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【発明の名称】 吸収体の製造方法及び製造装置
【発明者】 【氏名】谷口 正洋

【要約】 【課題】所望の形状の吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体を好適に製造することができる吸収体の製造方法を提供すること。

【構成】本発明の吸収体の製造方法では、吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体を製造する。周部に成形型2が配置された回転体3の成形型2内に連続気泡発泡体の原料を供給し、回転体3を回転させながら成形型2内で原料を発泡させて連続気泡発泡体13を成形する。前記原料が供給された成形型2を塞ぐように第1シート11を供給し、第1シート11で連続気泡発泡体13の成形面の一部を形成することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体の製造方法であって、
回転体の周部に配置された成形型内に前記連続気泡発泡体の原料を供給し、前記回転体を回転させながら前記成形型内で前記原料を発泡させて前記連続気泡発泡体を成形する吸収体の製造方法。
【請求項2】
前記原料が供給された前記成形型を塞ぐように第1シートを供給し、該第1シートで前記連続気泡発泡体の成形面の一部を形成する請求項1に記載の吸収体の製造方法。
【請求項3】
前記成形型に前記原料を供給する前に該成形型の成形面に第2シートを供給し、該第2シートを該成形型と該原料との間に介在させて前記連続気泡発泡体を成形する請求項1又は2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項4】
吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体の製造装置であって、
凹部を有する成形型が周部に配置され回転可能に設けられた回転体と、前記成形型に前記連続気泡発泡体の原料を供給する原料供給手段とを備えている吸収体の製造装置。
【請求項5】
前記回転体の周部に第1シートを供給する第1シート供給手段と、前記成形型とともに前記連続気泡発泡体の成形面を形成するように第1シートを支持する支持手段とを備えている請求項4に記載の吸収体の製造装置。
【請求項6】
前記成形型の成形面に第2シートを供給する第2シート供給手段を備えている請求項4又は5に記載の吸収体の製造装置。
【請求項7】
前記成形型に前記成形面において開口する流通路が設けられているとともに、該流通路を通して前記第2シートを前記内面に吸着させる吸引手段を備えている請求項6に記載の吸収体の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に使用される吸収体、特に、吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液吸収性の連続気泡発泡体を利用した吸収性物品の製造に関する技術として、下記特許文献1に記載の技術が提案されている。この技術は、液吸収性の連続気泡発泡体を押出成形によって連続的に成形するものである。
【0003】
【特許文献1】特表2003−530149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幅が一定である形態の吸収体を製造する場合には、特許文献1に記載のような押出成形による製造方法も好ましいが、股下にフィットするように、長さ方向中央部がくびれた形態や周辺部に比べて中央部が盛り上がった中高の形態とする場合には、押出成形では製造することができない。
【0005】
従って本発明は、所望の形態の連続気泡発泡体を具備する吸収体を好適に製造することができる吸収体の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体の製造方法であって、回転体の周部に配置された成形型内に前記連続気泡発泡体の原料を供給し、前記回転体を回転させながら前記成形型内で前記原料を発泡させて前記連続気泡発泡体を成形する吸収体の製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
また、本発明は、吸液性の連続気泡発泡体を具備する吸収体の製造装置であって、凹部を有する成形型が周部に配置され回転可能に設けられた回転体と、前記成形型に前記連続気泡発泡体の原料を供給する原料供給手段とを備えている吸収体の製造装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸収体の製造方法及び装置によれば、所望の形態の連続気泡発泡体を具備する吸収体を好適に製造することができる。本発明における連続気泡発泡体とは、内部の気泡が繋がっている発泡体をいい、吸収体として使用された場合に吸収性能が発現されるものをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の吸収体の製造装置(以下、単に製造装置ともいう。)の一実施形態を模式的に示したものである。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の製造装置1は、凹部21を有する成形型2が周部に複数配置され回転可能に設けられた回転体3と、成形型2に吸液性の連続気泡発泡体の原料を供給する原料供給手段4と、第1シート11を供給する第1シート供給手段5と、連続気泡発泡体1の成形面を形成するように第1シート11を支持する支持手段6と、成形型2の内面に第2シート12を供給する第2シート供給手段7と、後述する成形型2の流通路23を通して前記第2シート12を前記内面に吸着させる吸引手段8と、成形型2から脱型された吸収体10を搬送する搬送手段9とを備えている。
【0011】
成形型2の凹部21は、成形する連続気泡発泡体の形状に対応した成形面22を有している。本実施形態では、図2に示すように、成型面22は、長さ方向中央部が括れ且つ吸収体の中央部が周辺部に比べて中高の形態の連続気泡発泡体が成形されるように設けられている。成形型2には、成形面22において開口する流通路23が設けられている。
【0012】
回転体3は、複数の成形型2を周部に設置可能な回転ドラム31と、回転ドラム31を回転駆動させる駆動源(図示せず)とを備えている。回転ドラム31は、成形型2を固定するフレーム部分のみが回転し、中心部分は回転しない二重構造となっており、中心部分には後述の吸引手段8の吸引ポンプに連通する流通路32と前記吸引ポンプの吸引力を所定の角度範囲に定める隔壁33が設けられている。
【0013】
原料供給手段4は、発泡体の構成成分を貯留するタンク41、42と、吸収性ポリマーを貯留するタンク43と、発泡体の構成成分及び吸水性ポリマーを混合して原料とする混合機44と、混合機44から成形型2に原料を注入するノズル45とを備えている。
【0014】
発泡体の構成成分は、スケルトン構造の主体となる熱可塑性ポリマーに、発泡のためのガス発泡剤、発泡後の発泡体表面を親水性とするための界面活性剤からなり、さらに場合によっては繊維材料を原料として用いることができる。
【0015】
第1シート供給手段5は、第1シート11をその原反から繰り出す繰り出し装置51を備えている。
【0016】
第1シートの支持手段6は、成形型2の表面の周回軌道に沿うように配置されたローラー61を含むローラー群と、該ローラー群に巻回されたベルト62と、該ローラー群を駆動させるモーター(図示せず)とを備えている。
【0017】
第2シート供給手段7は、第2シート12をその原反から繰り出す繰り出し装置71と、繰り出し装置71から繰り出された第2シート12を所定の軌道で搬送するためのローラー72とを備えている。
【0018】
吸引手段8は、成形型2の流通路23及び流通路33を通して成形型2の成形面22に第2シート12を吸着させる吸引ポンプ(図示せず)を備えている。
【0019】
搬送手段9は、吸引ボックス91が内装されたベルトコンベアー92で構成されており、成形が完了した吸収体10に吸引ボックス91の吸引力を作用させ、吸収体10を成形型2から脱型させて搬送する。脱型を安定させるために回転ドラム31の内側から流通路23にエアーを送ってもよい。
また、図1では、吸収体10は吸引力によってベルトコンベアー92に仮固定された状態であり、第1シート11側が平面となっているが、吸引状態が解除された状態では、回転ドラム31の外周面の形状に近い湾曲した形状であり、吸収性物品に用いられた場合、身体の前後方向(腹側−背側方向)の湾曲形状に沿いやすくなる。
【0020】
次に、本発明の吸収体の製造方法の実施形態を、前記実施形態の製造装置1による製造方法に基づいて説明する。
【0021】
まず、製造装置1を起動させ、成形型2に原料を供給する前に、回転ドラム32の回転に伴って回転している成形型2の成形面22に、第2シート供給手段7によって第2シート12を供給する。そして、前記吸引ポンプによって第2シート12を成形面22に吸着させる。第2シート12としては、従来から吸収体に使用されている紙、不織布等が用いられる。
【0022】
第2シート12は、回転ドラム32の内面においてその形状に沿わなければならないため、(1)第1シート11を中高部に相当する幅に用いる、(2)伸張しやすい材料(例えば不織布)を使用する、(3)第1シート11適用後型押しする等の材料や方法を用いて、中央部が盛り上がった中高部を形成し易くすることができる。
【0023】
次に、原料供給手段4のノズル45から成形型22の凹部21に、原料を供給する。原料は、貯留タンク41、42に貯留された発泡体の構成成分と、タンク43に貯留された吸収性ポリマーとを混合機44で混合して調製する。また、吸収性ポリマーには、従来から吸収性物品に用いられている吸収性ポリマーが用いられる。
【0024】
前記熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましいが、ポリウレタンも使用できる。
【0025】
前記ガス発泡剤としては、二酸化炭素、ヘリウム、窒素等のガスが使用可能であり、水と空気を混合したものも使用できる。
【0026】
前記界面活性剤としては、樹脂との相溶性がよく、かつ樹脂の冷却後は徐々に樹脂表面に析出する半相溶性の材料が好ましく、具体的には特開平3−185167号に用いられている界面活性剤が好ましい。
【0027】
前記繊維材料は、前記熱可塑性ポリマーよりも融点が高いものであれば良いが、親水性材料としては、パルプやレーヨンが好ましく、熱可塑性繊維材料としては融点が30℃以上高いポリエステルが好ましい。この繊維材料が配合された場合、毛管径を小さくすることができるため、吸液性を高めることができる。このほか、使用する材料による特性として、親水性材料の使用では発泡体を界面活性剤なしで吸液性とすることができる、熱可塑性繊維材料では(高い発泡倍率であっても)スケルトン構造が安定となるなどの効果が得られる。
【0028】
次に、前記原料が供給された成形型2を塞ぐように第1シート供給手段5で第1シート11を供給し、さらに、第1シート支持手段6で第1シート11を成形型2に押圧し、第1シート11で連続気泡発泡体13の成形面の一部を形成する。
【0029】
第1シート11は、ポリプロピレン製の不織布や液不透過性を有するポリエチレンフィルム等を用いることができる。
【0030】
そして、回転体3を回転させながら、成形型2内で前記原料を発泡させて連続気泡発泡体13を成形する。本実施形態では、回転体3の回転に伴う成形型2の移動中に前記原料の発泡と発泡体の安定化の過程を完了する。安定した発泡を得るために、成形型2は発泡原料注入時に40〜90℃、好ましくは50〜70℃の範囲、吸引等により5〜15℃程度温度が低下するように、吸引条件・温度条件を調節する。このように製造することで、発泡体が回転体3(第2シート)と接触した際、接触した表面で十分発泡が行われないうちに固化することが防止できる。発泡率は50%以上、好ましくは100〜500%である。斯かる発泡倍率であると得られる吸収体が硬くなりすぎず、形状(特に使用時)の安定性もよくなる。
【0031】
ローラー61は複数用いられており、第1シート11側に発泡体が過度に飛び出すことを防止し、第1シート側11が第2シート12側より早く冷却することができる。このため、第1シート11側は、第2シート側12よりも発泡が抑えられているか、発泡体が圧縮されるため、小さな発泡径のものを得易い。
【0032】
発泡が十分行われた段階で、発泡体の各発泡の膜を除去又は破壊(以下連続気泡化とする)するため、上記ローラー61あるいは別のローラー(図示せず)を用いる。上記ローラー61を用いる場合には、発泡中の前記突出を行わせ、その後80〜120℃の過熱状態(使用する熱可塑性ポリマーによって異なる)で圧搾・整形するが、吸収体10の形状や連続気泡化の調整のし易さからは、別のローラーが好ましい。
【0033】
別のローラーとしては、凹部21にローラーの一部が入り込むことが好ましいため、回転体31の凹部21と略同じか狭い幅のローラーであることが好ましく、回転体31の凹部に組合せ可能な凸部が形成されていること、根元が2〜5mm程度の径を有する針状物や突起が設けられていることなどがより好ましい。
搬送手段9以降の後工程にプレスローラを配置し、これにより各発泡の膜を除去又は破壊しても良い。
【0034】
そして、連続気泡発泡体13の成形が完了した吸収体10に搬送手段9の吸引ボックス91の吸引力を作用させ、吸収体10を成形型2から脱型させ、ベルトコンベアー92で次工程に搬送する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の製造装置1及び製造方法によれば、所望の形状の連続気泡発泡体13が第1、第2シート11、12で包まれた吸収体10を好適に製造することができる。また、本実施形態では、第1シート支持手段6によって、成形面の一部を構成する第1シート11を支持した状態で連続気泡発泡体13の成形が行われるので、連続気泡発泡体13の成形型2からの膨出を防ぎ且つ第1シート11で連続気泡発泡体13を包むことができる。さらに、連続気泡発泡体13が第1、第2シート11、12で包まれているため、成形型2からの脱型を容易に行うことができる。また、発泡体が直接成形型2に接しないため、成形型2が汚れにくく、メンテナンスを行いやすい。
【0036】
本発明は、前記実施形態に制限されない。
本発明は、前記実施形態のように、第1及び第2シートで連続気泡発泡体を覆いながら成形することが好ましいが、第1又は第2シートの一方を使用せずに成形することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の吸収体の製造方法及び装置によれば、所望の形状を有する連続気泡発泡体を具備する吸収体を好適に製造することができる。本発明は、生理用ナプキン、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品に使用される吸収体のほか、吸収体以外に使用される連続気泡発泡体の製造にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の吸収体の製造装置の一実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明の吸収体の製造装置の一実施形態における成形型を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 吸収体の製造装置
2 成形型
21 凹部
22 成形面
3 回転体
4 原料供給手段
5 第1シート供給手段
6 第1シート支持手段
7 第2シート供給手段
8 吸引手段
9 搬送手段
10 吸収体
11 第1シート
12 第2シート
13 連続気泡発泡体
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修

【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之


【公開番号】 特開2008−967(P2008−967A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172036(P2006−172036)