Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
ワイヤソー - 特開2008−183806 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B28 セメント,粘土,または石材の加工

【発明の名称】 ワイヤソー
【発明者】 【氏名】西依 友之

【氏名】岩井 利光

【氏名】濱崎 辰己

【氏名】大矢 純

【氏名】和泉 真澄

【氏名】越智 秋雄

【要約】 【課題】ワイヤの断線をより正確に検知する。

【解決手段】ワイヤソーは、複数のガイドローラ24A,24B,26A,26Bに巻回されたワイヤWにより形成されるワイヤ群を備え、このワイヤ群を駆動した状態で当該ワイヤ群に対してワーク28を切断送りすることによりウエハ状に切断する。このワイヤソーは、前記ワイヤ群に対向して配置され、磁界の変化に応じた電圧を出力する磁気センサ38と、このセンサ38から出力される電圧に基づきワイヤWの断線の有無を判定するコントローラとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガイドローラに巻回された磁性体からなるワイヤにより形成されるワイヤ群を備え、このワイヤ群をワイヤ軸方向に駆動した状態で当該ワイヤ群に対してワークを相対的に切断送りすることによりワークをウエハ状に切断するワイヤソーにおいて、
前記ワイヤ群に対向して配置され、磁界を形成しつつその磁界の変化に応じた出力を示す磁気センサと、
この磁気センサの前記出力に基づき前記ワイヤの断線の有無を判定する判定手段と、を備えていることを特徴とするワイヤソー。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤソーにおいて、
前記ガイドローラには各ワイヤをそれぞれ案内するガイド溝が形成され、
前記磁気センサは、前記ワイヤ群を挟んで前記ガイドローラに対向する位置に配設されていることを特徴とするワイヤソー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高速駆動されるワイヤ群に対して半導体インゴット等のワークを切断送りすることにより当該ワークをウエハ状に切断するワイヤソーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のガイドローラ間にワイヤが巻き掛けられることにより該ワイヤが多数本並んだ状態で張設され、このワイヤ群をその軸方向に高速駆動しながら、ワーク保持部に保持されたワークをワイヤの軸方向と直交する方向に、前記ワイヤ群に対して切断送りすることにより、ワークをウエハ状に多数枚同時に切り出すように構成されたワイヤソーが一般に知られている。
【0003】
この種のワイヤソーでは作業中にワイヤが断線する場合があり、ワークや装置の損傷防止のためにかかる断線を速やかに検知して装置を停止させる必要がある。そこで、従来では、例えばワイヤに電流を印加してその電流値の変動を監視し、あるいはワイヤ走行路近傍に接触式センサを設け、切断したワイヤとセンサとの衝突により断線を検知することが行われている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特許第3106294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ワークの切断作業は、ワイヤ群に対して水溶性のスラリを供給しながら進められるため、電流値を監視するものでは検出が困難となり、また、接触式のセンサを用いるものでは飛散したスラリがセンサに衝突して誤検知が生じる場合があるため、いずれも信頼性が高いものとは言えなかった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ワイヤの断線をより正確に検知することができるワイヤソーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願出願人は、ワイヤソーに使用されるワイヤが一般に磁性体(ピアノ線(鋼線))から構成されている点に着目した。すなわち、本発明は、複数のガイドローラに巻回されたワイヤにより形成される磁性体からなるワイヤ群を備え、このワイヤ群をワイヤ軸方向に駆動した状態で当該ワイヤ群に対してワークを相対的に切断送りすることによりワークをウエハ状に切断するワイヤソーにおいて、前記ワイヤ群に対向して配置され、磁界を形成しつつその磁界の変化に応じた出力を示す磁気センサと、この磁気センサからの出力に基づき前記ワイヤの断線の有無を判定する判定手段と、を備えているものである。
【0007】
この構成によると、磁界の変化に基づいてワイヤの断線を検出するため、スラリの影響を受けることなく断線検知を行うことが可能となる。つまり、正常時(ワイヤに断線が生じていないとき)には、ワイヤ群を構成するワイヤ(磁性体)が並列に揃った状態で駆動されているため、磁気センサにより形成される磁界に乱れがなく当該センサにより安定した出力が得られる。一方、ワイヤに断線が発生してワイヤの断線部分が振り回される等すると、前記磁界が乱れて磁気センサからの出力が大きく変動するため、この出力変動に基づきワイヤの断線を検知することが可能となる。
【0008】
なお、磁気センサの配置は、ワイヤ群に対向する位置であればよいが、前記ガイドローラに各ワイヤをそれぞれ案内するガイド溝が形成されているものでは、前記磁気センサは、前記ワイヤ群を挟んで前記ガイドローラに対向する位置に配設されているのが好適である。
【0009】
このようにガイド溝に沿って各ワイヤが安定的に走行している部分に磁気センサを配置するようにすれば、正常時の磁気センサからの出力が安定し易くなり、その分、ワイヤに断線が生じたときの出力変動が顕著となり、判定手段による判定の信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のワイヤソーによれば、スラリの影響を受けることなく断線検知を行うことが可能となるため、ワイヤの断線をより正確に検知することができるようになる。そのため、従来のこの種の装置に比して、ワイヤの断線を確実に、かつ速やかに検知して装置を停止させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るワイヤソーの全体構成を概略的に示している。この図に示すワイヤソーは、一対のワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10B、ガイドプーリ12A,12B、ガイドプーリ14A,14B、ガイドプーリ16A,16B、ワイヤ張力調節装置18A,18B、ガイドプーリ22A,22B、及び4つのガイドローラ24A,24B,26A,26Bを備えている。
【0013】
ガイドローラ24A,24Bは互いに同じ高さ位置に配され、ガイドローラ26A,26Bはそれぞれガイドローラ24A,24Bの下方の位置に配されており、ガイドローラ26Aが駆動モータ25によって回転駆動されるようになっている。
【0014】
各ワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10Bは、切断用のワイヤWが巻かれるボビン9A,9Bと、これを回転駆動するボビン駆動モータ11A,11Bと、を備えている。
【0015】
ワイヤWはピアノ線(鋼線)からなり、一方のワイヤ繰出し・巻取り装置10Aのボビン9Aから繰出されてガイドプーリ12A,14A,16A、ワイヤ張力調節装置18Aのプーリ20A、及びガイドプーリ22Aの順に掛けられ、さらにガイドローラ24A,24B,26B,26Aの外周面のガイド溝(図示省略)に嵌め込まれながらこれらガイドローラの外側に多数回螺旋状に巻回された(巻き掛けられた)後、ガイドプーリ22B、ワイヤ張力調節装置18Bのプーリ20B、ガイドプーリ16B,14B,12Bの順に掛けられ、他方のワイヤ繰出し・巻取り装置10Bのボビン9Bに巻き取られており、両ワイヤ張力調節装置18A,18BによってワイヤWに適当な張力が与えられている。また、ガイドローラ24A,24B,26B,26Aのうちの特定のガイドローラ(図例ではガイドローラ26A)の回転軸に、この回転軸を回転駆動するためのローラ駆動モータ25が連結されている。そして、駆動モータ25によるガイドローラ26Aの回転駆動方向と、各ボビン駆動モータ11A,11Bによるボビン9A,9Bの回転駆動方向が正逆に切換えられることにより、ワイヤWがボビン9Aから繰出されてボビン9Bに巻き取られる状態(前進駆動状態)と、ワイヤWがボビン9Bから繰出されてボビン9Aに巻き取られる状態(後退駆動状態)とにワイヤWの駆動方向が切換え可能となっている。
【0016】
すなわち、このワイヤソーにおいては、ガイドローラ24A,24Bの間に多数本のワイヤWが互いに平行な状態で張られたワイヤ群を形成しながら、これらワイヤ群がその軸方向に進退駆動可能となっており、後記コントローラによりワイヤ群の駆動が前進駆動と後退駆動とに一定期間毎に交互に切換えられながら作業が進められるようになっている。
【0017】
前記ガイドローラ24A,24B間に張られたワイヤWの上方には、円柱状のワーク(インゴット)28を移動させるワーク送り装置30が設けられている。このワーク送り装置30は、ワーク保持部32と、ワーク送りモータ34とを備えている。ワーク保持部32は、前記ワーク28をその結晶軸に基づいて目的の結晶方位が得られる向きに保持するものであり、ワーク送りモータ34は、図略のボールネジとの組み合わせにより、前記ワーク保持部32とワーク28とを一体に昇降させる(すなわち切断送りする)ものである。
【0018】
同図および図2に示すように、前記ガイドローラ24A,24B間に張られたワイヤ群のうちワーク28が切り込み送りされる領域の外側の位置であってワイヤ群の上方には、スラリ供給装置36A,36Bが設けられている。これらのスラリ供給装置36A,36Bは、高速駆動される各ワイヤWに対し、砥粒が混合された加工液(スラリ)を同時供給し、これをワイヤW表面に付着させるものである。
【0019】
従って、このワイヤソーでは、ガイドローラ24A,24B間に張られた多数本のワイヤWがその長手方向に同時高速駆動され、かつこれらのワイヤWにスラリ供給装置36A,36Bから加工液が供給されながら、これらのワイヤWに対してワーク28が下方に切断送りされることにより、このワーク28から一度に多数枚のウエハ(薄片)が同時に切
り出される。
【0020】
また、前記ガイドローラ24A,24B,26A,26Bのうち一のガイドローラ24Aの側方には磁気センサ38が配備されている。詳しくは、図2に示すように、ガイドローラ24Aに対向し、かつ同ローラ24Aに案内されるワイヤW(ワイヤ群)との間に所定隙間を隔てた位置に配置されている。
【0021】
この磁気センサ38は、図示を省略するが、磁界(磁気バイアス)を形成するための永久磁石と、その磁界の変化に応じた電圧を出力する磁気抵抗効果素子と、を備えたいわゆるMRセンサからなり、コントローラ40によりこの磁気センサ38の出力(電圧値)が監視されることにより、ワイヤWの断線が検知されるようになっている。
【0022】
コントローラ40は、CPU、RAM、ROM等を備え、ワイヤソーの駆動を統括的に制御するとともに、上記磁気センサ38の出力に基づきワイヤWの断線の有無を判定する。例えば、予め設定された基準値と検出値との差が一定値を超えたときにワイヤWに断線が有ると判定し、この場合には、ワイヤソーを停止させてオペレータに報知すべく、前記モータ11A,11B,25,34等を駆動制御するとともに図外の警報装置を駆動制御する。すなわち、当実施形態では、このコントローラ40が本発明の判定手段に相当する。なお、上記の基準値としては、例えばワイヤWが正常に駆動している時の磁気センサ38の出力値(一定時間の平均電圧値)を適用することができる。
【0023】
次に、上記ワイヤソーの作用効果について説明する。
【0024】
上記のワイヤソーによると、上記ボビン駆動モータ11A,11B等の駆動によりガイドローラ24A,24B間に張られた多数本のワイヤW(ワイヤ群)がその長手方向に高速で駆動されるとともに、このワイヤ群に対して前記スラリ供給装置36A,36Bからスラリが供給され、この状態で、ワーク送り装置30の作動によりワーク28がワイヤ群に対して切断送りされることにより、当該ワーク28から一度に多数枚のウエハ(薄片)が同時に切り出される。
【0025】
このようなワーク28の切断作業中、ガイドローラ24Aの部分ではそれぞれガイド溝に沿って各ワイヤWが案内されることにより各ワイヤW(磁性体)が揃った状態、つまりローラ軸方向に一定間隔でワイヤWが並び、かつ磁気センサ38と各ワイヤWの間隔が水平方向に一定に保たれた状態で駆動される。そのため、磁気センサ38により形成される前記磁界に乱れがなく、出力電圧が略一定に保たれる。
【0026】
これに対し、何らかの原因でワイヤWに断線が生じ、ワイヤ駆動に伴いワイヤの断線部分が振り回されると、これに伴い前記磁界が乱れで磁気センサからの出力電圧が大きく変動し、その結果、前記コントローラ40によりワイヤWの断線が検出されることとなる。
【0027】
なお、ワイヤWの断線が検出された場合には、コントローラ40により前記各モータ11A,11B,25,34等が停止制御されるとともに図外の警報装置が駆動され、これによってワイヤソーが停止するとともにオペレータへの報知が行われることとなる。
【0028】
以上のように、このワイヤソーでは、上記のようにワイヤWがピアノ線(鋼線)、つまり磁性体から構成されていることを利用し、磁気センサ38を用いてワイヤWの有無等に伴う磁界の変化を電圧値として監視することによりワイヤWの断線を検知するようにしているので、スラリの影響を受けることなくワイヤWの断線検知を確実に行うことができる。
【0029】
従って、スラリの影響を受け易い従来のこの種のワイヤソーと比較すると、ワイヤWの断線をより正確に、かつ速やかに検知して装置を停止させることができる。
【0030】
特に、実施形態のワイヤソーでは、上記のようにガイドローラ24Aに対向する位置に磁気センサ38を配置しているので、ワイヤWが正常に駆動されているとき(ワイヤWに断線が生じていないとき)の磁気センサ38の出力が安定し易く、そのため断線検出の信頼性が高いという利点がある。すなわち、図2中に二点鎖線で示すように、ガイドローラ24A,26Aの中間部分において磁気センサ38をワイヤ群に対向して配備するようにしても構わないが、この位置では、各ワイヤWがガイドローラ24A等から外れてフリーな状態にあるため各ワイヤWがその並び方向および水平方向(同図中に矢印で示す方向)に振れて磁気センサ38とワイヤWとの間隔等が不規則に変動する等し、磁気センサ38の出力電圧が安定し難くなることが考えられる。これに対して、前記ガイドローラ24Aに対向する位置に磁気センサ38を配置した上記実施形態の構成、つまりワイヤWの位置が案内溝によって拘束されることにより各ワイヤWと磁気センサ38との位置関係が一定に保たれている部分に対向して磁気センサ38を配置した構成によると、磁気センサ38の出力が安定し易くなる分、ワイヤWの断線発生時の出力電圧の変動が顕著となり、その結果、コントローラ40による断線有無の判定がより正確に行われることとなる。
【0031】
なお、以上説明したワイヤソーは、本発明の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、配備される磁気センサ38の数や具体的な配置は必ずしも実施形態のものに限定されるものではない。また、磁気センサ38の出力による具体的な断線検知の方法も上記実施形態に限定されるものではなく、具体的なワイヤソーの構成に応じて適宜選定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るワイヤソーの全体構成を示す斜視図である。
【図2】磁気センサの配置を説明するワイヤソー(ガイドローラの部分)の模式図である。
【符号の説明】
【0033】
W ワイヤ
10A,10B ワイヤ繰出し・巻取り装置
24A,24B,26A,26B ガイドローラ
25 駆動モータ
28 ワーク
30 ワーク送り装置
36A,36B スラリ供給装置
38 磁気センサ
40 コントローラ40
【出願人】 【識別番号】391003668
【氏名又は名称】トーヨーエイテック株式会社
【識別番号】595115592
【氏名又は名称】学校法人鶴学園
【出願日】 平成19年1月30日(2007.1.30)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎

【識別番号】100109058
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 敏郎


【公開番号】 特開2008−183806(P2008−183806A)
【公開日】 平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願番号】 特願2007−19310(P2007−19310)