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【発明の名称】 ノンコアドリルビット
【発明者】 【氏名】野中 琢磨

【氏名】村上 直英

【氏名】盛田 和久

【要約】 【課題】主に使い始めから使い終わりまでほぼ一定の穿孔性能を保持することができる。

【構成】穿孔工具のシャンクの先端に取り付けられるベース2と、該ベース2に固定されて一側に開口する凹欠部10を有する円柱状の第1のダイヤモンド砥石体3と、上記凹欠部10内に設けられた第2のダイヤモンド砥石体4とを有し、第2のダイヤモンド砥石体4は、第1のダイヤモンド砥石体3よりも低く形成されていることを特徴とする。第1のダイヤモンド砥石体3の先端面の内側は略すり鉢状の凹形状に形成するのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔工具のシャンクの先端に取り付けられるベースと、該ベースに固定されて一側に開口する凹欠部を有する略環状又は円柱状の第1のダイヤモンド砥石体と、上記凹欠部内に設けられた第2のダイヤモンド砥石体とを有し、第2のダイヤモンド砥石体は、第1のダイヤモンド砥石体よりも低く形成されている
ことを特徴とするノンコアドリルビット。
【請求項2】
上記第1のダイヤモンド砥石体の先端面の内側は略すり鉢状の凹形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のノンコアドリルビット。
【請求項3】
上記第2のダイヤモンド砥石体の高さを、上記第1のダイヤモンド砥石体の外周面が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さと略等しくしたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のノンコアドリルビット。
【請求項4】
穿孔作業により孔の中央に円錐形状に削り残された突起部の頂部が上記ベースに接触したときに残った第1のダイヤモンド砥石体の外周面の高さは、穿孔の直進性をガイドできる最低の高さとすることを特徴とする、請求項1又は2に記載のノンコアドリルビット。
【請求項5】
上記第1のダイヤモンド砥石体と第2のダイヤモンド砥石体とは別部材として設けられて一体化されものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のノンコアドリルビット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート、モルタル、ブロック等に穿孔するためのノンコアドリルビットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エアコンの屋外装置をコンクリートの壁に取り付ける場合、まずコンクリート壁に穿孔し、この下孔にアンカーを取り付け、アンカーに上記屋外装置をネジ止め固定することが行われる。
【0003】
このような下孔を形成するための穿孔工具にはハンマードリルやダイヤモンドドリルが知られている。ハンマードリルは、コンクリート壁に打撃を加え、ビットの先端の超硬チップを突き刺して砕きながら穿孔するものである。しかし、この工具は打撃音がうるさい。
【0004】
これに対し、ダイヤモンドドリルは台座を構成するベースの先端にダイヤモンド砥石体を固定したもので、コンクリートの壁にビットを回転させながら擦り付けて表面を削りつつ孔を穿つので、作業音が静かである点において優れている。
【0005】
ところで、ダイヤモンドドリルは先端のビットを常に押し続けなければならないので摩擦熱が発生して高熱になる。このため、ビット内に水を通す湿式(特許文献1、2参照)が一般的であるが、中心に水を通すための孔を形成する必要があるため、ビットは中空にしなければならない。したがって、コアドリルビットでは冷却用の水を循環するための設備が必要となるほか、中空ビット内に残ったコンクリートの削りカス(研削粉)を除去する手段が必要となる。
【0006】
これに対し、水を通さない乾式のダイヤモンドドリルは、少なくとも一部分が中実に設けられて先端が平坦に形成され、鉄をベースとした台座の上にダイヤモンド砥石体を固定する構成であり、水循環設備やコンクリートのカス除去手段も不要であるが、一側に開口するすり割り状の凹欠部を備え、研削粉は凹欠部から外部に除去するようになっている。
【特許文献1】実公平5−30891号公報
【特許文献2】特開平5−245827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のノンコアドリルビット(以下単にビットという)には次のような欠点があった。
(1)図9(a)においてビット20のベース23は中実である(22はダイヤモンド砥石体21の凹欠部)ため、ダイヤモンド砥石体21の外周側と中心側で削ることになるが、外周側21aの回転速度と中心側21bの回転速度は異なる。上記ビット20を回転させて穿孔すると、外周側21aの速度は速いのでコンクリートに対する加工能力は高いが、中心側21bの速度は遅いので加工能力も低くなる。穿孔速度は加工能力の低い中心側の加工能力で決まるため、ビット20が新しいうちは穿孔速度が遅い。穿孔作業を繰り返すうちにビット20の中心側が摺り減ってくるので、外周側で孔を削ることができるようになり、性能が向上するが、所定の性能が発揮できるようになるまでに時間がかかる。
(2)ビットの中心側が減ると性能も向上するが、ビットの外周側と内周側の回転速度の違いにより孔15の先端の中心には削り残しの円錐形状の突起部ができてしまう。初めのうちはよいが、外周側が磨り減って高さが低くなっていき、同図(b)のような状態になると、ダイヤモンド砥石体21の先端中心側に円錐形に残った突起部16の頂部17がベース23に当たってしまう。ベース23にはダイヤモンドのような研磨材はなく、中心の回転速度は非常に遅いから、突起部16の削りはなかなか進まない。また、突起部ではなく、石などが中心に詰まってしまった場合も同様である。中心部分が削られないと穿孔も進まないから、いったんビット20を引き出して突起部16を除去して再び穿孔作業をするという煩瑣な作業を繰り返さなければならないので、穿孔速度は急速に落ちてしまう。
(3)(2)の状態からさらに穿孔を続けると、穿孔速度が低下するだけでなく、ダイヤモンド砥石体21の外周部分の高さが低くなるが、同時にベース23(鉄製でダイヤモンドの粒はない)の外周面はビット先端よりも摩耗しやすいので、同図(c)のように、この部分もテーパ状になってしまう。ビット20の外周面24は、穿孔が直進的に進むようにガイドするガイド部でもあるから、穿孔作業が繰り返されてガイド部分24が短くなってしまうと、直進性が悪くなる。直進のガイドが失われると、ビット20は矢印のように抵抗が小さい方に逃げたがる。コンクリートの成分は均一ではないから、抵抗も不規則であり、孔は曲がってしまいやすい。例えば前述のアンカーは真直状に形成されているので、曲がった孔には入りにくくなり、またアンカーを孔内に保持する保持力も落ちてしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消し、主に使い始めから使い終わりまでほぼ一定の穿孔性能を保持することができるノンコアのドリルビットを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、穿孔工具のシャンクの先端に取り付けられるベースと、該ベースに固定されて一側に開口する凹欠部を有する略環状又は円柱状の第1のダイヤモンド砥石体と、上記凹欠部内に設けられた第2のダイヤモンド砥石体とを有し、第2のダイヤモンド砥石体は、第1のダイヤモンド砥石体よりも低く形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記第1のダイヤモンド砥石体の先端面の内側は略すり鉢状の凹形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記第2のダイヤモンド砥石体の高さを、上記第1のダイヤモンド砥石体の外周面が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さと略等しくしたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2において、穿孔作業により孔の中央に円錐形状に削り残された突起部の頂部が上記ベースに接触したときに残った第1のダイヤモンド砥石体の外周面の高さは、穿孔の直進性をガイドできる最低の高さとすることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記第1のダイヤモンド砥石体と第2のダイヤモンド砥石体とは別部材として設けられて一体化されものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、穿孔工具のシャンクの先端に取り付けられるベースと、該ベースに固定されて一側に開口する凹欠部を有する略環状又は円柱状の第1のダイヤモンド砥石体と、上記凹欠部内に設けられた第2のダイヤモンド砥石体とを有し、上記第2のダイヤモンド砥石体は、第1のダイヤモンド砥石体よりも低く形成されている構成であるから、穿孔作業を繰り返すうちに第1のダイヤモンド砥石体が磨り減っていき、やがて孔の先端中央に削り残された円錐状の突起部頂部が第2のダイヤモンド砥石体に接触するようになる。第2のダイヤモンド砥石体は凹欠部内に設けられているので、回転速度は遅いが、突起部の頂部も小さいので、短時間で削り落とされる。このように、第2のダイヤモンド砥石体で突起部を積極的に削ることができるので、穿孔速度は落ちない。また、突起部を第2のダイヤモンド砥石体で削っているので、第2のダイヤモンド砥石体で削った研削粉は第1のダイヤモンド砥石体で削った研削粉と同様な状態を呈しており、特別な手順を必要とせずに両研削粉の排出を併せて行うことができる。したがって、使い始めから使い終わりまでほぼ一定の穿孔性能を保持することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、第1のダイヤモンド砥石体の先端面の内側は略すり鉢状に形成されているので、上記先端面の外周縁はコンクリート等の被穿孔材に対する食い込みがよく、また、ビットの外周側の回転速度は速く、回転速度が遅い内側に比べて加工能力は高い。したがって、ノンコアドリルビットをコンクリートに押し付け始めたとき、上記外周縁から削りが始まり、加工能力の低い内周側部分はコンクリート面には当たらない。このため、使いはじめから速い速度で穿孔することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、上記第2のダイヤモンド砥石体の高さを、上記第1のダイヤモンド砥石体の外周面が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さと略等しくしたので、穿孔作業において第2のダイヤモンド砥石体の磨り減り具合によって使い終わりを知ることができるとともに、使い終わり時でも穿孔直進性を良好にガイドすることもできる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、穿孔作業により第2のダイヤモンド砥石体が摩耗して孔の中央に円錐形状に削り残された突起部の頂部が上記ベースに接触したときに残った第1のダイヤモンド砥石体の外周面の高さは、直進性をガイドできる最低の高さに設定されているから、上記突起部がベースに接触すると、ベースには穿孔性能はないから、穿孔速度が著しく遅くなる。また、ベースの露出面ははっきりと視認できる。したがって、ノンコアドリルビットの使い終わりの時期を確実に知ることができる。また、使い終わったときでも第1のダイヤモンド砥石体の外周面により直進性のガイドが確保され、使い終るまで穿たれた孔は曲がることがないので、アンカー等の部材を正しく保持することができる。さらに、第2のダイヤモンド砥石体の量も最小限に抑えることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、第1のダイヤモンド砥石体と第2のダイヤモンド砥石体が別体であると、被穿孔材がコンクリートやモルタルや軽量ブロックのように石が混入しているものであるか、混入していないものであるか等によって削り残しの突起部の形状が変わり、ビットの使い勝手が変わってくるので、被穿孔材に対応して第2のダイヤモンド砥石体の組成を変えることによって最適なものにすることができる。
【0019】
また、被穿孔材に応じて第1のダイヤモンド砥石体と第2のダイヤモンド砥石体との双方の組成を変えることにより、穿孔に最適なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明に係るビットの斜視図、図2(a)はその平面図、同図(b)は同図(a)の正面図であり、同図(c)はその底面図である。
【0021】
上図において、符号1はビットを示す。このビット1は、ベース2と、該ベース2に設けられた第1のダイヤモンド砥石体3と、第1のダイヤモンド砥石体3の内側に設けられた第2のダイヤモンド砥石体4とから構成されている。
【0022】
ベース2は鉄製で、一辺に欠円部を有する略長方形の台座部2aの一側に雄ネジ部5を、他側に凸部6を形成したもので、雄ネジ部5は図2(b)に示すように、穿孔工具のシャンク7の先端の雌ネジ部8に螺合可能に形成されている。また、凸部6は第1のダイヤモンド砥石体3の底部に形成された凹部9に嵌合可能に形成されている。
【0023】
第1のダイヤモンド砥石体3は、一側に開口する凹欠部10を有する円柱状をなし、メタルボンド(一例として胴すずをベースとした合金)の粒とダイヤモンド粒とを混合して焼結した焼結体であるが、第1のダイヤモンド砥石体3の基部の層3aはダイヤモンド粒のないダイヤ無層となっている。そして、上記凹部9はこのダイヤ無層3aの中心部に形成され、この凹部9にベース2の凸部6を嵌合してロウ付け固定されている。ダイヤ無層3aに穿孔能力はないので、この部分は機能的にはベース2の一部を構成するものである。
【0024】
なお、第1のダイヤモンド砥石体3のダイヤ無層3aは、その中心部にベース2の凸部6に嵌合するための凹部9を形成してベース2とダイヤモンド砥石体との接触面積を大きくしてベース2から第1のダイヤモンド砥石体3が剥がれにくくするためのものであるから、必ずしも必要ではない。ダイヤ無層のない第1のダイヤモンド砥石体を直接にベースに固定してもよい。さらに、第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11は穿孔が真直に進むようにガイドする機能を有するが、ダイヤ無層3aとベースはダイヤモンド粒を含まないので、その外周面11は徐々に磨り減ってしまうから、直進のガイドはできない。
【0025】
また、上記凹欠部10は平面視扇形に形成され、その基部10aはビット1の中心Oを越えるように形成されている。さらに、第1のダイヤモンド砥石体3の先端面のリング状外周縁12の内側の内周面13は略すり鉢状の凹形状に形成されている。この略すり鉢状の内周面13の傾斜角度は、従来のビット1を使ったときにできる円錐状の削り残しによる突起部(図6に符号16で示す)の斜面の傾斜角度と略等しくなるように形成されている。
【0026】
第1のダイヤモンド砥石体3の凹欠部10は、主に穿孔時に削り取られたコンクリートの研削粉を外部に排除するための部分であるから、必ずしも平面視扇形に形成されている必要はない。
【0027】
次に、第2のダイヤモンド砥石体4も第1のダイヤモンド砥石体3と同じ構成の焼結体で、第1のダイヤモンド砥石体3の凹欠部10の、内側形状と同じ外側形状を有するとともに、凹欠部10よりも小さく形成され、第1のダイヤモンド砥石体3の凹欠部10に露出したダイヤ無層3aの先端面にロウ付け固定されている。したがって、第2のダイヤモンド砥石体4は第1のダイヤモンド砥石体3の凹欠部10の外側の端部よりも内側にセットバックするように配置されている。
【0028】
また、第2のダイヤモンド砥石体4は第1のダイヤモンド砥石体3よりも低く形成されている。その高さは、第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11(ダイヤ無層3aを除く。以下同じ)が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さhと略等しくなるように設定され、第1のダイヤモンド砥石体3の直径が16mm程度であれば、直進をガイドできる高さは最低6mm前後である。
【0029】
次に、上記構成のビット1の使用態様について説明する。なお、ここではダイヤ無層3aもベース2の一部として簡略に記載する。
【0030】
図3のように穿孔工具のシャンク7の先端に上記構成のビット1を取り付け、これを回転させて図4のように第1のダイヤモンド砥石体3の先端をコンクリート14に押し付けると、コンクリート14はビット1との接触部分から削られて孔開け加工がなされていく。15はその孔を示す。
【0031】
ところで、上記ビット1は、外周縁12の内周面13はすり鉢状に形成されているので、まずビット1の外周縁12がコンクリート14に接触する。図5に示すように、ビット1の外周側の回転速度v1は速く、内周側の回転速度v2は遅いから、外周側の方が内側に比べて加工能力は高い。したがって、ビット1をコンクリート14に押し付け始めたとき、食いこみのよい外周縁12から削りが始まり、加工能力の低い内側部分はコンクリート14面には当たらない。このため、使いはじめから速い速度で穿孔することができる。
【0032】
やがてビット1の内周面13もコンクリート14に接触し、ビット1の先端全面で削りが進むことになる。ビット1の中心側では円錐形の削り残し突起部16ができ、これが成長していくが、コンクリート14には石粉などが含まれているので、成長すると回転による振動などで割れたり砕けたりして自然に凹欠部10から排出されるので、中心側の能力は小さくてもよく、穿孔速度への影響は小さい。削られた研削粉は凹欠部10からベース2の側部を経てシャンク7側に排出される。凹欠部10はビット1の中心を含むように形成されているから、図5のように、1回転したときにビット1の全周面をカバーできるので、削られた研削粉はすべて凹欠部10から排出される。
【0033】
穿孔作業を繰り返すうちに第1のダイヤモンド砥石体3が磨り減っていき、やがて図6のようにコンクリート14の突起部16の頂部17が第2のダイヤモンド砥石体4に接触するようになる。第2のダイヤモンド砥石体4は第1のダイヤモンド砥石体3の中心を含むように形成されているので、回転速度は遅いが、突起部16の頂部17も小さいので、短時間で削り落とされる。このように、第2のダイヤモンド砥石体4で突起部16を積極的に削ることができるので、コンクリート14のビット1に当たる外側部分は第1のダイヤモンド砥石体3によって削られ、内側部分は第2のダイヤモンド砥石体4によって補助的に削られていく。
【0034】
さらに、穿孔が進み、第1のダイヤモンド砥石体3が磨り減って図7のように第2のダイヤモンド砥石体4の表面に平らな部分がなくなり、ここもすり鉢状になってくると、第1のダイヤモンド砥石体3の外周面の高さは第2のダイヤモンド砥石体4の各外周面11の高さにだんだん近づく。図2(b)に示されるように、第2のダイヤモンド砥石体4の高さhは、第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さと略等しくなるように設定されているから、それ以上使い続けると、第1のダイヤモンド砥石体3自体が穿孔直進性をガイドすることができなくなる。また、使い終わったときでも第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11により直進性のガイドが確保され、使い終るまで穿たれた孔は曲がることがないので、アンカー等の部材を正しく保持することができる。
【0035】
なお、上述のように、ベース2(ダイヤ無層3aを含む)はダイヤモンド粒を含まないので、その外周面は徐々に磨り減ってしまい、直進のガイドはできない。
【0036】
上述の構成のビット1によれば、次のような効果が期待できる。すなわち、第1のダイヤモンド砥石体3の先端面の内側には略すり鉢状の内周面13が形成されている。しかも、図6に示されるように、上記内周面13の傾斜は、従来のビット1を使ったときにできる円錐状の突起部16の斜面の角度と略等しくなるように形成されているから、ビット1の先端ははじめから理想的な形状となっている。したがって、使い初めから所定の性能を発揮して速い速度で穿孔することができる。
【0037】
また、孔開け作業に伴い、穿たれた孔15の先端の中心には円錐状突起部16ができるが、その頂部17が第2のダイヤモンド砥石体4に当たると、コンクリート14のビット1に当たる外側部分は第1のダイヤモンド砥石体3によって削られ、内側部分は第2のダイヤモンド砥石体4によって補助的に削られるので、穿孔速度は落ちることがない。
【0038】
さらに、第2のダイヤモンド砥石体4の表面が磨り減ってすり鉢形になってしまうと、その高さは第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11が穿孔の直進性をガイドできる最低の高さとほぼ等しくなるから、それ以上の穿孔は直進のガイドを担保できないということになる。したがって、第2のダイヤモンド砥石体4の減り具合をみて、そのビット1の使用限度とビット1交換の時期を知ることができる。また、使い終わるまで穿たれた孔15は曲がることがないので、アンカー等の部材を正しく保持することができる。
【0039】
なお、穿孔時に孔15の中央に発生した突起部16の頂部17がベース2に接触したときに第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11の高さが直進性をガイドできる最低の高さhとなるように調整してもよい。例えば、図8(a)に示したように、突起部16の頂部17がベース2に接触したときの第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11の高さがガイド可能な最低の高さhとなるように調整するのが最も望ましい。このときに第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11の高さが上記高さhよりも低くなってしまうときは、同図(b)のように、ベース2に不足分の段部18を継ぎ足して第2のダイヤモンド砥石体4を固定し、また、このときに第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11の高さが上記高さhよりも高くなってしまうときは、同図(c)のように、ベース2に凹部19を形成してそこに第2のダイヤモンド砥石体4を固定するようにすればよい。
【0040】
上記構成によれば、穿孔作業により第2のダイヤモンド砥石体4が摩耗して孔の中央に円錐形状に削り残された突起部16の頂部17が上記ベース2に接触したときに残った第1のダイヤモンド砥石体3の外周面11の高さは、直進性をガイドできる最低の高さhに設定されているから、使い終わったときにも直進性のガイドが確保される。また、上記突起部16がベース2に接触すると、ベース2には穿孔性能はないから、穿孔速度が著しく遅くなる。また、ベース2の露出面ははっきりと視認できる。したがって、ビット1の使用限度と使い終わりの時期を確実に知ることができる。また、第2のダイヤモンド砥石体4の量も最小限に抑えることができる。
【0041】
また、第1のダイヤモンド砥石体3と第2のダイヤモンド砥石体4とは一体に成形してもよいが、別部材として設けられて一体化された構成でもよい。別部材によって成形の場合には、被穿孔材がコンクリート14やモルタルや軽量ブロックのように石が混入しているものであるか、混入していないものであるかによって削り残し突起部の形状が変わり、ビット1の使い勝手も変わってくるので、被穿孔材に対応して第2のダイヤモンド砥石体4の組成を変えることにより、最適なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るノンコアドリルビットの斜視図
【図2】(a)(b)(c)はそれぞれ上記ノンコアドリルビットの平面図、正面図及び底面図
【図3】上記ノンコアドリルビットの使い始めの正面図
【図4】上記ノンコアドリルビットの使い途中の正面図
【図5】突起部の削り態様を平面から示した説明図
【図6】上記ノンコアドリルビットの使い終りちかくの正面図
【図7】上記ノンコアドリルビットの使い終り時の正面図
【図8】(a)(b)(c)はそれぞれ第2のダイヤモンド砥石体の取付態様を示す断面図
【図9】(a)(b)(c)は従来のノンコアドリルビットの使用による摩耗状態の説明図
【符号の説明】
【0043】
1 ノンコアドリルビット
2 ベース
3 第1のダイヤモンド砥石体
4 第2のダイヤモンド砥石体
10 凹欠部
11 外周面
【出願人】 【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
【識別番号】392002343
【氏名又は名称】ユニカ株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫


【公開番号】 特開2008−37058(P2008−37058A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217767(P2006−217767)