トップ :: B 処理操作 運輸 :: B28 セメント,粘土,または石材の加工

【発明の名称】 ミキサドラム
【発明者】 【氏名】関根 伸一

【要約】 【課題】ミキサ車の大型化を招かずに生コンの温度上昇を抑制可能なミキサドラムを提供することである。

【解決手段】架台Tに回転自在に搭載されるミキサドラムDにおけるドラムシェル1の外周に熱電交換素子4を備える構成としたので、ドラムシェル1を冷却可能であり、ドラムシェル1内部に積載される生コンの温度上昇も抑制することができる。また、ドラムシェル1の外周に熱電交換素子4を設置する構成であるので、ミキサ車Vの大型化を招くことが無い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台に回転自在に搭載されるミキサドラムにおいて、内部にブレードが設けられる筒状のドラムシェルの外周に熱電変換素子を設置したことを特徴とするミキサドラム。
【請求項2】
熱電変換素子の外周側に放熱板を設けたことを特徴とする請求項1に記載のミキサドラム。
【請求項3】
熱電交換素子とドラムシェルとの間に吸熱層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のミキサドラム。
【請求項4】
ドラムシェルは、前端側のフロントシェルと、中央部のセンターシェルと、後端側のリアシェルとを備えて、前傾姿勢で架台に搭載されてなり、熱電交換素子はフロントシェルとセンターシェルの外周に設置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のミキサドラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ミキサドラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ミキサ車は、モルタルやレディミクストコンクリート等(以下、「生コン」という)を架台に回転自在に搭載されるミキサドラム内に積載して、生コン工場から工事現場まで運搬するものである。
【0003】
そして、このミキサ車は、生コンを運搬するにあたり、生コンの品質劣化および固化を防止するためにミキサドラムを正転させてミキサドラム内の取付けられた螺旋状の複数のブレードで絶えず攪拌しつづけるようにしているが、ミキサドラムは通常金属製であり、ミキサ車は道路を走行することから、太陽光によってミキサドラムが熱せられてミキサドラム自体の温度が上昇して、生コンの温度を上昇させて固化を促進させてしまう問題がある。
【0004】
このような問題を対処するために、生コンに氷を投入する等の方法が採られていたが、氷が溶けきらない場合、生コンが固化したときに巣が発生する等の弊害があり、ミキサドラム内外を冷却する提案がなされるに至っている。
【0005】
上記提案では、ミキサ車の架台に搭載されるミキサドラムの後端以外の部分を断熱性の筐体で完全に覆い、ミキサドラムと筐体との間の空間に冷却装置で冷却空気を送り込むと同時に、ミキサドラム内にも同冷却装置で冷却空気を送り込むようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
したがって、この提案によれば、ミキサドラム内外を冷却空気で冷却することができるので、生コンの温度上昇を抑制することができる。
【特許文献1】特開平11−277523号公報(発明の実施の形態欄,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来提案のミキサ車にあっては、上述のように、ミキサドラムの略全体覆う筐体と、冷却装置とを設置する必要があるので、ミキサ車が大型化してしまう点で不利となる。
【0008】
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ミキサ車の大型化を招かずに生コンの温度上昇を抑制可能なミキサドラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、架台に回転自在に搭載されるミキサドラムにおいて、内部にブレードが設けられる筒状のドラムシェルの外周に熱電変換素子を設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のミキサドラムによれば、ドラムシェルの外周に熱伝交換素子を備えているので、ドラムシェルを冷却することが可能となり、ドラムシェル内の温度上昇が抑制され、これによって内部に積載される生コンの温度上昇を抑制することができる。
【0011】
したがって、このミキサドラムによれば、生コンの温度上昇を抑制することができるので、生コンの固化を抑制することができ、ミキサ車で生コンを搬送する際の生コンの品質劣化を防止することが可能である。
【0012】
また、ドラムシェルの外周に熱伝交換素子を設置することでドラムシェル内の温度上昇を抑制することが可能となるので、他にミキサドラムを覆う大きな筐体や特別な冷却装置を搭載する必要が無いので、ミキサ車の大型化や、無用な重量増加を招くことが無いので、ミキサ車の実用性および経済性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。図1は、ミキサ車に搭載された一実施の形態におけるミキサドラムの側面図である。図2は、ミキサ車に搭載された一実施の形態におけるミキサドラムの背面図である。
【0014】
一実施の形態におけるミキサドラムDは、図1に示すように、ミキサ車Vの架台Tに回転自在に搭載されており、同じくミキサ車Vの架台に搭載される油圧モータMによって回転駆動されるようになっている。
【0015】
この、ミキサドラムDは、後端が開口する有底筒状に形成され、前端となる底部の軸心部が油圧モータMのロータに連結されるドラムシェル1と、ドラムシェル1の後端側外周に設けられるローラリング2とを備えている。
【0016】
また、ドラムシェル1は、前端部のフロントシェル1aと、中央部のセンターシェル1bと、後端部であって外周にローラリング2が設置されるリアシェル1cとで構成され、ローラリング2に接するように架台Tに回転自在に備え付けられた一対のローラR,Rによって後端部のリアシェル1cが支持されている。すなわち、ドラムシェル1は、その後端側が上方に持ち上げられた前傾姿勢でミキサ車Vの架台Tに回転自在に取り付けられている。
【0017】
そして、ドラムシェル1の内周側には、図2に示すように複数の螺旋状のブレードB,Bが設けられており、油圧モータMで正転されると、内部に積載される生コンをブレードB,Bによって内部側に移動させながら攪拌し、逆転されると、該生コンをブレードB,Bによって後端側に移動させて排出することができるようになっている。
【0018】
さらに、ドラムシェル1のフロントシェル1aとセンターシェル1bとの外周には、熱電変換素子であるペルチェ素子4が設置され、このペルチェ素子4とドラムシェル1との間には銅あるいはアルミでなる吸熱層3が設けられ、さらに、ペルチェ素子4の背面となる外周側には放熱板5が設置されている。
【0019】
ペルチェ素子4は、詳しくは図示しないが、絶縁用のセラミック基盤間に多数のP型の半導体とN型の半導体を交互に直列接続するよう上下に配置される多数の銅板で挟み込んでなるものであり、P型の半導体とN型の半導体に直流電流を供給することで、電流の向きにより上下の一方の銅板から他方の銅板へ熱を移動させるペルチェ効果を奏するものである。
【0020】
この実施の形態の場合、回転するドラムシェル1の外周に設置されたペルチェ素子4へ電源6から給電するために、ドラムシェル1の外周にブラシ7,8を備えており、このブラシ7,8を介してペルチェ素子4へ直流電流を供給できるようになっている。
【0021】
そして、上述の如く、電源6からペルチェ素子4へ直流電流を供給すると、ドラムシェル1から熱を吸熱して、当該ペルチェ素子4の背面側となる外周側に熱を移動させることができるようになっている。
【0022】
さらに、このようにして、ペルチェ素子4によって移動せしめられた熱は、放熱板5を介して外気へ放熱され、ドラムシェル1を冷却できるようになっている。このように、放熱板5は、熱を大気に放射して冷却側であるドラムシェル1へ熱が逆流して冷却効果を損なうことが無いように設置されている。
【0023】
また、ペルチェ素子4がドラムシェル1のフロントシェル1aとセンターシェル1bの外周に設置されるのは、ドラムシェル1が前傾姿勢で架台Tに搭載されており、積載される生コンがフロントシェル1aからセンターシェル1bの内方に貯留されるため、フロントシェル1aとセンターシェル1bを冷却することで充分に生コンを冷却することが可能であるからである。このことは、リアシェル1cを含むドラムシェル1の全体の外周にペルチェ素子4を設置することを妨げる趣旨ではない。
【0024】
また、ペルチェ素子4をドラムシェル1の外周表面に直接に貼付してもよいが、この実施の形態の場合、吸熱層3を設けて効率的にドラムシェル1の熱を吸熱できるようになっている。
【0025】
なお、ペルチェ素子4は、本実施の形態のように、フロントシェル1aとセンターシェル1bの外周の全体を被覆するように設置されても良いし、ペルチェ素子4による冷却力にもよるが、ドラムシェル1の外周に部分的に、あるいは、ドラムシェル1の外周に点在させて設置されてもよい。
【0026】
その場合、たとえば、吸熱層3でフロントシェル1aとセンターシェル1bの外周の全体を被覆しておき、当該吸熱層3の外周に部分的にペルチェ素子4を設置するようにしてもよい。
【0027】
このように、ペルチェ素子4をフロントシェル1aとセンターシェル1bの外周に部分的にあるいは点在させて設置する場合には、フロントシェル1aとセンターシェル1bの外周であってペルチェ素子4が設置されない箇所、吸熱層3がフロントシェル1aとセンターシェル1bの外周に設けられるのであれば当該吸熱層3の外周であってペルチェ素子4が設置されない箇所に、断熱層を設けるとよく、そうすることでドラムシェル1の温度上昇をより一層抑制することが可能となる。
【0028】
このようにミキサドラムDは、ドラムシェル1の外周に熱伝交換素子を備えているので、ドラムシェル1を冷却することが可能となり、ドラムシェル1内の温度上昇が抑制され、これによって内部に積載される生コンの温度上昇を抑制することができる。
【0029】
したがって、このミキサドラムDによれば、生コンの温度上昇を抑制することができるので、生コンの固化を抑制することができ、ミキサ車で生コンを搬送する際の生コンの品質劣化を防止することが可能である。
【0030】
また、ミキサドラムDの外周にペルチェ素子4を設置することでドラムシェル1内の温度上昇を抑制することが可能となるので、他にミキサドラムDを覆う大きな筐体や特別な冷却装置を搭載する必要が無いので、ミキサ車の大型化や、無用な重量増加を招くことが無いので、ミキサ車の実用性および経済性を向上することができる。
【0031】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ミキサ車に搭載された一実施の形態におけるミキサドラムの側面図である。
【図2】ミキサ車に搭載された一実施の形態におけるミキサドラムの背面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ドラムシェル
1a フロントシェル
1b センターシェル
1c リアシェル
2 ローラリング
3 吸熱層
4 熱電交換素子たるペルチェ素子
5 放熱板
6 電源
7,8 ブラシ
B ブレード
D ミキサドラム
M 油圧モータ
R ローラ
T 架台
V ミキサ車
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【出願日】 平成19年5月28日(2007.5.28)
【代理人】 【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉

【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲


【公開番号】 特開2008−290423(P2008−290423A)
【公開日】 平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願番号】 特願2007−140605(P2007−140605)