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【発明の名称】 光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための方法
【発明者】 【氏名】シュテファン アッカー

【氏名】ユルゲン ヴァイサー

【氏名】ロニー ウルマン

【要約】 【課題】光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための方法を提供する。

【構成】本発明は、光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための方法であって、最初に亀裂を入れてから、亀裂痕を材料に進展させるために、レーザビームが、その次に、冷却液の噴射が、脆性材料の表面に対して案内され、亀裂を認識できるように、亀裂の形成中に亀裂に浸透するマーキング剤が冷却液に混合される方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための方法であって、最初に亀裂を入れてから、亀裂痕を前記材料に進展させるために、レーザビームが、その次に、冷却液の噴射が、前記脆性材料の表面に対して案内され、前記亀裂痕の領域にて、マーキング剤を前記材料の前記表面に適用することによって、前記亀裂痕が認識できるようになる方法において、
前記マーキング剤が、前記亀裂内に浸透し、それに続いて、前記表面から除去され、その結果、前記亀裂内に浸透した前記マーキング剤のみが残留することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マーキング剤の適用が、前記亀裂痕を発生させた後に、前記材料を前記マーキング剤に浸漬することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーキング剤の適用が、前記材料に噴霧することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記亀裂の発生中に、前記マーキング剤が前記冷却液に混合されて、前記噴霧が行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
非破壊表面亀裂検査用の商業的に入手可能な亀裂検査剤がマーキング剤として使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特許文献1から知られているような、光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脆性材料を切断するために、熱レーザビーム分割用の方法(TLS法)が広く行われており、特に、切断縁の品質を向上させるためにおよび加工をより効率的にするために、基本的な方法をさらに展開させ変更した特許文献2に記載されているこの基本的な方法に基づく多数の文献および特許が存在する。
【0003】
種々の一般的な方法は、材料にわたってレーザビームを通過させることによって、材料が、所望の切断線に沿って、溶融温度よりも低い温度まで加熱され、最初に亀裂を入れてから、亀裂が材料の切断線(亀裂痕)に沿って進展されるように、前記レーザビームに続いて、最大熱応力が、冷却液の噴射によって切断線に沿って発生される特許文献2に記載の方法と共通点がある。
【0004】
個々の方法の特定のものと方法および材料のパラメータとに応じて、亀裂は、特に材料の厚さが薄い場合に材料を完全に貫通することができるか、または深い亀裂のみを形成することが可能である。次に、その直後またはそれ以降に、機械的な力を亀裂痕に沿って加えることによって、切断線に沿った最終的な切断が一般に行われ、この結果、材料が切断する。
【0005】
機械的な切断工程またはレーザ昇華法とは対照的に、材料が除去されず、したがって、表面構造が変化しないので、亀裂が形成されているにもかかわらず、切断線の視認性が極めて限られる。
【0006】
亀裂痕の両側に対して力を均一に加えることを確実にするために、切断のために設けられた装置が亀裂痕に向けられる。亀裂が発生した直後に、切断工程が行われる限り、レーザおよび冷却ノズルが付けた目印に向けて、切断装置を方向付けることができる。位置合わせ不良がなく、亀裂が実際に連続してさらに進展されたならば、切断縁には破壊欠陥が生じないことを予想できる。
【0007】
しかし、亀裂が発生された位置以外の位置で、その後に切断が行われていない場合、分割に先行する部分的な被覆または装備などの加工ステップ用の切断装置または他の加工装置を亀裂痕に向けることができるように、亀裂が認識できるかまたは光学的に検出可能であることが重要である。
【0008】
特許文献1は、レーザ誘発スクライブ後でかつ切断工程前に、コーティングが少なくとも部分的に亀裂痕に適用されて、常時認識できるマーク痕がガラスの亀裂痕(この場合スクライブ痕と呼ばれる)に沿って実現される方法を開示している。ガラス要素の表面の色とは異なる色をコーティングに着色することによって、および/または層厚になっている亀裂痕の表面を隆起させることによって、視認性が確保される。
【0009】
例えば、切断工程後に、個々のガラス要素を洗浄することによって、コーティングを除去することが可能である。亀裂痕にコーティングを適用する(マーキング痕を適用する)ために提供された方法は、亀裂痕全体を完全に被覆するか、または所定の距離で亀裂痕の長さに沿ってコーティングを適用し、この結果、例えば、マーキング箇所を配置するだけで済む方法である。
【0010】
特許文献1によれば、噴射装置、ペン、または噴霧装置によって、コーティングを適用できる。噴射装置が使用された場合、硬化する液体が亀裂痕に適用される。噴射によるコーティングの適用では、適用ノズルを有する少なくとも1つの噴射装置が必要となる。上記実施形態例によれば、この噴射装置ならびにレーザ誘発スコアリング用の装置は固定されるので、必要な相対移動は、ガラス要素によって行われる。
【0011】
上記方法には、マーキング痕が、位置合わせ不良によって亀裂痕からそれる可能性があり、亀裂痕が実際に発生されたかどうかにかかわらず、マーキング痕が適用されるという欠点がある。亀裂の発生に続く加工ステップは、実際に進展した亀裂痕に向けられず、亀裂痕の意図された経路と同一の基準経路を有する、亀裂痕の存在を推定するマーキング痕に向けられる。マーキング痕の実際の経路と亀裂痕の実際の経路との不一致により、亀裂の発生に続く加工ステップの品質が不安定になる。
【0012】
特に、セラミックなどの磁化不能な加工材の亀裂検査のために、染料浸透法と呼ばれている方法を用いることが知られている。この場合、それ自体公知の方法において、毛管力によって亀裂内に浸透し、したがって、その後に、表面の染料が洗浄された場合に剥がれない染料、特に蛍光染料が加工材に噴霧されて、亀裂検査のために、加工材が準備される。したがって、即座に、またはデベロッパによる所定の展開時間の引き続く処理の後に、UV光または可視光を受けた蒸着された染料を直接見ることによってまたは自動的に画像処理することによって、亀裂が検出可能である。品質管理の枠内で欠陥を検出するために、染料浸透法を用いることが知られている。
【0013】
【特許文献1】独国特許発明第10129876C1号明細書
【特許文献2】DE−AS1244346号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、認識できるレーザ誘発亀裂痕を形成するための方法であって、亀裂痕の実際の経路がマークされ、この結果、方法の引き続く加工ステップに基づいて方向付けを行うことができる方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、プロセス制御のために亀裂痕の発生を検出できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、光学的に認識可能なレーザ誘発亀裂を脆性材料に発生させるための請求項1に記載の方法によって達成される。有利な発展形態は従属請求項に記載されている。
【0017】
亀裂が亀裂痕に沿って形成されている間にまたはその後に、マーキング剤が亀裂に直接蒸着され、この結果、亀裂痕の正確な実際の経路が認識でき、透明材料の場合、亀裂深さも光学的に認識可能であることが本発明にとって重要である。
【0018】
図面に示されている実施携帯例を参照して、本発明について以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示されている装置は、レーザビーム2を脆性材料、例えばセラミックまたはガラスの加工材3の表面に導くレーザ加工ヘッド1を備える。レーザビーム2と加工材3との間で必要な相対移動を生じさせるために、加工材3が移動システム5に配置される。
【0020】
さらに、少なくとも1つの冷却ノズル6.1、6.2は、供給容器4に接続され、レーザビーム2と同一に、冷却液の噴射を加工材3の表面に導く。2つの冷却ノズル6.1、6.2は、相対移動の方向が変更される場合に、交互に作動させることが可能であるので有利である。
【0021】
TLS法は、それ自体公知の方法で実行され、すなわち、最初に亀裂を入れてから、レーザビーム2が、その次に、冷却液の噴射が、所望の切断線に沿って案内され、この結果、この切断線に沿って、亀裂痕が発生され、この亀裂痕が、材料パラメータ、特に、加工材の厚さと方法のプロセスパラメータとに応じて加工材3の深さに延びる。
【0022】
対応する亀裂痕を認識できるようにするために、染料を含有する化学物質(マーキング剤)が、冷却液に添加され、亀裂の伝播時に亀裂に吸い込まれる。亀裂に蒸着した染料は、加工材の表面の引き続く洗浄中に除去されないので、亀裂経路(亀裂痕)を検出でき、材料が可視領域で透明である限り、亀裂経路(亀裂痕)の深さを検出できる。明らかに、染料は可視スペクトル範囲の材料の色とは異なる必要がある。
【0023】
それに応じて、亀裂痕の止めまたは亀裂深さの変動を決定でき、これによって、完全なプロセス制御が可能になる。光学的に検出可能な亀裂に基づいて、引き続く加工ステップを実際の亀裂経路(亀裂痕)に向けることができる。
【0024】
マーキング剤を冷却液に混合することが特に有利であるが、この理由は、亀裂が形成されたときに、マーキング剤が実際に吸い込まれるからである。さらに、マーキング用の追加の加工ステップは不要であり、また装置に対して費用を追加することも不要である。
【0025】
加工を最適化するためのいくつかの添加に関する純水は、通常、TLS法用の冷却液として用いられる。
【0026】
非破壊亀裂検査用の商業的に入手可能な亀裂検査剤をマーキング剤として使用できる。冷却液とマーキング剤との混合比によって、染色強度、したがって、亀裂の視認性および亀裂の耐久性を調整できる。
【0027】
マーキング剤を冷却液に添加する代わりに、別々の加工ステップにおいて、例えば、浸漬、噴霧または塗装によって、マーキング剤を適用してもよい。しかし、全体の加工時間は、追加の加工ステップによって長くなる。
【0028】
本発明の分野における当業者は、本発明が、例としての上記実施形態の詳細に限定されないことと、添付された特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲から逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で具体化できることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】方法を実施するための有利な装置の基本構造を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 レーザ加工ヘッド
2 レーザビーム
3 加工材
4 供給容器
5 移動システム
6.1 冷却ノズル
6.2 冷却ノズル
【出願人】 【識別番号】502122347
【氏名又は名称】イェーノプティク アウトマティジールングステヒニーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成19年7月11日(2007.7.11)
【代理人】 【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ


【公開番号】 特開2008−18723(P2008−18723A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−182282(P2007−182282)