| 【発明の名称】 |
ワイヤソー |
| 【発明者】 |
【氏名】石塚 智
【氏名】阿部 克彦
【氏名】牧野 国雄
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| 【要約】 |
【課題】大きなワークを加工することができるとともに、全体の小型化が可能なワイヤソーを提供する。
【構成】複数のローラ間に1本のワイヤ45を所定ピッチで巻回してなる加工ユニット27を、前記ワイヤ45を走行させながらワーク24に対して相対的に接近移動させ、ワイヤ45とワーク24との接触により、ワーク24に加工を施すようにする。加工ユニット27を加工部35とピッチ送り部36とから構成する。加工部35には一対の加工用ローラ37A,37Bを設け、それらの加工用ローラ37A,37B間にはワイヤ45を上下同一位置で平行に延びるように巻回する。ピッチ送り部36には少なくとも一対のピッチ送りローラ46A,46Bを設け、それらのピッチ送りローラ46A,46B間にはワイヤ45を加工用ローラ37A,37B上でワイヤピッチ送りを行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の加工用ローラの外周に複数の環状溝を所定ピッチで形成して、各環状溝間に1本のワイヤを連続巻回してなる加工ユニットを、前記ワイヤを走行させながらワークに対して相対的に接近移動させることにより、前記ワイヤによってワークに対して切断加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、 前記両加工用ローラの各環状溝を両加工用ローラの軸線と直交する平行な複数の平面上の前後位置にそれぞれ配置し、 前記加工ユニットには前記両加工用ローラ間の外側に位置するとともに、両加工ローラ用ローラの軸線と平行な軸線を有するピッチ送りローラを設け、 前記ワイヤをピッチ送りローラに周回させて、同ピッチ送りローラ上においてワイヤをピッチ送りするようにしたことを特徴とするワイヤソー。 【請求項2】 前記ピッチ送りローラを複数本設けたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー。 【請求項3】 前記ピッチ送りローラの外周に前記加工用ローラの環状溝と同ピッチで対応する複数の環状溝を形成したことを特徴とする請求項2に記載のワイヤソー。 【請求項4】 前記加工用ローラ及びピッチ送りローラは、前記環状溝の形成領域の外側に複数の補助環状溝を形成したことを特徴とする請求項2または3に記載のワイヤソー。 【請求項5】 補助環状溝の配列ピッチを環状溝の配列ピッチより狭くしたことを特徴とする請求項4に記載のワイヤソー。 【請求項6】 前記両加工用ローラを水平面内に配置するとともに、前記ピッチ送りローラを一対設けて、それらを上下方向の2位置に配置したことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のワイヤソー。 【請求項7】 前記加工ユニットを固定位置のワークに対して昇降移動させるようにしたことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のワイヤソー。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、ワイヤを用いて、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よりなるワークに対して、切断等の加工を施すようにしたワイヤソーに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、この種のワイヤソーとしては、図13及び図14に示すような構成のものが知られており、このような構成は、例えば、特許文献1に開示されている。この従来構成においては、加工ユニット61に対してワーク62が上下方向に接離移動可能に配置されている。加工ユニット61は、一対の加工用ローラ63A,63Bと、その加工用ローラ63A,63B間に所定ピッチで巻回された1本のワイヤ64とから構成されている。両加工用ローラ63A,63B間の上下部には、それぞれワイヤ64の上部走行部64a及び下部走行部64bが配列されている。そして、図14から明らかなように、ワイヤ64が螺旋送りされるように、同ワイヤ64は、上部走行部64aと下部走行部64bとの間においてピッチ送りされる。 【0003】 そして、加工用ローラ63A,63Bの回転により、ワイヤ64が走行されながら、ワイヤ64の上部走行部64a上に図示しないスラリ供給部から遊離砥粒を含むスラリが供給される。それとともに、ワーク62が加工ユニット61に対して相対的に接近移動されて、ワーク62がワイヤ64の上部走行部64aに押し付け接触され、これによってワーク62に切断加工が施されるようになっている。 【0004】 ところで、前記のように一対の加工用ローラ63A,63B間にワイヤ64が所定ピッチで巻回された従来構成においては、図13からに示すように、ワーク62の大きさがワイヤ64の上部走行部64aと下部走行部64bとの間隔L1によって限定され、同図13の2点鎖線から明らかなように、ワーク62の切断加工に際して、下部走行部64bと干渉するような大きいワーク62を加工することができない。 【0005】 これに対し、例えば特許文献2においては、図15に示すように、加工ユニット61を、3個の加工用ローラ63A,63B,63Cと、その加工用ローラ63A〜63C間に所定ピッチで巻回された1本のワイヤ64とから構成したワイヤソーが開示されている。この従来構成においては、ワイヤ64の上部走行部64aと下側加工用ローラ63Cとの間の間隔L2にほぼ相当する大きさのワーク62を加工することができる。 【0006】 さらに、例えば特許文献3においては、図16に示すように、加工ユニット61を、4個の加工用ローラ63A,63B,63C,63Dと、その加工用ローラ63A〜63D間に所定ピッチで巻回された1本のワイヤ64とから構成したワイヤソーが開示されている。この従来構成においては、ワイヤ64の上部走行部64aと下部走行部64bとの間隔L3にほぼ相当する大きなワーク62を加工することができる。 【特許文献1】特開平8−174542号公報 【特許文献2】特開平9−254005号公報 【特許文献3】特開2003−275950号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、図13〜図16に示すいずれの構成であっても、加工可能なワーク62の大きさは、前記間隔L1,L2,L3によって規定される。言い換えれば、ワイヤソーのワーク加工エリアは、少なくとも前記間隔L1,L2,L3の2倍の高さ寸法が必要である。ところが、図16に示す従来構成のように、加工ユニット61に4個の加工用ローラ63A〜63Dを設けて、大きなワーク62を加工可能にした場合、前記間隔L3が大きくなるため、加工ユニット61が昇降される構成であっても、あるいはワーク62が昇降される構成であっても、加工エリアとして、上下方向に延びる広い空間を確保する必要があり、ワイヤソー全体が大型になるという問題があった。 【0008】 この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、ワイヤソー全体の大型化を避けつつ、しかも大きなワークを加工することができるワイヤソーを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の加工用ローラの外周に複数の環状溝を所定ピッチで形成して、各環状溝間に1本のワイヤを連続巻回してなる加工ユニットを、前記ワイヤを走行させながらワークに対して相対的に接近移動させることにより、前記ワイヤによってワークに対して切断加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、前記両加工用ローラの各環状溝を両加工用ローラの軸線と直交する平行な複数の平面上の前後位置にそれぞれ配置し、前記加工ユニットには前記両加工用ローラ間の外側に位置するとともに、両加工ローラ用ローラの軸線と平行な軸線を有するピッチ送りローラを設け、前記ワイヤをピッチ送りローラに周回させて、同ピッチ送りローラ上においてワイヤをピッチ送りするようにしたことを特徴とする。 【0010】 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ピッチ送りローラを複数本設けたことを特徴とする。 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ピッチ送りローラの外周に前記加工用ローラの環状溝と同ピッチで対応する複数の環状溝を形成したことを特徴とする。 【0011】 請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記加工用ローラ及びピッチ送りローラは、前記環状溝の形成領域の外側に複数の補助環状溝を形成したことを特徴とする。 【0012】 請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、補助環状溝の配列ピッチを環状溝の配列ピッチより狭くしたことを特徴とする。 請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記両加工用ローラを水平面内に配置するとともに、前記ピッチ送りローラを一対設けて、それらを上下方向の2位置に配置したことを特徴とする。 【0013】 請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記加工ユニットを固定位置のワークに対して昇降移動させるようにしたことを特徴とする。 【0014】 従って、この発明においては、加工ユニットのピッチ送りローラによりワイヤがピッチ送りされる。従って、加工部の加工用ローラ間では、ワイヤの上部走行部と下部走行部とを上下同一位置に配列させた状態で走行させることができる。このため、ワークの切断に際して、ワイヤの下部走行部をワークの切断によって形成された溝内にワークと干渉することなく進入させることができる。従って、加工ユニットの加工用ローラが一対のみで、ワイヤの上下の走行部間の間隔が狭い構成であっても、大きなワークを加工でき、従来構成のワイヤソーとは異なり、加工ユニット部をコンパクトにすることが可能になり、装置全体を小型に構成することができる。 【発明の効果】 【0015】 以上のように、この発明によれば、ワイヤソー全体を小型化できるにもかかわらず、大きなワークを加工することができるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 (第1実施形態) 以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。 図1〜図3に示すように、この実施形態のワイヤソーにおいては、ベッド21の上面にコラム22が立設されている。コラム22の上部前面にはブラケット23が突設され、そのブラケット23の下部には硬脆材料よりなるワーク24が保持具25及び治具26に接着した状態で着脱可能に懸垂保持される。ワーク24は懸垂状態で固定され、昇降されることはない。 【0017】 前記コラム22の前面には、加工ユニット27がワーク24に下方から対応する位置において昇降可能に設けられている。この加工ユニット27は以下のように構成されている。すなわち、前記ブラケット23の下方においてコラム22の前面には、前後一対の支持部材28aと両支持部材28a間を連結する複数の架橋部材28b,28cとを有する昇降台28がコラム22の前面の一対のレール29に沿って昇降可能に支持されている。コラム22の上部には昇降用モータ30が配置され、この昇降用モータ30の回転により、プーリ31,32及びベルト33を介してボールスクリュー34が回転されて、昇降台28が昇降されるようになっている。 【0018】 前記昇降台28の中央部には、ワイヤ45を用いてワーク24に切断加工を施すための加工部35が配置されている。その加工部35の側部に隣接位置するように、昇降台28の一側部にはワイヤ45をピッチ送りするためのピッチ送り部36が配置されている。 【0019】 前記加工部35における昇降台28の支持部材28a間には、一対の加工用ローラ37A,37Bがそれらの軸線を平行にするとともに、左右方向に所定間隔をおいた状態で回転可能に支持されている。昇降台28の後面には加工回転用モータ38が配置され、この加工回転用モータ38により、プーリ39,40,41,42及びベルト43,44を介して、両加工用ローラ37A,37Bが同一方向へ同期して回転されるようになっている。 【0020】 前記加工ユニット27のピッチ送り部36においては、昇降台28の支持部材28a間に一対のピッチ送りローラ46A,46Bがそれらの軸線を互いに平行にするとともに、加工用ローラ37A,37Bの軸線と平行にした状態で、上下方向に所定間隔をおいた状態で回転可能に支持されている。昇降台28の後面には回転用モータ47が配置され、この回転用モータ47により、プーリ48,49及びベルト50を介して下方のピッチ送りローラ46Bが回転されるようになっている。 【0021】 図9に示すように、前記両加工用ローラ37A,37B及びピッチ送りローラ46A,46Bの外周には、断面ほぼV字状をなすとともに、各ローラ37A,37B,46A,46Bの軸線と直交する面内に位置する複数の環状溝37a,46aが前記軸線の方向に沿って配列されており、これらの環状溝37a,46aに1本のワイヤ45が順次周回される。 【0022】 図6(a)(b)に示すように、加工用ローラ37A,37B及びピッチ送りローラ46A,46Bの軸線方向の中央部における環状溝37a群の配列ピッチは、その一側部に位置する環状溝37a群の配列ピッチよりも広い間隔で形成されている。 【0023】 そして、加工用ローラ37A,37Bの中央部の環状溝37a群を周回するワイヤ45の上部走行部45a(図5参照)により前記ワーク24に対して切断加工が実行される。従って、加工用ローラ37A,37Bの中央部の環状溝37a群を加工溝部37Cとし、その一側部の環状溝37a群を蓄巻溝部37Dとする。また、ピッチ送りローラ46A,46Bの中央部の環状溝46a群をピッチ送り溝部46Cとし、その両側部の環状溝46a群を蓄巻溝部46D,46Eとする。なお、前記加工用ローラ37A,37B及びピッチ送りローラ46A,46Bは、その外周面が合成樹脂により形成されている。 【0024】 図4及び図6(a)に示すように、前記加工ユニット27上のピッチ送り部36に対応して、昇降台28の一側端部にはガイドローラ51,52が回転可能に支持されている。そして、図示しないワイヤ繰出巻取機構の一対のリールに両端側が巻き取られたワイヤ45が一方のガイドローラ51を介して、ピッチ送り部36の一方の送りローラ46Aの一方の蓄巻溝部46Dに第1蓄巻部45Aとして複数回巻回され、次いで、加工部35の加工用ローラ37A,37Bの蓄巻溝部37D間に第2蓄巻部45Bとして複数回巻回される。 【0025】 さらに、ワイヤ45は、両加工用ローラ37A,37B及び両ピッチ送りローラ46A,46Bの加工溝部37C及びピッチ送り溝部46Cに加工巻回部45H,ピッチ送り部45Eとして複数回巻回される。そして、ワイヤ45は、両ピッチ送りローラ46A,46Bの蓄巻溝部46Eにそれぞれ第3蓄巻部45Fとして複数回巻回されて、他方のガイドローラ51に至る。 【0026】 そして、前記リール,前記両ピッチ送りローラ46A,46B及び両加工用ローラ37A,37Bの周期的な正逆回転により、このワイヤ45は、一定量前進(例えば100m)及び一定量後退(例えば90m)を繰り返し、全体として一方向に歩進的に前進する。 【0027】 加工用ローラ37A,37Bの加工溝部37Cの各環状溝37aは、加工用ローラ37A,37Bの軸線に対して直交する複数の同一の平面上の前後位置にそれぞれ配置されている。このため、この加工巻回部45Hのワイヤ45は、その上部走行部45a及び下部走行部45bが同一垂直面内に位置する。 【0028】 これに対して、図7(a)及び図8に示すように、ピッチ送りローラ46A,46Bのピッチ送り溝部46Cにおいては、ワイヤ45が螺旋状に周回されて、両加工用ローラ37A,37B間の上部走行部45aと下部走行部45bとの間において、ワイヤ45が1ピッチずつ送られながら走行される。なお、図7(a)(b)において、ピッチ送りされるワイヤ45を傾斜させて示す。 【0029】 また、図7(a)(b)に示すように、両加工用ローラ37A,37B及び両ピッチ送りローラ46A,46B上の各蓄巻部45A,45B,45Fにおいて、ワイヤ45はピッチ送りされる。 【0030】 図1に示すように、前記加工ユニット27の加工部35における両加工用ローラ37A,37Bに対応して、昇降台28上には一対のスラリ供給パイプ53が配置されている。そして、両加工用ローラ37A,37B間における加工巻回部45Hのワイヤ45とワーク24との接触により、ワーク24に切断等の加工が施されるとき、これらのスラリ供給パイプ53から加工巻回部45Hのワイヤ45に対して、遊離砥粒を含むスラリが供給されるようになっている。 【0031】 図1及び図2に示すように、加工ユニット27の昇降台28とコラム22の前面の上下両端部との間には蛇腹状のカバー55が設けられ、昇降台28がいずれの位置に昇降された場合でも、このカバー55によりコラム22の前面が閉塞状態に保持されて、コラム22の後方側へのスラリ等の侵入が防止されるようになっている。前記コラム22の前方においてベッド21の上部には、加工部35の周囲を覆うためのケース状のカバー54が装着されている。 【0032】 次に、前記のように構成されたワイヤソーの動作を説明する。 さて、図1及び図2に示すように、加工ユニット27が下方位置に配置されるとともに、ブラケット23の下部にワーク24が懸垂保持された状態で、ワイヤソーが運転されると、昇降用モータ30の回転により、ボールスクリュー34等を介して加工ユニット27が上昇移動される。それとともに、加工回転用モータ38,47の回転により、加工ユニット27における加工部35の加工用ローラ37A,37B及びピッチ送り部36のピッチ送りローラ46A,46Bが往復回転されるとともに、その回転に同期してワイヤ45が往復移動されて、ワイヤ45が歩進的に前進される。そして、加工巻回部45Hのワイヤ45上には、スラリ供給パイプ53から遊離砥粒を含むスラリが供給される。 【0033】 そして、ワーク24が加工巻回部45Hにおけるワイヤ45の上部走行部45aに接触され、そのワイヤ45のラッピング作用にてワーク24に切断加工が施される。この場合、ワイヤ45はピッチ送りローラ46A,46B上のピッチ送り部45Eにおいてピッチ送りされるため、前記加工部35側の両加工用ローラ37A,37B間の加工巻回部45Hでは、ワイヤ45が上部走行部45aと下部走行部45bとにおいて上下同一位置に配列された状態で走行される。従って、切断加工が進んだ場合、前記下部走行部45bがワーク24と干渉することなく、切断によって形成された溝部内に進入する。 【0034】 このため、図1及び図2に鎖線で示すように、加工巻回部45Hのワイヤ45の下部走行部45bがワーク24の下端部を越えて上端部付近に達する位置まで、加工ユニット27を上昇移動させることができる。 【0035】 従って、この実施形態は以下の効果を発揮する。 (1) 加工ユニット27のピッチ送りローラ46A,46Bによりワイヤ45がピッチ送りされる。従って、加工用ローラ37A,37B間では、ワイヤ45の上部走行部45aと下部走行部45bとを上下同一位置に配列した状態で走行させることができる。このため、ワーク24の切断に際して、ワイヤ45の下部走行部を45bをワーク24の切断によって形成された溝内に進入させることができる。従って、加工用ローラ37A,37Bが一対のみであっても、大きなワーク24を加工でき、図13〜図16に示す従来構成のワイヤソーとは異なり、加工ユニット部を大型化する必要がなく、従って、ワイヤソーの加工エリアの高さをワークの高さの2倍以上にする必要がなく、ワイヤソー全体を小型に構成することができる。 【0036】 (2) ピッチ送りローラ46A,46Bを複数本(実施形態では2本)設けているため、ワイヤ45のピッチ送りを広い範囲において無理なく行うことできる。 (3) ピッチ送りローラ46A,46Bの外周に加工用ローラ37A,37Bの環状溝37aと対応する複数の環状溝46aを形成したことにより、ワイヤ45を環状溝46aによって規定しながら正確にピッチ送りできる。このため、ワイヤ45の加工巻回部45Hにおいて、同ワイヤ45を垂直面に正確に沿って走行させることができ、ワイヤ45の下部走行部45bとワーク24との干渉をより確実に防止できる。 【0037】 (4) 加工用ローラ37A,37B及びピッチ送りローラ46A,46Bは、その加工溝部37C及びピッチ送り溝部46Cの外側に複数の環状溝37a,46aよりなる蓄巻溝部37D,46D,46Eを形成した。このことにより、蓄巻部45A等を形成できるため、その蓄巻部45Aによりワイヤ45の張力変動を抑えることができて、正確な加工に寄与できる。さらに、一対の加工用ローラ37A,37B間及び一対のピッチ送りローラ46A,46B間においてワイヤ45を介してローラ同期駆動を円滑に行うことができる。 【0038】 (5) 蓄巻溝部37D,46D,46Eの環状溝37a,46aの配列ピッチを加工溝部37C,ピッチ送り溝部46Cの環状溝37a,46aの配列ピッチより狭くしたことにより、蓄巻部45A等のワイヤ巻回数を多くでき、張力変動の抑制に有効である。 【0039】 (6) ピッチ送りローラ46A,46Bを上下方向の2位置に配置したことにより、その配置平面積を狭くでき、ワイヤソーの小型化に有効である。 (第2実施形態) 次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。 【0040】 さて、この第2実施形態においては、図10及び図11に示すように、ベッド21の上面にテーブル58が配置され、そのテーブル58上にワーク24が保持具25及び治具26に接着された状態で着脱可能に据え付けられるようになっている。そして、前記第1実施形態とほぼ同一の構成よりなる加工ユニット27が上方位置からワーク24に対して下降移動されることにより、両加工用ローラ37A,37B間の加工巻回部45Hにおけるワイヤ45の下部走行部45bがワーク24に接触して、ワーク24の加工が行われるようになっている。なお、この第2実施形態においては、スラリ供給パイプ53がワイヤ45の上部走行部45aと下部走行部45bとの間に設けられている。 【0041】 従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果とほぼ同様な効果を得ることができる。 (第3実施形態) 次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。 【0042】 この第3実施形態においては、図12に示すように、ピッチ送り部36のピッチ送りローラ46を1本のみ設けたものである。そして、この1本のピッチ送りローラ46上においてピッチ送りが行われる。 【0043】 従って、この第3実施形態においては、構成を簡素化できるとともに、ピッチ送り部36をコンパクトにできて、ワイヤソー全体の小型化が可能になる。 (変更例) なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。 【0044】 ・ 前記実施形態において、加工ユニット27を定位置に配置し、ワーク24側を加工ユニット27に対して昇降移動させるように構成すること。 ・ 前記実施形態において、加工ユニット27とワーク24との双方を昇降移動させるように構成すること。 【0045】 ・ 前記実施形態において、ピッチ送り部36のピッチ送りローラ46A,46Bを3個以上の複数個とすること。 ・ベルト44を省略し、加工用ローラ37Bのみにモータ駆動をかけること。 【0046】 ・ 加工用ローラ37A,37B及びピッチ送りローラ46A,46Bのすべての環状溝37a,46aを等ピッチで配列すること。 ・ 加工用ローラ37A,37Bの加工巻回部45Hの両側部に蓄巻部を形成すること。あるいは加工巻回部45Hの両側部においても蓄巻部を省略すること。 【0047】 ・ ピッチ送りローラ46A,46Bのピッチ送り部45Eの一側部にのみ蓄巻部を形成すること。あるいは両側部においても蓄巻部を省略すること。 ・ ワイヤ45として、その外周に砥粒を固定した固定砥粒タイプのワイヤを用いること。この場合には、スラリ供給パイプ53等のスラリ供給機構やスラリを循環させる機構等が不要となる。 【0048】 ・ 前記実施形態においては、ワイヤ45を往復走行させて、全体として歩進的に一方向に進行するように構成したが、これに代えて、ワイヤが往復走行されることなく、一方向に連続して走行されるようにすること。 【0049】 ・ ピッチ送りローラとして環状溝が形成されていないものを用いること。この場合には、ピッチ送りローラとして、外周面が金属によって形成されたものが好ましく、このように環状溝が形成されていない場合であっても、ピッチ送りローラ上においてピッチ送り可能である。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】第1実施形態のワイヤソーを示す縦断面図。 【図2】図1の2−2線における部分断面図。 【図3】図1の3−3線における断面図。 【図4】加工用ローラ及びピッチ送りローラとワイヤとの関係を示す斜視図。 【図5】加工用ローラ及びピッチ送りローラとワイヤとの関係を示す正面図。 【図6】(a)は加工用ローラ及びピッチ送りローラとワイヤとの関係を示す平面図、(b)は加工用ローラ及びピッチ送りローラを示す平面図。 【図7】(a)はピッチ送りローラとワイヤとの関係を示す側面図、(b)は加工用ローラとワイヤとの関係を示す側面図。 【図8】ワイヤの加工巻回部及びピッチ送り部を示す平面図。 【図9】ローラの環状溝に対するワイヤの巻回状態を示す部分拡大断面図。 【図10】第2実施形態のワイヤソーを示す縦断面図。 【図11】図10の11−11線における部分断面図。 【図12】第3実施形態のワイヤソーを示す斜視図。 【図13】従来のワイヤソーを概略的に示す正面図。 【図14】図13のワイヤソーの平面図。 【図15】従来のワイヤソーの別の構成を示す正面図。 【図16】従来のワイヤソーのさらに別の構成を示す正面図。 【符号の説明】 【0051】 21…ベッド、22…コラム、23…ブラケット、24…ワーク、27…加工ユニット、28…昇降台、30…昇降用モータ、35…加工部、36…ピッチ送り部、37A,37B…加工用ローラ、37a…環状溝、38…回転用モータ、45…ワイヤ、46,46A,46B…ピッチ送りローラ、47…回転用モータ、58…テーブル。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000152675 【氏名又は名称】株式会社日平トヤマ
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| 【出願日】 |
平成18年8月28日(2006.8.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 誠
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| 【公開番号】 |
特開2008−49675(P2008−49675A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−230964(P2006−230964) |
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