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【発明の名称】 プラスチック廃材の再資源化方法、ならびにプラスチック原料、プラスチック部材およびそれらの製造方法
【発明者】 【氏名】川口 洋平

【氏名】隅田 憲武

【氏名】太田 敏博

【氏名】福嶋 容子

【氏名】石上 佳照

【要約】 【課題】プラスチック廃材の効率的かつ低コストな再資源化方法、当該方法を用いたプラスチック原料、プラスチック部材の製造方法、ならびに当該製造方法にて製造されたプラスチック原料、プラスチック部材を提供する。

【構成】複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程を含むプラスチック廃材の再資源化方法、当該方法を用いたプラスチック原料、プラスチック部材の製造方法、ならびに当該製造方法にて製造されたプラスチック原料、プラスチック部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程を含む、プラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項2】
前記プラスチック廃材が、プラスチック部材の破砕物またはプラスチック製品の破砕物であることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項3】
前記破砕物は、10〜100mmのスクリーンサイズを有する破砕機で作成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項4】
前記プラスチック廃材が被覆電線を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項5】
前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて所望の構成物を回収する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項6】
前記風力選別を密閉循環式風力選別機を用いて行なうことを特徴とする請求項5に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項7】
前記ローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値が、前記風力選別機の被選別経路の最小径の0.1〜0.4倍サイズであることを特徴とする請求項6に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項8】
前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて、発泡体を選択的に除去し、さらに金属類を選択的に除去することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項9】
前記選択的に除去された金属類を再資源化することを特徴とする請求項8に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項10】
プラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程と、
分級されたプラスチック廃材から、風力選別を用いて所望の構成物を回収する工程と、
前記回収された構成物を微破砕する工程と、
微破砕物を液体を用いて比重により選別する工程とを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項11】
前記微破砕物の粒径は5〜30mmであることを特徴とする請求項10に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項12】
前記比重による選別に用いられる液体が水であることを特徴とする請求項10に記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項13】
再資源化されるプラスチックが、ポリオレフィン系プラスチックおよび/またはポリスチレン系プラスチックおよび/またはその他の系統のプラスチックであることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項14】
前記プラスチック製品は、家電、OA危機、電気電子部品からなる群から回収される、少なくとも1種であることを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック部材の製造方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法により製造されたプラスチック原料。
【請求項18】
ペレット状であることを特徴とする請求項17に記載のプラスチック原料。
【請求項19】
請求項16に記載の方法により製造されたプラスチック部材。
【請求項20】
特定家庭用機器再商品化法の対象品目のいずれかに用いられることを特徴とする請求項19に記載のプラスチック部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック廃材の再資源化方法に関する。また本発明は、上記プラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法およびプラスチック部材の製造方法に関する。また、本発明は、上記製造方法によって得られるプラスチック原料およびプラスチック部材にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書においては、「エアコン」と呼称する。)、テレビジョン受信機(本明細書においては、「テレビ」と呼称する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄物の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行なわれる場合が多かった。
【0003】
しかし近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少してプラスチックからなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチックは、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
【0004】
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃棄物は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低くかつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチックからなる部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ルートではこのような廃棄物を再資源化しても採算がとれないため、対応が難しい状況になりつつある。そして、これらのプラスチックからなる部材は、原油などの、埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチックからなる部材を備えた部品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
【0005】
なお、本明細書においては、プラスチックからなる部材を「プラスチック部材」と呼称する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を「プラスチック製品」と呼称する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃棄物(廃材)を「プラスチック廃材」とも呼称する。
【0006】
ここで、前記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2002年1月現在においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目(以下、「家電4品目」と略記することがある)のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
【0007】
これらの家電製品をはじめとするプラスチック製品は、一般に複数のプラスチック部材を備えており、それらのプラスチック部材はプラスチックの材質が異なることも多く、異なる材質のプラスチックからなる複合部材であることも多い。
【0008】
なお、本明細書においては、材質が異なる複数のプラスチックの集合体を「混合プラスチック」と呼称する。また本明細書においては、混合プラスチックからなる部材または異なる材質のプラスチックからなる複合部材を「混合プラスチック部材」とも呼称する。また本明細書においては、混合プラスチック製品の廃棄物を「混合プラスチック廃材」とも呼称する。
【0009】
このような混合プラスチック廃材を再資源化するべく、各方面で技術開発が進められている。たとえば、家電4品目の混合プラスチック廃材を手解体することで金属部材や大型のプラスチック部材を回収後、破砕し、破砕片を振動篩で分級することで大型の破砕片を除去し、さらに風力を用いて発泡体と金属類を除去し、回収したプラスチック廃材を再資源化する技術が公知となっている。
【0010】
しかし、このような混合プラスチック廃材には被覆電線が含まれている場合があり、被覆電線の一部は手解体により回収することができないため、破砕片に含まれることがある。このような場合、被覆電線が振動篩の篩目に詰まってしまい、生産性と分級能が低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、プラスチック廃材を効率的かつ低コストで再資源化する方法の開発が強く望まれているにも関わらず、そのようなプラスチック廃材の再資源化方法は未だ公知となっていないのが現状である。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、プラスチック廃材の効率的かつ低コストな再資源化方法、当該方法を用いたプラスチック原料、プラスチック部材の製造方法、ならびに当該製造方法にて製造されたプラスチック原料、プラスチック部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記を解決するためには、被覆電線が詰まることなく大型の破砕片を除去するプラスチック廃材の再資源化方法を開発すればよいとの着想を得、そのような再資源化方法を開発すべく、多くの種類の分級方法について実験を行ない、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0014】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程を含むことを特徴とする。
【0015】
ここにおいて、前記プラスチック廃材は、プラスチック部材の破砕物またはプラスチック製品の破砕物であることが好ましい。当該破砕物は、10〜100mmのスクリーンサイズを有する破砕機で作成されたものであることが好ましい。
【0016】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラスチック廃材は、被覆電線を含むものであることが好ましい。
【0017】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて所望の構成物を回収する工程を含むことが好ましい。ここにおいて、前記風力選別を密閉循環式風力選別機を用いて行なうことが好ましい。また、前記ローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値が、前記風力選別機の被選別経路の最小径の0.1〜0.4倍サイズであることが好ましい。
【0018】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて、発泡体を選択的に除去し、さらに金属類を選択的に除去することが好ましい。ここにおいて、選択的に除去された金属類を再資源化することが、好ましい。
【0019】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程と、分級されたプラスチック廃材から、風力選別を用いて所望の構成物を回収する工程と、前記回収された構成物を微破砕する工程と、微破砕物を液体を用いて比重により選別する工程とを含むことが、好ましい。ここにおいて、前記微破砕物の粒径は5〜30mmであることが好ましい。また、前記比重による選別に用いられる液体は水であることが好ましい。
【0020】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において再資源化されるプラスチックは、ポリオレフィン系プラスチックおよび/またはポリスチレン系プラスチックおよび/またはその他の系統のプラスチックであることが好ましい。
【0021】
また、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法における前記プラスチック部材を備えた製品は、家電、OA危機、電気電子部品からなる群から回収される、少なくとも1種であることが、好ましい。
【0022】
本発明はまた、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック原料の製造方法も提供する。
【0023】
また本発明は、本発明のプラスチック原料の製造方法によって製造されたプラスチック原料についても提供する。本発明のプラスチック原料は、ペレット状であることが好ましい。
【0024】
さらに本発明は、上述した本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を用いたプラスチック部材の製造方法も提供する。
【0025】
また本発明は、本発明のプラスチック部材の製造方法によって製造されたプラスチック部材についても提供する。本発明のプラスチック部材は、特定家庭用機器再商品化法の対象品目のいずれかに用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、プラスチック廃材を、多くの手間をかけることなく、低コストで再資源化することができる。さらに本発明によれば、上述した効果を奏するプラスチック原料の製造方法、プラスチック部材の製造方法についても提供することができ、またこれらの製造方法によって製造されたプラスチック原料、プラスチック部材についても提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程(分級工程)を含むことを特徴とする。このような本発明のプラスチック廃材の再資源化方法によれば、プラスチック廃材に被覆電線が含まれている場合であっても、従来のように主に篩を用いて分級する場合とは異なり、篩目に被覆電線が詰まり、生産性が低下したり分級精度が低下してしまうことがなく、生産性や精度よく、かつ低コストで分級できる。このように本発明は、多くの手間をかけることなく、低コストでプラスチック廃材を再資源化できる、プラスチック廃材の再資源化方法を提供することができる。このような本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材として被覆電線を含むものについて特に好適に適用できるものである。
【0028】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法におけるプラスチック廃材は、プラスチック部材の破砕物またはプラスチック部材を備えた製品(プラスチック製品)の破砕物であることが好ましい。これらの破砕物(プラスチック系破砕物)をローラスクリーンを用いた分級に供することによって、大量に安定的に分級可能であり、また大型の破砕片を除去することによって次工程の風力選別機内での破砕片の詰まり発生を防止することができる、大型の破砕片に絡みついた被覆電線がプラスチック系破砕物に混入することを防止することができるというような利点があるためである。
【0029】
また、ローラスクリーンを用いた分級に供するプラスチック系破砕物は、10〜100mmのスクリーンサイズを有する破砕機で作成されたものであることが好ましい。破砕機のスクリーンサイズが10mm未満であると破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、また100mmを超えると、嵩比重が小さくなり以後の工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向があるためである。
【0030】
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて所望の構成物を回収する工程(風力選別工程)を含むことが好ましい。風力選別を行なうことによって、分級されたプラスチック廃材は、たとえば重量物、中量物および軽量物に選別される。軽量物には、ポリウレタン断熱材や発泡スチロールなどの発泡体、塵、粉塵、微粒子などが含まれる。また重量物には、金属類や被覆電線の他に、ゴム類、高比重プラスチック類などが含まれる。そして、中量物は高純度のプラスチック類である。当該工程では、これら重量物、中量物および軽量物のうち、所望する構成物を回収することができる。
【0031】
風力選別工程において用いられる風力選別の方式は特に制限されるものではなく、たとえばエアテーブル方式や円筒カラム方式、密閉循環式風力選別方式などの公知の方式を挙げることができる。中でも、粉塵などの微粒子を含んでいるものを効率よく、かつ作業環境を悪化させることなく選別できることから、密閉循環式風力選別方式が特に好適に適用可能である。
【0032】
また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法において、上述した風力選別工程を含む場合、分級に用いるローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値が、前記風力選別機の被選別経路の最小径の0.1〜0.4倍サイズであることが好ましい。ローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値が、風力選別機の被選別物経路の最小径の0.1倍サイズ未満である場合には、破砕に必要以上に時間を要するという傾向にあり、また除去される大型の破砕物の割合が増加し、生産性が低下してしまう虞がある。また、ローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値が、風力選別機の被選別物経路の最小径の0.4倍サイズより大きい場合には、風力選別機内に大型の破砕機が詰まり、生産性や選別能が低下してしまう虞がある。なお、ローラスクリーンのスクリーンサイズの最大値は、たとえば平行に並べられた複数本のシャフトに複数個ずつ、円盤状ないし多角形状のディスクをある間隔を設けて取り付けたとき、ディスク間に生じる間隙のうち最も大きな間隙の長辺の長さとして測定された値を指す。また、風力選別機の被選別経路の最小径は、たとえば密閉循環式風力選別機の場合、風力選別機の中心部にあるシロッコファンを回転させることで発生した気流は、設計された流路にしたがって風力選別機内を循環するが、その循環経路中、内壁面と外壁面の距離が最短となるときの距離として測定された値を指す。
【0033】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、前記分級されたプラスチック廃材から、風力選別にて、発泡体を選択的に除去し、さらに金属類を選択的に除去することが好ましい。上述したようにプラスチック廃材は、風力選別によって軽量物、中量物および重量物に選別されるが、このうち発泡体は軽量物に含まれ、金属類は重量物に含まれる。本発明においては、風力選別工程において、軽量物として発泡体を選択的に除去するとともに、重量物として金属類を選択的に除去して、高純度のプラスチック類である中量物を選別・回収することができる。なお、プラスチック廃材から選択的に除去された金属類についても、後述するように再資源化することが好ましい。
【0034】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、好ましくは、プラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程(分級工程)と、分級されたプラスチック廃材から、風力選別を用いて所望の構成物を回収する工程(風力選別工程)と、前記回収された構成物を微破砕する工程(微破砕工程)と、微破砕物を液体を用いて比重により選別する工程(湿式比重分離工程)とを含むように実現される。上述した分級工程および風力選別工程に加え、さらに微破砕工程および湿式比重分離工程を含むことで、複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材から、液体より比重の小さいないし大きいプラスチック廃材を選択的に回収することが可能となり、こうして選択的に回収したプラスチック廃材はマテリアルリサイクルなどのより高品位なリサイクルに処することができるため、環境負荷を低減し得るという利点がある。
【0035】
微破砕工程は、上述した風力選別工程で得られた、高純度のプラスチック類からなる中量物を微破砕する工程である。このような微破砕工程を含む場合、微破砕後の中量物(微破砕物)の粒径が好ましくは5〜30mmの範囲内(より好ましくは5〜20mm)となるように微破砕を行なう。微破砕物の粒径が5mm未満である場合には、微破砕物をマテリアルリサイクルする際、押出機で過度に加熱され、微破砕物が劣化してしまうという傾向にあり、また、微破砕物の粒径が30mmを超える場合には、押出機内で十分に加熱溶融できないという傾向にあるためである。
【0036】
湿式比重分離工程は、上述した微破砕物で得られた微破砕物を液体中に浸漬し、プラスチックの各比重によって、微破砕物中に含まれる複数種のプラスチックを分離し回収する工程である。このような湿式比重分離工程に用いられる液体としては、後述するように水を用いることが好ましい。
【0037】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法が対象とするプラスチック廃材は、特に制限されるものではないが、家電、OA機器、電気電子部品からなる群から回収されるプラスチック廃材であることが好ましい。
【0038】
ここで、使用済み製品として廃棄されたエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機(家電4品目)から回収されたプラスチック系破砕物のプラスチックの系統別の構成比の代表的な一例について、表1を用いて説明する。表1には、家電4品目から回収されたプラスチック部材に用いられるプラスチックの系統別の構成比の代表的な一例を示す。
【0039】
【表1】


【0040】
表1から明らかなように、家電4品目から回収されたプラスチック部材において、ポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチックの占める割合は、一般的に60質量%を超えることが分かる。
【0041】
よって、家電4品目のプラスチック部材のうち、少なくともポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチックからなるプラスチック部材をマテリアルリサイクルすることができれば、家電4品目のプラスチック部材の再資源化率は60%を超えるといえる。
【0042】
ここで、図1は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の前半部分の好ましい一例を示すフローチャートである。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程を少なくとも含むならば、その他の各工程については特に制限されるものではないが、その前半部分が図1に示すような各工程を含むように実現されることが好ましい。以下、家電4品目から回収されたプラスチック廃材を再資源化する場合を例に挙げて、図1に示す例について本発明の再資源化方法を説明する。
【0043】
図1に示す例においては、まず、家庭などから廃棄された使用済みの家電4品目を回収する(ステップ101)。そして、該家電4品目の廃棄物を、従来公知の適宜の手法にて解体(手解体)して、コンプレッサ、熱交換器などの大型の金属部材、または洗濯機の水槽や冷蔵庫の野菜ケースなどのプラスチック部材を部品ごとに回収する(ステップ102)。
【0044】
続く工程において、プラスチック部材や大型金属部材などが取り出された廃棄物の残りの部材を粗破砕する(ステップ103a)。粗破砕の方法としては従来公知の適宜の方法を採ることができ、たとえば衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などの大型破砕機を用いた方法が挙げられる。ステップ103aにおける破砕機のスクリーンサイズは、特に制限されるものではないが、上述したように10mm〜100mmであることが好ましい。具体的にはスクリーンサイズが50mm程度の破砕機を用いることが特に好ましい。
【0045】
なお、ステップ102において、プラスチック廃材からプラスチック部材を取り出している場合には、当該部材を別途、またはプラスチック部材や大型金属部材などが取り出されたプラスチック廃材の残りの部材と一緒に粗破砕することが好ましい(図1に示す例において、別途破砕する場合はステップ103b、プラスチック廃材の残りの部材と一緒に粗破砕する場合はステップ103a)。
【0046】
続いて、該家電4品目の廃棄物の粗破砕物を、金属選別機で鉄、銅、アルミニウムなどで形成された金属系破砕物とプラスチック系破砕物とに選別する(ステップ104)。ステップ104において、金属系破砕物のうち鉄系金属の破砕物は、たとえば磁力を用いて選別することが好ましい。また、金属系破砕物のうちアルミニウム系金属の破砕物は、たとえば渦電流を用いて選別することが好ましい。
【0047】
なお、ステップ104の前または後に低嵩比重破砕物を選別除去する工程を設けてもよい(図示せず)。ここで、低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味し、たとえば、ポリウレタン系断熱材の破砕物や発泡スチロール系の破砕物などを挙げることができる。この工程を設けることにより、以後の工程の作業性が改善する。
【0048】
低嵩比重破砕物の選別除去は、従来公知の適宜の方法を採ることができ、たとえば、風力を用いた方法を挙げることができる。このように、低嵩比重破砕物を選別除去する工程を行ない、さらに、磁石を用いた金属系破砕物の選別除去および渦電流を用いた金属系破砕物の選別除去(ステップ104)を行なう場合には、その順序は特に制限されないが、選別の効率の観点からは、まず磁力により鉄系破砕物を選別除去し、次いで渦電流によりアルミニウム系や銅系の破砕物を選別除去し、最後に風力により低嵩比重破砕物を選別除去することが好ましい。以下の工程を経て、廃棄物から金属系破砕物が除去され、プラスチック部材の破砕物またはプラスチック製品の破砕物であるプラスチック系破砕物が選別回収される。
【0049】
続いて、プラスチック系破砕物をローラスクリーンを用いて分級する(ステップ105)。上述してきたように、このステップ105の分級工程を含むことが、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の重要な特徴である。このステップ105によって、プラスチック系破砕物のうち、大型の破砕物が、被覆電線の目詰まりを起こすことなく除去される。このように当該分級工程にて大型の破砕物を除去することで、続く風力選別工程(ステップ106)において風力選別機の内部にこのような大型の破砕物が詰まることを防止することができ、生産性および選別能が向上される。
【0050】
当該分級工程に用いられるローラスクリーンのスクリーンサイズは、プラスチック系破砕物の投入部に近いほど小さく、プラスチック系破砕物の投入部から遠いほど大きいことが好ましい。このようなスクリーンサイズを有するローラスクリーンを用いることによって、最初に粒径の小さな破砕物を回収することができるので、プラスチック系破砕物が積層することなく分級できるという利点がある。また、当該分級工程に用いられるローラスクリーンのスクリーンサイズは、上述したように風力選別工程(ステップ106)において用いられる風力選別機の被選別物経路の最小径の0.1〜0.4倍サイズであることが好ましい。このようなスクリーンサイズを有するローラスクリーンは、具体的には、OM式ロールスクリーンOMR2−4019(株式会社大原鉄工所製)を用いることで、好適に実現することができる。なお、当該分級工程で除去された大型の破砕物は、再度破砕することで適切なサイズに調整した後、続く風力選別工程に供するようにしてもよい。
【0051】
続く風力選別工程では、上記分級工程で分級されたプラスチック廃材(中型・小型のプラスチック系破砕物)を風力選別にかける(ステップ106)。風力選別の方式としては、上述したように密閉循環式風力選別方式を採用することが好ましい。このような方式を採用しており、かつ、その被選別物経路の最小径が分級工程で用いるローラスクリーンのスクリーンサイズと上述したような関係を有する風力選別機としては、具体的には、A−SM密閉循環式風力選別機L−750(日本専機株式会社製)を好適に用いることができる。
【0052】
上述したように、前記分級工程で分級されたプラスチック廃材は、当該風力選別工程にて、軽量物、中量物および重量物に選別される。このうち、金属類を含む重量物については、有価売却できる程度に金属比率が高くなる(具体的には、金属純度が20〜70%程度)ように、風力選別機の選別能を設定することが好ましい。また本発明のプラスチック廃材の再資源化方法においては、上述したように被覆電線の大半は風力選別工程にて重量物として除去されており、また前記分級工程において大型の破砕物に絡まった被覆電線を予め除去した後に風力選別工程を行なっているため、選別された高純度のプラスチック類からなる中量物は被覆電線に使用されている塩化ビニル類を殆ど含まない。したがって本発明においては、風力選別工程を経て得られた中量物について、好適にサーマルリサイクルを行なうことができる。
【0053】
本発明のプラスチック廃材の再資源化方法では、前記中量物をさらに精度よく選別し、プラスチックの系統ごとに分離回収することにより、マテリアルリサイクルを行なってもよい。この際、選別方法としては、上述した湿式比重分離工程を好ましく適用することができる。
【0054】
ここで、図2は、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の後半部分の好ましい一例を示すフローチャートである。本発明のプラスチック廃材の再資源化方法は、プラスチック廃材をローラスクリーンを用いて分級する工程を少なくとも含むならば、その他の各工程については特に制限されるものではないが、その後半部分が図1に示すような各工程を含むように実現されることが好ましい。
【0055】
図2に示す例では、まず、風力選別工程(ステップ106)で分離回収された中量物(プラスチック類)を微破砕する(ステップ201)。この微破砕工程は、たとえばせん断式破砕装置を用いて行なうことができる。微破砕工程では、上述したように成形機のシリンダ内で十分に溶融させ、均一混練させ得るよう、微破砕物が好ましくは10〜30mm、より好ましくは10〜20mの粒径を有するように微破砕を行なう。特に、微破砕物の粒径を10mm程度とすることが好ましい。この微破砕工程は、必要に応じて行なわれ、当該工程を省略して上述した風力選別工程(ステップ106)で得られた中量物を後述する湿式比重分離工程(ステップ202)に供するようにしてもよい。
【0056】
なお、本発明においては、手解体(ステップ102)により回収された水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの大型のプラスチック成形品を、上述したステップ103〜ステップ106のステップを経ることなく、そのまま微破砕工程(ステップ201)に供するようにしてもよい。
【0057】
次に、液体を用いて複数種のプラスチックを比重ごとに分離する湿式比重分離工程を行なう(ステップ202)。湿式比重分離工程には、上述した風力選別工程(ステップ106)で得られた中量物(微破砕工程(ステップ201)で微破砕された微破砕物であってもよい)が供される。湿式比重分離工程には、この中量物(場合によってはその微破砕物)のみを供するようにしてもよいし、必要に応じ、ステップ102で取り出され、ステップ103bにおいて別途粗破砕後、ステップ201にて微破砕された微破砕物も供するようにしてもよい。
【0058】
湿式比重分離工程では、具体的には、上記中量物(場合によってはその微破砕物)、別途微破砕された微破砕物を、容器内に収容された比重液に投入する。これによって、当該比重液よりも小さい比重を有するプラスチックについては比重液の液中または比重液の液面に浮かび、当該比重液よりも大きい比重を有するプラスチックについては容器の底の方に沈殿することになる。比重液よりも小さい比重を有するプラスチックは、たとえばメッシュ状のものを用いて比重液中からすくう、あるいは容器から比重液とともにオーバーフローさせた後に比重液と分離するなどの方法により回収することができる。このような湿式比重分離工程を経て、再生プラスチック原料を得ることができる。
【0059】
ここで、表2に主要な系統別のプラスチック組成物の比重の範囲の代表的な一例を示す。表2から明らかなように、ポリオレフィン系プラスチックの比重の範囲は一般的に、0.89〜0.91の範囲に含まれることが分かる。また、ポリスチレン系プラスチックの比重の範囲は一般的に1.04〜1.05の範囲に含まれることが分かる。
【0060】
【表2】


【0061】
したがって、一般的に、比重が1.01〜1.08の範囲にある比重液を用いることで、複数種のプラスチックが混在する混在物からポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチックを選択的に分離することができる。また、0.92〜1.00の範囲にある比重液を用いれば、ポリオレフィン系プラスチックとポリスチレン系プラスチックを分離することができる。
【0062】
比重が1.0未満の比重液としては、たとえばエタノールなどのアルコールを水で希釈し比重を調整した溶液を好適に用いることができる。また比重が1.0の比重液としてはたとえば水を好適に用いることができる。また、比重が1.0を超える比重液としては、たとえば塩化ナトリウムなどの塩類を水に溶解させて比重を調整した溶液を好適に用いることができる。上記中でも、比重調整の手間や比重液の廃液処理の際の便宜を考慮すると、比重液として水を用いることが好ましい。
【0063】
なお、湿式比重分離工程を行なうことによって、上述したポリオレフィン系プラスチックおよびポリスチレン系プラスチック以外の系統のプラスチック(その他の系統のプラスチック)を除去することができる。その他の系統のプラスチックとしては、たとえば、軟質塩化ビニル系プラスチックやポリアセタール系プラスチックが挙げられる。上記表2に示されているように、たとえば軟質ビニル系プラスチックについては、比重は一般的に1.16〜1.35g/cm3の範囲に含まれ、比較的高い値である。このように湿式比重分離工程を含むことによって、ポリオレフィン系プラスチックおよび/またはポリスチレン系プラスチックおよび/またはその他の系統のプラスチックについて、再資源化を行なうことができる。
【0064】
続く洗浄工程では、上記湿式比重分離工程で分離された各プラスチックの微破砕物を洗浄する(ステップ203)。当該洗浄工程によって、上記微破砕物に付着している、たとえば埃、洗剤カスのような異物を除去することができる。洗浄の方法としては、従来公知の適宜の方法を採ることができ、たとえば翼型ロータ・脱水スクリーン式洗浄脱水乾燥機などを用いた湿式水洗浄法などが挙げられる。なお、この洗浄工程は、必要に応じて行なわれ、省略することも可能である。
【0065】
続く混合工程では、各プラスチックの微破砕物に、必要に応じて各種添加剤を添加し、均一に混合する(ステップ204)。なお、必要に応じて、微破砕物と同じ系統のプラスチックを添加し、均一に混合してもよい。この場合、各種添加剤および微破砕物と同じ系統のプラスチックの添加順序に特に制限はない。このように、必要に応じて各種添加剤や、微破砕物と同じ系統のプラスチックを添加し、混合することで、高品位のプラスチック、特に高い要求特性を必要とする家電製品や事務用機器などのプラスチック部材の材料としても好適に用いることができるプラスチックを得ることができる。ここで、各プラスチックの微破砕物と、必要に応じて添加される添加剤や微破砕物と同じ系統のプラスチックとの混合は、これらが均一となるように行なうことが好ましい。このような混合は、タンブラー混合機などを用いた方法など従来公知の方法により行なうことができる。
【0066】
続いて、ステップ204で得られた混合物を加熱溶融し(ステップ205)、さらに必要に応じて成形し(ステップ206)、プラスチック原料を得る。ここで、加熱溶融時および成形時の加熱温度は、ステップ204で得られた混合物全体が溶融する最も低い温度がT℃である場合、T℃以上であることが好ましく、(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、(T+120)℃以下であることが好ましく、(T+60)℃以下であることがより好ましい。加熱溶融時および成形時の加熱温度がT℃未満の場合には、ステップ204で得られた混合物全体が十分に溶融しないために成形し難いという傾向にあるためであり、また、加熱溶融時および成形時の加熱温度が(T+120)℃を超えると、プラスチックが熱劣化してしまう傾向にあるためである。
【0067】
プラスチック原料の形状は特に制限されない。すなわち、たとえばプラスチック原料は、部材の形状に成形する工程で得られる前駆体としての形状であるペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などの形状であってもよい。中でもペレット状であることが特に好ましい。この場合、ペレットの粒径は特に制限されるものではないが、1mm以上であることが好ましく、特に2mm以上であることがより好ましい。また、ペレットの粒径は、8mm以下であることが好ましく、特に5mm以下であることがより好ましい。ペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下するという傾向があり、ペレットの粒径が8mmを超える場合には、成形機のシリンダ内で十分に溶融しないため均一混練されないという傾向がある。
【0068】
前駆体としての形状であるペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などの形状に成形する方法は、従来公知の方法を用いることができ、たとえば単軸押出成形機や多軸式押出成形機などの押出成形機を用いた方法を用いることができる。ペレット状に成形する場合、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどの方法を用いることができる。これらの方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑に行なえ、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
【0069】
さらに、プラスチック原料の形状は上記のような各形状のほか、加熱溶融した後、単に塊状としたものやそれを不定形に粉砕したようなものなど、特に成形工程(ステップ206)を経ていないものも含まれる。
【0070】
こうして製造したプラスチック原料を加熱溶融し(ステップ207)、成形する(ステップ208)。このようにして得られたプラスチック成形体は、各種製品のプラスチック部材として用いられ得るよう成形される。そのような製品としては、たとえば家電製品、OA機器(パーソナルコンピュータなどの情報機器やプリンタやコピー機などの事務機器を含む)、電気電子部品などを挙げることができ、家電製品としては、特定家庭用機器再商品化法の対象品目、たとえばエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などを挙げることができる。前駆体としての形状であるペレット状、シート状、フィルム状、パイプ状などの形状から、各種製品の部材として用いられる形状に成形する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、たとえばスクリュインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などの射出成形機を用いた方法を用いることができる。なお、プラスチック部材を製造するにあたっては、プラスチック原料を経由することなく(ステップ205〜207)、混合工程(ステップ204)の後、直接成形工程(ステップ206)を行なうようにしてもよい。
【0071】
なお、本発明は、上述したプラスチック原料およびプラスチック部材を製造する方法についても提供するものである。本発明のプラスチック原料の製造方法ならびにプラスチック部材の製造方法は、上述してきた本発明のプラスチック廃材の再資源化方法を好適に利用することができる。さらに、本発明は、これらの製造方法で製造されたプラスチック原料およびプラスチック部材についても提供する。
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
<実施例1>
図1に示した手順にしたがって、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機からなる群から選ばれる家電製品の廃棄物について、本発明の再資源化方法を行なった。
【0074】
まず、前記廃棄物を手解体した(ステップ102)後、通常の破砕機を用いて粗破砕し(ステップ103a)、得られた破砕物から通常の磁力を用いた選別機により金属系破砕物を選別した(ステップ104)。こうして金属系破砕物を除いた残りのプラスチック系破砕物を、スクリーンサイズが40〜45mmのローラスクリーン(OMR2−4019、株式会社大原鉄工所製)を用いて、分級した(ステップ105)。当該分級工程では、ローラスクリーンにプラスチック系破砕物が詰まることはなく、中型・小型の破砕物に大型の破砕物が混入することもほとんどなかった。このようにして大型の破砕物を除去したプラスチック系破砕物を、密閉循環式風力選別機(A−SM密閉循環式風力選別機L−750、日本専機株式会社製)に投入し、軽量物(発泡体など)、中量物(プラスチック類)、重量物(金属類など)に選別した(ステップ106)。表3に軽量物、中量物、重量物の物質構成の重量比を示す。
【0075】
【表3】


【0076】
表3より、重量物の金属純度は約35%であり、有価での売却が可能であった。また、中量物に含まれる塩化ビニルは重量比で0.15%であり、塩化ビニル中の塩素濃度は重量比で57%であり、塩素濃度が0.3%以下であればサーマルリサイクルできることから、サーマルリサイクルに適していた。
【0077】
<実施例2>
図2に示した手順にしたがって、実施例1で得られた中量物を、通常の破砕機を用いて粒径が10mm程度となるように微破砕し(ステップ201)、得られた微破砕物を比重液として水を用いた湿式比重分離工程(ステップ202)に供した。比重液の液面に浮上している微破砕物を回収し、洗浄(ステップ203)後、脱水・乾燥した後、相溶化剤を混合し(ステップ204)、スクリュー径45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で加熱溶融(ステップ205)後、成形して(ステップ206)、ペレット状のプラスチック原料を作成した(ステップ207)。
【0078】
次に、作成したペレット状のプラスチック原料を10トン射出成形機をホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件で成形し、プラスチック成形体を作成した(ステップ208)。作成した成形体の物性を測定し、バージン材料のポリプロピレンの物性と比較した結果を表4に示す。
【0079】
【表4】


【0080】
表4から分かるように、実施例2で得られたプラスチック成形体は、伸び特性は劣るものの、その他についてはバージン材料同等の物性が得られている。したがって、粘性がそれほど要求されないプラスチック部材であれば、特定家庭用機器再商品化法の対象品目へ用いることができる。
【0081】
<比較例>
ローラスクリーンを用いて分級するかわりに、通常の振動篩を用いて分級する以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。ローラスクリーンを用いて分級を行なった実施例1と比較した結果を表5に示す。
【0082】
【表5】


【0083】
表5から分かるように、比較例では、篩の目にプラスチック系破砕物の詰まりが発生してしまい、選別効率が低下した。また、比較例では、大型の破砕物に中型・小型の破砕物の混入が多く見られ、選別精度が低下していた。
【0084】
今回開示された実施の形態、実施例および比較例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の前半部分の好ましい一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明のプラスチック廃材の再資源化方法の後半部分の好ましい一例を示すフローチャートである。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−55845(P2008−55845A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−237974(P2006−237974)