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【発明の名称】 金型固定装置
【発明者】 【氏名】岡田 一三

【要約】 【課題】金型の着脱を円滑に行なわしめるようにするとともに、金型の脱落を防止する。

【構成】固定金型用取付基盤4、可動金型用取付基盤5からなるプラスチック成形機に用いられる金型固定装置1を、永久磁石にて形成される磁力及び電磁石にて形成される電磁力との組合せによって金型の吸着を行なわせる永電磁チャック機構15を有するようにする。金型固定装置1の金型2、3と接する面側に金型側に設けられた係合突起21、31の先端部に設けられたフランジ211、311がスライド移動可能なように嵌り込むものであってT溝状の横断面形態からなるガイド溝12を設ける。ガイド溝12の縦方向終端部のところに上記係合突起21、31を所定の位置に留め置くように機能するストッパ125を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型用取付基盤と、当該固定金型用取付基盤に対して左右方向への相対移動が可能なように設けられる可動金型用取付基盤と、からなるプラスチック成形機に用いられるものであって上記固定金型及び可動金型をそれぞれの取付基盤側へ固定する役目を果たす金型固定装置を、永久磁石にて形成される磁力及び電磁石にて形成される電磁力との組合せによって上記金型を適宜吸着させるように作動する永電磁チャック機構を有する構成からなるようにするとともに、本金型固定装置の上記金型と接する面側に、各金型の底面部に予め設けられた係合突起の先端部に形成されたフランジがスライド移動可能なように嵌り込むものであってT溝状の横断面形態からなるとともに本金型固定装置の上端部から所定の長さだけ下方へ向って延びるように形成されたガイド溝を設けるようにし、更に、このようなガイド溝の縦方向終端部のところに上記係合突起を所定の位置に留め置くように機能するストッパを設けるようにした構成からなることを特徴とする金型固定装置。
【請求項2】
請求項1記載の金型固定装置において、上記ガイド溝の上端部のところに、下方に向って幅が狭くなるように形成されたロート状の形態からなる導入部を設けるようにするとともに、当該導入部を形成するところに存在する上記T溝を形成するオーバハング部の平面形態を上記導入部の形態に合せたロート状の形態からなるようにしたことを特徴とする金型固定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機等における金型固定装置に関するものであり、特に、横型の成形機等に用いられるものであって、永久磁石による磁力と電磁石による電磁力との組合わせによって上記金型を適宜吸着させることのできるようにした永電磁チャック機構を有する金型固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、射出成形機等における金型の固定方法としては、可動側及び固定側それぞれの取付基盤上に、所定の金型固定装置を介して、各種金型が取付けられるようになっているものである。具体的には、金型底面部が金型固定装置の一方の面側に磁力等を介して取付けられるとともに、このような金型の取付けられた金型固定装置が、上記取付基盤上に所定のクランプ装置等を介して取付けられるようになっているものである。ところで、このような磁力を用いた金型固定装置においては、電磁石等に電流を流すことによって金型固定面に磁力を発揮させたり、あるいは磁力を消去したりして、金型の固定あるいは固定解除を行うようにしているものである。これによって、金型の交換作業等を円滑に行なわせるようにしているものである。しかしながら、このような磁力を介した金型の固定方法においては、成形品を金型から取り出す際等において、金型に作用する力などにより、金型が金型固定装置の表面から部分的に離間してしまい、金型に作用する磁力が急激に低下して金型が落下してしまう虞があると言う問題点がある。このような問題点を解決するために、磁力を用いたもの、すなわち、永電磁チャック機構を用いた金型固定装置においては、磁力による方法の他に、更に、真空チャック機構を付け加えるようにした方式のもの(特許文献1参照)等が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−246634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記真空チャック機構を有するものにおいては、真空発生装置を初めとした真空チャック機構形成のための余分な装置が必要となり、金型固定装置が複雑になるとともに、装置全体のコスト等も高くならざるを得ないと言う問題点がある。このような問題点を解決するために、脱落防止用の補助機構を簡単な構成からなるものにて形成させるとともに、金型固定装置としての使い勝手が良く、更には機能性においても優れたもの(金型固定装置)を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明である第一の発明においては、固定金型の取付けられる基礎となる固定金型用取付基盤と、可動金型の取付けられる基礎となるものであって上記固定金型用取付基盤に対して左右方向への相対移動が可能なように設けられる可動金型用取付基盤と、からなるプラスチック成形機に用いられる金型固定装置に関して、当該金型装置を、永久磁石にて形成される磁力及び電磁石にて形成される電磁力との組合せによって上記金型を適宜吸着させるように作動する永電磁チャック機構を有する構成からなるようにするとともに、上記各金型の金型固定装置と接する面側に先端部にフランジを有する係合突起を予め設けておくようにし、一方、上記金型固定装置の上記金型と接する面側に上記係合突起の先端部に設けられたフランジがスライド移動可能なように嵌り込むものであってT溝状の横断面形態からなるとともに各金型固定装置の上端部から所定の長さだけ下方へ向って延びるように形成されたガイド溝を設けるようにし、更に、このようなガイド溝の縦方向終端部のところに上記係合突起を所定の位置に留め置くように機能するストッパを設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
次に、請求項2記載の発明である第二の発明においては、請求項1記載の金型固定装置に関して、上記ガイド溝の上端部のところに、下方に向って幅が狭くなるように形成されたロート状の形態からなる導入部を設けるようにするとともに、当該導入部を形成するところに存在する上記T溝を形成するオーバハング部の平面形態を上記導入部の形態に合せたロート状の形態からなるようにした構成を採ることとした。
【発明の効果】
【0006】
第一の発明によれば、金型固定装置への金型の着脱が、金型固定装置内に設けられた永電磁チャック機構の作動によって円滑に行なわれることとなる。そして更に、本発明のものにおいては、金型が金型固定装置のところに取付けられた状態においては、金型側に設けられた係合突起の先端部に形成されるフランジが上記金型固定装置に設けられたガイド溝内に嵌り込んだ状態で係合するようになるので、仮に金型の底面部と金型固定装置の永電磁チャック機構面との間が瞬間的に離れるようなことがあっても、上記金型側に設けられた係合突起のフランジのところがT溝状ガイド溝のオーバハング部のところに引掛るようになり、金型が一気に脱落したりするようなことがない。その結果、磁力の作用により、金型の底面部と金型固定装置の永電磁チャック機構面とは再び吸引し合うようになり、両者は吸着し合うようになる。また、本発明のものにおいては、ガイド溝の縦方向下端部のところに、金型側に設けられた上記係合突起を所定の位置に留め置くように形成されたストッパが設けられるようになっていることより、金型と金型固定装置との間の相対位置決めが円滑に行なわれるようになり、金型の金型固定装置への取付け(装着)が円滑に行なわれるようになる。すなわち、金型の交換作業等が、円滑に、かつ、効率良く行なわれるようになる。
【0007】
また、第二の発明によれば、ガイド溝の上端部のところには、ロート状に開いた形態からなる導入部が設けられるようになっていることより、金型の交換時、特に、その取付時において、金型側に設けられた係合突起のフランジのところを上記ロート状に開いた導入部のところに誘導して、当該フランジをガイド溝内へと円滑に滑り込ませることができるようになる。その結果、金型の交換等を、円滑に、かつ、効率良く行なうことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本実施の形態にかかるものは、例えば図1に示す如く、固定金型2及び可動金型3からなる一組の金型セットを射出成形機のところに取付けるための金型取付装置に関するものである。その具体的構成は、図1に示す如く、固定金型2の取付けられる基礎となるものであって、間に金型固定装置1を介在させた状態で設けられる固定金型用取付基盤4と、可動金型3の取付けられる基礎となるものであって、間に金型固定装置1を介在させた状態で設けられる可動金型用取付基盤5と、からなることを基本とするものである。
【0009】
このような構成からなるものにおいて、ベース7と上記固定金型用取付基盤4との間にはガイドレール55が横方向に複数本平行なように設けられるようになっている。そして、このようなガイドレール55を介して、上記可動金型用取付基盤5は上記ベース7と固定金型用取付基盤4との間をスライド移動することができるようになっている。このような構成を採ることによって、固定金型2と可動金型3との間における型開き作動あるいは型締め作動が円滑に行なわれることとなる。また、このような構成からなる固定金型用取付基盤4側には原材料を両金型2、3内に形成されるキャビティ内へ送り込むための射出装置6が設けられるようになっている。
【0010】
このような基本構成からなるものにおいて、上記各金型2、3を両取付基盤4、5へ取付ける際に用いられる連結手段としての金型固定装置1の具体的構成について、図1及び図2を基に説明する。まず、本金型固定装置1としては、その一方の面側、特に、金型2、3の取付けられる面側には、既存の永電磁チャック機構15が設けられるようになっているものである。この永電磁チャック機構15は、常に所定の磁力が作用するように形成された永久磁石と、コイル内に通電させることによって電磁力を発生させるとともに当該電磁力が上記永久磁石によってもたらされる磁力と打消し合い、結果的に本金型固定装置1の金型取付面には磁力に基づく金型吸引力を生じさせないように作動する電磁石と、の組合せ機構からなるものである。
【0011】
このような永電磁チャック機構15を内蔵するものにおいて、その各金型取付面側には、図2及び図3に示すような所定の横断面形態を有するガイド溝12が設けられるようになっている。なお、このガイド溝12は、図1及び図2に示す如く、金型固定装置1の金型取付面側に上下方向(縦方向)に設けられるものであって、中心点(O)よりは上方側であって射出装置6の中心部付近に設けられる原材料投入口(図略)等と干渉しないような位置に設けられるようになっているものである。なお、このようなガイド溝12の横断面形態は、図1及び図3に示す如く、基本的にはT溝状の形状を有するものであって、後に述べる固定金型2及び可動金型3の底面部に設けられた係合突起21、31の先端部に形成された各フランジ211、311を抱き込んだ状態で保持するように形成されたオーバハング部122を有するようになっているものである。
【0012】
すなわち、上記各金型2、3の、それぞれの底面部29、39のところには、ガイドピンの役目を果たす係合突起21、31が設けられるようになっている。具体的には、図1に示す如く、固定金型2の底面部29のところにはピン状の形態からなる係合突起21が面直角状に設けられるようになっている。そして、このような係合突起21の先端部のところには上記金型固定装置1に設けられたガイド溝12内に嵌り込んでスライド移動可能なように形成されたフランジ211が設けられるようになっている。また、上記可動金型3側にも同じように、その底面部39のところにガイドピンの役目を果たす係合突起31が設けられるとともに、その先端部のところにはフランジ311が設けられるようになっている(図1参照)。このような構成からなる各金型2、3側に設けられたフランジ211、311のところが金型固定装置1に設けられたガイド溝12内に嵌り込んだ状態においては、各金型2、3は、それぞれ、上記フランジ211、311を介してガイド溝12のところに確実に係合するようになり、各金型2、3の金型固定装置1の永電磁チャック機構15を有する面からの脱落が防止されるようになる。
【0013】
また、このような構成からなるガイド溝12の、その上端部のところには、図2に示す如く、上に向って開いた状態のもの、すなわち、ロート状の形態からなる導入部11が設けられるようになっている。この導入部11の在るところにおいては、オーバハング部122も上方に向って開いた状態に切欠かれるようになっており、各金型2、3の底面部に設けられた係合突起21、31、更には、その先端部に設けられたフランジ211、311の挿入(導入)が円滑に行なわれるようになっているものである。これによって、各金型2、3の金型固定装置1への取付作業が円滑に行なわれることとなる。
【0014】
また、このような構成からなるガイド溝12の最下端部のところには、例えば図2及び図3に示す如く、各金型2、3に設けられたそれぞれの係合突起21、31が係合して、各金型2、3の上下方向の位置決めを行なわせるためのストッパ125が設けられるようになっている。このようなストッパ125が設けられることによって、各金型2、3の金型固定装置1への位置決めを含めた取付作業が円滑に行なわれることとなる。なお、このような構成からなるガイド溝12と各係合突起21、31との係合作用に基づく脱落防止機構は、各金型2、3の底面部29、39のところに、複数組づつ設けるようにしても良い。このような構成からなる金型固定装置1のところに各金型2、3が取付けられた状態において、このような金型固定装置1を、例えば図1に示す如く、所定のクランプ装置9を介して、固定金型用取付基盤4または可動金型用取付基盤5のところに取付ける(固定する)。このようにして、プラスチック成形機への各金型2、3の取付作業が行なわれることとなる。一方、このようにしてそれぞれの取付基盤4、5のところに取付けられた金型2、3の取換え作業(型換え作業)に当っては、それぞれの金型固定装置1における永電磁チャック機構15を有する面側の磁力を消去させて、各金型2、3のみの脱着を行なわせる。このように、本実施の形態のものにおいては、上記永電磁チャック機構15のON/OFF作動を基礎にして各金型2、3の脱着が行なわれるとともに、その脱着作業に当っては、金型2、3側に設けられた係合突起21、31のフランジ211、311のところを上記ロート状に開いた導入部11のところに誘導することによって、当該フランジ211、311をガイド溝12内へと円滑に滑り込ませることができるようになる。その結果、金型2、3の交換作業等を、円滑に、かつ、効率良く行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の全体構成を示す立面図である。
【図2】本発明の主要部をなす金型固定装置の全体構成を示す斜視図である。
【図3】金型固定装置のガイド溝のところに金型側に設けられた係合突起が係合している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 金型固定装置
11 導入部
12 ガイド溝
122 オーバハング部
125 ストッパ
15 永電磁チャック機構
2 固定金型
21 係合突起
211 フランジ
29 底面部
3 可動金型
31 係合突起
311 フランジ
39 底面部
4 固定金型用取付基盤
5 可動金型用取付基盤
55 ガイドレール
6 射出装置
7 ベース
9 クランプ装置




















【出願人】 【識別番号】597123674
【氏名又は名称】株式会社スターサービス
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100097607
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 覚


【公開番号】 特開2008−18546(P2008−18546A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190069(P2006−190069)