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【発明の名称】 アセンブリの製造方法、液状体吐出ヘッドの製造方法、液状体吐出ヘッド、液状体吐出装置
【発明者】 【氏名】備前 良一

【氏名】小野 健一

【要約】 【課題】信頼性に優れたアセンブリを製造するためのアセンブリの製造方法、信頼性に優れた液状体吐出ヘッドとその製造方法、および当該液状体吐出ヘッドを搭載する液状体吐出装置を提供すること。

【構成】ケース30における射出成型時の樹脂の流動方法(矢印Aの方向)と液状体導入部材40における射出成型時の樹脂の流動方法(矢印Bの方向)とが一致するように部材間の位置合わせを行った上で、両部材を接合する。位置合わせは、ケース30のガイド部31に形成されたマーク35と液状体導入部材40のフランジ部43に形成されたマーク45とを合わせることにより行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と第2部材とを含むアセンブリの製造方法であって、
射出成型により前記第1部材を形成する工程と、
射出成型により前記第2部材を形成する工程と、
前記第1部材における前記射出成型に係る方向と前記第2部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、前記第1部材と前記第2部材とを結合する工程と、を有することを特徴とするアセンブリの製造方法。
【請求項2】
液状体の供給流路が形成された基体と、前記供給流路に前記液状体を導入するための液状体導入部材とを備える液状体吐出ヘッドの製造方法であって、
射出成型により前記基体を形成する工程と、
射出成型により前記液状体導入部材を形成する工程と、
前記基体における前記射出成型に係る方向と前記液状体導入部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、前記第1部材と前記第2部材とを接合する工程と、を有することを特徴とする液状体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
結晶性樹脂を含む材料を用いて、前記基体ないし前記液状体導入部材を形成することを特徴とする請求項2に記載の液状体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記基体と前記液状体導入部材とが、前記基体における前記射出成型に係る方向と前記液状体導入部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるような状態の下で一義的に接合されるように、前記基体と前記液状体導入部材との相対的な位置関係を物理的ないし視覚的に規定する位置決め手段を設けることを特徴とする請求項2または3に記載の液状体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
液状体の供給流路が形成された基体と、前記供給流路に前記液状体を導入するための液状体導入部材とを備える液状体吐出ヘッドであって、
前記基体と前記液状体導入部材とは、分子構造に関して配向性を有する樹脂を含む材料から形成されており、
前記基体と前記液状体導入部材とは、前記基体に係る配向方向と前記液状体導入部材に係る配向方向とが実質的に一致するように互いに接合されていることを特徴とする液状体吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の液状体吐出ヘッドを搭載する液状体吐出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材を含むアセンブリの製造方法、および、インクジェット式記録装置、ディスプレイ製造装置、電極形成装置、バイオチップ製造装置などの液状体吐出装置、並びに、液状体吐出装置に搭載される液状体吐出ヘッドとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液状体を吐出する微小なノズルを有する液状体吐出ヘッドが、印刷や工業用途に広く利用されるようになってきている。例えば、特許文献1に掲げる液状体吐出ヘッドは、外部からインク(液状体)の供給を受けるための樹脂製のインク供給針(液状体導入部材)がフランジ部において樹脂製のケース(基体)に接合された構成となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−211130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の液状体導入部材や基体は射出成型により形成されるものであるが、射出成型時における樹脂の流動方向に依存して、樹脂の分子構造に配向性を生じることがある。とりわけ、結晶性樹脂を用いた場合にはこの傾向が強く、配向性に依存した収縮率の偏差によって成型後の部材の形状に歪みが生じてしまうことがあり、これが接合部における形状の不整合等を招いて、接合強度やシール性に関する信頼性を低下させる原因となる。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、信頼性に優れたアセンブリを製造するためのアセンブリの製造方法、信頼性に優れた液状体吐出ヘッドとその製造方法、および当該液状体吐出ヘッドを搭載する液状体吐出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1部材と第2部材とを含むアセンブリの製造方法であって、射出成型により前記第1部材を形成する工程と、射出成型により前記第2部材を形成する工程と、前記第1部材における前記射出成型に係る方向と前記第2部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、前記第1部材と前記第2部材とを結合する工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
この発明のアセンブリの製造方法によれば、第1部材における射出成型に係る方向と第2部材における射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、第1部材と第2部材とを結合するようになっている。これにより、第1部材と第2部材とが、その分子構造に係る配向方向が互いに実質的に一致するような状態で結合されるので、信頼性に優れたアセンブリを製造することができる。
【0008】
本発明は、液状体の供給流路が形成された基体と、前記供給流路に前記液状体を導入するための液状体導入部材とを備える液状体吐出ヘッドの製造方法であって、射出成型により前記基体を形成する工程と、射出成型により前記液状体導入部材を形成する工程と、前記基体における前記射出成型に係る方向と前記液状体導入部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、前記第1部材と前記第2部材とを接合する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
この発明の液状体吐出ヘッドの製造方法によれば、基体における射出成型に係る方向と液状体導入部材における射出成型に係る方向とを実質的に一致させるように、基体と液状体導入部材とを接合するようになっている。これにより、基体と液状体導入部材とが、その分子構造に係る配向方向が互いに実質的に一致するような状態で接合されるので、信頼性に優れた液状体吐出ヘッドを製造することができる。
【0010】
また好ましくは、前記液状体吐出ヘッドの製造方法において、結晶性樹脂を含む材料を用いて、前記基体ないし前記液状体導入部材を形成することを特徴とする。
この発明の液状体吐出ヘッドの製造方法によれば、結晶性樹脂の高い化学的安定性によって液状体に対する優れた耐性を有すると共に、接合部の信頼性にも優れた液状体吐出ヘッドを製造することができる。
【0011】
また好ましくは、前記液状体吐出ヘッドの製造方法において、前記基体と前記液状体導入部材とが、前記基体における前記射出成型に係る方向と前記液状体導入部材における前記射出成型に係る方向とを実質的に一致させるような状態の下で一義的に接合されるように、前記基体と前記液状体導入部材との相対的な位置関係を物理的ないし視覚的に規定する位置決め手段を設けることを特徴とする。
この発明の液状体吐出ヘッドの製造方法によれば、位置決め手段によって、基体における射出成型に係る方向と液状体導入部材における射出成型に係る方向とを容易に且つ好適に規定することができる。
【0012】
本発明は、液状体の供給流路が形成された基体と、前記供給流路に前記液状体を導入するための液状体導入部材とを備える液状体吐出ヘッドであって、前記基体と前記液状体導入部材とは、分子構造に関して配向性を有する樹脂を含む材料から形成されており、前記基体と前記液状体導入部材とは、前記基体に係る配向方向と前記液状体導入部材に係る配向方向とが実質的に一致するように互いに接合されていることを特徴とする。
【0013】
この発明の液状体吐出ヘッドによれば、基体と液状体導入部材とが、その分子構造に係る配向方向が互いに実質的に一致するような状態で接合されているので、接合部に関しての信頼性に優れている。
【0014】
本発明の液状体吐出装置は、前記液状体吐出ヘッドを搭載することを特徴とする。
この発明の液状体吐出装置は、上記液状体吐出ヘッドを搭載しているので、優れた信頼性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、以下の説明で参照する図では、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0016】
(液状体吐出装置の全体構成について)
まずは、図1を参照して液状体吐出装置の構成について説明する。
図1は、液状体吐出装置の全体構成を示す図である。
【0017】
図1において、液状体吐出装置100は、基板101を載置するためのステージ102と、基板101に対向するキャリッジ103と、キャリッジ103に液状体を供給する液状体供給機構106と、吐出制御回路107とを備えている。ステージ102は、主走査機構104によりキャリッジ103に対して図の左右方向に往復動(主走査)され、また、キャリッジ103は、副走査機構105により主走査に直交する方向に移動(副走査)される。主走査機構104、副走査機構105、吐出制御回路107は、制御コンピュータ108により統括制御される。
【0018】
液状体供給機構106は、例えば、複数種の液状体を収容する容器と、容器から液状体を移送する移送管と、液状体の供給圧を一定の下に制御する圧力制御ユニットを備えている。使用される液状体としては、水や有機溶媒等の液体、およびこれらの溶液のほか、液体中に固体微粒子を分散させたものなどを採用することもできる。
【0019】
キャリッジ103は、複数の液状体吐出ヘッド10(図2参照)を備えており、吐出制御回路107からの電気信号を受けて、ノズル20(図2参照)から基板101に対して液状体を吐出する。詳しくは、後述する。
【0020】
液状体吐出装置100は、基板101の任意の位置に対してキャリッジ103から液状体を吐出することで、液状体を基板101上にパターン化して配置(描画)することができる。そして、配置した液状体を乾燥等により固化して、パターン化された様々な機能性膜を形成することができる。
【0021】
(液状体吐出ヘッドの構成について)
次に、図2、図3を参照して液状体吐出ヘッドの構成について説明する。
図2は、液状体吐出ヘッドの全体構成を示す図である。図3は、液状体導入部材の周辺構造を示す断面図である。
【0022】
液状体吐出ヘッド10は、液状体供給機構106(図1参照)から液状体を導入するケースアセンブリ14と、液状体を吐出する吐出アセンブリ15と、吐出制御回路107(図1参照)とフレキシブル配線基板110を介して電気的に接続される回路基板16とを備えている。ケースアセンブリ14は、内部に供給流路33を有する基体としてのケース30と、液状体供給機構106からの導出管109と結合する液状体導入部材40とを備えている。尚、本実施形態のケースアセンブリ14は、同じ構造の二つの液状体導入部材40が取り付けられた構成となっている。
【0023】
液状体導入部材40は、尖端部41に導入孔42を、内部に導入流路46を有する中空針状の部材であり、尖端部41の反対側は裾を広げたフランジ部43となっている。液状体導入部材40は、フランジ部43においてケース30と超音波溶着により接合されている。
【0024】
ケース30は、フランジ部43の外周における外周面43aを規定するガイド部31と、ガイド部31の内側においてフランジ部43の下面を受けるフランジ取付部32を備えている。導入孔42を通じて導入された液状体は、導入流路46、フィルタ50、供給流路33を通じて吐出アセンブリ15に供給される。
【0025】
フィルタ50は、金属線をメッシュ状に編みこんでなる部材であり、供給流路33の連通口の形成面に溶着されている。フィルタ50は、導入流路46から供給流路33へと供給される液状体に含まれる異物等をトラップする役割を果たすものである。尚、導入流路46および供給流路33のフィルタ50側が拡幅されているのは、フィルタ50の有効面積を大きくして通過に係るインクの流動抵抗(損失水頭)を低減するための配慮である。
【0026】
液状体導入部材40およびケース30には、化学的安定性に優れた結晶性樹脂、本実施形態においては、PPS(PolyPhenylene-Sulfide)が用いられている。これは、工業用途に用いられる様々な化学的性質の液状体によっても侵食されないようにするための配慮である。また、上述の結晶性樹脂にガラス素材などの別材料を混入させて用いることで、強度や化学的な耐性を補強することも可能である。
【0027】
吐出アセンブリ15は、一面に所定の配列で形成されたノズル20と、ノズル20の個々と連通するキャビティ22と、対応する液状体種ごとにキャビティ22に液状体を供給するリザーバ23を備えている。キャビティ22の天蓋部24は可撓性膜25により移動可能となっており、天蓋部24と接合された圧電素子26の駆動により、液状体がノズル20から吐出される。尚、圧電素子26の駆動制御は、フレキシブル配線基板110を介して伝送される電気信号により、ノズル20ごとに行われる。
【0028】
フランジ部43とフランジ取付部32との重なり領域である接合部52において、フランジ部43の下面側には、超音波溶着の際にその作用部となる溶着突起44(図3では、溶着により先端が潰された状態)が形成されている。溶着突起44は、フランジ部43の外周面43aに沿ってループを描くように形成されており、接合前においては仮想線で示すような断面三角形型の形状を有していたものである。
【0029】
接合部52において、フランジ部43(液状体導入部材40)とフランジ取付部32(ケース30)との間には中間部材としての溶融樹脂51が介在している。この溶融樹脂51は、超音波溶着によってフランジ部43(液状体導入部材40)とフランジ取付部32(ケース30)の一部が溶融して形成されたものであり、両部材を接合すると共に導入流路46と供給流路33との接続部をシールする役割も果たしている。
【0030】
ガイド部31およびフランジ部43の上面には、部材表面に凹凸を施して形成された位置決め手段としてのマーク35、マーク45がそれぞれ設けられている。マーク35、マーク45は、ケースアセンブリ14の組み立ての際(詳しくは後述する)において、液状体導入部材40とケース30との位置関係を規定する役割を果たすものである。
【0031】
(液状体吐出ヘッドの製造方法について)
次に、図2、図4、図5、図6、図7を参照して液状体吐出ヘッドの製造方法(アセンブリの製造方法)について説明する。
図4は、ケースの成型過程を示す図である。図5は、液状体導入部材の成型過程を示す図である。図6は、ケースアセンブリの組み立て過程を示す斜視図である。図7は、ケースアセンブリの組み立て工程を示すフローチャートである。
【0032】
図2に示す液状体吐出ヘッド10は、それぞれ別々に組み立てたケースアセンブリ14と吐出アセンブリ15と回路基板16とを集合させることで製造される。以下では、ケースアセンブリ14の組み立てについて、詳細に説明を行う。
【0033】
ケースアセンブリ14の組み立ては、第1部材としてのケース30および第2部材としての液状体導入部材40をそれぞれ射出成型により形成(図7の工程S1および工程S2)した後、図6に示すように、ケース30にフィルタ50と液状体導入部材40とを取り付けることで行われる。ここで、フィルタ50は、ケース30における供給流路33の連通口形成面34に超音波溶着等により接合される(図7の工程S3)。また、液状体導入部材40は、ガイド部31によりフランジ部43の外周面43aが、フランジ取付部32によりフランジ部43の下面部43bが規定された状態で、ケース30と超音波溶着等により接合される(図7の工程S4)。
【0034】
図4に示すように、工程S1に用いる金型60は、ケース30(図6参照)に対応するキャビティ61と、樹脂を注入するための注入口63と、樹脂をキャビティ61に導く流路64と、キャビティ61における樹脂の導入口であるゲート65とを有している。本実施形態では、1つの金型60について独立した2つのキャビティ61を有しており、各キャビティ61の長手方向における両端に、互いに対向する1対のゲート65が形成された構成となっている。
【0035】
図5に示すように、工程S2に用いる金型70は、内部に、液状体導入部材40(図6参照)に対応するキャビティ71と、樹脂を注入するための注入口73と、樹脂をキャビティ71に導く流路74と、キャビティ71における樹脂の導入口であるゲート75とを有している。本実施形態では、1つの金型70について独立した4つのキャビティ71を有しており、各キャビティ71のフランジ部43(図6参照)に対応する領域の一端に、ゲート75が形成された構成となっている。
【0036】
工程S1では、注入口63から注入された溶融状態の樹脂が、流路64、ゲート65を通じて、矢印に示す方向に沿ってキャビティ61内に流入される。また、工程S2では、注入口73から注入された溶融状態の樹脂が、流路74、ゲート75を通じて、矢印に示す方向に沿ってキャビティ71内に流入される。尚、樹脂としてPPSを採用した本実施形態では、工程S1,S2は、金型温度:150℃、樹脂温度:300℃という比較的高温の下で行われるようになっている。
【0037】
キャビティ61,71内で樹脂が固化された場合、その分子構造は、射出成型の際の樹脂の流動方向(図示の矢印の方向)との関係で配向性を有する。これは、樹脂の流動時に、鎖状の樹脂の分子がその流動方向に沿って配向し、その配向状態を維持したまま固化がなされるためである。
【0038】
このような分子構造の配向性は固化時における収縮率の偏差を生じ、その結果、成型後の部材の形状は、その分子構造に係る配向性に依存することになる。PPSを用いた本実施形態の場合は、樹脂の流動方向における収縮率が相対的に小さくなるため、成型後の部材は、設計された形状に対して当該方向に相対的に長く歪んだ形状となる。
【0039】
図6においてケース30に重ねて表示する矢印Aは、工程S1の射出成型に係る方向、すなわち、キャビティ61内における樹脂の主たる流動方向(図4参照)に対応する方向を示すものであり、樹脂の主たる配向方向を示すものであると言い換えることもできる。また、図6において液状体導入部材40に重ねて表示する矢印Bは、工程S2の射出成型に係る方向、すなわち、キャビティ71内の樹脂の主たる流動方向(図5参照)に対応する方向を示すものであり、樹脂の主たる配向方向を示すものであると言い換えることもできる。
【0040】
図示のように、液状体導入部材40や、液状体導入部材40のフランジ部43を規定するためのケース30のガイド部31、フランジ取付部32は、中心軸に対する回転体様の形状となっている。このため、液状体導入部材40をケース30に接合する際(工程S4)に、液状体導入部材40とケース30との中心軸方向の相対的な回転位置がなんら規定されないとすると、互いの配向方向の関係がバラバラになってしまい、これが接合部における部材間の形状の不整合等を招いて、接合部の強度やシール性を低下させることがある。
【0041】
このような事情に鑑み、工程S4では、ケース30における矢印Aの方向と液状体導入部材40における矢印Bの方向とを一致させるように、両部材間における中心軸方向の相対的な回転位置を規定するようにしている。尚、本実施形態の場合は、ケース30のガイド部31に形成されたマーク35と、液状体導入部材40のフランジ部43に形成されたマーク45を用いることで、このような位置決めを視覚的に容易に行うことが可能となっている。
【0042】
マーク35,45は、ケース30および液状体導入部材40を成型する際(工程S1,S2)に、部材の表面形状として一体に形成されるものである。またその位置は、キャビティ61,71内の樹脂の主たる流動方向に基づいて、当該方向を識別できるように設定されている。
【0043】
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態では、視覚的なマークを用いてケース30と液状体導入部材40との中心軸方向の相対的な回転位置を規定するようにしたが、ガイド部31とフランジ部43に互いに嵌合可能な凹凸形状を形成するなどして、物理的に回転位置の規定がなされるようになっていてもよい。
また、ケース30、液状体導入部材40の成型に用いる金型60,70において、キャビティ61,71におけるゲートの位置や数は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を違えない範囲において様々な態様に変更することができる。
また、本発明のアセンブリの製造方法は、上述したケースアセンブリの組み立てのほか、複数の部材を有する様々なアセンブリの組み立て(製造)に適用することができる。
また、実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】液状体吐出装置の全体構成を示す図。
【図2】液状体吐出ヘッドの全体構成を示す図。
【図3】液状体導入部材の周辺構造を示す断面図。
【図4】ケースの成型過程を示す図。
【図5】液状体導入部材の成型過程を示す図。
【図6】ケースアセンブリの組み立て過程を示す斜視図。
【図7】ケースアセンブリの組み立て工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0045】
10…液状体吐出ヘッド、14…ケースアセンブリ、30…第1部材としてのケース、31…ガイド部、32…フランジ取付部、33…供給流路、35…位置決め手段としてのマーク、40…第2部材としての液状体導入部材、43…フランジ部、43a…フランジ部の外周面、43b…フランジ部の下面部、44…溶着突起、45…位置決め手段としてのマーク、46…導入流路、50…フィルタ、51…溶融樹脂、52…接合部、60…金型、61…キャビティ、63…注入口、64…流路、65…ゲート、70…金型、71…キャビティ、73…注入口、74…流路、75…ゲート、100…液状体吐出装置。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−901(P2008−901A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169748(P2006−169748)