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【発明の名称】 トラックアジテータ
【発明者】 【氏名】城田 昌泰

【要約】 【課題】ドラム2内への雨水等の浸入を防止し、生コンクリートの品質を好適に維持する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリートを受け入れる受入口を開口しているドラムと、
当該ドラムの受入口と連通する連通口を開口している投入ホッパとを備えているトラックアジテータにおいて、
前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを連通状態とし、当該投入ホッパを用いてドラムに生コンクリートを投入可能とする投入姿勢と、
前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離し、当該投入ホッパの連通口から排出される排出物を排出シュートへ排出可能とする分離姿勢とを選択可能に構成していることを特徴とするトラックアジテータ。
【請求項2】
前記分離姿勢において、前記投入ホッパの連通口を前記排出シュートの上方に位置させることを特徴とする請求項1記載のトラックアジテータ。
【請求項3】
前記分離姿勢において、さらに前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口との離間幅を変更可能に構成していることを特徴とする請求項1又は2記載のトラックアジテータ。
【請求項4】
前記分離姿勢において、さらに前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離し、前記投入ホッパに生コンクリートを投入する投入口の高さ位置を、前記投入姿勢にある投入ホッパの投入口の高さ位置よりも低い位置に移動可能に構成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のトラックアジテータ。
【請求項5】
前記ドラムの回転軸心方向に沿って、前記投入ホッパの連通口を前記ドラムの受入口から分離することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のトラックアジテータ。
【請求項6】
前記分離姿勢において、前記ドラムの受入口を覆う防雨カバーを設けていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のトラックアジテータ。
【請求項7】
前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離するように操作する操作手段を、運転席及び車体本体の後方のうち何れか一方又は両方に設けていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のトラックアジテータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、投入ホッパを有するトラックアジテータにおいて、ドラム内の生コンクリートを好適な状態に維持するために利用されるものである。
【背景技術】
【0002】
生コンクリートを製造する際には、例えばJIS規格などで定められている強度やスランプといった要件を満たすために、生コンクリートの材料の許容計量の誤差を可能な限り小さくすることが求められている。また、使用する水の品質についても基準が設けられており、例えば上水道水以外の水を利用する際は、所定の品質基準に適合しなければならない。
【0003】
これらの基準を遵守して工場内で製造された生コンクリートは、ドラムを備えたトラックアジテータにて作業現場などに運搬される。当該トラックアジテータのドラム内に生コンクリートを投入する際には、漏斗状の投入ホッパを利用する。この投入ホッパは、車体本体に固定されており、当該投入ホッパの一端を前記ドラム内に挿入している。そして、前記投入ホッパの上部に開口する投入口から生コンクリートを流し込むと当該生コンクリートはドラムに開口する受入口を介してドラム内に投入される(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−89109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記投入ホッパの投入口は通常0.6m程度も開口しており、降雨時等には
当該投入口から雨水等がドラム内に浸入してしまい、工場にて基準を遵守して製造した生コンクリートであっても雨水等の浸入の影響で基準を逸脱してしまう。
【0005】
また、前記トラックアジテータのドラム内に生コンクリートを投入する際に、前記投入ホッパやドラムの後端部に生コンクリートが付着するが、これらをトラックアジテータに設置している高圧ポンプを用いて洗浄すると、洗浄水が投入ホッパを介してドラム内に流入してしまう。従って、当該投入ホッパなどの洗浄は、生コンクリートを運搬し荷下ろしをした後に行なわなければならず、運搬に係る時間が長い場合や夏季には付着したモルタルが硬化してしまい、洗浄の際に当該硬化したモルタルをはつり取らなければならないという不具合があった。
【0006】
更には、生コンクリートに添加する流動化剤も投入ホッパを介してドラム内に投入しているが、当該投入方法であると流動化剤を投入ホッパの近傍にしか投入できないため、流動化剤を生コンクリートと混ぜるために必要な攪拌時間が長くなってしまう。
【0007】
また、流動化剤の投入の際には、地上から2m以上の高さにあるステップに登って作業を行わなければならない高所作業となってしまうため、安全帯を使用しなければならないなどの煩わしさや危険が伴う。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本願は、生コンクリートを受け入れる受入口を開口しているドラムと、当該ドラムの受入口と連通する連通口を開口している投入ホッパとを備えているトラックアジテータにおいて、前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを連通状態とし、当該投入ホッパを用いてドラムに生コンクリートを投入可能とする投入姿勢と、前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離し、当該投入ホッパの連通口から排出される排出物を排出シュートへ排出可能とする分離姿勢とを選択可能に構成していることを特徴とする。
【0009】
ここで本明細書において、「生コンクリート」という文言は狭義の生コンクリートに限定されることはなく、トラックアジテータを用いて運搬するものを広範に指し示す概念である。すなわち、粗骨材を含まないモルタルをも含む概念である。
【0010】
これにより、生コンクリートの運搬の際など、生コンクリートをドラムに挿入する時以外では前記分離姿勢としておくことで、前記投入ホッパを介して前記ドラム内に雨水等が浸入することを防止し、生コンクリートの品質を好適に維持することが可能となる。更に、投入ホッパから排出される雨水等や洗浄水などの排出物を、前記排出シュートを利用して排出することができる。また、生コンクリートを投入した直後に分離姿勢として、投入ホッパに付着した生コンクリートが硬化してしまう前に洗浄することが可能となり、はつり作業などを不要として洗浄作業を容易にすることができる。
【0011】
具体的には、前記分離姿勢において、前記投入ホッパの連通口を前記排出シュートの上方に位置させることが望ましい。
【0012】
そして分離姿勢では、前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口との離間幅を変更可能に構成することにより、運搬の際や流動化剤を投入する際などの各種場面に応じて好適な姿勢を選択することができる。
【0013】
加えて、投入ホッパを洗浄する場合などにおいて危険な高所作業を減らすためには、分離姿勢とした状態で、前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離し、前記投入ホッパに生コンクリートを投入する投入口の高さ位置を、前記投入姿勢にある投入ホッパの投入口の高さ位置よりも低い位置に移動可能に構成することが考えられる。
【0014】
また、前記ドラムの回転軸心方向に沿って前記投入ホッパの連通口を前記ドラムの受入口から分離することで、円滑な分離動作を実現できる。
【0015】
更に、前記分離姿勢において、前記ドラムの受入口を覆う防雨カバーを設けていることで、前記ドラムの受入口から雨水等が進入することを防止できる。
【0016】
加えて、作業者の操作性を向上させるためには、前記ドラムの受入口と前記投入ホッパの連通口とを分離するように操作する操作手段を、運転席及び車体本体の後方のうち何れか一方又は両方に設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、生コンクリートの運搬の際などには前記分離姿勢としておくことで、前記投入ホッパを介して前記ドラム内に雨水等が浸入することを防止し、生コンクリートの品質を好適に維持することが可能となる。更に、投入ホッパから排出される雨水等や洗浄水などの排出物を、前記排出シュートを利用して排出することができる。また、生コンクリートを投入した直後に分離姿勢として投入ホッパなどを洗浄することが可能となり、はつり作業などを不要として洗浄作業を容易にできる。更には、洗浄をした後に生コンクリートを運搬できるため路上などを汚染する恐れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて本願発明のトラックアジテータAの一実施形態を説明する。
【0019】
図1、図2及び図3(b)等に示すように、生コンクリート等を運搬するトラックアジテータAは、移動手段となる車体本体1と、当該車体本体1の荷台11に搭載したドラム2と、当該ドラム2へ生コンクリートを投入するための投入ホッパ3とを備え、当該ドラム2内に生コンクリート等を収容して運搬する。そして、運搬先まで到着すると、排出シュート4を用いてドラム2内の生コンクリート等を排出するものである。
【0020】
以上の構成に加えて、本願発明のトラックアジテータAは、図3乃至図6に示すように、分離機構5を用いて当該投入ホッパ3と前記ドラム2とを必要に応じて分離可能に構成している。更に、当該投入ホッパ3と前記ドラム2とを分離した際に前記ドラム2内に雨水等が進入しないように、前記ドラム2の受入口21a及び排出部21bの上方を覆う防雨カバー6を設けている。
【0021】
以下、各構成について詳述する。
【0022】
車体本体1は、運転席12に図示しないモニタ装置や、前記分離機構5や防雨カバー6を操作するための操作手段などを備えている。尚、本実施形態では操作手段を運転席12並びに車体本体1の後方に設けているが、当該操作手段については後述する。
【0023】
ドラム2は、前記生コンクリート等の運搬物を収容するものであり、内部に収容空間を形成するドラム本体21と、当該ドラム本体21を正回転並びに逆回転可能に支持するドラム軸(図示しない)とを主に有している。
【0024】
ドラム本体21は、後方上端部に生コンクリートを受け入れるための受入口21aを開口しており、当該受入口21a側を上位側とする傾斜状態となるように支持部材を介して前記車体本体1に対して取り付けている。そして受入口21aの周囲において、ドラム2の逆回転時に排出シュート4の後述する排出誘導部41へ生コンクリート等を排出し得る排出部21bを設定している。
【0025】
ドラム軸は、図示しないドラム回転制御部にて回転制御されており、ドラム2を正回転させることで生コンクリートを撹拌する一方で、ドラム本体21を逆回転させることによりドラム2内の生コンクリート等を前記排出シュート4を用いて排出する。
【0026】
投入ホッパ3は、漏斗状の投入ホッパ本体31の上部に生コンクリートを投入するための投入口31aを開口すると共に下部に前記ドラム2の受入口21aと連通する連通口31bを開口して構成している。また本実施形態では、投入時における生コンクリートの飛散を防止すべく前記投入口31aのドラム2側上部にゴム製の飛散防止カバー32を突設しているが、当該飛散防止カバー32を有さない態様としてもよい。
【0027】
投入口31aは、上方に向けて開口して上方から生コンクリートなどを投入可能としている。
【0028】
連通口31bは、その外形を前記ドラム2の受入口21aの内形と略同じ形状としており、当該連通口31bを含む投入ホッパ3の一端3Aを前記ドラム2の受入口21aを介してドラム2内に挿入することにより、両者(ドラム2の受入口21aと投入ホッパ3の連通口31b)を連通するように構成している。
【0029】
排出シュート4は、前記ドラム2から流れ出す生コンクリートや前記投入ホッパ3からの排出物を受けて外部へ排出するために上向けに開口した樋状のものであり、図1に示すように、前記投入ホッパ3の下方且つ前記ドラム2の後方に設けている。本実施形態においては、図3(b)などに示すように、左右一対の排出誘導部41と、当該排出誘導部41にて誘導される排出物などを流すシュート本体42とから構成している。
【0030】
排出誘導部41は、前記ドラム2の排出部21bの下方に位置付けた漏斗状の部材であり、その上部を前記支持部材14に固定している。
【0031】
シュート本体42は、前記排出誘導部41の下端に回動可能に取り付けており、前記ドラム2から流れ出す生コンクリートや、本実施形態で後に詳述する運搬姿勢D2において前記投入ホッパ3からの排出物を排出し得るものとなっている。
【0032】
尚、シュート本体42の下部には、排出物を溜める装置としてバケツ等を取り付け可能に構成してもよい。
【0033】
分離機構5は、ガイド溝51aを有する一対のガイドレール51と、当該ガイドレール51のガイド溝51aに沿って移動する走行支柱52と、当該走行支柱52を取り付けた前記投入ホッパ3を前記ガイドレール51に沿って移動させるための駆動部(図示しない)とから構成している。
【0034】
当該分離機構5は、前記投入ホッパ3とドラム2とを接触及び分離させることにより、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを連通状態とし、当該投入ホッパ3を用いてドラム2に生コンクリートを投入可能とする投入姿勢D1と、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離し、当該投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物を排出シュート4へ排出可能とする分離姿勢D2とを選択可能に構成している。
【0035】
本実施形態においては、前記ドラム軸の回転軸心方向dに沿って、前記投入ホッパ3の連通口31bを前記ドラム2の受入口21aから分離する。また、前記ガイドレール51に沿って前記投入ホッパ3をドラム2と離間及び近接させて前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとの離間幅R1、R2、R3を変更可能に構成することにより、後述する投入姿勢D1と、第一分離姿勢である運搬姿勢D2と、第二分離姿勢である流動化剤投入姿勢D3と、第三分離姿勢である投入ホッパ洗浄姿勢D4からなる複数の姿勢を選択可能に構成している。
【0036】
ガイドレール51は、図3(a)乃至図6(a)に示すように、投入ホッパ3の両側面の近傍位置に設けており、その一端は、投入ホッパ3の近傍に設けた支持部材14に支持させている。
【0037】
詳述すると、当該ガイドレール51は、回転軸心方向dに沿って延長した第一レール部511と、当該第一レール部511から反ドラム2側に水平方向に延設した第二レール部512と、当該第二レール部512から下方に向って延出した第三レール部513とを備えてなる。また、前記投入ホッパ3側に向けて前記走行支柱52を支持させるガイド溝51aを各姿勢に前記投入ホッパ3を誘導する形状に開口すると共に、前記各姿勢位置に投入ホッパ3を停止させるためのリミットスイッチを設けて、前記投入ホッパ3を各姿勢にて維持可能としている。なお本実施形態ではドラム2や排出シュート4等との配置を考慮した角度を成して下方に延出させた構成を採用しているが、斯かる構成に限られることはない。すなわち、第三レール部513を第二レール部512の後端から垂下させた第三レール部513を構成したものであってもよい。
【0038】
走行支柱52は、図3(b)などに示すように、前記投入ホッパ3の両側面から前記ガイドレール51側に向って突設した一対の棒状の突起部であり、一端を投入ホッパ3に固定すると共に他端を前記ガイドレール51のガイド溝51aに支持させている。更に、ガイド溝51aに嵌合させる端部にギアなどを取り付けて前記ガイドレール51のガイド溝51aに沿って移動及び回動可能に構成している。なお本実施形態では投入ホッパ3は上述したいずれの姿勢においても確実に支持され得るものであるが、投入ホッパ3を支持する構成要素としてはガイドレール51並びに走行支柱52以外のものを省略して図示している。
【0039】
駆動部は、小型のモータなどの動力源から構成しており、前記操作手段からの電気的な操作信号に従って、前記投入ホッパ3を前記ガイドレール51に沿って移動及び回動させるための機能を発揮する。
【0040】
防雨カバー6は、図4に示すように、前記運搬姿勢D2にあるドラム2の受入口21a並びに排出部21bの上方を覆うに足る平面視形状を有するカバー本体61と、当該カバー本体61を前記投入ホッパ3に対して回動可能に取り付ける取付部材62とを有している。
【0041】
カバー本体61は、前記ドラム2の受入口21a及び排出部21bの幅寸法よりも広い幅寸法6W1と、当該カバー本体61の基端部611から運搬姿勢D2にあるドラム2の受入口21aまでの寸法よりも長い奥行き寸法6W2を有する平板状の部材である。また、当該カバー本体61は、前記分離機構5の駆動部および操作手段を用いて、略90度の可動範囲で回動可能に構成した可動式のカバー部材である。
【0042】
詳述すると、図4に示すように、前記カバー本体61を略水平状態として運搬姿勢D2にある前記ドラム2の受入口21a及び排出部21bの上方を覆う被覆状態S1と、図5に示すように、前記カバー本体61を略垂直状態として流動化剤投入姿勢D3や投入ホッパ洗浄姿勢D4にある前記ドラム2の受入口21a及び排出部21bの上方を開放する開放状態S2とを選択可能に構成している。
【0043】
取付部材62は、図示しない蝶番などを用いて前記投入ホッパ3の後端に前記カバー本体61の基端部611を回動可能な状態に取り付ける部材である。
【0044】
操作手段は、本実施形態では運転席12並びに車体本体1の後方に設けており、図示しない操作盤などを用いて前記駆動部に電気信号を送信する機能を有している。当該操作手段からの操作信号に従って前記投入ホッパ3は前記ガイドレール51に沿って指示された姿勢の位置まで移動する。また、前記防雨カバー6は、当該操作手段からの操作信号に従ってカバー本体61の自由端部612を回動させて前記被覆状態S1と開放状態S2とを取りうる。
【0045】
次に、前記分離機構5を用いて選択できる前記ドラム2と前記投入ホッパ3の各姿勢について図3乃至図6を参照して詳述する。
【0046】
投入姿勢D1は、図3に示すように、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを連通状態とし、当該投入ホッパ3を用いてドラム2に生コンクリートを投入可能とする姿勢である。具体的には、前記分離機構5を用いて前記投入ホッパ3を前記ドラム2に最も近づける方向に移動させて前記投入ホッパ3の連通口31bを含む一端3Aを前記ドラム2の受入口21aに挿入することにより、両者を連通状態とする。当該投入姿勢D1において、前記投入ホッパ3の上部に設けた投入口31aから生コンクリートを投入すると、当該投入ホッパ3の連通口31b及び前記ドラム2の受入口21aを介して生コンクリートがドラム2内に流れ込む。
【0047】
当該投入姿勢D1においては、前記防雨カバー6を被覆状態S1としておく。
【0048】
運搬姿勢D2(第一分離姿勢)は、図4に示すように、ドラム2内に生コンクリートを投入した後に、目的地まで運搬する際に適した姿勢であり、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離し、当該投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物(例えば、投入口31aから入る雨水等)を排出シュート4へ排出可能としている。本実施形態においては、前記投入ホッパ3の連通口31bを前記排出シュート4の上方に位置させることにより、投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物を排出シュート4へ排出可能としている。
【0049】
具体的には、前記分離機構5を用いて投入姿勢D1にある前記投入ホッパ3を前記ガイドレール51(第一レール部511)に沿って後方に移動させて、前記投入ホッパ3の連通口31bと前記ドラム2の受入口21aとをドラム2の回転軸心方向dに沿って分離する。そして、更に当該投入ホッパ3を前記ガイドレール51に沿って投入姿勢D1にある投入ホッパ3よりも上方かつ前記ドラム2と離間する方向に移動させる。前記投入ホッパ3の連通口31bの前端(ドラム2側端)を、前記ドラム2の受入口21aの後端(投入ホッパ3側端)より後方、つまり、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとが、垂直方向からみてオーバーラップしない位置まで離間させ、前記投入ホッパ3の連通口31bが前記排出シュート4の上方に位置する所で移動を停止する。これにより、当該投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物は、前記ドラム2内に流れ込まず、前記排出シュート4から排出される。
【0050】
当該運搬姿勢D2においては、前記防雨カバー6を被覆状態S1とし、運搬姿勢D2とすることにより露呈する前記ドラム2の受入口21aの上方を覆う。
【0051】
流動化剤投入姿勢D3(第二分離姿勢)は、図5に示すように、前記ドラム2内に流動化剤などを投入する際に適した姿勢であり、前記第一分離姿勢である運搬姿勢D2よりも、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとの離間幅R2を広くしている。但し、当該流動化剤投入姿勢D3においても、前記投入ホッパ3の連通口31bを前記排出シュート4の上方に位置させておき、当該投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物を排出シュート4へ排出可能としている。
【0052】
具体的には、前記分離機構5を用いて運搬姿勢D2にある前記投入ホッパ3を前記ガイドレール51(第二レール部512)に沿って水平方向に後退させることにより、前記投入ホッパ3を更に前記ドラム2から離間する。これにより、前記ドラム2と前記投入ホッパ3との間に数十cmの作業空間を形成し前記ドラム2の受入口21aから流動化剤などを投入可能とする共に前記ドラム2内の生コンクリートの性状を目視可能としている。
【0053】
当該流動化剤投入姿勢D3においては、前記防雨カバー6を開放状態S2とし、前記ドラム2の受入口21aの上方を露呈させ、投入作業を行うに足る作業空間を確保する。
【0054】
投入ホッパ洗浄姿勢D4(第三分離姿勢)は、図6に示すように、前記投入ホッパ3の内側を洗浄する際に適した姿勢であり、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離し、前記投入ホッパ3に生コンクリートを投入する投入口31aの高さ位置を、前記投入姿勢D1にある投入ホッパ3の投入口31aの高さ位置よりも低い位置に移動する。但し、当該投入ホッパ洗浄姿勢D4においても、前記投入ホッパ3の連通口31bを前記排出シュート4の上方に位置させており、当該投入ホッパ3の連通口31bから排出される排出物を排出シュート4へ排出可能としている。
【0055】
具体的には、前記分離機構5を用いて流動化剤投入姿勢D3にある前記投入ホッパ3を前記ガイドレール51(第三レール部513)に沿って下降させる。そして、所定の位置まで下降し前記リミットスイッチにより停止した後に、前記投入ホッパ3の投入口31aをドラム2側に向けて略30度回転させる。これにより、投入ホッパ3の投入口31aの高さ位置が、投入姿勢D1にある投入ホッパ3の投入口31aの高さ位置よりも数十cmほど低い位置に移動し、投入ホッパ3の投入口31aが地上から2m以下の位置にある洗浄作業を行える位置まで下がる。なお本実施形態では図示例として投入ホッパ3の投入口31aを回転させる角度を略30度としたものを開示しているが、斯かる角度を略30度に限定するものではない。すなわち、ドラム2や排出シュート4との相対配置を考慮して、さらに角度を大きく回転し得るものとしても良い。
【0056】
当該投入ホッパ洗浄姿勢D4においては、前記防雨カバー6を開放状態S2とし、前記ドラム2と干渉しないようにする。
【0057】
尚、以上は、投入姿勢D1、運搬姿勢D2、流動化剤投入姿勢D3、投入ホッパ洗浄姿勢D4の順に前記投入ホッパ3をドラム2から離間させる方向に移動する工程について説明したが、逆の順序を辿って前記投入ホッパ3をドラム2に近接することもできる。
【0058】
以上のようにトラックアジテータAを構成することにより、以下のような効果を奏する。
【0059】
生コンクリートの運搬の際などには前記運搬姿勢D2としておくことで、前記投入ホッパ3を介して前記ドラム2内に雨水等が浸入することを防止し、生コンクリートの品質を好適に維持することが可能となる。更に、投入ホッパ3から排出される雨水等や洗浄水などの排出物を、前記排出シュート4を利用して排出することができる。また、生コンクリートを投入した直後に投入ホッパ洗浄姿勢D4として投入ホッパ3などを洗浄することが可能となる。すなわち、投入ホッパ3に付着した生コンクリートを硬化させることに起因するはつり作業などを不要として洗浄作業を容易に行える。
【0060】
また、前記分離姿勢において、前記投入ホッパ3の連通口31bを前記排出シュート4の上方に位置させることで、容易に投入ホッパ3からの排出物を前記排出シュート4へと排出する構造を実現できる。
【0061】
更に、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとの離間幅R1、R2、R3を変更可能に構成することにより、運搬の際や流動化剤を投入する際などの各種場面に応じて好適な姿勢を選択することができる。
【0062】
加えて、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離し、前記投入ホッパ3に生コンクリートを投入する投入口31aの高さ位置を、前記投入姿勢D1にある投入ホッパ3の投入口31aの高さ位置よりも低い位置に移動可能に構成していることで、洗浄の際などに危険な高所作業を減らすことが可能となる。
【0063】
また、前記ドラム2の回転軸心方向dに沿って前記投入ホッパ3の連通口31bを前記ドラム2の受入口21aから分離することで、円滑な分離動作を実現できる。
【0064】
更に、前記運搬姿勢D2において、前記ドラム2の受入口21aの上方を覆う防雨カバー6を設けていることで、前記ドラム2の受入口21aから雨水等が進入することを簡単に防止できる。
【0065】
加えて、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離するように操作する操作手段を運転席12並びに車体本体1に設けていることにより、作業者の操作性を向上できる。
【0066】
尚、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0067】
例えば、前記ドラム2の受入口21aと前記投入ホッパ3の連通口31bとを分離するように操作する操作手段を、運転席12及び車体本体1の後方の何れか一方に設けたものとしてもよい。
【0068】
更に、本実施形態においては、前記投入ホッパ3に取り付けた防雨カバー6により、前記ドラム2の受入口21a及び排出部21bを上方から覆っているが、前記ドラム2の排出部21bに嵌め合わせて当該受入口21a及び排出部21bを蓋閉可能な蓋体を設けても良い。
【0069】
また、上記実施形態においては、ガイドレール51などを用いてドラム軸の延伸方向に沿って前記投入ホッパ3を移動させているが、例えばドラム2に対して投入ホッパ3を扉状に旋回させることによって両者を分離することも考えられる。
【0070】
さらに、上記実施形態では当該投入ホッパ洗浄姿勢D4において、前記投入ホッパ3の連通口31bを排出シュート4の略真上に位置させることにより、分離姿勢における一姿勢として投入ホッパ洗浄姿勢D4を開示したが、投入ホッパを洗浄するための姿勢として分離姿勢とは異なる姿勢をなすものとしても良い。すなわち、連通口31bを排出シュート4よりも後方や下方に配置することにより、投入ホッパ3の洗浄に適した格別の姿勢をなし得るものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係るトラックアジテータAを示す側面図。
【図2】同実施形態に係るトラックアジテータAを示す平面図。
【図3】同実施形態に係るトラックアジテータAの投入姿勢D1を示す概略説明図。
【図4】同実施形態に係るトラックアジテータAの運搬姿勢D2を示す概略説明図。
【図5】同実施形態に係るトラックアジテータAの流動化剤投入姿勢D3を示す概略説明図。
【図6】同実施形態に係るトラックアジテータAの投入ホッパ洗浄姿勢D4を示す概略説明図。
【符号の説明】
【0072】
A・・・トラックアジテータ
D1・・・投入姿勢
D2・・・分離姿勢(運搬姿勢)
D3・・・分離姿勢(流動化剤投入姿勢)
D4・・・分離姿勢(投入ホッパ洗浄姿勢)
d・・・回転軸心方向
R1・・・離間幅
R2・・・離間幅
R3・・・離間幅
1・・・車体本体
2・・・ドラム
3・・・投入ホッパ
4・・・排出シュート
6・・・防雨カバー
12・・・運転席
21a・・・受入口
31a・・・投入口
31b・・・連通口
【出願人】 【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
【出願日】 平成19年3月12日(2007.3.12)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博

【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志


【公開番号】 特開2008−221572(P2008−221572A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−61928(P2007−61928)