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重合体ペレットの製造方法および重合体ペレット包装体の製造方法 - 特開2008−44183 | j-tokkyo
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【発明の名称】 重合体ペレットの製造方法および重合体ペレット包装体の製造方法
【発明者】 【氏名】小宮 幹

【氏名】加藤 憲之

【氏名】工藤 真佐樹

【要約】 【課題】粉体の付着量の点で安定したペレットを、効率よく製造できる重合体ペレットの製造方法、及び重合体ペレット包装体の製造方法を提供すること。

【構成】本発明に係る重合体ペレットの製造方法は、引っ張り弾性率が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引っ張り弾性率(ASTM D−638−03に記載の方法で測定される初期弾性率)が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I)と、
粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含むことを特徴とする重合体ペレットの製造方法。
【請求項2】
工程(I)が、引っ張り弾性率が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに25℃における動粘度が0.5〜100,000cstである液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)および液体(C)を付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程(I)であり、
工程(II)が、粉体(B)および液体(C)が付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程であることを特徴とする請求項1に記載の重合体ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記配管が、内表面の表面粗さが450nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の重合体ペレットの製造方法。
【請求項4】
前記液体(C)が、ポリエーテルポリオール、脂肪族炭化水素油、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルカン、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルケン、天然油、ナフテン油、パラフィン油、芳香族油、およびシリコーン油から選ばれる1つ以上であることを
特徴とする請求項2に記載の重合体ペレットの製造方法。
【請求項5】
引っ張り弾性率(ASTM D−638−03に記載の方法で測定される初期弾性率)が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I’)と、
粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II’)と、
移送された重合体ペレット(A2)を包装容器に充填する工程(III’)とを含むこと
を特徴とする重合体ペレット包装体の製造方法。
【請求項6】
工程(I’)が、引っ張り弾性率が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに25℃における動粘度が0.5〜100,000cstである液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)および液体(C)を付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程であり、
工程(II’)が、粉体(B)および液体(C)が付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程であり、
工程(III’)が、移送された重合体ペレット(A3)を包装容器に充填することを特
徴とする請求項5に記載の重合体ペレット包装体の製造方法。
【請求項7】
前記配管が、内表面の表面粗さが450nm以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の重合体ペレット包装体の製造方法。
【請求項8】
前記液体(C)が、ポリエーテルポリオール、脂肪族炭化水素油、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルカン、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルケン、天然油、ナフテ
ン油、パラフィン油、芳香族油、およびシリコーン油から選ばれる1つ以上であることを
特徴とする請求項6に記載の重合体ペレット包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体ペレットの製造方法および重合体ペレット包装体の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、内表面が研磨された配管を通して移送する重合体ペレットの製造方法および重合体ペレット包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムなどのオレフィン系共重合体ゴムは、通常ベール状などのブロック状の形態で市場に供給されている。
【0003】
しかしながら、このようなブロック状の形態のオレフィン系共重合体ゴムは、保管場所からの取り出しの煩雑さ、成形加工工程に用いる装置への供給、および輸送上の煩雑さなどの問題のほか、計量性が悪いといった問題があった。
【0004】
したがって、オレフィン系共重合体ゴムをペレットの形態で市場に供給できれば上記の問題は解消される。さらに、オレフィン系共重合体ゴムと、充填剤、軟化剤、加硫剤などの通常使用される配合剤とを混練する際に、従来使用されていたバンバリーミキサーなどの生産効率が悪いミキサーを用いずに、ペレット状のオレフィン系共重合体ゴムと配合剤とを直接生産効率の良い押出機に供給して、配合ゴムが調製できるようになる。
【0005】
しかしながら、粘着性を有するオレフィン系共重合体ゴムは、ペレット状に成形しても、保管中にブロック状に凝結するという問題があった。
また、常温で比較的粘着性の少ないエチレン・α−オレフィン系共重合体エラストマーにおいても、荷重がかかった状態に保たれた場合や、夏場のように温度が高い環境下に置かれた場合には、ペレット同士が凝結する。
【0006】
これに対して、高級脂肪酸および/またはその塩をゴムペレットに付着させて、ゴムペレットの取り扱いを向上させる試みがされている(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開昭56−136347号公報
【特許文献2】特公平4−1011号公報
【特許文献3】国際公開2002−085979号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、粉体が付着したペレットを工業的に製造するにあたり、ペレットが得られた時刻によって、粉体の付着量に差がある場合があることがわかった。粉体の付着量が少ないペレットをなくし、いずれのペレットにも充分な量の粉体を付着させるためには、より多くの粉体を用いなければならないこともわかった。また、粉体は塊となって配管の内壁に付着する。このため、配管の内壁を清掃するために生産を止める必要があることも分かってきた。さらに、製造されたペレットの包装体中に粉体が例えば塊となって混入することもわかってきた。
【0008】
したがって、本発明の目的は、粉体の付着量の点で安定したペレットを、効率よく製造できる重合体ペレットの製造方法、及び重合体ペレット包装体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、粉体が表面に付着した重合体ペレットを製造するにあたり、粉体などと重合体ペレットとを接触させた後、移送する際に、内表面が研磨された配管を用いて移送すれば、粉体の付着量の点で安定したペレットを製造でき、かつ製造効率にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る重合体ペレットの製造方法は、
引っ張り弾性率(ASTM D−638−03に記載の方法で測定される初期弾性率)が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、工程(I)が、引っ張り弾性率が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに25℃における動粘度が0.5〜100,000cstである液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)および液体(C)を付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程(I)であり、工程(II)が、粉体(B)および液体(C)が付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程であることが好ましい。
【0012】
上記配管は、内表面の表面粗さが450nm以下であることが好ましい。
上記液体(C)は、ポリエーテルポリオール、脂肪族炭化水素油、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルカン、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルケン、天然油、ナフテン油、パラフィン油、芳香族油、およびシリコーン油から選ばれる1つ以上であることが
好ましい。
【0013】
本発明に係る重合体ペレット包装体の製造方法は、
引っ張り弾性率(ASTM D−638−03に記載の方法で測定される初期弾性率)が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I’)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II’)と、移送された重合体ペレット(A2)を包装容器に充填する工程(III’)とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、工程(I’)が、引っ張り弾性率が100MPa以下である重合体(a)を含む重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに25℃における動粘度が0.5〜100,000cstである液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)および液体(C)を付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程であり、工程(II’)が、粉体(B)および液体(C)が付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程であり、工程(III’)が、移送された重合体ペレッ
ト(A3)を包装容器に充填することが好ましい。
【0015】
上記液体(C)は、ポリエーテルポリオール、脂肪族炭化水素油、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルカン、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルケン、天然油、ナフテン油、パラフィン油、芳香族油、およびシリコーン油から選ばれる1つ以上であることが
好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、耐ブロッキング性に優れた重合体ペレットを工業的に製造するにあたり、耐ブロッキング性の点からみて安定した品質で製造でき、かつ製造効率にも優れている、重合体ペレットの製造方法が提供される。また、上記重合体ペレットを容器に充填することにより、品質の安定した重合体ペレット包装体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について具体的に説明する。
<重合体ペレット(A1)>
本発明で用いられる重合体ペレット(A1)は、重合体(a)を含んでなる。
【0018】
重合体(a)は、引張弾性率(YM;ASTM D-638−03の方法で測定される初期弾
性率)が100MPa以下、より好ましくは0.1〜100MPa、さらに好ましくは0.1〜40MPaである。上記範囲にあれば、本発明の効果がより顕著である。また引張弾性率の特に好ましい下限値は1MPa以上である。なお引っ張り弾性率を測定するための試験片はプレス成形により得られ、成形温度は重合体が溶融して流動する温度以上であって、かつ280度以下の温度から選択される。
【0019】
上記重合体に使用される単量体に特に制限はなく、例えば炭素数2〜20のα−オレフィン、エチレンおよび任意のα-オレフィンが包含される。適当なモノマーとしては、例
えばエチレンおよび、3個以上、好ましくは3〜20個、より好ましくは3〜12個、さらに好ましくは3〜8個の炭素原子を含むα-オレフィンを包含する。特に適当なものは、エ
チレンまたは、プロピレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテン、ヘキセン-1およびオクテ
ン-1から選択される1種以上のα-オレフィンである。また1種以上のα−オレフィンと
共に、共役ポリエン、非共役ポリエン、環状オレフィン、極性基含有ビニル単量体を含んでいても良い。1種以上のα−オレフィン由来の構成単位を含み、これと共に、必要に応じて共役ポリエン、非共役ポリエン、環状オレフィン、極性基含有ビニル単量体のいずれかに由来の構成単位を含んでいてもよい重合体のことをα−オレフィン由来の構成単位を有する重合体と呼ぶことがある。また例えば芳香族ビニル化合物と、共役ポリエン、極性基含有ビニル化合物から選ばれる単量体との組み合わせであっても良い。
【0020】
上記重合体(a)としては、具体的には、エチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−i)、プロピレン由来の構成単位とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−ii)、エチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のαオレフィン由来の構成単位と、共役ポリエンおよび/又は非共役ポリエン由来の構成単位とを有する共重合体(a−iii)、エチレン由来の構成単位と酢酸ビニル由来の構成単位とを有する共重合体(a−iv)、芳香族ビニル化合物由来の構成単位と共役ジエン由来の構成単位とを有する共重合
ゴムおよびその水素化物(a−v)などが挙げられるがこれらに限られるものではない。これらの重合体は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いても、重合体(a)全体として前記引っ張り弾性率の範囲を満たしていればよい。上記重合体としては、α−オレフィン由来の構成単位を含む重合体が特に好ましい。
【0021】
以下、例示として挙げた重合体(a−i)〜(a−v)について説明する。
〔エチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−i)〕
本発明で用いられるエチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−i)(以下共重合体(a−i)と呼ぶことがある)は、例えばエチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)、または、エチレン・α−オレフィン共重合体(例えば共重合体(a−i−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフ
トした変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)であって、前記引っ張り弾性率(YM;ASTM D-638−03)が上記範囲にある。
【0022】
エチレンと共重合させる炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0023】
エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)は、エチレンから導かれる構成単位を50〜96モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を4〜50モル%の量(ここでエチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)で含有していることが望ましい。
【0024】
エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)の組成は、通常10mmφの試料管中で約200mgのエチレン・α−オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
【0025】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)は、密度(ASTM D 1505)が好ましくは0.850〜0.915g/cm3、より好ましくは0.850〜0.885g/cm3であって、さらに好ましくは0.850〜0.868g/cm3であることが望ましい。密度がこの範囲にあると、本発明によって得られるブロッキング抑制効果が顕著である。
【0026】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が好ましくは0.01〜200g/10分、より好ましくは0.1〜40g/10分の範囲内にあることが望ましい。
【0027】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)について、DSCで測定した融点(Tm)は特に制限はないが、DSCで測定した融点(Tm)が100℃以下であるかまたは融点が観測されないものが好ましく、DSCで測定した融点(Tm)が70℃以下であるかまたは融点が観測されないものがより好ましく、DSCにより融点が観測されないものが特に好ましい。融点(Tm)に関して上記性質を満たすと、本発明によって得られる抑制効果が顕著である。融点(Tm)は、DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度とする。融点が観測されないとは、−150〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。測定は、試料をアルミパンに詰め、(1)10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、(2)20℃/分で−150℃まで降温し、次いで(3)10℃/分で200℃まで昇温する際、(3)における吸熱曲線より求めた。
【0028】
エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
【0029】
上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造すること
ができる。
【0030】
また、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(例えばエチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、不飽和カルボン酸等と称する)をグラフトした重合体であって前記引っ張り弾性率の値を満足するものである。
【0031】
変性エチレン・α−オレフィン共重合体における不飽和カルボン酸等のグラフト量は、グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量%に対して、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0032】
上記不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸などが挙げられる。
【0033】
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、たとえば上記のような不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、エステル化合物などが挙げられる。具体的には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好ましい。
【0034】
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体(例えばエチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−a))にグラフトされる不飽和カルボン酸等のグラフト位置は、特に限定されことはなく、不飽和カルボン酸等は、エチレン・α−オレフィン共重合体の任意の炭素原子に結合していればよい。
【0035】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の不飽和カルボン酸等によるグラフト変性は、従来公知のグラフト重合方法を用いて行なうことができる。たとえば上記エチレン・α−オレフィン共重合体を溶融させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト重合を行なう方法、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を溶媒に溶解させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト重合を行なう方法がある。
【0036】
これらの方法において、ラジカル開始剤の存在下にグラフト重合を行なうと、上記不飽和カルボン酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト重合させることができる。この場合、ラジカル開始剤は、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、通常は0.001〜2重量部の量で用いられる。
【0037】
このようなラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが用いられる。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、
ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t-ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシド)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシド)ヘキサン、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルフェニルアセテート、t-ブチルペルイソブチレート、t-ブチルペル-sec-オクトエート、t-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、t-ブチルペルジエチルアセテート;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
【0038】
これらのうちでは、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ
)ヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0039】
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト重合反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト重合反応の反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
【0040】
このような共重合体(a−i)の引っ張り弾性率は、重合体(a)について述べたとおりであるが、0.1〜40MPa、好ましくは1〜40MPaである場合にはより効果が顕著である。
【0041】
〔プロピレン由来の構成単位とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−ii)〕
本発明で用いられるプロピレン由来の構成単位とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体(a−ii)(以下共重合体(a−ii)と呼ぶことがある)は、プロピレンとプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとを共重合させて得られるプロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)、または、プロピレン・α−オレフィン共重合体(例えば共重合体(a−ii−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−b)であって、前記引っ張り弾性率(YM;ASTM D-638−03)が上記範囲
にある。
【0042】
プロピレンと共重合させるプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0043】
プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)は、プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量(ここでプロピレン由来の構成単位とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする)で含有していることが望ましい。
【0044】
プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)の組成は、通常10mmφの 試
料管中で約200mgのプロピレン・α−オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
【0045】
本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)は、密度(ASTM D 1505)が好ましくは0.850〜0.905g/cm3、より好ましくは0.850〜0.885g/cm3であることが望ましい。また、プロピレン・α−オレフィン共重合
体(ii−a)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が好ましくは0.01〜400g/10分、より好ましくは0.01〜200g/10分、さらに好ましくは0.1〜70g/10分の範囲内にあることが望ましい。
【0046】
また、プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)について、DSCで測定した融点(Tm)は特に制限はないが、DSCで測定した融点(Tm)が100℃以下であるかまたは融点が観測されないものが好ましく、DSCで測定した融点(Tm)が70℃以下であるかまたは融点が観測されないものがより好ましく、DSCにより融点が観測されないものが特に好ましい。融点(Tm)に関して上記性質を満たすと、本発明によって得られるブロッキング抑制効果が顕著である。融点(Tm)は、DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度とする。融点が観測されないことの定義、およびDSC吸熱曲線の測定方法は(a−i−a)の場合と同じである。
【0047】
さらに、ポリプロピレンの立体規則性は、シンジオタクティック、アイソタクティック、アタクティックのいずれでもよい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)としては、具体的には、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1-オクテン共重合体などが挙げられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
【0048】
上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
【0049】
また、変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−b)は、プロピレン・α−オレフィン共重合体(例えばプロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、不飽和カルボン酸等と称する)をグラフトした重合体である。
【0050】
この変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等は、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等と同じ化合物である。
【0051】
変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(a−ii−b)における不飽和カルボン酸等のグラフト量は、グラフト変性前のプロピレン・α−オレフィン共重合体100重量%に対して、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0052】
なお、プロピレン・α−オレフィン共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸等のグラフト位置は、特に限定されことはなく、不飽和カルボン酸等は、プロピレン・α−オレフィン共重合体の任意の炭素原子に結合していればよい。
【0053】
上記プロピレン・α−オレフィン共重合体の不飽和カルボン酸等によるグラフト変性は、前記(i−b)の製造方法と同様にして行うことができる。
このような共重合体(a−ii)の引っ張り弾性率は、重合体(a)について述べたとおりであるが、0.1〜40MPaである場合が好ましく、0.1〜20MPaであることが更に好ましく、特に0.1〜10MPaであることが好ましく、中でも1〜10MPaであることが好ましい。この範囲にある場合にはより本発明の効果が顕著である。
【0054】
〔エチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のαオレフィン由来の構成単位と、共役ポリエンおよび/又は非共役ポリエン由来の構成単位とを有する共重合体(a−iii)〕
本発明で用いられるエチレン由来の構成単位と炭素数3〜20のαオレフィン由来の構成単位と、共役ポリエンおよび/又は非共役ポリエン由来の構成単位とを有する共重合体(a−iii)(以下共重合体(a−iii)と呼ぶことがある)は、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα−オレフィンと、共役ジエン単量体および/または非共役ポリエン単量体とをランダム共重合させて得られる共重合体(a−iii−a)、または、エチレンと、炭素
原子数3〜20のα−オレフィンと、共役ジエン単量体および/または非共役ポリエン単量体とをランダム共重合させて得られる共重合体(例えば共重合体(a−iii−a))に
不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした共重合体(a−iii−b)(以下変性
共重合体(a−iii−b)と呼ぶことがある)であって、引っ張り弾性率(YM;ASTM
D-638−03)が上記範囲にある。
【0055】
上記α−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜20の範囲にあれば特に限定されず、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
このようなα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。これら中でも、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンが好ましく用いられる。
【0056】
これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上み合わせて用いることができる。
上記共役ジエン単量体は、下記の式で表わされる。
【0057】
【化1】


【0058】
上記式において、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数が1〜8のアルキル基あるいはアリール基であり、R1とR2の少なくとも一方は水素原子である。
このような共役ジエン単量体としては、具体的には、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエン、1,3-オクタジエン、1-フェニル-1,3- ブタジエン、1-フェニル-2,4- ペンタジエン、イソプレン、2-エチル-1,3- ブタジエン、2-プロピル-1,3- ブタジエン、2-ブチル-1,3- ブタジエン、2-ペンチル-1,3- ブタジエン、2-ヘキシル-1,3- ブタジエン、2-ヘプチル-1,3-ブタジエン、2-オクチル-1,3- ブタジエン、2-フェニル-1,3- ブタジエン等が挙げられる。これらのうちでは、1,3-ブタジエン、イソ
プレンが共重合性に優れる点で特に好ましい。共役ジエン単量体は、単独であるいは2種以上み合わせて用いることができる。
【0059】
また、上記非共役ポリエン単量体としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、4,8-ジメチル-1,4,9-デカトリエン、4,9-ジメチル-1,4,9-デカトリエン、5,8-ジメチル-1,4,9-デカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,9-デカトリ
エン、5-ビニル-1,6-オクタジエンなどが挙げられる。好ましい非共役ポリエン単量体と
しては、脂肪族ポリエン化合物が挙げられる。
【0060】
共重合体(a−iii−a)は、エチレンから導かれる構成単位と、炭素原子数が3〜2
0のα−オレフィンから導かれる構成単位と、(非)共役ポリエン単量体から導かれる構
成単位とが、それぞれランダムに配列して結合し、(非)共役ポリエン単量体に起因する2重結合構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
【0061】
この共重合体(a−iii−a)が実質的に線状構造を有しており実質的にゲル状架橋重
合体を含有しないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、該共重合体が135℃のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0062】
本発明で用いられる共重合体(a−iii−a)は、エチレンから導かれる構成単位と、
炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位とのモル比(エチレン/α−オレフィン)が好ましくは99/1〜40/60、より好ましくは95/5〜50/50、さらに好ましくは90/10〜55/45の範囲にある。また、エチレンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位と共役ジエンおよび/または非共役ポリエンから導かれる構成単位との合計を100モル%とした場合に、共役ジエンと非共役ポリエンから導かれる構成単位の合計が好ましくは0.1〜30モル%、より好ましくは0.2〜20モル%である。
【0063】
本発明で用いられる共重合体(a−iii−a)は、密度(ASTM D 1505)が好ましくは0.855〜0.880g/cm3、より好ましくは0.855〜0.875g/cm3であって、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が好ましくは1〜150、より好ましくは5〜130の範囲内にあることが望ましい。
【0064】
共重合体(a−iii−a)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が通常0
.1〜10dl/g、好ましくは1.0〜7.0dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]は、不飽和性オレフィン系共重合体(iii)の分子量の尺度である。
【0065】
また、共重合体(a−iii−a)について、DSCで測定した融点(Tm)は特に制限
はないが、DSCで測定した融点(Tm)は100℃以下であるかまたは融点が観測されないものが好ましく、DSCで測定した融点(Tm)が70℃以下であるかまたは融点が観測されないものがより好ましく、DSCにより融点が観測されないものが特に好ましい。融点(Tm)に関して上記性質を満たすと、本発明によって得られるブロッキング抑制効果が顕著である。融点(Tm)は、DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度とする。融点が観測されないことの定義およびDSC吸熱曲線の測定方法は、(a−i−a)の場合と同じである。
【0066】
また共重合体(a−iii−a)は、ヨウ素価が通常1〜50、好ましくは3〜50、よ
り好ましくは5〜40の範囲にあることが望ましい。
本発明では、共重合体(a−iii−a)は、各構成単位のモル比、極限粘度[η]およ
びヨウ素価のうち、少なくとも1つが上記範囲内にあることが好ましく、2つ以上が上記範囲内にあることがより好ましく、各構成単位のモル比、極限粘度[η]およびヨウ素価のすべてが上記範囲内にあることが特に好ましい。
【0067】
さらに、GPCにより測定したMw/Mnの値は、3以下であることが好ましい。
共重合体(a−iii−a)のMw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
【0068】
本発明で用いられる共重合体(a−iii−a)は、いわゆる油展ゴム、すなわち従来公
知の鉱物油系軟化剤等の軟化剤を油展したゴムであってもよい。
本発明で用いられる共重合体(a−iii−a)としては、具体的には、エチレン・プロ
ピレン・1,3-ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体、エチレ
ン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム等のEPDM、油展エチレン・プロピレン・1,3-ブタジエン共重合体、油展エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体、油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム等の油展EPDMなどが挙げられる。
【0069】
上記のような共重合体(a−iii−a)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレ
フィンと上記一般式で表わされる共役ジエン単量体および/または非共役ポリエンとを、従来公知のバナジウム系またはメタロセン系触媒の存在下に共重合、好ましくはランダム共重合させて得られる。
【0070】
本発明で用いられる共重合体(a−iii−a)の製造方法およびその製造方法で用いら
れるメタロセン系触媒の詳細は、特開平11−228743号公報に記載されている。
また、変性共重合体(a−iii−b)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレ
フィンと、共役ジエン単量体および/または非共役ポリエン単量体とをランダム共重合させて得られる共重合体(例えば共重合体(a−iii−a))に不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体(以下、不飽和カルボン酸等と称する)をグラフトした重合体である。
【0071】
この変性共重合体(a−iii−b)を製造する際に用いられる不飽和カルボン酸等は、
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等と同じ化合物である。
【0072】
変性共重合体(a−iii−b)における不飽和カルボン酸等のグラフト量は、グラフト
変性前の不飽和性オレフィン系共重合体(iii−a)100重量%に対して、0.01〜
30重量%、好ましく0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0073】
なお、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、共役ジエン単量体および/または非共役ポリエン単量体とをランダム共重合させて得られる共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸等のグラフト位置は、特に限定されことはなく、不飽和カルボン酸等は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、共役ジエン単量体および/または非共役ポリエン単量体とをランダム共重合させて得られる共重合体の任意の炭素原子に結合していればよい。
【0074】
上記不飽和カルボン酸等によるグラフト変性は、前記(i−b)の製造方法と同様の方法にて製造することができる。
このような共重合体(a−iii)の引っ張り弾性率は、重合体(a)について述べたとおりであるが、0.1〜40MPaである好ましく、さらに1〜40MPaが好ましい。この場合にはより効果が顕著である。
【0075】
〔エチレン由来の構成単位と酢酸ビニル由来の構成単位とを有する共重合体(a−iv)〕
本発明で用いられるエチレン由来の構成単位と酢酸ビニル由来の構成単位とを有する共重合体(a−iv)(以下共重合体(a−iv)と言うことがある)は、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させて得られるエチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a)、または、エチレン・酢酸ビニル共重合体(例えば共重合体(a−iv−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−b)であって、引っ張り弾性率(YM;ASTM D-638−03に記載の方法により測定される初期弾
性率)が上記範囲にある。
【0076】
本発明で用いられるエチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a)は、酢酸ビニル含有
量が好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%の範囲にあることが望ましい。
【0077】
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a)は、DSCで測定した融点(Tm)が好ましくは100℃以下であるかまたは融点が観測されないものが好ましく、より好ましくは63℃以下であるかまたは融点が観測されないものである。融点(Tm)に関して上記性質を満たすと、本発明によって得られるブロッキング抑制効果が顕著である。融点(Tm)は、DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度とする。融点が観測されないことの定義、およびDSC吸熱曲線の測定方法は、(a−i−a)の場合と同じである。
【0078】
また、このエチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a)は、一般に、メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜30g/10分の範囲内にある。
【0079】
また、変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−b)は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a))に不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、不飽和カルボン酸等と称する)をグラフトした重合体である。
【0080】
この変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等は、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等と同じ化合物である。
【0081】
変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−b)における不飽和カルボン酸等のグラフト量は、グラフト変性前のエチレン・酢酸ビニル共重合体(例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(a−iv−a))100重量%に対して、0.01〜30重量%、好ましくは0.l〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
【0082】
なお、エチレン・酢酸ビニル共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸等のグラフト位置は、特に限定されことはなく、不飽和カルボン酸等は、エチレン・酢酸ビニル共重合体の任意の炭素原子に結合していればよい。
【0083】
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体の不飽和カルボン酸等によるグラフト変性は、前記(a−i−b)の製造方法と同様の方法により製造することができる。
このような共重合体(a−iv)の引っ張り弾性率は、重合体(a)について述べたとおりであるが、0.1〜40MPaである場合が好ましく、0.1〜20MPaであることがより好ましく、0.1〜10MPaであることがさらに好ましく、中でも1〜10MPaであることがより好ましい。引っ張り弾性率がこの範囲にある場合にはより効果が顕著である。
【0084】
〔芳香族ビニル化合物由来の構成単位と共役ジエン由来の構成単位とを有する共重合ゴム(ただし構成単位の一部または全部が水素化されていても良い)(a−v)〕
芳香族ビニル化合物由来の構成単位と共役ジエン由来の構成単位とを有する共重合ゴム(ただし構成単位の一部または全部が水素化されていても良い)(以下共重合ゴム(a−v)と呼ぶことがある)は、芳香族ビニル化合物(例えばスチレンが挙げられる。以下において同じ。)・ブタジエン共重合体ブロックセグメントからなる水添ジエン系重合体、ポリイソプレンブロックセグメントと芳香族ビニル化合物・イソプレン共重合体ブロックセグメントとからなる水添ジエン系重合体、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックとからなるブロック共重合体の水素添加物、および芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体の水素添加物(以下これらを総称して共重合体(a−v−a
)と呼ぶことがある)等の芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体またはその水素添加物であるか、または、
前記したような構成単位を有する共重合体(例えば共重合体(a−v−a))に不飽和
カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合ゴム及びその水素化物(a−v−b)(以下変性共重合体(a−v−b)と呼ぶことがあ
る)等の公知のものであって、引っ張り弾性率(YM;ASTM D-638−03に記載の方
法により測定される初期弾性率)が上記範囲にある。このような共重合体(a−v)は、
単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
また、芳香族ビニル化合物由来の構成単位と共役ジエン由来の構成単位とを有する共重合ゴム(ただし構成単位の一部または全部が水素化されていても良い)(a−v)は、ビ
カット軟化点(ASTM D1525)が110℃以下、より好ましくは63℃以下であ
るか、または、ビカット軟化点が観測されないものが望ましい。
【0086】
本発明で用いられる芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合ゴム及びその水素化物(a−v−a)(共重合体a−v−a)は、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン)含有量が
好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%の範囲にあることが望ましい。また、この共重合体(a−v−a)は、一般に、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が通常0.1〜200g/10分、好ましくは0.5〜70g/1
0分の範囲内にある。
【0087】
また、変性芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合ゴム及びその水素化物(a−v−b
)は、芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合ゴム及びその水素化物(例えば共重合体(a−v−a)に不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、不飽和カルボン酸等と称する
)をグラフトした重合体である。
【0088】
この芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合ゴム及びその水素化物(a−v−b)の製
造の際に用いられる不飽和カルボン酸等は、変性エチレン・α−オレフィン共重合体(a−i−b)の製造の際に用いられる不飽和カルボン酸等と同じ化合物であり、前記(a−i−b)の製造方法と同様の方法により製造することができる。
【0089】
このような共重合体(a−v)の引っ張り弾性率は、重合体(a)について述べたとおりであるが、0.1〜40MPaである場合が好ましく、0.1〜20MPaであることがより好ましく、0.1〜10MPaであることがさらに好ましく、中でも1〜10MPaであることがより好ましい。引っ張り弾性率がこの範囲にある場合にはより効果が顕著である。
【0090】
これらの重合体(a−i)〜(a−v)のうちで、本発明によって得られるブロッキング抑制効果が顕著であるため、2種以上の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位を含む共重合体が好ましく、具体的には、上記共重合体(a−i)および(a−ii)が特に好適に用いられ、共重合体(a−i)が特に好ましい。
【0091】
重合体ペレット(A1)は、上記のような重合体(a)を用いて公知の製造方法によって製造される。
重合体ペレット(A1)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0092】
本発明のペレットに含まれる重合体としては上記のように引っ張り弾性率(ASTM−D−638−03記載の方法により測定される初期弾性率)が100MPa以下の重合体
(a)のみであってもよい。また、引張弾性率(ASTM−D−638−03記載の方法により測定される初期弾性率)が重合体(a)の要件よりも大きい値を示す熱可塑性樹脂、好ましくは引っ張り弾性率が100MPaよりも大きく、より好ましくは150MPaよりも大きく、1700MPa以下である熱可塑性樹脂(x)を、ペレットに含まれる(a)+(x)の合計100重量%に対して35重量%以下、好ましくは30重量%以下、
より好ましくは20重量%以下の量ブレンドした組成物であっても良い。
【0093】
(x)としては、特に制限はないが例えばポリオレフィンを好ましく挙げることができる。ポリオレフィンとしては炭素数2〜20のαオレフィンの重合体または共重合体を挙げることができ、好ましくはエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体である。この場合(x)のDSCで測定した融点には特に限定はないが、融点が80℃以上、好ましくは81℃〜180℃、より好ましくは121℃〜170℃である。なお融点の測定は、前記した(a)成分の融点の測定と同じ方法で行うことができる。
【0094】
またペレットには、上記重合体(a)、任意成分である熱可塑性樹脂(x)以外に、必要に応じて結晶核剤、透明化剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防曇剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤、有機顔料、無機顔料等の通常用いられる添加剤を、通常の量添加することができる。特に添加量に制限はないが、例えば好ましくは重合体(a)、任意成分である熱可塑性樹脂(x)の合計100重量部に対し、10重量部以下、好ましくは5重量部以下、特に好ましくは1重量部以下である。添加剤を使用する際の下限は特に無いが、例えば0.0001重量部以上である。
【0095】
またさらに重合体(a)と任意に熱可塑性樹脂(x)および添加剤が含まれていても良いペレットについて、粉体や液体を付着させない状態でプレス成形して測定したときの引っ張り弾性率(ASTM−D−638−03記載の方法により測定される初期弾性率)YMは好ましくは100MPa以下、より好ましくは0.1〜100MPa、さらに好ましくは0.1〜40MPa、特に好ましくは0.1〜20MPa、とりわけ好ましくは0.1〜10MPaであり、引っ張り弾性率の下限は、1MPa以上であることが特に好ましい。
【0096】
また、重合体ペレットの長さと直径とのうち、大きいほうの値をL、小さい方の値をDとして、無作為に抽出した20粒のペレットについて得た平均値Laveが3.0mm〜10mmにあることが好ましく、無作為に抽出した20粒のペレットについて得た平均値Daveが2.0mm〜10mmの範囲にあることが好ましい。
【0097】
このLaveおよびDaveは具体的には以下のようにして求める。ペレットのうちから、無作為に20粒を取る。ペレット1粒をピンセットで軽く抑えてから、JIS B 7507
一級品ノギスにより、ペレットの長さおよび直径を、0.05mm単位で、ペレットが変形しないように測定し、小数点第1位までの数値となるように四捨五入する。
【0098】
例えばペレットを目視で観察し、ペレットが図2の上段に示すような楕円球の形であるか、これに近いと判断する場合は、該ペレットを楕円球とみなし以下のように測定する。(1)当該図のようなLと記載した矢印方向(楕円球の長径方向)において、寸法が最も大きくなるように測定箇所を選び、当該箇所の寸法を「長さ」とする。
(2)当該図のような方向(楕円球の長径方向)と垂直な断面において、寸法(直径)が最も大きくなるように測定箇所を選び、当該箇所の寸法を本発明でいう「直径」とする。なお、(2)で、本発明でいう「直径」を求めるにあたっては、長径方向に測定箇所をずらしたり、断面内で測定箇所をずらしたりすると、寸法の測定値が変わりうることを考慮し、最も寸法が大きい部分を探す。
【0099】
(1)で測定される値をL、(2)で測定される値をDとする。
またペレットを目視で観察し、ペレットが図2の下段に示すような円柱形であるか、これに近いと判断する場合は、該ペレットを円柱とみなし以下のように測定する。なお、円柱形かどうかについては、円柱の底面に相当する部分があるかどうかが一つの判断基準である。
(1)当該図のような高さ方向において、寸法が最も大きくなるように測定箇所を選び、当該箇所の寸法を「長さ」とする。
(2)当該図のような高さ方向と垂直な断面において、寸法(直径)が最も大きくなるように測定箇所を選び、当該箇所の寸法を本発明でいう「直径」とする。
なお、(2)で、本発明でいう「直径」を求めるにあたっては、高さ方向に測定箇所をずらしたり、断面内で測定箇所をずらしたりすると、寸法の測定値が変わりうることを考慮し、最も寸法が大きい部分を探す。
【0100】
(1)および(2)で測定される値のうち、大きい方を当該ペレットのL、小さい方を当該ペレットのDとする。
図2下段には、円柱形とみなせる典型的な2つの場合について、L、Dの測定箇所を示す。
【0101】
また、楕円球または円柱形とみなせないときは、一般に、1個のペレット表面の2点を、その間の直線距離が最も大きくなるようにとり、その直線距離を長さとする。この長さ方向に垂直な断面において、最も寸法が大きい部分を探し、その寸法を測定し、これを直径とする。この際にも、直径を求めるにあたっては、長径方向に測定箇所をずらしたり、断面内で測定箇所をずらしたりすると、寸法の測定値が変わりうることを考慮し、最も寸法が大きい部分を探す。
【0102】
この場合は、長さをLとし、直径をDとする。
なお、ペレットとしては、円形のダイ穴から押出され、製造されたものが好ましい。
20粒すべてについてLおよびDを測定した後、ペレット20粒について、Lの平均値LaveおよびDの平均値Daveをそれぞれ求める。
【0103】
<粉体(B)>
本発明で用いられる粉体(B)は、平均粒径が通常50μm以下、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜25μmの範囲内にある。平均粒径は、レーザー回折法により求めることができ例えば島津粒度分布測定器SALS-2000A型で測定可能である。
【0104】
本発明で好ましく用いられる粉体(B)は、具体的には、無機粉末、有機粉末、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体である。
無機粉末としては、具体的には、シリカ、シリカアルミナ、ケイ藻土、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ホウ素、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデンなどを挙げることができる。これらの無機粉末は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0105】
有機粉末としては、具体的には、(結晶性ポリオレフィンの粉末を挙げることが出来、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどを好ましく挙げることができる。これらの有機粉末は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0106】
本発明で好ましく用いられる脂肪酸は、通常、炭素原子数12〜30の飽和または不飽和の高級脂肪酸であり、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノレン酸、α- エレオステアリン酸、β-エレオステアリン酸、α-リノレン酸などが挙げられる。中でも、ステアリン酸が好ましい。
【0107】
また、本発明で好ましく用いられる脂肪酸誘導体としては、上記高級脂肪酸の塩、具体的には、上記高級脂肪酸の金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、鉄塩、リチウム塩などが挙げられる。中でも、ステアリン酸塩が好ましい。また、高級脂肪酸誘導体として、高級脂肪酸アマイド、エステル等も挙げられる。中でも、ステアリン酸、エルカ酸、オレイン酸、イタコン酸、モンタン酸のアマイド、エステルが好ましい。
【0108】
上記のような脂肪酸または脂肪酸誘導体は、単独で、あるいは2種以上組み合わせ混合物として用いることができる。
これらのうちでも、無機粉末、脂肪酸、脂肪酸誘導体が好ましく、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、雲母、脂肪酸、脂肪酸誘導体がより好ましく、タルク、脂肪酸金属塩がさらに好ましい。
【0109】
<液体(C)>
本発明で用いられる液体(C)は、25℃における動粘度(JIS K-2283)が0.5〜100,000cSt、好ましくは100〜5,000cSt、より好ましくは200〜1,000cStである。
【0110】
このような液体(C)としては、具体的には、ポリエーテルポリオール、脂肪族炭化水素油、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルカン、7〜18個の炭素原子を有し、任意的にOH、CO2Hまたはエステルで置換されているアルケン、天然油、ナフテン油、パラフィン油、芳香族油、およびシリコーン油から選ばれる1つ以上であることが好ましく、シリコーン油、炭素数2〜20のポリエーテルポリ
オール(エチレングリコールなど)、鉱油、炭素数7〜18のアルコールが特に好ましい。より好ましくはシリコーン油である。炭素数7〜18のアルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。シリコーン油としては、具体的には、下記式で表わされる繰り返し単位を有するポリシロキサン類などが挙げられる。
【0111】
【化2】


【0112】
上記式において、RおよびR’は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはこれらの基の水素原子がハロゲン原子等により置換された基を表わす。RとR’は、同じ基であってもよく、異なっていてもよい。また、R、R’の一部が水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよい。
【0113】
上記アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。
上記アリール基としては、具体的には、フェニル基、トリル基などが挙げられる。
【0114】
上記ハロゲン原子としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
【0115】
このようなポリシロキサン類のうち、特にジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。
本発明では、上記のような液体(C)を単独で、あるいは2種以上組み合わせ混合液として用いることができる。
【0116】
<重合体ペレットの製造方法>
本発明に係る重合体ペレットの製造方法は、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含む。
【0117】
また、本発明に係る重合体ペレットの製造方法の一態様(態様α)としては、液体(C)を用いずに、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2’)を得る工程(I)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2’)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含む。また、本発明に係る重合体ペレットの製造方法のより好ましい他の態様(態様β)としては、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)と液体(C)とを付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程(I)と、粉体(B)と液体(C)とが付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II)とを含む。
【0118】
〔工程(I)〕
まず重合体ペレット(A2)を製造する方法に特に制限はない。態様αの場合は、上記したような重合体ペレット(A1)を用いて以下のようにして重合体ペレット(A2’)が得られる。単に重合体ペレット(A1)と粉体(B)とを常温で、容器、ドラム等に入れて、かくはんする方法、粉体(B)を重合体ペレット(A1)に振りかける方法、粉体(B)の層の上で重合体ペレット(A1)を転がす方法などが挙げられ、以下の方法も挙げられる。例えば重合体ペレット(A1)に粉体(B)を衝撃コーティングすることによって製造できる。また、重合体ペレット(A1)と粉体(B)とを接触させる前、同時または後に、重合体ペレット(A1)を軟化させることによっても製造できる。軟化は、例えば熱空気による加熱、照射(UV、IR、可視光)、接触加熱、またはそれらの方法の組合せにより行うことができる。
【0119】
また態様βの場合も、上記したような重合体ペレット(A1)を用いて以下のようにして重合体ペレット(A3)が得られる。本発明に置いて用いられる重合体ペレット(A3)は、例えば、重合体ペレット(A1)を、有効量の液体(C)および粉体(B)と接触させることにより製造することができる。重合体ペレット(A1)と粉体(B)との接触は、液体(C)との接触前、接触後、または同時のいずれであっても良い。
【0120】
重合体ペレット(A3)は、好ましくは、重合体ペレット(A1)と、液体(C)とを
接触させ、次に、粉体(B)を、液体で覆われた重合体ペレット(A1)と接触させることにより製造することができる。また、液体(C)の一部を重合体ペレット(A1)と接触させ、ついで粉体(B)とを接触させ、さらに残りの液体(C)を、粉体(B)と液体(C)の一部が付着した前記重合体ペレット(A1)と接触させることで重合体ペレット(A3)を製造できる。接触の手段は、重合体ペレット(A)が粉体(B)で十分に覆われるようになる限り、特に制限はない。
【0121】
態様αおよびβにおいて、重合体ペレット(A1)と粉体(B)と、必要に応じて用いられる液体(C)とを接触させるにあたっては、ペレットを動かす任意の機械的手段、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー、パドルブレンダー、ヘンシェルミキサー、流動床操作等により行うことができる。また重合体ペレット(A1)と粉体(B)と必要に応じて用いられる液体(C)とを、それぞれ接触のための装置に連続的に供給し、連続的に重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)を当該装置から抜き出す連続法により製造しても良い。また重合体ペレット(A1)と粉体(B)と、必要に応じて用いられる液体(C)とを最初に一括供給し、接触終了後一括して全量を取り出すバッチ式の接触を行っても良い。本発明においては特に連続的に接触させることが生産性の点から好ましい。
【0122】
態様βにおいて、液体(C)と重合体ペレット(A1)との接触は、液体(C)が蒸発せず、固化せず、粘稠になりすぎないような、任意の温度で行うことができ、特に制限はないが例えば、0〜150℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜35℃である。
【0123】
また態様αおよびβにおいて、接触時間は、特に制限はないが0.01秒〜10時間であることが通常であり、好ましくは0.1秒から1時間である。
また、重合体ペレット(A1)の表面への粉体(B)の付着量は、重合体ペレット(A1)100重量部に対して、通常0.005重量部〜3重量部、好ましくは0.005重量部〜2重量部であることが望ましい。
【0124】
上記重合体ペレット(A1)の表面への液体(C)付着量は、重合体ペレット(A1)100重量部に対して、通常0.005重量部〜2重量部、好ましくは0.01重量部〜2重量部、より好ましくは0.01重量部〜1重量部、さらに好ましくは0.01重量部から0.5重量部であることが望ましい。
【0125】
重合体ペレット(A2)のうちでも、重合体ペレット(A2’)のように、粉体(B)は用いるが、液体(C)は用いないと言う場合(態様α)、粉体(B)は、重合体ペレット(A1)100重量部に対し、0.01重量部〜2重量部の量付着していることが特に好ましい。
【0126】
また重合体ペレット(A3)のように、粉体(B)と液体(C)とを用いる場合(態様β)、粉体(B)は、重合体ペレット(A1)100重量部に対し、0.01重量部〜0.5重量部の量付着していることがさらに好ましく、0,01〜0.3重量部の量付着していることが特に好ましい。液体(C)は、重合体ペレット(A1)100重量部に対し、0.01重量部〜0.5重量部の量付着していることがより好ましく、0.01〜0.03重量部の量付着していることが特に好ましい。この範囲であれば、品質の安定性、製造の安定性に特に優れる。
【0127】
〔工程(II)〕
重合体ペレット(A2’)または(A3)は、上記の工程(I)により製造された後、通常は例えばさらに容器に充填する工程、あるいは成形工程などの後工程を実施するため
、配管を通じて移送する工程(II)を経る。
【0128】
移送に際しては、例えば不活性ガス(空気、窒素)の流れにより搬送しても良いし、重力を利用しても良く、また、前方に搬送する能力を有するかくはん翼のようなもので移送しても良い。
【0129】
本発明では上記移送する工程(II)において、内表面が研磨された配管を通して移送することを特徴とする。使用する配管の材質としては特に制限はないが、ステンレススチールが好ましく用いられ、例えばSUS316,SUS316L、SUS310S、SUS304、SUS430等が挙げられ、特にSUS304等が好ましい。しかしこれらに制限されるものではない。
【0130】
内表面の研磨方法としては特に制限はなく、バフ研磨、浸漬電解研磨、電解複合研磨などの方法をあげることができる。また研磨面の粗さは特に制限はないが、例えば内面の算術平均粗さRaが450nm以下、好ましくは400nm以下であることが好ましい。以下に代表的な研磨方法と得られた内面の算術平均粗さ(Ra)とを例示する。
【0131】
未処理SUS管 Ra=約500nm
バフ#200仕上げ Ra=200〜400nm
バフ#400仕上げ Ra=20〜40nm
電解研磨 Ra=180〜220nm
鏡面研磨 Ra=10〜30nm
内面の算術平均粗さ(Ra)は、表面粗さ測定器を用い、JIS B 0601(1994年)に従い求めることができる。
【0132】
配管は、例えば重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)を製造する工程(I)と、後工程とを有する製造設備において、工程(I)から後工程に当該重合体ペレットを移送するために設けられる。工程(I)がペレットを動かす機械的手段、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー、パドルブレンダー、ヘンシェルミキサー、流動床で行われる場合は、重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)の当該機械的手段からの排出口から、後工程に至るまでの配管を、本発明で用いられる内表面が研磨された配管とすることができる。
【0133】
後工程としては特に制限はなく、例えば重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)を用いて成形する工程であってもよく、重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)を容器に充填する工程(III)であっても良い。
【0134】
容器への充填をする際には、従来から用いられる計量手段と充填手段とを備えた装置を用いても良く、計量手段と充填手段とを組み合わせても良い。
また、本発明では工程(I)から得られた重合体ペレットを内表面が研磨された配管を通じて移送する工程(II)を経ることが特徴である。しかし、さらにこれに加えて、移送工程(II)以外の箇所、例えば工程(I)に使用する装置、または後工程に使用する装置(例えば計量手段と充填手段とを備えた装置)であって、重合体ペレット(A2’)または重合体ペレット(A3)が通過する部分の内表面が研磨されていても差し支えない。
【0135】
図1は、本発明に係る重合体ペレットの製造方法に用いられる装置の一例である。以下、図1に基づいて本発明(態様αおよびβ)を具体的に説明する。この装置は、重合体ペレット(A1)を貯蔵するためのホッパー1、重合体ペレット(A1)を供給するためのロータリーバルブ10、粉体(B)を供給するための供給部2、必要に応じて液体(C)
を供給するための供給部3、ヘンシェルミキサー4、および重合体ペレット(A2’)または(A3)を移送するための内表面が研磨された配管5、および計量器8を備える。ホッパー1および供給部3は配管6を介してヘンシェルミキサー4に接合しており、重合体ペレット(A1)および液体(C)を配管6を介してヘンシェルミキサー4に供給し得るように構成されている。供給部2は配管7を介して、ヘンシェルミキサー4に接合しており、粉体(B)を配管7を介してヘンシェルミキサー4に供給し得るように構成されている。また、ヘンシェルミキサー4の底部には、内表面が研磨された配管5を介して計量器8が接合しており、重合体ペレット(A2’)または(A3)を配管5を介して計量器8に供給し得るように構成されている。
【0136】
まず、態様αの工程(I)では、重合体ペレット(A1)を、ホッパー1から配管6を介して、粉体(B)を供給部2を介して、それぞれヘンシェルミキサー4に供給する。これらは連続的に供給することが好ましい。ここで、重合体ペレット(A1)100重量部に対して、粉体(B)を、最終的に、例えば0.005〜3重量部付着するように調節して供給することが望ましい。
【0137】
ヘンシェルミキサー4内に供給された重合体ペレット(A1)および粉体(B)は、ここで、攪拌混合されて接触する。なお、両者の接触においては、他のミキサーを用いてもよいが、ヘンシェルミキサーが好適に用いられる。
【0138】
これにより、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)が付着された重合体ペレット(A2’)が得られる。この重合体ペレット(A2’)は耐ブロッキング性に優れている。
【0139】
また、重合体ペレット(A1)をホッパー1から配管6を介して、粉体(B)を供給部2から配管7を介して、それぞれヘンシェルミキサー4に供給するとともに、さらに、液体(C)を供給部3から配管6を介してヘンシェルミキサー4に供給してもよい(態様β)。これらは連続的に供給することが好ましい。ここで、粉体(B)および液体(C)は、最終的に、重合体ペレット(A1)に所望の量が付着するように調節して供給することが望ましい。
【0140】
ヘンシェルミキサー4内に供給された重合体ペレット(A1)および液体(C)、ならびに粉体(B)は、ここで、攪拌混合されて接触する。
これにより、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)および液体(C)が付着された重合体ペレット(A3)が得られる。この重合体ペレット(A3)は耐ブロッキング性に優れている。
【0141】
液体(C)の付着量は、例えばシリコンオイルの場合、予め検量線を作成した上で、蛍光X線でSiを検出することで定量化できる。粉体(B)の付着量は、タルクなどの無機化
合物の場合、600℃で有機物を焼くことで付着量を定量化できる。またステアリン酸カルシウムの場合、予め検量線を作成した上で、蛍光X線でCaを検出することで定量化で
きる。
【0142】
<重合体ペレット包装体の製造方法>
本発明に係る重合体ペレット包装体の製造方法は、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2)を得る工程(I’)と、粉体(B)が付着したペレット(A2)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II’)と、移送された重合体ペレット(A2)を包装容器に充填する工程(III’)とを含む。
【0143】
また、本発明に係る重合体ペレット包装体の製造方法の一態様(態様α’)としては、液体(C)を用いずに、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)を付着させた重合体ペレット(A2’)を得る工程(I’)と、粉体(B)が付着した重合体ペレット(A2’)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II’)と、移送された重合体ペレット(A2’)を包装容器に充填する工程(III’)とを含む。また、本発明に係る重合体ペレット包装体の製造方法のよ
り好ましい他の態様(態様β’)としては、重合体ペレット(A1)と、粉体(B)と、さらに液体(C)とを接触させ、重合体ペレット(A1)の表面に粉体(B)と液体(C)とを付着させた重合体ペレット(A3)を得る工程(I’)と、粉体(B)と液体(C)とが付着した重合体ペレット(A3)を内表面が研磨された配管を通して移送する工程(II’)と、移送された重合体ペレット(A3)を包装容器に充填する工程(III’)と
を含む。
【0144】
工程(I’)および工程(II’)については、重合体ペレットの製造方法で述べた工程(I)および工程(II)と同様である。
態様α’およびβ’において、工程(III’)では、移送された重合体ペレット(A2
’)または重合体ペレット(A3)を、計量器8で計量し、容器9に充填する。たとえば、計量器8で15〜1500kg、例えば15〜25kgずつ計量され、紙袋などの容器9に充填される。容器は、特に制限はないが、プラスチック容器、プラスチック袋、紙袋、ダンボール容器またはフレキシブルコンテナーであることが好ましい。
【0145】
このように、本発明において製造工程(I’)から取り出された重合体ペレットを容器に充填することにより、粉体の付着量の点で安定したペレットの包装体が得られる。またこの包装体の中には、塊の混入も極めて少ない。
【0146】
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0147】
《原料》
1.重合体(a−1)からなる重合体ペレット(A1−1);エチレン・1-ブテン共重合体
エチレン・1-ブテン共重合体の物性は以下の通りであった。
【0148】
エチレン含量82モル%、Tm46℃、MFR3.6g/10分、引っ張り弾性率FM5MPa。
ペレットの大きさは、Laveが4.3mm、Daveが2.7mmであった。ペレットは楕円球に近い形をしており、楕円球とみなした。
2.粘着防止剤(B−1);ステアリン酸カルシウム
ステアリン酸カルシウムは、平均粒径が4μmであった。
3.液体(C−1);シリコンオイル
シリコンオイル(東レダウコーニング社製SH200)は、25℃動粘度が500mm2/sであった。
【0149】
《装置》
図1で表される装置を用いた。実施例で用いた配管5は、内表面をバフ#200仕上げで研磨処理した。内面の算術平均粗さが400nm以下のSUS管であった。また、比較例で用いた配管は、研磨処理を行わない、内面の算術平均粗さが500nmのSUS管であった。
【0150】
《評価方法》
1.重合体(a−1)の引っ張り弾性率の測定方法
ASTM D638準拠で、以下のように行った。
【0151】
粉体(B)および液体(C)との接触をしていない重合体(a−1)65gを入れた2mmt
×19cm×19cm の金枠を190℃としたプレス成形機に入れ5分間、5MPaでプレスを行った。
この際にエアー抜きのために10回圧力を抜いた。次いで冷却水を循環させた冷却プレス成形機に移し、4分間、5MPaで冷却プレスを行った。得られたプレスシートを約4日間放置
し、ASTMIV号ダンベルを打抜き、50mm/分の速度でダンベルを引張り、得ら
れた応力/歪チャートから弾性率を求めた。
【0152】
2.液体(C)の粘度測定方法
JIS K2283に規定されるキャノン・フェンスケ型粘度管No.400を用いて25℃での動粘度
を測定した。
【0153】
3.配管の表面粗さの測定方法
株式会社ミツトヨ製小型表面粗さ測定機サーフテストSJ−301を用いて測定した。
4.粘着防止剤(B−1)の重合体ペレット(A1−1)の表面への付着量の測定方法
本明細書の発明を実施するための最良の形態に記載したとおりに行った。
【0154】
5.包装体の内容検査
充填した包装体が1000kgになるごとに(すなわち包装体を40個製造するごとに)、その中から1個の包装体を取り出して開封し、包装体内に粉体のかたまりがあるかどうかを目視で観察した。具体的には、上記開封した重合体ペレット包装体について、この中に、粉体の塊(5〜20mm×5〜20mm、厚さ1〜3mm)があるか否かを目視により観察した。またこの包装体からペレットをサンプリングして、粉体の付着量を測定した。
【0155】
上記1000kgごとに包装体を取り出して内容検査する操作を、内容検査により粉体の塊が検出される時点まで続けた。
[実施例1]
重合体ペレット(A1−1)をホッパー1から配管6を介して、タルクを供給部2から配管7を介して、それぞれヘンシェルミキサー4に供給するとともに、さらに、シリコンオイルを供給部3から配管6を介してヘンシェルミキサー4に供給した。ここで、重合体ペレット(A1−1)100重量部に対して、ステアリン酸カルシウムを0.15重量部の量で、シリコンオイルを0.02重量部の量で連続的に供給した。ヘンシェルミキサー4内に供給された重合体ペレット(A1−1)、ステアリン酸カルシウムおよびシリコンオイルは、ここで攪拌混合されて接触した。使用したヘンシュルミキサーは、容量150L、羽の回転数は130rpmであった。ヘンシェルミキサー上部からペレットを3000kg/hの速度でロータリーバルブにより連続してフィードし、ステアリン酸カルシウム及びシリコンオイルも規定量連続供給した。ヘンシェルミキサー内の滞留時間は0.5sec程度であった。これにより、重合体ペレット(A1−1)の表面にステアリン酸カルシウムおよびシリコンオイルを付着させた重合体ペレット(A3−1)を得た。
【0156】
ステアリン酸カルシウムおよびシリコンオイルが付着した重合体ペレット(A3−1)をヘンシェルミキサー4から、内表面が研磨された配管5を通して移送した。
移送された重合体ペレット(A3−1)を、計量器8で計量し、25kg収容可能な紙袋に充填した。
【0157】
包装体の内容の検査を行った。検査対象の袋ごとに、重合体ペレット(A1−1)の表
面へのステアリン酸カルシウムの付着量を調べたところ、その値は重合体ペレット(A1−1)に対して1300〜1700重量ppmの範囲内であった。このように、重合体ペレットに対する粉体の付着量は安定していた。シリコンオイルの付着量は、重合体ペレットの供給量とシリコンオイルの供給量から計算して、重合体ペレット(A1−1)に対して0.02重量部(200重量ppm)であった。
【0158】
包装体の内容の検査を行ったところ、運転開始から3〜4日後に粉体の塊が検出された。したがって、配管の清掃のインターバルは、3〜4日であった。
[比較例1]
5に使用する配管として、内表面を研磨していないSUS304配管を使用した以外は、実施例1と同様にして重合体ペレット(A3−2)を製造した。重合体ペレット(A1−1)の表面へのステアリン酸カルシウムの付着量は、重合体ペレット(A1−1)に対して1000〜2000重量ppmであった。このように、重合体ペレットに対する粉体の付着量は安定していなかった。シリコンオイルの付着量は、重合体ペレットの供給量とシリコンオイルの供給量から計算して、重合体ペレット(A1−1)に対して0.02重量部(200重量ppm)であった。
【0159】
実施例1と同様にして包装体の内容の検査を行ったところ、0.5〜1日後に粉体の固まりが検出された。したがって、配管の清掃のインターバルは、0.5〜1日であった。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】図1は、本発明を説明するための図である。
【図2】図2は、重合体ペレットの大きさの測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0161】
1: ホッパー
2: 供給部
3: 供給部
4: ヘンシェルミキサー
5: 表面が研磨された配管
6: 配管
7: 配管
8: 計量器
9: 容器
10: ロータリーバルブ
A1: 重合体ペレット(A1)
B: 粉体(B)
C: 液体(C)
【出願人】 【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次


【公開番号】 特開2008−44183(P2008−44183A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220684(P2006−220684)