トップ :: B 処理操作 運輸 :: B29 プラスチツクの加工;可塑状態の物質の加工一般

【発明の名称】 余分量の成形材料を基板から除去する方法
【発明者】 【氏名】ジェームズ ディー. ゲティ

【氏名】ジアンガン ツァオ

【要約】 【課題】半導体を製造する際、リードフレーム等の金属キャリア上に発生する成形材料からなる薄層のバリを有効に除去する方法を提供する。

【構成】バリを構成する粒状成分と非粒状成分からなる多成分成形材料の薄層のバリを基板20上の1つ又は複数の領域から除去する方法であって、該成形材料の非粒状成分を各領域から除去するのに有効なプラズマ26に基板を曝すことを含み、かつ、当該方法は、該成形材料の粒状成分を領域から除去するのに有効な非プラズマ法に基板を曝すことをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状成分と非粒状成分とを有する成形材料の量を基板上の領域から除去する方法であって、
前記成形材料の前記非粒状成分を前記領域から除去するのに有効なプラズマに前記基板を曝すこと、及び
前記成形材料の前記粒状成分を前記領域から除去するのに有効な非プラズマ工程に前記基板を曝すこと
を含む方法。
【請求項2】
前記非プラズマ工程に前記基板を曝すことが、前記領域における前記成形材料と、前記粒状成分を前記領域から除去するのに有効な洗浄液とを接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記領域からの前記粒状成分の除去を高めるように音波エネルギーを前記洗浄液に与えることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記成形材料が前記洗浄液と接触している間に該領域における該成形材料をブラッシングすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記領域における前記成形材料と脱イオン水とを接触させることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記洗浄液の浴中に前記基板を少なくとも部分的に浸して、前記領域を前記洗浄液で湿潤させることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記洗浄液の浴中に前記基板を浸漬することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記領域における前記成形材料に前記洗浄液を噴霧することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記領域における前記成形材料と前記洗浄液とを接触させることが、前記領域における前記成形材料に亘って該洗浄液を流すことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記領域における前記成形材料をブラッシングして、前記粒状成分を該領域から除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記粒状成分を前記領域から除去する1つ又は複数の高圧エアジェットを用いて、前記領域における成形材料に吹きつけることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記粒状成分を気化させるように、前記基板の前記領域における前記成形材料にレーザーからの放射ビームを向けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
反応性ガスを前記領域に供給して、前記放射ビームと前記粒状成分との化学反応を促進させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記領域における前記成形材料に赤外線を向けて、前記粒状成分の加熱を促進させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記基板の前記領域における前記成形材料に低温流体を向けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記領域における前記粒状成分上の静電荷を除去又は反転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
非プラズマ工程に前記基板の前記領域を曝すことが、前記領域における前記成形材料を、研磨パッド及び前記粒状成分を前記領域から除去するのに有効な前記研磨パッド上に担持されるスラリーと接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
[発明の詳細な説明]
[発明の分野]
本発明は、一般的にはプラズマ処理に関し、より詳しくは、余分な多成分成形材料の薄層を基板上の領域から除去するための処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
集積回路、電子パッケージ、及び印刷回路基板に関連する用途において使用される基板の表面特性は、通常、プラズマ処理により改質される。特に、プラズマ処理は、電子回路パッケージにおいて使用され、例えば層間剥離及び接着不良をなくし、配線接着強度を改善し、回路基板上のチップのボイドのないアンダーフィリング(underfilling)を確実にし、酸化物を除去し、ダイ接着を強化し、ダイを封止するための接着を改善するために、表面活性化及び/又は表面清浄度を大きくする。通常、1つ又は複数の基板が、プラズマ処理装置に配置され、それぞれの基板の少なくとも1つの面がプラズマに曝される。最も外側の原子層を、物理スパッタリング、化学パッタリング、反応性プラズマ種によって促進される化学反応、及びこれらのメカニズムの組み合わせにより、表面から除去することができる。また、物理的作用又は化学的作用を用いて表面を適切な状態にし、接着等の性質を改善すること又は望ましくない汚染物を基板表面から除去することができる。
【0003】
半導体を製造する間、半導体ダイは通常、リードフレーム等の金属キャリア上のリードとのワイヤボンドによって、電気的に結合される。通常、リードフレームは、単一の半導体ダイを回路基板に電気的に結合するために使用される露出したリードをそれぞれ有する数個のパッドを含んでいる。1つの半導体ダイは、それぞれのパッドに取り付けられ、そのダイの外部の電気的接触部は、リードの近傍部分とワイヤ結合されている。
【0004】
それぞれの半導体ダイ及びそのワイヤボンドは、取り扱い、保管及び製造工程の間に遭遇する不利な環境から半導体ダイ及びワイヤボンドを保護し、作動中に半導体ダイから発生される熱を逸散させるように設計される成形高分子体から成るパッケージの内部に封止される。このようなパケージを作製するために使用される一般的な多成分成形材料は、シリカ又はケイ素の粒状物質又は粒子が充填されたエポキシ樹脂マトリックスである。
【0005】
成形工程の間、リードフレーム及び多接合半導体ダイは、2つの金型半体の間に配置される。金型半体の1つは、多数のキャビティを有し、そのそれぞれが半導体ダイの1つを収容し、パッケージの形を画定する。両金型半体が、キャビティへの入口を封止するように一緒にプレスされる。金型に射出される成形材料は、半導体ダイ及びワイヤボンドを封止するためにキャビティ内部の隙間を埋める。しかし、成形材料は、両金型半体の間のキャビティから浸みだし、露出しているリード上に薄層すなわちバリを形成する可能性がある。この薄いバリは、通常、約10ミクロン未満の厚さを有する。バリは、封止半導体ダイとの高品質な電気的接続を作る能力に影響を及ぼす可能性があるため、有害である。
【0006】
リードフレームの背面をテープで覆うことにより、成形工程中のバリを防止することができる。しかし、接着剤は、テープからリードフレームの背面に移り、テープを除去した後に残留物として残る可能性がある。加えて、この用途に適したテープは比較的高価であり、製造コストを押し上げることになり、テープの貼付け及び除去には人件費が必要となり、工程の処理能力が遅くなる。
【0007】
バリを、成形後に機械的技法及び化学的技法、又はレーザにより除去することができる。これらの除去の研究もまた、それらの使用を限定する欠陥に苦しめられる。例えば、リードフレームは、化学機械研磨等の機械的なバリ除去技法による損傷を受けやすい。化学的方法は、腐食性の高い化学薬品を使用しない限り効果的でないが、そうすることにより、もしかすると、作業者の安全性及び使用済みの腐食性化学薬品の廃棄処理の問題が生じる可能性がある。レーザによる除去は高価であり、リードフレームの後ろ側に残留炭素の残留物を残す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、少なくとも上記の理由から、余分な成形材料を基板から効率的に及び効果的に除去することができる処理方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態は、従来のバリ除去処理に関するこれらの及び他の問題に対処する。そのために、本発明の実施の形態に関して、成形材料の量を基板上の領域から除去する方法を提供する。成形材料の非粒状成分を上記領域から実質的に除去するのに有効なプラズマに基板を曝す。さらに、成形材料の粒状成分を上記領域から除去するのに有効な非プラズマ工程(process)に上記基板を曝す。
【0010】
本発明の1つの特定の実施の形態において、非プラズマ工程は、基板の領域における成形材料をブラッシング(brushing)して、成形材料の粒状成分を領域から除去することをさらに含む。本発明の別の特定の実施の形態において、非プラズマ工程は、基板の領域における成形材料と、成形材料の粒状成分を領域から除去するのに有効な洗浄液とを接触させることをさらに含む。
【0011】
本発明のこれらの及び他の利点は、添付の図面及びその説明からより明らかになるはずである。
【0012】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施の形態を説明し、上記の本発明の全般的な説明、及び下記の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1を参照して、プラズマ処理装置10は、処理空間14を取り囲む壁により構成される処理室12を含む。プラズマ処理の間、処理室12は、取り巻いている周囲環境から液密状態で密閉されている。処理室12は、処理空間14へ及び処理空間14から移動する基板20のために配置されたアクセス開口(図示せず)を含む。処理室12の処理空間14を排気させるのに使用される真空ポンプ16は、真空技術の分野における当業者により認められているように、排気速度を制御できる1つ又は複数の真空ポンプを含むことができる。プロセスガスは、プロセスガス源18から、処理室12内に画定された入口を通って所定の流量で処理空間14に入れられる。プロセスガス源18から処理空間14へのプロセスガスの流れは通常、質量流量制御器(図示せず)により計量して供給される。プロセスガス源18からのガスの流量及び真空ポンプ16の排気速度を調節して、プラズマ発生に適した処理圧力及び環境をもたらす。処理空間14は、プロセスガスがプロセスガス源18から導入されるのと同時に連続的に排気され、プラズマが存在するときに、新しいガスが処理空間14の内部で連続的に交換される。
【0014】
電源22は、例示的な処理装置10の内部で基板20を支持している処理室12の内部の電極台座24と電気的に結合され、その台座へ電力を送る。電源22から送られる電力は、処理空間16内部に閉じこめられているプロセスガスから、基板20の近くでプラズマ26を形成するのに効果的であり、また、直流(DC)自己バイアスを制御する。本発明を限定するわけではなく、電源22は、他の周波数も使用することができるが、約40kHz〜約13.56MHzの間、好ましくは約13.56MHzの周波数で作動する無線周波数(RF)電源であり、電力レベルは、例えば、40kHzで約4000ワット〜約8000ワット、又は13.56MHzで300ワット〜2500ワットであり得る。しかし、当業者であれば、処理室の設計が異なれば、バイアス電力が異なってもよいことを理解するはずである。制御器(図示せず)は、エッチング工程を制御しやすくするために、プラズマ処理装置10の様々な構成要素と結合されている。
【0015】
プラズマ処理装置10は、当業者により理解される種々の配置が想定され得るものであり、したがって、本明細書に記載の例示的な配置に限定されるものではない。例えば、プラズマ26を、処理室12から離れたところで発生させ、基板20のプラズマ処理で使用するために処理空間14へ送出することができる。プラズマ処理装置10は、さらに、処理空間14と真空ポンプ16との間に配置された仕切り弁等の、装置10の作動に必要な、図1には示されていない構成要素を含むと理解される。
【0016】
基板20を、処理室12の処理空間14内で、プラズマ処理に適した位置に配置する。本発明は、複数の基板20を処理室12の内部に配置し、処理空間14内に提供されたプラズマ26によって、単一処理工程により同時に処理することができることを企図している。
【0017】
基板20をプラズマ処理することにより、基板20の領域上に配置された成形材料の薄層(すなわち、バリ)が効率的及び効果的に除去される。バリに覆われた領域は、前の製造段階中の成形工程により生成する可能性がある。例えば、余分な成形材料のこれらの領域は、成形ポリマーパッケージ内部に封止されている半導体ダイ用の電気接点上に残留する可能性がある。一般的な成形材料は、ポリマー又はエポキシのような有機マトリックスと、シリカ粒子のような、有機マトリックスの性質を改質するためにマトリックス中に分散した、無機フィラーとから成る複合材料である。
【0018】
基板20のプラズマ処理は、成形材料を構成している有機マトリックス及び無機フィラーのエッチング選択性及びエッチング速度が、プラズマ条件が等しい場合でも、異なることを前提にした2段階工程である。第1段階は、無機フィラーに対して有機マトリックスを選択的に効率よく除去するようになっており、第2段階は、有機マトリックスに対して無機フィラーを選択的に効率よく除去するようになっているので、2つの明白に異なった工程段階を使用することにより、バリの除去が加速する。これらの2工程段階を提供する1つのアプローチは、プラズマを形成するガス混合物の組成を変えることである。
【0019】
この工程の第1段階において、処理空間14内の基板20は、フッ素含有ガス種(例えば、四フッ化炭素、三フッ化窒素、又は六フッ化硫黄)及び酸素(O)のような酸素含有ガス種を含む富酸素ガス混合物から形成されるプラズマ26に曝される。理論に拘束されることを望むわけではないが、プラズマ26からの酸素の活性種(例えば、ラジカル及びイオン)は、成形材料の薄層により覆われた基板20上の領域における有機マトリックスを除去するのに比較的有効であると考えられる。同様に、プラズマ26から生じるフッ素の活性種は、成形材料の無機フィラーを除去するのに比較的有効であると考えられる。富酸素ガス混合物からプラズマ26を形成することによって、有機マトリックスのエッチング速度は、無機フィラーのエッチング速度より大きくなる。換言すれば、無機フィラーに対して、有機マトリックスが選択的に除去される。
【0020】
上述したように、第1工程段階のガス混合物における酸素含有ガス種の体積濃度は、フッ素含有ガス種の体積濃度より大きい。その結果、第1工程段階のガス混合物は、50体積パーセント(vol%)を超える濃度の酸素含有ガス種を含む。通常、フッ素含有ガス種はガス混合物の残部を構成するが、酸素含有ガス種がフッ素含有ガス種より高い濃度を有する限り、不活性ガスのような他のガス種を、ガス混合物に故意に添加することができる。もちろん、残留大気ガス及び処理室構成要素からのガス放出も、処理室12内の部分真空に対して分圧を与える。第1工程段階で使用するのに最適なガス混合物は、酸素含有ガス種を約70vol%〜約90vol%含む。工程のこの初期工程段階に特に適切であることが分かったガス混合物は、酸素含有ガス種が80vol%及びフッ素含有ガス種が20vol%である。
【0021】
第1段階のプラズマ26に存在する酸素の活性種は、成形材料の薄層に覆われた基板20上の領域内で有機マトリックスを効率的に除去する。フッ素の活性種はバリに覆われた領域内の無機フィラーを除去するが、第1段階の処方は、成形材料の無機フィラーのエッチング速度が比較的遅いために、この成分を除去するには比較的効率が悪い。その結果、有機マトリックスが実質的に又は部分的にフィラーの間の空間から除去された後、前にバリにより覆われていた基板20の領域の至る所に、残留無機フィラーが残る。本発明では、第2段階もまた、エッチング速度が相対的にかなり遅いとはいえ、有機マトリックスを除去するので、処理工程の第1段階中に有機マトリックスを完全に除去する必要はなく、第2工程段階で一部は除去できると意図している。勿論、必要があれば、バリを除去するために、2つの工程段階を繰り返してもよい。
【0022】
処理工程の第2工程段階において、処理空間14内の基板20は、フッ素含有ガス種(例えば、四フッ化炭素、三フッ化窒素、又は六フッ化硫黄)と酸素(O)のような酸素含有ガス種の富フッ素ガス混合物から発生されるプラズマ26に曝される。このガス混合物から形成されたプラズマ26は、第1工程段階と比べて、有機マトリックスをエッチングする速度に対して、より速い無機フィラーをエッチングする速度を有する。通常、ガス混合物の変更は真空を破ることなく、好ましくは、処理室12内部のプラズマ26を消すことなく行われる。この第2ガス混合物は、第1段階のものと同一の2種類のガス種を含むことができるが、異なる相対比率で混合されている。
【0023】
通例、ガス混合物中の酸素含有ガス種の体積濃度は、フッ素含有ガス種の体積濃度より小さい。通常、第2段階のガス混合物は、酸素含有ガス種を50vol%未満含んでおり、混合物の残部はフッ素含有ガス種から成る。しかし、酸素含有ガス種がフッ素含有ガス種より低い濃度を有する限り、不活性ガスのような他のガス種を、ガス混合物に故意に添加することができる。第2工程段階で使用するのに最適なガス混合物は、フッ素含有ガス種を約70vol%〜約90vol%含む。工程のこの段階に特に適切であることが分かったガス混合物は、酸素含有ガス種が20vol%及びフッ素含有ガス種が80vol%である。
【0024】
後の工程段階の富フッ素ガス混合物から発生されたプラズマ26における活性種は、第1工程段階の富酸素ガス混合物から発生されたプラズマ26より、効率よく残留無機フィラーを除去する。その結果、基板20上の影響を受けた領域からバリを除去するのに必要な全工程時間は、成形材料の1成分のみに対してより速いエッチング速度を有する単一ガス混合物のみを使用する1段階工程と比較して低減される。本発明の2段階工程の寄与により工程時間が全体として減少することによって、装置の処理能力は大きく増大する。
【0025】
プラズマ処理の間、基板20のプラズマによる損傷を受けやすい部分を覆い、プラズマへの曝露を防止する又は大きく減少させることができる。段階のそれぞれの曝露時間は、他の変動要因もあるが、特に、プラズマパワー、処理室12の性質、及び厚さ等のバリの特性によって決まることになる。エッチング速度及び工程の一様性は、限定されるものではないが、入力パワー、装置の圧力、及び処理時間を含むプラズマパラメータに依存するはずである。
【0026】
本発明は、湿式化学エッチング技法、機械的技法、又はレーザの使用に頼ることなく、成形材料の薄い領域を除去するので、従来の除去技法の様々な欠点を克服するものである。本発明の工程処方は、成形材料の望ましくない薄層又はリードフレームの電気接点を覆うバリを除去するのに特に適切である。これらの薄層は、成形材料によって構成されるそれぞれのパッケージ内部のリードフレームによって支えられるダイを封止する成形工程から生じる。
【0027】
図1を使用すると共に参照すると、基板20は、処理室12の処理空間14内で、プラズマ処理に適した位置に配置される。次いで、処理空間14は、真空ポンプ16によって排気される。両方の工程段階で、プロセスガスの流れがプロセスガス源18から導入され、エッチング速度を高めるために、処理室12の部分真空を適切な作動圧力、通常は約150mTorr〜約2500mTorrの範囲、好ましくは約800mTorr〜約2500mTorrの範囲の圧力に上昇させ、同時に真空ポンプ16により処理空間14を積極的に排気する。電源22は電圧を印加されて、電力を電極台座24に供給し、処理空間14内の基板20の近くでプラズマ26を発生させ、電極台座24にDC自己バイアスを印加する。
【0028】
基板20は、2段階処理工程において、基板20上の領域からバリの形態をした余分な成形材料を除去するのに十分な、別々の段階の曝露時間の間、プラズマに曝される。具体的には、基板20は、酸素含有ガス種とフッ素含有ガス種との富酸素ガス混合物から発生した第1プラズマに、バリの有機マトリックスを除去するのに十分な期間曝される。成形材料の非粒状成分を除去するこの第1段階の間、有機マトリックスのエッチング速度は、無機フィラーのエッチング速度より速い。次いで、基板20は、酸素含有ガス種とフッ素含有ガス種との富フッ素ガス混合物から発生した第2プラズマに、バリの無機フィラーを除去するのに十分な期間曝される。成形材料の粒状成分を除去するこの第2段階の間、無機フィラーのエッチング速度は、有機マトリックスのエッチング速度より速い。
【0029】
処理室12から基板20を取り出すことなしに(すなわち、プロセスガス混合物を変更する際に、プラズマを消すことなしに)、基板20を第1プラズマ26及び第2プラズマ26に曝すことができる。好ましくは、基板20は、処理工程の両方の段階の間、同じ処理位置に留まっている。2つの工程段階は、バリの厚さに依存し得るバリ除去を達成するのに必要なだけ、繰り返し又は反復し得る。プラズマ26は、処理工程の第2段階が終了した後に消滅する。しかし、電力を止める前又は後のいずれでも、バリ除去に関係しないプラズマ処理工程を追加することができる。
【0030】
図2を参照して、本発明の代替的な実施形態において、処理工程の第2プラズマに基づく工程段階は、化学的方法、機械的方法又は化学的方法と機械的方法との組み合わせ等の非プラズマに基づく工程で置き換えることができる。無機フィラーから成る粒子28(すなわち、成形材料の粒状成分)は、有機マトリックスを実質的に除去する第1工程段階の終了後に基板20の領域上に残る。有機マトリックスが除去された後、粒子28は、化学的方法及び/又は機械的方法によって容易に除去を受ける。
【0031】
粒子28は、洗浄ステーション30の環境に基板20を曝すことによって実質的に除去され得る。有益には、成形材料の略全ての粒子28を洗浄ステーション30において除去することができ、著しい欠陥密度を基板表面に導くことなく、粒子28を実質的に有しない基板表面上の領域をもたらす。洗浄された基板領域は、全体の基板表面又は総表面領域の一部を含み得る。有機マトリックスの残留量が、処理工程の第1工程段階の終了後に粒子28に接着したままであることもあり、それゆえ、非プラズマ工程によって除去される。
【0032】
洗浄ステーション30は、ブラッシング工程により粒子28を基板20から少なくとも部分的に除去する1つ又は複数のブラシから構成されるスクラバーを備え得る。基板20は、粒子28を担持する表面を遮らないように洗浄ステーション30内に保持され、洗浄される。スクラバーの各ブラシは毛を有し、通常ポリ酢酸ビニル(PVA)のようなポリマーから形成され、粒子28を担持する基板20の表面と接触し、粒子28を表面から掃う。基板20に対してブラシの毛により与えられる圧力はかなり小さいため、ブラッシング動作から生じる擦り傷等によって基板20は損傷を受けることはない。しかしながら、基板20に対して毛によって与えられる圧力は、関連する接着力に打ち勝ち得る点まで、粒子28とブラシとの接触を高めるのに十分なものとする。
【0033】
ブラシは、例えば、円柱形ブラッシング表面を呈する放射状に突出した毛を有する電力駆動円柱形ブラシであってもよい。基板20は、一対のこのような円柱状ブラシの間に運搬され、ブラッシング動作は両面で行われても、或いは基板20の片面のみを毛と接触させてもよい。ブラシは代替的には、基板20の片面又は両面に接触し且つ平坦なブラッシング表面を呈する略平行な毛の配列を有する回転パッドであってもよい。基板20の片面がブラッシングを必要としない場合、ブラッシング動作は、粒子28により汚染された基板20の面に限定され得る。
【0034】
ブラッシング動作は、ルーズな粒子28を引き離す吸引又は吸気によって補助されるか、そうでなければ増強され得る。また、ブラシは、洗浄液流を基板20に送り、流体による補助によってルーズな粒子28を除去するように構成され得る。熱も粒子の除去を高めるか、又は推進させるのに役立ち得る。粒子28を基板20から拭うことができる他のタイプの構成を本発明は意図している。
【0035】
洗浄ステーション30の環境に曝される間、基板20をトレイ又は固定具(図示せず)によって支持してもよい。プラズマ処理装置10におけるプラズマ処理時の使用に適し、且つその後、洗浄ステーション30における粒子の除去時の使用に適する固定具は、本発明の譲渡人に譲渡された米国特許出願第11/003,062号(参照により本明細書に完全に援用される)に開示されている。或いは、種々の固定具をプラズマ処理装置10及び洗浄ステーション30において使用してもよい。基板20は、処理室12から運搬され、固定具上に位置したまま、洗浄ステーション30内に導入され得る。
【0036】
液体洗浄剤に依らず且つ接触に依らない他の乾燥工程を、粒子28の少なくとも一部を基板20から除去するのに洗浄ステーション30において使用することができる。本発明の乾燥工程の代替的な実施形態において、洗浄ステーション30は、基板20に吹きつける空気又は他のガスの流れを方向付ける1つ又は複数の高圧エアジェットを備えていてもよい。空気流の基板20への吹きつけは、粒子28を除去するように作用する。別の乾燥工程の代替的な実施形態では、洗浄ステーション30は、粒子28を気化させるのに適切な波長を有する放射ビームにより粒子28を離解することができるレーザーを備えていてもよい。反応性ガス、例えばフッ素は、ビーム周辺の領域へ送られ、レーザーの放射線と粒子28との化学反応を容易にすることができる。
【0037】
さらに別の乾燥工程の代替的な実施形態では、洗浄ステーション30は、無機フィラーの残留粒子を除去する赤外線加熱装置を備えていてもよい。この残留粒子の除去は、赤外線の周波数を粒子の構成材料の振動数に適合するように変えることによって起こり、このため、基板20に対して選択的に粒子28が加熱される。粒子28は、このように気化温度まで加熱され、揮発性物質として除去される。別の乾燥工程の代替的な実施形態において、洗浄ステーション30は、噴霧された物質から粒子28への運動量の移行を伴う物理的な力によって粒子28を除去するCO又はアルゴンの低温噴霧装置を備えていてもよい。粒子28が帯電している場合、別の乾燥工程の代替的な実施形態において、洗浄ステーション30は、粒子28上の静電荷を除去又は反転させるのに有効な装置を備えていてもよい。これは、粒子28と基板20との間の引力作用を低減させることにより粒子28の除去を促進させることができる。さらに別の乾燥工程の代替的な実施形態では、洗浄ステーション30は、粒子28を除去するのに有効な吸引又は吸気を利用してもよい。
【0038】
粒子28はまた、一般的に液剤に依存して、基板20から無機フィラーの残留粒子28を取り除く表面洗浄を行う除去技法によって除去され得る。これを受けて、本発明の代替的な実施形態では、洗浄ステーション30が、洗浄液のシャワーを基板20上に噴霧するシャワーヘッドを備えていてもよい。シャワーヘッドは、洗浄液流をそれぞれ放出して基板20に吹きかけるための1つ又は複数の別個のノズルから成っていてもよい。洗浄液は、水、好ましくは脱イオン水又は超高純水であってもよく、例えば、粒子28が基板20から除去された後に基板20上への再付着又は再堆積を防止し得る界面活性剤等の添加剤溶液を含有していてもよい。また、洗浄液は、緩衝フッ化水素酸又は有機溶媒等の酸水溶液を含んでいてもよい。洗浄液により基板20を湿潤させ、洗浄液を基板20全体に亘って流し、且つ基板20から排水させるため、粒子28の少なくとも一部が基板28の表面から移行するか又は洗い流される。洗浄液流は、基板28を回転することによって助長され得る。使用済みの洗浄液は、排水設備に廃棄されるか、又は洗浄液を再利用できるように濾過して粒子28を除去するために、洗浄ステーション30内部の溜桝に回収され得る。基板20上の残留洗浄液を、空気乾燥によって又は乾燥機内の熱アシスト乾燥工程によって除去してもよく、回転させて液体除去を促進することが挙げられ得る。
【0039】
基板20上に噴霧される洗浄液の洗浄動作は、洗浄ステーション30に関する1つ又は複数の音波若しくは音響トランスデューサーから洗浄液に音速圧力波又は音響圧力波を与えることによって増強され得る。トランスデューサーは、選択的な伝搬を対象としてもよく、広帯域な伝搬を対象としなくてもよい。音響圧力波は、粒子の接着力を抑制し、基板20からの粒子28の除去を促す。また、音響圧力波は粒子28を基板20から押しやるように作動し、再付着を低減又は防止し得る。音響圧力波を洗浄液に与えると、基板20の表面が卓越したトポグラフィを有する場合に、特に粒子の除去を増強することができる。音響圧力波は、約20kHz〜約400kHzの超音波周波数帯域内、又は約350〜1MHzのメガソニック周波数帯域内のものであり得る。
【0040】
本発明の代替的な実施形態において、洗浄ステーション30は、洗浄液浴を設けた槽を備えていてもよい。粒子28の少なくともかなりの部分を、基板20上の粒状物質が付着した領域から除去するのに十分な時間、基板20は浴中に浸される。浸されながら、基板20は、浴中で回転、振動、さもなければ動かされて、粒子洗浄をさらに促進させることができる。基板20は、粒子28の洗浄が必要とされる場合、浴中に部分的に浸されるか、又は完全に浸漬され得る。除去された粒子28は、浴中で懸抱し得るか、又は槽の一部に蓄積し得る。他の要因の中でも、洗浄の有効性は、洗浄液の温度及び化学特性、並びに浸漬時間に基づくであろう。
【0041】
洗浄ステーション30は、非接触洗浄を実施するために浴と連結している音響又は音波トランスデューサーをさらに備えていてもよい。基板20は浴の洗浄液中に浸された後、粒子28の少なくとも一部を基板20から取り除くことによる洗浄を促進するのに十分な時間、トランスデューサーからの高周波音響圧力波に曝される。音響圧力波は、浴中でトランスデューサーから、洗浄液と定義される伝達媒体を介して、粒子28を担持する基板20へと伝搬する。音響圧力波は、無機フィラーの残留粒子28を基板20から洗浄及び取り除くのに有用なエネルギーを、基板20及び残留無機フィラーの粒子28へと伝える。トランスデューサーの作動時の周波数(及びそれゆえ、音響波の周波数)は、効率的な攪拌及び粒子の除去を促すように選択される。音響圧力波は、約20kHz〜約400kHzの超音波周波数帯域内、又は約350kHz〜1MHzのメガソニック周波数帯域内のものであり得る。好適なトランスデューサーとしては、限定されるものではないが、圧電装置が挙げられる。他の要因の中でも、洗浄の有効性は、圧力波の強度、洗浄液の温度及び化学特性、洗浄時間、並びに基板配置に基づき得る。
【0042】
本発明の別の代替的な実施形態では、洗浄ステーション30は、粒子28を除去するのに有効なスラリーの形態で液体洗浄剤を保持する研磨パッドを備えていてもよい。スラリーは、液体化学担体を含んでいてもよく、無機フィラー材料の残留粒子28を除去するために、この液体化学担体は、粒子28と、基板20に対する研磨パッドの動きと協働しかつ化学担体に担持される研磨粒状物質と、化学的に相互作用する。スラリーの構成成分は、無機フィラー材料の残留粒子28を除去する一方で、最低限量の材料しか基板20の表面から除去しないように、正確に選択及び制御される。
【0043】
無機フィラー材料の残留粒子28を除去するためのこれらの非プラズマ技法は、バリ除去を完了させるための全体の処理時間を削減する利点を有し得る。結果として、処理能力を改良することができる。
【0044】
本発明のさらなる詳細及び実施形態は、次の実施例において記述される。
【0045】
[実施例]
いくつかのモールドパッケージを支持し、リードフレームの導線上に見えるバリを有するリードフレームを、本発明により2段階プラズマ工程により処理した。パッケージを作製するために使用された成形材料は、シリカを充填したエポキシ樹脂であった。第1工程段階では、プラズマ室内に入る流量で測定した、CF(80sccm)及びO(320sccm)のガス混合物を使用して、400mTorrの室内圧力でプラズマを形成した。リードフレームを、約5分間プラズマに曝した。プラズマパワーは、13.56MHzの作動周波数で約500ワットであった。リードフレームを検査して、第1段階では、薄い領域内でエポキシを効率よく除去していることを観察した。
【0046】
エポキシを除去した後、シリカフィラーはリードフレーム上に残留物として残っていた。リードフレームを処理室内に残したまま、プラズマを消すこと又は真空を破ることなく、ガス混合物を、処理工程の第2段階に適合するように移行させた。次いで、第2段階では、CF(240sccm)とO(60sccm)とのガス混合物を使用し、室内の圧力を再び400mTorrにした。リードフレームを、このプラズマに約5分間曝した。プラズマパワーは、13.56MHzの作動周波数で約500ワットであった。この段階で処理した後、シリカフィラーが除去され、リードフレームが実質的にバリを持っていないことを観察した。
【0047】
様々な実施形態の記述により本発明を説明し、これらの実施形態をかなり詳細に記述してきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定すること又はなんらかの方法で制限することは、出願人の意図するところではない。さらなる利点及び変更は当業者には容易なはずである。したがって、より広い態様における本発明は、特定の詳細、代表的な装置及び方法、及び図示され、記述された例示的な例に限定されるものではない。したがって、出願人の全般的な発明の概念の精神及び範囲から逸脱することなしに、そのような詳細から離れることができる。本発明自体の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明により基板をプラズマ処理するための、プラズマ処理装置を示す図である。
【図2】本発明の代替的な実施形態により図1のプラズマ処理装置に用いられる洗浄ステーションを示す図である。
【出願人】 【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【出願日】 平成19年5月30日(2007.5.30)
【代理人】 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫

【識別番号】100085176
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 伸晃

【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓

【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一

【識別番号】100091889
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 育男

【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫

【識別番号】100102808
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 憲通

【識別番号】100128646
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 恒夫

【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳

【識別番号】100134393
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 克彦

【識別番号】100140729
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 文雄


【公開番号】 特開2008−1101(P2008−1101A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−142717(P2007−142717)