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【発明の名称】 ワイヤ鋸装置の保護装置
【発明者】 【氏名】ゲオルク ステューダー

【要約】 【課題】後から簡単に鋸ワイヤの自由に案内される部分に配置できるワイヤ鋸装置の保護装置を得る。

【解決手段】ワイヤ鋸装置5の保護装置であって、鋸ワイヤ7のための長手方向軸線Aに沿って延びる収容空間13を有する管素子12を少なくとも1個備える管装置11を少なくとも1個設けた該保護装置において、少なくとも1個の管素子12は、軸線方向開孔23を少なくとも1個有し、この開孔が閉鎖手段によって閉鎖可能な構成とする。少なくとも1個の管素子12は、軸線方向端部18,19に少なくとも1個の他の管素子と軸線方向に堅固に結合するための結合手段を有する構成とし、結合手段は、少なくとも1個の突起20,30と、少なくとも1個の溝21,31とを有する構成とし、これら突起20、30を、溝21,31に対して相補形状となるよう形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ鋸装置(5)の保護装置であって、鋸ワイヤ(7)のための長手方向軸線(A)に沿って延びる収容空間(13)を有する管素子(12,32,42)を少なくとも1個備える管装置(11)を少なくとも1個設けた該保護装置において、少なくとも1個の管素子(12,32,42)は、軸線方向開孔(23)を少なくとも1個有し、この開孔が閉鎖手段によって閉鎖可能な構成としたことを特徴とする保護装置。
【請求項2】
前記閉鎖手段は、前記管素子(12)の前記開孔(23)を閉鎖するための係止手段(15)と、対向係止手段(25)とを有する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
前記少なくとも1個の管素子(12)は、軸線方向端部(18,19,28,29)に少なくとも1個の他の管素子と軸線方向に堅固に結合するための結合手段を有する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の保護装置。
【請求項4】
前記結合手段は、少なくとも1個の突起(20,30)と、少なくとも1個の溝(21,31)とを有する構成としたことを特徴とする請求項3に記載の保護装置。
【請求項5】
前記少なくとも1個の突起(20、30)を、前記少なくとも1個の溝(21,31)に対して相補形状となるよう形成したことを特徴とする請求項4に記載の保護装置。
【請求項6】
前記少なくとも1個の管素子(12)は、少なくとも2個の部片(14,24)を有し、これら部片間に前記少なくとも1個の軸線方向開孔(23)を生ずる構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の保護装置。
【請求項7】
管素子(12)の前記部片(14,24)をシェルとして形成したことを特徴とする請求項6に記載の保護装置。
【請求項8】
管素子(12)の前記部片(14,24)を、その軸線方向長手側面(17,27)で相互にヒンジ連結することを特徴とする請求項6または7に記載の保護装置。
【請求項9】
前記少なくとも1個の管素子(12,32,42)をプラスチックで形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の保護装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤ鋸装置の保護装置であって、鋸ワイヤのための長手軸線に沿って延びる収容空間を有する管素子を少なくとも1個備える管装置を少なくとも1個設けた保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤ鋸装置は、大きな加工材、例えば石材の切断に使用され、鋸ワイヤは、切り刃体、例えば焼結したダイヤモンドビードを有し、ワイヤ鋸装置のモータ装置によって駆動する。転向滑車によって、鋸ワイヤを切断すべき加工材に案内する。上述した種類の従来の鋸ワイヤによると、ワイヤ亀裂が急に発生し、裂けた鋸ワイヤがむちのように空中に跳ね飛ぶ場合がある。
【0003】
米国特許第3,958,332号明細書(特許文献1)には、ワイヤ亀裂に対する保護部として2個の管装置を備えるワイヤ鋸装置の保護装置が記載されており、これらの管装置は相互に抜き差し可能に連結した2個の管素子をそれぞれ備える。管素子は、鋸ワイヤのための、長手軸線に沿って延びる収容空間を備える。このような保護装置の管装置は、切断すべき加工材に対して切断作用を行わない領域の内部において、自由に案内される鋸ワイヤを包囲する。ワイヤ亀裂が生じた場合にも、裂けたワイヤが空中に跳ね飛ぶのを大幅に制限できる。
【特許文献1】米国特許第3,958,332号明細書
【0004】
このような既知の解決策には、鋸ワイヤに管素子の収容空間に前もって通しておかなければならないという欠点がある。さらに、管素子の抜き差し連結構造は、ワイヤ鋸装置を組み立てる際の自由な鋸ワイヤ部分を覆うための適応性を制限してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、後から簡単に鋸ワイヤの自由に案内される部分に配置できるワイヤ鋸装置の保護装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項の特徴部分によって解決できる。好適な実施形態を従属請求項に示す。
【0007】
本発明によると、少なくとも1個の管素子は、少なくとも1個の軸線方向開孔を有し、この開孔を閉鎖手段によって閉鎖可能な構成とする。
【発明の効果】
【0008】
保護装置を設けるために、ワイヤ鋸装置を組み立てた後に少なくとも1個の管素子を鋸ワイヤに被せ、閉鎖手段によって閉鎖し、鋸ワイヤが自由に案内される領域において少なくとも1個の管素子によって包囲する。例えば切断過程でワイヤに亀裂が生じた際に、管装置の鋸ワイヤに配置した少なくとも1個の管素子が少なくとも部分的に、裂けた鋸ワイヤが跳ね飛ぶのを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
少なくとも1個の管素子は、鋸ワイヤのための収容空間を取り囲む壁部を備える。管素子は、例えば、長手方向軸線に対して直交する円形または多角形の外側横断面を有する。収容空間は、例えば、長手方向軸線に対して直交する円形または多角形の横断面を有する。好適には、管素子は中空筒状に形成し、長手方向軸線に直交する、例えば円形の外側横断面および円形の内側横断面をそれぞれ有する、円筒状の収容空間を生ずるようにする。
【0010】
壁部の厚みは、長手方向軸線に対して直交する方向に測った収容空間の横断面寸法に対して0.5〜3.0倍にすると好適である。これにより、収容空間を貫通する鋸ワイヤによって摩耗が生じるにも関わらず管素子の充分な耐用時間が保証される。
【0011】
閉鎖手段は、管素子の開孔を閉鎖するための係止手段と、対向係止手段とを有する構成にすると好適であり、これらは、少なくとも1個の管素子の確実な閉鎖を保証する。係止手段および対向係止手段を、少なくとも1個の軸線方向開孔に沿う軸線方向長手側面にそれぞれ配置すると好適である。係止手段および対向係止手段は、例えばばねラッチの一部として構成する。
【0012】
少なくとも1個の管素子には、軸線方向端部において、少なくとも1個の他の管素子と軸線方向に堅固に結合するための結合手段を設けると好適である。結合手段により、複数の管素子が相互に、望ましい、もしくは自由に案内される鋸ワイヤ部分の長さに規定される長さの必要に応じて、管装置に軸線方向に結合する。この保護装置は、モジュール的に使用可能であり容易に組み立て可能である。結合装置は、保護装置の管装置が工具を使用することなく組み立て可能なように構成すると好適である。鋸ワイヤ装置は、所要の条件に応じて組み立て可能であり、保護装置を最後に補完的に設けると好適である。
【0013】
例えば、それぞれの管素子の軸線方向を異なる長さとし、必要に応じて鋸ワイヤの自由に案内される部分に配置するとともに、結合手段を介して相互に軸線方向に堅固に結合することによって、適合する管装置とする。
【0014】
結合手段に、少なくとも1個の突起と、少なくとも1個の溝とを設け、このような複数の管素子を相互に結合可能にすると好適であり、このとき、2個の管素子の少なくとも1個の突起と少なくとも1個の溝と相互に係合可能にする。これにより、複数の管素子を容易に、その形状と無関係に、工具を使用することなく、自由に案内される鋸ワイヤの領域を覆うのに充分長い管装置となるよう順次結合可能である。
【0015】
少なくとも1個の突起を少なくとも1個の溝に対して相補形状となるように形成すると好適であり、これにより、複数の管素子相互間の確実な軸線方向に対する堅固な結合が保証される。
【0016】
少なくとも1個の管素子に少なくとも2個の部片を設け、これら部片間に少なくとも1個の軸線方向開孔を形成すると好適である。部片は、例えば鋸ワイヤに対して半径方向に異なる方向から装着することができ、結合手段によって閉鎖可能あるいは結合可能とし、組み立てた部片間に、鋸ワイヤのための長手方向軸線に沿って延びる収容空間を構成する。
【0017】
管素子の部材をシェルとして構成し、部片を組み立てた状態で管素子が中空円筒状の形状となるようにすると好適である。中空円筒状の形状の収容空間によれば、鋸ワイヤが好適に案内されるとともに、貫通する鋸ワイヤによる少なくとも1個の管素子の摩耗が、他の形状の収容空間よりも減少する。
【0018】
管素子の部材をその軸線方向長手側面で相互にヒンジ連結すると好適である。例えば部片を蝶番によって相互に結合する。一方で、ヒンジ連結が少なくとも1個の管素子の部片を紛失なく保持することを保証し、他方でこれによる鋸ワイヤに対する少なくとも1個の管素子の簡単な取り付けが保証される。少なくとも1個の管素子に軸線方向開孔を閉鎖するための閉鎖手段として係止手段と対向係止手段とを設け、ヒンジ連結を好適には少なくとも1個の軸線方向開孔に対向する軸線方向長手側面に設ける。
【0019】
少なくとも1個の管素子をプラスチックで形成すると好適であり、これにより、例えば射出成型法による経済的な製造が可能になる。少なくとも1個の管素子、および特に複数の軸線方向に堅固に相互に結合した管素子を備える管装置は、鋸ワイヤによって傷つけられるため、所定の使用時間後に使用不能になるので、安価な製造は特に好適である。さらに、この種の管素子は簡単に短くできるので、保護装置を容易に局所的な状況に適合させるとともに、自由に案内される鋸ワイヤ部分をほぼ完全に覆うことができる。管素子の部材にヒンジ連結を設ける場合、例えば部片の製造の際に直接形成した薄肉ヒンジとして構成できる。
【0020】
以下に、図面につき、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。基本的に、図面において同一の部分には同一の参照符号を付している。
【実施例】
【0021】
図1に、2個の滑車6を備えるワイヤ鋸装置5を示しており、この滑車の周りに、切り刃体を有する鋸ワイヤ7を案内し、この鋸ワイヤ7をワイヤ鋸装置5のモータ装置によって駆動する。自由に案内される部分8,9にそれぞれ保護装置10を設け、この保護装置10は、互いに軸線方向に堅固に固定され、部分ごとに異なる軸線方向長さLを有する複数の管素子12、32、42により構成した管装置11を有する。
【0022】
図2および3に、プラスチックから成形された管素子12を示し、この管素子12は2個の互いに結合可能な部片14および24を有し、これらはそれぞれシェルとして形成される。組み立てた状態では、部片14、24は、鋸ワイヤ7のための長手方向軸線Aに沿って延在する収容空間13を形成する。部片14、24の中間に軸線方向開孔23を構成し、これにより管素子を鋸ワイヤ7に容易に取り付けることができる。部片14は壁厚W1を、部片24は壁厚W2を有し、これらはそれぞれ組み立てた状態における収容空間13の内側直径Dの0.8倍に相当する。
【0023】
部片14の軸線方向長手側面16に係止手段15を、部片24の軸線方向長手側面26に対向係止手段25を設け、これらは管素子12の閉鎖手段を形成し、組み立てた状態において互いに係合する。他方の軸線方向長手側面17または27に2個の薄肉連結部22を形成し、これらは、双方の部片14および24を互いにヒンジ連結する。
【0024】
軸線方向端部18または28において、部片14および24にそれぞれ突起20または30を設け、逆側の他方の軸線方向端部19または29にそれぞれ溝21または31を設け、溝21または31は、対応する突起20または30と相補形状になるよう形成する。突起20,30および溝21,31は、軸線方向に対する複数の管素子12の、管装置への堅固な結合のための結合手段を構成する。部片14および24を組み立てた状態において、突起20,30および溝21,31は部片14および24によって生ずる収容空間の周方向に延在する。
【0025】
図4は、複数の管素子12を結合した形態の例として3個の管素子12を示しており、これらは結合手段を介して相互に結合し、ワイヤ鋸装置5の保護装置10として対応する長さの管装置11を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】複数の管素子からなる管装置を2個備える保護装置が配置されたワイヤ鋸装置の説明図である。
【図2】管素子の断面図である。
【図3】図2に示す管素子を開いた状態にした頂面図である。
【図4】3個の管素子を互いに結合した管装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0027】
5 ワイヤ鋸装置
6 滑車
7 鋸ワイヤ
8,9 自由案内部分
10 保護装置
11 管装置
12,32,42 管素子
13 収容空間
14,24 部片
15 係止手段
16,26,17,27 長手側面
18,19,28,29 軸線方向端部
20,30 突起
21,31 溝
22 薄肉連結部
23 開孔
25 対向係止手段
【出願人】 【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成20年1月7日(2008.1.7)
【代理人】 【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司

【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也


【公開番号】 特開2008−168632(P2008−168632A)
【公開日】 平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願番号】 特願2008−534(P2008−534)