| 【発明の名称】 |
脆性材料の割断方法、および脆性材料の割断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松尾 昇
【氏名】河原 治郎
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| 【要約】 |
【課題】材料ごとに異なる最適な条件を見つけるために費やす多大な時間と材料を削減し、安定した割断が可能なレーザ割断装置及び方法を提供する。
【構成】レーザビーム照射点と亀裂の先端近傍の温度を非接触式温度計で計測し、割断が可能な温度領域にあるかを判定し、レーザ出力、材料送り速度、冷却量、レーザビーム径の制御を行い脆性材料割断の最適条件を自動設定した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 割断予定線に沿って脆性材料にレーザビームを照射する加熱工程と、 該加熱工程で加熱された加熱部分を冷却する割断工程からなる脆性材料の割断方法において、前記加熱工程で加熱された部分の温度を計測する第一計測工程と、前記割断工程の割断予定箇所近傍の冷却部温度を計測する第二計測工程と、前記加熱工程と前記割断工程とを行なう加工空間の温度を計測する第三計測工程のうち、少なくとも二つ以上の前記計測工程から得られた各温度計測値を、前記脆性材料の種類に応じて予め定められた各温度演算値と比較し、上記脆性材料が割断するか否か比較判定することを特徴とする脆性材料の割断方法。 【請求項2】 上記加熱工程において、脆性材料の送り速度、レーザビーム出力、レーザビーム送り速度、レーザビーム径のうち少なくとも1つ以上組み合わせて制御することを特徴とする請求項1に記載の脆性材料の割断方法。 【請求項3】 上記割断工程において、冷却ノズルの冷却量を制御することを特徴とする請求項1、若しくは、請求項2に記載の脆性材料の割断方法。 【請求項4】 上記割断工程において、上記二つ以上の計測工程から得られた各温度測定値が、上記脆性材料の種類に応じて予め演算した各演算予測温度に一致するように、上記レーザビーム出力、脆性材料の送り速度、レーザビーム送り速度、レーザビーム径を少なくとも1つ以上組合わせて自動条件設定を行なうことを特徴とする請求項3に記載の脆性材料の割断方法。 【請求項5】 上記加熱工程と上記割断工程とを行なう加工空間の温度を一定に保持することを特徴とする請求項1に記載の脆性材料の割断方法。 【請求項6】 割断予定線に沿って脆性材料にレーザビームを照射する加熱機構と、該加熱機構で加熱された加熱部分を冷却する割断機構と前記加熱機構で加熱された部分の温度を計測する第一計測手段と、前記割断機構の割断予定箇所近傍の冷却部温度を計測する第二計測手段と、前記加熱機構と前期割断機構がある加工空間の温度を計測する第三計測手段のうち、少なくとも二つ以上の前記計測手段から得られた各温度計測値を、前記脆性材料の種類に応じて予め定められた演算値と比較判定する演算・比較判定機構とを具備してなることを特徴とする脆性材料の割断装置。 【請求項7】 前記割断機構に冷却ガイドを設けたことを特徴とする請求項6に記載の脆性材料の割断装置。 【請求項8】 前記割断機構に、上記脆性材料の裏面を点または線で接触する保持手段を設けたことを特徴とする請求項6、若しくは、請求項7に記載の脆性材料の割断装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はレーザによる脆性材料の割断方法および割断装置に関する。 【背景技術】 【0002】 レーザビームによる熱応力を利用した脆性材料の割断は従来のブレードによるダイシングに比べ以下の利点がある。 ・高速加工が可能(送り速度100mm/s以上が可能) ・高精度な加工が可能(切り代がない) ・断面のダメージが少ない(マイクロクラックや熱変化が少ない) ・クリーンな加工が可能(廃棄物がない、後洗浄が不要) 【特許文献1】特許第1651809号公報、特許第1942282号、特許第2700136号、特許第3210934号、特許第3751121号、特許第3751122号、特願平9−168479 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 脆性材料を割断予定線に沿って安定して割断するためには、熱を印加するためのレーザビーム走査直後の加熱部分の温度と、レーザビーム走査後の亀裂の先端近傍の温度を、割断が可能となるための温度差を確保しなければ割断が止まったり、逸れたり、進まない不具合が生じる。 従って、割断部を割断可能な温度領域に維持することが必要となる。 そのためには、脆性材料の材質やサイズ、厚さ等によって、レーザ出力、材料送り速度、冷却量、レーザビーム径を変えることが必要となる。 上記条件の中から最適な組合せを見つけるためには、多大な経験や時間と、多くの実験材料や電力量を費やしてしまう欠点があった。 【0004】 なお、脆性材料の割断予定線に沿って、大容量のレーザビームを走査による加熱部分の温度を上げて亀裂の先端部の自然冷却方法もあるが、割断の精度の悪化や脆性材料のダメージが大きくなってしまう欠点があった。 更に加熱温度を上げた場合は、脆性材料の表面に溶け飛び散った破片が残り無数のクラックが発生する等の不具合もあった。 【0005】 また、脆性材料の割断予定線に沿ってレーザビームを走査又は、脆性材料の移動で割断を行なう場合、上記レーザビームを走査加熱では、前記レーザビームの走査より割断が進みレーザビームが後追いの形となって制御不能となって暴走してしまうこともあった。 【0006】 一方、熱を印加するためのレーザビーム走査後に、脆性材料の亀裂の先端付近で、割断が可能となるための温度差を確保しながら、割断可能な温度領域を維持するには自然冷却より冷却材を噴射する強制冷却の方が容易であるが、冷却材を噴射することで、レーザビーム走査方向前方を冷却してしまい、割断可能な温度領域を維持することが困難となる欠点があった。 【0007】 加えて、脆性材料を支えるために裏面側に保持部を設けると、脆性材料と保持部の接触面積が増大し、脆性材料と保持部の接触面から熱の伝達が行われて、割断が可能となるための一定温度領域を維持するのが困難であった。 一方、保持部の構造が材料を拘束すると割断を阻害してしまい割断方向を妨げることで精度が悪くなる欠点もあった。 【課題を解決するための手段】 【0008】 課題を解決する為に、本発明では、割断予定線に沿って脆性材料にレーザビームを照射する加熱工程と、 該加熱工程で加熱された加熱部分を冷却する割断工程からなる脆性材料の割断方法において、前記加熱工程で加熱された部分の温度を計測する第一計測工程と、前記割断工程の割断予定箇所近傍の冷却部温度を計測する第二計測工程と、前記加熱工程と前記割断工程とを行なう加工空間の温度を計測する第三計測工程のうち、少なくとも二つ以上の前記計測工程から得られた各温度計測値を、前記脆性材料の種類に応じて予め定められた各温度演算値と比較し、上記脆性材料が割断するか否か比較判定することを特徴とする脆性材料の割断方法であって、上記加熱工程において、脆性材料の送り速度、レーザビーム出力、レーザビーム送り速度、レーザビーム径のうち少なくとも1つ以上組み合わせて制御すると共に、上記割断工程においては、冷却ノズルの冷却量を制御することを特徴とする脆性材料の割断方法とした。 更に、上記割断工程においては、上記二つ以上の計測工程から得られた各温度測定値が、上記脆性材料の種類に応じて予め演算した各演算予測温度に一致するように、上記のレーザビーム出力、脆性材料の送り速度、レーザビーム送り速度、レーザビーム径を少なくとも1つ以上組み合わせて自動条件設定を行なうことを特徴とする脆性材料の割断方法である。 また、上記加熱工程と上記割断工程とを行なう加工空間の温度を一定に保持することを特徴とする脆性材料の割断方法でもある。 また、本発明では、割断予定線に沿って脆性材料にレーザビームを照射する加熱機構と、該加熱機構で加熱された前記脆性材料の加熱部を冷却する割断機構と、前記加熱機構で加熱された部分の温度を計測する第一計測手段と、前記加熱機構で冷却されて割断した脆性材料の亀裂の先端部の冷却部の温度を計測する第二計測手段と、前記で加熱と割断とを行なう加工空間の温度を計測する第三計測手段のうち、少なくとも二つ以上の前記計測手段から得られた各温度計測値を、前記脆性材料の種類に応じて予め演算した演算値と比較判定する演算・比較判定する機構を具備してなることを特徴とする脆性材料の割断装置で、前記割断機構に冷却ガイドや上記脆性材料の裏面を点または線で接触する保持手段を設けた。 【発明の効果】 【0009】 請求項1に記載の構成により、脆性材料を割断予定線に沿って安定して割断するか否か比較判定することが可能になり、請求項2から請求項5に記載の脆性材料の割断方法により、亀裂を割断脆性材料の割断予定線に沿って割断速度を増加可能とし、高精度の割断加工を進行させることができた。 また、請求項6に記載の脆性材料の割断装置に、請求項7に記載の冷却ガイドを設けたことにより、レーザ発信器の出力を異常に増大させることなく冷却を的確に制御することにより、常にレーザビームの走査より割断が進みレーザビームが後追いの形を防止でき、制御不能となって割断が暴走したり、割断が逸れたり、進まない等の不具合もなくなった。 更に、請求項8に記載の割断機構に、脆性材料の裏面を点または線で接触する保持手段を設けたことにより、保持部へ熱の伝導が少なくなり、割断可能な一定温度領域が維持可能となり、割断方向を妨げることなく高精度の割断加工が可能になった。 従来のように、多大な経験や時間と、多くの実験材料の必要もなくなった。 また、割断の精度も向上し、脆性材料のダメージも低減した。更に、加熱温度を上げた場合に、脆性材料の表面が溶けることなく、従来のように、脆性材料の表面が溶けて飛び散った破片が残り無数のクラックが発生する等の不具合も解消された。 【0010】 図2は、本発明におけるレーザ割断装置の動作の簡単なフローを示すチャートである。 【0011】 図3は、本発明における割断装置で脆性材料の割断予定線へレーザビーム照射による温度関係を示したものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明に係るレーザ割断装置は、割断脆性材料の上にレーザビームを照射して加熱(照射点)を形成する加熱手段と、冷却材を噴射して前記脆性材料の表面上に冷却部(冷却点)を形成する割断手段と、前記脆性材料の亀裂の先端近傍の温度とレーザビームを走査による加熱部分の温度を計測する温度検出手段と、前記脆性材料の加工空間の温度を計測する温度検出手段と亀裂の先端が割断予定線に沿って進行するように移動させる手段を備え、二つ以上の計測手段から得られた計測値を、予測する演算処理手段と前記脆性材料の種類に応じたデータで比較否判定する制御手段を備えて、亀裂の先端が割断予定線に沿って進行するように前記冷却及び移動させる手段、レーザビームの出力の少なくとも一方を制御した。 【0013】 上記のレーザ割断装置によれば、脆性材料にレーザビームを照射することにより、レーザビーム照射点が高温となり、一方冷却材を噴射することにより、冷却点が低温となった。 レーザビーム照射点と冷却点とを割断予定線にそって移動することにより、レーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配が形成され、温度勾配に起因する応力によって脆性材料の亀裂が進行した。 このレーザビーム照射点と亀裂の先端の冷却点を温度計測により検出し割断予定線に沿って冷却手段や移動させる手段の少なくとも一方を制御することにより、亀裂を割断予定線に沿って進行させることができた。 【0014】 上記のレーザ割断装置では、制御手段は前記レーザビーム照射点の移動速度を制御した。 レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、移動速度を低下させるように制御した。 【0015】 レーザビーム照射点の移動速度を低下させることにより、レーザビーム照射点の温度が上昇するとともに、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が短くなるので割断の方向性が良くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0016】 レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して高い場合は、移動速度を増加させるように制御した。 レーザビームを照射点の移動速度を増加させることにより、レーザビーム照射点の温度が低下するとともに、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が長くなるので割断の速度が速くなり割断速度を増加できた。 【0017】 上記のレーザ割断装置では、前記脆性材料の保持を点または線の保持材を用いた構造とすることにより、保持部へ熱の伝導を少なくできた。 上記の保持部は、前記脆性材料を拘束しない形状とすることにより、亀裂を割断予定線に沿って進行させることができた。 前記脆性材料の加工空間の温度を計測する計測温度が前記脆性材料の温度上昇することにより、予測する演算処理温度値が変わり、上記加工空間の温度を計測する温度を補正値として使用することにより、前記脆性材料の割断予定線に沿った割断の加工精度を高めることができた。 【0018】 上記のレーザ割断装置では、さらに制御手段の脆性材料の表面上に冷却部を形成する冷却手段でレーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、冷却材の噴射を増加することにより、レーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配を増加させると共に、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が短くなるので割断の方向性が良くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0019】 上記脆性材料の表面上に冷却部を形成する冷却手段でレーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して高い場合は、冷却材の噴射を減少してレーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配を減少させることにより、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が長くなるので割断の、速度が速くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0020】 上記冷却手段は、前記脆性材料の表面上に冷却点を的確に実施するための冷却ガイドを備えることで、レーザビームの照射点を冷却しない機構により温度勾配を大きくすることができた。 【0021】 前記の制御手段において十分効果が得られない時、レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、レーザ発信器の出力を増加させた。 【0022】 上記のレーザ割断装置では、前記脆性材料にレーザビーム照射点の計測温度と冷却材を噴射した前記脆性材料の冷却点の計測温度とを計測して温度勾配を演算処理手段で得られたデータと比較制御することにより、常にレーザビームの走査より割断が進みレーザビームが後追いの形を防止できた。 【0023】 上記のレーザ割断装置では、レーザ割断処理中に得られる前記移動させる手段の速度及び前記冷却手段の制御量を記憶する記憶手段を備え、次回のレーザ割断処理において過去に前記記憶手段に記憶された制御量に基づき前記移動及び前記冷却、レーザビームの少なくとも一方を制御した。 【0024】 レーザ割断処理が行なわれる度に移動させる手段の速度及び前記冷却手段の制御量、レーザビームの状態が記憶手段に蓄積されて、次のレーザ割断処理時には、記憶手段に蓄積された制御量に基づき制御出来るので、割断の加工精度を高めることができた。 上述した制御を記憶手段に蓄積することを繰り返すことにより適切な制御量が蓄積されるので亀裂先端が割断予定線に沿って移動するように移動させる手段の速度及び前記冷却手段の制御することが可能となった。 【0025】 本発明のレーザ割断方法は、レーザビームを照射して脆性材料の表面上にレーザ照射点を形成するレーザ発信器と、冷却材を噴射して前記脆性材料の表面上に冷却点を形成する割断工程と、前記脆性材料の亀裂の先端部とレーザビームを走査による加熱部分の温度を計測する温度検出工程と、前記脆性材料の加工空間の温度を計測する温度検出工程と亀裂の先端が割断予定線に沿って進行するように移動させる工程を備え、二つ以上の計測手段から得られた計測値を、予測する演算処理手段と前記脆性材料の種類に応じたデータで比較否判定する制御手段を備えて、亀裂の先端が割断予定線に沿って進行するように前記冷却及び移動させる手段、レーザ発信器の出力の少なくとも一方を制御した。 【0026】 上記のレーザ割断方法によれば、脆性材料にレーザビームを照射することにより、レーザビーム照射点が高温となり、一方冷却材を噴射することにより冷却点が低温となる。 レーザビーム照射点と冷却点とを割断予定線にそって移動することにより、レーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配が形成され温度勾配に起因する応力によって脆性材料の亀裂が進行する。 この亀裂の先端を温度計測により検出し割断予定線に沿って冷却手段や移動させる手段の少なくとも一方を制御することにより、亀裂を割断予定線に沿って進行させることができた。 【0027】 上記のレーザ割断方法では、制御工程は前記レーザビーム照射点の移動速度を制御した。 レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、移動速度を低下させるように制御した。 【0028】 従って、レーザビームを照射点の移動速度を低下させることにより、レーザビーム照射点の温度が上昇するとともに、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が短くなるので割断の方向性が良くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0029】 レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して高い場合は、移動速度を増加させるように制御した。レーザビームを照射点の移動速度を増加させることにより、レーザビーム照射点の温度が低下するとともに、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が長くなるので割断の速度が速くなり、割断速度を増加できた。 【0030】 上記レーザ割断方法では、前記脆性材料の保持を点または線の保持材とすることにより、保持部へ熱の伝導を少なくできた。上記の保持部は、前記脆性材料を拘束しない形状とすることにより、亀裂を割断予定線に沿って進行させることができた。前記脆性材料の加工空間の温度を計測する計測温度が前記脆性材料の温度上昇することにより、予測する演算処理温度値が変わる。 上記加工空間の温度を計測する温度を補正値として使用することにより、前記脆性材料の割断予定線に沿った割断の加工精度を高めることができた。 【0031】 上記のレーザ割断方法では、さらに制御手段の脆性材料の表面上に冷却部を形成する冷却手段でレーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、冷却材を噴射してレーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配を増加させることにより、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が短くなるので割断の方向性が良くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0032】 脆性材料の表面上に冷却部を形成する冷却工程でレーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して高い場合は、冷却材の噴射を減少してレーザビーム照射点と冷却点の間に温度勾配を減少させることにより、レーザビームを照射点と亀裂の先端との距離が長くなるので割断の、速度が速くなり、割断予定線に沿って亀裂を進行させることができた。 【0033】 上記冷却方法は、前記脆性材料の表面上に冷却点を的確に実施するためのガイドを備えることで、レーザビームの照射点を冷却しない機構により温度勾配を大きくできた。 【0034】 前記の制御手段において効果がない時、レーザビーム照射点の計測温度が予測する演算処理手段で得られたデータと比較して低い場合は、レーザ発信器の出力を増加させる制御をした。 レーザビームを走査による加熱部分の温度を計測する測定値を演算処理手段で得られたデータと比較により高温を防止できた。 【0035】 上記のレーザ割断方法では、前記脆性材料にレーザビーム照射点の計測温度と冷却材を噴射して前記脆性材料の冷却点の計測温度とを計測して温度勾配を演算処理手段で得られたデータと比較制御することにより、常にレーザビームの走査より割断が進みレーザビームが後追いの形を防止できた。 【0036】 上記のレーザ割断方法では、レーザ割断処理中に得られる前記移動させる手段の速度及び前記冷却手段の制御量を記憶する記憶手段を備え、次回のレーザ割断処理において過去に前記記憶手段に記憶された制御量に基づき前記移動及び前記冷却、レーザビームの少なくとも一方を制御した。 【0037】 図1は、本発明の割断装置の最良の形態を示した基本構成図である。図1において加熱源となるレーザ発振器1からレーザビームを照射して脆性材料10を、割断予定線に沿ってX方向に移動させることによって 割断予定線に沿ってレーザビーム照射点が移動した。 また、割断予定線に沿ってレーザビームの後方(亀裂の先端付近の温度を冷却する位置に取り付けられ)から冷却ユニット30で冷却された冷却材を冷却ノズル31から噴射することで冷却点を形成した。 この冷却点は割断進行点(亀裂の先端)より少し後方となる位置するのが良いとされるが、脆性材料の種類に応じて位置が変わっても良い。 例えば、冷却材は純水を窒素で加圧しても、一般水又はアルコールと水の混合を空気で加圧して冷却しても良い。圧電素子を装着したキャピラリーを用いても良い。 冷却ノズル31から噴射する冷却材は、レーザビーム照射点へ入らないように冷却ガイド32(エアーカーテンノズル)で遮断した。 この冷却ガイド32(エアーカーテンノズル)では、脆性材料の割断部以外を冷却(ダメージを少なくする)する効果も併用できた。 脆性材料10を移動させるX-Y-Z-回転ステージ20は、割断移動に適した外部から速度制御ができるものでリニアモータのXYZに回転のダイレクトドライブモータかサーボモータを使用するが、割断移動に適した仕様で外部から制御できるもので良い。 このステージ20には、脆性材料10を保持する熱の伝導を少なくできて、且つ、前記脆性材料を拘束しない形状とすることにより割断予定線に沿ってずれることなく偏差(誤差)を少なくすることができた。 レーザビーム照射点が加熱されて高温になるのに対し、冷却点は冷却されるのでこの2点間に温度勾配が形成されて割断が進行した。 ビーム走査直後の加熱部分の温度を測定する非接触式スポット温度計41、亀裂の先端部の温度を測定する非接触式スポット温度計42、材料保持部がある加工空間の温度を測定する非接触式スポット温度計43で温度を計測することにより、上記2点間の温度勾配を割断の最適値にするようにレーザビームのパワーや移動や冷却量を制御したので、制御コンピュータへ脆性材料の種類に応じて予め登録した割断条件(レーザパワー、移動速度、冷却量)で演算した値を比較して容易な制御量を得ることができた。 【実施例】 【0038】 本発明に係る動作例を図1と図2と図3を参照して以下説明する。本実施例では、脆性材料10を割断開始位置(脆性材料の端面)へ移動させた後レーザ発振器1から出射されたレーザビーム照射で加熱を、ビーム走査直後の加熱部分の温度を測定する非接触式スポット温度計41で計測をしながら、熱応力により亀裂(初亀裂)を発生させる温度になるまで停止させたが、脆性材料の種類によっては遅い速度の移動でも良い。亀裂が進展を開始する温度は、制御コンピュータ50へ予め登録(脆性材料の種類に応じた代表値)してある。 この登録温度値と測定温度を比較することにより、脆性材料10を移動(開始)させる条件とした。移動開始条件が成立することによって、割断予定線に沿って脆性材料10を移動させるX-Y-Z-回転ステージ20へ遅い速度の移動を開始させた。 脆性材料10へのレーザビーム照射点が移動するのにともなって、加熱部分の温度も移動するので温度を測定する非接触式スポット温度計41で温度計測した値が減少した。 亀裂の先端部の温度を測定する非接触式スポット温度計42の測定位置が照射ビーム走査後の加熱部分へ達した時の測定値を制御コンピュータへ取り込みレーザビーム照射点の温度計41の温度測定値と温度計42温度測定値で温度勾配を演算すれば冷却の冷却量がわかった。 冷却ノズル31から噴射する冷却材の冷却量は、制御コンピュータへ予め登録(脆性材料の種類に応じた代表値)で開始制御すればよい。 上記温度勾配が増加すると脆性材料10を移動させるX-Y-Z-回転ステージ20の移動を高速へ切り替える制御をした。随時速度制御でも良い。 脆性材料10へのレーザビーム照射点の移動速度が上がるのにともない亀裂の先端部の温度を測定する非接触式スポット温度計42の測定温度は低下するので、上記冷却量の制御は少しでよい。これ等の制御で脆性材料の端面(終端)へ至った場合は、レーザビーム照射点の温度計41の温度測定値が急激に下がり、亀裂の先端部の温度を測定する非接触式スポット温度計42の測定温度は変わらないので端面と判断できることにより割断予定線に沿って割断が終了するが、前記レーザビーム照射点と前記冷却点の距離だけ脆性材料10を移動して終了させた。 【0039】 割断可能な温度勾配が一定温度領域になく低い場合、20:X-Y-Z-回転ステージ送りをてレーザビーム走査し加熱部分の温度を上昇させる方法とステージ送りを遅くしてレーザビームの出力を増す方法を選んだ。 時間の増加で温度上昇をおこなうことができるレーザビーム径の変更でも良い。割断可能な温度勾配が一定温度領域になく高い場合、20:X-Y-Z-回転ステージ20の送りを速めてレーザビーム走査し加熱部分の温度を下降させる方法とレーザビームの出力を減少させる方法を選ぶ。 割断可能な温度勾配が一定温度領域になった時に割断制御は、脆性材料の移動速度一定で非接触式スポット温度計41,42,43を測定して、冷却ノズル31の冷却量を変えても良いし、レーザ発信器1のレーザ出力を変えても良い。 レーザビーム径や冷却ノズル31の冷却量、X-Y-Z-回転ステージ20の少なくとも1つ以上組合せて制御しても良いし、レーザ走査中も一定温度領域を維持する最適条件をシステム制御コンピュータで演算させても良い。 最適温度条件範囲は、厚み500μmの鏡面仕上げのシリコンウェーハで約140℃〜70℃となるが、脆性材料の種類毎に異なる割断温度条件となる。 X-Y-Z-回転ステージ20の移動速度は、厚み500μmの鏡面仕上げのシリコンウェーハで100mm/s以上とした。 【構成例】 【0040】 レーザ発振器1は、シリコンウェーハでは最適波長のYAGレーザを用いているが、脆性材料の種類によっては、CO2レーザ、エキシマレーザ、He-Cdレーザ等を用いることもできる。 レーザビームスポット径は割断可能な温度が発生できる直径で有れば良い。 脆性材料10は、厚み500μmの鏡面仕上げのシリコンウェーハであるがレーザ波長に適した脆性材料のウェーハであれば良い。 X-Y-Z-回転ステージ20は、リニアモータのXYZに回転のダイレクトドライブモータで外部からコントロールできるものであるがサーボモータを使用しても良い。 割断移動に適した仕様であれば良い。 このステージには、脆性材料を熱の分散を防止する点または線で接触させる保持部を取り付けた。 円弧型、剣山型、山型の接触面が少ない形状が望ましい。 冷却ユニット30は、冷却材を一次蓄える機構と気体を一次蓄える機構とそれぞれのノズル31、32へ取り付けられた電動マイクロバルブを有している。 冷却ノズル31は、亀裂の先端付近の温度を冷却する位置に取り付けられ、冷却材は純水を用いたが一般水又はアルコールと水の混合でも良い。 レーザのスポット径を冷却可能な大きさであって、ビーム加熱部を冷やさない向きの形状とした。 カーテンノズル32は、窒素を用いてレーザの加熱部へ入らないカーテンとしたが、冷却ノズル31と一体構造の中心が冷却材で周囲が加圧気体方式でも良い。 この部分は脆性材料の割断部以外を冷却(ダメージを少なくする)効果も併用できる。 非接触式スポット温度計41は非接触サーモパイル式のスポット径1mmとするがレーザのスポット径であれば良い。 非接触式スポット温度計42は非接触サーモパイル式のスポット径2mmとするが亀裂の先端部が確実に測定できれば良い。 非接触式スポット温度計43は非接触サーモパイル式の径50mmとするが同等の機能があれば良い。 これらの温度計は、レーザビームを感知しない高速温度応答を有し測定データをシステム制御コンピュータへ送る出力があれば良い。 非接触式スポット温度計41は、サーモパイル式の応答速度100msであるが速度とスポット径の仕様を満たせば、放射温度計式、非接触光電素子でも良い。 温度計の応答速度(μs)でシステム制御コンピュータへ取り込み速度(μs)の場合は1000以上の速度可変も可能となる。 本発明の制御は、複数の温度測定を高速で取り込み割断最適条件判断をするためにIOボードを備え、且つデータべースを保存している記憶(ハードディスク)を持つシステム制御コンピュータ50に取り込み、得られた温度データを、脆性材料の種類毎に異なる温度に関する過去の割断実測データと比較して予測演算データを得るソフトウェアで演算する。演算は、近似曲線方式としたが補完式でも良い。 予測演算データは高速に割断の可否判定を行なった。 高速制御機能を有するのでX-Y-Z-回転ステージ20の速度と冷却ノズル31冷却量の一方を制御しても、両方制御しても良い。 データ形式は、タイトルにレーザ出力値を縦軸に割断温度条件、横軸にX-Y-Z-回転ステージ20の移動速度を表形式で纏めたものであるが、タイトルにレーザビーム径で縦軸に冷却量と横軸にレーザビーム移動速度でも良い。 【産業上の利用可能性】 【0041】 ガラス加工:自動車のガラス、ミラー、建築用窓ガラス、FDPガラス、携帯表示器 セラミック加工:車両用セラミック基板、工具、半導体用基板 太陽電池加工:アモルファスガラス基板、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板 半導体製造工場:Siウェーハ、SiCウェーハ、ガリウム砒素ウェーハ、ガリウム燐ウェーハ、インジュム燐ウェーハ、サファイア 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明における、レーザ割断装置の概略図である。 【図2】本発明における、レーザ割断装置の動作フローチャートである。 【図3】本発明における、材料の割断予定線、加熱部、冷却部の説明と温度分布線図。 【符号の説明】 【0043】 1:レーザ発振器 10:脆性材料 20:X-Y-Z-回転ステージ 21:保持部 30:冷却ユニット 31:冷却ノズル 32:カーテンノズル 41:加熱部の非接触式スポット温度計1 42:冷却部の非接触式スポット温度計2 43:環境温度を非接触式スポット温度計3 50:システム制御コンピュータ 60:ステージ駆動ドライバ
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| 【出願人】 |
【識別番号】596031468 【氏名又は名称】株式会社システック井上
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| 【出願日】 |
平成18年9月7日(2006.9.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−62489(P2008−62489A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−242276(P2006−242276) |
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