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水に溶けない粒状粘土の製造方法、泥水浄化槽及び泥水浄化構造物 - 特開2008−120036 | j-tokkyo
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【発明の名称】 水に溶けない粒状粘土の製造方法、泥水浄化槽及び泥水浄化構造物
【発明者】 【氏名】犬塚 一和

【要約】 【課題】粘性土から水に溶けない粒状粘土を製造する方法及び粘土質の土地の土質・土壌を改良する方法を提供することにある。また、粒状粘土が有する透水性と泥水を濾過する機能を利用した、泥水浄化槽2や泥水浄化構造物1を提供し、山林や荒れ地などから流れ出す泥流を浄化して、経済的に環境汚染を防止する手段を提供することにある。

【解決手段】粘性土とセメントとビースターを混合して一次混合物とし、一次混合物を養生して養生一次混合物とし、養生一次混合物を粉砕して粉砕一次混合物とし、粉砕一次混合物とセメントとビースターを混合して二次混合物とし、二次混合物を養生して養生二次混合物とし、養生二次混合物を粉砕することにより粒状粘土を製造する方法とする。また粒状粘土層5と土粒槽2aとからなる泥水浄化槽2とする。さらに複数基の泥水浄化槽2と水門3aを有する水路3とからなる泥水浄化構造物1とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性土にセメントと土質改良材を加えて攪拌することにより一次混合物を得る工程と、前記一次混合物を養生することにより養生一次混合物を得る工程と、前記養生一次混合物を粉砕することにより粉砕一次混合物を得る工程と、前記粉砕一次混合物にセメントと土質改良材を加えて攪拌することにより二次混合物を得る工程と、前記二次混合物を養生することにより養生二次混合物を得る工程と、前記養生二次混合物を粉砕する工程とを有することを特徴とする粒状化した粘性土(以下単に「粒状粘土」という。)の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載した方法において一次混合物を得る工程が、粘性土にセメントを加えて攪拌することにより混合物Aを得るステップと、前記混合物Aに土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載した方法であって、一次混合物を得る工程において容積1立方メートルの粘性土(以下単に「単位粘性土」という。)あたり40〜60kgのセメントを加えることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載した方法において二次混合物を得る工程が、粉砕一次混合物にセメントを加えて攪拌することにより混合物Bを得るステップと、前記混合物Bに土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載した方法であって、二次混合物を得る工程において単位粘性土あたり80〜150kgのセメントを加えることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載した方法において、土質改良材の希釈液を霧状に噴霧することにより、混合物A若しくは混合物Bのいずれか又は混合物A及び混合物Bの両方に土質改良材を供給することを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載した方法において、一次混合物を養生する時間が24〜48時間であることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載した方法において、二次混合物を養生する期間が7〜10日間であることを特徴とする粒状粘土の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載した製造方法により製造した粒状粘土で構成した表層部を有することを特徴とする耕作地又は荒れ地。
【請求項10】
改良する対象の土地から粘性土を取り出す工程と、請求項1〜請求項8のいずれかに記載した粒状粘土を製造する工程と、前記工程により製造した粒状粘土を前記土地に戻す工程とを有することを特徴とする土質・土壌の改良方法。
【請求項11】
粒状粘土を収納する土粒槽と、請求項1〜請求項8のいずれかに記載した製造方法により製造した粒状粘土を前記土粒槽の中に層状に積み重ねてなる粒状粘土層とを有することを特徴とする泥水浄化槽。
【請求項12】
請求項11に記載した泥水浄化槽であって、水を排出するための排水パイプを設け前記排水パイプの泥水浄化槽側の開口付近に粘土塊であって、請求項1〜請求項8のいずれかに記載した二次混合物の中から取り出した塊にセメントと土質改良剤を塗布して、複数個の塊をまとめて一体化してなる粘土塊を置いたことを特徴とする泥水浄化槽。
【請求項13】
請求項11又は請求項12のいずれかに記載した泥水浄化槽を複数基有し、各泥水浄化槽に泥水を供給する水路と、前記水路に設けた水門とを有することを特徴とする泥水浄化構造物。
【請求項14】
泥水浄化槽の浄化性能が低下したときに、平面視において粒状粘土層の上面の面積1平方メートルあたり20〜40kgのセメントをまく工程と、泥が粒状粘土の隙間にスラリー状になって付着した層(以下単に「スラリー化層」という。)を攪拌する工程と、さらに土質改良剤を供給しながら前記スラリー化層を攪拌する工程とを有することを特徴とする泥水浄化槽の浄化機能を回復させる方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は赤土又は粘土などと呼ばれる粘性土を水に溶けない粒状物として製造する方法、粘性土を粒状化して土の流出を防止することにより土質・土壌を改良する方法、及び粒状化した粘性土が透水性と濾過機能を有する特徴を利用した泥水を濾過する設備を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
土質改良剤としてはクエン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどを含有する無機系土質改良剤が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。また入手可能な土質改良剤としては「ジオビースター(登録商標、以下単に「ビースター」という。)」という名称で株式会社田口技術研究所(住所 大阪府堺市草部1199)から販売されている土質改良剤がある。
また、特許文献2の段落0006には「土粒子の粒径が小さくなると粒子の比表面積が大きくなって電気的な力を持つに至り、土粒子同士間に互いに引っ張り合う力が働き、土粒子同士間にカルシウムイオンが入ることができなくなるからである。このように、腐植物を含む土や、粘土粒子のように粒径が小さい土は、強固な固化が困難である」と記載されている。
特許文献2の発明の目的は、段落0009にあるように「カルシウムイオンを土粒子に直接接触させることが可能な土質・土壌改良剤を提供すること」にある。しかしながら実施例として河川の河床土質を改良した試験例のみを記載しており、0.005mm〜0075mmという細かい粒度を有する粘性土を改良した実施例は記載されていない。
特許文献1、2に相当する土質改良剤であるビースターを使用してその用法・用量に従い、容積1立方メートルの粘性土(以下単に「単位粘性土」という。)あたり100kgのセメントと1kgのビースターを加えて試験を行ったが、粘性土とセメントが均一に混ざり合うことがなかった。
粘性土とセメントが均一に混ざり合うことなくセメントだけが固まってしまうため、セメントが多い部分は硬く固まり、粘性土が多い部分はぼろぼろに崩れやすい部分となり、硬い部分とぼろぼろの部分が混在する結果となった。
以上の試験の結果得られたものに水を与えたところ粘性土が水に溶けて泥水になってしまい、決して土質・土壌を改良したとは言えない結果しか得られなかった。
【特許文献1】特開昭61−133141号公報
【特許文献2】特開2001−303056号公報
【0003】
我が国には赤土などと呼ばれる粘土質の土壌を有する地域が多くある。粘土質の土壌を構成する粘性土は雨滴が当たると容易に分散して水に溶けて泥水になり流出してしまう。粘土質の土壌であっても木や草が生えている場所では、草や木により雨滴が直接土壌に当たる衝撃が緩和されるので、粘性土が流出することを防止する効果はあるが、豪雨が降るたびに大量の粘性土が流出している。
また木や草で全面が覆われていた粘土質の土壌の山林の傾斜面などを開墾して耕作地として使用すると、粘土質の多くの地面が露出して裸地となるため直接雨滴を受けることになり、地表部の粘性土が水に溶けて泥水が流れ出て河川の流域や海洋を汚染する原因となっている。
特に沖縄県では粘性土の流出により、河川流域が汚染されて藻類、水中昆虫類などが減少する問題が発生したり、海岸の珊瑚礁や干潟に粘性土が堆積して海を汚染し、漁業や観光産業への影響が大きくなったことから、沖縄県赤土等流出防止条例を制定して対策を行っているが、依然として粘性土の流出による環境汚染は続いている。
このため粘性土が水に溶けて流れないようにする方法が強く望まれていたが、上記したように従来の土質改良剤を使用してその用法・用量に従い粘性土を固める実験を行ったが成功しなかった。
そこで試行錯誤の実験を繰り返した結果、粘性土を粒状化する方法を発明することができた。本発明により粒状化した粘性土(以下単に「粒状粘土」という。)は水に溶けないため、畑や荒れ地の粘性土を粒状化することにより、耕作地や荒れ地の土質・土壌を改良することが可能になった。
さらに粒状粘土は透水性を有し、泥水に含まれる粘性土の微粒子を濾過する機能を有することから、山林や荒れ地など粘性土が流れ出す流域の粘性土を粒状化して、これを活用した泥水浄化槽を設置して泥水浄化構造物を建造することにより、環境汚染を引き起こす粘性土を利用して環境汚染を防ぐことが可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した土質改良剤を使用してその用法・用量に従い試験を行った結果、粘性土とセメントが均一に混ざり合うことがなく、硬い部分とぼろぼろの部分が混在するようなものしかできない問題を解決して、水に溶けない粒状粘土を製造する方法及び粘性土を粒状粘土にすることによる土質・土壌の改良方法を提供することにある。
また、粒状粘土が透水性と濾過機能を有すことを利用した、泥水浄化槽や泥水浄化構造物を提供することにある。
さらに耕作地や荒れ地の土質・土壌を改良すると共に、山林や荒れ地など粘性土が流れ出す流域に、現地で製造した粒状粘土を利用した泥水浄化槽や泥水浄化構造物を設置することにより、経済的に環境汚染を防止する設備と方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
粘性土とセメントと土質改良剤と水を混合して一次混合物を得た後に、一次混合物を養生し、養生後の一次混合物を粉砕する。さらに粉砕後の一次混合物とセメントと土地改良剤と水を混合して二次混合物を得た後に、二次混合物を養生し、養生後の二次混合物を再び粉砕することにより粘性土を粒状化する方法とする。
また一次混合物を得る工程が、粘性土にセメントを加えて攪拌することにより混合物Aを得るステップと、混合物Aに水で希釈した土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。
また二次混合物を得る工程が、粉砕後の一次混合物にセメントを加えて攪拌することにより混合物Bを得るステップと、混合物Bに水で希釈した土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。
また粒状粘土を層状に積み重ねてなる粒状粘土層とこれを収納する土粒槽とからなる泥水浄化槽とする。さらに複数基の泥水浄化槽と水門を有する水路とからなる泥水浄化構造物とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により水に溶けない粒状粘土の製造方法及び粘性土を水に溶けない粒状粘土にすることによる土質・土壌の改良方法を提供することができた。
また、本製造方法の発明による粒状粘土が透水性と濾過機能を有すことを利用した、泥水浄化槽や泥水浄化構造物を提供することができた。
さらに耕作地や荒れ地の土質・土壌を改良すると共に、山林や荒れ地など粘性土が流れ出す流域に、現地で製造した粒状粘土を利用した泥水浄化槽や泥水浄化構造物を設置することにより、経済的に環境汚染を防止する装置及び方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
粘性土にセメントと土質改良剤を加えて攪拌することにより一次混合物を得る工程と、一次混合物を養生することにより養生一次混合物を得る工程と、養生一次混合物を粉砕することにより粉砕一次混合物を得る工程と、粉砕一次混合物にセメントと土質改良剤を加えて攪拌することにより二次混合物を得る工程と、二次混合物を養生することにより養生二次混合物を得る工程と、養生二次混合物を粉砕する工程とを有する粒状粘土の製造方法とする。
粘性土にセメント及び土質改良剤を加えて攪拌して混合する一次混合のときに、土質改良剤を適量の水で希釈して供給することが好ましい。セメントと土質改良剤が粘性土によく混ざり合うまで攪拌する。このようにして得た一次混合物は団子状にまとまった塊の状態になる。
一次混合物を適宜養生することにより、セメントは結晶化して固まるものの弱く結合した程度であって、団子状の塊になった養生一次混合物となる。養生一次混合物を粉砕機で粉砕して0.5〜3mm程度の粒にして粉砕一次混合物を得る。粉砕一次混合物は、なま乾き状態の混合物の粒である。
粉砕一次混合物にセメント及び土質改良剤を加えて攪拌して混合する二次混合のときに、セメントの量を多くすれば多いほど強度の高い粒状物を得ることができる。このとき土質改良剤を適量の水で希釈して供給することが好ましい。
セメントと土質改良剤が粘性土によく混ざり合うまで攪拌する。予め一次混合を行って結合の弱い混合物としてあるので二次混合において攪拌するときの抵抗が小さく均一な混合が可能である。このようにして得た二次混合物は1〜5cm程度の小石のような塊の状態になる。
二次混合物を適宜養生することにより養生二次混合物とした後に、養生二次混合物を粉砕機で粉砕して粒状粘土を得る。粒状粘土は1mm以下、1〜2mm、2〜3mm、3mm以上などのサイズに篩い分けて使用することも、各サイズを混合した状態で使用することも可能である。
【0008】
上記した方法において一次混合物を得る工程が、粘性土にセメントを加えて攪拌することにより混合物Aを得るステップと、混合物Aに土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。
このとき単位粘性土あたり40〜60kgのセメントを加えて攪拌して混合する、セメントが粘性土に混ざって見えなくなったときに混合物Aが得られる。
土地改良剤としてビースターを使用する場合は、単位粘性土に対して500〜600gのビースターを用意し、ビースターの重量の10倍の水である5〜6kgの水を加えて土地改良剤の希釈液Xを作っておく。
そして混合物Aを攪拌しながら土質改良剤の希釈液Xを加える。このとき希釈液Xを霧状に噴霧しながら全体になるべく均一に供給する。希釈液Xの全量を供給した後も攪拌を続け希釈液Xが粘性土によく混ざり合ったときに、団子状にまとまった塊の状態の一次混合物を得る。
上記したいずれかの方法において二次混合物を得る工程が、粉砕一次混合物にセメントを加えて攪拌することにより混合物Bを得るステップと、混合物Bに土質改良剤を供給しながら攪拌するステップと、土質改良剤を供給した後にさらに攪拌するステップとを有する工程であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。
二次混合物を得る工程においては、単位粘性土あたり80〜150kgのセメントを加えて攪拌して混合する。セメントが粘性土に混ざって見えなくなったときに混合物Bが得られる。このときに加えるセメントの量を多くすれば多いほど強度の高い粒状物を得ることができる。
土質改良剤としてビースターを使用する場合は、単位粘性土に対して0.8〜1.2kgのビースターを用意し、ビースターの重量の10倍の水である8〜12kgの水を加えて土質改良剤の希釈液Yを作っておく。
さらに混合物Bを攪拌しながら土質改良剤の希釈液Yを加える。このとき希釈液Yを霧状に噴霧しながら全体に均一に供給することが好ましい。土質改良剤の希釈液Yの全量を供給した後も攪拌を続け希釈液Yが粘性土によく混ざり合うまで攪拌する。
【0009】
上記したいずれかの方法において、一次混合物を養生する時間が24〜48時間であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。試行錯誤の結果により、一次混合物を養生する時間は24〜48時間が好ましいことが判明したからである。
また上記したいずれかの方法において、二次混合物を養生する期間が7〜10日間であることを特徴とする粒状粘土の製造方法とする。試行錯誤の結果により、二次混合物を養生する期間は7〜10日間が好ましいことが判明したからである。
また上記したいずれかの方法により製造した粒状粘土で構成した表層部を有することを特徴とする耕作地又は荒れ地とする。上記した発明により製造した粒状粘土は水に溶けないため大雨が降っても流出することはなく、環境を汚染しない耕作地や荒れ地を得ることができるからである。
さらに改良する対象の土地から粘性土を取り出す工程と、上記したいずれかの方法により粒状粘土を製造する工程と、粒状粘土を前記土地に戻す工程とを有することを特徴とする土質・土壌の改良方法とする。
このように荒地や耕作地などの粘性土を取り出して、粒状粘土に加工して荒地や耕作地に戻すことにより、その土地の土質・土壌を水に溶けて流れ出さないように改良することが可能であり、粘性土の流出を防ぐだけでなく河川や海洋などの環境汚染を防ぐ効果が得られるからである。
【0010】
粒状粘土を収納する土粒槽と、上記したいずれかの方法により製造した粒状粘土を土粒槽の中に層状に積み重ねてなる粒状粘土層とを有する泥水浄化槽とする。
上記した発明により製造した粒状粘土の有する、透水性と泥水に含まれる粘性土の微粒子を濾過する機能を利用した泥水浄化槽を提供するものである。
粒状粘土を土粒槽に積み重ねる場合は、下の方に粒径の大きなものを敷き詰め上に向かうに連れ段々粒径の小さなものを積み重ねる方法と、粒径の大きなものと小さなものを混合して自由に積み重ねる方法がある。
泥水浄化槽の大きさについて限定するものではないが、幅3〜7m×長さ10〜25m×深さ3〜5m程度の泥水浄化槽とすることが好ましい。
上記した泥水浄化槽であって、水を排水するための排水パイプを設け排水パイプの泥水浄化槽側の開口付近に粘土塊であって、上記した二次混合物の中から塊を取り出して、セメントと土質改良剤を塗布して複数個の塊をまとめることにより一体化してなる、粘土塊を置いたことを特徴とする泥水浄化槽とする。
二次混合物の中から塊を取り出して表面にセメントと土地改良剤を塗布して、複数個の二次混合物の塊をまとめると一体化して大きな塊を得ることができる。この大きな粘土塊を排水用のパイプの開口付近に置く。さらに大きな粘土塊の間にできる隙間を埋めるためにその隙間を埋めるサイズの粘土塊を置く。
排水パイプの泥水浄化槽側の開口付近には石やコンクリートのブロックなどを置いて泥水浄化槽内の粒状粘土が泥水浄化槽の外に流れ出ないようにすることも可能であるが、粘土塊は透水性と微粒子を濾過する機能を有するため、粘土塊を置くとさらに好ましい泥水浄化槽とすることができる。
【0011】
上記した泥水浄化槽を複数基有し、各泥水浄化槽に泥水を供給する水路と、水路に設けた水門とを有することを特徴とする泥水浄化構造物とする。
山や傾斜地から流れ出す泥水は一度に多量に流れ出すことがあるので、単一の泥水浄化槽ではなく複数基の泥水浄化槽を有する泥水浄化構造物とすることが好ましい。
また山や傾斜地から流れ出す泥水は沢状となっている地形の場所に集まって流れ出すので、集まって流れ出す場所から複数の泥水浄化槽に泥水を流すための水路を設ける。
さらに水路には水門を設けて、流れ出す泥水の量に合わせて浄化に使用する泥水浄化槽の基数を決定して、浄化に使用する泥水浄化槽に流れる水路の水門だけを開ける。また浄化能力が低下した泥水浄化槽に流れる水路の水門を閉じて、それまで使用していなかった他の泥水浄化槽に流れる水路の水門を開けるなどの目的で水門を使用する。
泥水浄化槽の浄化性能が低下したときに、平面視において粒状粘土の上面の面積1平方メートル(以下単に「単位上面積」という。)あたり20〜40kgのセメントをまく工程と、泥が粒状粘土の隙間にスラリー状になって付着した層(以下単に「スラリー化層」という。)を攪拌する工程と、さらに土質改良剤を供給しながら前記スラリー化層を攪拌する工程とを有する、泥水浄化槽の浄化機能を回復させる方法とする。
粒状粘土の層に泥水を流し続けると、時間の経過と共に濾過した泥が粒状粘土の隙間にスラリー状になって付着して、泥水が粒状粘土層の中に染みこまずに粒状粘土の層の上面を流れるようになり、泥水浄化槽の浄化性能は低下する。
泥がスラリー状になって粒状粘土に付着する深さは、粒状粘土の上面から20〜30cmの深さであるので、このスラリー層の泥を団粒化することにより濾過材に変化させて、浄化機能を回復させるものである。
はじめに単位上面積あたり20〜40kgのセメントをまきながらスラリー化層を攪拌する。セメントが粒状粘土に混ざりセメントが見えなくなるまで攪拌する。
続いて土地改良剤の希釈液を粒状粘土の上面に噴霧しながらスラリー化層を攪拌する。土地改良剤としてビースターを使用する場合は、単位上面積あたり0.2〜0.3kgのビースターを用意し、ビースターの重量の10倍の水である2〜3kgの水を加えて土質改良剤の希釈液を作り、これを噴霧状にして吹き付けながら攪拌する。
土質改良剤の希釈液が粒状粘土によく混ざるまで攪拌した後に3日程度養生すると、スラリー状の泥が団粒化して濾過材として使用可能になる。
【実施例1】
【0012】
以下本発明の実施例1を図1に示し説明する。実施例1は容積1立方メートルの粘性土から粒状粘土を製造する実施例である。
まず単位粘性土あたり50kgのセメントを加えて攪拌し混合物Aを得る。概略両者が混ざり合うとセメントが見えなくなるのでこの状態になるまで攪拌する。
混合物Aを得る工程と並行して土地改良剤の希釈液Xを作る。実施例1ではビースターを使用し、単位粘性土あたり550gのビースターに5.5kgの水を加えて希釈することにより希釈液Xを作る。
続いて混合物Aを攪拌しながら希釈液Xを霧状に噴霧する。希釈液Xの吹き付けは2〜10分の間に全量を供給する。希釈液Xの吹き付けが終了した後もさらに攪拌を続け、希釈液Xが混合物Aに対して充分混ざり合ったときに、団子状の形態を呈する一次混合物を得る。実施例1では攪拌機として2軸のパドルミキサーを使用した。
一次混合物を24〜48時間養生して養生一次混合物を得る。養生一次混合物ではセメントが粘性土の粒子間に弱い結晶を形成している状態となっている。
養生一次混合物を粉砕して粉砕一次混合物を得る。実施例1では粉砕機としてクラッシャーを使用し、大きな固まりを0.5〜3mm程度に破砕する。粉砕一次混合物はなま乾き状態の粒状の形態を呈している。
粉砕一次混合物にセメント100kgを加えて攪拌して混合物Bを得る。実施例1では攪拌機として2軸のパドルミキサーを使用した。この状態ではセメントの結合力が弱いので攪拌の抵抗が小さく粉砕一次混合物とセメントを均一に混合することが可能である。セメントがよく混ざるとセメントが見えなくなり、混合物Bは少し薄い粘土の色となる。
混合物Bを得る工程と並行して土地改良剤の希釈液Yを作る。実施例1ではビースターを使用し、単位粘性土あたり1kgのビースターに10kgの水を加えて希釈することにより希釈液Yを作る。
続いて混合物Bを攪拌しながら希釈液Yを霧状に噴霧する。希釈液Yの吹き付けは5〜15分の間に全量を供給する。希釈液Yの吹き付けが終了した後もさらに攪拌を続け、希釈液Yが混合物Bに対して充分混ざり合ったときに、1〜5cm程度の小石状の形態を呈する二次混合物を得る。
二次混合物を7〜10日間養生して養生二次混合物を得る。養生二次混合物の中から比較的大きなものを取り出して実施例3の材料とする。取り出した以外の養生二次混合物を粉砕して粒状にした後にサイズ毎に篩い分ける。
実施例1では粉砕機としてクラッシャーを使用し、粒状に粉砕した後に1mm以下、1〜2mm、2〜3mm及び3mm以上のサイズに分けた。
実施例1で得た粒状粘土は、耕作地や荒れ地の表面に積層して粘性土が流れ出ないようにするために使用したり、実施例3の濾過材として使用することができる。
【実施例2】
【0013】
実施例2は耕作地の土壌を改良する方法の実施例である。実施例2ではまず耕作地から粘性土を取り出す。取り出した粘性土を材料として実施例1に記載した方法により粒状粘土を製造する。さらに製造した粒状粘土を耕作地に戻す。
このように荒地や耕作地などの粘性土を取り出して、粘性土を粒状化して荒地や耕作地に戻すことにより、その土地の土質・土壌を水に溶けて流れ出さないように改良することが可能であり、実施例2により粘性土の流出を防ぐだけでなく河川や海洋などの環境汚染を防ぐことができる効果が得られた。
【実施例3】
【0014】
実施例3を図2、図3に示し説明する。実施例3は3基の泥水浄化槽2を有する泥水浄化構造物1であって、粘性土が流れ出る区域である泥水流出域4から流れ出す泥水を浄化するための泥水浄化構造物1の実施例である。
泥水浄化槽2の土粒槽2aはコンクリートの壁面2b、底面2c及び排水側壁面2dからなる土粒槽2aであって、排水側壁面2dに複数の排水パイプ2eを有している。
実施例1の養生二次混合物の中から取り出した比較的大きなサイズの塊の表面にセメントとビースターを塗布して、複数個の塊をまとめて一体化することにより大きな塊の粘土塊6を得る。この粘土塊6を排水パイプ2eの開口付近に置く。このとき大きな粘土塊6の間にできる隙間を埋めるためにその隙間を埋めるサイズの粘土塊6を作って置く。
実施例3では泥水浄化槽2の底面2c付近の最下部に3mm以上の大きなサイズの粒状粘土を積層した上に、各サイズの粒状粘土を混ぜたものを積層することにより粒状粘土層5を構成した。
泥水流出域4から流れる泥水が集まる沢の部分に水路3を設けて、3基の泥水浄化槽2に泥水が流れるようにする。水路3には水門3aが設けてあり、水門3aを開閉することにより各泥水浄化槽2に泥水を流したり止めたりする構成とした。
実施例3では泥水流出域4から流れ出す泥水の量が少ない間は1基だけ水門3aを開く。流れ出す泥流の量が多くなるに従い2基あるいは3基の水門3aを開くようにした。
泥水は水路3を通って泥水浄化槽2に流れ、粒状粘土の中を透水したり粒状粘土の間を通過するときに浮遊物が粒状粘土に付着して濾過され、浄化された水だけが排水パイプ2eを通って下流に流れ出る。
泥水浄化槽2に泥水を流し続けると、時間の経過と共に濾過した泥が粒状粘土の隙間にスラリー状になって付着して、深さ20〜30cmのスラリー化層5bを形成してしまう。スラリー化層5bが形成されると、泥水が粒状粘土層5の中に染みこまずに粒状粘土層の上面5aを流れるようになり、泥水浄化槽2の浄化性能は低下する。
実施例3では浄化機能を回復させる対象の泥水浄化槽2に流れる水路3の水門3aを閉じて回復作業を実施する。
はじめに単位上面積あたり25〜40kgのセメントをまきながら、粘土流層の上面5aから20〜30cmの深さまでのスラリー化層5bを攪拌する。実施例3ではトラクターを使用する。セメントが粒状粘土に混ざりセメントが見えなくなるまで、同じ所を複数回往復しながらトラクターで攪拌する。
続いて単位上面積あたり、0.2〜03kgのビースターにビースターの10倍の量の水である2〜3kgの水を加えて作った希釈液を、噴霧状にして吹き付けながらトラクターで攪拌する。
同じ所を複数回往復しながらトラクターで攪拌し、ビースターの希釈液が粒状粘土によく混ざるまで攪拌する。その後3日程度養生するとスラリー状の泥が団粒化して濾過材として使用可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は粘性土からなる山や傾斜地の保全を行う行政機関や行政機関の発注する仕事を請け負う土木産業、山や傾斜地などから流れ出る泥水を浄化するサービスを提供する産業、泥水浄化構造物を建設する建設産業、耕作地や荒れ地の改良サービスを提供する産業及び粒状粘土を製造販売する産業などで利用される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】粒状粘土を製造する工程を表した工程図である。
【図2】泥水浄化構造物の平面図である。
【図3】図2のJ−J視断面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 :泥水浄化構造物 2 :泥水浄化槽 2a:土粒槽
2b:壁面 2c:底面 2d:排水側壁面
2e:排水パイプ 3 :水路 3a:水門
4 :泥水流出域 5 :粒状粘土層 5a:粒状粘土層の上面
5b:スラリー化層 6 :粘土塊
【出願人】 【識別番号】506383168
【氏名又は名称】犬塚 一和
【識別番号】506383353
【氏名又は名称】奥谷 明廣
【識別番号】506383043
【氏名又は名称】古澤 敬治
【出願日】 平成18年11月15日(2006.11.15)
【代理人】 【識別番号】100111682
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 峯和


【公開番号】 特開2008−120036(P2008−120036A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−309002(P2006−309002)