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密閉構造の削孔装置 - 特開2008−55681 | j-tokkyo
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【発明の名称】 密閉構造の削孔装置
【発明者】 【氏名】熊澤 克義

【要約】 【課題】コンクリート構造物を削孔する際に作業や養生を効率的に行える密閉構造の削孔装置を提供することである。

【構成】一方面は閉じられ他方面は開口した筐体12の中心部に設けられ開口部に向けて削孔剤を噴射する削孔剤噴射装置13と、削孔剤噴射装置13を囲うように同心円状に設けられ削孔空間22を形成する内筒20と、内筒20の外周に同心円状に設けられ内筒20との間に吸着用空間23を形成する外筒21と、削孔空間22及び吸着用空間23の開口側の内筒20及び外筒21の端部にコンクリート構造物11と接するように設けられた柔軟性変形部材24と、吸着用空間23の気体を吸引し筐体12をコンクリート構造物11に密着させる吸引装置26と、削孔空間22に空気あるいは作動流体を出入させる複数の連通管28a、28bとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材にセメント等の固化材を混合して固化させたコンクリート構造物を削孔する削孔装置において、一方面は閉じられ他方面は開口した筐体の中心部に設けられ開口部に向けて削孔剤を噴射する削孔剤噴射装置と、前記削孔剤噴射装置を囲うように同心円状に設けられ削孔空間を形成する内筒と、前記内筒の外周に同心円状に設けられ内筒との間に吸着用空間を形成する外筒と、前記削孔空間及び吸着用空間の開口側の前記内筒及び前記外筒の端部にコンクリート構造物と接するように設けられた柔軟性変形部材と、前記吸着用空間の気体を吸引し前記筐体を前記コンクリート構造物に密着させる吸引装置と、前記削孔空間に空気あるいは作動流体を出入させる複数の連通管とを備えたことを特徴とする密閉構造の削孔装置。
【請求項2】
前記削孔剤噴射装置は、前記コンクリート構造体に削孔剤を噴射するノズルと、前記ノズルを保持するノズル保持部と、前記ノズルに削孔剤を圧送する圧送装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の密閉構造の削孔装置。
【請求項3】
複数の連通管には、閉止機能を有しそれぞれ連通方向を異にする逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の密閉構造の削孔装置。
【請求項4】
前記削孔剤噴射装置のノズル保持部の主軸を中心に円運動する回転部を設け、この回転部のコンクリート構造物に対向する面に複数個のノズルの取付口を設けたことを特徴とする請求項2記載の密閉構造の削孔装置。
【請求項5】
前記削孔剤噴射装置のノズル保持部は伸縮可能に形成されたことを特徴とする請求項4記載の密閉構造の削孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材にセメント等の固化材を混合して固化させたコンクリート構造物の削孔位置を密閉して削孔する密閉構造の削孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リニューアル工事や機器更新工事等でケーブルを増設したり、あるいは、新たなルートで配線したりする必要が生じた場合、空間の仕切りに当たるコンクリートの床や壁に削孔を形成することになる。この場合の削孔の形成方法として、従来からごく一般的に採用されている方法としては、コアドリルや削岩機を用いて機械的に削孔を形成する方法がある。また、ウォータージェット水を噴射して削孔を形成する方法などがある。
【0003】
ウォータージェットノズル方法として、コンクリート体の削孔位置にウォータージェットノズルを対峙して配置し、高圧水ホース、ホース取り付け冶具を経てウォータージェットノズルから削孔位置に高圧水を噴射し、この高圧水の衝撃力により、コンクリート体の表面から同コンクリート体の内面に向かって高圧水の噴出方向に沿って徐々に削孔を形成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−144295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、コアドリルや削岩機を用いて機械的に削孔を形成する方法では、削孔時の騒音、振動、埃などが発生し、さらに、その養生や作業工程に制限が生じて能率の良い作業ができない。特に、リニューアル工事や機器更新工事等では、従来の施設・設備機能を生かしつつ部分更新するような場合が多いので、能率のよい作業を行うことが望まれる。また、従来から埋設されている電線管や水道・ガス管等を破損するおそれがあり、電線管や水道・ガス管等を破損した場合には、停電や漏水・ガス漏れといった思わぬ事故に広がる心配がある。
【0005】
一方、特許文献1のものでは、水を大量に使用するため、その処理に養生が必要であり、機械的な方法と同様にリニューアル工事・更新工事で必要な従来の施設・設備機能を生かしつつ工事を行うには不都合な点が多かった。
【0006】
本発明の目的は、コンクリート構造物を削孔する際に作業や養生を効率的に行える密閉構造の削孔装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の密閉構造の削孔装置は、骨材にセメント等の固化材を混合して固化させたコンクリート構造物を削孔する削孔装置において、一方面は閉じられ他方面は開口した筐体の中心部に設けられ開口部に向けて削孔剤を噴射する削孔剤噴射装置と、前記削孔剤噴射装置を囲うように同心円状に設けられ削孔空間を形成する内筒と、前記内筒の外周に同心円状に設けられ内筒との間に吸着用空間を形成する外筒と、前記削孔空間及び吸着用空間の開口側の前記内筒及び前記外筒の端部にコンクリート構造物と接するように設けられた柔軟性変形部材と、前記吸着用空間の気体を吸引し前記筐体を前記コンクリート構造物に密着させる吸引装置と、前記削孔空間に空気あるいは作動流体を出入させる複数の連通管とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンクリート構造物の削孔位置を密閉して削孔するので、削孔作業を効率的に行うことができ、また、その削孔したコンクリート構造物の養生を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の構成図である。削孔装置はコンクリート構造物11の表面に配置される。削孔装置を構成する筐体12は、その一方面は閉じられ他方面は開口しており、開口側がコンクリート構造物11に対面するように配置される。図1では筐体12の左側を断面で示している。筐体11の中心部には、筐体11の開口部に向けて削孔剤を噴射する削孔剤噴射装置13が設けられ、削孔剤噴射装置13は、コンクリート構造体11の削孔部14に削孔剤15を噴射するノズル16と、ノズル16を保持するノズル保持部17と、ノズル16に削孔剤15を圧送する圧送装置18と、圧送装置18とノズル16とを連結する削孔剤搬送配管19とによって構成されている。削孔剤15は水のような液体でもよく、また砂(粉)のような粒体でもよく、両者を混入した複合体でもよい。また、ノズル16に超音波振動子を用いてもよい。この場合、圧送装置18は超音波発生装置となる。
【0010】
筐体12には、削孔剤噴射装置13のノズル16及びノズル保持部17を囲うように同心円状に内筒20が設けられ、また、内筒20の外周に同心円状に外筒21が設けられている。内筒20により削孔空間22が形成され、内筒20と外筒21との間に吸着用空間23が形成されている。また、削孔空間22及び吸着用空間23の開口側の内筒20及び外筒21の端部には、コンクリート構造物11と接するように柔軟性変形部材24が設けられている。
【0011】
さらに、吸着用空間23には吸着用空間23の気体を排出する排出管25が設けられ、吸引装置26は吸着用空間23の気体を排出管25を介して吸引し、筐体12をコンクリート構造物11に密着させる。また、削孔空間22には削孔空間22の空気あるいは作動流体を出入させる複数の連通管27a、27bが設けられ、閉止機能を有し連通方向を異にする逆止弁28a、28bが設けられている。この逆止弁28a、28bにより、削孔空間22の空気あるいは作動流体が排出または注入される。図1では削孔空間22に水32が注入されている状態を示している。また、複数の連通管27a、27bは伸縮自在とすることで削孔剤15の排出をスムーズに行うことができる。そして、制御ボックス29はプログラムタイマー機能を有し、吸引装置26、逆止弁28a、28b、圧送装置18を制御する。
【0012】
次に、本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。図2は第1の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の設置の仕方の説明図である。図2に示すように、コンクリート構造物11の削孔対象位置にマーク30を付けて、そのマーク30を通る直線31を引き、マーク30から所定の距離に、筐体12の外筒21位置がくるように筐体12を配置する。筐体12を配置するにあたっては、柔軟性変形部材24を予め所定の位置に配置する。もしくは、筐体12の内筒20及び外筒21の端面に予め付着しておき、コンクリート構造物11に配置する。その後に、吸引装置26により吸引用空間22内の気体を減圧してコンクリート構造物11と筐体12との密着度を高める。
【0013】
この状態で、図1に示す逆止弁28a、28bを開放して逆止弁28bから連通管27bを介して削孔空間22に水32を所定のレベルまで注入する。レベル計の信号または連通管27aからの水の戻りを受けて圧送装置18が削孔剤15を圧送し、削孔剤噴射装置13によってコンクリート構造物11の削孔対象位置に噴射される。このとき、キャビテーションが発生し、崩壊のエネルギーを生みコンクリート構造物11を徐々に削孔する。
【0014】
制御ボックス29は所定の作動時間を予め設定できるプログラムタイマー機能を有しており、所定時間経過後に削孔剤噴射装置13からの噴射を停止する。その後、逆止弁28bから空気を圧送し、連通管27aを筐体12の中に伸ばして逆止弁28aを開放し、内筒20が形成する削孔空間22内の水を排出する。そして、吸引装置26を停止して減圧を解除し、コンクリート構造物11の設置位置から筐体12を取り除く。
【0015】
第1の実施の形態によれば、中心部に削孔剤噴射装置13を有し、一方の面を密閉し他方の面を開放した二重構造の筐体12をコンクリート構造物11の削孔対象位置に配置し、吸引装置26及び柔軟性変形部材24により、筐体12の外筒21及び内筒20とコンクリート構造物11との密着度を上げ、この状態で、削孔空間22に水を注入し削孔剤15を送り込むので、作動流体の処理が連続的に行われ、作業に必要な養生も最小限で済ませることができる。
【0016】
また、階下のある床を対象とした場合でも、削孔空間22の水量が限られているので、例え水が残留している状態で貫通しても受け容器等の養生で可能となる。万一、コンクリート構造物11の削孔対象エリア内に埋設管(電線管、水道管、ガス管等)が存在しても損傷することなく削孔作業を行うことができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、削孔剤噴射装置13のノズル保持部17の主軸を中心に円運動する回転部33を設け、この回転部33のコンクリート構造物11に対向する面に複数個のノズル16の取付口を設け、この取付口にノズル16を取り付けるようにしたものである。
【0018】
図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。図3に示すように、削孔剤噴射装置13の先端は主軸を中心に回転する回転部33が設置されている。例えば、ノズル16をその吹き出し直径の1/2の位置に設置すれば吹き出し径の倍の削孔ができる。
【0019】
回転部33に取り付けるノズル16の位置を段階的に変えられるよう複数個の取付口を設けて、使用しない取付口には閉止栓を取り付けておくことで、削孔径を段階的に大きくできる。また、ノズル16が一つでも回転部33を回転させることにより円形状の軌跡を描くので、コンクリート構造物11が円筒状に抜き取れることになる。
【0020】
また、削孔剤噴射装置13のノズル保持部17を伸縮可能に形成するようにしてもよい。図4は、伸縮可能に形成したノズル保持部17の説明図である。削孔剤噴射装置13のノズル保持部17が筐体12内で伸び縮みするように、ノズル保持部17をノズル保持部本体17aとノズル保持部先端部17bとで構成し回転部33の位置を調整する。これにより、コンクリート構造物11に対して、常に掘削力がより強く得られるポイントとなるようノズル16の先端を掘削の進行に合わせて移動できる。従って、効率よく削孔できることになり削孔深さの調整も可能になる。
【0021】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、ノズルの取付位置を段階的に変えることにより削孔径を段階的に大きくでき、また、回転部33の位置を調整することにより削孔深さの調整も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の設置の仕方の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる密閉構造の削孔装置の構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態における伸縮可能に形成したノズル保持部の説明図。
【符号の説明】
【0023】
11…コンクリート構造物、12…筐体、13…削孔剤噴射装置、14…削孔部、15…削孔剤、16…ノズル、17…ノズル保持部、18…圧送装置、19…削孔剤搬送配管、20…内筒、21…外筒、22…削孔空間、23…吸着用空間、24…柔軟性変形部材、25…排出管、26…吸引装置、27…連通管、28…逆止弁、29…制御ボックス、30…マーク、31…直線、32…水、33…回転部
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年8月30日(2006.8.30)
【代理人】 【識別番号】100100516
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 惠


【公開番号】 特開2008−55681(P2008−55681A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−233459(P2006−233459)