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【発明の名称】 樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法および供給装置
【発明者】 【氏名】川口 明久

【要約】 【課題】樹脂ペレットは、加熱した空気を送り込むことで表面に付着した水分は除湿されることで乾燥したものとなったが、樹脂ペレットを使おうとする射出成形機等の樹脂成形機で溶融して成形しようとする際に、分子間水分や分子間酸素や雰囲気酸素によって水分による加水分解やシルバーと酸素によって酸化されることによる劣化という問題を残していた。 また、機上ローダーに樹脂ペレットを輸送するのに第2ブロアーによって大気を取り込んでいるために乾燥戻り現象をおこし、水分を中心とする秋影響が見られた。

【解決手段】乾燥した樹脂ペレット201を供給する材料供給システムと樹脂ペレット201を溶融する可塑化シリンダー311を構成した樹脂成形機310に於ける窒素ガスの供給方法に於いて、可塑化シリンダー311に供給する窒素ガスの純度を材料供給システムに供給する窒素ガスの純度より高くして供給することで、全ての場所で空気の介在を排除するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥した樹脂ペレット(201)を供給する材料供給システムと前記樹脂ペレット(201)を溶融する可塑化シリンダー(311)を構成した樹脂成形機(310)に於ける窒素ガスの供給方法に於いて、前記可塑化シリンダー(311)に供給する窒素ガスの純度を前記材料供給システムに供給する窒素ガスの純度より高くしたことを特徴とする樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法。
【請求項2】
前記材料供給システムに供給する窒素ガスの一つは、乾燥を目的として気体を加熱し前記樹脂ペレット(201)を貯留するホッパー(10)に供給して気体を循環させる中で、前記ホッパー(10)の最下部から供給することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法。
【請求項3】
最下部から供給する窒素ガスは、常に一定量と断続的に大量の窒素ガスを供給することを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法。
【請求項4】
前記材料供給システムに供給する窒素ガスのもう一つは、前記樹脂ペレット(201)を前記ホッパー(10)から機上ローダー(312)に輸送するためのものであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの利用方法。
【請求項5】
前記ホッパー(10)から前記機上ローダー(312)に輸送することを補う意味と前記樹脂ペレット(201)に含まれている微粉末を吸引して除去する意味を合わせて、前記機上ローダー(312)内を真空に近い状態にして更に吸引することを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法。
【請求項6】
前記可塑化シリンダー(311)に供給する窒素ガスは、前記樹脂ペレット(201)が溶融した際に酸化を防止する目的で、前記可塑化シリンダー(311)を成しているスクリュー(311a)近傍に供給することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの利用方法。
【請求項7】
乾燥した樹脂ペレット(201)を供給する材料供給システムと前記樹脂ペレット(201)を溶融する可塑化シリンダー(311)を構成した樹脂成形機(310)に於ける窒素ガスの供給装置に於いて、乾燥を目的として何等かの気体が気体を加熱するヒーター(33)からホッパー(10)内に貯留した前記樹脂ペレット(201)を通過した後に異物を除去するフィルター(31)と圧力をかけて気体を送り出す第1ブロアー(32)を経由して前記ヒーター(33)に至る循環回路を通過する中で、前記循環回路の何れかの所に窒素ガスを発生させる第1窒素ガス発生装置(60)からの配管を接続し、前記樹脂ペレット(201)が溶融した際に酸化を防止する目的で、より純度の高い窒素ガスを発生させる第3窒素ガス発生装置(330)からの高純度窒素ガス配管(171)の端末を前記可塑化シリンダー(311)を成しているスクリュー(311a)近傍の機上ローダー(312)側に位置させたことを特徴とする樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項8】
前記循環回路の何れかの所とは、前記ホッパー(10)の最下部を形成している首部(12)であり、共通窒素ガス配管(129)を介して前記第1窒素ガス発生装置(60)と接続したことを特徴とする請求項7に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項9】
前記共通窒素ガス配管(129)には、前記第1窒素ガス発生装置(60)から窒素ガスを貯留する窒素ガス貯蔵タンク(70、70A)を介して接続するものであり、前記窒素ガス貯蔵タンク(70、70A)からは、前記窒素ガス貯蔵タンク(70、70A)に貯留された窒素ガスを前記首部(12)に向けて、一つの配管系列として必要に応じて断続的に大量に供給することが可能なように第3電磁弁(95)を設け、更に別の配管系列として並列させて常に一定量を供給することが可能なように可変式絞り弁(91)と逆止弁(93)を設け、両配管系列を前記共通窒素ガス配管(129)で合流させ、前記第3電磁弁(95)の開閉は前記窒素ガス貯蔵タンク(70、70A)に配設した圧力計(94)の測定結果によって行なうものであることを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項10】
前記材料供給システムを構成している前記機上ローダー(312)は、戻り回路(161)を介して真空ポンプ(320)と接続することで前記機上ローダー(312)内を真空に近い状態にして前記ホッパー(10)内の前記樹脂ペレット(201)を前記機上ローダー(312)側に吸引して輸送し、同時に前記樹脂ペレット(201)に付着した微粉末の異物を前記戻り回路(161)側に吸引して除去し、この場合樹脂輸送配管(110、111、112)を介して前記ホッパー(10)から前記樹脂ペレット(201)が前記機上ローダー(312)の側に供給可能なように接続したことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項11】
前記樹脂輸送配管(110、111)の間に、流路を開閉する開閉手段(22)を配設し、前記樹脂輸送配管(111、112)の間に、前記樹脂ペレット(201)を輸送する目的で窒素ガスを発生させる第2窒素ガス発生装置(340)からの気体配管(113、114)を接続したことを特徴とする請求項10に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項12】
前記第1窒素ガス発生装置(60)と前記第2窒素ガス発生装置(340)からの窒素ガスに較べて、前記第3窒素ガス発生装置(330)からの窒素ガスの純度は高いものであることを特徴とする請求項11に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項13】
前記第2窒素ガス発生装置(340)は、前記窒素ガス貯蔵タンク(70A)に前記気体配管(113)を接続することで前記第1窒素ガス発生装置(60)と共用するものであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【請求項14】
前記第3窒素ガス発生装置(330)は、前記窒素ガス貯蔵タンク(70A)から窒素ガス高純度化装置(331)を経由させて前記高純度窒素ガス配管(171)を接続することで前記第1窒素ガス発生装置(60)と共用するものであることを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法および供給装置に関する技術であって、更に詳細に述べると、水分による加水分解とシルバー及び酸素による酸化からの劣化に対応する為に、乾燥した樹脂ペレットを供給する材料供給システムから樹脂ペレットを溶融する可塑化シリンダーを構成した射出成形機や中空成形機や押出成形機等の樹脂成形機に於いて、樹脂ペレットが貯留されているホッパーに高温の気体を循環させて乾燥を行なう中で、樹脂ペレットの表面に付着している水分を除湿するだけでなく樹脂の中に入り込んでいる分子間水分や分子間酸素がブラウン運動によって置換されるようにホッパーの最下部からホッパーの内部に窒素ガスを供給し、また乾燥した樹脂ペレットをホッパーの下部から機上ローダーに輸送するために真空引きをしながら窒素ガスを供給し、更に可塑化シリンダーを成しているスクリュー近傍に溶融樹脂の酸化防止に配慮して純度の高い窒素ガスを供給する技術について述べたものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法および供給装置に関する技術に近いものとしては、窒素ガスを供給するというよりは、ヒーターで加熱した高温の空気を樹脂ペレットが貯留されているホッパーを経由してブロアーで循環させることで樹脂ペレットの乾燥を行なう内容のものは有った(例えば、図6参照)。
【0003】
この場合、図6に見られるように、空気を加熱するヒーター33から、高温気体送付配管101と、ホッパー10Kを形成しているパイプ14と流入ラッパ部15と放出部16と、樹脂ペレット201が貯留されているホッパー10K内部と、異物を除去する副フィルター26と、戻り配管102と、異物を除去するフィルター31と、戻り配管103と、圧力をかけて流体を送り出す第1ブロアー32と、戻り配管104を経由して、再びヒーター33に戻る循環回路を形成している。 従って、この構成によって、材料ローダー13から送り込まれたホッパー10K内部の樹脂ペレット201は、数時間滞留している間に、ヒーター33から送り込まれた高温気体によって加熱され除湿されて乾燥するようになっている。
【0004】
そこで、ホッパー10K内部と樹脂輸送配管110の乾燥した樹脂ペレット201は、第1電磁弁22を開放の状態に作動させることによって樹脂輸送配管111に送り出されて、更に第2ブロアー41から送り込まれる空気と共に合流し樹脂輸送配管112を経由してひとまず機上ローダー314に貯留された後に射出成形機310A等の樹脂成形機310Aに送られるようになっている。
【0005】
一方、循環回路内の風量不足を補う目的から、第3ブロアー96から送風配管151を経由して戻り配管104に空気を送り込むことが出来る様になっている。 但し、送風配管151の接続は、戻り配管104に限定する必要は無く、戻り配管103でも、また循環回路内の何れの場所でも構わない。 更に、その他にもヒーター32にコンプレッサーから圧縮空気を送ることも考えられる。 これらの場合、具体的に図示していないが、循環回路の定められた何れかの場所で常時圧力の状況を確認して、一定の圧力を超えた場合には、作動を停止するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術に関しては、以下に示すような多くの課題があった。
【0007】
即ち、樹脂ペレットは、加熱した空気を送り込むことで表面に付着した水分は除湿されることで乾燥したものとなったが、樹脂ペレットを使おうとする射出成形機等の樹脂成形機で溶融して成形しようとする際に、分子間水分や分子間酸素や、特に溶融した樹脂の周囲の雰囲気酸素によって、水分による加水分解やシルバーと、酸素によって酸化されることによる劣化という問題を残していた。
【0008】
また、射出成形機等の樹脂成形機に送り出す直前の状態であるホッパー下部の首部近傍に貯留されている、特に首部より下部の樹脂ペレットは、高温の気体は放出部から直ちにホッパーの上部に流れて行く一般的な状況と、放出部と首部との間が少しであれ離れている関係から、高温の気体の影響が及ばない部分が有った。
【0009】
更には、放出部よりホッパー上部に流れて行く高温の気体は、第1ブロアーにより一定の圧力で定まった状態で送り込まれることによって、ホッパー内部の樹脂ペレットの間で固定した流路を形成する傾向にあり、従って流路の周辺の樹脂ペレットだけにしか完全な除湿がされていなかった。
【0010】
尚、せっかく樹脂ペレットを十分に乾燥させても、射出成形機等の樹脂成形機の側の機上ローダーに樹脂ペレットを輸送するために、第2ブロアーによって大気を取り込むことにより、大気に含まれている水分が、再び湿度を高める乾燥戻り現象の可能性を抱えていた。
【0011】
何れにしても、水分の対策を中心に空気を前提に対応していた為に、ホッパーに加熱空気を送り込んで貯留された樹脂ペレットを乾燥させることで、樹脂ペレットの表面に付着している水分に関しては除湿されたが、樹脂の中に入り込んでいる分子間水分に関しては樹脂ペレットが加熱されることで空気の構成気体である酸素や窒素がブラウン運動により置換され、その結果分子間酸素によって樹脂ペレットが高温になり溶融されることで酸素は樹脂ペレットの酸化されることによる劣化を進めていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、乾燥した樹脂ペレット201を供給する材料供給システムと前記樹脂ペレット201を溶融する可塑化シリンター311を構成した樹脂成形機310に於ける窒素ガスの供給方法に於いて、前記可塑化シリンダー311に供給する窒素ガスの純度を前記材料供給システムに供給する窒素ガスの純度より高くしたことを特徴とし、更には、前記材料供給システムに供給する窒素ガスの一つは、乾燥を目的として気体を加熱し前記樹脂ペレット201を貯留するホッパー10に供給して気体を循環させる中で、前記ホッパー10の最下部から供給することを特徴とし、更には、最下部から供給する窒素ガスは、常に一定量と断続的に大量の窒素ガスを供給することを特徴とし、更には、前記材料供給システムに供給する窒素ガスのもう一つは、前記樹脂ペレット201を前記ホッパー10から機上ローダー312に輸送するためのものであることを特徴とし、更には、前記ホッパー10から前記機上ローダー312に輸送することを補う意味と前記樹脂ペレット201に含まれている微粉末を吸引して除去する意味を合わせて、前記機上ローダー312内を真空に近い状態にして更に吸引することを特徴とし、更には、前記可塑化シリンダー311に供給する窒素ガスは、前記樹脂ペレット201が溶融した際に酸化を防止する目的で、前記可塑化シリンダー311を成しているスクリュー311a近傍に供給することを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
【0013】
また本発明は、乾燥した樹脂ペレット201を供給する材料供給システムと前記樹脂ペレット201を溶融する可塑化シリンダー311を構成した樹脂成形機310に於ける窒素ガスの供給装置に於いて、乾燥を目的として何等かの気体が気体を加熱するヒーター33からホッパー10内に貯留した前記樹脂ペレット201を通過した後に異物を除去するフィルター31と圧力をかけて気体を送り出す第1ブロアー32を経由して前記ヒーター33に至る循環回路を通過する中で、前記循環回路の何れかの所に窒素ガスを発生させる第1窒素ガス発生装置60からの配管を接続し、前記樹脂ペレット201が溶融した際に酸化を防止する目的で、より純度の高い窒素ガスを発生させる第3窒素ガス発生装置330からの高純度窒素ガス配管171の端末を前記可塑化シリンダー311を成しているスクリュー311a近傍の機上ローダー312側に位置させたことを特徴とし、更には、前記循環回路の何れかの所とは、前記ホッパー10の最下部を形成している首部12であり、共通窒素ガス配管129を介して前記第1窒素ガス発生装置60と接続したことを特徴とし、更には、前記共通窒素ガス配管129には、前記第1窒素ガス発生装置60から窒素ガスを貯留する窒素ガス貯蔵タンク70、70Aを介して接続するものであり、前記窒素ガス貯蔵タンク70、70Aからは、前記窒素ガス貯蔵タンク70、70Aに貯留された窒素ガスを前記首部12に向けて、一つの配管系列として必要に応じて断続的に大量に供給することが可能なように第3電磁弁95を設け、更に別の配管系列として並列させて常に一定量を供給することが可能なように可変式絞り弁91と逆止弁93を設け、両配管系列を前記共通窒素ガス配管129で合流させ、前記第3電磁弁95の開閉は前記窒素ガス貯蔵タンク70、70Aに配設した圧力計94の測定結果によって行なうものであることを特徴とし、更には、前記材料供給システムを構成している前記機上ローダー312は、戻り回路161を介して真空ポンプ320と接続することで前記機上ローダー312内を真空に近い状態にして前記ホッパー10内の前記樹脂ペレット201を前記機上ローダー312側に吸引して輸送し、同時に前記樹脂ペレット201に付着した微粉末の異物を前記戻り回路161側に吸引して除去し、この場合樹脂輸送配管110、111、112を介して前記ホッパー10から前記樹脂ペレット201が前記機上ローダー312の側に供給可能なように接続したことを特徴とし、更には、前記樹脂輸送配管110、111の間に、流路を開閉する開閉手段22を配設し、前記樹脂輸送配管111、112の間に、前記樹脂ペレット201を輸送する目的で窒素ガスを発生させる第2窒素ガス発生装置340からの気体配管113、114を接続したことを特徴とし、更には、前記第1窒素ガス発生装置60と前記第2窒素ガス発生装置340からの窒素ガスに較べて、前記第3窒素ガス発生装置330からの窒素ガスの純度は高いものであることを特徴とし、更には、前記第2窒素ガス発生装置340は、前記窒素ガス貯蔵タンク70Aに前記気体配管113を接続することで前記第1窒素ガス発生装置60と共用するものであることを特徴とし、更には、前記第3窒素ガス発生装置330は、前記窒素ガス貯蔵タンク70Aから窒素ガス高純度化装置331を経由させて前記高純度窒素ガス配管171を接続することで前記第1窒素ガス発生装置60と共用するものであることを特徴とすることによって、上記課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、以下に示すような効果をあげることが出来る。
【0015】
第一に、乾燥した樹脂ペレットを供給する材料供給システムと樹脂ペレットを溶融する可塑化シリンダーを構成した樹脂成形機に窒素ガスを供給するのに際し、可塑化シリンダーに供給する窒素ガスの純度を材料供給システムに供給する窒素ガスの純度より高くすることで、湿気と酸素ガスを完全に排除した、更に要求される品質に対応した無駄の無い窒素ガスの供給が可能となった。
【0016】
第二に、材料供給システムに供給する窒素ガスの一つは、乾燥を目的として気体を加熱し樹脂ペレットを貯留するホッパーに供給して気体を循環させる中で、ホッパーの最下部から供給することで、高温の気体の影響が及ばない部分が存在するということからはほぼ解消された。
【0017】
第三に、最下部から供給する窒素ガスは、常に一定量と断続的に大量の窒素ガスを供給することで、ホッパーを含む循環回路には殆ど窒素ガスを中心とする気体だけが充満されることになり、特に窒素ガスを必要に応じて断続的に大量に供給することでホッパー内部の樹脂ペレットの間で固定した流路を形成することも無くなり、また窒素ガスを単に一定量供給することで、樹脂ペレットを使おうとする樹脂成形機に於いて、酸素によって溶融した樹脂が酸化されるという各種の問題も解消され、更に樹脂ペレット全体の除湿が確実に成されるようになった。
【0018】
第四に、材料供給システムに供給する窒素ガスのもう一つは、樹脂ペレットをホッパーから機上ローダーに輸送するためのものであることにより、もし窒素ガスを供給しないで大気を供給した場合の含まれる水分が再度樹脂ペレットに付着し吸収されるという乾燥戻り現象に関する各種の問題は完全に解消された。
【0019】
第五に、ホッパーから機上ローダーに輸送することを補う意味と樹脂ペレットに含まれている微粉末を吸引して除去する意味を合わせて、機上ローダー内を真空に近い状態にして更に吸引することにより、樹脂ペレットの輸送を確実なものとすることが出来るようになり、加えて樹脂ペレットの表面に付着している粉末の異物を確実に除去することも可能となった。
【0020】
第六に、可塑化シリンダーに供給する窒素ガスは、樹脂ペレットが溶融した際に酸化を防止する目的で、可塑化シリンダーを成しているスクリュー近傍に供給することにより、酸素によって溶融した樹脂が酸化されることにより劣化するという各種の問題は完全に解消された。
【0021】
第七に、第2窒素ガス発生装置は、窒素ガス貯蔵タンクに気体配管を接続することで第1窒素ガス発生装置と共用するものであり、第3窒素ガス発生装置は、窒素ガス貯蔵タンクから窒素ガス高純度化装置を経由させて高純度窒素ガス配管を接続することで第1窒素ガス発生装置と共用するものであることにより、窒素ガスの純度が異なるにも係らず、1台の窒素ガス発生装置で対応することも可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に詳細に説明する。
ここで、図1は、本願発明の全体を示した図であり、図2は、本願発明の樹脂成形機を構成している可塑化シリンダー周辺の詳細を示した図であり、図3は、本願発明の機上ローダーの詳細を示した図であり、図4は、本願発明の機上ローダーの逆流防止弁を遮断した図であり、図5は、本願発明の窒素ガスを供給する他の例を示した図である。
【0023】
図1に見られるように、33は気体を加熱するヒーターであって、高温気体送付配管101と、樹脂ペレット201を貯留したホッパー10と、戻り配管102と、気体中の異物を除去するフィルター31と、戻り配管103と、圧力をかけて流体である気体を送り出す第1ブロアー32と、戻り配管104を経由して、再びヒーター33に戻る循環回路を成している。
【0024】
この場合、ホッパー10は、ホッパー本体11と、最下部の首部12と、高温気体送付配管101に接続しているパイプ14と、パイプ14に接続していて端部をホッパー10内部に開口してラッパの様な形状をしている流入ラッパ部15と、流入ラッパ部15を覆っていて金網やパンチングメタル等による放出部16を一体に形成し、樹脂ペレット201を受け入れる材料ローダー13と、ホッパー10上部の戻り配管102に接続していて近傍に位置している安全弁21を構成している。尚、安全弁21を構成している目的は、供給された大量の窒素ガスのうち、余分な窒素ガスは外部に排出することを目的としているのである。
【0025】
従って、ホッパー10の内部に於いては、ヒーター33からの高温に加熱された気体は、パイプ14から流入ラッパ部15を経由して放出部16からホッパー10の内部に放出され、樹脂ペレット201を貯留したホッパー10の内部を上昇した後に、ホッパー10の上部に位置していて戻り配管102近傍にある安全弁21の近くを通って、戻り配管102に流入している。 当然のことながら、ホッパー10内に流入する気体の流量が多くなり内圧が高くなると流入した気体の一部は安全弁21より外部に放出されることになるのである。
【0026】
一方、ホッパー10下部の首部12近傍及び樹脂輸送配管110に貯留されている乾燥した樹脂ペレット201は、その下部に位置している開閉手段22である第1電磁弁22を開放の状態に作動させることによって樹脂輸送配管111に送り出され、更に第2窒素ガス発生装置340から圧力をかけて送り込まれる窒素ガスと共に樹脂輸送配管112を経由して機上ローダー312に輸送するようになっている。 この場合、開閉手段22である第1電磁弁22は、一定の時間毎に一定の時間の間を開放することが出来るようになっている。
【0027】
尚、樹脂ペレット201をホッパー10から機上ローダー312に輸送するための第2窒素ガス発生装置340に接続している気体配管113は、第2電磁弁42と気体配管114を経由して樹脂輸送配管112に合流している。 所で、第2窒素ガス発生装置340に関しては、加圧された窒素ガスボンベを使用しても良いし、第1窒素ガス発生装置60と同じように分離膜方式やPSA方式によるものも考えられる。 そして、分離膜方式やPSA方式の場合には、第2窒素ガス発生装置340にコンプレッサーや窒素ガス貯蔵タンクも包含されていることになる。
【0028】
更に、樹脂ペレット201をホッパー10から機上ローダー312に輸送することを補う意味と樹脂ペレット201に含まれている異物でもある微粉末を吸引除去する意味を合わせて、樹脂成形機310の上部に位置していて材料供給システムを構成している機上ローダー312の内部を真空に近い状態にしていて、更に真空ポンプ320の側に吸引している。
【0029】
即ち、材料供給システムを構成している機上ローダー312は、戻り回路161を介して真空ポンプ320と接続している。 この場合、流体は戻り回路161内を機上ローダー312の側から真空ポンプ320の側に流れるが、戻り回路161の機上ローダー312の側には金網を位置させることで、機上ローダー312内部には樹脂ペレット201を残存させ、戻り回路161に異物である微粉末だけを吸引するような配慮をしている。 当然のことながら、具体的に図示していないが、吸引された異物でもある微粉末は、フィルターによってまた遠心分離等によって分離して捕捉し、真空ポンプ320に到達しないように配慮する必要はある。
【0030】
ところで、ホッパー10の首部12及び樹脂輸送配管110から樹脂ペレット201が、樹脂輸送配管110と、開閉手段22である第1電磁弁22と、樹脂輸送配管111と、樹脂輸送配管112を経由して、材料供給システムを構成している機上ローダー312に輸送可能に接続している。 この場合、樹脂輸送配管110に関しては、首部12に対する窒素ガスの流れを考えた場合には、存在しないほうが望ましいし、存在している場合でも短いほうが良いとも言える。
【0031】
また、射出成形機310や中空成形機や押出成形機等の樹脂成形機310に於いては、図2に見られるように、純度の高い窒素ガスを発生させる第3窒素ガス発生装置330からの注入プレート313に保持された高純度窒素ガス配管171の端末を可塑化シリンダー311を成しているスクリュー311aの近傍に位置させることで、スクリュー311aの周囲に窒素ガスを供給し、それによって溶融した樹脂の酸化を防止している。 尚、高純度窒素ガス配管171の端末の位置としては、機上ローダー312の側に位置させることが容易であるが、可塑化シリンダー311に穴をあけることを考えると何れの位置でも可能である。
【0032】
所で、第3窒素ガス発生装置330に関しては、加圧された窒素ガスボンベを使用しても良いし、第1窒素ガス発生装置60と同じように分離膜方式やPSA方式によるものも考えられる。 そして、分離膜方式やPSA方式の場合には、第3窒素ガス発生装置330にコンプレッサーが設置されて場合によっては窒素ガス貯蔵タンクも包含されていても良い。
【0033】
この場合、機上ローダー312内で、第3窒素ガス発生装置330から窒素ガスを供給する動作に対して、真空ポンプ320によって樹脂ペレット201を吸引しようとする動作に見られるように、加圧に対して真空引きという相反する動作に対し、機上ローダー312の中央に逆流防止弁312aを設けて対応を図っている。 即ち、樹脂ペレット201を樹脂成形機310を構成している可塑化シリンダー311の方に供給しようとする際には、図3に見られるように、逆流防止弁312aを開放の状態にしているが、それ以外の場合には、図4に見られるように、逆流防止弁312aを閉鎖の状態にして真空引きの影響を排除している。 尚、逆流防止弁312aの構造としては、円環状であるゴム製またはプラスチック製等による弾性のリップ312aaを設けることによって、洩れの対応を図っているのである。
【0034】
そして、ホッパー10の下部に形成している首部12には、圧縮空気を作り出すコンプレッサー50を起点として窒素ガスを作り出す第1窒素ガス発生装置60や窒素ガスを貯留する窒素ガス貯蔵タンク70を経由している配管系の一部である共通窒素ガス配管129が接続していて、ホッパー10内に窒素ガスを供給することが出来るようになっている。しかしながら、共通窒素ガス配管129の接続する位置としては、首部12に限定する必要は無く、次善の策として循環回路の何れの位置でも、例えばヒーター33でも全く構わない。
【0035】
さて、共通窒素ガス配管129に至る構成をもう少し詳細に記載する。 先ず、コンプレッサー50によって作り出された圧縮空気を流す圧縮空気配管121が、第1窒素ガス発生装置60に接続している。 この場合、第1窒素ガス発生装置60としては、酸素ガスと窒素ガスを中心とする混合気体である空気より、酸素ガスを分離除去して残った窒素ガスを取り出すようなものが考えられる。 例えば、分離膜方式やPSA方式によるものである。
【0036】
その中で、分離膜方式の場合には、ポリエステル製で孔径300μm程度の何千ものストロー状の中空糸を一つに束ねたものにより構成されていて、その中空糸の内部に圧縮空気等の各種の気体が混合したものを通すことにより、それぞれの気体が固有にもっている中空糸の膜の透過するスピードの違いを利用して、混合している各々の気体を分離することが出来るのである。
【0037】
この場合、圧縮空気を構成している各気体の成分が、分離膜である中空糸の膜に対する(放出という視点から見た場合に)透過量の差を利用して早く放出する気体と放出しにくい気体がある中で、放出しにくくて残った気体が下流の方に流れていくことになるのである。
【0038】
特に、分離膜である中空糸の膜がポリエステル製の場合には、水蒸気が一番透過しやすく、次に続いて水素ガスやヘリウムガスが透過しやすく、最後に酸素ガスとアルゴンガスと窒素ガスが一番透過しにくい気体として残り、その中でも窒素ガスが最も透過しにくい気体ということで、窒素ガス配管122に高濃度の窒素ガスを排出することになるのである。
【0039】
従って、図1には具体的には図示していないが、早い時点に透過した酸素ガスを多く含んだ酸素富化ガスは、放出している。
【0040】
尚、中空糸の膜としては、ポリエステルの他に、ポリイミドやポリオレフィンやポリプロピレン等の樹脂も考えられる。
【0041】
また、PSA方式の場合には、具体的に図示していないが、高圧力下で特定のガスを吸着し低圧力下で特定のガスを吐き出す吸着材を収納した第一吸着槽と第二吸着槽から構成されていて、加えて開閉の動作を定められた順序で自動的に行なう第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七電磁弁と、第一吸着槽の下流に位置して流量を変化させる第一絞り弁と第二吸着槽の下流に位置して流量を変化させる第二絞り弁と、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、第十三、第十四、第十五、第十六、第十七、第十八、第十九、第二十装置内配管と、酸素富化ガスを排出する排気管より構成されている。
【0042】
更に詳細に述べるなら、圧縮空気配管121に続いて乾燥装置と圧縮空気配管が接続し、更に圧縮空気配管からは第一装置内配管と第六装置内配管が分岐しているのである。 また第十四装置内配管と第十九装置内配管が合流して窒素ガス配管122に接続しているのである。
【0043】
その中で、第一装置内配管は、第一電磁弁と第二装置内配管と第三装置内配管と第一吸着槽と第十一装置内配管と第一絞り弁と第十二装置内配管と第十三装置内配管と第六電磁弁と第十四装置内配管に、記載の順に接続している。
【0044】
また、第六装置内配管は、第二電磁弁と第七装置内配管と第八装置内配管と第二吸着槽と第十六装置内配管と第二絞り弁と第十七装置内配管と第十八装置内配管と第七電磁弁と第十九装置内配管に、記載の順に接続している。
【0045】
更に、第二装置内配管と第三装置内配管の接続部に第四装置内配管を接続し、第七装置内配管と第八装置内配管の接続部に第九装置内配管を接続し、第四装置内配管は、第三電磁弁と第五装置内配管と第十装置内配管と第四電磁弁と第九装置内配管に、記載の順に接続し、第五装置内配管と第十装置内配管の接続部に排気管を接続しているのである。
【0046】
一方、第十二装置内配管と第十三装置内配管の接続部に第十四装置内配管を接続し、第十七装置内配管と第十八装置内配管の接続部に第二十装置内配管を接続し、第十五装置内配管は、第五電磁弁と第二十装置内配管に、記載の順に接続しているのである。
【0047】
尚、第一吸着槽と第二吸着槽には、酸素吸着容量及び酸素と窒素の吸着速度差が大きく、加圧下において短時間のうちに酸素を優先的に吸収することで空気より窒素ガスを分離出来、常圧に戻すことにより吸着した酸素を容易に脱着することが出来る活性炭の一種を収納しているのである。
【0048】
但し、コンプレッサー50と窒素ガス貯蔵タンク70を含めた第1窒素ガス発生装置60に関しては、分離膜方式やPSA方式に限定する必要は無く、窒素ガスボンベを必要に応じて加圧したものを使用するものでも構わない。
【0049】
ここで、第1窒素ガス発生装置60によって作り出された窒素ガスは、窒素ガス配管122を経由して窒素ガス貯蔵タンク70に送り込んでいる。 この場合、窒素ガス貯蔵タンク70には、大量窒素ガス配管123と小量窒素ガス配管125の、貯留された窒素ガスを排出する為の二種類の配管系列が並列して接続していて、更に上部には圧力計94が設置されている。
【0050】
そして、小量窒素ガス配管125には、その下流に必要に応じて流量を変更することが可能な可変式絞り弁91と、小量窒素ガス配管126と、流量を測定することが可能な流量計92と、小量窒素ガス配管127と、流量計92の側からのみ流体である窒素ガスを流すことが可能な逆止弁93と、小量窒素ガス配管128を接続し、その一方大量窒素ガス配管123には、その下流に電磁力によって開閉することが可能な第3電磁弁95と、大量窒素ガス配管124を接続している。
【0051】
ところで、圧力計94と第3電磁弁95はコントローラ80に接続し、圧力計94からは、圧力の情報を入力信号131としてコントローラ80に伝えることが可能となっていて、更にコントローラ80からは、圧力計94からの圧力の情報である入力信号131とコントローラ80の中に持っている時計の機能を合わせることで、第3電磁弁95に出力信号132を送ることが出来るようになっている。
【0052】
従って、出力信号132としては、圧力計94が一定の圧力を超えた場合には所定の時間の間を、または一定の時間毎に所定の圧力まで減圧するまでの間を開放し供給するものである。 また、その他にも時間に関係無く圧力の上限と下限の巾を限定して開放し供給する等、圧力だけを条件とすることによるものも考えられる。
【0053】
更に、コントローラ80とコンプレッサー50を接続してコンプレッサー50のONとOFFを制御することで窒素ガス貯蔵タンク70に於ける窒素ガス貯留量を制御することも考えられる。 尚、窒素ガス貯蔵タンク70に安全弁を設けることで、貯留された窒素ガスが一定の圧力を越えないように配慮することも必要である。
【0054】
一方、小量窒素ガス配管128と大量窒素ガス配管124は合流して共通窒素ガス配管129に接続し、共通窒素ガス配管129はホッパー10を形成している首部12に接続することで、ホッパー10内に窒素ガスを供給することが可能となっている。 即ち、小量窒素ガス配管128の側から常に一定の量の窒素ガスが供給される中で、大量窒素ガス配管124の側からも必要に応じて断続的に大量の窒素ガスが供給されるようになっているのである。
【0055】
この場合、ホッパー10内に供給される窒素ガスは、循環回路を循環することでヒーター33によって加熱され、ホッパー10内の樹脂ペレット201の表面に付着している水分を除湿するだけでなく、酸素ガスが殆ど存在しないことで酸素分子が内部に侵入する分子間酸素を形成することも防止出来るようになったのである。 即ち、樹脂ペレット201の表面に付着する水分だけでなく、樹脂ペレット201の内部に分子間水分として含まれる水分子を加熱されることでブラウン運動により長時間かけて追い出して、気体分子である窒素分子に置き換えることで分子間窒素とし、樹脂ペレット201内も乾燥させることが出来るようになったのである。
【0056】
特に、樹脂の成形工程において起こる劣化の中では、樹脂の溶融時に起こる酸化劣化が大きな問題となっている。 この、酸化の原因である空気を構成している酸素は、樹脂ペレット201と樹脂ペレット201の間にある空気内の酸素(雰囲気酸素)と、樹脂ペレット201の中に潜り込んだ酸素(分子間酸素)とがある。 この場合、従来の空気システムでは常時、樹脂は酸素に触れているのであるが、本発明では窒素ガスを供給することにより、雰囲気酸素と分子間酸素の両者を排除することを提案しているし可能としているのである。
【0057】
前述のように、雰囲気酸素は、樹脂ペレット201と樹脂ペレット201との間に存在し、スクリュー311aによって樹脂ペレット201を混練し、溶融した樹脂と接触して酸化させるものであり、可塑化シリンダー311近傍へ高純度窒素ガス配管171によって高純度の窒素ガスを供給することで対応している。
【0058】
また、分子間酸素は、乾燥や輸送に際して樹脂ペレット201と空気とが触れると、温度が高ければ高い程酸素分子のブラウン運動により樹脂ペレット201の表面より内部に侵入する分子であり、樹脂の鎖状分子の間に存在している。 そして、樹脂ペレット201が高温になり溶融すると酸素は樹脂と酸化の反応を始めるが、除湿に際して窒素ガスを供給することと輸送に際して窒素ガスを使用することによって対応していることになるのである。
【0059】
尚、窒素ガスの純度に関しては、第3窒素ガス発生装置330の方が第1窒素ガス発生装置60や第2窒素ガス発生装置340より高い方が望ましく、例えば一つの例として示すと第3窒素ガス発生装置330の純度が99.99%であるのに対し、第1窒素ガス発生装置60と第2窒素ガス発生装置340が99%等を示すことが出来るが、この数値に限定されるものでは無い。
【0060】
本発明による、樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法および供給装置は前述したように構成されており、以下にその動作について説明する。
【0061】
先ず、コンプレッサー50を作動させて第1窒素ガス発生装置60に圧縮空気を送り込んで窒素ガスを空気より分離させることで作り出し、窒素ガス配管122を経由してその作り出した窒素ガスを窒素ガス貯蔵タンク70に送り込んでいる。 この場合、窒素ガス貯蔵タンク70に貯留された窒素ガスは順次首部12よりホッパー10内に供給されるようになっている。 同時に、ヒーター33と第1ブロアー32より構成されている循環回路も作動を開始させる。 次に、材料ローダー13に向けてホッパー10内に射出成形機310や中空成形機や押出成形機等を含む樹脂成形機310で使用する樹脂ペレット201を送り込まれる。
【0062】
更に、第2窒素ガス発生装置340と第3窒素ガス発生装置330と真空ポンプ320も作動可能な状態にする。 この場合、作動可能な状態とは、ボンベ等に貯留されている気体が流出可能な状態であることを意味し、電源に接続している機器に関してはスイッチがONの状態であって、何等かの指示が有ればそれらの機器が作動することを意味している。
【0063】
従って、窒素ガス貯蔵タンク70に接続して、小量窒素ガス配管125から可変式絞り弁91で流量の絞った状態に調整された常に一定の量の窒素ガスが、小量窒素ガス配管126と流量計92と小量窒素ガス配管127を経由して、逆止弁93の存在によってホッパー10の側から窒素ガス貯蔵タンク70の側に逆流することも無く、小量窒素ガス配管128と共通窒素ガス配管129を通ってホッパー10を形成している首部12からホッパー10内部に供給するようになっている。
【0064】
また、窒素ガス貯蔵タンク70に接続して、大量窒素ガス配管123から圧力計94と第3電磁弁95に接続しているコントローラ80の働きによって、必要に応じて断続的に大量の窒素ガスを供給することが可能となっている。 即ち、コントローラ80は、圧力計94からの圧力の情報である入力信号131と、コントローラ80に持っている時計の機能によって、窒素ガス貯蔵タンク70に貯留されている窒素ガスが、一定の圧力を超えた場合に一定の時間の間を、または一定の時間毎に所定の圧力まで減圧するまでの間を、第3電磁弁95に出力信号132を送り、その間開放の指示を出すことで大量の窒素ガスを供給するようになっている。
【0065】
尚、この場合にも大量の窒素ガスは、第3電磁弁95と大量窒素ガス配管123を経由して少量の窒素ガスと共に、共通窒素ガス配管129を通ってホッパー10を形成している首部12からホッパー10内部に供給するようになっている。
【0066】
ここで、前述の二種類の窒素ガスに関して述べるならば、先ず流量の絞った状態で調整された常に一定の量を供給している窒素ガスに関しては、共通窒素ガス配管129からホッパー10内に供給されると、ホッパー10内を首部12から上昇して戻り配管102に入り込み、以下フィルター31と戻り配管103と第1ブロアー32と戻り配管104とヒーター33と高温気体送付配管191を経由して、更にホッパー10を形成しているパイプ14と流入ラッパ部15と放出部16を通って再びホッパー10内に戻り、循環回路を循環し続けるのである。
【0067】
その際、ヒーター33に於いては気体を加熱することで、その加熱した気体である窒素ガスをホッパー10に送り込み、それによってホッパー10内の樹脂ペレット201を乾燥させているのである。 また、第1ブロアー32の存在によって、これ等の循環回路の気体に圧力をかけて送り出しているのである。
【0068】
一方、断続的に大量に供給している窒素ガスに関しては、同様に共通窒素ガス配管129からホッパー10内に供給されるのであるが、この場合にはホッパー10内の樹脂ペレット201に断続的な衝撃を与えながらホッパー10内を首部12から上昇していくのである。 そこで、この断続的な衝撃によって、第1ブロアー32の一定の流速によって気体が流れた場合にホッパー10内の樹脂ペレット201に出来がちである固定した流路を破壊することで、均等にホッパー10内の樹脂ペレット201全体を乾燥させるという効果をもたらしている。
【0069】
更に、これ等のホッパー10内に供給された窒素ガスは、ヒーター33によって加熱されることで樹脂ペレット201の表面に付着する水分を除湿するだけでなく、窒素ガスということで酸素ガスが殆ど存在しないことから、酸素分子が内部に侵入したり酸化させることも防止出来るようになったのである。
【0070】
この様にして、樹脂ペレット201がホッパー10及び樹脂輸送配管110内に数時間滞留して乾燥した後に、開閉手段22である第1電磁弁22を開放することによって樹脂ペレット201は樹脂輸送配管111に送り出され、更に第2窒素ガス発生装置340からの加圧された窒素ガスの働きによって樹脂輸送配管112を経由して可塑化シリンダー311の上部に位置している機上ローダー312の側に輸送される。 そのためには、第2窒素ガス発生装置340に接続している気体配管113は、第2電磁弁42と気体配管114を経由して樹脂輸送配管112に合流している必要は有る。
【0071】
そして、開閉手段22である第1電磁弁22を開放する直前に真空ポンプ320を作動させ、開閉手段22である第1電磁弁22を閉鎖した直後に第2電磁弁42を開放の状態にし、それから一定時間を経過した後に真空ポンプ32を停止して、最後に第2電磁弁42を閉鎖している。 従って、最終的には機上ローダー312には樹脂ペレット201と窒素ガスが混在することになる。 但し、作動の順序に関しては、前述の順序に限定される訳では無い。 尚、第2窒素ガス発生装置340と真空ポンプ320に関しては、何れか一方を装着しない場合も考えられる。
【0072】
この場合、ホッパー10から機上ローダー312に向けて樹脂ペレット201を輸送する際に、もし空気を使用すると空気に含まれている水分によって再度樹脂ペレット201に水分が付着して吸着されるという乾燥戻り現象を起こす。 そこで、第2窒素ガス発生装置340からの窒素ガスによって樹脂輸送配管111、112と機上ローダー312内に窒素ガスを充満させることによって、乾燥戻りと分子間酸素の発生を防止しているのである。
【0073】
一方、具体的に図示していないが、樹脂ペレット201がホッパー10内で一定のレベルに達すると、材料ローダー13は樹脂ペレット201を送り込むことを中止し、樹脂ペレット201がホッパー10内で一定のレベル以下に減少すると、材料ローダー13は樹脂ペレット201を送り込むことを開始するように設定されている。 従って、循環回路に於いては、ホッパー10内で樹脂ペレット201が出入りすることで、気体が過不足の状態となる可能性が有る。 この場合、過剰な場合には、循環回路の圧力が上昇することで安全弁21が作動し、不足する場合の為に、首部12より常に一定の量の窒素ガスを、場合によっては断続的に多量の窒素ガスを送り込んでいるので十分に対応可能となっているので有る。
【0074】
ところで、機上ローダー312には、戻り回路161を介して真空ポンプ320と接続することで機上ローダー312内を真空に近い状態にしている。 そして、開閉手段22である第1電磁弁22が開放の状態の時には、ホッパー10及び樹脂輸送配管110内の樹脂ペレット201を機上ローダー312の側に吸引して輸送し、同時に樹脂ペレット201に付着した微粉末の異物を戻り回路161側に吸引して除去している。
【0075】
また、樹脂ペレット201が溶融した際に酸化を防止する目的で、より純度の高い窒素ガスを発生させる第3窒素ガス発生装置330からの高純度窒素ガス配管171の端末を可塑化シリンダー311を成しているスクリュー311a近傍の機上ローダー312側に位置させている。 特に、雰囲気酸素との酸化を起こす可塑化シリンダー311には、図2に示すように、機上ローダー312と可塑化シリンダー311の間から窒素ガスを供給し、可塑化シリンダー311内を窒素ガスで充満することで酸化が起こらないようにしている。 この場合、供給箇所は、なるべくスクリュー311aの近くに位置させるのが望ましい。
【0076】
尚、真空ポンプ320を利用することを考えた場合には、樹脂ペレット201を吸引するだけでなく、可塑化シリンダー311内の窒素ガスも吸引することになる。その結果、可塑化シリンダー311の端部(グランド部)より空気が入り込み、可塑化シリンダー311内が空気雰囲気となって溶融した樹脂の酸化を推し進める。 そこで、これを防ぐ為に、機上ローダー312に逆流防止弁312aを設けている。 この場合には、逆流防止弁312aが金属製の場合には接触が不連続になってシール性が損なわれる為に、逆流防止弁312aの先端にゴムやプラスチック等の弾性のある円環状の弾性リップ312aaを設けている。
【0077】
最後に、図5には、本願発明の窒素ガスを供給する他の実施例を示している。 そして、第2窒素ガス発生装置340に該当するものとしては、窒素ガス貯蔵タンク70Aに気体配管113を接続することで、第1窒素ガス発生装置60と共用しているものを示していて、第3窒素ガス発生装置330に該当するものとしては、窒素ガス貯蔵タンク70Aから窒素ガス配管172と窒素ガス高純度化装置331を経由させて高純度窒素ガス配管171を接続することで、第1窒素ガス発生装置60と共用しているものを示しているのである。
【0078】
一般に、樹脂成形機310を厳格に管理しようとすると、窒素ガスを必要とする各々の箇所で要求する純度が異なることが多く、これまで記載した内容では、第1窒素ガス発生装置60と第2窒素ガス発生装置340と第3窒素ガス発生装置330に見られるように別々の窒素ガス発生装置を使用している。
【0079】
この場合、図5には、窒素ガス高純度化装置331が示されていて、鉄粉や活性炭や鉄の酸化の反応を促進するための塩化ナトリウムや少量の水や水を保持する水分保持材を、鉄単独または鉄に加えて単数または複数種類混合させた中を通過させ酸素と反応させることで不純物である酸素を除去したり、水素ガスの中を通過させて酸素と反応させることで不純物である酸素を除去したりすることで純度の異なる窒素ガスを作り出すことも可能としているのである。
【0080】
尚、窒素ガス高純度化装置331に関しては、前述の内容以外に、分離膜方式やPSA方式による窒素ガス発生装置を窒素ガス高純度化装置331の代わりに位置させ直列に並べることも考えられる。
【0081】
従って、動作に関しては、窒素ガス高純度化装置331装置で不純物としての酸素を除去して高純度の窒素ガスを作り出すということを除いて、図1の内容と同じになるので省略する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明は、樹脂成形機に於ける窒素ガスの供給方法および供給装置に関するものであり、特に窒素ガスを供給することによって射出成形機や中空成形機や押出成形機等を含む樹脂成形機で使用する樹脂ペレットの乾燥と溶融樹脂の酸化防止についての技術について述べたものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】 本願発明の全体を示した図
【図2】 本願発明の樹脂成形機を構成している可塑化シリンダー周辺の詳細を示した図
【図3】 本願発明の機上ローダーの詳細を示した図
【図4】 本願発明の機上ローダーの逆流防止弁を遮断した図
【図5】 本願発明の窒素ガスを供給する他の例を示した図
【図6】 従来技術の全体を示した図
【符号の説明】
【0084】
10・・・・・・ホッパー
10K・・・・・ホッパー
11・・・・・・ホッパー本体
11K・・・・・ホッパー本体
12・・・・・・首部
12A・・・・・首部
13・・・・・・材料ローダー
14・・・・・・パイプ
15・・・・・・流入ラッパ部
16・・・・・・放出部
21・・・・・・安全弁
22・・・・・・第1電磁弁(開閉手段)
26・・・・・・副フィルター
31・・・・・・フィルター
32・・・・・・第1ブロアー
33・・・・・・ヒーター
41・・・・・・第2ブロアー
42・・・・・・第2電磁弁
50・・・・・・コンプレッサー
60・・・・・・第1窒素ガス発生装置
70・・・・・・窒素ガス貯蔵タンク
70A・・・・・窒素ガス貯蔵タンク
80・・・・・・コントローラ
91・・・・・・可変式絞り弁
92・・・・・・流量計
93・・・・・・逆止弁
94・・・・・・圧力計
95・・・・・・第3電磁弁
96・・・・・・第3ブロアー
101・・・・・高温気体送付配管
102・・・・・戻り配管
103・・・・・戻り配管
104・・・・・戻り配管
110・・・・・樹脂輸送配管
111・・・・・樹脂輸送配管
112・・・・・樹脂輸送配管
113・・・・・気体配管
114・・・・・気体配管
121・・・・・圧縮空気配管
122・・・・・窒素ガス配管
123・・・・・大量窒素ガス配管
124・・・・・大量窒素ガス配管
125・・・・・少量窒素ガス配管
126・・・・・少量窒素ガス配管
127・・・・・少量窒素ガス配管
128・・・・・少量窒素ガス配管
129・・・・・共通窒素ガス配管
131・・・・・入力信号
132・・・・・出力信号
151・・・・・送風配管
161・・・・・戻り回路
171・・・・・高純度窒素ガス配管
172・・・・・窒素ガス配管
201・・・・・樹脂ペレット
310・・・・・射出成形機(樹脂成形機)
310A・・・・射出成形機(樹脂成形機)
311・・・・・可塑化シリンダー
311a・・・・スクリュー
312・・・・・機上ローダー
312a・・・・逆流防止弁
312aa・・・弾性リップ
313・・・・・注入プレート
314・・・・・機上ローダー
320・・・・・真空ポンプ
330・・・・・第3窒素ガス発生装置
331・・・・・窒素ガス高純度化装置
340・・・・・第2窒素ガス発生装置
【出願人】 【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
【出願日】 平成18年10月2日(2006.10.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−87449(P2008−87449A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−293254(P2006−293254)