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ポリマーの造粒方法と造粒装置 - 特開2008−87192 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ポリマーの造粒方法と造粒装置
【発明者】 【氏名】佐藤 健

【氏名】宮津 興志之

【氏名】辻 秋吉

【要約】 【課題】造粒の終了、あるいは造粒時に何らかの異常が生じ、ポリマーがガイドプレート上で固着してガイドプレート上で溜まり込んだり、さらにはガイドプレート上からあふれ出たままになる、という現象を瞬時に検知できるポリマーの造粒方法と造粒装置を提供する。

【解決手段】溶融状態のポリマーをダイヘッドのノズル列7からストランド状に押し出して、冷却水4が流下するガイドプレート3上で冷却固化した後、ペレット6状に切断するポリマーの造粒方法において、冷却水の温度変化を検知する水温検出器と造粒タイマーとを連動させることによって、造粒タイマーによって設定された造粒時間内における水温変化を造粒異常と判定し、当該造粒時間を超えた後の水温変化をポリマーの造粒終了と判定することを特徴とするポリマーの造粒方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融状態のポリマーをダイヘッドのノズル列からストランド状に押し出して、冷却水が流下するガイドプレート上で冷却固化した後、ペレット状に切断するポリマーの造粒方法において、冷却水の温度変化を検知する水温検出器と造粒タイマーとを連動させることによって、造粒タイマーによって設定された造粒時間内における水温変化を造粒異常と判定し、当該造粒時間を超えた後の水温変化をポリマーの造粒終了と判定することを特徴とするポリマーの造粒方法。
【請求項2】
溶融状態のポリマーをノズル列からストランド状に押し出すためのダイヘッドと、押し出されたストランドを冷却固化するための冷却水が流下するガイドプレートと、冷却固化されたストランドをペレット状に切断するためのカッターを具備するポリマーの造粒装置において、冷却水の温度変化を検知するための水温検出器と、造粒に要する造粒時間を設定入力した造粒タイマーとを設け、水温検出器で検知した冷却水の温度変化の発生時間と設定された造粒時間とを比較して、ポリマーの造粒異常と造粒終了とを判定できるようにしたことを特徴とするポリマー造粒装置。






【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性ポリマーの好適なポリマーの造粒方法と、この造粒方法に用いる造粒装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶融ポリマーをペレット化する場合、溶融ポリマーをノズルから、冷却水が流下するガイドプレート上にストランド状に押し出し、冷却固化した後、カッターで切断するポリマーの造粒方法が広く実施されている。
【0003】
このような造粒方法においては、ストランド状ポリマーの溶融粘度の変化やノズルの詰まり具合によってストランドの振れやストランドの太さが変化して、ストランド同士の融着や振れが生じ、その結果、ガイドプレート上で固着してガイドプレート上で溜まり込み、カッティングできなくなる、さらには、ガイドプレート上からあふれ出るという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するため、ガイドプレート上の冷却水の流下速度を増大させたり(特許文献1参照)、ガイドプレートを複数に分割したり(特許文献2参照)、カッターと一体となったガイドプレートを前後に移動させる(特許文献3参照)といった方法や装置が提案されているが、いずれにおいても、ガイドプレート上で固着しポリマーがガイドプレート上で溜まり込むという問題は完全には解決に至っていない。
【特許文献1】特許2557725号公報
【特許文献2】特公平7−25126号公報
【特許文献3】特許2864352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対し本発明者らは、ポリマーの造粒終了の検知や、ポリマーがガイドプレート上からあふれ出たままになった状態からいち早く回避するため、ストランドの有無によって変動するカッターに流れる負荷電流値の変動を検知する装置や、ノズルからガイドプレートにかけての部分を視野設定し、正常時との画像的なずれを自動的に検知する画像処理装置を設けるなどの検討を行った。
【0006】
しかしながら、カッターに流れる負荷電流値を検知する装置では、ガイドプレート上の冷却水の水量や、カッターの装置内にあるポリマーの融着物の影響で、その負荷をうまく検知できなかった。また、画像処理装置は、ポリマーの造粒終了判定には非常に有効であることが明らかになったものの、ガイドプレートからカッターにかけてのストランド同士の融着や振れによるガイドプレート上での固着や溜まり込みといった異常をうまく検知できないという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、造粒の終了や、ストランド状ポリマーの溶融粘度の変化やノズルの詰まりによって、ストランドの振れやストランドの太さが変化して、ストランド同士の融着が生じ、その結果、ガイドプレート上で固着してガイドプレート上で溜まり込み、さらには、ガイドプレート上からあふれ出たままになる、という現象を瞬時に検知することのできるポリマーの造粒方法と造粒装置を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、造粒中、すなわち冷却水とペレットが同時に搬送されている場合と、造粒終了や造粒異常による造粒停止中、すなわち冷却水のみが搬送されている場合とでは冷却水自体に水温差が生じること、及びその水温差と造粒時の時間を管理する造粒タイマーとを連動させれば、造粒終了や造粒異常を瞬時に検知できることを知見して本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)溶融状態のポリマーをダイヘッドのノズル列からストランド状に押し出して、冷却水が流下するガイドプレート上で冷却固化した後、ペレット状に切断するポリマーの造粒方法において、冷却水の温度変化を検知する水温検出器と造粒タイマーとを連動させることによって、造粒タイマーによって設定された造粒時間内における水温変化を造粒異常と判定し、当該造粒時間を超えた後の水温変化をポリマーの造粒終了と判定することを特徴とするポリマーの造粒方法。
(2)溶融状態のポリマーをノズル列からストランド状に押し出すためのダイヘッドと、押し出されたストランドを冷却固化するための冷却水が流下するガイドプレートと、冷却固化されたストランドをペレット状に切断するためのカッターを具備するポリマーの造粒装置において、冷却水の温度変化を検知するための水温検出器と、造粒に要する造粒時間を設定入力した造粒タイマーとを設け、水温検出器で検知した冷却水の温度変化の発生時間と設定された造粒時間とを比較して、ポリマーの造粒異常と造粒終了とを判定できるようにしたことを特徴とするポリマー造粒装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリマーの造粒方法によれば、冷却水の温度変化の発生時間が予め設定された造粒時間(以降、設定造粒時間と略記する。)より早いか遅いかで、適正に造粒が完了した状況(以降、造粒終了と略記する。)や、ノズルから押し出されたポリマーが何らかの影響でガイドプレート上に溜まり込みなどを起こして造粒異常となった状況を、瞬時に検知することができる。その結果、造粒異常時にポリマーがガイドプレートからあふれ出すというポリマーのロスを最小限に抑制し、あふれ出したポリマーによるカッターの故障などを未然に防止することが可能となる。
また、本発明のポリマー造粒装置を使用すれば、上記の利点を有する本発明のポリマーの造粒方法を安定して実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のポリマー造粒装置の一実施態様を示す概略説明図であり、1はダイヘッドに設けた溶融ポリマーを吐出するノズル、2は溶融ポリマーのストランド、3はガイドプレート、4は冷却水(出側)、5は引き取りローラ、固定刃、回転刃を備えたチッピングボックス、6はペレット、7はペレット排出ノズル、8は第1シーブバスケット、9はポリマー冷却管、10は第2シーブバスケット、11は脱水機、12は篩機、13は熱交換機、14は冷却水(戻り側)、15は造粒タイマーを備えた反応制御モニター、Aは第一温度検出場所、Bは第二温度検出場所を示す。なお、チッピングボックス5と排出ノズル7を総称してカッターという。
【0012】
ポリマーを造粒するに際し、まず溶融ポリマーはノズル1からストランド2としてガイドプレート3上に押し出される。ガイドプレート3の上部には冷却水を吐出する冷却水スリットやシャワーノズルが設けられており、ストランド2はガイドプレート3上を流下する冷却水の流れや、吹き付けられるスプレー冷却水によって冷却固化され、引き取りローラでチッピングボックス5内に送られる。引き取りローラで引き取られたストランド2は、固定刃と回転刃とで切断されてペレット6となる。得られたペレット6は、ペレット排出ノズル7から冷却水とともに排出され、冷却管9を介して脱水機11に送られ、次いで篩機12に搬送される。
【0013】
このような方法で造粒する場合、省エネルギーの観点から、造粒終了をいち早く検知し、機器の無駄な運転時間を削減することが重要である。また、ノズル1から吐出されるポリマーが払い出し時間の経過による熱履歴によって溶融粘度が変化したり、未溶融無機物や高融点物等が一部のノズルホールに詰まりを生じさせた場合、それらが原因で、吐出中のストランド2に振れが発生したり、ストランド2の太さが変化してストランド2同士の融着が生じる。その現象がさらに悪化すると、密着するストランド2が増加し、ストランド2を冷却するための冷却水では十分固化せずにガイドプレート3上で固着してガイドプレート3上で溜まり込む。さらには、ガイドプレート3上からあふれ出たままになるというトラブルが発生し、その結果、多大なポリマーのロスが生じたり、固着したポリマーの塊が一気にチッピングボックス5に流入してカッターが故障する、という現象が起こる。これらの現象は、生産効率上、あるいは機器の保全上に問題を起こすため、これらの現象を瞬時に検知して造粒を一時中断し、溜まり込んだポリマー等を除去して造粒を早急に再開することが必要である。
【0014】
そこで、本発明では、効率的かつ瞬時に造粒終了や造粒異常を検知するために、造粒したチップを搬送する冷却水の温度変化を検知し、その水温差が設定範囲を超えた場合の発生時間と、造粒時間を管理している造粒タイマー(一定量の造粒に必要とする銘柄毎の設定造粒時間を入力したもの)を連動させるものである。
【0015】
具体的には、図1の脱水機11手前のA部、及び第1シーブバスケット8上部のB部にサーチコイル(水温検出器)を設置して、設定範囲を超えた水温の変化を造粒タイマーに取り込み、造粒タイマーの設定造粒時間内における水温変化を造粒異常とし、設定造粒時間を超えた後の水温変化をポリマーの造粒終了と判定することにより、造粒の終了や造粒の異常を瞬時に検知できるようにした。
【0016】
ところで、例えばポリエチレンテレフタレートを吐出し造粒する場合、A部では、造粒中、すなわち冷却水とペレットが同時に搬送されている場合と、造粒終了や造粒異常による造粒停止中、すなわち冷却水のみが搬送されている場合とでは、水温差が約10℃あり、その水温変化は6〜10秒の間に急激に発現する。また、B部では、造粒中、すなわち冷却水とペレットが同時に搬送されている場合と、造粒終了や造粒異常による造粒停止中、すなわち冷却水のみが搬送されている場合とでは、水温差が約7℃あり、その水温変化は3〜6秒の間に急激に発現する。したがってこの場合、水温が変化したと判断する水温差としては、例えばA部が9℃、B部が6℃とすることができる。
【0017】
上記の水温変化を水温検出器で検知して、現場監視室にあるポリマーの造粒タイマーが備わった反応制御モニター15に常時取り込み、造粒タイマーの設定造粒時間内における水温変化を造粒異常とし、設定造粒時間を超えた後の水温変化をポリマーの造粒終了と判定することにより、造粒の終了や、ガイドプレート3上へのポリマー溜まり込み等による造粒停止、カッターの異常停止を瞬時に検知することができる。
なお、図1のポリマー造粒装置では、A部とB部の2個所に水温検出器を設けたが、いずれか1個所だけに水温検出器を設けてもよい。
【実施例】
【0018】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における特性評価は、次のようにして行った。
(1)異常検知時間
実施例においては、A部とB部いずれかの水温検出器で測定した水温が通常温度(安定的に造粒している時点での温度)より6℃以上低下するまでの時間。また、比較例においては、払い出し異常時から画像処理装置及び現場にて異常を確認した時までの推定時間(ロスとなったブローポリマー量と吐出速度からの逆算)。
(2)ブローポリマー量
ガイドプレート上に溜まったポリマーと、ガイドプレートからあふれ出したポリマーの総量。
【0019】
(実施例1、2)
オートマチック社製USG−600型造粒装置を台車上に設置し、これに水温検出器を設置した型式の図1に示すポリマー造粒装置を使用し、重縮合反応器から溶融粘度が2000ポイズのポリエチレンテレフタレートを吐出用のノズルから55本のストランドとして吐出し、毎時3000kgの割合で造粒するとし、設定造粒時間を0.67時間に設定して造粒を2回(実施例1、2)行なった。
(比較例1〜3)
水温検出器の代わりに画像処理装置を設置したポリマー造粒装置を使用した以外は、実施例1と同様にして造粒を3回(比較例1、2、3)行なった。
実施例1、2と比較例1〜3で設定造粒時間内に造粒異常が発生した状況を表1に示す。
【0020】
【表1】


【0021】
表1から明らかなように、実施例1、2では、造粒異常が発生しても、9秒以内に検知して対応したので、その際のロスとなったブローポリマー量はいずれも20kg以下と少なく、カッターの故障もなかった。
一方、比較例1〜3では、造粒異常の検知に120秒以上を要したので、ロスとなったブローポリマー量が比較例1は150kg、比較例2は500kg、比較例3は100kgといずれも多大の損害が発生した。さらに、比較例3では、ガイドプレート上で固化したポリマーがチッピングボックスに一気に流れ込み、カッターが故障した。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のポリマー造粒装置の一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1 溶融ポリマーを吐出するノズル
2 溶融ポリマーのストランド
3 ガイドプレート
4 冷却水(出側)
5 チッピングボックス
6 ペレット
7 ペレット排出ノズル
8 第1シーブバスケット
9 ポリマー冷却管
10 第2シーブバスケット
11 脱水機
12 篩機
13 熱交換機
14 冷却水(戻り側)
15 反応制御モニター




【出願人】 【識別番号】000228073
【氏名又は名称】日本エステル株式会社
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−87192(P2008−87192A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−267554(P2006−267554)