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【発明の名称】 ナノインプリント方法及びナノインプリント装置
【発明者】 【氏名】村口 功

【氏名】新毛 勝秀

【氏名】仲間 健一

【氏名】前田 不二雄

【要約】 【課題】熱膨張に起因する型の転写パターンと成型品に転写されるパターンとの間で生じる微小なずれを抑制するナノインプリント方法及びナノインプリント装置を提供する。

【構成】ナノインプリント装置11は、第1加熱ヒータH1を備えた定置ステージ13に第1緩衝シート15に設けるとともに、第2加熱ヒータH2を備えた可動ステージ21に第2緩衝シート26を設ける。第1緩衝シート15を介して被成型品16を定置ステージ13に保持するとともに、第2緩衝シート26を介して型27を可動ステージ21に保持して、被成型品16と型27を定置ステージ13と可動ステージ21にて挟み込む。型27を被成型品16に形成された未硬化のレジスト膜17に押し付けている状態で、レジスト膜17を硬化させるべく、第1及び第2加熱ヒータH1,H2で加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に塗布した成型材料に、型に形成した転写パターンを押さえ付けて、その成型材料に前記型に形成した転写パターンを転写させるナノインプリント方法において、
前記基材及び前記型を、それぞれ熱膨張を吸収する保持手段にて支持した状態で、予め定めた同じ所定の温度に加熱した後、その所定の温度を保持しながら、基材に塗布した成型材料に型に形成した転写パターンを押さえ付けて未硬化の成型材料を熱硬化させるようにしたことを特徴とするナノインプリント方法。
【請求項2】
基材に塗布した成型材料に、型に形成した転写パターンを押さえ付けて、その成型材料に前記型に形成した転写パターンを転写させるナノインプリント方法において、
被成型品と前記型が離間した状態で、第1のステージを介して前記被成型品を加熱するとともに、第2のステージを介して前記型を加熱する行程と、
前記被成型品と前記型が、共に同じ所定の温度になったとき、前記第1のステージと前記第2のステージが近接する方向に相対移動させて、前記第1のステージと前記第2のステージにて前記基材に塗布した成型材料に前記型の転写パターンを押さえ付ける行程と、
予め定めた時間経過後、前記第1のステージと前記第2のステージが離間する方向に相対移動させて、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けを解除する行程と、
前記成型材料に対する前記型の押さえ付けた状態が解除された時、第1のステージを介しての前記被成型品の加熱と、第2のステージを介しての前記型の加熱を停止する行程とからなるナノインプリント方法。
【請求項3】
基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を保持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を保持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、
前記第1のステージ及び前記第2のステージに、緩衝部材をそれぞれ配設したことを特徴とするナノインプリント装置。
【請求項4】
基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を保持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を保持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、
前記第1のステージ及び前記第2のステージを、それぞれ前記基材及び前記型と同じ線膨張係数の材質で形成したことを特徴とするナノインプリント装置。
【請求項5】
基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を、その熱膨張を吸収する保持手段を介して支持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を、その熱膨張を吸収する保持手段を介して支持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、
前記第1のステージと前記第2のステージを、相対向する方向に相対移動させるステージ駆動手段と、
前記第1のステージを介して前記被成型品を加熱する第1の加熱手段と、
前記第2のステージを介して前記型を加熱する第2の加熱手段と、
前記被成型品の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記型の温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記被成型品と前記型が離間した状態で、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の加熱動作を開始させる第1の制御手段と、
前記被成型品と前記型が、共に同じ所定の温度になったとき、前記第1のステージと前記第2のステージが近接する方向に相対移動させて、前記第1のステージと前記第2のステージにて前記基材に塗布した成型材料に前記型の転写パターンを押さえ付けるように前記ステージ駆動手段を駆動制御する第2の制御手段と、
予め定めた時間経過後、前記第1のステージと前記第2のステージが離間する方向に相対移動させて、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けを解除するように前記ステージ駆動手段を駆動制御する第3の制御手段と、
前記成型材料に対する前記型の押さえ付けた状態が解除された時、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の加熱動作を停止させる第4の制御手段と
を備えたことを特徴とするナノインプリント装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノインプリント方法及びナノインプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細加工技術において、微細なパターンを安価に製造できるナノインプリント法が注目されている。ナノインプリント法は、特許文献1又は特許文献2に示すように、転写すべきパターンを形成したモールド(型)を、未硬化又は熱可塑性の成形材料に押しつけた状態で硬化させることにより、硬化した基材にパターンを形成する方法である。そして、ナノインプリント法には、成型材料に熱可塑性材料を用いる熱ナノインプリント法と、光硬化性材料を用いる光ナノインプリント法が知られている。
【0003】
通常、この種のナノインプリント装置では、未硬化の成型材料を塗布した基材を例えばステンレス製の定置ステージに固定載置し、上下動可能な可動ステージにモールド(型)を保持する。そして、モールド(型)を保持した可動ステージを、未硬化の成型材料を塗布した基材を固定載置した定置ステージに向かって移動させ、基材に塗布した未硬化の成型材料に対してモールド(型)を所定の圧力で押し付ける。この押し付けた状態で、両ステージに設けたヒータにて基材及びモールド(型)を加熱して未硬化の成型材料を硬化させることによって、モールド(型)が有している表面形状(転写パターン)を基材上に精密に転写して成型品を製造するようになっている。
【特許文献1】特開2000−194142号公報
【特許文献2】特開2001−68411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モールド(型)と基材は、それぞれ加熱されて熱膨張するため、線膨張係数の差が小さいもの同士が選ばれていた。例えば、モールド(型)と基材とも石英よりも低い線膨張係数を有するいわゆるゼロ膨張ガラス(又はゼロ膨張結晶化ガラスとも言う)を採用し、線膨張係数を同じにする。これによって、線膨張係数の差による、成型品に転写される表面形状(転写パターン)のずれを抑えるようにしていた。
【0005】
しかしながら、モールド(型)と基材について、線膨張係数の差が非常に小さいもの又は同じものを用いても、モールド(型)と成型品とでは、依然、微小な形状のずれが確認されている。
【0006】
本出願人は、この原因を試験実験等から以下の理由であることを見出した。
モールド(型)と基材は、定置ステージと可動ステージの間で所定の圧力で挟み込まれ、この状態で加熱される。この時、基材及びモールド(型)は共に線膨張係数が小さいゼロ膨張ガラスであるものの、定置ステージ及び可動ステージは線膨張係数が大きいステンレス製であることから、定置ステージと基材、可動ステージとモールド(型)の線膨張係数はそれぞれ大きく相違する。その結果、所定の圧力で挟み込まれた状態で加熱されると、その膨張差によって、基材はその接触面で定置ステージから面方向に引っ張られる力を受けるとともに、モールド(型)もその接触面で可動ステージから面方向に引っ張られる力を受ける。この時、定置ステージと可動ステージとの間の温度差が生じるとともに、基材と定置ステージとの間の摩擦係数とモールド(型)と可動ステージとの間の摩擦係数とがそれぞれ相違すると、基材とモールド(型)はそれぞれ偏倚する量が相違し、この偏倚する量の相違がモールド(型)と成型品との間での微小な形状のずれの原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、熱膨張に起因する型の転写パターンと成型品に転写されるパターンとの間で生じる微小なずれを抑制することのできるナノインプリント方法及びナノインプリント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、基材に塗布した成型材料に型に形成した転写パターンを押さえ付けて、その成型材料に前記型に形成した転写パターンを転写させるナノインプリント方法において、前記基材及び前記型を、それぞれ熱膨張を吸収する保持手段にて支持した状態で、予め定めた同じ所定の温度に加熱した後、その所定の温度を保持しながら、基材に塗布した成型材料に型に形成した転写パターンを押さえ付けて未硬化の成型材料を熱硬化させるようにした。
【0009】
請求項2の発明は、基材に塗布した成型材料に型の転写パターンを押さえ付けて、その成型材料に前記型に形成した転写パターンを転写させるナノインプリント方法において、被成型品と前記型が離間した状態で、第1のステージを介して前記被成型品を加熱するとともに、第2のステージを介して前記型を加熱する行程と、前記被成型品と前記型が、共に同じ所定の温度になったとき、前記第1のステージと前記第2のステージが近接する方向に相対移動させて、前記第1のステージと前記第2のステージにて前記基材に塗布した成型材料に前記型の転写パターンを押さえ付ける行程と、予め定めた時間経過後、前記第1のステージと前記第2のステージが離間する方向に相対移動させて、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けを解除する行程と、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けた状態が解除された時、第1のステージを介しての前記被成型品の加熱と、第2のステージを介しての前記型の加熱を停止する行程とからなる。
【0010】
請求項3の発明は、基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を保持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を保持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、前記第1のステージ及び前記第2のステージに、緩衝部材をそれぞれ配設した。
【0011】
請求項4の発明は、基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を保持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を保持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、前記第1のステージ及び前記第2のステージを、それぞれ前記基材及び前記型と同じ線膨張係数の材質で形成した。
【0012】
請求項5の発明は、基材に未硬化の成型材料を塗布してなる被成型品を、その熱膨張を吸収する保持手段を介して支持する第1のステージと、転写パターンを形成した型を、その熱膨張を吸収する保持手段を介して支持する第2のステージとを備えたナノインプリント装置において、前記第1のステージと前記第2のステージを、相対向する方向に相対移動させるステージ駆動手段と、前記第1のステージを介して前記被成型品を加熱する第1の加熱手段と、前記第2のステージを介して前記型を加熱する第2の加熱手段と、前記被成型品の温度を検出する第1の温度検出手段と、前記型の温度を検出する第2の温度検出手段と、前記被成型品と前記型が離間した状態で、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の加熱動作を開始させる第1の制御手段と、前記被成型品と前記型が、共に同じ所定の温度になったとき、前記第1のステージと前記第2のステージが近接する方向に相対移動させて、前記第1のステージと前記第2のステージにて前記基材に塗布した成型材料に前記型の転写パターンを押さえ付けるように前記ステージ駆動手段を駆動制御する第2の制御手段と、予め定めた時間経過後、前記第1のステージと前記第2のステージが離間する方向に相対移動させて、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けを解除するように
前記ステージ駆動手段を駆動制御する第3の制御手段と、前記成型材料に対する前記型の押さえ付けた状態が解除された時、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の加熱動作を停止させる第4の制御手段とを備えた。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、所定の圧力で挟み込む前に、第1のステージ、第2のステージ、基材及び型を予め定めた同じ温度にまで加熱し、その温度を保持しながら押さえ付けた状態で未硬化の成型材料を熱硬化させることから、押さえ付けた状態で未硬化の成型材料を熱硬化させているときには、基材及び型にそれぞれのステージから加わる引っ張り力は発生しない。その結果、ステージの熱膨張による、型の転写パターンと基材に転写されたパターンとの間での微小なずれは抑制される。
【0014】
請求項2及び5の発明によれば、基材に塗布した成型材料に型の転写パターンを押さえ付ける前に、第1のステージ、第2のステージ、基材及び型を予め定めた同じ温度にまで加熱し、その温度を保持しながら押さえ付けた状態で未硬化の成型材料を熱硬化させることから、押さえ付けた状態で未硬化の成型材料を熱硬化させているときには、基材及び型にそれぞれのステージから加わる引っ張り力は発生しない。その結果、ステージの熱膨張による、型の転写パターンと基材に転写されたパターンとの間での微小なずれは抑制される。
【0015】
請求項3の発明によれば、基材及び型がそれぞれのステージに対して熱膨張差があるとき、基材及び型にそれぞれのステージから加わる引っ張り力が、緩衝部材にて吸収される。その結果、ステージの熱膨張による、型の転写パターンと基材に転写されたパターンとの間での微小なずれを緩衝部材にて抑制させることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、未硬化の成型材料を硬化させるために、第1のステージ、第2のステージ、基材及び型が加熱されるとき、第1のステージ及び第2のステージが基材及び型と同じ線膨張係数の材質でできていることから、基材及び型にそれぞれのステージから加わる引っ張り力は発生しない。その結果、ステージの熱熱膨張による、型の転写パターンと基材に転写されたパターンとの間での微小なずれは抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の具体化したナノインプリント装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は、ナノインプリント装置11の構成を説明する概念図である。図1において、ナノインプリント装置11には、直方体形状に形成されたベース12が備えられるとともに、そのベース12の上面に第1のステージとしての定置ステージ13が設けられている。
【0019】
定置ステージ13は、本実施形態では、ステンレス製の定盤であって、その上面13aには、嵌合凹部14が凹設され、その凹部14には緩衝部材としての第1緩衝シート15が嵌合配置されている。第1緩衝シート15は、本実施形態では厚さが2.0mm、150℃までの耐熱性を有したシリコンゴム製のシートであって、平面方向に伸び縮みするようになっている。そして、第1緩衝シート15上には、被成型品16が載置され、第1緩衝シート15上に設けた図示しない保持手段にて保持される。
【0020】
被成型品16は、図3に示すように、線膨張係数の絶対値が1.0×10−7/℃以下のガラス基板であって、本実施形態ではゼロ膨張ガラスが基材16aとして用いられている。基材16aは、本実施形態では、長さLが150mm、幅(紙面と直交する方向)が
50mm、厚みHが1.5mmに成形されている。基材16aの上面に、未硬化の成型材料としてのレジスト膜17が、例えば、スピンコート法にて形成されている。レジスト膜17は、本実施形態では熱硬化性レジスト膜であって、膜厚は1.0μmとしている。
【0021】
また、定置ステージ13には、第1の加熱手段としての第1加熱ヒータH1が内蔵され、第1加熱ヒータH1にて定置ステージ13、第1緩衝シート15及び被成型品16(基材16a及びレジスト膜17)が加熱されるようになっている。
【0022】
定置ステージ13の上方位置には、第2のステージとしての可動ステージ21が配置されている。可動ステージ21は、ベース12から延びる支持フレーム22に支持されたステージ駆動手段としての加圧機構23の駆動ロッド24の先端に連結されている。そして、加圧機構23によって、可動ステージ21は上下方向に移動するようになっている。
【0023】
可動ステージ21は、前記定置ステージ13と同様に、本実施形態では、ステンレス製の定盤であって、その下面(定置ステージ13側の面)21aには、嵌合凹部25が凹設され、その凹部25には緩衝部材としての第2緩衝シート26が嵌合配置されている。第2緩衝シート26は、前記第1緩衝シート15と同様に、本実施形態では厚さが2.0mm、150℃までの耐熱性を有したシリコンゴム製のシートであって、平面方向に伸び縮みするようになっている。
【0024】
また、可動ステージ21には、凹部25に嵌合した第2緩衝シート26の面で型27を保持するための、静電チャック又は吸引チャック等の図示しない保持機構を備えている。
型27は、図4に示すように、ゼロ膨張ガラスであってその表面をフォトリソグラフィ技術及びエッチング処理を用いて多数の断面矩形状の凸条29を有する回折格子形状にしたものである。各凸条29は、本実施形態では、図4に示すように、それぞれ幅L2が200nm、高さD2が120nmの矩形形状であって、400nmのピッチP2で配列形成されている。そして、型27において、各凸条29が形成されている領域は、型27の幅方向(紙面と直交する方向)と平行な方向に10mm、型27の長手方向に100mmである。
【0025】
さらに、可動ステージ21には、第2の加熱手段としての第2加熱ヒータH2が内蔵され、第2加熱ヒータH2にて可動ステージ21、第2緩衝シート26及び型27が加熱されるようになっている。
【0026】
次に、上記のように構成したナノインプリント装置11の電気的構成を図5に従って説明する。
図5において、制御装置41には、CPU、RAM、ROM、タイマ等が備えられている。そして、制御装置41は、RAMやROMなどに格納された各種データ及び転写プログラム等、各種プログラムに従って、可動ステージ21を上下動させたり、加熱ヒータH1,H2を発熱制御させるようになっている。第1制御手段、第2制御手段、第3制御手段及び第4制御手段としての制御装置41には、入力装置42、第1加熱ヒータ駆動回路43、第2加熱ヒータ駆動回路44、加圧機構駆動回路45が電気的に接続されている。
【0027】
入力装置42は、起動スイッチ、停止スイッチなどの操作スイッチを有して各種操作信号を制御装置41に入力するとともに、被成型品16に型27を押し付ける際の可動ステージ21の移動量に関する移動情報、押し付け時間に関する保持情報、レジスト膜17の加熱温度に関する温度情報を制御装置41に入力するようになっている。そして、入力装置42から各種情報を入力すると、制御装置41は、各種情報とROMに記憶された転写プログラムに従って、型27を用いて被成型品16に形成されたレジスト膜17に、型27に形成した各凸条29のパターンを転写するために各駆動回路43〜45をそれぞれ駆
動制御する。
【0028】
第1加熱ヒータ駆動回路43は、定置ステージ13に内蔵した第1加熱ヒータH1を発熱させる回路であって、制御装置41からの駆動制御信号に基づいて第1加熱ヒータH1を発熱制御させるようになっている。第2加熱ヒータ駆動回路44は、可動ステージ21に内蔵した第2加熱ヒータH2を発熱させる回路であって、制御装置41からの駆動制御信号に基づいて第2加熱ヒータH2を発熱制御させるようになっている。加圧機構駆動回路45は、加圧機構23を作動させ駆動ロッド24の先端に連結された可動ステージ21を上下方向に移動させる回路であって、制御装置41からの駆動制御信号に基づいて加圧機構23を駆動制御させるようになっている。
【0029】
また、制御装置41は、第1の温度検出手段としての第1温度検出センサ46及び第2の温度検出手段としての第2温度検出センサ47と接続されている。第1温度検出センサ46は、定置ステージ13に載置された被成型品16の温度を検出する検出センサである。第2温度検出センサ47は、可動ステージ21に保持された型27の温度を検出する検出センサである。第1温度検出センサ46及び第2温度検出センサ47は、それぞれ検出した温度検出信号を制御装置41に出力するようになっている。そして、制御装置41は、第1温度検出センサ46及び第2温度検出センサ47からの検出信号に基づいて被成型品16及び型27の温度を検出し、前記第1加熱ヒータ駆動回路43及び第2加熱ヒータ駆動回路44を介してそれぞれ第1及び第2加熱ヒータH1,H2を前記温度情報から求められる温度になるように発熱制御するようになっている。
【0030】
さらに、制御装置41は、可動ステージ位置検出センサ48と接続されている。可動ステージ位置検出センサ48は、定置ステージ13に対する可動ステージ21の相対位置を検出する検出センサである。可動ステージ位置検出センサ48は、検出した相対位置検出信号を制御装置41に出力するようになっている。そして、制御装置41は、可動ステージ位置検出センサ48からの検出信号に基づいて被成型品16に対する型27の位置を検出し、型27が移動情報から求められる押し付け位置になるように加圧機構駆動回路45を介してそれぞれ加圧機構23を駆動制御するようになっている。
【0031】
次に、上記したナノインプリント装置の作用を図6に示すフローチャートに従って説明する。
いま、未硬化のレジスト膜17が形成された被成型品16を定置ステージ13の第1緩衝シート15上に載置固定し、型27を可動ステージ21の第2緩衝シート26に支持固定する。
【0032】
そして、起動スイッチを操作すると、入力装置42から起動信号が制御装置41に出力され、制御装置41は起動信号に応答して転写プログラムを実行する。
制御装置41は、加圧機構23を駆動させて可動ステージ21を定置ステージ13に向かって所定の位置まで下動させる(ステップS1−1)。そして、制御装置41は、可動ステージ位置検出センサ48からの検出信号に基づいて、予め定めた所定の位置まで可動ステージ21を下動させる(ステップS1−2、ステップS1−3)。所定の位置まで可動ステージ21が下動すると、図2(a)に示すように、被成型品16に形成された未硬化のレジスト膜17は型27に押し付けられる。すると、レジスト膜17は未硬化な膜であることから、被成型品16に形成されたレジスト膜17は、型27の各凸条29の形状にそって変形する。
【0033】
この型27を押しつけた状態で、制御装置41は、第1及び第2加熱ヒータ駆動回路43,44を介して定置ステージ13に設けた第1加熱ヒータH1及び可動ステージ21に設けた第2加熱ヒータH2をそれぞれ発熱させるとともに(ステップS1−4)、制御装
置41に内蔵したタイマを作動させる(ステップS1−5)。そして、制御装置41は、レジスト膜17を所定の温度(本実施形態では120℃)で所定の時間(本実施形態では約60分)加熱し保持する(ステップS1−6,ステップS2−7)。120℃で加熱保持されることによって、レジスト膜17は硬化する。
【0034】
ところで、このレジスト膜17を硬化させている時において、各ステージ13,21、被成型品16及び型27は、それぞれの線膨張係数で膨張する。この時、ステンレス製の定置ステージ13の線膨張係数がゼロ膨張ガラス製の被成型品16の線膨張係数より大きい。従って、両ステージ13,21にて挟み込まれ、かつ、その膨張差によって、被成型品16は面方向であって伸張する方向に引っ張られる力を受ける。この時、定置ステージ13と被成型品16との間にある第1緩衝シート15の弾性変形によってこの引っ張る力が吸収される。その結果、被成型品16は伸張する方向の引っ張り力を受けない。さらにこの時、第1緩衝シート15は摩擦係数の高いシリコンゴムで形成されているので、第1緩衝シート15は、引っ張り力を吸収するために弾性変形をする時、スリップすることなく被成型品16を密着した状態に保持している。
【0035】
同様に、ステンレス製の可動ステージ21の線膨張係数もゼロ膨張ガラス基板製の型27の線膨張係数より大きい。従って、両ステージ13,21にて挟みこまれ、かつ、その膨張差によって、型27は面方向であって伸張する方向に引っ張られる力を受ける。さらにこの時、可動ステージ21と型27との間にある第2緩衝シート26の弾性変形によってこの引っ張る力が吸収される。その結果、型27は伸張する方向の引っ張り力を受けない。さらにこの時、第2緩衝シート26は摩擦係数の高いシリコンゴムで形成されているので、第2緩衝シート26は、引っ張り力を吸収するために弾性変形をする時、スリップすることなく型27を密着した状態に保持している。
【0036】
レジスト膜17が硬化すると(即ち所定時間経過すると)、制御装置41は、第1及び第2加熱ヒータH1,H2の発熱を停止させて(ステップS1−8)、レジスト膜17を室温まで自然冷却させる(ステップS1−9)。このとき、前記と同様に、被成型品16は、定置ステージ13によって面方向であって縮む方向に引っ張られる力を受ける。この時、定置ステージ13と被成型品16との間にある第1緩衝シート15の弾性変形によってこの引っ張る力が吸収される。その結果、被成型品16は縮む方向の引っ張り力を受けない。さらにこの時、前記と同様に、第1緩衝シート15は、引っ張り力を吸収するために弾性変形をする時、スリップすることなく被成型品16を密着した状態に保持している。
【0037】
また同様に、型27は、可動ステージ21によって面方向であって縮む方向に引っ張られる力を受ける。この時、可動ステージ21と型27との間にある第2緩衝シート26の弾性変形によってこの引っ張る力が吸収される。その結果、型27は縮む方向の引っ張り力を受けない。さらにこの時、前記と同様に、第2緩衝シート26は、引っ張り力を吸収するために弾性変形をする時、スリップすることなく型27を密着した状態に保持している。
【0038】
被成型品16の熱硬化したレジスト膜17が室温まで冷却されると、制御装置41は可動ステージ21を上動させて(ステップS1−10)、図2(b)に示すように、押しつけていた型27を硬化したレジスト膜17から引き剥がす。このとき、被成型品16上で硬化したレジスト膜17には、型27の形状が転写、即ち各凸条29による溝(格子溝)が転写形成されて成型品が完成する。
【0039】
上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、第1緩衝シート15を介して被成型品16を定置ステージ
13に保持した。そのため、ステンレス製の定置ステージ13の線膨張係数とゼロ膨張ガラス基板製の被成型品16(基材16a)の線膨張係数の差による定置ステージ13の被成型品16(基材16a)に対する引っ張る力が第1緩衝シート15の弾性変形にて吸収され、被成型品16に伝わらない。
【0040】
また、第2緩衝シート26を介して型27を可動ステージ21に保持した。そのため、ステンレス製の可動ステージ21の線膨張係数とゼロ膨張ガラス製の型27の線膨張係数の差による可動ステージ21の型27に対する引っ張る力が第2緩衝シート26の弾性変形にて吸収され、型27に伝わらない。
【0041】
従って、被成型品16と型27を、定置ステージ13と可動ステージ21にて挟み込み、型27を被成型品16に形成された未硬化のレジスト膜17に押し付けている状態で、レジスト膜17を硬化させるべく、定置ステージ13と可動ステージ21、被成型品16及び型27を所定の温度まで加熱させても、被成型品16(レジスト膜17)と型27との間での引っ張る力は生じない。
【0042】
その結果、レジスト膜17の硬化時において、型27とレジスト膜17との間での微小な形状のずれが抑制され、型27の転写パターンとレジスト膜17に転写されるパターンとの間での微小なずれが抑制される。
【0043】
また、被成型品16と型27を、定置ステージ13と可動ステージ21にて挟み込み、型27を被成型品16に形成された硬化したレジスト膜17に押し付けている状態で、型27及び被成型品16を自然冷却させても、同様に、被成型品16と型27との間での引っ張る力は生じない。
【0044】
その結果、型27及び被成型品16の冷却時において、型27とレジスト膜17との間での微小な形状のずれが抑制され、型27の転写パターンとレジスト膜17に転写されるパターンとの間での微小なずれが抑制される。
【0045】
(2)本実施形態によれば、第1緩衝シート15を摩擦係数の高いシリコンゴムで形成したので、第1緩衝シート15は、前記引っ張り力を吸収する弾性変形する時、スリップすることなく被成型品16を密着した状態に保持することができる。従って、第1緩衝シート15に対してスリップすることによる生じる被成型品16の振動はない。
【0046】
また、第2緩衝シート26を摩擦係数の高いシリコンゴムで形成したので、第2緩衝シート26は、前記引っ張り力を吸収する弾性変形する時、スリップすることなく型27を密着した状態に保持することができる。従って、第2緩衝シート26に対してスリップすることによる生じる型27の振動はない。
【0047】
その結果、スリップによる型27とレジスト膜17との間での微小な形状のずれが抑制され、型27の転写パターンとレジスト膜17に転写されるパターンとの間での微小なずれが抑制される。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態とは、ナノインプリント装置11の定置ステージ13と可動ステージ21の構成が相違する点と、定置ステージ13と可動ステージ21に設けた加熱ヒータH1,H2の駆動制御が相違する。従って、本実施形態では、説明の便宜上、その相違する点を詳細に説明する。
【0048】
図7に示すように、本実施形態の定置ステージ13は、第1緩衝シート15が設けられていないステージであって、ステンレスで形成されている。そして、被成型品16は定置
ステージ13に直接載置され、同ステージ13上に設けた図示しない保持手段にて保持される。また、本実施形態の可動ステージ21は、第2緩衝シート26が設けられていないステージであって、ステンレスで形成されている。そして、型27は可動ステージ21に直接当接し、同ステージ21上に設けた図示しない保持手段にて保持される。
【0049】
なお、定置ステージ13に直接載置される被成型品16及び可動ステージ21に直接当接される型27は、それぞれ保持手段にて保持されるが、これら保持手段は、本実施形態では、被成型品16及び型27が対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないように、被成型品16及び型27をそれぞれ保持するものである。保持手段として、例えば、ステージ13,21から延び、対応する被成型品16及び型27の側面を最小限の固定力で保持する板バネが考えられる。
【0050】
本実施形態のナノインプリント装置11の電気的構成は、図5に示す第1実施形態と同じであって、制御装置41に設けられたROMに格納された転写プログラムが相違する。従って、本実施形態の転写プログラムに基づくナノインプリント装置11の作用を図8に示すフローチャートに従って説明する。
【0051】
いま、未硬化のレジスト膜17が形成された被成型品16を定置ステージ13上に直接載置固定し、型27を可動ステージ21に直接支持固定する。このとき、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないようにそれぞれの保持手段にて保持されている。そして、起動スイッチを操作すると、入力装置42から起動信号が制御装置41に出力され、制御装置41は起動信号に応答して転写プログラムを実行する。
【0052】
まず、制御装置41は、定置ステージ13に設けた第1加熱ヒータH1及び可動ステージ21に設けた第2加熱ヒータH2を発熱させ、被成型品16及び型27を所定の温度(本実施形態では120℃)になるまで加熱する(ステップS2−1、ステップS2−2)。
【0053】
所定の温度になるまでの過程において、各ステージ13,21、被成型品16及び型27は、それぞれの線膨張係数で膨張する。この時、ステンレス製の定置ステージ13の線膨張係数が被成型品16の線膨張係数より大きいため、その膨張差によって、定置ステージ13に保持されている被成型品16は定置ステージ13にて面方向であって伸張する方向に引っ張られる力を受ける。同様に、型27も可動ステージ21にて面方向であって伸張する方向に引っ張られる力を受ける。しかし、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないように保持手段にて保持されているため、その引っ張り力の影響が非常に小さい。
【0054】
被成型品16及び型27が所定の温度(本実施形態では120℃)になると、制御装置41は、温度定温保持モードとなり、以後、被成型品16及び型27の温度を所定の温度に保持されるように、第1加熱ヒータH1及び第2加熱ヒータH2を制御する(ステップS2−3)。従って、以後、定置ステージ13、可動ステージ21、被成型品16及び型27は、共に同じ所定の温度に保持されるため、膨張は止まる。その結果、両ステージ13,21にそれぞれ保持されて被成型品16及び型27に対する面方向であって伸張する方向に引っ張る力は発生しない。また、被成型品16に形成されたレジスト膜17は、加熱時間がこの時点では短いので、未硬化の状態にある。
【0055】
温度定温保持モードになると、制御装置41は、加圧機構23を駆動させて可動ステージ21を定置ステージ13に向かって所定の位置まで下動させる(ステップS2−4)。そして、制御装置41は、可動ステージ位置検出センサ48からの検出信号に基づいて、
予め定めた所定の位置まで可動ステージ21を下動させる(ステップS2−5)。
【0056】
所定の位置まで可動ステージ21が下動すると(ステップS2−5でYES)、制御装置41は、加圧機構23を停止させる(ステップS2−6)。この時、型27が被成型品16に形成された未硬化のレジスト膜17を押し付けた状態に保持される。すると、レジスト膜17は未硬化な膜であることから、被成型品16に形成されたレジスト膜17は、型27の各凸条29の形状に沿って変形する。
【0057】
押さえ付けられた状態が開始されると、制御装置41は、内蔵したタイマを計時動作させ、レジスト膜17を所定の温度(本実施形態では120℃)で所定の時間(本実施形態では約60分)加熱し保持する(ステップS2−7,ステップS2−8)。所定時間(約60分)、120℃で加熱保持されることによって、レジスト膜17は硬化する。
【0058】
タイマが所定時間を計時(即ちレジスト膜17が硬化)すると(ステップS2−8でYES)、制御装置41は可動ステージ21を上動させて、押し付けていた型27を硬化したレジスト膜17から引き剥がす(ステップS2−9)。続いて、制御装置41は、第1及び第2加熱ヒータH1,H2の発熱を停止させて、レジスト膜17を室温まで自然冷却させる(ステップS2−10)。このとき、第1実施形態と同様に、被成型品16は定置ステージ13によって面方向であって縮む方向に引っ張られる力を受けるとともに、型27は可動ステージ21によって面方向であって縮む方向に引っ張られる力を受ける。しかし、型27は被成型品16の硬化したレジスト膜17から離型しているため、レジスト膜17は型27から引っ張り力を受けず、変形することはない。しかも、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないように保持手段にて保持されているため、その引っ張り力の影響が非常に小さい。
【0059】
これによって、被成型品16上で硬化したレジスト膜17には、型27の形状が転写、即ち各凸条29による溝(格子溝)が形成されて成型品が完成する。
上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0060】
(1)本実施形態によれば、定置ステージ13、可動ステージ21、被成型品16及び型27は、共に同じ所定の温度に加熱保持してそれぞれの膨張が止まった後に、被成型品16と型27を、定置ステージ13と可動ステージ21にて挟み込み、型27を被成型品16に形成された未硬化のレジスト膜17に押し付けてレジスト膜17を硬化させるようにした。
【0061】
従って、両ステージ13,21にて挟み込まれている被成型品16及び型27に対する面方向であって伸張する方向に引っ張る力は発生しない状態で、転写が行われる。その結果、レジスト膜17の硬化時において、型27とレジスト膜17との間で熱膨張による微小な形状のずれがなく、型27の転写パターンとレジスト膜17に転写されるパターンとの間での微小なずれはない。
【0062】
(2)本実施形態によれば、レジスト膜17を硬化させた後、型27を被成型品16(レジスト膜17)から離間させ、その後に型27を被成型品16(レジスト膜17)を自然冷却させたので、レジスト膜17は型27から引っ張り力を受けず、変形することはない。その結果、型27及び被成型品16の冷却時において、型27とレジスト膜17との間で、収縮による微小な形状のずれがなく、型27の転写パターンとレジスト膜17に転写されるパターンとの間での微小なずれはない。
【0063】
(3)本実施形態によれば、第1実施形態の第1緩衝シート15及び第2緩衝シート26を使用しないので、その分だけ第1実施形態に比べて本実施形態のナノインプリント装
置11はコストダウンを図ることができる。
【0064】
(4)本実施形態によれば、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないように保持手段にて保持した。従って、ステージ13,21、被成型品16及び型27を、加熱したり冷却する時、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による引っ張り力の影響が非常に小さく抑えられる。
【0065】
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・前記第1及び第2実施形態では、定置ステージ13及び可動ステージ21をステンレス製の定盤で構成した。つまり、被成型品16、型27と相違する線膨張係数の材質でステージ13,21を形成した。これを、ステージ13,21を被成型品16、型27と同じ線膨張係数の材質(例えば、ゼロ膨張ガラス)で形成してもよい。
【0066】
この場合、第1実施形態で採用された第1緩衝シート15と第2緩衝シート26を用いることなく、型27の転写パターンがずれることなくレジスト膜17に転写させることができる。また、第2実施形態で採用された加熱のタイミングと冷却するタイミングを考慮することなく、簡単な制御で型27の転写パターンがずれることなくレジスト膜17に転写させることができる。
【0067】
勿論、第1実施形態及び第2実施形態に採用したナノインプリント装置11の定置ステージ13及び可動ステージ21に応用してもよい。この場合、よりずれのない転写ができる。
【0068】
・前記第1実施形態では、第1緩衝シート15及び第2緩衝シート26をシリコンゴムで形成したが、これに限定されるものではなく、要は弾性変形可能な物であってレジスト膜17を硬化させる際の温度に耐えうる材質のものであればよい。さらに、加えて被成型品16、型27に対して摩擦係数が大きい材質のものであればさらによい。
【0069】
・前記第1実施形態では、第1緩衝シート15及び第2緩衝シート26は、それぞれ定置ステージ13及び可動ステージ21に形成した嵌合凹部14,25に嵌合させた。これを、定置ステージ13の上面13a及び可動ステージ21の下面21aに直接接着させて実施してもよい。この場合、定置ステージ13及び可動ステージ21に嵌合凹部14,25を形成しなくてもよくなるとともに、既存のステージに加工を施すことなく応用することができる。
【0070】
・前記第2実施形態では、第1緩衝シート15と第2緩衝シート26を省略したナノインプリント装置11であったが、第1実施形態の第1緩衝シート15と第2緩衝シート26を備えたナノインプリント装置11を使って実施してもよい。
【0071】
・前記第各実施形態では、成型品を特に限定していなかったが、例えば、回折格子、特に相対位置を検出する光エンコーダに用いられる回折格子を形成するのに応用してもよい。この場合、ガラス基板(基材16a)に金属アルコキシドを含有するゾル液を塗布し、ガラス基板(基材16a)上にゾル膜を形成する。続いて、そのゾル膜を脱水処理してゲル化させゲル膜(レジスト膜17)を形成する。そして、そのゲル膜(レジスト膜17)に型に形成した転写パターン(格子パターン)を転写するようにしてもよい。
【0072】
・前記第2実施形態では、被成型品16及び型27は、それぞれ対応するステージ13,21の熱膨張による影響を受けないように保持手段にて保持された状態で、ステージ13,21とともに加熱されるようにした。これを定置ステージ13、可動ステージ21、
被成型品16及び型27を、それぞれ独立に所定の温度まで加熱する。そして、所定の温度にまで加熱して定置ステージ13、可動ステージ21、被成型品16及び型27の膨張が止まった時点で、被成型品16を定置ステージ13に、型27を可動ステージ21に直接支持固定する。その後、型27を被成型品16に押し付けるようにして実施してもよい。
【0073】
なお、この場合の加熱方法としては、定置ステージ13と可動ステージ21は、第1及び第2実施形態で用いた第1及び第2加熱ヒータH1、H2で加熱し、被成型品16及び型27は、別の場所に設けたヒータ(例えば、オーブン)を用いて短時間で加熱することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ナノインプリント装置の構成を説明するための概念図。
【図2】(a)はレジスト膜に型を押し付けた状態を示す図、(b)レジスト膜から型を離型した状態を示す図。
【図3】レジスト膜を形成した被成型品を説明するための説明図。
【図4】型を説明するための説明図。
【図5】ナノインプリント装置の電気的構成を説明するブロック回路図。
【図6】第1実施形態のナノインプリント装置の作用を説明するためのフローチャート。
【図7】第2実施形態のナノインプリント装置の構成を説明するための概念図。
【図8】第2実施形態のナノインプリント装置の作用を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0075】
11…ナノインプリント装置、13…第1のステージとしての定置ステージ、15…第1緩衝シート、16…被成型品、16a…基材、17…成型材料としてのレジスト膜、21…第2のステージとしての可動ステージ、23…加圧機構、26…第2緩衝シート、27…型、41…第1〜第4の制御手段としての制御装置、43…第1加熱ヒータ駆動回路、44…第2加熱ヒータ駆動回路、45…加圧機構駆動回路、46…第1の温度検出手段としての第1温度検出センサ、47…第2の温度検出手段としての第2温度検出センサ、48…可動ステージ位置検出センサ、H1…第1の加熱手段としての第1加熱ヒータ、H2…第2の加熱手段としての第2加熱ヒータ。
【出願人】 【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−49544(P2008−49544A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226786(P2006−226786)