| 【発明の名称】 |
パイプ製造システム及びパイプ製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 三郎
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| 【要約】 |
【課題】パイプ製品を大量に購入し、施工現場まで輸送して使用する態様は、輸送にかかるコストが膨大であり、また輸送に伴う交通量の増大や排出ガスの増加等の問題点が多い。
【構成】樹脂パイプの製造には、原材料を加熱して溶解する溶解プロセスと、溶解された原材料から必要な成分を抽出する抽出プロセスと、抽出された成分を用いて樹脂パイプを成型する成型プロセスと、成型された樹脂パイプを冷却する冷却プロセスとを順次実行する機能を備えたパイプ製造設備が必要である。このパイプ製造にかかる設備一式を移動式の製造ユニット4,6,8,10として構成するとともに、これら移動式の製造ユニット4,6,8,10を使用場所まで運搬車両24により移送して、使用場所で樹脂パイプを製造するパイプ製造システムを活用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原材料を加工して連続した樹脂パイプを製造するため、原材料を加熱して溶解する溶解プロセスと、溶解された原材料から必要な成分を抽出する抽出プロセスと、抽出された成分を用いて樹脂パイプを成型する成型プロセスと、成型された樹脂パイプを冷却する冷却プロセスとを順次実行する機能を備えたパイプ製造設備について、このパイプ製造設備を移動式の製造ユニットとして構成するユニット構成プランと、 移動式の製造ユニットを、製品としての樹脂パイプが使用される使用場所まで移送するユニット移送プランと、 前記使用場所に移送された製造ユニットを用いて前記パイプ製造設備を稼働させることにより、前記使用場所での前記各プロセスの実行を通じて樹脂パイプを製造するパイプ製造プランと から構成されることを特徴とするパイプ製造システム。 【請求項2】 請求項1に記載のパイプ製造システムにおいて、 前記ユニット構成プランでは、前記パイプ製造設備が複数の製造ユニットに分割して構成されるとともに、個々の製造ユニットは、前記各プロセスの少なくとも1つを実行する機能を備えることを特徴とするパイプ製造システム。 【請求項3】 請求項1又は2に記載のパイプ製造システムにおいて、 前記パイプ製造プランを通じて樹脂パイプの製造を完了した後、稼働が終了したパイプ製造設備を移動式の製造ユニットとして再構成するユニット再構成プランと、 再構成された移動式の製造ユニットを、その待機場所まで回収するべく移送するユニット回収プランとをさらに有することを特徴とするパイプ製造システム。 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のパイプ製造システムにおいて、 前記パイプ製造設備には、冷却プロセスにて冷却された樹脂パイプの表面に所定のマーキングを付するマーキングプロセスがさらに含まれることを特徴とするパイプ製造システム。 【請求項5】 原材料を加熱して溶解する溶解プロセスと、溶解された原材料から必要な成分を抽出する抽出プロセスと、抽出された成分を用いて樹脂パイプを成型する成型プロセスと、成型された樹脂パイプを冷却する冷却プロセスとを順次実行することで連続した樹脂パイプを製造するパイプ製造装置において、 前記各プロセスを実行する機能を有した複数の機能セクションと、 前記機能セクションを収容した状態で移動可能に構成され、移動先の設置場所で全ての前記機能セクションを相互に連結させた状態で設置されることにより、この設置場所にて樹脂パイプの製造ラインを構成する移動式の製造ユニットと を備えたことを特徴とするパイプ製造装置。 【請求項6】 請求項5に記載のパイプ製造装置において、 前記製造ユニットは、少なくとも1つの機能セクションを収容した状態で複数に分割可能であることを特徴とするパイプ製造装置。 【請求項7】 請求項5又は6に記載のパイプ製造装置において、 前記製造ユニットは、設置場所で樹脂パイプの製造を完了した後においても移動可能に構成されていることを特徴とするパイプ製造装置。 【請求項8】 請求項5から7のいずれかに記載のパイプ製造装置において、 前記機能セクションは、冷却プロセスにて冷却された樹脂パイプの表面に所定のマーキングを付するマーキングプロセスを実行する機能をさらに有することを特徴とするパイプ製造装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えばポリマーチップ等の粒状の原材料から樹脂パイプを製造するためのパイプ製造システム及びパイプ製造装置に関する。 【背景技術】 【0002】 樹脂パイプの製造技術に関して、従来から製造時間の短縮化を目的としたものが複数知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。 【0003】 前者(特許文献1)の技術は、固定されたマンドレルの周囲にテープ状の材料を螺旋状に巻回しながら、その重なり部分を熱溶着させて1本の樹脂パイプを成型する製造方法(装置)に関するものである。この先行技術によれば、機械的強度や液密性の高いパイプを15m/min以上の速度で連続的に製造することができる。 【0004】 また後者(特許文献2)の技術は、ポリマー材料を用いて樹脂管体を押し出し成型するとともに、この樹脂管体を金型に沿って屈曲させる樹脂パイプの製造方法(装置)に関するものである。この先行技術によれば、2つに割れた型(割型)がループ状に搬送されており、これら割型の間に樹脂管体が押し出されて順次挟み込まれていくので、屈曲した形状の樹脂パイプを連続的かつ短時間に製造することができる。 【0005】 また、広汎な産業用途に用いられる塩化ビニル樹脂パイプに関して、その一般的な製造技術が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。すなわち、硬質塩化ビニル樹脂パイプは、一般的に電気加熱による押出成型方法で製造されている。具体的には、塩化ビニル樹脂材料に安定剤や顔料、滑剤等を添加混合し、ミックスコンパウンドにしたものを押出成型機にかけて加熱する。このとき、加熱コンパウンドをスクリューによって圧縮混練しながら金型に供給し、そこで背圧をかけながら押し出し成型することで連続した塩化ビニル樹脂パイプを得る。金型を通過したパイプは次工程で冷却され、さらに押し出し速度に合わせて引取り機や巻取り機に受け取られる。長尺な樹脂パイプの連続体は一定の長さに切断された後、必要に応じて二次加工が施され、出荷可能な製品パイプとなる。 【0006】 さらに近年では、廃材となった樹脂パイプを再生し、再生樹脂パイプ等を製造する技術も一般化してきている(同、非特許文献1参照)。使用済みの廃塩ビパイプは、リサイクル可能品に分別された後、これを粉砕し、適宜に安定剤等の添加剤を補充しながら再生される。この場合も同様に、再生された塩ビ樹脂を用いて上記の押出成型法により再生塩ビパイプを得ることができる。このような樹脂再生技術は、本来なら焼却処分されるはずの廃材をリサイクルすることで資源の有効活用を図るだけでなく、焼却にかかるエネルギー消費量を低減するとともに、SOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)、CO2(二酸化炭素)の排出量を削減することで、環境負荷を緩和することに役立っている。 【特許文献1】特開平8−25472号公報(第2−4頁) 【特許文献2】特開2003−25415号公報(第2−4頁、図2) 【非特許文献1】柳 良夫、”塩ビ樹脂製品のマテリアルリサイクルとLCA”、”4.製造工程 4.2 塩ビ樹脂から硬質塩ビパイプの製造 4.3 廃塩ビパイプから再生塩ビパイプの製造”[online]、塩ビ工業・環境協会(略称VEC)、インターネット<URL:http://www.vec.gr.jp/enbi/mr.htm> 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 このように、近年では樹脂パイプの製造に関して所要時間を短縮したり、あるいは、リサイクルを推進して環境負荷の低減を図る試みが多くなされているところである。しかしながら、その技術開発の方向性は、依然として製造装置やプロセスの改良のみにとどまるものであり、より広い産業規模で技術開発を行おうとする観点に乏しい。 【0008】 すなわち、樹脂パイプの製造主体(メーカー)は、自己が行う製造事業の範囲内での改良には注力しているものの、製造後のパイプ製品が実際に産業界で流通し、また使用される場面までを含めた観点での技術開発を志向していない。例えば、樹脂パイプの製造主体は自己が保有する工場内で製造を行い、これをパイプ製品として保管し、注文に応じて梱包・出荷を行うことが通常の事業活動である。特に近年では、製造コストに占める人件費削減の観点から、多くの製造主体は日本国内ではなく海外(例えばアジア諸国)に製造拠点を移し、そこで製造した製品を注文に応じて海上輸送又は空輸し、さらに実際のパイプ施工場所まで陸送することが一般化している。 【0009】 このような製品流通の仕組みは、単純な製品出荷価格の低下には寄与するものの、実際にパイプ製品が施工場所で使用されるまでの間に大量の製品輸送を必要とすることから、より広い産業規模で考えた場合に以下の問題を生じる。 【0010】 具体的には、先ず大量長距離輸送に必要な大規模の輸送手段(貨物船、航空機、運送車両等)を必要とするため、それらの調達・使用コストがかかる点である。さらに、これら輸送手段を活用する際に(1)海上・航空・陸上交通量の増大を招き、(2)輸送手段の使用に伴う公害(排出ガス、騒音・振動)の発生が懸念され、(3)大量長距離輸送に必要なエネルギー消費量が増大し、ひいては(4)傷害を被る機会の増大を招くことになる。ここでいう傷害は、輸送中に起きるパイプ製品の損傷、水没、盗難、滅失はもとより、長距輸送中の事故に伴う人的・物的傷害をも含むものである。 【0011】 この点、再生樹脂パイプの製造は、確かに地球環境負荷を低減する産業活動の一環ではあるものの、それとてパイプ製品の流通市場や使用現場までを含めた産業規模の観点から技術開発を推進しようとするものではない。 【0012】 そこで本発明は、より広い産業規模の観点から技術開発を進めるとともに、エネルギー消費量の低減や環境負荷の低下に寄与することを課題としたものである。 【課題を解決するための手段】 【0013】 樹脂パイプの製造には、原材料を加熱して溶解する溶解プロセスと、溶解された原材料から必要な成分を抽出する抽出プロセスと、抽出された成分を用いて樹脂パイプを成型する成型プロセスと、成型された樹脂パイプを冷却する冷却プロセスとを順次実行する機能を備えたパイプ製造設備が必要である。本発明は、パイプ製造にかかる設備一式を移動式の製造ユニットとして構成するとともに、これら移動式の製造ユニットを使用場所まで移送して、使用場所で樹脂パイプを製造するパイプ製造システムを活用するものである。 【0014】 製造ユニットを使用場所まで移送し、そこで必要な樹脂パイプを製造する態様であれば、既存のパイプ製品を大量に購入して、これらを使用場所まで運搬してくる態様に比較して、以下のメリットがある。 【0015】 第1に、先に述べた大量長距離輸送に必要な大規模の輸送手段を必要としない。このため、大量の製品輸送にかかるコストを削減することができる。本発明のパイプ製造システムを活用した場合、輸送するべき対象は製造ユニット及び原材料だけで済む。原材料はポリマーチップのような粒状体の形態であるため、パイプ製品に加工された後の形態に比較すると、同じ質量で比較しても容積(体積)が小さい。パイプ製品は中が空洞であるため、質量の割に容積(体積)が大きく、輸送にかかる効率が悪い。例えば、同じトラック1台あたりに積載できる容積は限られているが、同じ容積でパイプ製品を輸送した場合と、ポリマーチップを輸送した場合を比較すると、後者の方が1度に輸送できる質量が大きく、はるかに輸送効率が高いといえる。 【0016】 また、上述のパイプ製造システムを活用するため、本発明はユニット化されたパイプ製造装置を提供する。移動式の製造ユニットには、パイプ製造に必要な各プロセスを実行する機能を有した機能セクションが収容されている。製造ユニットは、移動先の設置場所で全ての機能セクションを相互に連結させた状態で設置されることにより、1つの製造ラインを構成することができる。 【発明の効果】 【0017】 本発明のパイプ製造システムによれば、輸送効率の向上により輸送機会を削減できるため、それだけ交通量の削減や公害(排出ガス、騒音・振動)発生の緩和、エネルギー消費量の抑制、傷害を被る機会の減少といったメリットを享受できる。 【0018】 また本発明は、従来行われていた製造装置やプロセスの改良といったミクロな視点での技術開発ではなく、マクロな産業規模での技術開発に目を向けた点で優れた先進性を有する。本発明による先進性は、今後の地球環境保護を目的とした新たな技術開発の方向性を指し示した点においても、その産業上の貢献度は高い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。 【0020】 図1は、樹脂パイプの製造プロセスを概略的に示した工程図である。この製造プロセスは、複数に区分された一連のプロセスの集合から構成されている。具体的には、原材料投入プロセスP1、溶解プロセスP2、抽出プロセスP3、成型プロセスP4、冷却プロセスP5、マーキングプロセスP6、そして切断プロセスP7を通じて樹脂パイプが製造されるものとなっている。以下、個々のプロセスについて説明する。 【0021】 〔原材料投入プロセス〕 本実施形態では、樹脂パイプの原材料にポリマーチップが用いられている。原材料投入プロセスP1は、原材料となるポリマーチップ(例えば、三井化学株式会社、東レ株式会社製)を必要に応じて計量しながら図示しない製造ラインに投入するものである。投入されたポリマーチップは、次のプロセスで使用するため例えば加熱炉等に受け止められる。 【0022】 〔溶解プロセス〕 溶解プロセスP2は、原材料の高密度ポリエチレンのペレットを例えば炉内にて加熱し、溶解させるプロセスである。ここでは、使用する高密度ポリエチレンの特性に合わせて加熱温度が適切に設定される。 【0023】 〔抽出プロセス〕 抽出プロセスP3は、溶解した状態の流動体を金型へ抽出するプロセスである。 【0024】 〔成型プロセス〕 成型プロセスP4は、抽出した成分から例えば金型及び中子を用いて連続した長尺パイプを成型するプロセスである。ここでは中空成形あるいは押出成形法でパイプを成型する手法を用いることができる。 【0025】 〔冷却プロセス〕 冷却プロセスP5は、成型されたパイプを常温近くまで冷却するプロセスである。冷却手段には、例えば河川水や工業用水等の水が用いられる。 【0026】 〔マーキングプロセス〕 マーキングプロセスP6は、冷却されたパイプの表面に呼び径やロット番号、文字、図記号等を印字するプロセスである。マーキングは、例えばインクの熱転写や吹き付け、あるいはレーザ捺染等により行われる。 【0027】 〔切断プロセス〕 切断プロセスP7は、マーキングが施されたパイプを所望の長さで切断するプロセスである。パイプの切断には、例えば鋸等の切断器具が使用される。 【0028】 通常、樹脂パイプの製造設備(製造ライン)は、以上のプロセスP1〜P7を順次実行する機能を有している。なお、マーキングプロセスP6については省略することも可能である。この場合、表面に何もマーキングがされていない状態のパイプが製造されることになる。 【0029】 〔ユニット構成プラン〕 以上が一般的な樹脂パイプの製造プロセスの概略であるが、本実施形態のパイプ製造システムは、本来ならパイプ製造設備一式として工場等に据え置かれるものを移動式の製造ユニットとして構成することで実現されている。ここでは先ず、パイプ製造設備一式をいくつかの製造ユニットに分割して構成する例について説明する。 【0030】 図2から図5は、パイプ製造システムの構成例及びその稼働例を示したワークフロー図である。先ず図2に示されているように、パイプ製造システムの稼働にはパイプ製造設備2が用いられる。パイプ製造設備2には、複数(この例では4つ)に分割された製造ユニット4,6,8,10の他、発電装置12及び制御盤14が含まれている。このうち、製造ユニット4,6は、互いに連結された状態で1つの架台16上に搭載されている。同様に、発電装置12及び制御盤14もまた1つの架台18上に搭載されている。その他の製造ユニット8,10は、それぞれ単独で架台20,22上に搭載されている。 【0031】 製造ユニット4,6は、1つの架台16上で互いに連結されて1セットになった状態にあるが、その他の製造ユニット8,10は、互いに分離された状態にある。またいうまでもなく、これら製造ユニット8,10は、製造ユニット4,6のセットとは機械的に分離されている。 【0032】 一方、製造ユニット4,6,8,10は、各架台16,20,22上に搭載された状態で、それごと移動(運搬・搬送)させることが可能となっている。また同様に、発電装置12及び制御盤14もまた、架台18ごと移動させることが可能である。移動には、トラック等の運搬車両24による輸送の他、図示しない牽引車両による牽引も可能である。あるいは、各架台16,18,20,22に駆動車輪を装備することで、これらを自走させることもできる。 【0033】 製造ユニット4は、原材料投入装置4a及び溶解・抽出装置4bを備えている。パイプ製造設備2の中で、原材料投入装置4aは上述した原材料投入プロセスP1を実行する機能を有した機能セクションとして構成されており、例えば上向きの矩形状に開口した漏斗形状をなしている。この原材料投入装置4aは、上方から投入されたポリマーチップを一定の流量で流下させ、次の溶解・抽出装置4bにフィードする。 【0034】 パイプ製造設備2の中で、溶解・抽出装置4bは溶解プロセスP2及び抽出プロセスP3を順番に実行する機能を有した機能セクションとして構成されている。この溶解・抽出装置4bは、先ず原材料投入装置4aからフィードされたポリマーチップを加熱炉内にて受け取り、ここで加熱して溶解させる。そして溶解・抽出装置4bは、溶解させたポリマーから必要成分を抽出し、次の製造ユニット6に向けて送出する。 【0035】 次の製造ユニット6は、成型装置6aを備えている。この成型装置6aは、パイプ製造設備2の中で上記の成型プロセスP4を実行する機能を有した機能セクションとして構成されている。成型装置6aは、溶解・抽出装置4bから送出された必要成分から樹脂パイプを成型する。成型された樹脂パイプは、成型装置6aから水平方向(図2でみて右方向)に送出される。 【0036】 架台20上に単独で搭載されている製造ユニット8は、冷却装置8aを備えている。冷却装置8aは、パイプ製造設備2の中で上記の冷却プロセスP5を実行する機能を有した機能セクションとして構成されている。冷却装置8aは、成型装置6aにより成型された樹脂パイプを受け取り、これを常温付近まで冷却する。実際に冷却装置8aを稼働させるときは、製造ユニット8を製造ユニット6の側方(図2でみて右側方)に連結した状態となる。この冷却装置8aは、成型装置6aから水平に送出された樹脂パイプの連続体をその送出方向にて受け取り、内部に取り込みながら冷却を行う。また冷却された樹脂パイプは、冷却装置8aから水平方向(図2でみて例えば右方向)に送出される。 【0037】 そして、架台22上に単独で搭載されている製造ユニット10は、マーカ10aを備えている。マーカ10aは、パイプ製造設備2の中で上記のマーキングプロセスP6を実行する機能を有した機能セクションとして構成されている。マーカ10aは、冷却装置8aにより冷却された樹脂パイプを受け取り、その外面にマーキングを施す。実際にマーカ10aを稼働させるときは、製造ユニット10を製造ユニット8の側方(図2でみて右側方)に連結した状態となる。冷却装置8aから送出された樹脂パイプの連続体は製造ユニット10にて受け取られ、その内部にて表面を清浄化及び乾燥処理された後、マーカ10aによりマーキングが施される。マーキングが施された樹脂パイプは、製造ユニット10から水平方向(図2でみて例えば右方向)に送出される。 【0038】 発電装置12は、例えば内燃機関の動力を用いて発電し、これを各製造ユニット4,6,8,10に分配して供給する。各種装置の作動に必要な電力は、全て発電装置12でまかなうことができる。また制御盤14は、オペレータによる操作を受け付けたり、その操作に基づいて各製造ユニット4,6,8,10の作動を制御したりすることができる。 【0039】 以上の構成はあくまで本実施形態で用いた一例に過ぎない。パイプ製造システムを利用するにあたり、利用者はパイプ製造設備一式を各種の態様でユニット化することができる。例えば、パイプ製造設備一式を1つの製造ユニットとして構成してもよいし、2つの製造ユニットに分割して構成してもよい。あるいは、パイプ製造設備一式を5つ以上の製造ユニットに分割してもよい。いずれにしても、個々の製造ユニットは架台や車台に搭載された状態で、運搬、牽引等による移動が可能となる。 【0040】 〔ユニット移送プラン〕 上記のように、パイプ製造設備を複数の製造ユニット4,6,8,10として構成するユニット構成プランを経て、次のユニット移送プランが進められる。ユニット移送プランでは、各製造ユニット4,6,8,10を運搬車両24に積載し、これらを目的地(樹脂パイプの施工場所)まで輸送する手順が進められる。また、このとき合わせて発電装置12及び制御盤14が製造ユニット4,6,8,10とともに輸送される。なお、ここでは輸送手段として運搬車両24を例示しているが、既に述べたように、陸上輸送の場合は車両による運搬の他に牽引や自走の他、列車による輸送等も適宜利用することができる。また、ユニットの移動には陸上輸送だけでなく、水上輸送や空中輸送等を組み合わせてもよい。 【0041】 〔パイプ製造プラン〕 図3に示されているように、目的地まで輸送された製造ユニット4,6,8,10は、例えば運搬車両24から運び出された後、適宜の位置で互いに連結される。また、各製造ユニット4,6,8,10に発電装置12及び制御盤14の配線が接続される。これにより、使用場所において一連のパイプ製造プロセス(P1〜P6)を実行可能な製造ラインが構築される。 【0042】 図4は、移動した先の使用場所で製造ユニット4,6,8,10を組み合わせ、これらを用いてパイプ製造設備を稼働させる例を示した図である。この稼働例では、製造ユニット4の近傍に原材料ホッパ26が設置されている。原材料ホッパ26には、原材料となるポリマーチップが充分に蓄えられており、そこから例えばシュートを介して原材料投入装置4aに適宜な量のポリマーチップが供給されている。なお、原材料ホッパ26の設置は好ましい例示であり、パイプ製造システムの稼働に際して必須ではない。原材料ホッパ26を設置しない場合、別の供給装置(図示されていない)によりポリマーチップが供給される態様であってもよいし、あるいは人手により適宜ポリマーチップが原材料投入装置4aに投入される態様であってもよい。 【0043】 使用場所で製造された樹脂パイプLpは、例えば電動鋸等を用いて必要な長さに切断される。ただし、使用場所では施工者が所望する長さで樹脂パイプLpを切断することができ、特に製造工場で行われるような定尺(例えば数メートル単位、数フィート単位)で切断するといった作業は必要でない。例えば、使用場所において数m〜数十mの長さの樹脂パイプLpが必要であれば、その必要なだけの樹脂パイプLpを連続して製造し、それを1本ものとしてそのまま使用場所で施工することができる。このため、パイプ製品として購入した定尺ものを継ぎ足して施工する場合と比較すると、本システムではパイプ継手部品や接続作業を必要とせず、それだけ部品点数や工数の削減によるコストダウンを図ることができる。 【0044】 〔ユニット回収プラン〕 図5は、使用が終わった後の製造ユニット4,6,8,10を使用場所から撤去する際の作業例を示している。上述のようにパイプ製造プランにおいて樹脂パイプLpの製造が完了すると、使用場所でのパイプ製造設備の稼働が終了する。この後、ユニット回収プランでは、パイプ製造設備一式として連結された状態にある製造ユニット4,6,8,10を分離し、再び移動可能な状態に再構成する作業が行われる。ユニットの再構成は、例えば最初の段階(ユニット構成プラン)で構成されていた状態を復元すればよい。 【0045】 製造ユニット4,6,8,10が移動可能な状態に再構成されると、これらを運搬車両24により輸送し、例えば元の保管されていた待機場所まで回収する作業が行われる。このとき、あわせて発電装置12及び制御盤14もまた回収される。回収された製造ユニット4,6,8,10、発電装置12及び制御盤14は、それぞれ必要な保守・点検作業が行われた後、次の使用機会まで保管される。 【0046】 上述したパイプ製造システムは、例えばダム施工現場やビル建築現場等、樹脂パイプを用いて配管作業が行われる各種の使用場所において活用することができる。本発明の発明者が試算したところによると、特にダム施工現場等の市街地から遠く離れた使用場所においては、大量に購入した定尺のパイプ製品をトラック等で輸送してくるよりも、本実施形態のパイプ製造システムを活用し、使用場所(施工現場)で必要長さだけ樹脂パイプを製造した方が、輸送コストの削減、輸送交通量の低減、エネルギー消費量の低減、各種のガス(SOx,NOx,CO2)排出量の低減による効果が高いことが分かっている。 【0047】 本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、各種に変形して実施することができる。一実施形態ではマーカ10aを備えた製造ユニット10をシステムに含めているが、使用場所において樹脂パイプLpにマーキングを施す必要がなければ、システムに製造ユニット10を含めなくともよい。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】樹脂パイプの製造プロセスを概略的に示した工程図である。 【図2】パイプ製造システムの構成例及びその稼働例を示したワークフロー図(1/4)である。 【図3】パイプ製造システムの構成例及びその稼働例を示したワークフロー図(2/4)である。 【図4】パイプ製造システムの構成例及びその稼働例を示したワークフロー図(3/4)である。 【図5】パイプ製造システムの構成例及びその稼働例を示したワークフロー図(4/4)である。 【符号の説明】 【0049】 2 パイプ製造設備 4 製造ユニット 6 製造ユニット 8 製造ユニット 10 製造ユニット 12 発電装置 14 制御盤 24 運搬車両 26 原材料ホッパ
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| 【出願人】 |
【識別番号】506257216 【氏名又は名称】佐藤 三郎
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100120592 【弁理士】 【氏名又は名称】山崎 崇裕
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| 【公開番号】 |
特開2008−30256(P2008−30256A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−204152(P2006−204152) |
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