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【発明の名称】 ボード加工機及び内装施工方法
【発明者】 【氏名】伊藤 文雄

【氏名】宇野 裕

【要約】 【課題】内装工事現場又はその近傍で溝きりが実施できる可搬式のボード加工機を提供することを課題とする。

【構成】脚部材20、板載せ盤30、長尺部材60、駆動部材80及び粉塵吸引部材90を、トラックなどの運搬手段92で、ボード加工機の保管場所から内装工事現場94又はその近傍まで運搬する。脚部材20は約10kg、板載せ盤30は約50kg、長尺部材60は約7kg、駆動部材80は約5kg、粉塵吸引部材90は約5kgであるため、建築駆体内での運搬は人手で実施することができる。内装工事現場94又はその近傍で、脚部材20に板載せ盤30を載せ、この板載せ盤30に長尺部材60を取付け、この長尺部材60に駆動部材80を取付け、この駆動部材80に粉塵吸引部材90を接続するごとくに、ボード加工機10を組立てる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ボードなどの板状内装材に切断、溝切りなどの切削加工を施すボード加工機において、このボード加工機は、人手で運搬が可能であって前記板状内装材を載せることができる矩形の板載せ盤と、この板載せ盤の対向する辺に沿って移動可能に前記板載せ盤に付属された一対の移動部材と、人手で運搬が可能であって前記一対の移動部材に掛け渡す長尺部材と、この長尺部材に沿って移動可能に前記長尺材に付属されたスライダと、人手で運搬が可能であって且つ前記スライダに着脱可能に取付けられ、切削のための回転刃具を回転させる駆動部材と、人手で運搬が可能であって前記回転刃具の近傍に接続され、切削加工に伴って発生する粉塵を吸引する粉塵吸引部材とからなり、
内装工事現場までは分解した形態で運搬され、内装工事現場又はその近傍で組立てて使用されることを特徴とするボード加工機。
【請求項2】
前記板載せ盤に、着脱可能な脚部材を付属したことを特徴とする請求項1記載のボード加工機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のボード加工機を運搬可能に分解した形態で内装工事現場又はその近傍まで運搬する運搬工程と、
内装工事現場又はその近傍でボード加工機を組立てる組立工程と、
組立てたボード加工機で石膏ボードなどの板状内装材に切断、溝切りなどの切削加工を施す加工工程と、
切削加工を施した板状内装材を駆体壁や天井へ取付ける取付け工程とからなることを特徴とする内装施工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は石膏ボードに好適なボード加工機及び内装施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石膏ボードは、プラスターボードとも呼ばれ、石膏層の両面をボード用原紙で被った板状成形品である。石膏が防火性能、遮音性能、断熱性能を発揮するため、石膏ボードは、建物の内装材の下地材に好んで使用される。石膏ボードは、0.91m×1.82mの定寸で市販されるため、適宜切断した上で駆体壁や天井に取付けられる。
【0003】
本格的な自動ボード切断設備が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−121530公報(図1、図2、図3)
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は従来の自動ボード切断設備の基本構成を説明する図である。なお、X、Yは、便利のために入れた方位線であり、互いに直交する。
自動ボード切断設備120は、X方向に延ばした主テーブル121と、この主テーブル121からY方向へ張り出した補助テーブル122と、主テーブル121及び補助テーブル122を跨ぐようにY方向に延ばしたガイドレール123と、このガイドレール123に移動可能に設けた複数の回転刃124・・・(・・・は複数個を示す。以下同様)と、これらの回転刃124・・・をY方向に移動する回転刃移動手段125と、主テーブル121上に移動可能に配置された位置決めストッパ126と、この位置決めストッパ126をX方向に移動させるストッパ移動手段127と、回転刃移動手段125及びストッパ移動手段127の位置を制御する位置制御手段(コンピュータ)128とを備える。
【0005】
位置制御手段128に位置情報を記憶させることで、自動的に石膏ボード129を切断することができる。
ところで、特許文献1の図2及び図3に示されるように、自動ボード切断設備120は多数の形鋼を組み合わせてなる本格的な設備である。すなわち、位置制御手段(コンピュータ)128で制御するときには、主テーブル121やガイドレール123の撓みや歪みは禁物であり、設備を丈夫に構成する。さらに、主テーブル121や補助テーブル122は、駆体床などにアンカーボルトで固定する必要がある。
この結果、自動ボード切断設備120は、石膏ボード加工工場の床に固定されたところの数トン〜数十トンの据え置き型設備となる。
【0006】
先に述べたように石膏ボードにおける代表的な切削加工は、切断と溝切りである。
図11は溝切り加工を施した石膏ボードの断面図であり、石膏ボード130は、石膏層131と、この石膏層131の上下面を被うボード用原紙132、133とからなる。そして、θ1が約90°であるV字断面溝134を、自動ボード切断設備120(図10)で穿ったと仮定する。
【0007】
V字断面溝134が設けられた石膏ボード130を、石膏ボード加工工場から内装工事現場まで、トラックなどの運搬手段で運搬すると、上からの圧力と運搬時の振動とから、V字断面溝134の壁135が崩れる虞がある。V字断面溝134に保護カバーを被せることや、振動を与えないように注意深く運搬するなどの対策が必要となるが、この対策を講じると運搬費用が嵩む。そのため、自動ボード切断設備120(図10)では、溝切りは行わずに、切断のみを実施することになる。
【0008】
この結果、溝切りは内装工事現場で実施される。従来、現場では電動機の軸に回転刃具を取付けたところのハンドツールで切削加工が実施される。このようなハンドツールでは、生産性が低く、切削加工に伴って粉塵が飛散するため作業環境が悪化するなどの問題が発生する。
そこで、内装工事現場又はその近傍で溝きりが実施できる可搬式のボード加工機が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は内装工事現場又はその近傍で溝きりが実施できる可搬式のボード加工機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、石膏ボードなどの板状内装材に切断、溝切りなどの切削加工を施すボード加工機において、このボード加工機は、人手で運搬が可能であって前記板状内装材を載せることができる矩形の板載せ盤と、この板載せ盤の対向する辺に沿って移動可能に前記板載せ盤に付属された一対の移動部材と、人手で運搬が可能であって前記一対の移動部材に掛け渡す長尺部材と、この長尺部材に沿って移動可能に前記長尺材に付属されたスライダと、人手で運搬が可能であって且つ前記スライダに着脱可能に取付けられ、切削のための回転刃具を回転させる駆動部材と、人手で運搬が可能であって前記回転刃具の近傍に接続され、切削加工に伴って発生する粉塵を吸引する粉塵吸引部材とからなり、内装工事現場までは分解した形態で運搬され、内装工事現場又はその近傍で組立てて使用されることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、板載せ盤に、着脱可能な脚部材を付属したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のボード加工機を運搬可能に分解した形態で内装工事現場又はその近傍まで運搬する運搬工程と、内装工事現場又はその近傍でボード加工機を組立てる組立工程と、組立てたボード加工機で石膏ボードなどの板状内装材に切断、溝切りなどの切削加工を施す加工工程と、切削加工を施した板状内装材を駆体壁や天井へ取付ける取付け工程とからなることを特徴とする内装施工方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、ボード加工機を、矩形の板載せ盤と、この板載せ盤の対向する辺に沿って移動可能に板載せ盤に付属された一対の移動部材と、一対の移動部材に掛け渡す長尺部材と、この長尺部材に沿って移動可能に長尺材に付属されたスライダと、このスライダに着脱可能に取付けられ、切削のための回転刃具を回転させる駆動部材と、回転刃具の近傍に接続され、切削加工に伴って発生する粉塵を吸引する粉塵吸引部材とで構成し、矩形の板載せ盤と長尺部材と駆動部材と粉塵吸引部材とを、分離できるようにした。そのため、ボード加工機は、内装工事現場までは分解した形態で運搬され、内装工事現場又はその近傍で組立てて使用される。
【0014】
ボード加工機では、溝切りはもとより、切断、穴開けも自在に行える。粉塵吸引部材を備えているので、加工時に粉塵が飛散する心配はない。この結果、内装工事現場における作業環境の保全と、内装工事の能率向上を図ることができる。加えて、内装工事現場又はその近傍で石膏ボードを加工するため、運搬による傷みを回避することができ、石膏ボードの品質を良好に保つことができる。さらには、数トン〜数十トンの据え置き型ボード切断設備110(図10)は不要となり、設備投資費用を大幅に削減することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、脚部材を板載せ盤から分離することができる。板載せ盤が軽くなるので、運搬作業が容易になる。
【0016】
請求項3の内装施工方法によれば、内装工事現場又はその近傍で溝切りはもとより、切断、穴開けも自在に行える。内装工事現場又はその近傍で石膏ボードを加工するため、運搬による傷みを回避することができ、石膏ボードの品質を良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明の係るボード加工機の分解斜視図であり、ボード加工機10は、脚部材20と、矩形の板載せ盤30と、長尺部材60と、粉塵吸引部材90とで構成される。
なお、脚部材20は、内装工事現場で容易に調達できる備品、例えば事務机を2個並べることや、脚立を2個並べることで代用可能であるため、ボード加工機10の構成要素から除外することができる。
また、粉塵吸引部材90はホース91を備えた大型掃除機が好適である。
【0018】
脚部材20は、例えば、矩形の上部枠21と、この上部枠21に折り畳み可能に取付けた脚22、22と、これらの脚22、22と上部枠21とに渡した脚固定リンク23・・・とからなる。市販の長テーブルから天板を外したものであってもよい。
【0019】
脚22、22は駆体床に仮止めしてもよいが、原則として、載せるだけとして駆体床には固定しない。固定しなければ、据付け及び撤去が容易になる。
なお、脚部材20を板載せ盤30に常設する場合には、上部枠21は不要であって、脚22、22と脚固定リンク23・・・とを、板載せ盤30の下面に接続すればよい。
【0020】
板載せ盤30は、規格寸法(0.91m×1.82m)の板状内装材を載せることができるように、約1.3m×約2.2mの大きさとした矩形盤であって、2本の長手ビーム31、32と、これらの長手ビーム31、32に渡したクロスメンバー33〜36と、脚部材20の上部枠21に対応して渡した補助ビーム37、37と、一方の長手ビーム31に沿って配置したストッパホールドバー38と、平行移動機構40(詳細は後述する。)とからなる。39・・・は板載せ盤30を脚部材20に取外し可能に連結するボルトである。
【0021】
平行移動機構40は、長手ビーム31、32の一端に設けた滑車(水平軸回りに回転)41・・・と、長手ビーム31、32の他端に設けた滑車(バーチカル軸回りに回転)42・・・と、これらの滑車41・・・、42・・・に渡したワイヤ43と、長手ビーム31に沿わせた移動部材44と、長手ビーム32に沿わせた移動部材45とからなる。
【0022】
図2は本発明で採用した平行移動機構の原理図であり、滑車41・・・及び滑車42・・・に、図のようにワイヤ43を張り、このワイヤ43の下段部46に移動部材44を連結し、ワイヤ43の上段部47に移動部材45を連結する。
一方の移動部材45が矢印(1)のように移動を開始すると、ワイヤ43が矢印(2)〜(5)のように移動し、他方の移動部材44は矢印(6)のように移動を開始する。
矢印(1)と矢印(6)が同じ向きであり、ワイヤ43で機械的に連結されているため、移動部材44と移動部材45とは、同方向へ同速度で移動する。
【0023】
平行移動機構40は、移動部材44及び移動部材45を各々ボールねじ軸で移動させるようにしても良い。ピニオン・ラックでも可能である。しかし、ボールねじ軸やピニオン・ラックは精密移動が可能である反面、重くなる。この点、ワイヤ43であれば格段に軽く、板載せ盤30(図1)の軽量化に寄与する。
【0024】
次に、長手ビーム31、32に対する移動部材44と移動部材45の取付け構造の具体例を説明する。
図3は本発明に係る板載せ盤の断面図であり、長手ビーム31に溝付きレール48を固定し、この溝付きレール48に摺動子49を嵌合し、この摺動子49に移動部材44を固定し、この移動部材44から延ばした腕51をワイヤ43の下段部46に連結する。これで、移動部材44は図面表裏方向に移動可能に支持される。
【0025】
また、長手ビーム32に水平に平レール52を固定し、この平レール52の上下面にローラ53、53を接触させ、これらのローラ53、53を移動部材45に結合し、この移動部材45から延ばした腕54をワイヤ43の上段部45に連結する。これで、移動部材45は図面表裏方向に移動可能に支持される。ローラ53、53は平レール52に沿って図面左右に移動し得る。
【0026】
後に、一対の移動部材44、45に長尺部材60を取付けるが、長尺部材60は周囲温度が変化すると温度変化に応じて伸縮する。この伸縮は、ローラ53、53が図面左右に移動可能であるため、逃がすことができる。
また、本発明の板載せ部30(図1)は軽量化を優先したために剛性は必ずしも高くない。この結果、移動部材44と移動部材45との間隔が変化することがある。この場合にも、この変化は平レール構造により逃がすことができる。
図中、55、55は長尺部材60の下面に備えた連結金具、56、56は連結ねじである。
【0027】
次に、長尺部材60、及び回転刃具を回転させる駆動部材の構造の一例を説明する。
図4は図1の4−4線断面図であり、長尺部材60は、溝付きレール61及び平レール62を上部に備える主メンバー63と、この主メンバー63の下面に備え連結金具55と、溝付きレール61に嵌合したスライダ64と、このスライダ64に立てたポスト65と、このポスト65に貼った縦向きレール66と、この縦向きレール66に上下移動可能に嵌合した摺動子67と、この摺動子67に形成したポケット部68と、摺動子67を待機位置から作業位置へ移動させる、又は作業位置から待機位置へ移動させる位置替えレバー69と、平レール62上を転動するローラ71を備えた回転センサ72と、この回転センサ72の回転数情報に基づいて、スライダ64の移動距離を表示するY方向距離表示計73と、このY方向距離表示計73を支えるブラケット74に固定したハンドルバー75とからなる。
【0028】
駆動部材80は、電動モータ81と、この電動モータ81のハウジングから延ばした脚82と、モータ軸83を囲うフード84と、このフード84に設けたホース接続口85とからなる。脚82をポケット部68に嵌合することで、スライダ64側に駆動部材80を簡単に取付けることができる。
モータ軸83には、回転刃具としてのエンドミル86を着脱自在に取付けることができる。回転刃具は、エンドミル86の他、ドリル、回転鋸、想像線で示すV溝カッター87などがある。
【0029】
以上の構成からなるボード加工機の作用を次に述べる。
図5は本発明に係る運搬工程及び組立工程の説明図である。
先ず、脚部材20、板載せ盤30、長尺部材60、駆動部材80及び粉塵吸引部材90を、トラックなどの運搬手段92で、ボード加工機の保管場所から内装工事現場94又はその近傍まで運搬する。脚部材20は約10kg、板載せ盤30は約50kg、長尺部材60は約7kg、駆動部材80は約5kg、粉塵吸引部材90は約5kgであるため、建築駆体内での運搬、すなわち屋外道路から内装工事現場84までの運搬は、人手で実施することができる。この運搬にポータブル台車を使用することは差し支えない。
【0030】
内装工事現場94又はその近傍(空き部屋、隣接区画など)で、脚部材20に板載せ盤30を載せ、ボルト39・・・(図1)で連結し、この板載せ盤30に長尺部材60を連結ねじ55・・・(図1)を用いて取付け、この長尺部材60に駆動部材80を取付け、この駆動部材80に粉塵吸引部材90を接続するごとくに、ボード加工機10を組立てる。
【0031】
図6は本発明に係る加工工程の説明図であり、内装工事現場又はその近傍に設置したボード加工機10では、回転鋸による切断、V溝カッターによるV字断面溝形成(詳細は後述する。)、ドリルによる穴開けなど多様な切削加工が実施できる。ここでは、エンドミル86による窓開け加工を説明する。
【0032】
今まで説明しなかったが、Y方向距離表示計73と同構成のX方向距離表示計95が移動部材44に付設されており、ストッパホールドバー38に2個のXストッパ96、97が備えられている。また、長尺部材60にもストッパホールドバー98及び2個のYストッパ99、100が備えられている。
そこで、X方向距離表示計95を読みながら、開口の横寸法Aに対応した位置に2個のXストッパ96、97を固定する。同様に、Y方向距離表示計73を読みながら、開口の縦寸法Bに対応した位置に2個のYストッパ99、100を固定する。
【0033】
次に、板載せ盤30に、標準寸法の板状内装材101を載せる。続いて、駆動部材80及び粉塵吸引部材90を始動する。エンドミル86は高速で回転する。そこで位置替えレバー68を操作して駆動部材80を待機位置から作業位置へ下げて、エンドミル86を板状内装材101に食い込ませる。ハンドルバー75を用いて、エンドミル86を矢印(7)のごとく移動し、Yストッパ100の作用で移動が制限されたら、矢印(8)のごとく移動させ、Xストッパ97の作用で移動が制限されたら、エンドミル86を矢印(9)のごとく移動し、Yストッパ99の作用で移動が制限されたら、矢印(10)のごとく移動させる。これで、A×Bの窓又は開口を開けることができる。
【0034】
この間、粉塵は、フード84及びホース91を介して粉塵吸引部材90に吸引されるために、作業環境が悪化する心配はない。位置替えレバー69を操作して、エンドミル86を上げれば、板状内装材101は、次の板状内装材と交換することができ、切削加工を継続して実施することができる。
【0035】
次に、V字断面溝の加工について説明する。
図7はV字断面溝加工に関する説明図であり、(a)において、電動モータ81のモータ軸83にV溝カッター87を取付け、毎分数千回転の速度で回転させる。そして、白抜き矢印のように石膏ボード102に向かわせる。すると、(b)に示すように、V字断面溝103を穿つことができる。
【0036】
図8は本発明に係る板状内装材の取付け工程を説明する図であり、(a)に示すように、駆体壁104にH形鋼105が露出している場合には、このH形鋼105に薄肉の軽量チャンネル106・・・を取付ける。次に、V字断面溝103、103が設けられている石膏ボード102を臨ませる。
そして、(b)に示すように、石膏ボード102をH形鋼105に巻き付け、ビス107・・・で固定する。
【0037】
以上に述べたように、本発明の内装施工方法は、ボード加工機10を運搬可能に分解した形態で内装工事現場又はその近傍まで運搬する運搬工程(図5)と、内装工事現場又はその近傍でボード加工機を組立てる組立工程(図5)と、組立てたボード加工機で石膏ボードなどの板状内装材101に切断、溝切りなどの切削加工を施す加工工程(図6〜図7)と、切削加工を施した板状内装材を駆体壁や天井へ取付ける取付け工程(図8)とからなることを特徴とする。
【0038】
この内装施工方法によれば、内装工事現場又はその近傍で溝切りはもとより、切断、穴開けも自在に行える。内装工事現場又はその近傍で石膏ボードを加工するため、運搬による傷みを回避することができ、石膏ボードの品質を良好に保つことができる。
【0039】
ところで、運搬手段にライトバンと称する小型車両を使用する場合が少なくない。国産のライトバンでは、荷室の内幅が最小1.24mである。本実施例の板載せ盤の幅は1.3mであるから、このままでは載せることができない。その対策の一例を次図で説明する。
【0040】
図9は図6の変更実施例を説明する図であり、脚部材20にジャッキボルト108を付設することで、板載せ盤30を角度θだけ傾斜させることができるようにした。板載せ盤30の幅をW1とする。角度θを30°にすると、見かけ上の幅W2は、W1より5%程度短縮可能である。角度θを45°にすると、見かけ上の幅W2は、W1より20%程度短縮可能である。このように、傾斜させることで、小型のライトバンにも板載せ盤30を載せることができる。
内装工事現場又はその近傍においても、板載せ盤30を傾斜させることで、ボード加工機10の床占有面積を狭めることができ、狭い現場や駆体では便利である。
【0041】
尚、板状内装材は、石膏ボードを基本とするが、炭酸カルシウム板や化粧合板であってもよく、内装に供する下地材、表層材や同形状の保温材、吸音材、防水板、ガラス板、樹脂板であってもよく、種類は問わない。
【0042】
また、請求項1の板載せ盤は、脚部材を分離不能に付属するもの若しくは脚部材を分離可能に付属するもの又は脚部材を付属しないものの何れであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、石膏ボードを現場で加工するボード加工機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の係るボード加工機の分解斜視図である。
【図2】本発明で採用した平行移動機構の原理図である。
【図3】本発明に係る板載せ盤の断面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】本発明に係る運搬工程及び組立工程の説明図である。
【図6】本発明に係る加工工程の説明図である。
【図7】V字断面溝加工に関する説明図である。
【図8】本発明に係る板状内装材の取付け工程を説明する図である。
【図9】図6の変更実施例を説明する図である。
【図10】従来の自動ボード切断設備の基本構成を説明する図である。
【図11】溝切り加工を施した石膏ボードの断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10…ボード加工機、20…脚部材、30…板載せ盤、40…平行移動機構、44、45…一対の移動部材、60…長尺部材、80…駆動部材、86…回転刃具としてのエンドミル、87…回転刃具としてのV溝カッター、90…粉塵吸引部材、94…内装工事現場、101…板状内装材、102…石膏ボード、104…駆体壁。
【出願人】 【識別番号】593072794
【氏名又は名称】株式会社丹青社
【識別番号】595117389
【氏名又は名称】株式会社ムトーエンジニアリング
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎


【公開番号】 特開2008−30239(P2008−30239A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203672(P2006−203672)