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ゴム練り装置 - 特開2008−44162 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ゴム練り装置
【発明者】 【氏名】野島 廣

【要約】 【課題】本発明はゴム練り装置に関し、生ゴムに配合剤を加えて混合してもゴム焼けを起こさずにゴムに配合剤を均一に分散することができるゴム練り装置を提供する。

【構成】顆粒状の生ゴムと固体薬品を低温ミキサーにより混合する第1の混合工程と、第1の混合工程により得られたゴムに、さらに液体薬品を添加し、少なくとも常温になるまでの間で混合する過程を有する第2の混合工程とを含むことを特徴とするゴム練り装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状の生ゴムと固体薬品を低温ミキサーにより混合する第1の混合工程と、第1の混合工程により得られたゴムに、さらに液体薬品を添加し、少なくとも常温になるまでの間で混合する過程を有する第2の混合工程とを含むことを特徴とするゴム練り装置。
【請求項2】
低温ミキサーの設定温度は、−100〜−50℃である請求項1に記載のゴム練り装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はゴム練り装置に関し、生ゴムに配合剤を加えて混合してもゴム焼けを起こさずにゴムに配合剤を均一に分散することができるのに好適なゴム練り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゴム練り方法は、バンバリーミキサーを用いて、ローターでシェアを掛けながら練りを行い、数回のステップ(ノンプロ練り〜プロ練り)を繰り返し、ゴム材料を得ている。しかし、充分に練りを入れようとすると、しばしば、自己発熱により温度が上がりすぎてゴム焼けによりゴムの変質が起こる問題が生じる。逆に、ゴム焼けを生じないようにすると、練り不足から配合剤の分散不良が生じる等の問題が生じていた。
【0003】
このような問題を解消するために、原料ゴムを一旦、液体窒素により冷凍し、原料ゴムを顆粒状にしてから配合剤を混合する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、原料ゴムを冷凍粉砕しても、配合材料を混合させる際に温度制御することなく添加して練ると、ゴム焼けが生じ、配合剤の分散不良を引き起こす問題があった。
【特許文献1】特開2000−93774号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような問題に鑑み、本発明は、ゴム練り時の発熱を防止し、ゴム焼けや配合材料の分散不良のない、配合材料が均一に分散されたゴム材料を得ることのできるゴム練り装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 顆粒状の生ゴムと固体薬品を低温ミキサーにより混合する第1の混合工程と、第1の混合工程により得られたゴムに、さらに液体薬品を添加し、少なくとも常温になるまでの間で混合する過程を有する第2の混合工程とを含むことを特徴とするゴム練り装置である。
<2> 低温ミキサーの設定温度は、−100〜−50℃である<1>に記載のゴム練り装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ゴム練り時の発熱が少なく、焼けや配合材料の分散不良のない、配合材料がより均一に分散されたゴム材料を得ることのできるゴム練り装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のゴム練り装置は、顆粒状の生ゴムと固体薬品を低温ミキサーにより混合する第1の混合工程と、第1の混合工程により得られたゴムに、さらに液体薬品を添加し、少なくとも常温になるまでの間で混合する過程を有する第2の混合工程とを含む。以下、本発明を説明する。
【0008】
<生ゴム>
−生ゴムの種類−
本発明に用いられる生ゴムは、天然ゴム及び各種合成ゴムを用いることができる。具体的には、天然ゴムとしてはRSS#1〜#5等の天然ゴムを用いることができる。一方、合成ゴムとしては各種ジエン系合成ゴムやジエン系共重合体ゴム、特殊ゴム、変性ゴム等を用いることができ、具体的には、NR、BR、SBR、IIR、CL−IIR、Br−IIR等が挙げられる。
本発明には上記のいずれの生ゴムをも用いることができるが、本発明は低温練りを特徴とすることから、ゴム焼けし易いゴムが好ましく、スコーチタイムの短いゴムがより好ましい。
【0009】
−顆粒状の生ゴム−
本発明において顆粒状とは、生ゴムの粒径(直径)が1〜10mmの大きさのものをいう。1mmより小さいと粉体となることがあり、10mmより大きいと表面積が小さくなることがある。好ましくは1〜5mmであり、より好ましくは2〜3mmである。
生ゴムを顆粒状にすることにより、生ゴムと固体薬品とを混合しやすくなる。
【0010】
顆粒状の生ゴムを得る方法としては、生ゴムをゴム脆化温度以下に冷却し、冷凍粉砕する方法がある。具体的には、生ゴムを、冷凍装置に24時間放置した後、加圧プレスにより粉砕することによって得ることができる。冷凍装置の設定温度は−100〜−50℃が好ましく、−80〜−60℃がより好ましい。設定温度が−50℃以下であればゴムを脆弱にすることができる。
また、特開2003−207901号公報に記載されているように、冷媒として液体窒素を用いて粉砕温度を−30〜−50℃とし、固定刃2枚と回転刃3枚で構成されクリアランスが0.3〜0.5mmに設定されたカッターミルを用いて生ゴムを顆粒状にすることもできる。
【0011】
<固体薬品と液体薬品>
本発明に用いられる薬品(配合剤)には粉体等の固体薬品および液体薬品があり、目的とするゴム製品の性能、用途等、必要に応じて公知の薬品を用いることができる。公知の薬品であれば、いずれも好適に用いることができるが、固体薬品の場合は、粉状または粒状であることが望ましい。
【0012】
本発明に用いられる固体薬品は、例えば、カーボン、硫黄、酸化亜鉛を挙げることができる。一方、本発明に用いられる液体薬品は、例えば、軟化剤、老化防止剤を挙げることができる。
【0013】
<混合方法>
−第1の混合工程−
第1の混合工程は、顆粒状の生ゴムと固体薬品を低温ミキサーにより混合させる工程を含む。
【0014】
−低温ミキサー−
本発明において、低温ミキサーとは設定温度を25℃以下として生ゴムと固体薬品を混合する混合装置をいう。設定温度の好ましい範囲は−100〜−50℃であり、より好ましい範囲は−80〜−60℃である。低温ミキサーは、低温庫と加圧プレスとミキサーとから構成される。
【0015】
生ゴムと固体薬品との混合比は、目的とするゴムにより異なるが、生ゴム100質量部に対し、固体薬品20〜80質量部が好ましい。より好ましくは30〜70質量部であり、特に好ましくは40〜60質量部である。20質量部より少ないと分散不良となる場合があり、80質量部より多いと塊りとなる場合がある。
【0016】
生ゴムと固体薬品との混合は、目的とするゴム製品により異なるが、ゴム組成物全体の色調差がなくなる状態まで行うことが好ましい。ゴム組成物全体の色調差がなくなることの確認は目視等により行うことができる。ゴム練りの最終工程でカレンダーロールにより混練りすることから目視で色調の均一性を判断すれば十分である。
【0017】
−第2の混合工程−
第2の混合工程は第1の混合工程により得たゴム(以下、第1混合ゴムという。)に液体薬品を添加し、少なくとも常温になるまでの間で混合する過程を有する。本工程における温度変化は、第1混合ゴムと液体薬品とを混合することによる自己発熱により自然に常温に達する場合または/及び、混合装置に温度設定をすることにより機械的に常温に上げる場合とを含む。ここで、常温とは10〜40℃の温度範囲をいう。
第1の混合工程は低温状態を維持するため、液体薬品との混合当初の第1混合ゴムはタックをあまり有さないが、第2の混合工程によってゴム組成物の温度が上がることにより、ゴムがタックを回復し、まとまりがでてくる。
【0018】
液体薬品と第1混合ゴムとの混合は、液体薬品を添加する際の混合装置の設定温度を0〜30℃にして行うことが好ましい。0℃以上であれば液体薬品の流動性が上がるため、第1混合ゴムに液体薬品の被膜を作り易くすることができる。30℃以下であれば第1混合ゴムのタックが低くいため、第1混合ゴムを塊りとなりにくくすることができる。
液体薬品を添加する際の混合装置の設定温度は、より好ましくは5〜25℃であり、特に好ましくは10〜20℃である。
【0019】
液体薬品の添加は、第1の混合工程において用いた混合装置に注入することにより行なう。液体薬品はシャワー方式により添加することが好ましい。シャワー方式で添加することにより液体薬品を万遍なく分散させることができる。
【0020】
第1混合ゴムと液体薬品との混合比は、目的とするゴムにより異なるが、第1混合ゴム100質量部に対し、液体薬品5〜20質量部が好ましい。より好ましくは5〜15質量部であり、特に好ましくは10〜15質量部である。5質量部より少ないと液体薬品が顆粒状の第1混合ゴム全体にいき渡らず、20質量部より多いと部分的に分離状態になることがある。
【0021】
液体薬品と第1混合ゴムとの混合は、目的とするゴム製品により異なるが、ゴム組成物の色調が均一になるまで行うことが好ましい。ゴム組成物の色調が均一になることの確認は目視により行うことができる。ゴム練りの最終工程でカレンダーロールにより混練りすることから目視で色調の均一性を判断すれば十分である。
【0022】
第2の混合工程により得られたゴム(以下、第2混合ゴムという。)はカレンダーロールにより練り上げられ、又はコールドチューバーで押し出されることにより、均一なゴム材料を得ることができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0024】
(実施例)
以下の例はエンジンマウント等に用いられる防震ゴム用のゴム配合の一例である。単位はPHR(Parts per Hundred parts of Rubber)である。
【0025】
生ゴム
RSS#4(JIS K6200) 100
固体薬品
FEFカーボンブラック(補強剤) 10〜70
酸化亜鉛(加硫促進助剤) 5
ステアリン酸(加工助剤) 3
MBTS(加工促進剤) 2
CBS(加工促進剤) 2
硫黄(加硫剤) 4
液体薬品
ナフテンオイル(軟化剤) 5
N−フェニル−N'−イソプロピル−P−フェニレンジアミン
(老化防止剤) 2
N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−P−フェニレンジアミン
(老化防止剤) 2
【0026】
まず、生ゴムを顆粒状に粉砕した。この粉砕は、冷凍粉砕法により行い、ベール状の生ゴムを冷凍した状態で粉砕することにより顆粒状にした。具体的には、冷媒として液体窒素を用いて粉砕温度を−30〜−50℃とし、固定刃2枚と回転刃3枚で構成されクリアランスが0.3〜0.5mmに設定されたカッターミルを用いて行った。生ゴムは、直径10mm以下の顆粒状となった。
【0027】
次いで、顆粒状の生ゴム及び固体薬品である各種配合剤を計量して設定量にし、生ゴム及び固体薬品を、ミキサーの設定温度を−60℃に設定して混合させた(第1の混合工程)。その後、液体薬品である各種配合剤を計量して設定量にし、第1混合ゴムに液体薬品を添加した。液体薬品添加の際におけるミキサーの設定温度は25℃として混合させた(第2の混合工程)。
【0028】
(比較例)
実施例と同じ生ゴム、薬品を同じ量用いて、従来の混練り方法により配合剤の混合を行った。具体的には、生ゴムをバンバリーミキサーを用いて、ローターでシェアを掛けながら練りを行い、数回のステップ(ノンプロ練り〜プロ練り)を繰り返した。
【0029】
−評価結果−
実施例により得た練りゴム(第2混合ゴム)について、練りゴムを1mmのシート状にしたものを目視で調べたところ、未分散薬品も加硫ゴム粒もないことから、薬品の分散性がよく、ゴム焼けが生じていないことがわかった。
一方、比較例により得た練りゴムについて、練りゴムを1mmのシート状にしたものを目視で調べたところ、未分散薬品と加硫ゴム粒の存在が認められたことから、薬品の分散不良、及びゴム焼けが生じていることがわかった。
【0030】
以上より明らかなように、従来法によるゴム練り方法では薬品の分散性が悪く、ゴム焼けが生じているのに対し、本発明により得た練りゴムは薬品の分散不良もゴム焼けも生じていないことがわかった。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−44162(P2008−44162A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220214(P2006−220214)