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2色成形部材、2色製品、電子機器及びメッキ処理方法 - 特開2008−983 | j-tokkyo
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【発明の名称】 2色成形部材、2色製品、電子機器及びメッキ処理方法
【発明者】 【氏名】代田 健一

【氏名】井上 恵介

【氏名】荒井 誠一

【要約】 【課題】マスキングしなくても変形部材に影響を与えない部分メッキを簡易かつ低コストで処理することができる2色成形部材、及び変形部材が変形してもメッキ部分に影響を与えない上記2色成形部材から製作される2色製品等を提供すること。

【構成】2色成形部材30は、メッキ処理不可材料で成形された、変形部材13を含む第1の部材11、12と、メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材21、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材22及び前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材23とを備える。前記第3の部材は、少なくとも前記変形部材と離間させて成形されている。これにより、第3の部材をマスキングしなくても変形部材に影響を与えずに第2の部材のメッキを簡易かつ低コストで処理することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、
メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材であって、
前記第3の部材は、少なくとも前記変形部材と離間させて成形されていることを特徴とする2色成形部材。
【請求項2】
メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、
メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び少なくとも前記変形部材と離間しており、前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材から製作される2色製品であって、
前記第2の部材をメッキ処理した後に、前記第3の部材の一部と前記メッキ仲介部材を同時に切断除去したことを特徴とする2色製品。
【請求項3】
前記第1の部材としてボタン部材及び当該ボタン部材の外側に配置される枠部材、前記変形部材として前記ボタン部材を弾性支持する支持部材、前記第2の部材として前記ボタン部材の外観部材を備えた操作ボタンであることを特徴とする請求項2に記載の2色製品。
【請求項4】
前記支持部材は、前記枠部材と前記ボタン部材とを繋ぐように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の2色製品。
【請求項5】
前記第1の部材及び前記変形部材は、前記ボタン部材と前記枠部材との間の部分であって前記第3の部材の切断部と重畳する部分を前記メッキ処理不可材料のゲートとして成形されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の2色製品。
【請求項6】
前記外観部材は、少なくとも前記ボタン部材の上面縁部と接触可能に形成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の2色製品。
【請求項7】
請求項2〜6の何れか一項に記載の2色製品を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材の前記第2の部材にメッキ処理する方法であって、
前記第3の部材を少なくとも前記変形部材と離間させて設け、前記メッキ仲介部材から当該第3の部材を介して前記第2の部材にメッキ処理することを特徴とするメッキ処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも、メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、メッキ処理可能材料で成形された、第1の部材と一体化された第2の部材を有する2色成形部材、及びこの2色成形部材から製作される2色製品、及びこの2色製品を備えた電子機器並びに2色成形部材のメッキ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2種類の合成樹脂等を順次射出して一体の2色成形部材を成形する2色成形が、種々の製品に適用されるようになってきている。例えば外周面のみがメッキ処理された電子機器に備えられているボタンを製作する場合は、メッキ処理不可な材料でボタンの内側を成形し、メッキ処理可能な材料でボタンの外側を成形して一体化した2色成形部材が用いられる。ここで、電子機器に備えられているボタンは、一般的に、ユーザが指で押圧する押圧部と、この押圧部を囲む台座部と、押圧部と台座部とを繋ぐアーム部を備えている。即ち、ボタンは、台座部から延びるアーム部に押圧部が支持された片持ち梁構造となっている。従って、押圧部が押圧されるとアーム部が台座部を支点として押圧方向に撓み、押圧部の下方に配設されているスイッチをオンし、押圧部の押圧が解除されるとアーム部が台座部を支点として押圧逆方向に復元し、スイッチがオフされる。
【0003】
このようなボタンを製作するための2色成形部材は、押圧部の内側と台座部とアーム部がメッキ処理不可な材料で成形され、押圧部の外側がメッキ処理可能な材料で成形される。更に、メッキ処理を行うために電極クリップや冶具等が取り付けられる枠部もメッキ処理可能な材料で成形される。そして、枠部を介して押圧部の外側をメッキ処理するために、枠部と押圧部の外側とを繋ぐ架け橋もメッキ処理可能な材料でアーム部上に一体形成されている。
【0004】
このような構成の2色成形部材をメッキ処理すると、押圧部の外側のみならず架け橋もメッキ処理されることになる。ところが、アーム部は、上述したようにボタンの操作時に変形する部分であるため、一体形成された架け橋も変形することになる。このため、変形時に掛かる応力によって架け橋の表面のメッキ膜が剥がれ落ちるおそれがある。そして、剥がれ落ちたメッキ膜が、電子機器の電子回路等に接触した場合は、電子機器の誤動作や故障等を引き起こすおそれがある。そこで、アーム部と一体化された架け橋の部分をマスキングして当該架け橋の部分がメッキ処理されないようにしている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実開平6−58395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1記載の従来技術によれば、変形するアーム部と一体化された架け橋の部分へのメッキ処理を防止することができるが、アーム部と一体化された架け橋の部分のマスキング用部材を予め用意する必要があり、また、アーム部と一体化された架け橋の部分に対するマスキング工程等が加わってメッキ処理工程が複雑になるため、2色成形部材から2色製品としたときのボタンがコスト高になるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、マスキングしなくても変形部材に影響を与えない部分メッキを簡易かつ低コストで処理することができる2色成形部材、及び変形部材が変形してもメッキ部分に影響を与えない上記2色成形部材から製作される2色製品、及びこの2色製品を備えた電子機器並びに2色成形部材のメッキ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本発明の2色成形部材では、メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材であって、前記第3の部材は、少なくとも前記変形部材と離間させて成形されていることを特徴としている。これにより、第3の部材をマスキングしなくても変形部材に影響を与えずに第2の部材のメッキを簡易かつ低コストで処理することができる。
【0009】
上記目的達成のため、本発明の2色製品では、メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び少なくとも前記変形部材と離間しており、前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材から製作される2色製品であって、前記第2の部材をメッキ処理した後に、前記第3の部材の一部と前記メッキ仲介部材を同時に切断除去したことを特徴としている。これにより、変形部材と第3の部材とは直接的に関与しなくなるので、変形部材が変形しても第3の部材の残部のメッキ部分に影響を与えることは無い。
【0010】
この2色製品としては、前記第1の部材としてボタン部材及び当該ボタン部材の外側に配置される枠部材、前記変形部材として前記ボタン部材を弾性支持する支持部材、前記第2の部材として前記ボタン部材の外観部材を備えた操作ボタンである。そして、前記支持部材は、前記枠部材と前記ボタン部材とを繋ぐように形成されている。
【0011】
また、前記第1の部材及び前記変形部材は、前記ボタン部材と前記枠部材との間の部分であって前記第3の部材の切断部と重畳する部分を前記メッキ処理不可材料のゲートとして成形されていることを特徴としている。これにより、ウェルドの発生を抑えることができる。また、前記外観部材は、少なくとも前記ボタン部材の上面縁部と接触可能に形成されていることを特徴としている。これにより、ボタン部材を縁取りして視認性を高めることができる。上記目的達成のため、本発明の電子機器では、上記各2色製品を備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する電子機器を提供することが可能である。
【0012】
上記目的達成のため、本発明のメッキ処理方法では、メッキ処理不可材料で成形された、変形部材を含む第1の部材と、メッキ処理可能材料で成形された、前記第1の部材と一体化された第2の部材、当該メッキ処理を仲介するメッキ仲介部材及び前記メッキ仲介部材と前記第2の部材とを繋ぐ第3の部材とを備えた2色成形部材の前記第2の部材にメッキ処理する方法であって、前記第3の部材を少なくとも前記変形部材と離間させて設け、前記メッキ仲介部材から前記第3の部材を介して前記第2の部材にメッキ処理することを特徴としている。これにより、第3の部材をマスキングしなくても変形部材に影響を与えずに第2の部材のメッキを簡易かつ低コストで処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る2色成形部材を示す斜視図、図2は、図1の2色成形部材を構成する1色目の成形品と2色目の成形品を分離した状態を示す斜視図、図3は、図1の2色成形部材から製作される2色製品を示す斜視図である。この2色成形部材は、図1に示すようなボタン成形品30であり、このボタン成形品30から製作される2色製品は、図3に示すようなボタン(操作ボタン)40である。このボタン40は、記録装置等の電子機器に用いられる。そして、ボタン成形品30を構成する1色目の成形品は、図1及び図2に示すようなボタン基体部10であり、2色目の成形品は、図1及び図2に示すようなボタン周縁部20である。
【0015】
ここで、ボタン40は、電子機器に取り付けられたときの視認性やデザイン性等を高めるために、メッキにより縁取りされる。そこで、ボタン基体部10は、メッキ処理不可な合成樹脂で成形され、ボタン周縁部20は、メッキ処理可能な合成樹脂で成形されている。ところが、背景技術でも述べたように、一般的に、電子機器に備えられているボタンを製作するための2色成形部材は、押圧部の内側と台座部とアーム部がメッキ処理不可な材料で成形され、押圧部の外側がメッキ処理可能な材料で成形される。更に、メッキ処理を行うために電極クリップや冶具等が取り付けられる枠部もメッキ処理可能な材料で成形される。そして、枠部を介して押圧部の外側をメッキ処理するために、枠部と押圧部の外側とを繋ぐ架け橋もメッキ処理可能な材料でアーム部上に一体形成されている。
【0016】
このような構成の2色成形部材をメッキ処理すると、押圧部の外側のみならず架け橋もメッキ処理されることになる。ところが、アーム部は、ボタンの操作時に変形する部分であるため、一体形成された架け橋も変形することになる。このため、変形時に掛かる応力によって架け橋の表面のメッキ膜が剥がれ落ちるおそれがある。そして、剥がれ落ちたメッキ膜が、電子機器の電子回路等に接触した場合は、電子機器の誤動作や故障等を引き起こすおそれがある。そこで、アーム部と一体化された架け橋の部分にマスキングしてアーム部と一体化された架け橋の部分がメッキ処理されないようにすれば良い。ところが、アーム部と一体化された架け橋の部分のマスキング用部材を予め用意する必要があり、また、アーム部と一体化された架け橋の部分に対するマスキング工程等が加わってメッキ処理工程が複雑になるため、2色成形部材から2色製品としたときのボタンがコスト高になるおそれがある。本実施形態の2色成形部材であるボタン成形品30は、以上のような課題を解消するために、以下に説明するような特徴を備えている。
【0017】
図1及び図2に示すように、ボタン基体部10は、所謂丸ボタン付き方向キーの方向キー部分の基体部であり、略円筒状であって径方向に4分割された押圧部(第1の部材、ボタン部材)11と、これらの押圧部11の周りを囲む枠状の台座部(第1の部材、枠部材)12と、各押圧部11の外周下部と台座部12の内周部とをそれぞれ繋ぐ2本のアーム部(変形部材、支持部材)13を備えている。ボタン周縁部20は、ボタン基体部10の押圧部11の外周上縁部11aを縁取る周縁部であり、略円環状であって径方向に4分割された装飾部(第2の部材、外観部材)21と、これらの装飾部21の周りを囲む枠状の第1ランナー部(メッキ仲介部材)22と、各装飾部21の外周下部と第1ランナー部22の内周部とをそれぞれ繋ぐ第2ランナー部(第3の部材)23を備えている。
【0018】
そして、ボタン成形品30は、ボタン周縁部20の装飾部21が、ボタン基体部10の押圧部11の外周上縁部11aと一体化され、ボタン周縁部20の第1ランナー部22が、ボタン基体部10の台座部12の周りを囲むように配置され、ボタン周縁部20の第2ランナー部23が、ボタン基体部10の台座部12を横切る形で一体化されている。このような構成のボタン成形品30のボタン周縁部20の装飾部21に部分メッキする場合は、ボタン周縁部20の第1ランナー部22にメッキ処理用フック等を係止し、ボタン成形品30全体をメッキ槽内のメッキ液に浸けてメッキ処理する。このとき、ボタン周縁部20の第2ランナー部23は、ボタン基体部10のアーム部13に一体化されておらず、このアーム部13と離間して形成されているため、第2ランナー部23がメッキ処理されてもアーム部13には何ら影響を及ぼさない。従って、従来のようなマスキングが必要無いので、ボタン成形品30の部分メッキを簡易かつ低コストで処理することができる。
【0019】
そして、部分メッキ処理が完了したボタン成形品30は、図1に示すように、ボタン周縁部20の第2ランナー部23における装飾部21の近傍部分23aとボタン基体部10の台座部12の両側部分23b、23cが同時に切断される。そして、ボタン周縁部20の第2ランナー部23の一部と第1ランナー部22が除去されて図3に示すようなボタン40とされる。これにより、ボタン基体部10のアーム部13はボタン周縁部20の第2ランナー部23と完全に切り離されるので、アーム部13が変形してもボタン基体部10の台座部12上に存在する第2ランナー部23の残部のメッキ膜には何ら影響を及ぼさない。従って、メッキ膜の剥がれ落ちによる電子機器の誤動作や故障等を無くすことができる。以上のような2色成形部材の成形工程から2色製品の製作工程について以下説明する。
【0020】
図4は、上記2色成形部材を成形するための2色成形用金型の断面図である。この2色成形用金型200は、図示しない射出成形機に装着されて2種類の合成樹脂等が順次射出されることにより一体の2色成形品を成形する金型であり、固定成形用金型210と、この固定成形用金型210に対向配置された可動成形用金型250を備えている。固定成形用金型210は、射出成形機に固定配置されている。可動成形用金型250は、射出成形機に備えられている図示しない金型可動盤により中心軸C方向である図示矢印a方向に移動自在であって中心軸Cを中心に図示矢印b方向に回転自在に配置されている。即ち、可動成形用金型250は、固定成形用金型210に対して接触・離間可能であって固定成形用金型210と平行状態を保ったまま回転可能となっている。尚、金型可動盤は、例えば油圧シリンダと油圧モータを備えており、油圧シリンダにより可動成形用金型250を移動させ、油圧モータにより可動成形用金型250を回転させるように構成されている。
【0021】
固定成形用金型210は、1色目の成形品を成形するキャビティ221が形成された1次成形用金型220と、2色目の成形品を成形するキャビティ231が形成された2次成形用金型230を備えている。1次成形用金型220と2次成形用金型230は、中心軸Cを挟んで対称配置され、かつ、1次成形用金型220のキャビティ形成面222と2次成形用金型230のキャビティ形成面232が面一となるように一体化されている。可動成形用金型250は、1次成形用金型220及び2次成形用金型230の各キャビティ221、231に対応する同一形状の2つのキャビティ251、251が、各キャビティ形成面222、232に対向するキャビティ形成面252に形成されている。
【0022】
図5及び図6は、上記2色成形用金型200を用いたボタン成形品30の成形工程の一例を示す断面図である。尚、図5及び図6では1つのボタン成形品30の成形工程のみを示す。先ず、金型可動盤を作動させて可動成形用金型250を固定成形用金型210に向かって移動させ、図5に示すように、1次成形用金型220のキャビティ221に可動成形用金型250のキャビティ251を合わせて型閉じする。そして、キャビティ221、251内に1色目の合成樹脂を射出して、図2に示す1色目の成形品であるボタン基体部10を成形する。ここで、図2に示すように、1色目の合成樹脂を射出するゲート10aは、押圧部11と台座部12との間であって第2ランナー部23の切断部と重畳する部分とすることにより、ウェルドの発生を抑えることができる。
【0023】
次に、金型可動盤を作動させて可動成形用金型250のキャビティ251を1次成形用金型220のキャビティ221から離して型開きし、可動成形用金型250を固定成形用金型210から移動させる。このとき、ボタン基体部10は、可動成形用金型250のキャビティ251に付着したままとなっている。そして、金型可動盤を作動させて可動成形用金型250を180°回転させ、1次成形用金型220を2次成形用金型230に切替える。
【0024】
続いて、金型可動盤を作動させて可動成形用金型250を固定成形用金型210に向かって移動させ、図6に示すように、2次成形用金型230のキャビティ231にボタン基体部10が付着されている可動成形用金型250のキャビティ251を合わせて型閉じする。そして、キャビティ231、251内に2色目の合成樹脂を射出して、図2に示す2色目の成形品であるボタン周縁部20を1色目の成形品であるボタン基体部10と一体成形する。
【0025】
最後に、金型可動盤を作動させて可動成形用金型250のキャビティ251を2次成形用金型230のキャビティ231から離して型開きし、可動成形用金型250を固定成形用金型210から移動させると共に、可動成形用金型250のキャビティ251から図1に示すような1色目と2色目の成形品が一体化されたボタン成形品30を取り出す。尚、可動成形用金型250を180°回転させたときの1次成形用金型220側では、上述した動作により1色目の成形品10が略同時成形されており、可動成形用金型250の半回転毎に1つのボタン成形品30が成形される。
【0026】
次に、ボタン成形品30の第1ランナー部22にメッキ処理用フック等を係止し、ボタン成形品30全体をメッキ槽内のメッキ液に浸けて、ボタン成形品30のボタン周縁部20の装飾部21に部分メッキ処理する。そして、部分メッキ処理が完了したボタン成形品30のボタン周縁部20の第2ランナー部23における装飾部21の近傍部分23aとボタン基体部10の台座部12の両側部分23b、23cを同時に切断する。そして、ボタン周縁部20の第2ランナー部23の一部と第1ランナー部22を除去して図3に示すボタン40を製作する。
【0027】
このボタン40は、丸ボタン付き方向キーの方向キー部分である。ユーザが押圧部11を押すことにより、アーム部13が台座部12を支点として上下に撓んで、押圧部11の下方に配置されているスイッチがオン・オフされるので、ユーザは上下左右の方向を選択することができる。このとき、押圧部11はメッキされた装飾部21により縁取りされているので、視認性を高めてユーザの誤操作を防止することができると共に、デザイン性を高めてボタン40の商品価値を高めることができる。また、第2ランナー部23が切断除去された部分には、LED等の他の部品を配置することも可能となる。
【0028】
図7は、上記ボタン40を備えた電子機器の1つである記録装置の外観構成の全体を示す斜視図である。この記録装置は、インクジェット式プリンタ100であり、例えば名刺、カード、L判/2L判、ハガキ、六切やJIS規格のA6判からA4判までのサイズの単票紙に記録することができる機能を備えている。このインクジェット式プリンタ100は、全体が略直方体状のハウジング101で覆われている。そして、ハウジング101の上面における前面側には操作部110が配設され、前面における図示左側にはメモリカードスロット部120が配設され、上面における背面側には給紙部130が配設され、前面側には排紙部140が配設されている。
【0029】
操作部110は、略矩形状の操作パネル111を備え、この操作パネル111の略中央部に操作状態等を表示する液晶パネル112が配設され、この液晶パネル112の両側に上記ボタン40を有する丸ボタン付き方向キーや、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作する操作系、画像処理等を行う処理系等のボタン113が配設されている。ユーザは、液晶パネル112を見て確認しながらボタン113を操作することができるので、誤操作を防止することができる。
【0030】
メモリカードスロット部120は、図示矢印a方向に開閉自在なカバー121で覆われている。このメモリカードスロット部120は、複数のスロットが形成され、複数種類のメモリカードに対応可能に構成されている。ユーザは、インクジェット式プリンタ100をパーソナルコンピュータに接続しなくても、インクジェット式プリンタ100単独の状態でメモリカードスロット部120にメモリカードを差し込むのみで、メモリカードに格納されている画像等を記録することができる。
【0031】
給紙部130は、上方に向かって矩形状に開口した給紙口131を開閉する機能と、給紙する用紙を1枚もしくは複数枚サポートする機能を併せ持ったペーパーサポート132を備えている。このペーパーサポート132は、後端の回転軸を中心に図示矢印b方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、インクジェット式プリンタ100を使用又は不使用のときは、ペーパーサポート132の両側に指を掛けてペーパーサポート132を開閉することができるので、用紙の差し入れを容易に行うことができ、また給紙口131内への埃の侵入を防止することができる。
【0032】
排紙部140は、前方に向かって矩形状に開口した排紙口141を開閉する機能と、排紙される用紙を1枚もしくは複数枚スタックする機能を併せ持ったスタッカ142を備えている。このスタッカ142は、下端の回転軸を中心に図示矢印c方向に回動可能に取り付けられている。ユーザは、インクジェット式プリンタ100を使用又は不使用のときは、スタッカ142の上部に指を掛けてスタッカ142を開閉することができるので、セッティングを容易に行うことができ、また排紙口141内への埃の侵入を防止することができる。更に、記録後の用紙は常に前面側から排紙されるので、ユーザは用紙を容易に取り出すことができる。
【0033】
以上のように、本実施形態のメッキ処理不可材料で成形された、アーム部13を含む押圧部11及び台座部12と、メッキ処理可能材料で成形された、押圧部11と一体化された装飾部21、当該メッキ処理を仲介する第1ランナー部22及び第1ランナー部22と装飾部21とを繋ぐ第2ランナー部23とを備えたボタン成形品30によれば、第2ランナー部23は、少なくともアーム部13と離間させて成形されているので、第2ランナー部23をマスキングしなくてもアーム部13に影響を与えずに装飾部21のメッキを簡易かつ低コストで処理することができる。また、本実施形態のボタン40は、装飾部21をメッキ処理した後に、第2ランナー部23の一部と第1ランナー部22を同時に切断除去することにより製作されるので、アーム部13と第2ランナー部23とは直接的に関与しなくなり、アーム部13が変形しても第2ランナー部23の残部のメッキ部分に影響を与えることは無い。
【産業上の利用可能性】
【0034】
ボタンに限らず、電子機器に備えられる部品であれば同様に適用可能である。また、例えばファクシミリ装置、コピー装置、スキャナ等の記録装置を含む一般的な電子機器であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る2色成形部材を示す斜視図である。
【図2】図1の2色成形部材を構成する1色目の成形品と2色目の成形品を分離した状態を示す斜視図である。
【図3】図1の2色成形部材から製作される2色製品を示す斜視図である。
【図4】2色成形部材を成形するための2色成形用金型の断面図である。
【図5】図4の2色成形用金型を用いた2色製品の成形工程の一例を示す第1の断面図である。
【図6】図4の2色成形用金型を用いた2色製品の成形工程の一例を示す第2の断面図である。
【図7】図3のボタンを備えた電子機器の1つである記録装置の外観構成の全体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
10 ボタン基体部、11 押圧部、12 台座部、13 アーム部、20 ボタン周縁部、21 装飾部、22 第1ランナー部、23 第2ランナー部、30 ボタン成形品、31、32 境界部分、100 インクジェット式プリンタ、101 ハウジング、110 操作部、111 操作パネル、113 ボタン、120 メモリカードスロット部、130 給紙部、140 排紙部、200 2色成形用金型、210 固定成形用金型、220 1次成形用金型、230 2次成形用金型、250 可動成形用金型
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100098279
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 聖


【公開番号】 特開2008−983(P2008−983A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172634(P2006−172634)