| 【発明の名称】 |
ポリマーフィルター及び溶融樹脂の押出成形方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 琢司
【氏名】稲澤 弘志
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| 【要約】 |
【課題】樹脂の滞留が殆どなく長時間連続操業しても樹脂の劣化物が発生せず、連続操業性、製品歩留まり性に優れたポリマーフィルター及び該ポリマーフィルターで濾過された溶融樹脂を押出成形する溶融樹脂の押出成形方法を提供する。
【構成】軸方向に貫通する樹脂流路13内にフィルターエレメント14を固定してなる押えボルト兼濾過流路体10によって、センターポール2の頂部に押えディスク6を固定すると共に、押えディスク6からセンターポール2へ濾過材を備えた樹脂流路を形成し、リーフディスク型フィルターからセンターポールへの樹脂流路と圧力損失を同じにして2系統の流路により溶融樹脂を濾過する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶融樹脂を濾過するリーフディスク型フィルターを備えたポリマーフィルターにおいて、押えディスクからセンターポールへ濾過材を備えた樹脂流路を設けたことを特徴とするポリマーフィルター。 【請求項2】 前記押えディスクからセンターポールへ濾過材を含めた樹脂流路と、リーフディスク型フィルターからセンターポールへの樹脂流路の圧力損失が同じであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーフィルター。 【請求項3】 前記押えディスクからセンターポールへ濾過材を備えた樹脂流路は、センターポールの頂部に押えディスクを固定する押えボルトに樹脂流路が貫通して形成され、該樹脂流路内にフィルターエレメントを固定してなる押えボルト兼濾過流路体によって構成されている請求項1又は2に記載のポリマーフィルター。 【請求項4】 前記ボルト兼濾過流路体の樹脂流路入口部には、前記フィルターエレメントを樹脂流路内に固定すると共に、該樹脂流路内への樹脂の流入量を制御する所定の開口径からなる樹脂インテーク路を有するインテーク部材が螺着されている請求項3に記載のポリマーフィルター。 【請求項5】 請求項1〜4何れか記載のポリマーフィルターを使用して溶融樹脂を濾過して、該溶融樹脂を押出成形して熱可塑性ポリマーフィルムを製造する溶融樹脂の押出成形方法。 【請求項6】 前記溶融樹脂が高粘度アクリル系樹脂である請求項5に記載の溶融樹脂の押出成形方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、リーフディスクフィルター型のポリマーフィルター及び該ポリマーフィルターで濾過された溶融樹脂を押出成形して押出成形品を製造する溶融樹脂の押出成形方法に関する。 【背景技術】 【0002】 溶融樹脂を押出成形する際、異物の除去を目的に溶融樹脂を濾過するリーフディスク型フィルターのポリマーフィルターが使用されている。 従来、ポリマーフィルターとして、図4に示すような、濾過容器40、ボトムカバー41、複数のリーフディスク型フィルター42、フィルター押え43、及びセンターポール46とを構成要素に含むものが知られている。リーフディスク型フィルターからなるポリマーフィルターには、主に図4に示す内流型センターポールを備えたもの、外流型センターポールを備えたもの、及びそれらを複合した内外流型センターポールを備えたものがある。内流型リーフディスク型フィルターは、図5に示すように、樹脂はリーフディスク型フィルター42を通過した後、センターポールの外側から内側へ流入して合流する。センターポールの上側にはトゥーピードと呼ばれる、センターポール上部の滞留防止のための円錐状部品45がある。一方、外流型センターポールを備えたものは、リーフディスク型フィルターを通過した樹脂は、センターポールの外側を流れ、フィルターの出口で合流する。内流型に対して外流型は流路が簡単であり、樹脂の滞留は少ないとされている。しかしながら、従来のセンターポールでは、リーフディスク型フィルターからセンターポールへ溶融樹脂が流入する際、流れ方向を変更する必要があり、センターポールの上方(押えディスク側)には、滞留しやすい箇所が発生する。 【0003】 そのため、高粘度且つ熱劣化し易い樹脂を長時間通過させた場合、樹脂の劣化物が製品に頻発するため、製品品質上の欠点となり、連続操業性、製品歩留まりを悪化させる。それを解決するために、特許文献1では、内流型センターポールの孔方向を変更することにより部分的な樹脂滞留を防止するようにしている。また、特許文献1では、押えディスクとセンターポールを一体化することにより、樹脂の滞留を防止しようとしている。 【特許文献1】特開2001−9214号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、従来提案されているセンターポールでは、例えば高粘度アクリル系樹脂等の高粘度樹脂でのフィルムを押出成形により製膜すると、立ち上げ後20時間程度から滞留劣化物(フローマーク)がフィルムに発生するという欠点がある。フローマークの発生は、フィルター内の樹脂滞留による樹脂劣化に起因し、フィルムの外観上の欠点となるばかりでなく、延伸時のフィルム破断の起点となる可能性が高い。 そこで、本発明は、内流型センターポール、外流型センターポール、内外流センターポールいずれの場合でも、樹脂の滞留が殆どなく長時間連続操業しても樹脂の劣化物が発生せず、連続操業性、製品歩留まり性に優れたポリマーフィルター及び該ポリマーフィルターで濾過された溶融樹脂を押出成形して押出成形品を製造する溶融樹脂の押出成形方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者は、上記問題点を解決するために種々研究した結果、従来のセンターポールを有するポリマーフィルターは、樹脂は周方向からの流れを図5に示すように軸方向へ変えるため、センターポール46上部での流線は周方向が支配的となり、軸方向へは流れにくく樹脂滞留が発生し易いことが分かり、この問題を解決するためにセンターポール上部に新たな流路を設けることによって解決できることを知得し、本発明に到達したものである。 【0006】 即ち、上記問題点を解決する本発明の請求項1に記載のポリマーフィルターは、押出成形に使用するリーフディスクフィルターにおいて、押えディスクからセンターポールへの濾過材を備えた流路を設けたことを特徴とするものである。また、請求項2に記載のポリマーフィルターは、請求項1に記載のポリマーフィルターにおいて、押えディスクからセンターポールへ濾過材を含めた樹脂流路とリーフディスクからセンターポールへの流路の圧力損失が同じであることを特徴とするものである。 請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポリマーフィルターにおいて、前記押えディスクからセンターポールへ濾過材を備えた樹脂流路は、センターポールの頂部に押えディスクを固定する押えボルトに樹脂流路が貫通して形成され、該樹脂流路内にフィルターエレメントを固定してなる押えボルト兼濾過流路体によって構成されていることを特徴とするものである。 さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のポリマーフィルターにおいて、前記ボルト兼濾過流路体の樹脂流路入口部には、前記フィルターエレメントを樹脂流路内に固定すると共に、該樹脂流路内への樹脂の流入量を制御する所定の開口径からなる樹脂インテーク路を有するインテーク部材が螺着されていることを特徴とするものである。 【0007】 そして、上記問題点を解決する本発明の溶融樹脂の押出成形方法は、請求項1〜4何れか記載のポリマーフィルターを使用して溶融樹脂を濾過して、該溶融樹脂を押出成形して熱可塑性ポリマーフィルムを製造することを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の溶融樹脂の押出成形方法において、前記溶融樹脂が高粘度アクリル系樹脂であることを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0008】 本発明のポリマーフィルターによれば、押えディスクからセンターポールへの濾過材を含めた樹脂流路を形成することによって、樹脂の滞留が起こり易いセンターポール上方部での樹脂の流れが均一となり、内流型センターポール、外流型センターポール、内外流センターポールいずれの場合でも、樹脂の滞留が殆どなく従来と比べて長時間連続操業しても樹脂の劣化物が発生せず、飛躍的に連続操業性、製品歩留まり性が向上した。また、請求項2の構成によって、押えディスクからのセンターポールへの樹脂の流れとリーフディスク型フィルターからセンターポールへの樹脂の流れが均一となり、樹脂の滞留が起こらない。また、請求項3の構成によれば、押えディスクからセンターポールへの濾過材を含めた樹脂流路を簡単な構成で容易に形成することができる。さらに、請求項4の構成によれば、押えディスクからセンターポールへの樹脂流路のフィルターエレメントの交換が容易であり、且つインテーク部材の開口径、流路長さ、フィルターエレメントの厚みの選択が容易であり、適正な圧力損失に調整することができる。請求項5、6によって、連続操業しても押出成形品に樹脂の劣化物が発生することがなく、押出成形の連続操業性及び製品歩留まり性を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、本発明のポリマーフィルターの実施形態を例として内流型センターポールについて図面を基に詳細に説明する。またその他のセンターポールへも本発明の実施方法は適用可能である。 図1は、本実施形態に係るポリマーフィルター1を示し、内流型のセンターポール2を採用している。該センターポール2に、ガスケット、リーフディスク型フィルター5、ガスケット、リーフディスク型フィルター5・・・の順で交互に多段組立て、その上部開口端に押えディスク6を組み付けてある。リーフディスク型フィルター5及び押えディスク6は、従来の装置と同様な構造のものが採用でき、特にその構造を限定しないので、詳細な説明は省略する。本発明では、従来の装置において、内流型のセンターポール2の上部に樹脂滞留防止のために設けられている押えボルト・トゥピードに代えて、該部に樹脂流路が形成された押えボルト兼用濾過流路体10を設けたことに特徴を有している。 【0010】 押えボルト兼濾過流路体10は、要部Aを図2に拡大して示すように、中空ボルト軸11の外周部にネジが形成され、頭部12が押えディスク6の中央上部に形成した嵌合孔7に嵌合してセンターポール2の頂部に螺合するボルト状を呈し、押えディスク6を押え付けてセンターポールに固定すると共に、中心軸に沿って第1樹脂流路13が貫通している。第1樹脂流路13の途中には、フィルターエレメント14が上下をガスケット15に挟まれた状態で取り付けられ、インテーク部材16によって流路の途中に交換可能に取り付けられている。インテーク部材16は押えボルト兼濾過流路体10の第1樹脂流路13の上端部に螺着され、その上端が所定の開口径を有する樹脂インテーク路17となっている。インテーク部材16を開口径が相違するものを複数種用意し、樹脂の種類等に応じて適正な開口を有するものを選択することによって、フィルターエレメント14のメッシュ及び樹脂インテーク路17の開口径、流路長さ、フィルターエレメントの厚みを調節することができ、押えボルト兼濾過流路体10からセンターポール2への流路とリーフディスク型フィルター5からセンターポールへの流路との圧力損失が同じとなるように調整可能となる。 【0011】 以上のようにして、センターポール2へ複数段(例えば、50段)のリーフディスク型フィルター5、ガスケット、押えディスク6を順次組み付けた後、上からプレスにて圧下し、押えボルト兼濾過流路体10をセンターポール2にボルト締めして一体に組み立てる。このようにしてセンターポール2にフィルターが組み込まれたフィルター組立体25をケース20内に差し込み、ボトムカバー21と共にボルト締めすることによって、ポリマーフィルター1が組み立られる。ケース20は、図示のように、上部に樹脂流入口22を有し、内部がセンターポールに組み付けられたフィルター組立体25が挿入する空間となっており、該空間内周面24とフィルター組立体の外周部との間には間隙があり、該間隙が第2樹脂流路23となっている。なお、図示していないが、ケース20は、外周部に例えばバンドヒータを巻くかあるいは内部にヒータを埋設するなど適宜の加熱手段で加熱され、溶融樹脂が溶融状態を維持して流動するようになっている。また、図中19はセンターポールに形成された樹脂吐出口であり、各リーフディスク型フィルター内の流路に連通して配置されており、リーフディスク型フィルターで濾過された樹脂は該樹脂吐出口19を通ってセンターポール2のメイン流路3に吐出され、合流する。 【0012】 以上のように構成されたポリマーフィルターにおいて、樹脂流入口22から所定の流圧で供給された溶融樹脂は、図3に流れを矢印で模式的に示すように、押えボルト兼濾過流路体10の第1樹脂流路13を通って濾過されてセンターポール2内に流入するものと、第2樹脂流路23を通って側方からリーフディスク型フィルター5に流入して、濾過されてセンターポール内に流入する2コースに分流される。押えボルト兼濾過流路体10の第1樹脂流路13を通る樹脂はフィルターエレメント14で濾過され、センターポール2の上端部からメイン流路3内に流入し、第2樹脂流路23を通った溶融樹脂は、図3に示すようにリーフディスク型フィルターの上下両面に配置された濾過材を通って各リーフディスク型フィルター内の流路18を通ってメイン流路3内に合流し、下流側に配置された押し出しダイに供給される。その場合、第1樹脂流路13及び第2流路23の流路抵抗を均一化することが重要であり、それによって滞留の発生を阻止し、ポリマーフィルター内全体で均一な流れを確保することができる。 【0013】 以上のように本発明では樹脂流路を従来のリーフディスク型フィルターを介しての濾過流路に加えて、新たに押えディスクから直接センターポールのメイン流路に流入する濾過流路を設けることによって、高粘度樹脂であってもセンターポール上部での滞留が解消され、長時間連続操業しても樹脂の劣化物が製品に頻発することがなくなり、連続操業性及び製品歩留まりを向上させることができる。 また、上記実施形態では内流型センターポールを有する場合であるが、本発明は、内流型センターポールの場合に限らず、外流型センターポールの場合にも適用できる。その場合は、押えディスクからセンターポールへの濾過材を備えた樹脂流路は、直接ポールの外周部の溶融樹脂流路に連通するように構成する。 【実施例】 【0014】 図1に示す構成のポリマーフィルターおいて、濾過精度3μmのリーフディスク型フィルター52枚を組み付け、且つ押えボルト兼濾過流路体10のフィルターエレメントを濾過精度3μmのものを採用して、8000poise、at100sec-1、270℃の高粘度アクリル樹脂を濾過して、Tダイで押し出し成形によりフィルム製膜をした結果、120時間連続操業してもフィルム内に樹脂の劣化物は発生しなかった。 【0015】 また、比較例として、押えボルト兼濾過流路体10の無い図4に示すような従来の内流型センターポール及び図示しない外流型センターポールのリーフディスク型のポリマーフィルターにおいて、リーフディスク型フィルターの濾過精度を上記実施例と同一条件に設定して同一樹脂を濾過してTダイにより押し出し成形によりフィルム製膜をした結果、その場合はどちらも立ち上げ後20時間からフィルム内に滞留劣化物が頻発した。 以上の実施例及び比較例の結果から、押えディスクからセンターポールへの濾過材を備えた本発明のポリマーフィルターは、フィルムへの滞留劣化物の発生の抑制に従来と比べて格段に効果があることが確認された。 【産業上の利用可能性】 【0016】 本発明のポリマーフィルターは、フィルター内での樹脂の滞留がないので、高粘度樹脂でかつ熱劣化しやすい樹脂の濾過に好適であるが、それに限らず環状ポリオレフィン、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスチレンとポリエチレンのアロイ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン共重合体などの1種または2種以上からなるポリオレフィン樹脂、6ナイロン、6,6ナイロン、6,10ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート―エチレンイソフタレート共重合体などの1種または2種以上からなるポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂など種々の熱可塑性溶融樹脂あるいはそれらの混合体の濾過に適用可能であり、押出成形する樹脂の濾過に利用できる。そして、本発明の押出成形方法は、フィルムの製膜に限らず、種々の押し出し成形物の成形に好適に適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0017】 【図1】本発明の実施形態に係るポリマーフィルターの概略正面断面図である。 【図2】図1のA部の拡大図である。 【図3】図1に示すポリマーフィルターにおける溶融樹脂の流れを示す模式図である。 【図4】従来のポリマーフィルターの概略正面断面図である。 【図5】図4に示すポリマーフィルターにおける溶融樹脂の流れを示す模式図である。 【符号の説明】 【0018】 1 ポリマーフィルター 2 センターポール 3 メイン流路 5 リーフディスク型フィルター 6 押えディスク 7 嵌合孔 10 押えボルト兼濾過流路体 11 中空ボルト軸 A 頭部 13 第一樹脂流路 14 フィルターエレメント 15 ガスケット 16 インテーク部材 17 樹脂インテーク路 20 ケース 21 ボトムカバー 22 樹脂流入口 23 第2樹脂流路 24 空間内周面 25 フィルター組立体
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| 【出願人】 |
【識別番号】390003193 【氏名又は名称】東洋鋼鈑株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月12日(2006.7.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092200 【弁理士】 【氏名又は名称】大城 重信
【識別番号】100110515 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 益男
【識別番号】100084607 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 文男
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| 【公開番号】 |
特開2008−18598(P2008−18598A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月31日(2008.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2006−191618(P2006−191618) |
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