| 【発明の名称】 |
成形品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】見立 恵己
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| 【要約】 |
【課題】金型のキャビティを仕切り用インサートで仕切り、仕切った各キャビティに異種の成形材料を射出するウェザストリップの型成形部の製造方法において、仕切り用インサートと中空部の接着強度を高めると共に、成形時に仕切り用インサートを位置決めして異種成形材料同士の混入を防止する。
【構成】金型の中空部を形成するキャビティ29は、トリム部を形成するキャビティ28に接続される根元が該キャビティ28に向って次第に幅広に形成され、中空部と仕切り用インサート33との接触面積を増大させて接着力を増加する。仕切り用インサート33はトリム型23のピン32にピン嵌合孔34を嵌合させて位置決めする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基部7と、該基部7より分岐し、基部7とは成形材料を異にして成形される分岐部8を有する成形品の製造方法であって、該成形品を成形する金型9のキャビティ27が基部7を成形するキャビティ28と、該キャビティ28に接続され、分岐部8を成形するキャビティ29を備え、基部7を成形するキャビティ28と分岐部8を成形するキャビティ29の接続部分には、成形材料の混入を防止する仕切り用インサート41が設けられる上記製造方法において、分岐部8を成形するキャビティ29は、基部7を成形するキャビティ29に接続される根元が該基部7を成形するキャビティ28に向って断面が次第に幅広に形成され、前記仕切り用インサート41は、分岐部8を成形するキャビティ29の前記根元の最大幅の開口を塞ぐ平坦面を有し、かつ金型9に嵌着されて前後左右の側方の動きが規制されることを特徴とする成形品の製造方法。 【請求項2】 基部7と、該基部7より分岐し、基部7とは成形材料を異にして成形される分岐部8を有する成形品の製造方法であって、該成形品を成形する金型9のキャビティ27が基部7を成形するキャビティ28と、該キャビティ28に接続され、分岐部8を成形するキャビティ29を備え、基部7を成形するキャビティ28と分岐部8を成形するキャビティ29の接続部分には、成形材料の混入を防止する仕切り用インサート33が設けられる上記製造方法において、分岐部8を成形するキャビティ29は、基部7を成形するキャビティ28に接続される根元が該基部7を成形するキャビティ28に向って断面が次第に幅広に形成され、前記仕切り用インサート33は、分岐部8を成形するキャビティ29の前記根元の最大幅の開口を塞ぐ平坦面を有し、かつ前記仕切り用インサート33と接する金型と仕切り用インサートのいずれか一方に位置決め用のピン32が適当間隔で複数突設されると共に、他方に前記ピンが嵌合するピン嵌合孔34が複数形成されることを特徴とする成形品の製造方法。 【請求項3】 成形品が自動車用ウェザストリップであり、基部がトリム部7、分岐部が中空部8を構成することを特徴とする請求項1又は2記載の成形品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、異種成形材料によって形成される成形品の製造方法に関する。 本発明でいう異種成形材料とは、材料の種類を異にしたもの、カラーを異にしたもの、材料の種類とカラーの相方を異にしたものを含むものとする。 【背景技術】 【0002】 この種成形品の一つに自動車用ウェザストリップの型成形部がある。図1は、自動車車体のドア開口縁部に装着されるオープニングウェザストリップについて示すもので、押出成形部1と、該押出成形部1と一体に接続され、上記ドア開口縁部のコーナに装着される型成形部2よりなっている。図中、三角印は、塗り潰し部分の側が型成形部2、非塗り潰し部分の側が押出成形部1を示している。以下の図においても同様である。 【0003】 上述の押出成形部1は、略U形断面の芯金3を埋設したトリム部4と、該トリム部4の一側面に突出形成される中空シール部5よりなり、トリム部4は通常、硬質のゴム材料や熱可塑性エラストマー等の硬質材料により、また中空シール部5は軟質のゴム材料や熱可塑性エラストマー等の軟質材料及びスポンジ材によりそれぞれ形成され、黒色の中空シール部5に対し、トリム部4をカラーにしたものも知られる。 【0004】 型成形部2も図2に示すように、前記トリム部4及び中空シール部5に連続して一体形成されるトリム部7及び中空部8よりなり、トリム部7は硬質材料により、また中空部8は軟質材料により形成され、押出成形部1のトリム部4をカラーにした場合、型成形部2のトリム部7も同じカラーにしていた。このようにトリム部7と中空部8を異種材料で成形する場合、トリム部7を成形する金型と、成形したトリム部7をインサートして中空部8を成形する金型の二種類の金型が必要で、成形も二度必要であり、このため設備費が嵩み、工数も増えてコスト高となっていた。 【0005】 同じ金型内に二種類の成形材料を同時に射出して成形することも可能であるが、境界部で異種の成形材料が混ざり合い、強度の低下を来たしがちである。またカラーを異にする場合には、ことに見映えを悪くする。この問題に対処するため、下記特許文献1には、図3に示すように、オープニングウェザストリップの型成形部2を成形する金型9内のキャビティ11における異種成形材料の境界部に仕切りピース12をインサートしてキャビティ11を上述のトリム部4を成形するキャビティ11aと中空部8を成形するキャビティ11bに仕切り、各キャビティ11a及び11bにそれぞれ異種成形材料を射出して一方の成形材料が他方の成形材料のキャビティに流入するのを防止した型成形部2の製造方法が開示されている。図中、矢印は成形時に成形材料の流れる方向を示している。 【特許文献1】特開2002−67083号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 図3に示す従来の仕切りピース12を用いた成形品の製造方法には次のような問題があった。このことを図3のa部の拡大図である図4に基づいて説明すると、仕切りピース12と中空部8を成形する材料は異種成形材料で、両者を接続する接続部14の幅dは狭いため、接着強度が弱く、接続部14で剥離するおそれがあること、仕切りピース12は金型9とb部及びc部で接触するが、接触面積が少なく金型9への保持力が弱いため、成形材料の注入により仕切りピース12が前後左右に動き、ひいては外れて異種成形材料が混入するおそれがあること等である。 【0007】 本発明の目的は、金型のキャビティを仕切り用インサートで仕切って、仕切った各キャビティに異なった成形材料を射出する成形品の製造方法において、成形品の仕切り用インサートと成形品との接着強度を高めることができると共に、成形時に仕切り用インサートを金型にしっかりと位置決めして仕切り用インサートが動き、異種成形材料同志の混入を生ずることがないようにするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1に係わる発明は、基部と、該基部より分岐し、基部とは成形材料を異にして成形される分岐部を有する成形品の製造方法であって、該成形品を成形する金型のキャビティが基部を成形するキャビティと、該キャビティに接続され、分岐部を成形するキャビティを備え、基部を成形するキャビティと分岐部を成形するキャビティの接続部分には、成形材料の混入を防止する仕切り用インサートが設けられる上記製造方法において、分岐部を成形するキャビティは、基部を成形するキャビティに接続される根元が該基部を成形するキャビティに向って断面が次第に幅広に形成され、前記仕切り用インサートは、分岐部を成形するキャビティの前記根元の最大幅の開口を塞ぐ平坦面を有し、かつ金型に嵌着されて前後左右の側方の動きが規制されることを特徴とする。 【0009】 請求項2に係わる発明は、基部と、該基部より分岐し、基部とは成形材料を異にして成形される分岐部を有する成形品の製造方法であって、該成形品を成形する金型のキャビティが基部を成形するキャビティと、該キャビティに接続され、分岐部を成形するキャビティを備え、基部を成形するキャビティと分岐部を成形するキャビティの接続部分には、成形材料の混入を防止する仕切り用インサートが設けられる上記製造方法において、分岐部を成形するキャビティは、基部を成形するキャビティに接続される根元が該基部を成形するキャビティに向って断面が次第に幅広に形成され、前記仕切り用インサートは、分岐部を成形するキャビティの前記根元の最大幅の開口を塞ぐ平坦面を有し、かつ前記仕切り用インサートと接する金型と仕切り用インサートのいずれか一方に位置決め用のピンが適当間隔で複数突設されると共に、他方に前記ピンが嵌合するピン嵌合孔が複数形成されることを特徴とする。 【0010】 請求項3に係わる発明は、請求項1又は2に係わる発明において、成形品が自動車用ウェザストリップであり、基部がトリム部、分岐部が中空部を構成することを特徴とする。 【発明の効果】 【0011】 請求項1に係わる発明によると、成形品の分岐部の根元は基部に向って断面が次第に幅広となるように形成されて、その最大幅で仕切り用インサートに接続されるようになり、仕切り用インサートとの接触面積が増大するために接着力が増し、剥離を生じ難くすると共に、仕切り用インサートが金型に嵌着されて前後左右の動きが規制されることにより、成形時の仕切り用インサートの妄動を防ぎ、異種成形材料同志の混入を防ぐことができる。 【0012】 請求項2に係わる発明によると、請求項1に係わる発明と同様、分岐部と仕切り用インサートとの接着力を増すことができると共に、仕切り用インサートが幅広に形成されることにより、図3に示す従来の仕切り用ピース12では幅狭のため形成することができなかった位置決め用のピンを突設したり、該ピンが嵌合するピン嵌合孔を形成することが可能となり、位置決め用のピンやピン嵌合孔を形成することにより仕切り用インサートが金型にしっかりと位置決めされ、これにより成形時の仕切り用インサートの妄動を防ぎ、異種成形材料同志の混入を防ぐことができる。 【0013】 請求項3に係わる発明によると、ウェザストリップの成形時において、上述する請求項1又は2記載の発明の効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、本発明の実施形態の自動車用ウェザストリップの製造方法について図面により説明する。図中、図1及び図2に示すウェザストリップの構造と同一構造部分には同一符号を付した。 【0015】 図5は、図9に示すウェザストリップの型成形部30を成形する金型について示すもので、固定の下型21と、昇降により開閉する上型22と、両型21及び22間に介在するトリム型23、24と、中空部を形成する中芯型25と、左右に進退するスライド型26よりなり、各型21〜26によりキャビティ27が形成され、キャビティ27は、基部である略U形断面のトリム部を形成するキャビティ28と、該キャビティ28に接続され、分岐部である中空部を形成するキャビティ29を備え、該キャビティ29のキャビティ28に接続される根元は、キャビティ28に向って断面が次第に幅広に形成されている。そしてキャビティ29根元のキャビティ28への開口に対向するトリム型23には、図6及び図7に示すように、ピン台31と、該ピン台31より突出し、ピン台31と共に断面凸形をなす位置決め用のピン32が湾曲縁に沿って適当間隔ごとに複数取付けられ、該湾曲縁に図8に示す湾曲したプレート状の仕切り用インサート33が前記ピン32に各ピン嵌合孔34を嵌合して取付けられるようになっている。 【0016】 図示する例では、ピン32はトリム型23に取付けられ、ピン嵌合孔34は仕切り用インサート33に形成されているが、ピン32を仕切り用インサート33に取付け、ピン嵌合孔34をトリム型23に形成することもできる。またピン32はキャビティ28に面する中芯型25に取付けてもよい。 【0017】 以上のように、トリム型23に湾曲縁に沿って取り付けられた仕切り用インサート33は、図5に示すようにキャビティ29の根元の最大幅の開口を塞ぎ、これにより図示しないゲートから湯道36を通ってキャビティ28に注入されたゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーTPOよりなり、押出成形部1の着色された硬質のトリム部4と同色の成形材料と、同じく図示しない別のゲートから湯道37を通ってキャビティ29に注入された軟質のゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーTPOよりなる軟質の成形材料が混ざり合うのを阻止している。 【0018】 上述する仕切り用インサート33は、成形材料に例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーTPOが用いられる場合、同じオレフィン系熱可塑性エラストマーTPO、スチレン系エラストマーTPS、ポリプロピレンPP、ポリエチレンPE、ポリスチレンPS等の樹脂又は鉄、ステンレス、アルミ等の金属で形成され、成形材料が例えばEPDM等のゴムである場合、上述の金属で形成される。なお、仕切り用インサート33を金属製とする場合には、成形材料と融着しないため、接着面に接着剤が塗布される。 【0019】 図9は、図5に示す金型を用い、トリム型23に仕切り用インサート33を取付け、かつ金型に押出成形部1を取付けたのち、キャビティ27に成形材料を射出成形することにより得られた成形品であるウェザストリップの型成形部30を示すもので、仕切り用インサート33は図9のC−C線断面である図10及び同D−D線断面である図11に示すように、分岐部としての中空部8と接続され、基部である略U形断面をなすトリム4の一側壁を構成している。 【0020】 本実施形態のウェザストリップの型成形部の製造方法によれば、仕切り用インサート33と接続される中空部8の根元は仕切り用インサート33との接触面積が広いため接着力が増し、該部での剥離が生じ難くなること、仕切り用インサート33は幅広であるためピン嵌合孔34を形成できると共に、ピン嵌合孔34を形成しても強度が損なわれることがないこと、トリム型23のピン32にピン嵌合孔34を嵌着することにより仕切り用インサート33が位置決めされ、成形時に仕切り用インサート33が動くのを防いで固定状態に位置決めでき、異種の成形材料の混入を確実に阻止することができること等の効果を奏する。 【0021】 図12は、金型と仕切り用インサートの別の態様を示すもので、この金型が図5に示す金型と異なる点は、トリム型23に取付けたピン32を省いたことである。また仕切り用インサート41が前述の仕切り用インサート33と異なる点は、仕切り用インサート33より幅広に形成して、その一側縁をトリム型23と中心型25の間に挿入して位置決め支持し、他側縁をスライド型26で位置決めしたもので、前後端が押出成形部1に当ることにより、前後左右の動きが拘束されて一側縁で支持されている。 【0022】 図13は、図12に示す金型を用いて成形されたウェザストリップの型成形部の断面構造を示すもので、仕切り用インサート41はトリム部4の一側壁のほぼ全長にわたって設けられている。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明は、トリム部と中空部を備えたウェザストリップに限らず、異種の成形材料で形成された成形部よりなり成形品一般に適用される。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】押出成形部を切り欠いた従来のウェザストリップの要部の平面図 【図2】図1のA−A線断面図 【図3】従来の別のウェザストリップの型成形部を製造する金型の要部の断面図 【図4】図3に示す金型のa部の拡大断面図 【図5】本発明方法で用いる金型の要部の断面図 【図6】図5に示す金型のトリム型の要部の平面図 【図7】図6のB−B線拡大断面図 【図8】仕切り用インサートの平面図 【図9】本発明によって得られたウェザストリップの要部の平面図 【図10】図9のC−C線断面図 【図11】同D−D線断面図 【図12】別の態様の仕切り用インサートを取付けた金型の要部の断面図 【図13】図12に示す金型を用いて製造したウェザストリップの型成形部の断面図 【符号の説明】 【0025】 1・・押出成形部 2、30・・型成形部 3・・芯金 4、7・・トリム部 5・・中空シール部 8・・中空部 9・・金型 11、27、28、29・・キャビティ 12・・仕切ピース 21・・下型 22・・上型 23、24・・トリム型 25・・中芯型 26・・スライド型 31・・ピン台 32・・位置決め用のピン 33、41・・仕切り用インサート 34・・ピン嵌合孔 36、37・・湯道
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| 【出願人】 |
【識別番号】000196107 【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月25日(2006.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079636 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 晃一
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| 【公開番号】 |
特開2008−49603(P2008−49603A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−228810(P2006−228810) |
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