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【発明の名称】 シーリング剤注入装置
【発明者】 【氏名】竹田 裕二

【氏名】岩崎 眞一

【氏名】泉本 隆治

【氏名】杉生 大輔

【氏名】吉田 真樹

【氏名】山口 一郎

【要約】 【課題】シーリング剤を生成するための複数の液体を効率よく混合することの可能なシーリング剤注入装置を提供する。

【構成】液体混合部30では、第1液体L1が第1液体流路32を、第2液体L2が第2液体管26を経て、各々混合流路36へ流入される。混合流路36では、第1液体L1及び第2液体L2が螺旋流路部材38に沿ってジョイントホース66側へ流れる。このとき、第1液体L1及び第2液体L2は、螺旋流路部材38によって螺旋状に構成された流路を流れるので、うず流が発生され、うず流により攪拌されて第1液体L1と第2液体L2とが効率よく混合され、シーリング剤が生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンクした空気入りタイヤの内部にパンク穴を閉塞するためのシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置であって、
第1液体を収容し、前記第1液体を吐出する第1吐出口の形成された第1液剤容器と、
前記第1液体と混合されてシーリング剤を生成する第2液体を収容し、前記第2液体を吐出する第2吐出口の形成された第2液剤容器と、
前記第1液体を前記第1吐出口から吐出させると共に、前記第2液体を前記第2吐出口から吐出させる液剤供給手段と、
前記第1吐出口からの前記第1液体及び前記第2吐出口からの第2液体が流入され、前記前記第1液体及び前記第2液体を混合させる液体混合手段と、
前記液体混合手段により混合された前記第1液体及び前記第2液体を、前記空気入りタイヤへ供給する混合配管と、
を備えたシーリング剤注入装置。
【請求項2】
前記液体混合手段は、前記第1液体及び前記第2液体の流入側から前記混合配管側へ向かって螺旋状の流路を構成する螺旋流路部材、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。
【請求項3】
前記螺旋流路部材は、前記第1液体及び前記第2液体の進行方向に沿った回転軸を備え、前記回転軸を中心に回転可能とされていること、を特徴とする請求項2に記載のシーリング剤注入装置。
【請求項4】
前記液体混合手段は、前記第1液体が流入される第1流入ノズル及び前記第2液体が流入される第2流入ノズルを有し、前記第1流入ノズル及び前記第2流入ノズルが互いに交差する方向に向けられていること、を特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。
【請求項5】
前記液体混合手段は、前記第1液体が流通可能とされ、該第1液体の流路断面がスリット状とされた複数の第1チャネル、及び、前記第2液体が流通可能とされ、該第2液体の流路断面がスリット状とされた複数の第2チャネルが、前記第1液体及び前記第2液体の流通方向と交差する方向に沿って交互に配置されたチャネルユニット、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。
【請求項6】
前記液体混合手段は、流入された前記第1液体及び前記第2液体を通過させるメッシュ部材、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。
【請求項7】
前記液体混合手段は、合流後の前記第1液体及び前記第2液体を回転により攪拌する回転部材、を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、パンクした空気入りタイヤの内部にパンク穴を閉塞するためのシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、シーリング剤をタイヤの内部に注入してタイヤのパンク穴を補修すると共に、タイヤの内圧を所定の基準圧まで加圧(ポンプアップ)するタイヤのシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「タイヤシーリング装置」という。)が普及している。
【0003】
上記のようなタイヤシーリング装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に示されたタイヤシーリング装置は、液状のシーリング剤を収容した液剤容器と、加圧空気の供給源であるエアコンプレッサとを備えている。エアコンプレッサは、耐圧ホースを介して液剤容器のガス導入部に接続されている。また液剤容器にはシーリング剤を吐出するための出口バルブが設けられており、この出口バルブにはシーリング剤供給用の給液ホースの一端部が接続されている。このタイヤシーリング装置では、タイヤにパンクが発生すると、給液ホースの先端部をタイヤのタイヤバルブに接続した後、エアコンプレッサにより液剤容器内に圧縮空気を導入する。これにより、液剤容器内の空気圧が上昇し、この空気圧により出口バルブからシーリング剤が押し出され、シーリング剤が給液ホース及びタイヤバルブを通してタイヤの内部へ注入される。この後、所要量のシーリング剤がタイヤの内部へ注入されると、液剤容器内に供給された圧縮空気が出口バルブを通してタイヤの内部に供給され、タイヤを所定の内圧で膨張させる。
【特許文献1】特開2004−338158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のタイヤシーリング装置の液剤容器には、予め生成されたシーリング剤が収容されている。しかしながら、使用する直前に所定の液体を混合させてシーリング剤を生成し、生成されたシーリング剤を用いることが要求される場合がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、シーリング剤を生成するための複数の液体を効率よく混合することの可能なシーリング剤注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るシーリング剤注入装置は、パンクした空気入りタイヤの内部にパンク穴を閉塞するためのシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置であって、第1液体を収容し、前記第1液体を吐出する第1吐出口の形成された第1液剤容器と、前記第1液体と混合されてシーリング剤を生成する第2液体を収容し、前記第2液体を吐出する第2吐出口の形成された第2液剤容器と、前記第1液体を前記第1吐出口から吐出させると共に、前記第2液体を前記第2吐出口から吐出させる液剤供給手段と、前記第1吐出口からの前記第1液体及び前記第2吐出口からの第2液体が流入され、前記前記第1液体及び前記第2液体を混合させる液体混合手段と、前記液体混合手段により混合された前記第1液体及び前記第2液体を、前記空気入りタイヤへ供給する混合配管と、を備えている。
【0007】
本発明の請求項1に係るシーリング剤注入装置では、液体混合手段により第1液体と第2液体とが混合されるので、液体混合手段がない場合と比較して、第1液体と第2液体とを空気入りタイヤへの供給前に効率よく混合させることができる。
【0008】
本発明の請求項2に係るシーリング剤注入装置は、請求項1記載のシーリング剤注入装置において、前記液体混合手段が、前記第1液体及び前記第2液体の流入側から前記混合配管側へ向かって螺旋状の流路を構成する螺旋流路部材、を含んで構成されていること、を特徴とする。
【0009】
上記構成の液体混合手段によれば、第1液体と第2液体とが螺旋状の流路を通過することにより、うず流を発生させることができ、第1液体と第2液体とを攪拌させて効率よく混合することができる。
【0010】
なお、請求項2記載のシーリング剤注入装置は、請求項3に記載のように、前記螺旋流路部材が、前記第1液体及び前記第2液体の進行方向に沿った回転軸を備え、前記回転軸を中心に回転可能とされる構成とすることができる。
【0011】
ここでの螺旋流路部材の回転は、第1液体及び第2液体の流圧によって回転するものであっても、モータなどの駆動手段によって回転するものであってもよい。
【0012】
本発明の請求項4に係るシーリング剤注入装置は、前記液体混合手段が、前記第1液体が流入される第1流入ノズル及び前記第2液体が流入される第2流入ノズルを有し、前記第1流入ノズル及び前記第2流入ノズルが互いに交差する方向に向けられていること、を特徴としている。
【0013】
上記構成の液体混合手段によれば、第1液体と第2液体とが互いに交差する第1流入ノズル及び第2流入ノズルから流入されるので、乱流を発生させることができ、第1液体と第2液体とを攪拌させて効率よく混合することができる。
【0014】
本発明の請求項5に係るシーリング剤注入装置は、前記液体混合手段が、前記第1液体が流通可能とされ、該第1液体の流路断面がスリット状とされた複数の第1チャネル、及び、前記第2液体が流通可能とされ、該第2液体の流路断面がスリット状とされた複数の第2チャネルが、前記第1液体及び前記第2液体の流通方向と交差する方向に沿って交互に配置されたチャネルユニット、を含んで構成されていること、を特徴としている。
【0015】
上記構成の液体混合手段によれば、交互に配置された第1チャネルと第2チャネルとから第1液体と第2液体とが各々流出されるので、第1液体と第2液体とを効率よく混合することができる。
【0016】
本発明の請求項6に係るシーリング剤注入装置は、前記液体混合手段が、流入された前記第1液体及び前記第2液体を通過させるメッシュ部材、を含んで構成されていること、を特徴としている。
【0017】
上記構成の液体混合手段によれば、第1液体及び第2液体がメッシュ部材を通過することにより、第1液体と第2液体とを効率よく混合することができる。
【0018】
本発明の請求項7に係るシーリング剤注入装置は、前記液体混合手段が、合流後の前記第1液体及び前記第2液体を回転により攪拌する回転部材、を含んで構成されていること、を特徴としている。
【0019】
上記構成の液体混合手段によれば、回転部材により第1液体及び第2液体を攪拌して、効率よく第1液体及び第2液体を混合させることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明のシーリング剤注入装置によれば、シーリング剤を生成するための複数の液体を効率よく混合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るタイヤシーリング装置について説明する。
【0022】
図1には、本発明の実施形態に係るタイヤシーリング装置10が示されている。このタイヤシーリング装置10は、自動車等の車両に装着されたタイヤがパンクした際、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
【0023】
図1に示されるように、タイヤシーリング装置10は、その外殻部として箱状のケーシング12を備えており、ケーシング12内には、加圧空気の供給源としてエアコンプレッサ14が配置されている。またケーシング12内には、内部にシーリング剤を生成するための第1液体L1を収容する第1液剤容器20、及び、第1液体L1と混合してシーリング剤を生成するための第2液体L2を収容する第2液剤容器22が備えられている。第1液剤容器20及び第2液剤容器22には、圧縮空気を受け入れるためのエア受入口20A、22A、及び、収容した第1液体L1、第2液体L2を外部へ吐出するための吐出口20B、22Bが設けられている。
【0024】
エアコンプレッサ14には、外部へ向かって開口されたエア吸入口14A及びエア供給口14Bがそれぞれ形成されている。エアコンプレッサ14は、その作動時にエア吸入口14Aを通して装置外部から空気を吸引し、この空気を所定の圧縮比で加圧してエア供給口14Bを通して外部へ吐出する。ここで、エアコンプレッサ14は、大気圧の空気を0.5MPa〜1.0MPaの範囲で設定された圧力まで圧縮できる圧縮能力を有しており、タイヤの規定圧に応じてエア供給口14Bから供給する圧縮空気の最大圧が調整可能とされている。
【0025】
エア供給口14Bには、エア供給管16が接続されており、エア供給管16はエア分配弁18に接続されている。エア分配弁18には、第1液剤容器20のエア受入口20Aと接続される第1エア配管17A、第2液剤容器22のエア受入口22Aに接続される第2エア配管17B、後述する切換弁28に接続される第3エア供給管17Cが接続されている。エア分配弁18は、エアコンプレッサ14が発生させた圧縮空気を所定の分配率で分配して第1エア配管17A、第2エア配管17B、及び、第3エア配管17Cへ送出する。
【0026】
吐出口20B、22Bには、第1液体管24、第2液体管26が各々接続されており、第1液体管24、第2液体管26は、液体混合部30に接続されている。
【0027】
液体混合部30には、図2に示されるように、第1液体管24と接続されて第1液体L1が流入される第1液体流路32、第2液体管26と接続されて第2液体L2が流入される第2液体流路34、及び、混合流路36が形成されている。第1液体流路32と第2液体流路34とは、混合流路36で合流されている。
【0028】
混合流路36には、螺旋流路部材38が設けられている。螺旋流路部材38は、混合流路36の内径と同径の螺旋形状板部材が中心軸38Aに取り付けられ、混合流路36内に固定されており、混合流路36内に螺旋状の流路を構成する。
【0029】
図1に示すように、混合流路36の出口側には、切換弁28を介して第3エア供給管17Cと接続されたジョイントホース66が接続されている。ジョイントホース66混合流路36と接続された側と逆側には、空気入りタイヤ70のタイヤバルブ72にねじ止め可能とされたアタッチメント60が設けられている。
【0030】
またタイヤシーリング装置10には、ケーシング12の外側に起動/停止ボタン64を備えた操作パネル62が設けられている。操作パネル62は駆動・制御回路65を内蔵すると共に電源ケーブル(図示省略)を備えており、この電源ケーブルを、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両から駆動・制御回路65に電源が供給される。駆動・制御回路65は、起動/停止ボタン64に対する操作に応じてエアコンプレッサ14の駆動を制御する。
【0031】
次に、上記のようなタイヤシーリング装置10に用いられる第1液体L1及び第2液体L2について説明する。
【0032】
第1液体L1は、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)ラテックス及びSBRラテックスとNBRラテックスとの混合物のゴムラテックス等のゴムラテックスを含む水性溶液を主体としたもの、この水性溶液に水性分散剤又は水性乳剤の状態とされた樹脂系接着剤が添加されたものが使用される。
【0033】
更に、パンク穴に対するシール性を高めるために、ポリエステル、ポリプロピレン、ガラス等からなる繊維材料又はウィスカーや、炭酸カルシウム、カーボンブラック等からなる充填剤(フィラー)を混合しても良く、またシール性能を安定化するためにケイ酸塩やポリスチレン粒子を混合してもよい。またシーリング剤には、上記成分以外に、グリコール、エチレン−グリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、消泡剤、pH調整剤、乳化剤が一般に添加される。
【0034】
第2液体L2としては、上記のようにして構成された第1液体L1中に含有されるテックスの機械的安定性を低下させる凝集剤を使用する。ここで、機械的安定性とは、ラテックスに機械的なせん断力をかけたときの安定性であり、この安定性が低いものは小さなせん断力でラテックス粒子が凝集する。凝集剤としては、酸、水溶性有機溶媒、塩などを使用することができる。酸としては、酢酸、ギ酸などの有機酸;塩酸、硝酸、硫酸、炭酸、シュウ酸などの無機酸を用いることができる。水溶性有機溶媒としては、メタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、アセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等の水溶性の有機溶媒を用いることができる。塩としては、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム等の塩酸塩;重曹、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;硫酸塩;硝酸塩;等の無機物の塩を挙げることができる。また、酢酸塩、ギ酸塩、ヘキシルアミン塩等の有機物の塩を用いることもできる。
【0035】
次に、本実施形態に係るタイヤシーリング装置10を用いてパンクしたタイヤ70を修理する作業手順を説明する。
【0036】
タイヤ70にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、タイヤ70におけるタイヤバルブ72から逆止弁を構成するバルブコア(図示省略)を抜き取った後、このタイヤバルブ72にアダプタ60をねじ止めしてジョイントホース66をパンクしたタイヤ70へ接続する。
【0037】
次いで、作業者は、電源ケーブルを車両のシガレットライターのソケット等へ差し込んだ後、操作パネル62の起動/停止ボタン64を押下する。これに連動し、駆動・制御回路65は、エアコンプレッサ14を作動させる。これにより、エアコンプレッサ14により発生した圧縮空気がエア分配弁18により分配され、第1液剤容器20及び第2液剤容器22の内部へそれぞれ供給される。
【0038】
第1液剤容器20及び第2液剤容器22では、エアコンプレッサ14から供給される圧縮空気により第1液体L1及び第2液体L2の気層部分の気圧(静圧)が徐々に上昇し、この静圧がシーリング剤に作用する。これにより、第1液剤容器20内に収容された第1液体L1が第1液体管24を通して外部へ押し出されて液体混合部30へ流入されると共に、第2液剤容器22内に収容された第2液体L2が第2液体管26を通して外部へ押し出されて液体混合部30へ流入される。
【0039】
液体混合部30では、第1液体L1が第1液体流路32を、第2液体L2が第2液体管26を経て、各々混合流路36へ流入される。混合流路36では、第1液体L1及び第2液体L2が螺旋流路部材38に沿ってジョイントホース66側へ流れる。このとき、第1液体L1及び第2液体L2は、螺旋流路部材38によって螺旋状に構成された流路を流れるので、うず流が発生され、うず流により攪拌されて第1液体L1と第2液体L2とが効率よく混合され、シーリング剤が生成される。
【0040】
第1液体L1及び第2液体L2が混合されて生成されたシーリング剤は、ジョイントホース66を経てタイヤ70へ供給される。第1液剤容器20及び第2液剤容器22から、すべての第1液体L1及び第2液体L2が吐出された後、切換弁28が切り換えられて第3エア供給管17Cからタイヤ70へ圧縮空気が供給され、タイヤ70の内圧を所定値まで上昇させてタイヤ70を膨張させる。駆動・制御回路65は、タイヤ70の内圧が所定の基準圧に達しならば、エアコンプレッサ14の作動を自動的に停止する。
【0041】
作業者は、エアコンプレッサ14が停止したことを確認したならば、アダプタ60をタイヤバルブ72から取り外してジョイントホース66をタイヤ70から切り離す。作業者は、タイヤ70の膨張完了後、その内部へ注入したシーリング剤が硬化完了する前に、このタイヤ70を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ70内部に注入されたシーリング剤が拡散し、タイヤ70の少なくともトレッド部の内面部分へ均一に塗布された状態となる。このシーリング剤は、パンク穴へ達すると液体状態に徐々に戻ってパンク穴内へ浸透し、予備走行中にパンク穴を閉塞する。
【0042】
予備走行完了後に、作業者は、タイヤ70の内圧を点検し、必要に応じて再びジョイントホース66のアダプタ60をタイヤバルブ72にねじ止めし、タイヤシーリング装置10のエアコンプレッサ14のみを作動させてタイヤ70を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ70のパンク修理が完了し、ジョイントホース66をタイヤ70から取り外せば、このタイヤ70を用いて一定の距離以内において、一定の速度以下の速度での走行が可能になる。
【0043】
以上説明した本実施形態に係るタイヤシーリング装置10では、第1液体L1と第2液体L2が液体混合部30を通過する際にうず流が発生されるので、第1液体L1と第2液体L2が効率よく混合され、良好なシーリング剤を供給直前に生成することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、螺旋流路部材38は混合流路36内に固定されている例について説明したが、螺旋流路部材38の混合流路36長手方向に沿って配置される中心軸38Aを中心として、第1液体L1及び第2液体L2の流れによって、または、図示しないモータなどの駆動手段によって回転する構成とすることもできる。螺旋流路部材38の回転により、第1液体L1及び第2液体L2が攪拌されて、より効率よく2液を混合することができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、液体混合部30の構成以外は第1実施形態と同様であるため、液体混合部についての説明のみを行う。
【0046】
本実施形態の液体混合部40は、図3に示されるように、第1液体管24と接続されて第1液体L1が流入される第1ノズル42、第2液体管26と接続されて第2液体L2が流入される第2ノズル44、及び、混合流路46が形成されている。第1ノズル42と第2ノズル44とは、混合流路46側で互いに交差され、混合流路46内の異なる方向へ第1液体L1、第2液体L2を吐出させる。
【0047】
これにより、第1液剤容器20内に収容された第1液体L1が第1ノズル42から液体混合部40へ流入されると共に、第2液剤容器22内に収容された第2液体L2が第2ノズル44から液体混合部40へ流入される。
【0048】
本実施形態においては、各々異なる方向に向けられたノズルの先端から混合流路46へ第1液体L1、第2液体L2が吐出されるので、混合流路46内で乱流が発生され、この乱流により攪拌されて第1液体L1と第2液体L2とを効率よく混合することができ、良好なシーリング剤を供給直前に生成することができる。
【0049】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態でも、液体混合部30の構成以外は第1実施形態と同様であるため、液体混合部についての説明のみを行う。
【0050】
本実施形態の液体混合部50は、図4(A)に示されるように、ケーシング104を備える。ケーシング104には、その長手方向に沿った一端部(上流側端部)にエア受入口51及び液剤受入口52がそれぞれ開口すると共に、他端部(下流側端部)に混合液供給口53が開口している。ケーシング104内には、その上流側に下流側へ向って幅がテーパ状に広がる空間が形成されると共に、この空間をケーシング104の厚さ方向に沿って2個の小空間である第1液体受入部112と第2液体受入部114とに区画する仕切板106が配置されている。
【0051】
ケーシング104内には、第1液体受入部112及び第2液体受入部114の下流側にチャネルユニット部116が設けられると共に、第1液体受入部112及び第2液体受入部114とチャネルユニット部116との間を区画するようにノズルプレート118が配置されている。ノズルプレート118には、図4(B)に示されるように、その上端側に第1液体受入部112内に面するようにケーシング104の厚さ方向へ細長い複数個(本実施形態では、3個)の第1ノズル120が開口すると共に、その上端側に第2液体受入部114内に面するように厚さ方向へ細長い複数個(本実施形態では、2個)の第2ノズル122が開口している。
【0052】
チャネルユニット部116には、ノズルプレート118の下流側に複数枚(本実施形態では、4枚)の隔壁板124がケーシング104の長手方向へ延在するように設けられており、これらの隔壁板124は、ケーシング104の幅方向に沿って所定のピッチで配列されている。これにより、ケーシング104内におけるノズルプレート118の下流側の空間が、複数枚の隔壁板124により複数の小空間である第1液体チャネル126と第2液体チャネル128とに区画される。第1液体チャネル126及び第2液体チャネル128は、それぞれケーシング104の幅方向の幅が狭い薄板状の空間として形成されており、幅方向に沿って積層状態となるように交互に配置されている。
【0053】
ノズルプレート118における複数の第1液体ノズル120は第1液体受入部112を複数の第1液体チャネル126にそれぞれ連通させ、複数の第2液体ノズル122は第2液体受入部114を複数の第2液体チャネル128にそれぞれ連通させている。これにより、第1液体ノズル120内には、第1液体ノズル120を通して第1液体受入部112から供給された第1液体L1が混合液供給口53側へ向って流通し、第2液体ノズル122内には、第2液体ノズル122を通して第2液体受入部114から供給された第2液体L2が混合液供給口53側へ向って流通する。
【0054】
ケーシング104内には、図4(A)に示されるように、複数の第1液体チャネル126及び第2液体チャネル128の下流端からそれぞれ吐出された第1液体L1及び第2液体L2を混合液供給口53まで流通させるレデューサ部130が混合流路として設けられている。レデューサ部130は、第1液体チャネル126及び第2液体L2チャネル128の下流端から混合液供給口53へ向って断面積が徐々に減少するような絞り流路とされている。
【0055】
液体混合部50では、第1液体チャネル126及び第2液体チャネル128から吐出された第1液体L1及び第2液体L2がレデューサ部130内への吐出直後には、それぞれケーシング104の幅方向に薄い層流状態となって流通するので、第1液体L1及び第2液体L2の拡散混合が進行しやすく効率的に混合が行われる。
【0056】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態でも、液体混合部30の構成以外は第1実施形態と同様であるため、液体混合部についての説明のみを行う。
【0057】
本実施形態の液体混合部80には、図5に示されるように、第1液体管24と接続されて第1液体L1が流入される第1流路82、第2液体管26と接続されて第2液体L2が流入される第2流路84、及び、混合流路86が形成されている。第1流路82と第2流路84とは、混合流路86側で合流されている。混合流路86の上流側には、メッシュ部材88が混合流路86を閉止するように配設されている。このメッシュ部材88は第1液体L1及び第2液体L2が通過可能な目の粗さを有しており、具体的には、その目の粗さが5mesh〜400meshの範囲で適宜選択される。ここで、網目の目の粗さを表す単位である「mesh」とは、1インチ(約2.54cm)の間に何個の網目が開口しているかを表すものである。またメッシュ部材88としては、金属素線を編みこんだ編込み構造のものや、樹脂を網状に成形したもの、金属板にエッチング等により多数の目(開口)を形成したものなど所定の目の粗さを有しているものならば各種構造のものが使用可能である。またメッシュ部材88は、ステンレス合金、真鍮、銅合金、ニッケル合金等の金属材料や、ナイロン、テトロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂材料などを素材として成形可能であるが、第1液体L1、第2液体L2に対して十分な化学的な安定性及び機械的な耐久性を有している素材ならば、他のどのような素材によっても成形可能である。
【0058】
またメッシュ部材88は、必ずしも1枚の網状構造体により構成する必要はなく、第1液体L1と第2液体L2との混合効率を高めるために複数枚の網状構造体を積層して構成するようにしても良く、このとき、複数枚の網状構造体における目の粗さをそれぞれ異なるもの(例えば、目が粗いものから徐々に細かいもの)にしても良い。
【0059】
本実施形態においては、第1流路82へ第1液体L1が、第2流路84へ第2液体L2が流入され、各々のノズルの先端から混合流路86へ第1液体L1、第2液体L2が吐出される。そして、第1液体L1と第2液体L2とは、メッシュ部材88を通過してジョイントホース66側へ流出されるので、第1液体L1と第2液体L2とを効率よく混合することができ、良好なシーリング剤を供給直前に生成することができる。
【0060】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態でも、液体混合部30の構成以外は第1実施形態と同様であるため、液体混合部についての説明のみを行う。
【0061】
本実施形態の液体混合部90は、図6に示されるように、第1実施形態と同様の第1液体流路32、第2液体流路34、混合流路36を備えている。
【0062】
混合流路36には、螺旋流路部材38に変えて回転羽根39が設けられている。回転羽根39は、混合流路36の中心に沿って配置された中心軸39Bの軸方向に沿って複数組取り付けられている(図6では4組)。中心軸39Bは、図示しないモータにより回転駆動され、、各回転羽根39は中心軸39Bを中心に回転する。
【0063】
本実施形態における液体混合部90では、第1液体L1が第1液体流路32を、第2液体L2が第2液体管26を経て、各々混合流路36へ流入される。混合流路36では、第1液体L1及び第2液体L2が回転羽根39により攪拌されてジョイントホース66側へ流れる。この攪拌により第1液体L1と第2液体L2とが効率よく混合され、良好なシーリング剤を供給直前に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態に係るタイヤシーリング装置を示す構成図である。
【図2】第1実施形態に係る液体混合部の内部構造を示す断面図である。
【図3】第2実施形態に係る液体混合部の内部構造を示す断面図である。
【図4】第3実施形態に係る液体混合部の内部構造を示す断面図である。
【図5】第4実施形態に係る液体混合部の内部構造を示す断面図である。
【図6】第5実施形態に係る液体混合部の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 タイヤシーリング装置
14 エアコンプレッサ
20 第1液剤容器
20B 吐出口
22 第2液剤容器
30 液体混合部
32 第1液体流路
34 第2液体流路
36 混合流路
38A 中心軸
38 螺旋流路部材
39 回転羽根
39B 中心軸
40 液体混合部
42 第1ノズル
44 第2ノズル
46 混合流路
50 液体混合部
66 ジョイントホース
70 タイヤ
80 液体混合部
82 第1流路
84 第2流路
86 混合流路
88 メッシュ部材
90 液体混合部
116 チャネルユニット部
L1 第1液体
L2 第2液体
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−49598(P2008−49598A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−228574(P2006−228574)