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【発明の名称】 成形機の振動減衰装置及びフレーム
【発明者】 【氏名】吉田 直弘

【氏名】▲巽▼ 豊

【要約】 【課題】振動を減衰させる効果を低いコストで実現できるようにする。

【構成】計量用の駆動部及び射出用の駆動部を備え、成形材料の射出を行う射出装置と、型締用の駆動部を備え、金型装置の型開閉を行う型締装置と、前記射出装置、金型装置及び型締装置を支持するフレーム12とを有する。該フレーム12は、壁体によって包囲された収容室38を備える。該収容室38に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間39を残して充填物41が充填される。振動の加振力がフレーム12に伝達されると、フレーム12が移動しようとするのに対して充填物41が慣性で留まろうとするので、充填物41によって運動エネルギーが、消費されるか、又は熱エネルギーに変換される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)計量用の駆動部及び射出用の駆動部を備え、成形材料の射出を行う射出装置と、
(b)型締用の駆動部を備え、金型装置の型開閉を行う型締装置と、
(c)前記射出装置、金型装置及び型締装置を支持するフレームとを有するとともに、
(d)該フレームは、壁体によって包囲された収容室を備え、
(e)該収容室に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間を残して充填物が充填されることを特徴とする成形機の振動減衰装置。
【請求項2】
前記充填物は流動性物質から成る請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項3】
前記充填物は、壁体に対して所定の範囲内で相対的に移動自在に充填される請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項4】
前記充填物は、前記フレームを構成する下方の部材に形成された収容室に充填される請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項5】
前記収容室は、中仕切りによって分割される請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項6】
前記壁体は、収容室内外を連通させる連通口、及び該連通口を開閉させる開閉部材を備える請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項7】
前記振動が発生したときに、振動に伴うフレームの移動方向に対して反対の方向に慣性力を発生させる減衰装置を有する請求項1に記載の成形機の振動減衰装置。
【請求項8】
計量用の駆動部及び射出用の駆動部を備え、成形材料の射出を行う射出装置、型締用の駆動部を備え、金型装置の型開閉を行う型締装置、並びに前記射出装置、金型装置及び型締装置を支持するフレームを有する成形機のフレームにおいて、
(a)壁体によって包囲された収容室を備えるとともに、
(b)該収容室に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間を残して充填物が充填されることを特徴とする成形機のフレーム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機の振動減衰装置及びフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、成形機、例えば、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた成形材料としての樹脂を、高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填し、該キャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品が得られるようになっている。
【0003】
前記射出成形機においては、フレーム上に金型装置、型締装置及び射出装置が配設され、該射出装置は、樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設される。また、前記型締装置によって可動金型を進退させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われ、型締めに伴って、固定金型と可動金型との間にキャビティ空間が形成される。
【0004】
そして、射出用の駆動部としての射出用モータを駆動して前記スクリューを前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、キャビティ空間に充填される。また、計量用の駆動部としての計量用モータを駆動してスクリューを回転させることにより樹脂の計量が行われ、スクリューヘッドの前方に、溶融させられた樹脂が蓄えられる。
【0005】
また、前記型締装置は、前記固定金型を取り付けるための固定プラテン、該固定プラテンと対向させて配設されたトグルサポート、前記固定プラテンとトグルプレートとの間に架設された4本のタイバー、該各タイバーに沿って進退自在に配設され、可動金型を取り付けるための可動プラテン、前記トグルサポートと可動プラテンとの間に配設され、伸展又は屈曲させられるトグル機構、該トグル機構を作動させるための型締用の駆動部としての型締用モータ等を備える。したがって、該型締用モータを駆動し、トグル機構を作動させ、可動プラテンを前進させると、型閉じが行われ、続いて、型締力が発生させられて型締めが行われ、トグル機構を作動させ、可動プラテンを後退させると、型開きが行われる。なお、前記型締力は可動プラテンを介して可動金型に伝達され、これに伴って、型締力の反力が各タイバーを介してトグルサポートに伝達される。
【0006】
ところで、前記射出成形機には、前述されたように、射出用モータ、計量用モータ、型締用モータ等の各モータが配設されるが、各モータが駆動されるのに伴って、射出成形機に振動が発生する。そして、発生した振動が、例えば、射出成形機に組み込まれている電気部品、電子機器等の周辺機器に伝達されると、周辺機器が誤作動してしまうことがある。
【0007】
そこで、射出成形機を構成する各部位において、耐衝撃性、耐振動性等の低い部位を、緩衝装置を介して支持するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−185335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、各部位ごとに緩衝装置を配設する必要があるので、射出成形機のコストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、振動を減衰させる効果を低いコストで実現することができる成形機の振動減衰装置及びフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の成形機の振動減衰装置においては、計量用の駆動部及び射出用の駆動部を備え、成形材料の射出を行う射出装置と、型締用の駆動部を備え、金型装置の型開閉を行う型締装置と、前記射出装置、金型装置及び型締装置を支持するフレームとを有する。
【0011】
そして、該フレームは、壁体によって包囲された収容室を備える。
【0012】
また、該収容室に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間を残して充填物が充填される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成形機の振動減衰装置においては、計量用の駆動部及び射出用の駆動部を備え、成形材料の射出を行う射出装置と、型締用の駆動部を備え、金型装置の型開閉を行う型締装置と、前記射出装置、金型装置及び型締装置を支持するフレームとを有する。
【0014】
そして、該フレームは、壁体によって包囲された収容室を備える。
【0015】
また、該収容室に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間を残して充填物が充填される。
【0016】
この場合、収容室に、前記各駆動部のうちの所定の駆動部を駆動することによって発生する振動を減衰させるために、所定の容積の空間を残して充填物が充填されるので、成形機に発生した振動の加振力がフレームに伝達されると、フレームが移動しようとするのに対して充填物が慣性で留まろうとする。したがって、充填物によって運動エネルギーが、消費されるか、又は充填物の流動に伴い摩擦熱が発生して熱エネルギーに変換される。
【0017】
その結果、フレームに伝達される振動を減衰させることができる。また、緩衝装置を配設する必要がなくなるので、成形機のコストを低くすることができる。すなわち、振動を減衰させる効果を低いコストで実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、成形機としての射出成形機について説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概念図である。
【0020】
図において、10は射出成形機、50は該射出成形機10を設置するための床、51は成形材料としての図示されない樹脂の射出を行う射出装置、52は第1の金型としての図示されない固定金型及び第2の金型としての図示されない可動金型から成る金型装置、53は該金型装置52の型開閉を行う型締装置、54は前記射出装置51を進退自在に支持する可塑化移動装置、60はトグル調整装置として機能する型厚調整装置、12は、前記射出装置51、金型装置52、型締装置53、可塑化移動装置54、型厚調整装置60等を支持するフレームである。なお、該フレーム12上の所定の箇所に、振動レベルを測定するための第1の計測点P1が、前記床50上の所定の箇所に、振動レベルを測定するための第2の計測点P2が設定される。また、射出装置51、型締装置53、フレーム12等によって射出成形機10の振動減衰装置が構成される。
【0021】
前記射出装置51は、シリンダ部材としての加熱シリンダ56、該加熱シリンダ56内において、回転自在に、かつ、進退自在に配設された射出部材としての図示されないスクリュー、前記加熱シリンダ56の前端に取り付けられた射出ノズル58、前記加熱シリンダ56の後端の近傍に配設されたホッパ59、前記スクリューと連結された計量用の駆動部としての図示されない計量用モータ、前記スクリューと連結された射出用の駆動部としての図示されない射出用モータ等を備える。
【0022】
また、前記可塑化移動装置54は、可塑化移動用の駆動部としての図示されない可塑化移動用モータ、前記フレーム12の長手方向に沿って配設され、前記射出装置51を案内するガイド78等を備える。そして、可塑化移動用モータを駆動することによって、所定のタイミングで射出装置51を前進させて射出ノズル58を固定金型に当接させ、ノズルタッチを行うことができる。
【0023】
また、前記型締装置53は、フレーム12に取り付けられた固定プラテン91、図示されないトグルサポート、前記固定プラテン91とトグルサポートとの間に架設された図示されないタイバー、固定プラテン91と対向させて、かつ、タイバーに沿って進退自在に配設された可動部材としての図示されない可動プラテン、該可動プラテンとトグルサポートとの間に配設された図示されないトグル機構、型締用の駆動部としての図示されない型締用モータ等を備える。そして、前記固定プラテン91及び可動プラテンに、互いに対向させて固定金型及び可動金型がそれぞれ取り付けられる。
【0024】
そして、前記型厚調整装置60は、各タイバーの後端に形成された図示されないねじ部と螺合させられ、トグル調整部材としての、かつ、型厚調整部材としての図示されない調整ナット、トグル調整用の、かつ、型厚調整用の駆動部としての図示されない型厚調整用モータ等を備える。そして、例えば、金型装置52を交換した場合等において、型厚調整用モータを駆動することによって、トグルサポートを固定プラテン91に対して進退させて型厚調整を行うことができる。
【0025】
前記構成の射出装置51において、可塑化移動用モータを駆動すると、射出装置51が進退させられる。
【0026】
また、計量工程において、計量用モータを駆動し、スクリューを回転させると、ホッパ59から供給された樹脂は、加熱シリンダ56内において加熱されて溶融させられ、前方に移動させられ、スクリューの前方に溜められる。これに伴って、スクリューは所定の位置まで後退させられる。
【0027】
そして、射出工程において、射出ノズル58を固定金型に押し付け、射出用モータを駆動すると、スクリューが前進させられ、スクリューの前方に溜められた樹脂は、射出ノズル58から射出され、固定金型と可動金型との間に形成されたキャビティ空間に充填される。
【0028】
また、前記構成の型締装置53において、型締用モータを駆動すると、トグル機構が伸展させられ、可動プラテンが前進させられて型閉じが行われ、固定金型に可動金型が当接させられる。続いて、型締用モータを更に駆動すると、トグル機構において型締力が発生させられ、該型締力で固定金型に可動金型が押し付けられ、固定金型と可動金型との間にキャビティ空間が形成される。また、型締用モータを逆方向に駆動すると、トグル機構が屈曲させられ、可動プラテンが後退させられ、型開きが行われる。
【0029】
そして、前記構成の型厚調整装置60において、型厚調整用モータが駆動されると、各調整ナットが回転させられ、該各調整ナットは、回転に伴ってタイバーに対して進退させられ、トグルサポートを進退させる。その結果、型厚が調整されるとともに、トグル機構の基準位置が調整される。
【0030】
ところで、前記射出成形機10には、計量用モータ、射出用モータ、可塑化移動用モータ、型締用モータ、型厚調整用モータ等の各種のモータが配設され、各モータは、図示されない制御部の駆動処理手段(駆動処理部)が、駆動処理を行うことによって駆動されて、始動及び停止が行われるほかに、回転速度並びにトルクが制御される。
【0031】
ところで、各モータが駆動されるのに伴って、射出成形機10に振動が発生するが、発生した振動が、例えば、射出成形機10に組み込まれている電気部品、電子機器等の周辺機器に伝達されると、周辺機器が誤作動してしまうことがある。
【0032】
そこで、本実施の形態においては、各モータを駆動するのに伴って発生する振動を減衰させるようにしている。
【0033】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるフレーム及び枠体を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における枠体の他の例を示す断面図である。
【0034】
図において、12はフレームであり、該フレーム12は、下側の水平部材14、上側の水平部材15、及び前記水平部材14と水平部材15とを連結する垂直部材16を備える。前記水平部材14は、x軸方向に延在させて、互いに平行に配設された2本の縦部材17、及びy軸方向(x軸方向に対して直交する方向)に延在させて配設され、前記各縦部材17の両端間を連結する2本の横部材18を備え、同様に、前記水平部材15は、x軸方向に延在させて、互いに平行に配設された2本の縦部材21、及びy軸方向に延在させて配設され、前記各縦部材21の両端間を連結する2本の横部材22を備える。そして、前記垂直部材16は、z軸方向(x軸方向及びy軸方向に対して直交する方向)に延在させて配設され、各縦部材17の両端と各縦部材21の両端との間を連結する端部連結部材24、及びz軸方向に延在させて配設され、各縦部材17の長手方向における所定の箇所と各縦部材21の対応する箇所との間を連結する中間連結部材25を備える。
【0035】
前記各縦部材17、21、横部材18、22、端部連結部材24及び中間連結部材25の各部材は、いずれも、金属製の中空の角パイプから成る枠体31によって形成される。該枠体31は、頂壁33、底壁34、及び側壁35、36の各壁体を備え、各壁体によって包囲され、形成された収容室38を備える。そして、該収容室38に、所定の容積の空間39を残して充填物41が充填される。なお、前記各壁体のうちの所定の壁体に、収容室38内外を連通させる図示されない連通口が形成され、該連通口を開閉させる図示されない開閉部材が配設される。
【0036】
本実施の形態においては、収容室38に充填物41を均一に、かつ、表面が平坦になるように充填したとき、頂壁33の裏面に充填物41の上面が接触しないようになっている。そして、前記収容室38の容積Vfに対する充填物41の体積Vcを充填率η
η=Vc/Vf
としたとき、充填率ηを変更することによって、枠体31の重心の位置を変更し、フレーム12の重心の位置を変更し、さらに、射出成形機10の重心の位置を変更することができる。したがって、射出成形機10を運転するのに伴ってローリングが発生するのを防止することができるので、射出成形機10を安定して運転することができる。
【0037】
また、各枠体31のうちの所定の枠体31における充填率ηを変更することによって、射出成形機10の運転に伴って、局所的に振動が発生するのを防止することができ、さらに、射出成形機10の固有振動数と射出成形機10が配設された建屋の固有振動数とを異ならせることによって、射出成形機10の運転に伴って建屋に振動が発生するのを防止することができる。
【0038】
本実施の形態においては、前記各部材は、例えば、縦部材17の場合は図1に示されるように、端部連結部材24の場合は図3に示されるように、独立した枠体31によって構成され、各枠体31の収容室38に充填物41が充填される。
【0039】
該充填物41は、砂、土、金属球、金属塊、金属小片、液体、粘性流体等の流動性物質から成り、射出成形機10に振動が発生したときに、振動を減衰させる。
【0040】
すなわち、前記充填物41は、減衰材として機能し、所定の壁体に対して所定の範囲内で相対的に移動自在に充填される。このように、充填物41は、枠体31内において自由に移動することができるように収容されるので、射出成形機10に発生した振動の加振力が枠体31に伝達されると、枠体31が移動しようとするのに対して充填物41が慣性で留まろうとする。したがって、充填物41によって運動エネルギーが、消費されるか、又は充填物41の流動に伴い摩擦熱が発生して熱エネルギーに変換される。
【0041】
その結果、枠体31に伝達される振動を迅速に減衰させることができる。また、射出成形機10に緩衝装置を配設する必要がなくなるので、射出成形機10のコストを低くすることができる。
【0042】
しかも、収容室38に充填物41を充填することによって、フレーム12の全体の質量が大きくなるので、フレーム12に伝達される振動のエネルギー量が同じでも、振動変位量、すなわち、振幅を小さくすることができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、各部材のいずれの収容室38にも充填物41が充填されるようになっているが、所定の部材の収容室38にだけ充填物41を充填することができる。その場合、振動を減衰させる効果を高くするためには、各部材のうちの下方の部材、例えば、縦部材17、横部材18等に形成された収容室38に充填物41を充填し、フレーム12の重心を低くするのが好ましい。
【0044】
図4は本発明の第1の実施の形態における振動レベル特性を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における位相特性を示す図である。なお、図4において、横軸に周波数を、縦軸に振動レベル〔dB〕を、図5において、横軸に周波数を、縦軸に位相を採ってある。
【0045】
この場合、図4の振動レベル及び図5の位相は、射出成形機10(図2)を運転したときに、前記第1、第2の計測点P1、P2でx軸方向の計測データを取得し、プロットしたものである。すなわち、第1の計測点P1の計測データを入力値とし、第2の計測点P2の計測データを出力値として得られる伝達関数に基づいて、振動レベル及び位相をプロットしたものである。本実施の形態においては、x軸方向だけの振動レベル及び位相をプロットするようになっているが、y軸方向の振動レベル及び位相をプロットしたり、z軸方向の振動レベル及び位相をプロットしたりすることができる。
【0046】
図4において、L1は従来の射出成形機を運転したときの振動の周波数に対する振動レベルを、L2は本実施の形態における射出成形機10を運転したときの振動の周波数に対する振動レベルを表し、図5において、L3は従来の射出成形機を運転したときの振動の周波数に対する位相を、L4は本実施の形態における射出成形機10を運転したときの振動の周波数に対する位相を表す。図4及び5から分かるように、本実施の形態においては従来の技術に対して、振動レベルが小さくなり、位相が負の方向に大きくなる。
【0047】
このようにして、射出成形機10で発生した振動を、前記床50に伝達し、更に、射出成形機10が設置された工場の建屋に伝達することができる。これにより、射出成形機10の各駆動部位で発生させられた振動が騒音となるのを低減することができる。
【0048】
なお、前記計測データを取得するに当たり、振動の測定方法としてJIS Z 8739に規定された測定方法を使用することができる。その場合、振動の周波数に対する振動レベルを計測データとして取得することはできないが、本実施の形態における振動を減衰させる効果を認識するには十分であり、しかも、振動を容易に測定することができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0050】
図6は本発明の第2の実施の形態における枠体の断面図である。
【0051】
図において、18は横部材、24は端部連結部材、31は枠体であり、該枠体31は、2本の端部連結部材24を横部材18によって連結し、かつ、収容室38を互いに連通させることによって形成される。
【0052】
該収容室38は、頂壁33a、33b、連結部頂壁34a、底壁34b、及び側壁35a、35b、36a、36bの各壁体によって形成され、前記収容室38に、所定の容積の空間39を残して充填物41が充填される。
【0053】
この場合、収容室38が互いに連通させられるので、横部材18及び端部連結部材24の全体に発生する振動を減衰させることができる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0055】
図7は本発明の第3の実施の形態における枠体の断面図である。
【0056】
図において、18は横部材、31は枠体であり、該枠体31は、頂壁33、底壁34、及び側壁35、36の各壁体によって形成された収容室38を備える。該収容室38内には、複数の中仕切り45が配設され、収容室38は、中仕切り45によって各区画室38a〜38dに分割され、該各区画室38a〜38dに、所定の容積の空間39を残して充填物41が充填される。
【0057】
この場合、射出成形機10の運転に伴って、局所的に振動が発生したときに、各区画室38a〜38dにおける各充填率ηを変更することによって、振動が発生するのを防止することができる。
【0058】
前記各実施の形態においては、充填物41の流動性を利用して振動を減衰させるようにしているが、フレーム12にアクティブの減衰装置を配設することができる。その場合、該減衰装置は、前記振動が発生したときに、振動に伴うフレーム12の移動方向に対して反対の方向に慣性力を発生させる。
【0059】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるフレーム及び枠体を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における枠体の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における振動レベル特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における位相特性を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における枠体の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における枠体の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
10 射出成形機
12 フレーム
33、33a、33b 頂壁
34、34b 底壁
34a 連結部頂壁
35、35a、35b、36、36a、36b 側壁
38 収容室
39 空間
41 充填物
51 射出装置
52 金型装置
53 型締装置
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠

【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守

【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明


【公開番号】 特開2008−943(P2008−943A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171175(P2006−171175)