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【発明の名称】 パイプの接合方法及びパイプの接合装置
【発明者】 【氏名】河野 廣司

【氏名】及川 昌志

【要約】 【課題】特別なジョイント材を必要とすることなく、接合面を瞬時に溶融凝固でき、接着剤やシールテープを必要としない実用的なパイプの接合方法及びパイプの接合装置を提供すること。

【構成】ガス管や上下水道管等のパイプ1を例えば高密度のポリエチレン合成樹脂材料にて形成する。このパイプ1は内径及び外径が同一であり、先ず2本のパイプ1、1の開口端面を長手方向(パイプの長さ方向)と直角に加工して両パイプ1、1を突き合わせる。そして、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら、両パイプ1、1の突き合わせ部に外方からエネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせ、この突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項2】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながらエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項3】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面を長手方向と直角に加工して両パイプを突き合わせ、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項4】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプを突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながら開先面にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項5】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプ間に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて挟み込んで圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項6】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面の全部又は一部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプを突き合わせ、この両パイプの突き合わせされていない部分に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項7】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの開口端面の全部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工し、他方のパイプの開口端面外端部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工すると共に開口端面内端部を外径側より内径側に向けて閉じるように開先加工して、前記他方のパイプに前記一方のパイプを嵌合させ、この両パイプの嵌合されていない部分に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項8】
内径が異なる熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプに他方のパイプを嵌合させ、嵌合部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項9】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの接合側端部において外周部を切除して薄肉にし、他方のパイプの接合側端部において内周部を切除して薄肉にし、一方のパイプを他方のパイプに嵌合させて突き合わせ、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項10】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの接合側端部において外周部を切除して薄肉にし、他方のパイプの接合側端部において内周部を切除して薄肉にし、前記一方のパイプの接合側端部の薄肉部に両パイプを溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高い円筒状のフィラーを外側から嵌合させ、このフィラーを介して一方のパイプを他方のパイプに嵌合させて突き合わせ、圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項11】
同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの接合側端部の片半部を切除して、両パイプの残された片半部同士を突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながらエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とするパイプの接合方法。
【請求項12】
前記2本のパイプは、接合する端面にエネルギービームが浸透する粗さを有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項13】
前記両パイプと所定距離離れて円周上に複数の前記エネルギービーム発振源を配設して、前記エネルギービームを照射することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項14】
前記両パイプと所定距離離れて円周上に複数の光学素子を配設して、エネルギービーム発振源からのエネルギービームを各光ファイバーを介して前記各光学素子に導いて前記エネルギービームを照射することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項15】
前記両パイプと所定距離離れて円周上に導波路を配設し、この導波路にエネルギービーム発振源からのエネルギービームを導き、この導波路に所定間隔を存して開設された開口を介して前記エネルギービームを照射することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項16】
前記両パイプの回りを所定距離離れた状態で所定速度で移動するエネルギービーム発振源から前記エネルギービームを照射することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項17】
前記エネルギービームの照射による溶融部の酸化を防止するために前記エネルギービームの照射箇所に酸化防止気体を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のパイプの接合方法。
【請求項18】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に複数のエネルギービーム発振源を配設して、前記突き合わせ部にエネルギービームを照射することを特徴とするパイプの接合装置。
【請求項19】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に配設された複数の光学素子と、エネルギービームを発するエネルギービーム発振源と、前記光学素子に対応して設けられ前記エネルギービーム発振源からのエネルギービームを前記各光学素子に導いて前記突き合わせ部に照射するための複数本のファイバーとを設けたことを特徴とするパイプの接合装置。
【請求項20】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に配設された導波路と、エネルギービームを発するエネルギービーム発振源とを備え、前記導波路に前記エネルギービーム発振源からのエネルギービームを導き、この導波路に開設された複数の各開口を介して前記突き合わせ部に前記エネルギービームを照射することを特徴とするパイプの接合装置。
【請求項21】
熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部の回りを所定距離離れた状態で所定速度で移動するエネルギービーム発振源を設け、このエネルギービーム発振源からの前記エネルギービームを前記突き合わせ部に照射することを特徴とするパイプの接合装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、2本のパイプの接合方法及び接合装置に関し、詳述すれば、熱可塑性合成樹脂材料、例えばポリエチレン合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法及びパイプの接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプ同士の接合は、以下のような方法により行なわれている。即ち、初めに接合すべきパイプの外径に一致する内径を持つジョイント材を使用して、嵌合部分を接着剤により接合する方法があるが、嵌合精度を確保したジョイント材が必要であり、接着剤を用いるので固着までの時間や管理を要するなどの工数が必要であり、接着強度も十分には確保できない。
【0003】
また、同じく接合すべきパイプの外径に一致する内径を持つジョイント材を使用して、ジョイント材と両パイプに形成したネジ孔にネジを螺合して固定し、更にパイプ内を流れる流体がこの螺合部から漏洩しないようにシールテープを用いて接合するが、ネジ加工に手間と時間を要し、シールテープも必要となる。
【0004】
また、接合すべきパイプの外径に一致する内径を持ち、且つ内部に加熱用電線を予め埋め込んだジョイント材を使用して、接合すべきパイプ同士をジョイント材に嵌合させた後に、加熱用電線によってジョイント材とパイプを溶着する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、加熱用電線を予め埋め込んでおくなどの特殊なジョイント材を必要とし、コスト高という問題もある。
【特許文献1】特公平8−30048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、特別なジョイント材を必要とすることなく、接合面を瞬時に溶融凝固でき、接着剤やシールテープを必要としない実用的なパイプの接合方法及びパイプの接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせ、この突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながらエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面を長手方向と直角に加工して両パイプを突き合わせ、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプを突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながら開先面にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプ間に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて挟み込んで圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口端面の全部又は一部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプを突き合わせ、この両パイプの突き合わせされていない部分に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの開口端面の全部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工し、他方のパイプの開口端面外端部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工すると共に開口端面内端部を外径側より内径側に向けて閉じるように開先加工して、前記他方のパイプに前記一方のパイプを嵌合させ、この両パイプの嵌合されていない部分に溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高いフィラーを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0013】
第8の発明は、内径が異なる熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプに他方のパイプを嵌合させ、嵌合部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0014】
第9の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの接合側端部において外周部を切除して薄肉にし、他方のパイプの接合側端部において内周部を切除して薄肉にし、一方のパイプを他方のパイプに嵌合させて突き合わせ、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら突き合わせ部にエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0015】
第10の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、一方のパイプの接合側端部において外周部を切除して薄肉にし、他方のパイプの接合側端部において内周部を切除して薄肉にし、前記一方のパイプの接合側端部の薄肉部に両パイプを溶着するためのエネルギービームの波長に対する透過率の高い円筒状のフィラーを外側から嵌合させ、このフィラーを介して一方のパイプを他方のパイプに嵌合させて突き合わせ、圧縮応力を加えながら両パイプと前記フィラーの突き合わせ部に前記エネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0016】
第11の発明は、同径部分を持つ熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの接合側端部の片半部を切除して、両パイプの残された片半部同士を突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながらエネルギービームを照射して両パイプを接合することを特徴とする。
【0017】
第12の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記2本のパイプは、接合する端面にエネルギービームが浸透する粗さを有することを特徴とする。
【0018】
第13の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記両パイプと所定距離離れて円周上に複数の前記エネルギービーム発振源を配設して、前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0019】
第14の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記両パイプと所定距離離れて円周上に複数の光学素子を配設して、エネルギービーム発振源からのエネルギービームを各光ファイバーを介して前記各光学素子に導いて前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0020】
第15の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記両パイプと所定距離離れて円周上に導波路を配設し、この導波路にエネルギービーム発振源からのエネルギービームを導き、この導波路に所定間隔を存して開設された開口を介して前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0021】
第16の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記両パイプの回りを所定距離離れた状態で所定速度で移動するエネルギービーム発振源から前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0022】
第17の発明は、第1乃至第11のいずれかのパイプの接合方法に係る発明において、前記エネルギービームの照射による溶融部の酸化を防止するために前記エネルギービームの照射箇所に酸化防止気体を供給することを特徴とする。
【0023】
第18の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に複数のエネルギービーム発振源を配設して、前記突き合わせ部にエネルギービームを照射することを特徴とする。
【0024】
第19の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に配設された複数の光学素子と、エネルギービームを発するエネルギービーム発振源と、前記光学素子に対応して設けられ前記エネルギービーム発振源からのエネルギービームを前記各光学素子に導いて前記突き合わせ部に照射するための複数本のファイバーとを設けたことを特徴とする。
【0025】
第20の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部と所定距離離れて円周上に配設された導波路と、エネルギービームを発するエネルギービーム発振源とを備え、前記導波路に前記エネルギービーム発振源からのエネルギービームを導き、この導波路に開設された複数の各開口を介して前記突き合わせ部に前記エネルギービームを照射することを特徴とする。
【0026】
第21の発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合装置であって、前記両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせた突き合わせ部の回りを所定距離離れた状態で所定速度で移動するエネルギービーム発振源を設け、このエネルギービーム発振源からの前記エネルギービームを前記突き合わせ部に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
特別なジョイント材を必要とすることなく、接合面を瞬時に溶融凝固でき、接着剤やシールテープを必要としない実用的なパイプの接合方法及び接合装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明する。パイプの接合方法の第1の実施形態について、図1に基づき説明する。先ず、1はガス管や上下水道管等のパイプであり、熱可塑性合成樹脂、具体的にはポリオレフィン系の合成樹脂である、例えば本実施形態ではポリエチレン合成樹脂材料にて形成される。
【0029】
なお、前記パイプ1は塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料で作製されるが、一般にはガス管には中密度のポリエチレン合成樹脂材料が、上下水道管には高密度のポリエチレン合成樹脂材料が使用される。
【0030】
このパイプ1は内径及び外径が同一であり、先ず2本のパイプ1、1の開口端面を長手方向(パイプの長さ方向)と直角に加工して両パイプ1、1を突き合わせる。そして、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら、両パイプ1、1の突き合わせ部に外方からエネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0031】
そして、前記エネルギービーム2はレーザビームであり、そのレーザ発振源は半導体レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザなどが考えられる。
【0032】
このパイプの接合方法の第1の実施形態によれば、各パイプ1のレーザに対する吸収係数が一定であるため、深さ方向にもエネルギービーム2が伝送されると同時に吸収が行なわれ、発熱することにより開先面が加熱して溶融すると同時に、パイプ1、1同士に加わる圧縮応力により、溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0033】
このアシストガスは、酸化を防止したり還元させるために窒素ガスや、窒素及びアルゴン等の混合ガスであり、溶融部の冷却と同時に溶融部の酸化を防止し、伝送光学系やレーザ発振源の保護効果をも奏する。
【0034】
次に、図2乃至図5に基づき、第2の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第2の実施形態は、長手方向(パイプの長さ方向)と直角に切断加工された両パイプ1、1の開口端面を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプ1、1を突き合わせ(図2参照)、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながら開先面1A、1Aにエネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する方法である。この照射は、開先面1A、1A全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0035】
この両パイプ1、1の開口端面を内径側より外径側に向けて開くように加工した開先角度は、数度〜数十度程度であり、図3に示すように、エネルギービーム2の照射によって、溶融が開始し粘性が増すと、圧縮応力により溶融部1B、1Bが潰れながら突き合わせ部から一体化が開始して、図3から図4の状態となる。
【0036】
そして、一体化は開先面外側に向かって進み、やがて図5に示すように、接合が十分となる。この状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、アシストガスの供給により溶融部1B、1Bの冷却が行なわれる。
【0037】
次に、図6に基づき、第3の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第3の実施形態は、両パイプ1、1間に溶着するためのエネルギービーム2の波長に対する透過率の高い円筒状のフィラー3を介在させて挟み込んで圧縮応力を加えながら両パイプ1、1と前記フィラー3の突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する方法である。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0038】
即ち、このパイプ1、1の開口端面は長手方向(パイプの長さ方向)と直角に加工して、両パイプ1、1間に両パイプ1、1と同径の円筒状のフィラー3を介在させて挟み込んで圧縮応力を加えながら両パイプ1、1と前記フィラー3の突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射する。
【0039】
この場合、エネルギービーム2を開先面に照射するため、図6の矢印に示すように、斜め上方から照射する。前記フィラー3は、前記エネルギービーム2に対し十分に透過率が高く、且つパイプ1、1との溶着性に優れ、また機械的特性や化学的特性に優れた材料を材料を選択するが、前記パイプ1、1と同様に、合成樹脂、具体的にはポリオレフィン系の合成樹脂である、例えば高密度のポリエチレン合成樹脂材料にて形成される。
【0040】
また、場合によっては、吸収剤などの機能材料を前記フィラー3とパイプ1、1との間に挟み込んだり、前記フィラー3とパイプ1、1の接触面に塗布しても良い。これにより、エネルギービーム2のパイプやフィラーへの吸収が促進される。この吸収剤は、炭素粉末やニッケル粉末などの金属粉末で作製したペースト状のものを塗布ものを使用することが望ましいが、吸収率が高いならば前記フィラー3やパイプ1、1と同様な合成樹脂材料でもよい。
【0041】
そして、エネルギービーム2が照射されると同時に吸収が行なわれ、前記フィラー3とパイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、前記フィラー3とパイプ1、1の溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0042】
次に、図7に基づき、第4の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第4の実施形態は、両パイプ1、1の開口端面の全部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプ1、1を突き合わせ、この両パイプ1、1の突き合わせされていない部分に溶着するためのエネルギービーム2の波長に対する透過率の高い断面が三角形のリング状のフィラー3Aを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプ1、1と前記フィラー3Aの突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する方法である。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0043】
前記フィラー3Aは断面が三角形状を呈したリングで、両パイプ1、1の開口端面の全部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工されて形成された空間部を埋めるように嵌められる。
【0044】
そして、エネルギービーム2がフィラー3A全体(フィラー3Aとパイプ1、1との突き合わせ部を含めた)に照射されると同時に吸収が行なわれ、前記フィラー3A自体、このフィラー3Aとパイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、前記フィラー3Aとパイプ1、1の溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0045】
次に、図8に基づき、第5の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第5の実施形態は、両パイプ1、1の開口端面の一部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工して両パイプ1、1を突き合わせ、この両パイプ1、1の突き合わせされていない部分に溶着するためのエネルギービーム2の波長に対する透過率の高い断面が三角形のリング状のフィラー3Bを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプ1、1と前記フィラー3Bの突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する方法である。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0046】
前記フィラー3Bは断面が三角形状を呈したリングで、両パイプ1、1の開口端面の一部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工されて形成された空間部を埋めるように嵌められる。
【0047】
そして、エネルギービーム2がフィラー3B全体(フィラー3Bとパイプ1、1との突き合わせ部を含めた)に照射されると同時に吸収が行なわれ、前記フィラー3B自体、このフィラー3Bとパイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、前記フィラー3Bとパイプ1、1の溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0048】
次に、図9に基づき、第6の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第6の実施形態は、一方(右方)のパイプ1の開口端面の全部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工し、他方(左方)のパイプ1の開口端面外端部を内径側より外径側に向けて開くように開先加工すると共に開口端面内端部を外径側より内径側に向けて閉じるように開先加工して、前記左方のパイプ1に前記右方のパイプ1の一部を嵌合させ、この両パイプ1、1の嵌合されていない部分に溶着するためのエネルギービーム2の波長に対する透過率の高い断面が三角形のリング状のフィラー3Cを介在させて圧縮応力を加えながら両パイプ1、1と前記フィラー3Cの突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する方法である。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0049】
前記フィラー3Cは断面が三角形状を呈したリングで、両パイプ1、1の開口端面の外径側に向けて開くように開先加工されて形成された空間部を埋めるように嵌められる。
【0050】
そして、エネルギービーム2がフィラー3C全体(フィラー3Cとパイプ1、1との突き合わせ部を含めた)に照射されると同時に吸収が行なわれ、前記フィラー3C自体、このフィラー3Cとパイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、前記フィラー3Cとパイプ1、1の溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0051】
なお、以上の第4から第6の実施形態よっても、第3の実施形態で説明した吸収剤などの機能材料を前記フィラーとパイプ1、1との間に挟み込んだり、前記フィラーとパイプ1、1の接触面に塗布しても良い。これにより、エネルギービーム2のパイプやフィラーへの吸収が促進される。
【0052】
次に、図10に基づき、第7の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第7の実施形態は、合成樹脂、具体的にはポリオレフィン系の合成樹脂である、例えば高密度のポリエチレン合成樹脂材料にて形成された内径が異なる2本のパイプ10、11の接合方法である。
【0053】
即ち、一方(右方)のパイプ10と、このパイプ10の内径より外径が少し小径(略同径)の他方(左方)のパイプ11とを備え、一方(右方)のパイプ10に他方(左方)のパイプ11を嵌合させ、その嵌合部にエネルギービーム2を照射して両パイプ10、11を接合する方法である。この照射は、嵌合部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0054】
そして、エネルギービーム2の照射により吸収が行なわれ、発熱することにより嵌合部Aが加熱して溶融すると同時に溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0055】
次に、図11に基づき、第8の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第8の実施形態は、内径及び外形が同一の2本のパイプ1、1の接合方法である。先ず、一方(左方)のパイプ1の接合側端部において外周部を全周に亘って切除して薄肉にして嵌合部1Cを形成し、他方(右方)のパイプ1の接合側端部において内周部を全周に亘って切除して薄肉にして被嵌合部1Dを形成する。
【0056】
そして、一方のパイプ1の嵌合部1Cを他方のパイプ1の被嵌合部1Dに嵌合させて突き合わせ、この突き合わせ面に圧縮応力を加えながら突き合わせ部にエネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0057】
そして、エネルギービーム2の照射により吸収が行なわれ、発熱することにより嵌合部が加熱して溶融すると同時に溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0058】
次に、図12に基づき、第9の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第9の実施形態は、内径及び外形が同一の2本のパイプ1、1の接合方法である。先ず、一方(左方)のパイプ1の接合側端部において外周部を全周に亘って切除して薄肉にして嵌合部1Cを形成し、他方(右方)のパイプ1の接合側端部において内周部を全周に亘って切除して薄肉にして被嵌合部1Eを形成する。この場合、嵌合部1Cより被嵌合部1Eの長さを短く形成する。
【0059】
そして、前記一方のパイプ1の接合側端部の嵌合部1Cに両パイプ1、1を溶着するためのエネルギービーム2の波長に対する透過率の高い円筒状のフィラー3Dを外側から嵌合させ、このフィラー3Dを介して一方のパイプ1の嵌合部1Cを他方のパイプ1の被嵌合部1Eに嵌合させて突き合わせ、圧縮応力を加えながらフィラー3Dを挟んだ状態で両パイプ1、1と前記フィラー3Dの突き合わせ部に前記エネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0060】
そして、エネルギービーム2が照射されると同時に吸収が行なわれ、前記フィラー3Dとパイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、前記フィラー3Dとパイプ1、1の溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0061】
次に、図13に基づき、第10の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態と同一又は類似の番号は同一又は類似の機能を有するものとして、以下説明する。この第10の実施形態は、内径及び外形が同一の2本のパイプ1、1の接合方法である。
【0062】
先ず、一方(左方)のパイプ1の接合側端部において一定長さだけ片半部(上半部)を切除し、他方のパイプ(右方)1の接合側端部において一定長さだけ片半部(下半部)を切除する。そして、両パイプ1、1の残された片半部同士を突き合わせ、この突き合わせ部1F、1Fに圧縮応力を加えながらエネルギービーム2を照射して両パイプ1、1を接合する。この照射は、突き合わせ部全周に亘って満遍無く、略均一になされるよう、工夫される。
【0063】
そして、エネルギービーム2が照射されると同時に吸収が行なわれ、両パイプ1、1の突き合わせ部が発熱することにより溶融すると同時に、圧縮応力により、溶融した合成樹脂材料同士が混合することとなる。この混合した状態で、エネルギービーム2の照射を停止し、前述の如く、アシストガスの供給により溶融部の冷却が行なわれる。
【0064】
次に、図14乃至図17に基づき、エネルギービーム2の照射の方法について説明する。先ず、図14に基づき、第1の照射方法を前述したパイプの接合方法の第1の実施形態に適用した例について説明する。
【0065】
先ず、溶接品質が均等となるように、前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)と所定距離離れて円周上に略等間隔を存してエネルギービーム発振源5を配設する。
【0066】
この方法は、エネルギービーム発振源5からのエネルギービーム2が満遍無く、均一に前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)に照射できるように、前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)と所定距離離れて円周上に略等間隔を存して複数のエネルギービーム発振源5を配設するものである。
【0067】
なお、前記エネルギービーム発振源5は、半導体レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザなどが考えられる。
【0068】
次に、図15に基づき、第2の照射方法を前述したパイプの接合方法の第1の実施形態に適用した例について説明する。
【0069】
先ず、前記両パイプ1、1と所定距離離れて円周上に略等間隔を存して光学素子であるレンズ15を配設する。そして、エネルギービーム発振源(図示せず)からのエネルギービーム2を各光ファイバー16を介して前記各レンズ15に導いて前記エネルギービーム2を照射する。
【0070】
この方法は、エネルギービーム発振源からのエネルギービーム2が満遍無く、均一に前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)に照射できるように、前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)と所定距離離れて円周上に略等間隔を存してレンズ15を配設すると共にエネルギービーム発振源からのエネルギービーム2を各光ファイバー16を介して前記各レンズ15に導くようにしたものである。
【0071】
次に、図16に基づき、第3の照射方法を前述したパイプの接合方法の第1の実施形態に適用した例について説明する。先ず、前記両パイプ1、1と所定距離離れて円周上に光学素子である導波路20を配設し、この導波路20にエネルギービーム発振源5からのエネルギービーム2を導き、この導波路20に所定間隔を存して開設された開口21を介してエネルギービーム2を照射する方法である。
【0072】
前記導波路20は、円筒状を呈し、その内面がエネルギービーム2を反射する金属材料のコーティングを施した光学ガラス等の光学材料で構成する。
【0073】
従って、エネルギービーム発振源5からのエネルギービーム2を導波路20に導き、各開口21を介して、満遍無く、均一に前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)に照射できる。
【0074】
次に、図17に基づき、第4の照射方法を前述したパイプの接合方法の第1の実施形態に適用した例について説明する。先ず、前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)と所定距離離れて円周上に略等間隔を存して複数のエネルギービーム発振源5を配設する。
【0075】
そして、前記両パイプ1、1の回りを所定距離離れた状態で各エネルギービーム発振源5を所定速度で移動させながら、エネルギービーム2を照射させる。これにより、満遍無く、均一に前記両パイプ1、1(その突き合わせ部)に照射できる。
【0076】
なお、なお、以上説明した第1乃至第4の照射方法は、第1の実施形態に限らず、第2乃至第7の実施形態についても適用できる。
【0077】
また、以上の実施形態において、前記パイプ1、10、11の接合する端面には、エネルギービーム2が浸透する粗さ(Rough averageが直径10〜100μm程度の粗さ)が形成されているものとする。これにより、エネルギービーム2が照射される面積を多くすることができると共に、溶融混合が促進され易く、接合をより強固なものとすることができる。
【0078】
なお、第1乃至第6の実施形態において、パイプ1の外径は50mmで、内径が40mmであって、突き合わせ端部から3mm程度軟化させて溶着させると、接合が十分なものとなる。
【0079】
この場合、ポリエチレン合成樹脂材料製のパイプ1の融点は165℃、比重が0.91、比熱は0.41であり、溶融させる体積は(2.5×2.5×π×0.3)から(2×2×π×0.3)を差引いた値であり、約2.12cmとなる。溶融に必要なエネルギ−は、2.12(体積)×165(上昇させる温度)×0.41(比熱)÷4.2(1cal=4.2ジュール)であり、34.15ジュールとなる。
【0080】
均一な加熱が可能で、パイプに対するエネルギーの吸収率が100%であると仮定すると、約40wのレーザ発振源を使用すると、1秒間で溶融可能となる。但し、内部への熱拡散を考慮していないため、更に吸収率や熱源の不均一性を考慮すると、80〜1000W程度のものが必要と考えられる。
【0081】
以上のように本発明は、熱可塑性合成樹脂材料で作製された2本のパイプの接合方法であって、両パイプの開口側端部の全部又は一部を突き合わせ、この突き合わせ部に圧縮応力を加えながらエネルギービームを照射して両パイプを接合するようにしたが、この場合、突き合わせの構造・方法によっては必ずしも、前記突き合わせ部に圧縮応力を加えない状態でエネルギービームを照射してもよい。
【0082】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】パイプの接合方法の第1の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図2】パイプの接合方法の第2の実施形態を説明するための両パイプの縦断正面図である。
【図3】エネルギービームの照射による変化を示すための図2の部分拡大図である。
【図4】同じくエネルギービームの照射による変化を示すための図2の部分拡大図である。
【図5】同じくエネルギービームの照射による変化を示すための図2の部分拡大図である。
【図6】パイプの接合方法の第3の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図7】パイプの接合方法の第4の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図8】パイプの接合方法の第5の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図9】パイプの接合方法の第6の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図10】パイプの接合方法の第7の実施形態を説明するための一部破断せる両パイプの正面図である。
【図11】パイプの接合方法の第8の実施形態を説明するための両パイプの縦断正面図である。
【図12】パイプの接合方法の第9の実施形態を説明するための両パイプの縦断正面図である。
【図13】パイプの接合方法の第10の実施形態を説明するための両パイプの斜視図である。
【図14】第1の照射方法を説明するための図である。
【図15】第2の照射方法を説明するための図である。
【図16】第3の照射方法を説明するための図である。
【図17】第4の照射方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0084】
1 パイプ
1A 開先面
1B 溶融部
2 エネルギービーム
3 フィラー
3A フィラー
3B フィラー
3C フィラー
5 エネルギービーム発振源
10、11 パイプ
15 レンズ
16 光ファイバー
20 導波路
21 開口
【出願人】 【識別番号】596029742
【氏名又は名称】株式会社カワノ
【識別番号】506218033
【氏名又は名称】及川 昌志
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100109368
【弁理士】
【氏名又は名称】稲村 悦男


【公開番号】 特開2008−1022(P2008−1022A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174230(P2006−174230)