| 【発明の名称】 |
射出成形用金型および樹脂成形品 |
| 【発明者】 |
【氏名】山根 功滋
【氏名】古市 仁
【氏名】高橋 均
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| 【要約】 |
【課題】ゲートカットを確実なものとするため、ゲートカットピンの先端部を金型に設けた凹部に突入させることが望ましい。しかし、凹部の深さが深いと、溶融樹脂をキャビティに射出する際に凹部に溶融樹脂が衝突し、溶融樹脂中に空気が入り込んだり、溶融樹脂に乱流が発生し、成形不良が発生するという問題がある。
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、 該固定型内に前記ゲートを遮断する方向に出没可能に設けられた断面が矩形形状のゲートカットピンと、 該ゲートカットピンの後端部に接続された駆動装置とを有する射出成形用金型において、 該ゲートカットピンの先端部は、前記パーティングライン面と平行な先端面を有し、 該先端面の一部は、前記ランナー側で斜めに面取りされており、 前記可動型の前記ゲートカットピンの先端面付近に深さが0.5mm以上2mm以下の凹部を形成し、 前記ゲートカットピンが突出した場合に、該ゲートカットピンの先端面と前記凹部の底との間にクリアランスが設けられていることを特徴とする射出成形用金型 【請求項2】 パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、 該可動型内に前記ゲートを遮断する方向に出没可能に設けられた断面が矩形形状のゲートカットピンと、 該ゲートカットピンの後端部に接続された駆動装置とを有する射出成形用金型において、 該ゲートカットピンの先端部は、前記パーティングライン面と平行な先端面を有し、 該先端面の一部は、前記ランナー側で斜めに面取りされており、 前記固定型の前記ゲートカットピンの先端面付近に深さが0.5mm以上2mm以下の凹部を形成し、 前記ゲートカットピンが突出した場合に、該ゲートカットピンの先端面と前記凹部の底との間にクリアランスが設けられていることを特徴とする射出成形用金型 【請求項3】 前記ゲートカットピンの表面にTa−Cコーティングを施したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形用金型 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3に記載された射出成形用金型により射出成形した樹脂成形品
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ゲートカット機能を有する射出成形用金型および該射出成形用金型により射出成形した樹脂成形品に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、樹脂成形品の成形は、射出成形装置からの溶融樹脂を金型のランナーからゲートを通してキャビティに注入し、溶融樹脂を冷却固化することにより行われている。 【0003】 そして、ランナー、ゲートおよびキャビティ内で固化した樹脂を金型から取り出し、ゲート部分で不要な樹脂をカットすることにより、所望の樹脂成形品が得られる。 【0004】 かかるゲートカット作業は、多くの工数を要するため、金型のゲート部分でカットを自動的に行うゲートカット機構付きの金型が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【0005】 【特許文献1】特開2001−9878号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、特開2001−9878号公報に記載された発明は、ゲートブロックの先端のゲートカット部(ゲートカット刃)が半円形に切り欠かれているため、ゲートカット部の先端を突入させる凹部をキャビティ型に深く形成しなければならない。このため、溶融樹脂をキャビティ内に射出する際に、溶融樹脂がキャビティ型に形成した凹部に入り込むため、この凹部に樹脂成形品の離型時に取り除けない固化した樹脂が残留するという問題がある。 【0007】 つまり、キャビティに新たに溶融樹脂を射出する際に、キャビティ型の凹部の底等に残留した固化した樹脂が溶融樹脂と共にキャビティ内に入り込むという問題がある。かかる問題は、樹脂成形品がレンズ等の場合、致命的な問題となる。 【0008】 また、キャビティ型に形成した凹部の深さが深いと、溶融樹脂をキャビティに射出する際に、凹部に溶融樹脂が衝突し、溶融樹脂中に空気が入り込むという問題がある。かかる問題は、樹脂成形品中に気泡が生じるため、樹脂成形品がレンズの場合、致命的な問題となる。 【0009】 さらに、キャビティ型に形成した凹部の深さが深いと、溶融樹脂をキャビティ内に射出する際に、凹部に溶融樹脂が衝突して溶融樹脂に乱流が発生し、樹脂成形品にシルバーストリークが発生するという問題がある。 【0010】 また、凹部の深さが深いと、ゲートカット刃の動く距離を長くする必要があるため、ゲートカット部の摺動部の摩耗等により、ゲートカット刃のメンテナンス頻度が多くなるという問題もある。さらに、ゲートカット刃の先端が尖っていると、ゲートカット刃の摩耗が早く、かつゲートカット刃が欠け易いので、ゲートカット刃の寿命が短くなるという問題もある。 【0011】 本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ゲートカット部の先端を突入させる凹部の深さを0.5mmから2mmの間のいずれかの寸法とすることにより、凹部に起因する成形不良を無くした射出成形金型を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 請求項1に記載の射出成形用金型は、パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、固定型内にゲートを遮断する方向に出没可能に設けられた断面が矩形形状のゲートカットピンと、ゲートカットピンの後端部に接続された駆動装置とを有する射出成形用金型において、ゲートカットピンの先端部は、パーティングライン面と平行な先端面を有し、先端面の一部は、ランナー側で斜めに面取りされており、可動型のゲートカットピンの先端面付近に深さが0.5mm〜2mmの凹部を形成し、ゲートカットピンが突出した場合に、ゲートカットピンの先端面と凹部の底との間にクリアランスが設けられているものである。 【0013】 また、請求項2に記載の射出成形用金型は、パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、キャビティ、ゲートおよびランナーが形成され、可動型内にゲートを遮断する方向に出没可能に設けられた断面が矩形形状のゲートカットピンと、ゲートカットピンの後端部に接続された駆動装置とを有する射出成形用金型において、ゲートカットピンの先端部は、パーティングライン面と平行な先端面を有し、先端面の一部は、ランナー側で斜めに面取りされており、固定型のゲートカットピンの先端面付近に深さが0.5mm〜2mmの凹部を形成し、ゲートカットピンが突出した場合に、ゲートカットピンの先端面と凹部の底との間にクリアランスが設けられているものである。 【0014】 尚、凹部は、ゲートカット時に、ゲートカットピンの先端部を突入させるために設けられている。そして、ゲートカットピンの先端部を凹部に突入させれば、キャビティ内で冷却固化した成形品へのバリの付着を確実に防止することができる。 【0015】 また、請求項3に記載の射出成形用金型は、ゲートカットピンの表面にTa−Cコーティングを施したものである。Ta−Cコーティングをゲートカットピンに施せば、100℃程度の低温で表面処理を施すことができる。そうすると、表面処理時にゲートカットピンに加える温度を低くできるので、高精度に加工されたゲートカットピンの変形を防止することができる。また、Ta−Cコーティングにより、ゲートカットピンの耐摩耗性が向上し、ゲートカットピンの寿命を長くすることができる。 【0016】 また、請求項4に記載の樹脂成形品は、請求項1、請求項2または請求項3に記載の射出成形用金型により射出成形した樹脂成形品に関するものである。請求項1、請求項2または請求項3に記載の射出成形用金型を用いて射出成形した樹脂成形品は、ゲートカットピンとゲートカットピンの先端面付近に設けた凹部により確実にゲートカットができるので、バリが無い。 【0017】 さらに、凹部の深さが0.5mm〜2mmであるから、溶融樹脂をキャビティに射出する際に、溶融樹脂に乱流が発生せず、溶融樹脂に空気の混入が無いので、樹脂成形品中に気泡が無くシルバーストリークも無いという特徴を有する。 【発明の効果】 【0018】 本発明により、凹部内に固化した樹脂が残留せず、溶融樹脂の射出時において凹部により溶融樹脂に乱流が生じたり、溶融樹脂中に空気が混入したりしないため、レンズ等の高精度な樹脂成形品であっても良品を安定して製造できるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。 【実施例1】 【0020】 本発明に係る第1実施例を、図1乃至図4を用いて説明する。 図1は、ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図であり、図2は、ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図である。そして、図3は、図2におけるゲートカットピン4の先端部の部分拡大図であり、図4は、ゲートカットピン4の先端部の斜視図である。 【0021】 (射出成形用金型) 図1に示すように、射出成形用金型14は、可動型1と固定型2からなり、パーティングライン面13で分離可能に構成されている。そして、可動型1と固定型2の間には、ランナー6、ゲート7およびキャビティ8が形成されており、図示しない射出成形装置から射出された溶融樹脂が、スプルー3からランナー6およびゲート7を通って、キャビティ8に注入されるようになっている。 ここで、ゲート7とは、溶融樹脂が、後述するゲートカットピン4によって切断される箇所をいう。 【0022】 (ゲートカットピン) 可動型1には、ゲート7の上流側においてランナー6に対して先端部が出没可能なゲートカットピン4が設けられている。このゲートカットピン4は、図4に示すように、断面が矩形形状であり、図1に示すように、後端部に駆動装置としてのシリンダ5が接続されている。 【0023】 このゲートカットピン4は、キャビティ8内に溶融樹脂が満たされ、溶融樹脂の保圧が終了した時点で、図2に示すように、シリンダ5を動作させ、ランナー6を遮断する方向に突出させるものである。 【0024】 そして、ゲートカットピン4の先端部は、図3および図4に示すように、パーティングライン面13に平行な先端面10を有し、この先端面10の一部がランナー側で斜めに面取りされている(面取り11)。 【0025】 この面取り11は、ゲートカットピン4が突出した際に、溶融樹脂がキャビティ8側に流れず、ランナー6側に流れるようにするために設けられている。また、先端面10は、ゲートカットピン4の先端部の摩耗を防止し、ゲートカットピン4の寿命を長くするために設けられている。 【0026】 尚、ゲートカットピン4の先端面10のゲート側にも、面取り11よりも面取り寸法の小さい(例えばC0.5)面取り12を設けても良い。この面取り12は、例えば半径0.5mm程度のR(Radius)0.5であっても良い。 【0027】 本実施例においては、図3に示すように、ゲートカットピン4の長さ寸法をBとし、ゲートカットピン4の先端面10におけるパーティングライン面13と平行な部分の寸法をDとした場合に、D=0.5×Bとなるように面取り11が設けられている。 【0028】 (凹部) 一方、固定型2におけるゲートカットピン4の先端面10の付近、つまり、ゲートカットピン4の先端部と対向する固定型2の面には、ゲートカットピン4の先端部が突入する凹部9が設けられている。この凹部9は、深さAが2mmであり、ゲートカットピン4の先端面10と凹部9の底15との間に0.5mmのクリアランスが設けられるように構成されている。 【0029】 そして、凹部9の長さ寸法Cは、ゲートカットピン4の長さ寸法Bの1.5倍に設定されており、凹部9のランナー6側(上流側)には、斜面16が形成されている。 【0030】 この斜面9は、溶融樹脂のキャビティ8への射出時においては、溶融樹脂の流れをスムーズにし、凹部9における乱流の発生を防止する機能を有する。また、この斜面9は、ゲートカットピン4の突出時においては、溶融樹脂がランナー側に流れ易く(逃げ易く)し、かつ、凹部9において固化した樹脂が可動型2から離型し易くする機能も有する。 【0031】 尚、凹部9の深さ寸法Aは、2mm以下でなければならない。なぜなら、凹部9の深さAが2mmよりも大きいと、キャビティ8への溶融樹脂の射出時に、この凹部9に入り込む溶融樹脂の量が多くなるため、溶融樹脂に乱流が発生したり、溶融樹脂中に空気が混入するため、成形品にシルバーストリークが発生したり、成形品中に気泡が生じたりするからである。 【0032】 また、凹部9の深さAは、0.5mm以上であることが望ましい。ゲートカットピン4によるゲートカットを確実なものとするため、ゲートカットピン4の先端部を凹部9に突入させなければならないからである。この場合においても、ゲートカットピン4の先端面10と、凹部9の底15のクリアランスは、0.2mm程度設けなければならない。ゲートカットピン4の先端面10と可動型2の衝突を回避し、ゲートカットピン4の寿命を長くするためである。 【実施例2】 【0033】 本発明に係る第2実施例を、図5および図6を用いて以下に説明する。 図5は、ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図であり、図6は、ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図である。 尚、第1実施例との相違点のみ説明し、第1実施例と同一の部分については、説明を省略する。 【0034】 第1実施例との相違点は、ゲートカットピン4を固定型2に設け、凹部9を可動型1に設けた点のみである。 【0035】 つまり、キャビティ8内への溶融樹脂の射出時においては、図5に示すように、ゲートカットピン4は、固定型2内に没している。そして、キャビティ8に溶融樹脂を満たし、保圧終了後に、図6に示すように、ゲートカットピン4を突出させ、ゲート7において、ゲートカットを行う。 【0036】 この際、ゲートカットピン4の先端は、可動型1に設けられた凹部9に突入させるので、ゲート7におけるゲートカットは、確実に行われる。また、凹部の深さAは、0.5mmから2mmの範囲内のいずれかの値に設定されているので、溶融樹脂の射出の際に、凹部9に溶融樹脂が衝突しても溶融樹脂に乱流は発生せず、溶融樹脂への空気の混入も発生しない。本実施例においては、凹部の深さA=0.5mmに設定して凹部を形成した。 【実施例3】 【0037】 本発明に係る第3実施例を、図7乃至図10を用いて以下に説明する。 図7は、ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図であり、図8は、ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図である。また、図9は、ゲートカット前の射出成形用金型におけるゲートカットピンの先端部の部分拡大図であり、図10は、ゲートカット後の射出成形用金型におけるゲートカットピンの先端部の部分拡大図である。 【0038】 尚、第1実施例との相違点のみ説明し、第1実施例と同一の部分については、説明を省略する。 第1実施例との相違点は、ゲートカットピン4に設けた面取り11にランナー6を通過する溶融樹脂が直接当たるように構成した点のみである。 【0039】 つまり、図9に示すように、ゲートカットピン4の先端面10のみならず、この先端面10の一部に設けた面取り11についても、溶融樹脂の流路であるランナー6を構成する面としたものである。 【0040】 そして、ゲートカットピン4は、キャビティ8内に溶融樹脂が満たされ、溶融樹脂の保圧が終了した時点で、図10に示すように、ランナー6を遮断する方向に突出させることにより、ゲートカットを確実に行うことができる。 【0041】 また、かかる構成により、溶融樹脂に乱流を発生することなく、溶融樹脂をスムーズにキャビティ内に導くことができるという効果を奏する。 【実施例4】 【0042】 本発明に係る第4実施例を、図11乃至図13を用いて以下に説明する。 図11は、ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図であり、図12は、ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図である。また、図13は、エジェクタピンを突き出した後の可動型の側部断面図である。 【0043】 尚、第3実施例との相違点のみ説明し、第3実施例と同一の部分については、説明を省略する。 【0044】 第3実施例との相違点は、ゲートカットピン4の駆動装置をエジェクタピンと共通にし、射出成形装置のエジェクタロッドとした点と、ゲートカットピン4にエジェクタピンとしての機能を持たせた点である。 【0045】 (射出成形用金型) 射出成形用金型14は、可動型1と、固定型2とからなり、パーティングライン面13で分離可能に構成されている。そして、可動型1は、図示しない射出成形装置に固定されている。 【0046】 (可動型) 可動型1の内部には、後述するエジェクタロッド17の動作により上下動するエジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20がある。エジェクタプレート上20は、エジェクタプレート下19に対して図示しないボルトにて固定されており、エジェクタプレート下19の下面には、可動型1の下方に突出しているロッド21が固定されている。このロッド21は、射出成形装置のエジェクタロッド17に突き合わされており、射出成形装置の信号により、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20と共に上下動する。 【0047】 (ゲートカットピン) また、ゲートカットピン4は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20の間に挟まれて固定されている。このため、ゲートカットピン4は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20の上下動に従って、上下動する。 【0048】 (エジェクタピン) また、エジェクタピン18は、エジェクタプレート下19およびエジェクタプレート上20に挟まれているが、エジェクタプレート上20には、エジェクタロッド17が動作してもエジェクタピン18が一定距離動かなくなるように空間22が設けられている。このため、図11に示す状態から図12に示す状態、すなわち、ゲートカットピン4をランナー6に突出させた場合は、エジェクタピン18は、キャビティ8およびランナー6に突出することがない。 【0049】 そして、図12に示した状態において、溶融樹脂が冷却固化した後、図13に示すように、可動型1と固定型2とを分離し、エジェクタロッド17をさらに突き出すと、エジェクタピン18が固化した樹脂(樹脂成形品およびランナー)を可動型1から離型する。 【0050】 つまり、本第4実施例においては、ゲートカットピン4の駆動装置として、射出成形装置のエジェクタロッド17を用いることにより、可動型1にシリンダ等からなる独立した駆動装置を設ける必要がなく、エジェクタピン18と駆動源を共通にすることができる。また、ゲートカットピン4自体にエジェクタピンとしての機能を付加することができる。 【実施例5】 【0051】 本発明に係る第5実施例を以下に説明する。 尚、第4実施例との相違点のみ説明し、第4実施例と同一の部分については、説明を省略する。 【0052】 第4実施例との相違点は、ゲートカットピン4の表面にTa−Cコーティングを施した点のみである。ここで、Ta−Cコーティングとは、テトラヘデラル アモルファス カーボン(Tetrahedral Amorphous Carbon)による表面処理のことであり、かかるコーティングが施された物は、耐熱性、耐摩耗性、離型性を有する。 【0053】 ゲートカットピン4は、樹脂成形品へのバリが付着することが無いように、その先端部を繰り返して凹部9に高精度に突入させなければならない。したがって、ゲートカットピン4は、高精度に加工されている。 【0054】 また、ゲートカットピン4は、樹脂成形品が成形される都度動作され、ランナー6へ出没する回数が多いので、耐摩耗性が必要である。このゲートカットピン4に耐摩耗性を付与する方法としては、表面処理が一般的であるが、例えば、DLC(ダイヤモンドライクコーティング)を施すためには、ゲートカットピン4が200℃から300℃に加熱される。そうすると、高精度に加工されたゲートカットピン4が熱変形するという問題がある。 【0055】 そこで、本第5実施例においては、ゲートカットピン4を高温に加熱することなく、ゲートカットピン4自体に耐熱性、耐摩耗性、離型性を付与するために、低温(約100℃)でTa−Cコーティングを施したものである。 【0056】 (Ta−Cコーティング) ゲートカットピン4に施したTa−Cコーティングについて、以下に具体的に説明する。 【0057】 ゲートカットピン4の材質は、SUS、Fe等であるため、まず、チタン(Ti)からなる第1バインダ層をゲートカットピン4の上に0.1μmの厚さで設ける。そして、この第1バインダ層の上に、バイアス電位を高くしたTa−Cからなる第2バインダ層を0.1μmの厚さで設ける。これらの2層のバインダ層は、Ta−Cコーティングをゲートカットピン4の表面に強固に付着させるために設けるものである。 【0058】 その次に、第2バインダ層の上に、Ta−Cからなる中間層を2μmの厚さで設け、最後に、Ta−Cからなる耐摩耗層を0.3μmの厚さで設ける。尚、バイアス電位の大きさは、第2バインダ層>中間層>耐摩耗層である。 【0059】 かかる層構造のTa−Cコーティングをゲートカットピン4の表面に設けることにより、ゲートカットピン4は、熱変形することなく、高精度を保ったまま耐摩耗性を付与することができる。このため、ゲートカットピン4の寿命を長くすることができ、ゲートカットピン4のメンテナンス頻度を減らすことができる。 【0060】 上述の実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の記載から当事者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。 【0061】 例えば、前記した実施例においては、図3において、B=0.5×D、C=1.5×Bとしたものを示したが、これに限定されることはなく、ゲートカットピン4の先端部に、先端面10が形成されていれば、B=0.5×Dでなくても良い。また、ゲートカットピン4の突出により、凹部9内の溶融樹脂をランナー6側(上流側)に逃がす必要があるので、C>1.5×Bであっても良い。 【産業上の利用可能性】 【0062】 本発明は、樹脂成形品の成形に用いられる射出成形用金型およびこの射出成形用金型により製造された樹脂成形品に適用される。 【図面の簡単な説明】 【0063】 【図1】ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例1) 【図2】ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例1) 【図3】ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例1) 【図4】ゲートカットピンの先端部の斜視図(実施例1) 【図5】ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例2) 【図6】ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例2) 【図7】ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例3) 【図8】ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例3) 【図9】ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例3) 【図10】ゲートカットピンの先端部の部分拡大図(実施例3) 【図11】ゲートカット前の射出成形用金型の側部断面図(実施例4) 【図12】ゲートカット後の射出成形用金型の側部断面図(実施例4) 【図13】エジェクタピンを突き出した後の可動型の側部断面図(実施例4) 【符号の説明】 【0064】 1 可動型 2 固定型 3 スプルー 4 ゲートカットピン 5 駆動装置 6 ランナー 7 ゲート 8 キャビティ 9 凹部 10 先端面 11 面取り 13 パーティングライン面 14 射出成形用金型 15 凹部の底
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| 【出願人】 |
【識別番号】000251288 【氏名又は名称】鈴鹿富士ゼロックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−30295(P2008−30295A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205969(P2006−205969) |
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