| 【発明の名称】 |
射出成形金型 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 文昭
【氏名】伊藤 弘幸
【氏名】加藤 博之
【氏名】倉田 達彦
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| 【要約】 |
【課題】十分な機械的強度と厚みを有する防錆皮膜を備える希土類ボンド磁石を製造することができる。
【構成】金型1の成形空間S内へ向けて進退可能に設けられ、進出状態で成形空間S内に挿置された希土類ボンド磁石4を当該成形空間Sの底面Bfから所定量浮かした状態で支持する支持アーム21,22と、樹脂材Mを成形空間S内へ送給する主ランナー31から分岐させられた副ランナー32と、副ランナー32に侵入した樹脂材Mによって作動させられて、支持アーム21,22を上記進出状態から成形空間S外へ後退移動させる駆動アーム61とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金型の成形空間内へ向けて進退可能に設けられ、進出状態で前記成形空間内に挿置されたインサート材を当該成形空間の底面から所定量浮かした状態で支持する支持部材と、射出材を前記成形空間内へ送給する主ランナーから分岐させられた副ランナーと、副ランナーに侵入した前記射出材によって作動させられて、前記支持部材を前記進出状態から前記成形空間外へ後退移動させる駆動手段とを備える射出成形金型。 【請求項2】 前記インサート材は希土類ボンド磁石であり、前記射出材は耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂材である請求項1に記載の射出成形金型。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は射出成形金型に関し、特に、磁石表面に防錆皮膜を施した希土類ボンド磁石の製造に適した射出成形金型に関する。 【背景技術】 【0002】 NdFeB系やSmFeN系の希土類ボンド磁石はその優れた磁気性能によって情報機器用モータに多用されてきた。ところで、これらのボンド磁石はいずれも成分元素に純鉄を含むため、使用する環境下で腐食するという弱点を有しており、そこで、優れた磁気性能を長期にわたり発揮させるために、エポキシ系カチオン電着塗装や吹付け塗装あるいは電解ニッケルメッキ等によって磁石表面に防錆皮膜を形成している。なお、特許文献1には希土類ボンド磁石のカチオン電着塗装方法が開示されている。 【特許文献1】特開2002−226998 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかし、上記従来の電着塗装や電解メッキでは防錆皮膜の膜厚がある値まで到達すると析出速度が急に低下してしまい30μm〜50μmが膜厚の限界であるとともに、膜材質として十分な耐磨耗性のあるものが使用できないため、外部からの損傷に耐えることができず、磁石が外気に暴露して腐食するおそれがあるという問題があった。 【0004】 そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、十分な機械的強度を有する防錆皮膜を備えた希土類ボンド磁石を製造することができる射出成形金型を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記目的を達成するために、本発明では、金型(1)の成形空間(S)内へ向けて進退可能に設けられ、進出状態で成形空間(S)内に挿置されたインサート材(4)を当該成形空間(S)の底面(Bf)から所定量浮かした状態で支持する支持部材(21,22)と、射出材(M)を成形空間(S)内へ送給する主ランナー(31)から分岐させられた副ランナー(32)と、副ランナー(32)に侵入した射出材(M)によって作動させられて、支持部材(21,22)を上記進出状態から成形空間(S)外へ後退移動させる駆動手段(61)とを備える。 【0006】 本発明において、支持部材によってインサート材を支持して、当該インサート材を成形空間の底面から所定量浮かした状態で射出材を供給すると、射出材はインサート材の下方にも供給される。射出材は主ランナーから副ランナーに侵入して駆動手段を作動させ、これにより、射出材が至る前に支持部材は成形空間外へ後退移動させられる。そして、インサート材の下方に供給された射出材によって、インサート材はその下方を含む周囲に十分な厚さの射出材皮膜が形成される。ここで、上記インサート材を希土類ボンド磁石とし、上記射出材として耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂材を使用すれば、十分な機械的強度を有しピンホールの無い十分に厚い防錆皮膜を備えた希土類ボンド磁石を得ることができる。 【発明の効果】 【0007】 以上のように、本発明の射出成形金型によれば、十分な機械的強度を有する防錆皮膜を備えた希土類ボンド磁石を製造することが可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 図1に本発明の射出成形金型の概略断面図を示す。金型1は互いに衝合される上型11と下型12で構成されており、下型12上面(衝合面)に凹陥形成された複数のキャビティ13(図は二箇所のみ示す)は上型11により閉鎖されて、密閉された成形空間Sが形成されている。本実施形態では成形空間Sは下方を向く略C字断面となっており、成形空間Sの中間部S1にはその底面Bfを貫通して空間S内へ下方から一対の支持アーム21,22が突出している。各成形空間Sには上型11内に形成された主ランナー31が連通して、各成形空間Sに射出材Mが供給されるようになっている。 【0009】 射出材Mが供給されるのに先立って、図1の左半部に示すように、支持アーム21,22の先端(上端)にインサート材としての所定厚の板状ボンド磁石4を支持させておく。すなわち、NdFeB系あるいはSmFeN系の上記希土類ボンド磁石4の下面には二箇所に凹部41が形成され、これら凹部41を支持アーム21,22の先端に嵌着させて、成形空間中間部S1の底面Bfから所定量浮いた状態でボンド磁石4が支持されている。これにより、ボンド磁石4の周囲には下方も含めて十分な間隙が形成される。 【0010】 支持アーム21,22の下端は下型12内の空間に配設された基板23上に固定されている。基板23はその下面を、エアシリンダ51から延びるロッド52により支持されており、エアシリンダ51に付設された電磁弁53の切替作動によってロッド52が伸長すると(図1の左半部)基板23およびこれに固定された支持アーム21,22が上昇する。一方、ロッド52が短縮すると(図1の右半部)基板23およびこれに固定された支持アーム21,22は下降する。下降状態では支持アーム21,22の上端は成形空間S外へ退出する。 【0011】 下型12内には駆動アーム61が上下動可能に配設されている。駆動アーム61の上端は、上型11と下型12の衝合部に形成された圧力室Spに臨んでおり、この圧力室Spには上記主ランナー31から分岐した相対的に小口径の副ランナー32が至っている。副ランナー32には途中に絞り部(図示略)が設けられてその開口径が調整可能となっている。駆動アーム61の下端は下型12内に形成された空間Sa内に位置し、その傾斜面611が、当該空間Sa内に突出するリレースイッチ7の検出突起71の傾斜面711に接している。リレースイッチ7は検出突起71が押し込まれることで作動して、その出力信号が上記電磁弁53に入力している。 【0012】 このような構造の射出成形金型において、支持アーム21,22上にボンド磁石4を支持させた状態で上下の金型11,12を衝合し、射出材Mとして例えばポリアセタール、ナイロン6,ナイロン12,ナイロン66,PTFE,PPS,PEEK等の耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂材を主ランナー31の基端開口から注入すると、樹脂材Mは主ランナー31を経て各成形空間S内へ供給される。供給された樹脂材Mはボンド磁石4の上方に形成された間隙を経て成形空間Sの主要部分を満たし、さらに図2に示すようにボンド磁石4の下方に形成された間隙内に侵入する。この間に、一定の時間差を有して樹脂材Mは副ランナー32を経て圧力室Spに至り、駆動アーム61を押し下げてリレースイッチ7の検出突起71を押し込む。なお、駆動アーム61が押し下げられるタイミングは、副ランナー32に設けた絞り部等を調整することによって最適に設定される。 【0013】 検出突起71が押し込まれると、リレースイッチ7の出力信号で電磁弁53が作動してエアシリンダ51のロッド52が短縮作動させられ、図2に示すように、樹脂材Mがボンド磁石4下方の間隙に侵入し始めかつ未だ支持アーム21,22部分には至らない間に支持アーム21,22が下降させられる。このような動作によって、ボンド磁石4の下方にも十分な厚さで樹脂皮膜が形成される。 【0014】 以上のような射出成形金型1を使用すると、ボンド磁石4を、十分な厚さの耐摩耗性の防錆樹脂皮膜で覆うことができる。その効果の一例を表1に示す。各実施例および比較例は、直径13mm、厚さ10mmのNdFeB系円板ボンド磁石に対して防錆皮膜の形成を行ったものである。また、表1中、「水中浸漬」は20℃の水道水に168時間浸漬後に発錆の有無を目視確認したもの、「高温高湿テスト」は温度60℃、湿度90%の雰囲気中に168時間置いた後の発錆の有無を目視確認したものである。 【0015】 実施例1では上記ボンド磁石に本発明の射出成形金型を使用して、最薄部でも500μm以上のポリアセタール皮膜を形成したものである。これによると、20ロットについて「水中浸漬」あるいは「高温高湿テスト」を行っても、発錆は確認できなかった。また、実施例2は本発明の射出成形金型を使用して、上記ボンド磁石に最薄部でも600μm以上のPPS皮膜を形成したものである。この場合も、20ロットについて「水中浸漬」あるいは「高温高湿テスト」を行い、いずれも発錆は確認できなかった。 【0016】 比較例1のようにエポキシカチオン電着塗装で30μm厚程度の防錆皮膜で上記ボンド磁石を覆った場合には、「水中浸漬」で20ロット中5ロットに、「高温高湿テスト」では20ロット中4ロットに発錆が確認された。また、比較例2のようにエポキシ吹付け塗装で28μm厚程度の防錆皮膜で上記ボンド磁石を覆った場合には、「水中浸漬」で20ロット中11ロットに、「高温高湿テスト」では20ロット中12ロットに発錆が確認された。なお、本発明の射出成形金型はボンド磁石の被覆以外にも適用できることはもちろんである。 【0017】
【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本発明の一実施形態を示す、射出成形金型の概略断面図である。 【図2】射出成形中の射出成形金型の要部拡大断面図である。 【符号の説明】 【0019】 1…金型、21,22…支持アーム(支持部材)、31…主ランナー、32…副ランナー、4…希土類ボンド磁石(インサート材)、51…エアシリンダー、52…ロッド、61…駆動アーム(駆動手段)、7…リレースイッチ、Bf…底面、M…樹脂材(射出材)、S…成形空間。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595181210 【氏名又は名称】株式会社ダイドー電子 【識別番号】505200138 【氏名又は名称】株式会社FINE PLUS
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| 【出願日】 |
平成18年8月24日(2006.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107700 【弁理士】 【氏名又は名称】守田 賢一
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| 【公開番号】 |
特開2008−49592(P2008−49592A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−228322(P2006−228322) |
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