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【発明の名称】 樹脂成形装置および樹脂成形方法
【発明者】 【氏名】土山 隆治

【氏名】星野 正美

【氏名】平川 貴康

【氏名】吉田 健太郎

【要約】 【課題】複雑な駆動機構、制御機構が不要で、構造が小型かつ簡単で、樹脂成形サイクルタイムが短く、生産性の高い樹脂成形装置を提供することにある。

【構成】接合面間に樹脂成形品60を成形し、前記接合面に嵌合溝33,21cを設けた上型30および下型20と、前記嵌合溝に嵌合し、前記樹脂成形品60と交差する位置に切り欠き部42aを形成した成形品取出用シャフト42と、前記嵌合溝33,21cを形成した前記上型30および下型20に前記シャフト42を突き出し可能に配置されたピン27,28とからなる。前記嵌合溝33,21cから前記シャフト42を前記ピン27,28で突き出し、型開きした前記上型30および下型20の接合面から前記樹脂成形品60を分離する。前記シャフト42を軸心方向にスライド移動し、前記上型30および前記下型20の間から外部に前記樹脂成形品60を搬送する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型締めして接合した接合面間で樹脂成形品を成形するとともに、前記接合面の少なくとも片面に嵌合溝を設けた上型および下型と、前記嵌合溝に嵌合するとともに、前記樹脂成形品と交差する位置に係合部を形成した成形品取出用シャフトと、前記嵌合溝から前記成形品取出用シャフトを突き出し可能に配置したシャフトエジェクタピンとからなり、前記嵌合溝から前記成形品取出用シャフトを前記シャフトエジェクタピンで突き出し、型開きした前記上型および下型の接合面から前記樹脂成形品を分離するとともに、前記成形品取出用シャフトを軸心方向にスライド移動させ、前記上型および前記下型の間から外部に前記樹脂成形品を搬送することを特徴とする樹脂成形装置。
【請求項2】
シャフトエジェクタピンの少なくとも1本の自由端部に設けた貫通孔に、成形品取出用シャフトをスライド移動可能に挿通したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
シャフトエジェクタピンの少なくとも1本の自由端部に設けた係合受け部に、成形品取出用シャフトをスライド移動可能に係合したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
成形品取出用シャフトのうち、ランナと交差する位置に係合部を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項5】
成形品取出用シャフトに形成した係合部が、前記シャフトの表面を切り欠いて形成したスリットであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項6】
成形品取出用シャフトに形成した係合部が、前記シャフトの表面に突設した係合爪部であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項7】
成形品取出用シャフトに形成した係合部が、前記シャフトの表面に形成した係合凹部であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項8】
上型および下型を型締めして接合した接合面間で樹脂成形品を成形するとともに、前記接合面の少なくとも片面に設けた嵌合溝に、前記樹脂成形品と交差する位置に係合部を形成した成形品取出用シャフトを嵌合し、ついで、型開きした上型および下型の接合面間に、前記成形品取出用シャフトを前記嵌合溝からシャフトエジェクタピンで突き出し、型開きした前記接合面から前記樹脂成形品を分離した後、前記成形品取出用シャフトを軸心方向にスライド移動し、前記上型および前記下型の間から外部に前記樹脂成形品を搬送することを特徴とする樹脂成形方法。
【請求項9】
上型および下型の間から外部に樹脂成形品を搬送し、前記樹脂成形品を前記成形品取出用シャフトから分離した後、前記成形品取出用シャフトを、上型および下型を型閉め動作を行うと同時にスライド移動させて元の位置に復帰させることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂成形装置、特に、樹脂成形品の取り出し装置の構造が簡単で、生産性が高い小型の樹脂成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形装置の金型から樹脂成形品を取り出す方法としては、例えば、成形品取り出しロボットを使用する方法がある。
すなわち、前記成形品取り出しロボット4はハンド84を備えたアーム83を有している。そして、樹脂成形が完了して上下金型が開いた時に、前記上下金型間に前記アーム84が進出し、前記ハンド83が樹脂成形品を掴んで上下金型間から取り出していた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−084790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の樹脂成形装置では、樹脂成形品を取り出すために樹脂成形品取り出しロボットを必要とするので、複雑な駆動機構、制御機構が必要である。また、上下金型間にロボットのアームが進出できるスペースが必要であるので、樹脂成形装置が複雑化、大型化する。さらに、前記ロボットを操作,制御している間は上下金型を開いておく必要があるので、樹脂成形サイクルタイムが長く、生産性が低いという問題点がある。
【0004】
本発明は、前記問題点に鑑み、複雑な駆動機構、制御機構が不要で、装置が簡単かつ小型であるとともに、樹脂成形サイクルタイムが短く、生産性が高い樹脂成形装置および樹脂成形方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる樹脂成形装置は、前記課題を解決すべく、型締めして接合した接合面間で樹脂成形品を成形するとともに、前記接合面の少なくとも片面に嵌合溝を設けた上型および下型と、前記嵌合溝に嵌合するとともに、前記樹脂成形品と交差する位置に係合部を形成した成形品取出用シャフトと、前記嵌合溝から前記成形品取出用シャフトを突き出し可能に配置したシャフトエジェクタピンとからなり、前記嵌合溝から前記成形品取出用シャフトを前記シャフトエジェクタピンで突き出し、型開きした前記上型および下型の接合面から前記樹脂成形品を分離するとともに、前記成形品取出用シャフトを軸心方向にスライド移動させ、前記上型および前記下型の間から外部に前記樹脂成形品を搬送する構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来例のような型開きした上型および下型の接合面間に挿入するロボットアームを必要としないので、複雑な駆動機構、制御機構を必要とせず、簡単かつ小型の樹脂成形装置が得られる。また、ロボットアームを出し入れする時間が不要であるとともに、ロボットアームを挿入するための大きな作業スペースを必要としないので、型開き時間を短くでき、樹脂成形サイクルタイムが短くなり、生産性の高い樹脂成形装置が得られる。
【0007】
本発明にかかる実施形態としては、シャフトエジェクタピンの少なくとも1本の自由端部に設けた貫通孔に、成形品取出用シャフトをスライド移動可能に挿通してもよい。また、シャフトエジェクタピンの少なくとも1本の自由端部に設けた係合受け部に、成形品取出用シャフトをスライド移動可能に係合してもよい。
本実施形態によれば、シャフトエジェクタピンの自由端部に設けた貫通孔、あるいは、係合受け部を介してシャフトが確実かつ迅速にスライド移動し、樹脂成形品を外部に搬送できる。このため、従来例のようなロボットアームを必要とせず、簡単かつ小型で、生産性の高い樹脂成形装置が得られる。
【0008】
本発明にかかる他の実施形態としては、成形品取出用シャフトのうち、ランナと交差する位置に係合部を形成してもよい。成形品取出用シャフトに形成する係合部としては、前記シャフトの表面を切り欠いて形成したスリット、前記シャフトの表面に突設した係合爪部、あるいは、係合凹部であってもよい。
本実施形態によれば、成形品取出用シャフトに設けた係合部を介して樹脂成形品を迅速かつ確実に搬送でき、信頼性,生産性が向上する。特に、係合部がスリット、係合爪部あるいは係合凹部であってもよいので、成形品の形状、取り数、配置等に合わせて自由に選択することが可能となり、選択の自由が広がって汎用性の高い樹脂成形装置が得られる。
【0009】
本発明にかかる樹脂成形方法は、前記課題を解決すべく、上型および下型を型締めして接合した接合面間で樹脂成形品を成形するとともに、前記接合面の少なくとも片面に設けた嵌合溝に、前記樹脂成形品と交差する位置に係合部を形成した成形品取出用シャフトを嵌合し、ついで、型開きした上型および下型の接合面間に、前記成形品取出用シャフトを前記嵌合溝からシャフトエジェクタピンで突き出し、型開きした前記接合面から前記樹脂成形品を分離した後、前記成形品取出用シャフトを軸心方向にスライド移動し、前記上型および前記下型の間から外部に前記樹脂成形品を搬送する工程からなるものである。
【0010】
本発明によれば、上型および下型の型開き後にロボットアームを挿入する必要がないので、複雑な駆動機構、制御機構を必要とせず、簡単かつ小型の樹脂成形装置で処理できる。また、ロボットアームを出し入れする時間が不要であるとともに、ロボットアームを挿入するための大きな作業スペースを必要としないので、型開き時間、ひいては、樹脂成形サイクルタイムを短縮でき、生産性の高い樹脂成形方法が得られる。
【0011】
本発明にかかる実施形態としては、上型および下型の間から外部に樹脂成形品を搬送し、前記樹脂成形品を前記成形品取出用シャフトから分離した後、前記成形品取出用シャフトを、上型および下型を型閉め動作を行うと同時にスライド移動させて元の位置に復帰させる工程であってもよい。
本実施形態によれば、型閉めと同時に、成形品取出用シャフトを元の位置に復帰させるので、より一層樹脂成形タイムを短縮できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図20の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係る樹脂成形装置10は、図1ないし図17に示すように、4本のタイバー11に囲まれるように配置した下型20と、前記タイバー11を介して上下動可能に支持された可動プラテン12の下面に、前記下型20に対向するように配置した上型30と、で構成されている。前記可動プラテン12の上方には射出ノズル13を備えた射出シリンダ14が配置されている。また、前記樹脂成形装置10は、図2に示すように、前記下型20を間にして同一直線上に配置したシャフト駆動装置41と成形品載置台50とからなる成形品取り出し装置40を有している。なお、シャフト駆動装置41は、上流側である下型20の右側に設けているが、成形品載置台50の左側、すなわち、下流側に設けることも可能である。
【0013】
前記下型20は、図2および図15ないし図17に示すように、その下金型21の上面にキャビティ21a,ランナ21bが形成されているとともに、後述する成形品取出用シャフト42が嵌合する嵌合溝21cが形成されている。そして、後述するシャフトエジェクタピン27,28の上端部が前記嵌合溝21cから突出するように配置されている。
【0014】
さらに、前記下型20は、図15に示すように、下金型21とベースプレート22との間に設けたガイドロッド23を介して第1,第2エジェクタプレート24,25を上下動可能に配置してある。2枚の板状材からなる前記第1エジェクタプレート24には成形品エジェクタピン26の下端部が支持されている。また、2枚の板状材からなる前記第2エジェクタプレート25にはシャフトエジェクタピン27の下端部が支持されている。そして、前記成形品エジェクタピン26およびシャフトエジェクタピン27は、前記下金型21内を上下にスライド移動可能にそれぞれ挿通され、上端部が下金型21からそれぞれ突出可能となっている。さらに、下端部を前記第2エジェクタプレート25に固定したストッパーボルト29は、その中央部を前記第1エジェクタプレート24にスライド可能に挿通するとともに、その上端部を鍔形状として第1エジェクタプレート24を抜け止めしている。そして、前記ストッパーボルト29に挿通したコイルスプリング29aのバネ力で第1エジェクタプレート24は上方に付勢されている。また、エジェクタシリンダ22aが第2エジェクタプレート25を上方に押し上げ可能に配置されている。
【0015】
前記上型30は、図17に示すように、その下面にキャビティ31およびランナ32が形成されているとともに、後述する成形品取出用シャフト42に嵌合する嵌合溝33、および、シャフトエジェクタピン27の上端部に対応する逃がし用凹部34がそれぞれ形成されている。
【0016】
前記成形品取り出し装置40のシャフト駆動装置41は、図1に示すように、成形品取出用シャフト42を軸心方向に往復移動するように駆動する。このため、取り付けプレート43上で両端部を水平に支持されたガイド軸44に、スライド台45をスライド移動可能に組み付けるとともに、前記スライド台45に断面略L字形の支持台46を固定してある。そして、前記支持台46の内側面に沿って上下方向にスライド移動可能なスライドブロック47に、成形品取出用シャフト42の一端部が固定されている。
【0017】
前記成形品取出用シャフト42は自由端部が前記下型20の嵌合溝21c溝に沿ってスライド移動可能に組み付けられている。特に、図2において、前記下金型21に組み付けられたシャフトエジェクタピン27,28のうち、シャフト駆動装置41側に位置するシャフトエジェクタピン27の貫通孔27aに前記成形品取出用シャフト42がスライド可能に挿通されている(図8)。一方、成形品載置台50側に位置するシャフトエジェクタピン28の上端部に前記成形品取出用シャフト42がスライド移動可能に支持されている(図10)。また、前記成形品取出用シャフト42は、その上面の一部に脱落防止用スリット42aを設けてある(図8)。
【0018】
成形品載置台50は、図1に示すように、成形品取出用シャフト42から樹脂成形品60を分離して保持するためのものである。このため、上下動可能に支持された支持プレート51の上面両側縁部に沿って支持台52を平行に立設するとともに、前記支持台52の上端面に複数の位置決めピン53が所定のピッチで突設されている。
【0019】
次に、前述の構成からなる樹脂成形装置の成形工程について説明する。
まず、可動プラテン12を図示しない駆動機構を介してタイバー11に沿って下降させ、嵌合溝21c,33に成形品取出用シャフト42を嵌合するとともに、上型30と下型20とを型閉めする。そして、射出シリンダ14の射出ノズル13を可動プラテン12の樹脂注入口(図示せず)に接続した後、ランナ32を介してキャビティ21a,31内に樹脂を充填し、キャビティ部61およびランナ部62からなる樹脂成形品60を成形する(図3,図9,図15)。
【0020】
ついで、可動プラテン12および射出シリンダ14を同時に上昇させた後、エジェクタシリンダ22aを駆動し、第1エジェクタプレート24、および、第2エジェクタプレート25を上昇させるとともに、成形品取り出し装置40のスライドブロック47をも上昇させる。そして、上型30の型開量が所定の高さに到達すると、第1エジェクタプレート24が下金型21の下面に当接し、第1エジェクタプレート24の移動が停止する(図16)。なお、前記工程において、可動プラテン12および射出シリンダ14が上昇した時点では、ランナ21bが図示しないアンダーカット形状を有しているため、樹脂成形品60は下金型21に残っている。そして、第1エジェクタプレート24、および、第2エジェクタプレート25が上昇した時点で、樹脂成形品60は下金型21から離間する。
【0021】
さらに、可動プラテン12および射出シリンダ14が上昇して上型30が開くと、エジェクタシリンダ22aも第2エジェクタプレート25を押し上げる。このため、第2エジェクタプレート25が第1エジェクタプレート24に当接するまで上昇し、第2エジェクタプレート25に固定したシャフトエジェクタピン27だけが上昇するので、成形品エジェクタピン26から樹脂成形品60を引き離す。従って、成形品エジェクタピン26から樹脂成形品60が完全に分離する(図4,図10,図14,図17)。このように成形品エジェクタピン26と樹脂成形品60とは相互に引き離された状態にあるので、樹脂成形品60を外部に搬送する際に干渉することがない。
【0022】
そして、シャフト駆動装置41の図示しない駆動用エアシリンダを駆動してスライド台45をガイド軸44に沿ってスライド移動させる。これにより、前記シャフトエジェクタピン27に支持されている成形品取出用シャフト42が軸心方向にスライド移動し、樹脂成形品60を成形品載置台50まで搬送して位置決めする。
【0023】
本実施形態では、成形品取出用シャフト42の上面に設けたスリット42aに樹脂材が侵入して固化しているので、成形品取出用シャフト42が軸心方向にスライド移動する時に、樹脂成形品60の脱落を防止するという利点がある。前記スリット42aは、上型30から樹脂成形品60を分離するとともに、樹脂成形品60の脱落を防止できる形状であればよく、例えば、断面末広がりのスリットであってもよい。
【0024】
さらに、エジェクタシリンダ22aを下降させることにより、成形品エジェクタピン26およびシャフトエジェクタピン27を引き込むとともに、支持台46に沿ってスライドブロック47を下降させ、成形品取出用シャフト42を嵌合溝21cに嵌合する。これにより、成形品載置台50の位置決めピン53間に樹脂成形品60のランナ部62を係止するとともに、樹脂成形品60を前記成形品取出用シャフト42から引き離し、成形品載置台50の支持台52に樹脂成形品60を載置する(図11,図12,図13)。
【0025】
ついで、シャフト駆動装置41のエアシリンダを駆動してスライド台45をガイド軸44に沿って引き戻すことにより、嵌合溝21cに沿って成形品取出用シャフト42を元の位置に復帰させ、可動プラテン12および射出シリンダ14を下降させることにより、上型30および下型20の型閉めを行い、前述と同様な成形作業をおこなう。
【0026】
また、別の動作形態として可動プラテン12および射出シリンダ14の下降とほぼ同時に成形品取出用シャフト42を引き戻してもよい。このように、可動プラテン12を下降させながら、成形品取出用シャフト42の復帰動作を同時に行うことにより、更なる樹脂成形タイムの短縮が可能となる。これは、型閉めで接合する接合面に成形品取出用シャフト42が嵌合する嵌合溝21cを設けることにより、成形品取出用シャフト42を正確に位置決めできるためである。
【0027】
本実施形態によれば、成形品取出用シャフト42が上型30および下型20の間を往復移動して樹脂成形品60を搬送する。このため、従来例のようなロボットアームを必要とせず、装置が簡単かつ小型となるとともに、生産性が向上するという利点がある。
【0028】
第2実施形態は、図18ないし図20に示すように、トランスファー樹脂成形装置に適用した場合である。
すなわち、前記トランスファー樹脂成形装置は、上下動可能に支持された下型70と、固定支持され、かつ、前記下型70に対向するように配置された上型80と、で構成されている。
【0029】
前記下型70は、樹脂封止する基板90を載置する下キャビティバー71の中央にタブレット(図示せず)を収納できるポット72を形成するとともに、前記タブレットをプランジャチップ73で加圧,溶融できるようになっている。
【0030】
前記上型80は、下面に設けた上キャビティバー81の下面のうち、前記ポットに対応する位置にカル82を設けてある。また、前記カル82に連通するランナ83を介してキャビティ84が形成されている。さらに、上型80には複数のシャフトエジェクタピン85がスライド移動可能に挿通されている。そして、前記シャフトエジェクタピン85の下端部には、前記上型80の下面に沿ってスライド移動可能に支持された断面異形の成形品取出用シャフト86が組み付けられている。前記成形品取出用シャフト86は前記ランナ83と交差する位置に係合凹部86aを設けてある(図18B)。
【0031】
次に、第2実施形態にかかるトランスファー樹脂成形装置の作業工程を説明する。
すなわち、樹脂封止する電子部品91を実装した基板90を下型70の下キャビティバー71に位置決めするとともに、ポット72にタブレット(図示せず)を収納する。そして、上型80および下型70を型閉めすることにより、下キャビティバー71と上キャビティバー81とで前記基板90を挟持する。ついで、ポット72内に収納したタブレットをプランジャチップ73で加熱,加圧して溶融し、カル82からランナ83を介してキャビティ84に充填する(図18A)。このため、前記成形品取出用シャフト86に設けた係合凹部86aが樹脂成形品92のランナ部93と係合するとともに、基板90に実装した電子部品91が樹脂成形品92のキャビティ部94内に封止される(図19)。
【0032】
ついで、図19に示すように、下型70が下降して型開きを行うと、シャフトエジェクタピン85が追従して下降する。更に、下型70が所定の位置を越えて下降すると、シャフトエジェクタピン85の下降が停止し、下型70から基板90と一体な樹脂成形品92が分離する。この場合、樹脂成形品92のランナ部93に成形品取出用シャフト86の係合凹部86aが係合しているので、樹脂封止された基板90が脱落することはない。
【0033】
さらに、第1実施形態と同様、成形品取出用シャフト86を図示しないシャフト駆動装置を介して図20の紙面に対して垂直方向の奥側にスライド移動させ、樹脂封止した基板90を上下キャビティバー71,81の間から外部へ搬送する。ついで、前記基板90の外側縁部を図示しない治具で保持した後、前記シャフトエジェクタピン85を上昇させ、係合凹部86aからランナ部93を外す。そして、図示しない前記治具で樹脂封止した基板90を所定の位置まで移動させる。その間に、下型70に電子部品91を実装した別の基板90を位置決めするとともに、ポット72内にタブレットを収納する。そして、前記シャフト86を元の位置に復帰させ、以後、前述の同様の操作を繰り返して樹脂封止作業を行う。
【0034】
前述のトランスファー成形で用いられる熱硬化性樹脂は、一般に密着性が高いので、係合凹部86aを介して成形品取出用シャフト86に強固に密着する。このため、樹脂成形品を迅速に取り出すことができ、生産サイクルタイムを短縮できる。また、成形品取り出し時における型開き量は、樹脂成形品および成形品取出用シャフトが移動可能な作業スペースを確保できる量であればよい。このため、ロボットのアームを挿入する従来例よりも作業スペースが小さくなり、装置の小型化を図れるという利点がある。
【0035】
第2実施形態では、断面異形の成形品取出用シャフト86を使用する場合について説明したが、第1実施形態にかかる成形品取出用シャフトを第2実施形態の下型に配置して基板を持ち上げ、搬送するようにしてもよい。
【0036】
また、前述の実施形態では、成形品取出用シャフトを駆動するためにエアシリンダを使用しているが、必ずしもこれに限らず、油圧シリンダ、ボールネジ等であってもよく、特に限定するものではない。
【0037】
そして、成形品取出用シャフトは樹脂成形品のいずれかに係合していればよく、樹脂成形品のランナ部,カル部あるいはキャビティ部に直接係合してもよく、あるいは、それらからの延在部に係合してもよい。
【0038】
さらに、成形品取出用シャフトに形成したスリットの断面形状は特に限定するものではなく、例えば、末広がりの断面形状であれば、脱落をより一層確実に防止できるという利点がある。
【0039】
ついで、シャフトエジェクタピンあるいは成形品取出シャフトは断面円形に限らず、方形あるいは異形であってもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明にかかる樹脂成形装置は、射出成形、トランスファー成形について説明したが、他の形式の樹脂成形装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る樹脂成形装置の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】図1で示した樹脂成形装置の下型を示す平面図である。
【図3】図1で示した樹脂成形装置の動作を説明するための部分断面正面図である。
【図4】図3に続く樹脂成形装置の動作を説明するための正面図である。
【図5】図4に続く樹脂成形装置の動作を説明するための正面図である。
【図6】図5に続く樹脂成形装置の動作を説明するための正面図である。
【図7】図6に続く樹脂成形装置の動作を説明するための正面図である。
【図8】図1に示した樹脂成形装置の動作を説明するための図2のA−A線断面図である。
【図9】図8に続く樹脂成形装置の動作を説明するためのA−A線断面図である。
【図10】図9に続く樹脂成形装置の動作を説明するためのA−A線断面図である。
【図11】樹脂成形品の分離工程を説明するための側面図である。
【図12】図11に続く分離工程を説明するための側面図である。
【図13】図12に続く分離工程を説明するための側面図である。
【図14】図Aおよび図Bは、図4の部分拡大図、および、図14AのB−B線断面図である。
【図15】図1で示した樹脂成形装置の動作を説明するための図2のA−A線断面図である。
【図16】図15に続く樹脂成形装置の動作を説明するための図2のA−A線断面図である。
【図17】図16に続く樹脂成形装置の動作を説明するための図2のA−A線断面図である。
【図18】図Aおよび図Bは、本発明に係る樹脂成形装置の第2実施形態を示す部分拡大断面図、および、図AのB−B線断面図である。
【図19】図18Aに続く樹脂成形装置の動作を説明するための部分拡大断面図である。
【図20】図19に続く樹脂成形装置の動作を説明するための部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10:樹脂成形装置
11:タイバー
12:可動プラテン
13:射出ノズル
14:射出シリンダ
20:下型
21:下金型
21a:キャビティ
21b:ランナ
21c:嵌合溝
26:成形品エジェクタピン
27,28:シャフトエジェクタピン
27a:貫通孔
30:上型
31:キャビティ
32:ランナ
33:嵌合溝
40:成形品取出装置
41:シャフト駆動装置
42:成形品取出用シャフト
42a:スリット
50:成形品載置台
60:樹脂成形品
61:キャビティ部
62:ランナ部
70:下型
71:下キャビティバー
72:ポット
73:プランジャチップ
80:上型
81:上キャビティバー
82:カル
83:ランナ
84:キャビティ
85:シャフトエジェクタピン
86:成形品取出用シャフト
86a:係合凹部
90:基板
91:電子部品
92:樹脂成形品
93:ランナ部
94:キャビティ部
【出願人】 【識別番号】592028846
【氏名又は名称】第一精工株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司

【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣


【公開番号】 特開2008−49578(P2008−49578A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227600(P2006−227600)