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【発明の名称】 可搬式ミキサー
【発明者】 【氏名】辻 勝

【氏名】長沢 吉史

【要約】 【課題】小規模な建築現場や工事現場等での使用に適し、かつ各混合材料の正確な計量が可能で高品質な混合物の安定した製造が可能な可搬式ミキサーを提供する。

【解決手段】下端部に複数のキャスター11を有する走行自在の台車3を備え、この台車3上には各種混合材料を撹拌・混合するミキサー2を計量用のロードセル12を介して搭載すると共に、このロードセル12にて計量されたミキサー2内の混合材料の計量値を表示する表示器13を備えて可搬式ミキサー1を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に複数のキャスターを有する走行自在の台車を備え、該台車上には各種混合材料を撹拌・混合するミキサーを計量用のロードセルを介して搭載すると共に、該ロードセルにて計量されたミキサー内の混合材料の計量値を表示する表示器を備えたことを特徴とする可搬式ミキサー。
【請求項2】
前記表示器は、累積表示機能及び/またはトリップ表示機能を有していることを特徴とする請求項1記載の可搬式ミキサー。
【請求項3】
前記台車上には、ミキサー内の混合材料に添加する添加材を計量して供給する計量式ホッパーと、水道水供給用の給水管とを備え、該給水管には流量計を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の可搬式ミキサー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、各種混合材料を撹拌・混合するミキサーに関し、特に小規模な建築現場や工事現場等に運び込んでその場で混合材料の撹拌・混合を行う可搬式のミキサーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、小規模な建築現場や工事現場等において使用される少量のモルタルやコンクリート等を製造するような場合、その現場まで運び込み、その場で各種混合材料を撹拌・混合してモルタルやコンクリート等の製造が可能な軽量・小型の可搬式ミキサーが用いられることが少なくない。この可搬式ミキサーの多くはごくシンプルな構造を採用しており、装置コストも安価で現場作業員にとっても手軽に取り扱いが可能なため、特に上記のような小規模な建築現場や工事現場等での使用には適しているものと考えられる。そして、このような可搬式ミキサーを、例えば、特許文献1に記載されているように、下端部に複数のキャスターを有した走行自在な台車上に搭載することにより可搬性の向上を図ったものもある。
【特許文献1】特開2005−219360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような小規模な建築現場や工事現場等において使用しやすい軽量・小型が特長の可搬式ミキサーには、混合材料等を計量する計量手段までは備わっていないため、実際に現場で前記可搬式ミキサーを用いて、例えば、モルタルやコンクリート等を製造する場合には、ある程度経験を積んだベテランの現場作業員がミキサー内の混合状態等を目で確かめるようにしながら各混合材料の供給量を適宜調節してモルタルやコンクリート等を製造するようにしている。そのため、ベテランの現場作業員といえどもモルタルやコンクリート等の品質を常に一定に保つことは容易ではなく、特に現場作業員の経験が浅ければそれはより一層困難なものとなる。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、小規模な建築現場や工事現場等での使用に適し、かつ各混合材料の正確な計量が可能で高品質な混合物の安定した製造が可能な可搬式ミキサーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の可搬式ミキサーは、下端部に複数のキャスターを有する走行自在の台車を備え、該台車上には各種混合材料を撹拌・混合するミキサーを計量用のロードセルを介して搭載すると共に、該ロードセルにて計量されたミキサー内の混合材料の計量値を表示する表示器を備えたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の可搬式ミキサーは、前記表示器は、累積表示機能及び/またはトリップ表示機能を有していることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の可搬式ミキサーは、前記台車上には、ミキサー内の混合材料に添加する添加材を計量して供給する計量式ホッパーと、水道水供給用の給水管とを備え、該給水管には流量計を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明に係る請求項1記載の可搬式ミキサーによれば、下端部に複数のキャスターを有する走行自在の台車を備え、該台車上には各種混合材料を撹拌・混合するミキサーを計量用のロードセルを介して搭載すると共に、該ロードセルにて計量されたミキサー内の混合材料の計量値を表示する表示器を備えたので、小規模な建築現場や工事現場等での使用に適し、かつ各混合材料の正確な計量が行え、高品質の混合物を安定して製造することができる。
【0009】
また、請求項2記載の可搬式ミキサーによれば、前記表示器は、累積表示機能及び/またはトリップ表示機能を有しているので、各混合材料の正確な計量がより簡単に行え、高品質の混合物を効率よく安定して製造することができる。
【0010】
また、請求項3記載の可搬式ミキサーによれば、前記台車上には、ミキサー内の混合材料に添加する添加材を計量して供給する計量式ホッパーと、水道水供給用の給水管とを備え、該給水管には流量計を設けたので、前記ミキサーのロードセルでは計量の困難な微量の添加材や、流水である水道水も正確に計量可能となり、より一層高品質の混合物を安定して製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の可搬式ミキサーにあっては、下端部に複数のキャスターを有した走行自在の台車を備え、この台車上には各種混合材料を撹拌・混合可能な軽量・小型のミキサーを計量用のロードセルを介して搭載している。また、前記ロードセルにて計量されたミキサー内の混合材料の計量値をリアルタイムで表示する、例えばデジタル式の表示器を備え付けており、該表示器は計量値の累積表示機能と併せて、簡単なスイッチ操作により表示値を適宜リセット可能なトリップ表示機能を有している。また、前記台車上には、ミキサー内の混合材料に適宜添加させる各種添加材を計量してミキサーへと供給する計量式ホッパーと、供給の容易な水道水供給用の給水管とを備え、該給水管には給水量が正確に分かるように流量計を設けている。
【0012】
そして、この可搬式ミキサーを使用して、例えばコンクリートを製造する場合には、予め、コンクリートの混合材料である砂利、砂、セメント、混和剤等の添加材、及び水の各配合量を決定しておき、この各配合量に基づき、砂利、砂、セメントを順次ミキサー内に直接供給していく。このとき、ミキサー内に供給される各混合材料はミキサーに備え付けのロードセルによって正確に計量され、この計量値は表示器にリアルタイムに累積表示されていく一方、各混合材料の供給が完了する度に現場作業員がリセットスイッチを操作することにより、表示値は一旦リセットされて次の混合材料だけの計量値が一目で分かるようなトリップ表示も可能としており、砂利、砂、セメントの各混合材料を予め決定しておいた各配合量通りに容易にかつ正確にミキサー内に供給することができる。
【0013】
また、これら砂利、砂、セメント等に比較して配合量が微量の添加材は、ミキサーに備え付けのロードセルでは計量が困難であるため、台車上に別途設置した計量式ホッパ内に一旦供給し、この計量式ホッパにて配合量通りに正確に計量した後にミキサー内に供給させる一方、流水である水道水は流量計にて計量しながら配合量通りにミキサー内に供給する。そして、これら砂利、砂、セメント、添加材、及び水を予め決定した配合量通りにミキサー内に供給し終わると、ミキサーを駆動させて所定時間撹拌・混合を行い、所望のコンクリートを製造する。
【0014】
このように、構造のシンプルな軽量・小型のミキサーを走行自在な台車上に搭載した可搬式ミキサーであるので、小規模な建築現場や工事現場等での使用に適した取り扱いやすいものであると共に、ミキサーは台車上にロードセルを介して搭載し、かつロードセルにて計量されたミキサー内の各種混合材料の計量値を累積表示及び/またはトリップ表示するようにしたので、現場において各混合材料の正確な計量が可能となり、高品質の混合物を安定して製造することができる。また、ミキサーのロードセルでは計量の困難な添加材や水も、別途備えた計量式ホッパーや流量計にて正確に計量可能としたので、より一層高品質の混合物を安定して製造することができる。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図中の1は小規模な建築現場や工事現場等での現地使用に適した可搬式ミキサーであって、所望の混合物に応じて各種混合材料を撹拌・混合するミキサー2と、該ミキサー2を搭載して搬送可能とする台車3とを主体に構成している。
【0017】
ミキサー2には構造がシンプルで現場作業員が手軽に使用可能な上、様々な混合材料の撹拌・混合に適応可能な、例えばパン型のミキサーを採用しており、特に前記台車3上に搭載できて容易に搬送可能なように軽量・小型のものを採用している。前記パン型のミキサー2は、上部を開放した本体ドラム4の底部中心に円筒部5を立設し、該円筒部5内に混合軸6を嵌挿させて回転自在に軸支していると共に、前記混合軸6の上端部には先端に混合羽根7を備えた複数の混合アーム8を固着している一方、混合軸6の下端部を本体ドラム4下位に備えた駆動モータ(図示せず)に連結して所定速度にて回転可能としている。また、本体ドラム4の下位には排出シュート9を備え、本体ドラム4の底部に備えた開閉ゲート(図示せず)の開閉操作により本体ドラム4内の混合物を前記排出シュート9を介して排出可能としている。
【0018】
前記台車3は、複数のフレームを枠体状に組み上げて成る本体フレーム10の下端部に複数のキャスター11を備えて走行自在としたものであって、現場作業員の手押し操作等で容易に移送可能としている。そして、前記ミキサー2をこの台車3の本体フレーム10上部に複数の計量用のロードセル12を介して搭載しており、台車3と共にミキサー2を建築現場や工事現場等まで容易に運び込めるようにしている。
【0019】
また、前記ロードセル12にて計量されるミキサー2の本体ドラム4内の混合材料の計量値をリアルタイムに表示するデジタル式の表示器13を備えており、該表示器13には各混合材料の各計量値を累積しながら表示していく累積表示機能と併せて、現場作業員等のスイッチ操作によって表示値を適宜リセット可能なトリップ表示機能を持たせている。なお、前記表示器13の累積表示とトリップ表示は、同時に表示可能なようにそれぞれ個別の表示部を備えるようにしてもよいし、スイッチ操作によって累積表示とトリップ表示とを適宜切り換えて表示させるようにしてもよい。また、前記表示器13は、本実施例のように、ミキサー2等の駆動操作用として台車3の本体フレーム10上に備えた操作盤14に一体的に内蔵させるようにしてもよいが、表示器単独で本体フレーム10上に備え付けるようにしてもよい。
【0020】
また、台車3の本体フレーム10上には、前記ミキサー2と共に、混合材料に応じて適宜添加させる各種添加材を計量してミキサー2の本体ドラム4内へ供給する計量式ホッパー15と、水道水供給用の給水管16を設置している。前記計量式ホッパー15では、例えば、混和剤や固化剤等の各種添加材をホッパー17内に投入すると計量が行われ、所望量の添加材が計量されればホッパー17下部に備えたスクリューコンベヤ18にてホッパー17内の添加材を送り出し、ミキサー2の本体ドラム4内へと順次供給されるようになっている。なお、この計量式ホッパー15では、ミキサー2に備えたロードセル12と比較して微量のものも計量可能としているため、例えば、モルタルやコンクリート製造時において使用される混和剤や、軟弱土の改良時において使用される固化剤、培養土製造時において使用される培養剤等、主混合材料に対してごく微量に添加される各種添加材を支障なく正確に計量することができる。また、前記給水管16には、ミキサー2の本体ドラム4内に供給される給水量が正確に分かるように流量計19を備えている。
【0021】
なお、これら計量式ホッパー15で計量される添加材の計量値の表示や、添加材供給用のスクリューコンベヤ18の駆動操作、或いは給水管16の給水及び止水操作や、流量計19にて計測される給水量の表示等は、一括して前記操作盤14にて行えるようにしている。
【0022】
そして、本発明に係る可搬式ミキサー1を、例えば、小規模な建築現場や工事現場等に運び込み、その現場においてコンクリートを製造する場合には、予め、その現場にて求められるコンクリートの種類や品質に応じて混合材料である砂利、砂、セメント、混和剤等の添加材、及び水の各配合量を設定しておく。そして、この各設定配合量に基づき、比較的配合量の多い主混合材料である砂利、砂、セメントについては、現場作業員が順次ミキサー2の本体ドラム4内に直接投入していく。このとき、各混合材料はミキサー2に備えたロードセル12によって正確に計量されていき、この計量値は操作盤14に内蔵の表示器13にてリアルタイムに表示される。
【0023】
そして、例えば、最初に投入する砂利の計量値が設定配合量となれば現場作業員は砂利の投入を終えると共に、表示器13に備えたリセットスイッチを操作して表示値を一旦リセットさせる。そして、次に投入する砂の投入を開始し、砂利の場合と同様に、計量値が設定配合量となれば現場作業員は砂の投入を終えると共に、表示器13の表示値を再びリセットさせる。そして、最後に投入するセメントの投入を開始し、上記同様に設定配合量通りに投入して、砂利、砂、セメントの投入作業を終える。
【0024】
また、砂利、砂、セメントに比較して配合量が極めて少ない添加材については、微計量の可能な計量式ホッパー15のホッパー17内に投入して別途計量を行う。そして、添加材の計量値が設定配合量となれば添加材の投入を終えると共に、スクリューコンベヤ18を駆動してホッパー17内の添加材をミキサー2の本体ドラム4内へと供給させる。また、水については、流量計19にて計測される給水量を確認しながら給水しつつ、給水量が設定配合量となれば給水管16の止水操作を行って給水を終える。なお、給水量が設定配合量となれば自動的に閉栓されて止水が行われるようにしてもよい。そして、これら各混合材料の供給が終われば、ミキサー2を駆動して所定時間撹拌・混合を行って所望の種類・品質のコンクリートを製造し、排出シュート9よりこのコンクリートを排出して次のコンクリートの製造に備える。
【0025】
このように、構造のシンプルな軽量・小型のミキサー2を走行自在な台車3上に搭載して可搬式ミキサー1を構成したので、小規模な建築現場や工事現場等にも容易に運び込め、現場での使用に適した取り扱いやすいものであると共に、ミキサー2は台車3上にロードセル12を介して搭載し、ロードセル12にて計量されたミキサー2内の各種混合材料の計量値は表示器13にて累積表示と共にトリップ表示も可能としたので、現場作業員による各混合材料の正確な計量が容易なものとなり、高品質の混合物を効率よく安定して製造することができる。また、上記ミキサー2に備えたロードセル12では計量の困難な添加材や水も、別途備えた計量式ホッパー15や流量計19にて正確に計量可能としたので、より一層高品質の混合物を安定して製造することができる。
【0026】
なお、本実施例においては、可搬式ミキサーにて撹拌・混合処理する混合物としてコンクリートを製造する場合を示したが、特にこれに限定するものではなく、例えば、モルタルやセメントペーストの製造、或いは軟弱土の固化、培養土の製造等、幅広い分野において好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る、可搬式ミキサーの一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1…可搬式ミキサー 2…ミキサー
3…台車 4…本体ドラム
7…混合羽根 8…混合アーム
10…本体フレーム 11…キャスター
12…ロードセル 13…表示器
14…操作盤 15…計量式ホッパー
16…給水管 19…流量計
【出願人】 【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
【出願日】 平成18年10月3日(2006.10.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−87383(P2008−87383A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−272225(P2006−272225)