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【発明の名称】 廃棄プラスチック洗浄装置
【発明者】 【氏名】松本 大地

【氏名】辰巳 滋

【要約】 【課題】廃棄プラスチック(廃プラ)Pの供回りを抑制し、廃プラの表面に付着した異物を効果的に分離除去する。

【解決手段】筒状スクリーン25内に投入された廃プラの付着異物を、撹拌ブレード24の回転により剥ぎ取る装置である。スクリーンは断面正多角形状のため、その内周面と撹拌ブレードの先端とのすき間が、その回転方向に向かって大小に変化する。この変化により、撹拌ブレードがスクリーン内を一周する際の廃プラのスクリーン内面との摩擦抵抗が変化して、撹拌ブレードと廃プラの供回りは抑制される。また、その一周する間に、そのすき間が大から小、その小から大・・に変化し、撹拌ブレードにより、廃プラは、そのすき間が小さく変化する部分でスクリーンの内周面に強く押し付けられ、すき間が大きく変化する部分では、押し付けが弱くなる。この洗濯板による揉み洗いに似た作用が繰り返されることにより、廃プラ同士が十分に擦り合わされて、付着異物が効果的に剥ぎ取られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のスクリーン(25)内に、撹拌ブレード(24)を前記スクリーン(25)の筒軸周りに回転自在に設け、その撹拌ブレード(24)を回転させることにより、前記スクリーン(25)内に投入された廃棄プラスチックに付着した異物cを分離し、前記スクリーン(25)外に排出する廃棄プラスチック洗浄装置において、
上記スクリーン(25)は、その内周面と上記撹拌ブレード(24)の先端とのすき間(a,b)が、その撹拌ブレード(24)の回転方向に向かって大小に変化することを特徴とする廃棄プラスチック洗浄装置。
【請求項2】
上記スクリーン(25)は断面多角形状に形成されて、そのスクリーン(25)の内周面と上記撹拌ブレード(24)の先端とのすき間(a,b)が、その撹拌ブレード(24)の回転方向に向かって大小に変化することを特徴とする請求項1に記載の廃棄プラスチック洗浄装置。
【請求項3】
上記断面多角形状スクリーン(25)の廃棄プラスチックに付着した異物cの排出孔(29)がその断面多角形の各辺部(26)に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の廃棄プラスチック洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄プラスチックの表面に付着した異物を除去し、その廃プラスチックから高い品質の再生プラスチックにリサイクルするための廃棄プラスチック洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄プラスチック(以下、「廃プラ」という)の表面には、通常、種々の異物が付着しており、例えば、農業において、トンネル栽培に使用されたプラスチックシートは、土砂や各種肥料の残渣が、食品産業で用いられたプラスチックには、食品や各種調味料の残渣が付着している。この残渣等の異物が付着したまま、廃プラをリサイクルしたのでは、高い品質の再生プラスチックを得ることが難しい。
【0003】
このため、従来から、その異物を除去する各種の廃棄プラスチック洗浄装置が提案されており、その装置の一例として、ケーシング内に配置された円筒状のスクリーン内で、撹拌ブレードを備えた主軸を高速回転させ、そのスクリーン内に投入した廃プラを撹拌ブレードにより撹拌して、廃プラ同士を擦り合わせて付着した異物を遠心力でスクリーンの外に弾き飛ばすとともに、処理された廃プラをプラスチック材として回収するものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−316101号公報 図1参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この廃棄プラスチック洗浄装置は、撹拌ブレードの回転・撹拌により、廃プラがスクリーン内を外向きに広がるとともに、スクリーンの内周面に沿って周方向に移動する。そのとき、スクリーンは円筒形であるため、その内周面に沿って撹拌ブレードと一緒に廃プラが供回り(空回り)してしまう。この廃プラが供回りすると、廃プラ同士の擦り合わされが不十分となり、廃プラの表面に付着した土砂や残渣などの異物の分離除去が十分に行われない。
【0005】
この発明は、撹拌ブレードと廃プラの供回りを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明は、上記スクリーンの内周面と撹拌ブレードの先端とのすき間が、その撹拌ブレードの回転方向に向かって、大小に変化するようにしたのである。
【0007】
このようにすれば、スクリーンの内周面と撹拌ブレードの先端とのすき間が大小に変化することにより、撹拌ブレードがスクリーン内を一周する際の廃プラのスクリーン内周面との摩擦抵抗が変化するため、撹拌ブレードと廃プラの供回りは極力抑制される。
【0008】
また、その撹拌ブレードがスクリーン内を一周する間に、上記すき間が大から小、その小から大に少なくとも変化する部分があることとなり、そのすき間が小さく変化する部分では、撹拌ブレードにより、廃プラはスクリーンの内周面に強く押し付けられ、一方、すき間が大きく変化する部分では、廃プラは、撹拌ブレードによる押し付けが弱くなる。
【0009】
この作用は、洗濯板による揉み洗いに似たものであり、その作用が繰り返されることにより、廃プラ同士が十分に擦り合わされ、廃プラの表面に付着した異物が効果的に分離される。
【0010】
この発明の構成としては、筒状のスクリーン内に、撹拌ブレードを前記スクリーンの筒軸周りに回転自在に設け、その撹拌ブレードを回転させることにより、前記スクリーン内に投入された廃棄プラスチックに付着した異物を分離し、前記スクリーン外に排出する廃棄プラスチック洗浄装置において、前記スクリーンは、その内周面と前記撹拌ブレードの先端とのすき間が、その撹拌ブレードの回転方向に向かって大小に変化する内周面を有するものを採用することができる。
【0011】
上記スクリーンの内面と撹拌ブレードの先端とのすき間を大小に変化させるには、スクリーンの内面にその筒軸方向全長に亘る棒体を、例えば、周方向所要間隔に配置したり、内面全域に適宜間隔に突起を設けたり、また、そのスクリーンを断面多角形状のものとしたりすることができる。
【0012】
棒体や突起の場合、撹拌ブレードの回転につれて、その先端が棒体や突起に対向すれば、両者のすき間は狭くなり、その対向位置の前後においてすき間の大小が変化する。断面多角形状スクリーンの場合は、撹拌ブレードの回転につれて、その断面多角形状スクリーンのその断面多角形の各辺部の全長に亘って、撹拌ブレードの先端とスクリーン内面とのすき間が変化し、その時、各角部でそのすき間が最大となる。このため、撹拌ブレードが一周する間に、その多角数分(例えば、十五角形状であれば、15回)のすき間の大小が変化する。このとき、断面正多角形状スクリーンとすれば、そのスクリーン全周に亘ってそのすき間の大小が均一に変化し、上記揉み洗いも均一化する。
【0013】
上記スクリーンは、廃棄プラスチック付着異物を排出し得る大きさの排出孔を有するものであれば、いずれの態様の物でも良く、また、その排出孔もそのスクリーンの強度を考慮して適宜位置、例えば、スクリーンの全域に設ければ良い。
【0014】
スクリーンが断面多角形の場合、その各辺部は、通常、上記すき間が大から小に変化し、さらに小から大に変化した部分となるとともに、廃プラは撹拌ブレードによる押し付けが強から弱、さらに弱から強に移行する時に付着した異物が分離するため、その辺部において、その分離した異物が多く存在して、その辺部に排出孔があれば、その排出孔からその分離した異物がスムーズに排出される。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、以上のようにして、撹拌ブレードと廃プラの供回りを極力抑制するとともに、洗濯板による揉み洗いに似た作用により、廃プラに付着した異物を分離するようにしたので、その異物を効果的に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1から図4にこの発明の実施形態を示し、この実施形態の廃棄プラスチック洗浄装置10は、横向き四角筒状のケーシング11がその左右のフレーム12で支えられ、ケーシング11の対向する両側板13に軸受台14が設けられたものである。
【0017】
上記ケーシング11の一方の側板13の上部に、廃プラPを投入する投入口16が形成されるとともに、他方の側板13の軸受台14の下部に処理された廃プラPが排出される排出口17と、廃プラから分離除去された異物を排出する異物排出口18とが形成される。
【0018】
上記左右の軸受台14の間に軸受15を介して主軸19が回転自在に支持され、この主軸19は、その一端部に取り付けられたプーリ21にベルト22が掛け渡されて、フレーム12に固定された回転駆動用モータ23の動力が伝達される。
【0019】
上記ケーシング11内には、図3に示すように、筒状のスクリーン25が設けられ、このスクリーン25の筒軸上に上記主軸19が貫通している。この主軸19にその径方向外向きに延びる複数の送り羽根状の撹拌ブレード24、24が所定間隔をもって一体に設けられており、この撹拌ブレード24、24の回転により、スクリーン25内の廃プラPが上記排出口17に向かって送られる。
【0020】
なお、この撹拌ブレード24は、連続した螺旋状、または主軸19上の螺旋軌道に沿って間欠的に設けられるものであってもよい。このように、撹拌ブレード24を螺旋状にすれば、その回転により、スクリーン25内に投入された廃プラPを上流側(投入口16)から下流側(排出口17)へと円滑に搬送させることができる。
【0021】
上記ケーシング11内のスクリーン25は、図3に示すように、その筒軸方向が水平方向となる横型に配置されて、断面形状が正十五角形に形成されたものであり、この断面正十五角形の各辺部26の稜線部(突き合い部)が角部27となる。
【0022】
このスクリーン25は、撹拌ブレード24が回転すると、図4に示すように、断面正十五角形であることから、その撹拌ブレード24の先端が上記辺部26の中央に対向した時(位置した時、同図実線の状態)、その先端とスクリーン25内面とのすき間bが最小となり、上記角部27と対向した時(同図一点鎖線の状態)、撹拌ブレード24とのすき間aが最大となる。このため、撹拌ブレード24がスクリーン25内を一周する間に、そのすき間が大から小、その小から大に徐々に変化し、その変化が繰り返されることとなる(a→b→a→b・・)。
【0023】
これにより、撹拌ブレード24が回転すれば、廃プラPは、その撹拌ブレード24により、その撹拌ブレード24の先端とのすき間が徐々に小さくなっているスクリーン内周面に強く押し付けられ、一方、そのすき間が徐々に大きくなっている内周面では、撹拌ブレード24による押し付け力が弱くなる。この作用は、洗濯板による揉み洗いに似たものであり、その作用が繰り返されることにより、廃プラP、P同士が十分に擦り合わされて、廃プラPの表面に付着した異物が効果的に分離される。
【0024】
このスクリーン25の各辺部26に排出孔29が多数形成されており、この排出孔29から、上記廃プラPから剥ぎ取られた異物cが外側に排出される。このとき、断面正十五角形状スクリーン25のその各辺部26は、通常、上記すき間が大から小、さらに小から大に変化した部分となるとともに、廃プラPは、撹拌ブレード24による押し付けが弱から強、さらにその強から弱に移行する時に異物cが分離するため、その辺部26において、その分離した異物cが多く存在して、その辺部26に排出孔29があるため、その排出孔29からその剥がれた異物cがスムーズに排出される。
【0025】
上記ケーシング11の底部には、図2に示すように、上記異物排出口18に向かって延びるスクリュー28が設けられ、このスクリュー28によって、スクリーン25の排出孔29から排出された異物cが集められて異物排出口18に送られ、その排出口18から排出される。
【0026】
このスクリーン25の断面多角形の辺の数(辺部26の数)は、上述した揉み作用が効果的に行われる限り、十五辺に限定されるものではなく、例えば、その辺の数が六辺以上三十辺以下(六角形〜三十角形)とすることができる。
【0027】
この廃棄プラスチック洗浄装置は、ケーシング11の投入口16からスクリーン25内に廃プラPが投入されると、その廃プラPは、撹拌ブレード24の遠心力によってスクリーン25内で外向きに広がり、撹拌ブレード24による上記揉み作用が繰り返し行われて、廃プラP、P同士が十分に擦り合わされる。
【0028】
この擦り合わせにより、廃プラPに付着した土砂や食品の残渣や調味料の残渣などの付着異物cが効果的に分離し、その分離した異物cは、撹拌ブレード24の遠心力により、排出孔29を通ってスクリーン25の外側に弾き飛ばされ、スクリュー28により異物排出口18から排出される。一方、付着異物cが剥がされた廃プラPは、ケーシング11の排出口17から排出され、プラスチック材として再生工程に移行される。
【0029】
次に、この実施形態の他の実施例を図5(b)に示す。この場合の実施形態は、同図に示すように、スクリーン25の各辺部26の排出孔29は、その内壁が、内側から外側に向けて広がって形成される点で、上述した実施形態の場合(図5(a)参照)と相違し、その他の構成は上述した実施形態と同様である。
【0030】
上記排出孔29の内壁が、内側から外側に向けて広がって形成されると、廃プラPから分離した異物cが、排出孔29の内壁に沿って外部に移動しやすくなるため、外部に排出されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)この発明に係る廃棄プラスチック洗浄装置の一実施形態の外観正面図、(b)同上の外観側面図
【図2】図1(b)のA−A線における断面図
【図3】図1(a)のB−B線における断面図
【図4】同実施形態のスクリーンの撹拌ブレードとの位置関係を示す拡大断面図
【図5】(a)同上のスクリーンを示す一部拡大断面図、(b)同上のスクリーンの他の実施例を示す一部拡大断面図
【符号の説明】
【0032】
10 廃棄プラスチック洗浄装置
11 ケーシング
12 フレーム
13 側板
14 軸受台
15 軸受
16 投入口
17 排出口
18 異物排出口
19 主軸
21 プーリ
22 ベルト
23 回転駆動用モータ
24 撹拌ブレード
25 スクリーン
26 スクリーンの辺部
27 スクリーンの角部
28 スクリュー
29 排出孔
P 廃棄プラスチック(廃プラ)
c 付着異物
【出願人】 【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博


【公開番号】 特開2008−80679(P2008−80679A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−264113(P2006−264113)