜きフレームの拡大平面図、図4は成形品取出機と成形機の電気的構成の実施形態を示すブロック図である。図1〜図4において、生産装置である樹脂成形機Mの固定プラテン1の上面には、搬送装置として機能するトラバース型の成形品取出機2における横行フレーム3の基部が樹脂成形機Mの軸線に直交する幅方向(図2の矢印X方向)にのびて固定され、横行フレーム3には、樹脂成形機の軸線方向(図2の矢印Y方向)にのびる投影平面形状が門型の引抜きフレーム4の基部が矢印X方向の進退を自在に組付けられ、引抜きフレーム4には、図1の矢印Z方向の昇降が可能な昇降ユニット5が矢印Y方向の進退を自在に組付けられている。昇降ユニット5は、成形品取出しヘッド5aを備えた成形品取出し手段5Aと、ランナ取出しヘッド5bを備えたランナ取出し手段5Bおよび吊持フック13aを備えた金型装置吊持手段13とからなる。
【0018】
横行フレーム3には、第1サーボモータ8と、第1サーボモータ8の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6および該無段変速機6の出力軸によって駆動される送りねじ機構からなる駆動部9が付設されており、この駆動部9に引抜きフレーム4の基部が連結されることで、引抜きフレーム4は第1サーボモータ8により矢印X方向に進退する。
【0019】
図3,図4および図5において、引抜きフレーム4における一方のフレーム4Aの上段には、第2サーボモータ11と、第2サーボモータ11によって駆動されるベルト駆動機構からなる駆動部12が付設されており、この駆動部12にジョイント12Aを介して昇降ユニット5における成形品取出し手段5Aが連結されることで、成形品取出し手段5Aは第2サーボモータ11により矢印Y方向に進退する。
【0020】
図1および図4において、成形品取出し手段5Aは成形品取出しヘッド5aにより後述する可動金型から成形品を取出すためのもので、第3サーボモータ15と、第3サーボモータ15によって駆動される送りねじ機構からなる駆動部16が付設されており、この駆動部16に成形品取出しヘッド5aが連結されることで、成形品取出しヘッド5aは第3サーボモータ15により矢印Z方向に昇降する。
【0021】
図3,図4および図5において、引抜きフレーム4における一方のフレーム4Aの下段には、第4サーボモータ18と、第4サーボモータ18によって駆動されるベルト駆動機構からなる駆動部19が付設されており、この駆動部19にジョイント19Aを介して昇降ユニット5におけるランナ取出し手段5Bが連結されることで、ランナ取出し手段5Bは第4サーボモータ18により矢印Y方向に進退する。
【0022】
図1および図4において、ランナ取出し手段5Bはランナ取出しヘッド5bにより後述する中間金型からスプール・ランナを取出すためのもので、第5サーボモータ21と、第5サーボモータ21によって駆動される送りねじ機構からなる駆動部22が付設されており、この駆動部22に昇降ユニット5におけるランナ取出し手段5Bが連結されることで、ランナ取出し手段5Bは第5サーボモータ21により矢印Z方向に昇降する。なお、成形品取出し手段5Aおよびランナ取出し手段5Bをエアーシリンダ装置で昇降させるように構成してもよい。
【0023】
図3,図4および図6において、引抜きフレーム4における他方のフレーム4Bには、第6サーボモータ24と、第6サーボモータ24の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6Aおよび該無段変速機6Aの出力軸によって駆動されるベルト駆動機構からなる駆動部25が付設されており、この駆動部25にジョイント25Aを介して昇降ユニット5における金型装置吊持手段13が連結されることで、金型装置吊持手段13は第6サーボモータ24により矢印Y方向に進退する。
【0024】
図1および図4において、金型装置吊持手段13はその吊持フック13aで後述する成形用金型装置を吊持して昇降させるためのもので、第7サーボモータ27と、第7サーボモータ27の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6Bおよび無段変速機6Bの出力軸によって駆動される送りねじ機構からなる駆動部28が付設されており、この駆動部28に吊持フック13aが連結されることで、吊持フック13aは第7サーボモータ27により矢印Z方向に昇降する。
【0025】
図4に示すように、第1サーボモータ(駆動源)8は、モータ軸に取付けられて回転速度や回転量などの検出によって位置を検出するエンコーダ(位置検出器)7と、設定された目標値とエンコーダ7からの計測値(フィードバック信号)を比較し、目標値に近付けるために必要な駆動データを駆動回路に出力するサーボドライバー(駆動源制御手段)7Aとを備え、以下、第2サーボモータ11はエンコーダ10,サーボドライバー10Aを、第3サーボモータ15はエンコーダ14,サーボドライバー14Aを、第4サーボモータ18はエンコーダ17,サーボドライバー17Aを、第5サーボモータ21はエンコーダ20,サーボドライバー20Aを、第6サーボモータ24はエンコーダ23,サーボドライバー23Aを、第7サーボモータ27はエンコーダ26,サーボドライバー26Aをそれぞれ備える。
【0026】
図1,図2に示すように、樹脂成形機Mは、生産ヘッド部としての機能を有する成形用金型装置33と、この成形用金型装置33の型閉じ、型締めおよび型開を実行する型締機構(型締装置)34と、成形用金型装置33の型締め時に加熱溶融された樹脂を該成形用金型装置33のキャビティ空間内に高圧で射出する射出機構(射出装置)35とを備え、図4に示す成形機側の制御手段36から型締機構34と射出機構35に制御信号が送られ、これらの制御信号に基づいて樹脂成形機Mの運転が制御される。図1,図2の成形用金型装置33は、固定プラテン1に着脱される固定金型30と、可動プラテン1Aに着脱される可動金型31および固定金型30と可動金型31の中間に配置される中間金型32とからなる。中間金型32は、基部が固定金型30に取付けられて固定金型30から可動金型31の方向に水平にのびる4本の中間金型保持棒1C(ただし、図1,図2には2本の中間金型保持棒1Cが示されている)に矢印Y方向の摺動を自在に装着される。
【0027】
つぎに、前記構成の動作について説明する。
【0028】
図1〜図5において、樹脂成形機Mの成形用金型装置33は型締機構34によって型閉じがなされ、続いて型締めされる。成形用金型装置33が型締めされるとそのキャビティ空間などに加熱溶融された樹脂が射出機構35により射出充填される。射出充填された溶融樹脂は、成形用金型装置33を型締めした状態で冷却して固化する。溶融樹脂が冷却して固化したならば型締機構34によって成形用金型装置33の離型および型開きがなされる一連の動作を繰り返して行う。
【0029】
成形用金型装置33が型開きすれば、成形品取出機2における成形品取出し手段5Aの成形品取出しヘッド5aは、可動金型31に保持されている成形品(ワーク)との対向位置に移動し、同時にランナ取出し手段5Bのランナ取出しヘッド5bは、中間金型32に保持されているスプール・ランナ(ワーク)との対向位置に移動する。つづいて、成形品取出しヘッド5aは成形品に近接して成形品を吸着または把持して可動金型31から取り出し、ランナ取出しヘッド5bはスプール・ランナに近接してスプール・ランナを把持して中間金型32から取り出す。
【0030】
前記成形品取出しヘッド5aにより成形品を吸着または把持して取り出す一連の作動は、横行フレーム3に付設した第1サーボモータ8の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6および該無段変速機6の出力軸により駆動される駆動部9によって、引き抜きフレーム4を矢印X方向に進退させる第1の作動と、第2サーボモータ11により駆動される駆動部12によって、成形品取出手段5Aを矢印Y方向に進退させる第2の作動および第3サーボモータ15により駆動される駆動部16によって、成形品取出しヘッド5aを矢印Z方向に昇降させる第3の作動との複合によってなされる。
【0031】
前記ランナ取出しヘッド5bによりスプール・ランナを把持して取り出す一連の作動は、前記第1の作動と、第4サーボモータ18により駆動される駆動部19によって、ランナ取出手段5Bを矢印Y方向に進退させる第4の作動および第5サーボモータ21により駆動される駆動部22によって、ランナ取出しヘッド5aを矢印Z方向に昇降させる第5の作動との複合によってなされる。
【0032】
図1に示す成形用金型装置33の固定金型30と、可動金型31および中間金型32は、周知の構造で分離可能に一体に結合されており、この結合状態で手押し式の台車やフォークリフトなどの運搬手段によって成形機Mの近傍(たとえば横行フレーム3の操作側端部の下側)まで運搬される。固定金型30、可動金型31および中間金型32それぞれの上部には、金型装置吊持手段13の吊持フック13aが係脱されるアイボルト(図示せず)が取付けられている。なお、本実施形態では、3つの吊持フック13aを備える。
【0033】
成形機Mの近傍まで運搬された成形用金型装置33は、初期の段取りに際して金型装置吊持手段13の吊持フック13aによって吊持し、この状態で成形品取出機2を駆動して、固定金型30は固定プラテン1に装着され、可動金型31は可動プラテン1Aに装着されるとともに、中間金型32は中間金型保持棒1Cに装着される。
【0034】
前記金型装置吊持手段13の吊持フック13aにより成形用金型装置33のアイボルトを吊持して成形機Mに装着するためになされる一連の作動は、横行フレーム3に付設した第1サーボモータ8の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6および該無段変速機6の出力軸により駆動される駆動部9によって、引き抜きフレーム4を矢印X方向に進退させる前記第1の作動と、第6サーボモータ24の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6Aおよび該無段変速機6Aの出力軸により駆動される駆動部25により、金型装置吊持手段13を矢印Y方向に進退させる第6の作動および第7サーボモータ27の回転力を負荷の大きさ(重量)に応じて自動的に変化して出力する無段変速機6Bおよび該無段変速機6Bの出力軸により駆動される駆動部28によって、吊持フック13aを矢印Z方向に昇降させる第7の作動との複合によってなされる。
【0035】
すなわち、固定金型30を前記第1,第6および第7の作動の複合によって固定プラテン1の固定金型着脱位置に近接させ、ここでオペレータにより固定金型30を固定プラテン1の固定金型着脱位置に装着して移載したのち、吊持フック13aを固定金型30のアイボルトから取り外す。つぎに、前記第1,第6および第7の作動の複合によって中間金型32を中間金型保持棒1Cに近接させたのち、中間金型32に中間金型保持棒1Cを挿通し、ここでオペレータにより中間金型32を中間金型保持棒1Cからの脱落を不能に装着して移載したのち、吊持フック13aを中間金型32のアイボルトから取り外す。さらに、可動金型31を前記第1,第6および第7の作動の複合によって可動プラテン1Aの可動金型着脱位置に近接させ、ここでオペレータにより可動金型31を可動プラテン1Aの可動金型着脱位置に装着して移載したのち、吊持フック13aを可動金型31のアイボルトから取り外すことによって実現できる。
【0036】
金型装置吊持手段13は、エンコーダ7とサーボドライバー7Aによって数値制御される第1サーボモータ8の駆動により矢印X方向に移動し、エンコーダ23とサーボドライバー23Aによって数値制御される第6サーボモータ24の駆動により矢印Y方向に移動するとともに、金型装置吊持手段13の吊持フック13aはエンコーダ26とサーボドライバー26Aによって数値制御される第7サーボモータ27の駆動により矢印Z方向に移動するので、固定プラテン1に対する固定金型30の装着位置,可動プラテン1Aに対する可動金型31の装着位置および中間金型保持棒1Cに対する中間金型32の位置の高精度な設定が容易になされる。そのため、各金型30,31、32の取付作業時間を短縮でき、初期の段取り作業を簡単にして、その作業性を向上させることができる。
【0037】
一方、成形機Mに装着されている成形用金型装置33を交換のために成形機Mから取り外す段取り替えに際しては、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13の吊持フック13aを可動金型31のアイボルトに係止し、ここでオペレータにより可動金型31を可動プラテン1Aから吊持フック13aに移載したのち、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13で可動金型31を吊持して成形機Mの近傍まで搬送し解放する。つぎに、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13の吊持フック13aを中間金型32のアイボルトに係止し、ここでオペレータにより中間金型32を中間金型保持棒1Cから吊持フック13aに移載したのち、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13で中間金型32を吊持して成形機Mの近傍まで搬送し解放する。さらに、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13の吊持フック13aを固定金型30のアイボルトに係止し、ここでオペレータにより固定金型30を固定プラテン1から吊持フック13aに移載したのち、前記第1,第6および第7の作動の複合によって金型装置吊持手段13で固定金型30を吊持して成形機Mの近傍まで搬送し解放することによって簡単に実現できる。つまり、成形用金型装置33を交換のために成形機Mから取り外す段取り替えを簡単にして、その作業性を向上させることができる。成形機Mから取り外された成形用金型装置33に代えて、別の成形用金型装置を成形機Mに装着する手順は、前述の手順と同様である。
【0038】
成形用金型装置33を成形機Mに着脱する際には、金型装置吊持手段13および成形品取出機2の横行フレーム3および引き抜きフレーム4に重荷重が負荷されるので、第7サーボモータ27の定格回転力を無段変速機6Bにより大きい回転力に出力変換して、吊持フック13aを昇降させ、第1サーボモータ8の定格回転力を無段変速機6により大きい回転力に出力変換して、引き抜きフレーム4を矢印X方向に進退させるとともに、第6サーボモータ24の定格回転力を無段変速機6Aにより大きい回転力に出力変換して、金型装置吊持手段13を矢印Y方向に進退させるようにしているので、重荷重専用の高出力で高価なサーボモータによって前記第7サーボモータ27,第1サーボモータ8および第6サーボモータ24を構成しなくてもよい。つまり、重荷重専用の高価な駆動源が不要になるので、イニシャルコストを抑えることができる。
【0039】
前記実施形態では、成形品取出しヘッド5aとランナ取出しヘッド5bとを備えた成形品取出機2によって、成形品とスプール・ランナとからなるワークを取り出す構成で説明しているが、成形用金型装置33が固定金型30と可動金型31からなり、したがって、成形品と、該成形品に一体のスプールとからなるワークが成形される樹脂成形機Mであれば、成形品取出しヘッド5aのみによりワークを取り出せるので、ランナ取出しヘッド5bが不要になる。また、金型装置吊持手段13の吊持フック13aの数は2つでよい。
【0040】
また、前記実施形態では、1つの金型装置吊持手段13を用いた構成で説明しているが、金型装置吊持手段13の数は2つあるいはそれ以上(たとえば3つ)であってもよい。さらに、金型装置吊持手段13を成形品取出手段5Aとランナ取出手段5Bの間に配置した構成で説明しているが、金型装置吊持手段13の配置位置は前記実施形態にのみ限定されるものではなく、引抜きフレーム4内において任意に設定できる。
【0041】
さらに、前記実施形態では、ベルト駆動機構からなる駆動部12,19,25を採用しているが、これら駆動部12,19,25を送りねじ機構によって構成してもよい。
【0042】
前記実施形態で説明した金型装置吊持手段13を省略し、昇降ユニット5を成形品取出し手段5Aとランナ取出し手段5Bのみで構成し、これら成形品取出し手段5A,ランナ取出し手段5Bのそれぞれに金型の吊持手段を付設するようにしてもよい。
この場合、成形品取出し手段5Aの第3サーボモータ15の回転力を無段変速機により金型の重量に応じて自動的に変化して出力するように構成し、この無段変速機の出力軸によって駆動される前記駆動部16により成形品取出しヘッド5aおよび該成形品取出しヘッド5aの近傍に付設した金型を吊持するための吊持手段を駆動(昇降)させるとともに、ランナ取出し手段5Bの第5サーボモータ21の回転力を無段変速機により金型の重量に応じて自動的に変化して出力するように構成すればよい。
【0043】
前記実施形態における搬送対象物は、固定金型30、可動金型31および中間金型32とからなる成形用金型装置33、つまり各金型30,31、32が分離可能に一体に結合された大きい体積で、かつ重量の重い成形用金型装置33を搬送する構成で説明しているが、固定金型30と可動金型31および中間金型32のそれぞれに形成されているポケットに金属製のカセットを着脱可能に装填した周知のカセット式金型で成形を行う形態の場合は、成形品の種類に応じてカセットのみを交換すればよいので、固定金型30と、可動金型31および中間金型32と比較して、体積が小さく、かつ重量の軽いカセットを搬送すればよいことになり、成形品の種類に応じてカセットのみを交換すればよいので、固定金型30と、可動金型31および中間金型32と比較して、体積が小さく、かつ重量の軽いカセットを搬送すればよいことになる。
【0044】
したがって、前記実施形態で説明した金型装置吊持手段13を省略し、昇降ユニット5を成形品取出し手段5Aとランナ取出し手段5Bのみで構成し、これら成形品取出し手段5A,ランナ取出し手段5Bのそれぞれに前記金属製のカセットを吊持するための吊持手段を付設することで、成形品取出し手段5Aの第3サーボモータ15の回転力を無段変速機により金属製のカセットの重量に応じて自動的に変化して出力するように構成し、この無段変速機の出力軸によって駆動される前記駆動部16により成形品取出しヘッド5aおよび該成形品取出しヘッド5aの近傍に付設した金属製のカセットを吊持するための吊持手段を駆動(昇降)させるとともに、ランナ取出し手段5Bの第5サーボモータ21の回転力を無段変速機により金属製のカセットの重量に応じて自動的に変化して出力するように構成し、この無段変速機の出力軸によって駆動される前記駆動部22によりランナ取出しヘッド5bおよび該ランナ取出しヘッド5bの近傍に付設した金属製のカセットを吊持するための吊持手段を駆動(昇降)させるように構成すればよい。
【0045】
一方、前記実施形態では、樹脂成形機Mに着脱される成形用金型装置33を搬送する構成で説明しているが、アルミ系合金の成形を行うダイキャスト成形機に着脱される成形用金型装置の搬送に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態を搭載した成形機を操作側から見た概略側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】引抜きフレームの拡大平面図である。
【図4】成形品取出機と成形機の電気的構成の実施形態を示すブロック図である。
【図5】図3のA−A矢視図である。
【図6】図3のB−B矢視図である。
【図7】従来例の斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
2 成形品取出機(搬送装置)
5a 成形品取出しヘッド(ワーク取出しヘッド)
5b ランナ取出しヘッド(ワーク取出しヘッド)
6 無段変速機
6A 無段変速機
6B 無段変速機
8 第1サーボモータ(駆動源)
11 第2サーボモータ(駆動源)
13 金型装置吊持手段
15 第3サーボモータ(駆動源)
18 第4サーボモータ(駆動源)
21 第5サーボモータ(駆動源)
24 第6サーボモータ(駆動源)
27 第7サーボモータ(駆動源)
33 成形用金型装置(生産ヘッド部)
M 樹脂成形機(生産装置)
【出願人】 【識別番号】000138473
【氏名又は名称】株式会社ユーシン精機
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100082083
【弁理士】
【氏名又は名称】玉田 修三


【公開番号】 特開2008−49626(P2008−49626A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229878(P2006−229878)