| 【発明の名称】 |
テープリール製造方法、中間体および射出成形用金型 |
| 【発明者】 |
【氏名】桃井 昭夫
【氏名】佐藤 孝輝
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| 【要約】 |
【課題】射出成形用金型の複雑化を招くことなくウェルドラインの発生を防止し得るテープリール製造方法を提供する。
【構成】解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が底板に形成された有底筒状のハブ、およびハブに一体形成された第1フランジを有する本体部と、ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えたテープリールを射出成形用金型を用いて製造するときに、本体部を作製するための中間体121の挿通孔形成部144を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が底板142の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で凸部が突出している金型を射出成形用金型として用いて中間体121を射出成形し、流路内の成形材料が固化して形成されたブリッジ部151を中間体121から除去して本体部を作製する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールを製造するときに、前記挿通孔を形成するための凸部が前記底板を成形する成形面から突出している射出成形用金型を用いるテープリール製造方法であって、 前記本体部を作製するための中間体における前記挿通孔に対応する所定部位を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が前記底板の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で前記凸部が突出している金型を前記射出成形用金型として用いて当該中間体を射出成形し、前記流路内の前記成形材料が固化して形成された板片を前記中間体から除去して前記本体部を作製し、当該本体部に前記第2フランジを取り付けて前記テープリールを製造するテープリール製造方法。 【請求項2】 前記凸部の先端部の全域における前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量で当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いる請求項1記載のテープリール製造方法。 【請求項3】 前記凸部の外周部全域における前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量でかつ当該凸部の中央部が当該外周部よりも凹んで当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いる請求項1記載のテープリール製造方法。 【請求項4】 前記凸部の先端部の外周部における前記成形材料の通過方向に対して直交する向きで延在する部位の前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量でかつ当該外周部における当該通過方向に対して平行な向きで延在する部位の前記突出量が当該底板の厚みと等しい突出量で当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いる請求項1記載のテープリール製造方法。 【請求項5】 前記先端部の全域において均一な前記突出量で前記凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いる請求項2記載のテープリール製造方法。 【請求項6】 一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールにおける前記本体部を作製するための中間体であって、 前記挿通孔に対応する所定部位には板片が形成されている中間体。 【請求項7】 一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールにおける前記本体部を作製するための中間体を射出成形可能に構成されると共に、前記挿通孔を形成するための凸部が前記底板を成形する成形面から突出している射出成形用金型であって、 前記中間体における前記挿通孔に対応する所定部位を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が前記底板の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で前記凸部が突出している射出成形用金型。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ハブおよび第1フランジを有する本体部とハブに取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールを製造するテープリール製造方法、そのテープリールの本体部を作製するための中間体、およびその本体部を射出成形可能な射出成形用金型に関するものである。 【背景技術】 【0002】 大容量のデータを記録可能な情報媒体として、出願人は、特開2005−339753号公報において、1リールタイプのテープカートリッジを開示している。このテープカートリッジは、ケース本体を備える共に、ハブ、下フランジおよび上フランジを備えてケース本体内に収容されたテープリールと、テープリールの回転を制止するロック部材と、ハブの底板側に配設されてロック部材によるテープリールの回転制止を解除するブレーキ解除板とを備えて構成されている。この場合、ハブの底板には、ブレーキ解除板の脚部を挿通させてブレーキ解除板を上下動可能に取り付けるための挿通用孔が形成されている。このテープカートリッジでは、非使用時において、コイルスプリングによって付勢されたロック部材によってテープリールが回転不可状態にロックされ、使用時において、ブレーキ解除板の脚部が、ドライブ装置の駆動用シャフトによって押圧されて、ロック部材がブレーキ解除板によって押し上げられることで、ロック部材によるテープリールの回転制止が解除される。 【特許文献1】特開2005−339753号公報(第8−10頁、第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところが、上記のテープカートリッジには、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、このテープカートリッジでは、テープリールにおけるハブの底板に挿通用孔を形成して、この挿通用孔にブレーキ解除板の脚部を挿通させることでブレーキ解除板の上下動を可能としている。この場合、この種のテープカートリッジを構成する各構成要素は、樹脂を射出成形することによって製造されている。この場合、上記したテープリールのハブのように底板に挿通用孔が形成された製品を射出成形する際には、一般的に、図30に示すように、挿通用孔を形成するための凸部701をキャビティ内に設けた金型601が用いられる。 【0004】 しかしながら、このような金型601では、製品を射出成形した段階で挿通孔が形成されるように、上金型602および下金型603の接合状態において、凸部701の先端部702の全域が上金型602の成形面602aに当接するように、つまり底板の厚みと同じ突出量で凸部701が突出するように構成されている。このため、キャビティ内に樹脂を射出した際に、凸部701によって樹脂の流れが分岐した後に合流するため、図31に示すように、その樹脂の合流した痕、いわゆるウェルドライン801が製品に発生することがある。このような、ウェルドライン801が発生した製品では、外観の美観が低下するばかりではなく、寸法精度がやや低下したりするおそれもある。一方、近年、この種のテープカートリッジでは、記憶容量の大容量化が進められており、これに伴い、テープリール等のテープカートリッジを構成する各構成要素に対する寸法精度の高精度化が要求されている。このため、このような要求に対応すべく、上記したウェルドライン801の発生を抑える技術の開発が望まれている。 【0005】 この場合、ウェルドライン801の発生を防止する技術として、例えば、特開2001−225357号公報には、樹脂の充填が終了した後に、樹脂が完全に固化していない状態において第1のピンおよび第2のピンを金型内で移動させることによって孔を形成する射出成形品の孔形成方法が開示されている。しかしながら、この方法では、金型の構成が複雑なことに加えて、成形サイクルが長くなって生産性が低下するという問題点が存在する。したがってこの方法を採用するのは困難である。 【0006】 本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、射出成形用金型の複雑化を招くことなくウェルドラインの発生を防止し得るテープリール製造方法および射出成形用金型、並びにウェルドラインが発生していない中間体を提供することを主目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成すべく本発明に係るテープリール製造方法は、一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールを製造するときに、前記挿通孔を形成するための凸部が前記底板を成形する成形面から突出している射出成形用金型を用いるテープリール製造方法であって、前記本体部を作製するための中間体における前記挿通孔に対応する所定部位を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が前記底板の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で前記凸部が突出している金型を前記射出成形用金型として用いて当該中間体を射出成形し、前記流路内の前記成形材料が固化して形成された板片を前記中間体から除去して前記本体部を作製し、当該本体部に前記第2フランジを取り付けて前記テープリールを製造する。 【0008】 この場合、前記凸部の先端部の全域における前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量で当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いることができる。 【0009】 また、前記凸部の外周部全域における前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量でかつ当該凸部の中央部が当該外周部よりも凹んで当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いることができる。 【0010】 また、前記凸部の先端部の外周部における前記成形材料の通過方向に対して直交する向きで延在する部位の前記突出量が前記底板の厚みよりも少ない突出量でかつ当該外周部における当該通過方向に対して平行な向きで延在する部位の前記突出量が当該底板の厚みと等しい突出量で当該凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いることができる。 【0011】 さらに、前記先端部の全域において均一な前記突出量で前記凸部が構成された金型を前記射出成形用金型として用いることができる。 【0012】 また、本発明に係る中間体は、一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールにおける前記本体部を作製するための中間体であって、前記挿通孔に対応する所定部位には板片が形成されている。 【0013】 また、本発明に係る射出成形用金型は、一端部に底板を有する有底筒状に構成されると共に当該底板側に配設されて回転禁止状態を解除するための解除部材の脚部を挿通させる挿通孔が当該底板に形成されたハブ、および当該ハブの前記一端部側に一体形成された第1フランジを有する本体部と、前記ハブの開口部側に取り付けられた第2フランジとを備えた情報媒体用のテープリールにおける前記本体部を作製するための中間体を射出成形可能に構成されると共に、前記挿通孔を形成するための凸部が前記底板を成形する成形面から突出している射出成形用金型であって、前記中間体における前記挿通孔に対応する所定部位を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が前記底板の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で前記凸部が突出している。 【発明の効果】 【0014】 本発明に係るテープリール製造方法、中間体および射出成形用金型によれば、中間体における挿通孔に対応する所定部位を成形材料が通過可能でかつその少なくとも一部が底板の厚みよりも狭い流路を形成可能な突出量で凸部が突出している金型を射出成形用金型として用いて中間体を射出成形し、流路内の成形材料が固化して形成された板片を中間体から除去して本体部を作製することにより、本体部を射出成形した段階でハブの底板に挿通孔を形成するために先端部の全域が成形面に当接する凸部が配設された金型を用いる従来の製造方法とは異なり、射出成形時において流路によって成形材料をスムーズに流動させることができる。また、金型内でピンを移動させることによって孔を形成する従来の孔形成方法とは異なり、射出成形用金型を簡易に構成することができる。したがって、このテープリール製造方法、中間体および射出成形用金型によれば、射出成形用金型の複雑化を招くことなく中間体および本体部におけるウェルドラインの発生を確実に防止することができる結果、ウェルドラインの発生に起因する寸法精度の低下を招くことなく、テープリールの寸法精度を高精度に維持することができる。 【0015】 また、本発明に係るテープリール製造方法によれば、凸部の先端部の全域における突出量が底板の厚みよりも少ない突出量で凸部が構成された金型を射出成形用金型として用いることにより、射出成形時において、中間体における挿通孔に対応する所定部位の周辺部の全ての方向に成形材料を流動可能に流路が形成されるため、その流路を通過させて成形材料をスムーズに流動させることができるため、ウェルドラインの発生をより確実に防止することができる。 【0016】 また、本発明に係るテープリール製造方法によれば、凸部の外周部全域における突出量が底板の厚みよりも少ない突出量でかつ凸部の中央部を外周部よりも凹ませて凸部を構成した金型を射出成形用金型として用いることにより、中間体の板片における外周縁部全域の厚みを底板の厚みよりも薄く形成することができる。このため、例えば、穿孔用の刃部を板片の外周縁部に押し当てることで、板片を短時間でしかも容易に切断することができる結果、挿通孔の形成工程の効率を十分に向上させることができる。 【0017】 また、本発明に係るテープリール製造方法によれば、凸部の先端部の外周部における成形材料の通過方向に対して直交する向きで延在する部位の突出量が底板の厚みよりも少ない突出量でかつ外周部における通過方向に対して平行な向きで延在する部位の突出量が底板の厚みと等しい突出量で凸部が構成された金型を射出成形用金型として用いることにより、挿通孔に対応する所定部位の周辺部に板片の外周縁部の一部分を連接させ、かつその一部分を除く他の部分を周辺部から離間させることができるため、外周縁部と周辺部との連接箇所が少ない分、板片を一層容易に切断することができる。 【0018】 また、本発明に係るテープリール製造方法によれば、先端部の全域において均一な突出量で凸部が構成された金型を射出成形用金型として用いることにより、幅や高さが均一な流路を形成することができるため、成形材料を一層スムーズに流動させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明に係るテープリール、カートリッジケース、情報媒体および成形用金型の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。 【0020】 最初に、情報媒体1の構成について、図面を参照して説明する。図1に示す情報媒体1は、例えば、電子計算機に記録された記録データをバックアップするためのストレージデバイスとして使用される1リールタイプのカートリッジ式の情報媒体であって、同図に示すように、ケース本体2、テープリール3、ロック解除部材4、ロック部材5、ブレーキスプリング6、および磁気テープMT(図2参照)を備えて構成されている。この場合、磁気テープMTを除く各構成要素によって本発明に係るカートリッジケースが構成される。 【0021】 ケース本体2は、図1に示すように、それぞれ浅皿状に形成されて互いに嵌合可能な下ケース11および上ケース12を備えて構成され、両ケース11,12の嵌合状態において形成される内部空間にテープリール3を回転可能に収容する。この場合、下ケース11および上ケース12には、テープリール3に巻回された磁気テープMTを外部に引き出すためのテープ引き出し口2aを構成する切り欠き11a,12aがそれぞれ形成されている。 【0022】 テープリール3は、図3,4に示すように、本体部21および上フランジ(本発明における第2フランジ)22を備えて構成され、本発明に係るテープリール製造方法に従って製造される。本体部21は、ハブ31、および円板状に構成されてハブ31の一端部に連結するようにしてハブ31と一体成形された下フランジ(本発明における第1フランジ)32を備えている。ハブ31は、その周囲に磁気テープMTを巻回可能な円筒状の胴部41と、胴部41の一端部側に形成された底板42とを備えて、他端部側に開口部が形成された有底円筒状に構成されている。この場合、図4,5に示すように、ハブ31の底板42の内面には、ブレーキスプリング6によって付勢されるロック部材5の歯部5a(いずれも図1参照)と噛合する平面視円弧状のロック用歯部43,43,43がハブ31の中心軸Sを中心とした同一円周上に位置するようにして形成されている。 【0023】 また、図4,5に示すように、底板42には、後述するロック解除部材4の脚部4cを上下動可能に挿通させる略矩形の挿通孔44,44,44が、ハブ31の中心軸Sを中心とした同一円周上に位置するようにして形成されている。また、底板42の外面には、図外のドライブ装置の駆動用シャフトとハブ31(テープリール3)とを磁力によって吸着するための金属板23(図1参照)が取り付けられている。さらに、図4に示すように、底板42の外面には、ドライブ装置の駆動用シャフトにおける駆動用歯部(図示せず)と噛合する環状の被駆動用歯部45が金属板23を取り囲むようにして形成されている。 【0024】 ここで、本体部21は、図10に示す金型201を用いて射出成形した中間体121を加工して作製される。中間体121は、図6,7に示すように、本体部21のハブ31に相当するハブ131、および本体部21の下フランジ32に相当する下フランジ132を備えて構成されている。ハブ131は、ハブ31における胴部41、底板42、ロック用歯部43および被駆動用歯部45にそれぞれ相当する胴部141、底板142、ロック用歯部143および被駆動用歯部145を備えて構成されている。この場合、図7に示すように、底板42の挿通孔44に対応する底板142における略矩形の所定部位(以下、この部位を「挿通孔形成部144」ともいう)には、ブリッジ部151が形成されている。 【0025】 ブリッジ部151は、図8,9に示すように、外周縁部151aがその全周に亘って底板142における挿通孔形成部144の周辺部144aに連接している。また、外周縁部151aは、外周縁部151aの厚みtb1が、周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも薄く、かつ外周縁部151aを除く中央部151bの厚みtb2が厚みtpと同じかまたはほぼ同じ厚み(この例では同じ厚み)となるように形成されている。この場合、外周縁部151aは、一例として、図8に示すように、表面側(同図における上面側)をV字状に切り欠いた断面形状に形成されている。このブリッジ部151は、射出成形時に金型201内に射出された成形材料としての樹脂が金型201内の流路201b(これについては後述する)内において固化して形成された板片であって、このブリッジ部151を除去することによって挿通孔44が形成される。 【0026】 上フランジ22は、図3に示すように、円板状に構成されて、図4に示すように、ハブ31の他端部側(開口部側)に固定されている。 【0027】 ロック解除部材4は、本発明における解除部材に相当し、図1に示すように、3つの腕部4bを有する本体部4aと、本体部4aの裏面(同図では下面)に立設された3本の脚部4c,4c,4cと、本体部4aにおける表面(同図では上面)の中央部に取り付けられた円形の金属板4dとを備えて構成されて、脚部4c,4c,4cがハブ31の挿通孔44,44,44にそれぞれ挿通されることにより、ハブ31に対して相対的に回転不能でかつ上下動可能にハブ31の内側に配設される。 【0028】 ロック部材5は、図1に示すように、ハブ31のロック用歯部43,43,43に噛合可能な歯部5aがその底面に形成されている。この場合、ロック部材5は、ブレーキスプリング6によって付勢されて歯部5aがロック用歯部43,43,43に噛合させられることにより、テープリール3を回転不可状態にロックする。ブレーキスプリング6は、コイルスプリングで構成されて、上ケース12とロック部材5との間に配設され、テープリール3におけるハブ31の底板42側に向けてロック部材5を付勢する。 【0029】 次に、金型201の構成について、図面を参照して説明する。 【0030】 図10に示す金型201は、本発明に係る射出成形用金型の一例であって、上金型301および下金型401を備え、図11に示すように、各々の当接面301a,401a同士が当接するように両金型301,401を接合させた(型締めした)状態において、上記した中間体121を射出成形可能なキャビティ201aを構成する。上金型301は、射出成形機の固定側(射出側)取付部に取り付けられる金型であって、図10,11に示すように、キャビティ201aのうちの、中間体121におけるハブ131の底板142の下面側、および下フランジ132の下面側に対応する部位を構成する成形面(凹凸面)301bが当接面301a側に形成されている。 【0031】 下金型401は、射出成形機の移動側取付部に取り付けられる金型であって、図10,11に示すように、キャビティ201aのうちの、中間体121におけるハブ131の胴部141および底板142の上面側に対応する部位を構成する成形面401bが当接面401a側に形成されている。また、図12,13に示すように、下金型401における底板142の挿通孔形成部144に対応する部位には、成形面401bから突出する凸部411が配設されている。凸部411は、両金型301,401の接合状態において挿通孔形成部144に樹脂が通過可能な流路201bを形成する。 【0032】 この場合、凸部411は、図12に示すように、挿通孔形成部144の周辺部144aにおける底板142の厚みtpに相当する成形面301bと成形面401bとの間の距離dよりも流路201bの外周部(本発明における少なくとも一部)が狭くなるように、その突出量が規定されている。具体的には、凸部411は、図12,13に示すように、先端部の外周部411aが断面V字状に形成されると共に、外周部411aにおける突出量が上記した厚みtpよりも少ない突出量(例えば、厚みtpの1/2程度の突出量)で、かつ中央部411bが外周部411aよりも凹むようにして(中央部411bにおける突出量が外周部411aにおける突出量よりも少ない例えばゼロの突出量となるように)構成されている。つまり、凸部411は、先端部の全域における突出量が厚みtpよりも少ない突出量となるように構成されている。この金型201では、射出成形時において、上記のように構成された流路201bに樹脂が流動することで、中間体121におけるウェルドの発生防止が可能となっている。 【0033】 次に、本発明に係るテープリール製造方法に従ってテープリール3を製造する方法および、情報媒体1を組み立てる方法について図面を参照して説明する。 【0034】 まず、金型201を用いて中間体121を射出成形する。具体的には、金型201の上金型301と下金型401とを、その当接面301a,401aが互いに対向するようにして射出成形機の固定側取付部および移動側取付部(いずれも図示せず)にそれぞれ取り付ける。次に、射出成形機を駆動することにより、下金型401を上金型301に向けて前進させて当接面301aと当接面401aとを互いに当接させる。この際に、図11に示すように、上金型301の成形面301bと下金型401の成形面401bとによってテープリール3の本体部21を成形するためのキャビティ201aが形成される。次いで、射出成形機を駆動することにより、上金型301の注入口から溶融樹脂を注入させて、溶融樹脂がキャビティ201a内に充填される。 【0035】 ここで、本体部を射出成形した段階でハブの底板に挿通孔を形成する従来の製造方法では、例えば図30に示す金型601が用いられる。この場合、この金型601では、同図に示すように、上金型602および下金型603の接合状態において、その先端部702が上金型602の成形面602aに当接する挿通孔形成用の凸部701が下金型603に配設されている。このため、この金型601に樹脂を射出した際には、凸部701によって樹脂の流れが分岐された後に合流する結果、図31に示すように、ウェルドライン801が製品に発生するおそれがある。これに対して、金型201では、挿通孔形成部144に対応する部位に流路201bが形成されているため、この流路201bによって樹脂がスムーズに流動する結果、上記のようなウェルドラインの発生が確実に防止される。 【0036】 次に、溶融樹脂が固化した後に、下金型401を後退させて上金型301から離間させる。この際に、固化した溶融樹脂つまり成形品が、下金型401に嵌った状態で下金型401の後退に伴って上金型301から引き抜かれる。次に、図外のイジェクトピンを前進させて成形品を下金型401の後部から前方に押し出す。これにより、中間体121が完成する。 【0037】 次に、中間体121における底板142の挿通孔形成部144に形成されているブリッジ部151を除去する。具体的には、例えば、図14に示すように、先端部の外周部全周が突出して全体として略矩形に形成された穿孔用の刃部501をブリッジ部151に押し当てて、ブリッジ部151の外周縁部151aと挿通孔形成部144の周辺部144aとを切り離す。この場合、外周縁部151aの厚みtb1が周辺部144aの厚みtpよりも薄く形成されているため、ブリッジ部151が外周縁部151aに沿って短時間でしかも容易に切断される。これにより、挿通孔形成部144に挿通孔44が形成されて本体部21が完成する。 【0038】 次に、本体部21におけるハブ31の他端部側(開口部側)に、例えば超音波溶着装置を用いて上フランジ22を固定する。これにより、テープリール3が完成する。 【0039】 次に、情報媒体1を組み立てる。具体的には、ハブ31の底板42に形成された挿通孔44に脚部4cを挿通させてロック解除部材4をセットしたテープリール3を下ケース11にセットする。次いで、テープリール3のハブ31の内側にセットする。続いて、ブレーキスプリング6をセットした上ケース12を下ケース11に嵌合させて、両ケース11,12をねじ止めする。次いで、テープリール3に磁気テープMTを巻回する。以上により、情報媒体1の組立が完了する。この場合、上記したように、テープリール3の本体部21におけるウェルドラインの発生が防止されている。このため、この情報媒体1では、テープリール3の寸法精度が高精度に維持されている。 【0040】 このように、このテープリール製造方法によれば、中間体121の挿通孔形成部144を樹脂が通過可能でかつその少なくとも一部が挿通孔形成部144の周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも狭い流路201bを形成可能な突出量で凸部411が突出している金型201を用いて中間体121を射出成形し、流路201b内において成形材料が固化して形成されたブリッジ部151を中間体121から除去して本体部21を作製することにより、本体部を射出成形した段階でハブの底板に挿通孔を形成するために先端部702の全域が成形面602aに当接する凸部701が配設された金型601を用いる従来の製造方法とは異なり、射出成形時において流路201bによって樹脂をスムーズに流動させることができる。また、金型内でピンを移動させることによって孔を形成する従来の孔形成方法とは異なり、金型201を簡易に構成することができる。したがって、このテープリール製造方法、中間体121および金型201によれば、金型201の複雑化を招くことなく中間体121および本体部21におけるウェルドラインの発生を確実に防止することができる結果、ウェルドラインの発生に起因する寸法精度の低下を招くことなく、テープリール3の寸法精度を高精度に維持することができる。 【0041】 また、このテープリール製造方法によれば、先端部の全域における突出量が厚みtpよりも少ない突出量となるように凸部411が構成された金型201を用いることにより、射出成形時において、中間体121における挿通孔形成部144の周辺部144aにおける全ての方向に樹脂を流動可能な流路201bが形成されるため、その流路201bを通過させて樹脂をスムーズに流動させることができるため、ウェルドラインの発生をより確実に防止することができる。 【0042】 また、このテープリール製造方法によれば、先端部の外周部411a全域における突出量が挿通孔形成部144の周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも少ない突出量で、かつ中央部411bを外周部411aよりも凹ませて凸部411を構成した金型201を用いることにより、中間体121のブリッジ部151における外周縁部151a全域の厚みを挿通孔形成部144の周辺部144aの厚みよりも薄く形成することができる。このため、例えば、穿孔用の刃部501を外周縁部151aに押し当てることで、ブリッジ部151を短時間でしかも容易に切断することができる結果、挿通孔44の形成工程(穿孔工程)の効率を十分に向上させることができる。 【0043】 なお、本発明は、上記の方法および構成に限定されない。先端部の全域における突出量が周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも少ない突出量となるように凸部411が構成された例について上記したが、図15の金型形状に示すように、先端部の外周部412aにおける所定部位421の突出量が厚みtpよりも少ない突出量でかつ外周部412aにおける他の所定部位422の突出量が厚みtpと等しい突出量となるように構成された凸部412を採用することもできる。この場合、この凸部412では、例えば、底板142の中心部にゲート位置が設定されているときには、底板142の中心部から底板142の外周部に向かう方向(半径方向)、つまり樹脂の通過方向に直交する向きで延在する部位が上記した所定部位421として規定されている。また、樹脂の通過方向に対して平行な向きで延在する部位が上記した所定部位422として規定されている。 【0044】 このように構成された凸部412を有する金型201を用いたテープリール製造方法によれば、図16,17に示すように、中間体121におけるブリッジ部152の外周縁部152aがその一部分(図16における右側および左側の部分であって凸部412の所定部位421が位置する部位)において挿通孔形成部144の周辺部144aに連接しかつその一部分を除く他の部分(同図における上側および下側の部分であって凸部412の他の所定部位422が位置する部位)において周辺部144aから離間させることができるため、外周縁部152aと周辺部144aとの連接箇所(接続箇所)が少ない分、ブリッジ部152(ブリッジ部152の中央部152b)を一層容易に切断することができる。また、このテープリール製造方法においても、樹脂の流動方向に沿って流路201bが形成されるため、ウェルドラインの発生を確実に防止することができる。 【0045】 また、先端部の外周部411aにおける突出量が周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも少ない突出量で、かつ中央部411bが外周部411aよりも凹むように凸部411が構成された例について上記したが、図18の金型形状に示すように、先端部の全域において均一な突出量で構成された凸部413を採用することもできる。このように構成された凸部413を有する金型201を用いたテープリール製造方法によれば、図19に示すように、中間体121におけるブリッジ部153の厚みが均一となるように、つまり流路201bの幅や高さが均一となるように流路201bを形成することができるため、樹脂をスムーズに流動させることができる。 【0046】 また、先端部の中央部411bにおける突出量がゼロとなるように凸部411が構成された例について上記したが、図20の金型形状に示すように、中央部414bにおける突出量が外周部414aにおける突出量の1/2程度、つまり中央部414bにおける突出量がゼロよりも多くなるように構成された凸部414を採用することもできる。このように構成された凸部414を有する金型201を用いたテープリール製造方法によれば、図21に示すように、中間体121におけるブリッジ部154の厚み(ブリッジ部154の外周縁部154aおよび中央部154b)がその全域において挿通孔形成部144の周辺部144aにおける底板142の厚みtpよりも薄くなるように中間体121を成形することができる。このため、ブリッジ部151をさらに短時間でしかもさらに容易に切断することができる結果、挿通孔44の形成工程(穿孔工程)の効率を一層向上させることができる。 【0047】 さらに、図22の金型形状に示すように、外周部415aの断面形状を矩形状に形成した凸部415を有する金型201を用いることで、図23に示すように、上記したブリッジ部151における外周縁部151aの表面側が矩形状に切り欠かれた中間体121を成形することができる。また、図24の金型形状に示すように、外周部416aの断面形状を矩形状に形成すると共に、中央部416bにおける突出量が外周部416aにおける突出量の1/2程度となるように構成された凸部416を有する金型201を用いることで、図25に示すように、上記したブリッジ部154における外周縁部154aの表面側が矩形状に切り欠かれた中間体121を成形することもできる。 【0048】 さらに、図26の金型形状に示すように、外周部417aの断面形状を逆U字状に形成した凸部417を有する金型201を用いることで、図27に示すように、上記したブリッジ部151における外周縁部151aの表面側がU字状に切り欠かれた中間体121を成形することができる。また、図28の金型形状に示すように、外周部418aの断面形状を逆U字状に形成すると共に、中央部418bにおける突出量が外周部418aにおける突出量の1/2程度となるように構成された凸部418を有する金型201を用いることで、上記したブリッジ部154における外周縁部154aの表面側がU字状に切り欠かれた中間体121を成形することもできる。 【0049】 また、1リールタイプの情報媒体1を例に挙げて説明したが、1リールタイプに限定されず、2リールタイプの情報媒体にも適用することができるし、リールを構成する構成要素に孔が形成された各種の情報媒体に本発明を適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】情報媒体の分解斜視図である。 【図2】情報媒体1の断面図である。 【図3】テープリール3の分解斜視図である。 【図4】テープリール3の断面図である。 【図5】テープリール3の平面図である。 【図6】中間体121の断面図である。 【図7】中間体121の平面図である。 【図8】挿通孔形成部144およびブリッジ部151の構成を示す断面図である。 【図9】挿通孔形成部144およびブリッジ部151の構成を示す平面図である。 【図10】金型201の斜視図である。 【図11】金型201の断面図である。 【図12】金型201における流路201b周辺の構成を示す断面図である。 【図13】凸部411の構成を示す斜視図である。 【図14】ブリッジ部151の除去方法を説明するための説明図である。 【図15】凸部412の構成を示す斜視図である。 【図16】挿通孔形成部144およびブリッジ部152の構成を示す平面図である。 【図17】図16におけるA−A線断面図である。 【図18】凸部413の構成を示す斜視図である。 【図19】挿通孔形成部144およびブリッジ部153の構成を示す断面図である。 【図20】凸部414の構成を示す斜視図である。 【図21】挿通孔形成部144およびブリッジ部154の構成を示す断面図である。 【図22】凸部415の構成を示す斜視図である。 【図23】表面側が矩形状に切り欠かれたブリッジ部151の構成を示す断面図である。 【図24】凸部416の構成を示す斜視図である。 【図25】表面側が矩形状に切り欠かれたブリッジ部154の構成を示す断面図である。 【図26】凸部417の構成を示す斜視図である。 【図27】表面側がU字状に切り欠かれたブリッジ部151の構成を示す断面図である。 【図28】凸部418の構成を示す斜視図である。 【図29】表面側がU字状に切り欠かれたブリッジ部154の構成を示す断面図である。 【図30】従来の金型601の構成を示す断面図である。 【図31】ウェルドライン801の発生状態を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0051】 1 情報媒体 3 テープリール 4 ロック解除部材 4c 脚部 21 本体部 22 上フランジ 31 ハブ 32 下フランジ 42 底板 44 挿通孔 121 中間体 144 挿通孔形成部 144a 縁部 151〜154 ブリッジ部 201 金型 201b 流路 411〜418 凸部 411a,412a,414a,415a,416a,417a,418a 外周部 411b,414b,416b,418b 中央部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003067 【氏名又は名称】TDK株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月25日(2006.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104787 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 伸司
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| 【公開番号】 |
特開2008−49617(P2008−49617A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−229535(P2006−229535) |
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