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【発明の名称】 液状泡沫体の調製方法及び液状泡沫体
【発明者】 【氏名】菊田 晴夫

【氏名】山本 健一

【氏名】澤本 悟博

【氏名】黒川 信夫

【氏名】青山 宏昭

【氏名】水沼 一尚

【氏名】水沼 秀樹

【氏名】木之下 光男

【氏名】小川 誠一郎

【要約】 【課題】それを用いて調製したAEコンクリートの流動性を、またかかるAEコンクリートから得られる硬化体の気泡間隔係数、凍結融解抵抗性及び打ち肌面の平滑性を、同時に且つ充分に改善することができる液状泡沫体の調製方法及び該調製方法によって得られる液状泡沫体を提供する。

【解決手段】AEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体を、抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と接触させた改質練り混ぜ水を用いる特定の四つの工程を経ることにより調製した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体の調製方法であって、次の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経ることを特徴とする液状泡沫体の調製方法。
第1工程:AEコンクリート調製用の練り混ぜ水を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と接触させて改質練り混ぜ水を調製する工程
第2工程:第1工程で調製した改質練り混ぜ水を起泡剤及び泡沫膜安定剤と混合して混合溶液を調製する工程
第3工程:第2工程で調製した混合溶液を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と再接触させて改質混合溶液を調製する工程
第4工程:第3工程で調製した改質混合溶液を気泡発生装置に供して圧縮空気と気液混合することにより液状泡沫体を調製する工程。
【請求項2】
第2工程で調製する混合溶液が、改質練り混ぜ水、起泡剤及び泡沫膜安定剤を、改質練り混ぜ水/起泡剤/泡沫膜安定剤=70〜98.99/0.01〜10/1〜20(質量%)の割合となるよう用いたものである請求項1又は2記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項3】
第4工程で調製する液状泡沫体が、気泡径1〜150μmの範囲内の微細な独立気泡で形成されたものである請求項1又は2記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項4】
第4工程で改質混合溶液と気液混合する圧縮空気が、予め抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と接触させたものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項5】
抗火石の加工品が、粒子径50〜550μmの範囲内の抗火石粉末を用いて成形した成形体の焼成物である請求項1〜4のいずれか一つの項記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項6】
起泡剤が、アニオン界面活性剤のなかから選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜5のいずれか一つの項記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項7】
アニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩である請求項6記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項8】
泡沫膜安定剤が、ポリビニルアルコールである請求項1〜7のいずれか一つの項記載の液状泡沫体の調製方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つの項記載の液状泡沫体の調製方法によって得られる液状泡沫体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は液状泡沫体の調製方法及び液状泡沫体に関し、更に詳しくはAEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体の調製方法及び該調製方法によって得られる液状泡沫体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記のような液状泡沫体として、起泡剤溶液を気泡発生装置に供して圧縮空気と気液混合したものが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。かかる液状泡沫体には、それを用いて調製したAEコンクリート(所謂プレフォーム法によるAEコンクリート)が単にAE剤を加えて練り混ぜることにより調製したAEコンクリート(所謂ミックスフォーム法によるAEコンクリート)に比べ、AEコンクリート中に含まれる気泡が均一且つ微細なものとなり、したがって流動性に優れ、また得られる硬化体は気泡間隔係数が小さく、凍結融解に対する抵抗性に優れ、打ち肌面も平滑なものになるという利点がある。
【0003】
しかし、従来の液状泡沫体には、それを用いて調製したAEコンクリートの流動性において、またかかるAEコンクリートから得られる硬化体の気泡間隔係数、凍結融解抵抗性及び打ち肌面の平滑性において、改善の程度が不充分という問題がある。
【特許文献1】特開平2−35169号公報
【特許文献2】特開平7−118082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、それを用いて調製したAEコンクリートの流動性を、またかかるAEコンクリートから得られる硬化体の気泡間隔係数、凍結融解抵抗性及び打ち肌面の平滑性を、同時に且つ充分に改善することができる液状泡沫体の調製方法及び該調製方法によって得られる液状泡沫体を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の四つの工程を経て液状泡沫体を調製するのが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、AEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体の調製方法であって、次の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経ることを特徴とする液状泡沫体の調製方法に係る。また本発明はかかる調製方法によって得られる液状泡沫体に係る。
【0007】
第1工程:AEコンクリート調製用の練り混ぜ水を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と接触させて改質練り混ぜ水を調製する工程
【0008】
第2工程:第1工程で調製した改質練り混ぜ水を起泡剤及び泡沫膜安定剤と混合して混合溶液を調製する工程
【0009】
第3工程:第2工程で調製した混合溶液を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と再接触させて改質混合溶液を調製する工程
【0010】
第4工程:第3工程で調製した改質混合溶液を気泡発生装置に供して圧縮空気と気液混合することにより液状泡沫体を調製する工程。
【0011】
本発明に係る液状泡沫体の調製方法は、AEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体の調製方法であり、以下に説明するような第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経る調製方法である。
【0012】
第1工程では、AEコンクリート調製用の練り混ぜ水を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と接触させて改質練り混ぜ水を調製する。AEコンクリート調製用の練り混ぜ水を抗火石の原石及び/又は加工品と接触させると、表面張力の低下したものとなるが、これが改質練り混ぜ水である。AEコンクリート調製用の練り混ぜ水と抗火石の原石及び/又は加工品との接触手段は特に限定されず、例えば抗火石の原石及び/又は加工品を収容した槽内にAEコンクリート調製用の練り混ぜ水を投入して所定時間静置するバッチ方式でもよいし、またポンプによってAEコンクリート調製用の練り混ぜ水を連続的に送水しつつこれを抗火石の原石及び/又は加工品と接触させるフロー方式でもよい。抗火石の原石及び/又は加工品との接触時間や温度等の接触条件によっても変動するが、かかる接触により、改質練り混ぜ水の表面張力は、接触前のAEコンクリート調製用練り混ぜ水と比べて、0.5〜5mN/m程度低下する。その理由は、改質練り混ぜ水中に抗火石の原石及び/又は加工品から溶出する微量成分が含まれてくるためと推察される。
【0013】
ここで抗火石について説明する。抗火石(原石)は、伊豆半島や伊豆諸島で産出する石英粗面岩の一種である。抗火石は、石英、長石、雲母及びその他の成分を含有する火山性ガラスを主な構成成分とし、約70質量%以上のケイ酸(シリカ)を含有していて、火山性活動により、かかるケイ酸が縦横に交走してガラス繊維化した多孔質性の海綿状火成岩となっているものである。またかかる抗火石の加工品には抗火石の粉砕物、造流物、成形物、焼成物等、各種が挙げられ、例えば抗火石の粉末、好ましくは粒子径50〜550μmの範囲内の粉末を用いた成形体の焼成物が挙げられる。以上説明したような抗火石の原石や加工品それ自体は公知であり、例えば特開昭61−127684号公報に記載されている。
【0014】
第2工程では、第1工程で調製した改質練り混ぜ水を起泡剤及び泡沫膜安定剤と混合して混合溶液を調製する。ここで用いる起泡剤としては、それ自体は公知である各種のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上が挙げられるが、アニオン界面活性剤が好ましい。かかるアニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ロジン石けん、高級脂肪酸石けん等が挙げられるが、なかでもポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ロジン石けんが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩が特に好ましい。
【0015】
また第2工程で用いる泡沫膜安定剤は気泡を形成し易くし、形成した気泡を壊れ難くするためのもので、これにはそれ自体は公知の各種の水溶性高分子が挙げられる。具体的には、1)ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等の水溶性合成高分子、2)メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸塩等の水溶性半合成高分子、3)でんぷん、カゼイン、ゼラチン、ウエランガム、キサンタンガム等の天然高分子等が挙げられるが、なかでもポリビニルアルコール、メチルセルロースが好ましく、ポリビニルアルコールが特に好ましい。ポリビニルアルコールのなかでも、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物であって、鹸化度が80〜95モル%の範囲内にあり且つ20℃での4%水溶液の粘度が1〜50mPa・sの範囲内にあるものが好ましく、かかる粘度が1〜30mPa・sの範囲内にあるものがより好ましい。
【0016】
第2工程では、第1工程で調製した改質練り混ぜ水を起泡剤及び泡沫膜安定剤と混合するが、この場合、改質練り混ぜ水/起泡剤/泡沫膜安定剤=70〜98.99/0.01〜10/1〜20(質量%)の割合となるよう混合するのが好ましく、93〜98.97/0.03〜2/1〜5(質量%)の割合となるよう混合するのがより好ましい。
【0017】
第3工程では、第2工程で調製した混合溶液を抗火石の原石及び/又は抗火石の加工品と再接触させて改質混合溶液を調製する。抗火石の原石や加工品、また接触手段等は第1工程について前記したことと同じである。
【0018】
第4工程では、第3工程で調製した改質混合溶液を気泡発生装置に供して圧縮空気と気液混合することにより液状泡沫体を調製する。調製したAEコンクリートから得られる硬化体の凍害は、硬化体中の空隙に存在する水が寒冷地で凍結融解を繰り返すときの凍結膨張により組織が破壊される現象である。かかる現象が生じるのを防止するためには、硬化体中の気泡を、したがって調製したAEコンクリート中の気泡をできるだけ微細な独立気泡とすることが重要であり、この意味でAEコンクリートに空気を連行させるために用いる液状泡沫体は、気泡径が1〜150μmの範囲内の微細な独立気泡で形成されたものとするのが好ましく、なかでも気泡径が10〜90μmの範囲内の微細な独立気泡の含有割合の多いものほどより好ましい。
【0019】
前記のような微細な独立気泡で形成された液状泡沫体は、第3工程で調製した改質混合溶液を気泡発生装置に供して圧縮空気と気液混合することにより得られる。ここで用いる気泡発生装置それ自体は、公知の装置例えば特開昭63−156526号公報や特開平4−255303号公報に記載のものを適用できる。圧縮空気としては、通常は圧力が0.2〜0.3MPaのものを用いるが、圧力が0.5〜0.8MPaのものを用いるのが好ましく、また予め抗火石の原石及び/又は加工品と接触させておいたものを用いるのが好ましい。
【0020】
本発明に係る液状泡沫体は、以上説明した本発明に係る液状泡沫体の調製方法によって得られるものである。
【0021】
本発明に係る液状泡沫体は、AEコンクリートを調製するときに該AEコンクリートに空気を連行させるために用いる。具体的には、セメント、水、細骨材、粗骨材及び混和剤の所定量をコンクリート用ミキサーに投入して所定時間練り混ぜた後、コンクリート1m当たり0.5〜10kgの割合となるように本発明に係る液状泡沫体を投入し、更に所定時間練り混ぜて液状泡沫体を均一分散させることによりAEコンクリートを調製する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る液状泡沫体によると、これを用いて調製したAEコンクリートの流動性を、またかかるAEコンクリートから得られる硬化体の気泡間隔係数、凍結融解抵抗性及び打ち肌面の平滑性を、同時に且つ充分に改善することができる。
【0023】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
【実施例】
【0024】
試験区分1(液状泡沫体の調製)
・実施例1
次の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経て液状泡沫体(A−1)を調製した。
第1工程:表1に記載の組成を有する抗火石の原石(直径約1cmのボール状)を槽内に詰め、その上部から水道水を連続的に且つ徐々に送水して原石と接触させ、槽の下部から改質練り混ぜ水を得た。表面張力を測定したところ、接触前の水道水が72.0mN/mであるのに対し、接触後の改質練り混ぜ水は68.0mN/mに低下していた。
【0025】
【表1】


【0026】
第2工程:第1工程で得た改質練り混ぜ水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及び泡沫膜安定剤としてのポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名J−ポバールJP−05、鹸化度88モル%、4%水溶液の20℃での粘度5mPa・s)とを、該改質練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=98.45/0.05/1.50(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製した。
【0027】
第3工程:第2工程で調製した混合溶液を、第1工程と同様にして抗火石の原石と再接触させ、改質混合溶液を調製した。
【0028】
第4工程:第3工程で調製した改質混合溶液を気泡発生装置に供し、圧縮空気と気液混合して、気泡径15〜120μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−1)を調製した。
【0029】
・実施例2
次の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経て液状泡沫体(A−2)を調製した。
第1工程:実施例1と同じ抗火石の原石を粉砕し、粒子径50〜550μmの範囲内の粉末とした。この粉末を70質量%、また粘土を30質量%の割合で混合し、その混合物からボール状の成形体を成形した後、成形体を1000〜1500℃の温度で焼成して、直径約1cmのボール状の焼成物を得た。抗火石の加工品に相当するかかる焼成物を用い、以下実施例1と同様にして、改質練り混ぜ水を得た。表面張力を測定したところ、接触前の水道水が72.0mN/mであるのに対し、接触後の改質練り混ぜ水は69.0mN/mに低下していた。
【0030】
第2工程、第3工程及び第4工程:抗火石の原石の代わりに前記の抗火石の加工品を用いたこと以外は実施例1と同様にして、気泡径20〜130μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−2)を調製した。
【0031】
・実施例3
次の第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を経て液状泡沫体(A−3)を調製した。
第1工程:実施例1で用いた抗火石の原石の代わりに実施例1で用いた抗火石の原石と実施例2で用いた抗火石の加工品との等量割合混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、改質練り混ぜ水を得た。表面張力を測定したところ、接触前の水道水が72.0mN/mであるのに対し、接触後の改質練り混ぜ水は68.3mN/mに低下していた。
【0032】
第2工程:第1工程で得た改質練り混ぜ水と、起泡剤としてのロジン石けん及び泡沫膜安定剤としてのメチルセルロース(信越化学工業社製の商品名hi−メトローズ90SH―4000)とを、該改質練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=98.92/0.08/1.00(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製した。
【0033】
第3工程及び第4工程:抗火石の原石の代わりに抗火石の原石と抗火石の加工品との等量割合混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、気泡径が10〜150μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−3)を調製した。
【0034】
・実施例4
第2工程において、第1工程で調製した改質練り混ぜ水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及び泡沫膜安定剤としてのポリビニルアルコール(日本合成化学社製の商品名ゴーセノールGM−14、鹸化度88モル%、4%水溶液の20℃での粘度23mPa・s)とを、該改質練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=98.45/0.05/1.50(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製し、また第4工程において、予め抗火石の原石と接触させておいた圧縮空気を用いたこと以外は実施例1と同様にして、気泡径が10〜130μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−4)を調製した。
【0035】
・実施例5
第2工程において、第1工程で調製した改質練り混ぜ水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及び泡沫膜安定剤としてのポリビニルアルコール(実施例4で用いたものと同じもの)とを、改質練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=97.75/0.75/1.50(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製し、また第4工程において、予め抗火石の加工品と接触させておいた圧縮空気を用いたこと以外は実施例2と同様にして、気泡径が15〜130μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−5)を調製した。
【0036】
・実施例6
第2工程において、第1工程で調製した改質練り混ぜ水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及び泡沫膜安定剤としてのポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名J−ポバールJP−18、鹸化度88モル%、4%水溶液の20℃での粘度25mPa・s)とを、改質練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=97.80/0.75/1.45(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製し、また第4工程において、予め抗火石の原石と抗火石の加工品との等量割合混合物と接触させておいた圧縮空気を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、気泡径が10〜140μmの範囲内の微細な独立気泡で形成された液状泡沫体(A−6)を調製した。
【0037】
・比較例1
練り混ぜ水としての水道水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩とを、該練り混ぜ水/該起泡剤=99.95/0.05(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製した後、該混合溶液を気泡発生装置に供し、圧縮空気と気液混合して、液状泡沫体(R−1)を調製した。
【0038】
・比較例2
練り混ぜ水としての水道水と、起泡剤としてのポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及び泡沫膜安定剤としてのポリビニルアルコール(実施例1で使用したものと同じもの)とを、該練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=97.75/0.75/1.50(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製した後、該混合溶液を気泡発生装置に供し、圧縮空気と気液混合して、液状泡沫体(R−2)を調製した。
【0039】
・比較例3
練り混ぜ水としての水道水と、起泡剤としてのロジン石けん及び泡沫膜安定剤としてのメチルセルロース(実施例3で使用したものと同じもの)とを、該練り混ぜ水/該起泡剤/該泡沫膜安定剤=98.92/0.08/1.00(質量%)の割合となるよう混合して混合溶液を調製した後、該混合溶液を気泡発生装置に供し、圧縮空気と気液混合して、液状泡沫体(R−3)を調製した。
【0040】
・比較例4
抗火石の原石をトルマリンの原石に代えたこと以外は実施例1と同様にして、液状泡沫体(R−4)を調製した。
【0041】
以上の実施例1〜6及び比較例1〜4で調製した液状泡沫体(A−1)〜(A−6)及び(R−1)〜(R−4)の内容を表2にまとめて示した。
【0042】
【表2】


【0043】
表2において、
気泡径:光学顕微鏡を用いた液状泡沫体の写真画像のなかから無作為に抽出した50個の気泡についてそれらの径を測定し、気泡径の範囲を求めた
b−1:水道水を抗火石の原石と接触させた改質練り混ぜ水
b−2:水道水を抗火石の加工品と接触させた改質練り混ぜ水
b−3:水道水を抗火石の原石と抗火石の加工品との等量割合混合物と接触させた改質練り混ぜ水
b−4:水道水
b−5:水道水をトルマリンの原石と接触させた練り混ぜ水
c−1:ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩
c−2:ロジン石けん
d−1:ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名J−ポバールJP−05)
d−2:メチルセルロース(信越化学工業社製の商品名hi−メトローズ90SH―4000)
d−3:ポリビニルアルコール(日本合成化学社製の商品名ゴーセノールGM−14)
d−4:ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名J−ポバールJP−18)
【0044】
試験区分2(液状泡沫体を用いたAEコンクリートの調製及び評価)
・試験例1〜3、7及び10
表3に記載の調合条件1で、100リットルのパン型強制練りミキサーに、実施例1で得た改質練り混ぜ水、普通ポルトランドセメント(比重=3.16、ブレーン値3300)、細骨材(大井川水系砂、比重=2.58)及びAE減水剤(竹本油脂社製のポリカルボン酸塩系セメント分散剤、商品名チューポールEX50)の各所定量を投入して30秒間練り混ぜた。次に、実施例1の液状泡沫体(A−1)の所定量を投入して10秒間練り混ぜ、更に粗骨材(岡崎産砕石、比重=2.68)を投入して90秒間練り混ぜて、目標スランプが8±1.5cm、目標空気量が3.5±0.5%の範囲内となる試験例1のAEコンクリートを調製した。同様にして、試験例2、3、7及び10のAEコンクリートを調製した。
【0045】
・試験例4〜6、8及び9
表3に記載の調合条件2で、100リットルのパン型強制練りミキサーに、実施例1で得た改質練り混ぜ水、セメント、石炭灰、炭酸カルシウム、細骨材及び高性能減水剤(竹本油脂社製のポリカルボン酸塩系セメント分散剤、商品名チューポールNV−G5)の各所定量を投入して45秒間練り混ぜた。次に、実施例4の液状泡沫体(A−4)の所定量を投入して60秒間練り混ぜ、更に粗骨材を投入して90秒間練り混ぜて、目標スランプフローが75±2cm、目標空気量が3.5±0.5%の範囲内となる試験例4のAEコンクリートを調製した。同様にして、試験例5、6、8及び9のAEコンクリートを調製した。
【0046】
・試験例11
表3に記載の調合条件1で、100リットルのパン型強制練りミキサーに、練り混ぜ水として水道水、普通ポルトランドセメント、細骨材、AE減水剤(試験例1と同じもの)及びAE剤(竹本油脂社製の商品名AE−200)の各所定量を投入して30秒間練り混ぜた。次に粗骨材を投入して90秒間練り混ぜ、目標スランプが8±1.5cm、目標空気量が3.5±0.5%の範囲内となる試験例11のAEコンクリートを調製した。
【0047】
・試験例12
表3に記載の調合条件2で、100リットルのパン型強制練りミキサーに、練り混ぜ水として水道水、普通ポルトランドセメント、石炭灰、炭酸カルシウム、細骨材、高性能減水剤(試験例4と同じもの)及びAE剤(竹本油脂社製の商品名AE−200)の各所定量を投入して60秒間練り混ぜた。次に粗骨材を投入して90秒間練り混ぜて、目標スランプフローが75±2cm、目標空気量が3.5±0.5%の範囲内となる試験例12のAEコンクリートを調製した。
【0048】
・AEコンクリートの評価
調製した各試験例のAEコンクリートについて、空気量、スランプ、スランプフロー、スランプ残存率又はスランプフロー残存率を次のように求め、結果を表4にまとめて示した。また各試験例のAEコンクリートを硬化させた硬化体について、気泡間隔係数、凍結融解耐久性指数、打ち肌面の平滑性及び圧縮強度を次のように求め、結果を表5にまとめて示した。
【0049】
・空気量:練り混ぜ直後のAEコンクリート及び更に60分間静置後のAEコンクリートについて、JIS−A1128に準拠して測定した。
・スランプ:空気量の測定と同時に、JIS−A1101に準拠して測定した。
・スランプ残存率:(60分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・スランプフロー:JIS−A1150に準拠して測定した。
・スランプフロー残存率:(60分間静置後のスランプフロー/練り混ぜ直後の
スランプフロー)×100で求めた。
【0050】
・気泡間隔係数:各試験例のAEコンクリートを、20℃×60%RHの条件下で4週間保存し、得られた硬化体の表面を研磨仕上げした供試体について、気泡組織をASTM−C457のリニアトラバース法に準拠して測定した。
・凍結融解耐久性指数:各試験例のAEコンクリートから得た硬化体について、JIS−A1129の付属書2に準拠して測定した値を用い、ASTM−C666−75の耐久性指数で計算した数値を示した。この数値は、最大値が100で、100に近いほど、凍結融解に対する抵抗性が優れていることを示す。
・打ち肌面の平滑性:各試験例のAEコンクリートを、縦×横×幅が1m×1m×0.1mの鋼製型枠に打ち込み、調合条件1のAEコンクリートの場合はバイブレータを使用して締め固め、また調合条件2のAEコンクリートの場合はバイブレータを使用せずに自己充填した。7日後に型枠を外し、得られた硬化体の打肌面の全面に存在する気泡径5mm以上の気泡数をカウントし、打ち肌面1m当たりに存在する気泡数に換算して、打ち肌面の平滑性を次の基準で評価した。
◎:5mm以上の気泡数0〜4個(極めて美麗)
○:5mm以上の気泡数5〜10個(美麗)
△:5mm以上の気泡数11〜20個(少し荒さが目立つ)
×:5mm以上の気泡数21個以上(気泡が目立ち荒れている)
・圧縮強度:各試験例のAEコンクリートから得た硬化体について、JIS−A1108に準拠し、材齢7日と材齢28日で測定した。
【0051】
【表3】


【0052】
表3において、
セメント:普通ポルトランドセメント、密度=3.16g/cm、ブレーン値3300
石炭灰:JISフライアッシュII種、密度=2.20g/cm
炭酸カルシウム:微粉末325メッシュ、密度=2.70g/cm
*1:大井川水系砂、密度=2.58g/cm
*2:九頭竜産陸砂、密度=2.52g/cm
*3:岡崎産砕石、密度=2.68g/cm
*4:九頭竜産砕石、密度=2.61g/cm






【0053】
【表4】


【0054】
表4において、
試験例1〜3、7、10及び11:スランプを測定
試験例4〜6、8、9及び12:スランプフローを測定
*1:フレッシュコンクリート1m当たりの液状泡沫体又はAE剤使用量(kg/m
*2:液状泡沫体の代わりに用いたAE剤(竹本油脂社製の商品名AE−200)
【0055】
【表5】


【0056】
表5において、
*1:破壊した。
【出願人】 【識別番号】507046015
【氏名又は名称】株式会社菊水工学
【識別番号】593158179
【氏名又は名称】株式会社ミルコン
【識別番号】504342446
【氏名又は名称】明光油剤株式会社
【識別番号】000210654
【氏名又は名称】竹本油脂株式会社
【出願日】 平成19年2月9日(2007.2.9)
【代理人】 【識別番号】100081798
【弁理士】
【氏名又は名称】入山 宏正


【公開番号】 特開2008−194866(P2008−194866A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−30042(P2007−30042)