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【発明の名称】 トラックアジテータに付着したモルタルのリサイクル
【発明者】 【氏名】小原 一志

【要約】 【課題】生コン車のドラム内部を洗浄したあとのスラリー状モルタルを、外部タンクに貯蔵しておき、練混ぜ水として再使用するために水中ポンプを用いて移送すると、細かな砂等の固形成分の大半が吸引されずにタンク底部に残る。ポンプを大型化せず移送する。

【構成】貯蔵タンクの下部を狭くしてスクリューコンベヤーを設置し、コンベヤー近傍に沈殿した固形成分をタンク底面から掘り下げたすり鉢状の汲出し室に集積し、溶液成分で撹拌混合してポンプによってミキサー上部の計量槽へ移送する。計量槽の受入室から投入したスラリー状モルタルは沈殿室へ流下させ、さらに沈殿室から上部の戻り室へ反転移送することによって固形成分を沈殿させる。溶液成分は戻り室からオーバーフローによって汲出し室へ還流させ、その水流によって固形成分を撹拌混合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として再使用する方法において、ドラムから排出したスラリー状モルタルを、下部にスクリューコンベヤーのみを設置できる狭いコンベヤー室を有する貯蔵タンクに保存しておき、そのコンベヤー室に沈殿した固形成分をスクリューコンベヤーによって隣接した汲出し室に送り込み、同室において溶液成分と撹拌混合して水中ポンプを用いてプラントミキサーの計量槽の受入室へ移送する。
この受入室のスラリー状モルタルを受入室下部に設けた沈殿室へ流下させ、さらに沈殿室の上方に設けた戻り室へ反転移送することによって固形成分を沈殿室底部に沈殿させ、溶液成分は戻り室からオーバーフローによって貯蔵タンクの汲出し室に還流し、その水流によって汲出し室の固形成分を撹拌混合する。計量槽内のスラリー状モルタルが所定量に達した時点でポンプ移送を停止し、沈殿槽の下部から計量槽の中に滞留しているスラリー状モルタルをプラントミキサーに投入する、スラリー状モルタルのリサイクル法。
【請求項2】
トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として再使用する装置において、ドラムから排出したスラリー状モルタルを貯蔵するタンクの上部が垂直隔壁によって投入室と収容室に区画され、下部はこの両室との間に隔壁の無く、スクリューコンベヤーを過不足なく設置できるコンベヤー室を有し、コンベヤー室の底面の一部に下方へ掘り下げた汲出し室を設けて水中ポンプを設置する。
その水中ポンプからプラントミキサーの計量槽へスラリー状モルタルを移送する送り管と、計量槽からオーバーフローした溶液を汲出し室へ還流させる戻り管が配設され、その計量槽が送り管からのスラリー状モルタルを投入する受入室、受入室下部の沈殿室および沈殿室より上部に設けた戻り室から成り、沈殿室の下部にスラリー状モルタルを投下するための開閉弁を有するスラリー状モルタルのリサイクル装置。
【請求項3】
貯蔵タンク底部の汲出し室が、底部から掘り下げた逆角錐台または逆円錐台状である請求項2の装置。
【請求項4】
計量槽の上部は垂直隔壁によって区分されたスラリー状モルタルの受入室と戻り室、計量槽の下部が両室との間に隔壁のない沈殿室で構成され、水中ポンプ停止時に計量槽に貯留されるスラリー状モルタル量が所定量となるようにオーバーフロー水の戻り口を設けた請求項2または請求項3の装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はレディーミクストコンクリートを運搬するトラックアジテータのドラム内部に付着したモルタルの再使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レディーミクストコンクリート、いわゆる生コンクリートの運搬には主に傾胴型のドラムを搭載したトラックアジテータが使用されている。内部の生コンクリートは静止状態におかれると固まるためドラムを常時回転させ、1日の作業が終了した後はドラムに多量の水を加えて内部に付着したモルタルを洗浄し、洗浄カスをすべて外部に排出する。
【0003】
排出された洗浄カス中の砂利や砂等は、新たに製造する生コンクリートの骨材として、また残りのスラッジ水も、生コンクリートの単位水量の一部として使用することが認められている。しかし再使用するためには大型の設備や処理コストがかかるため大半は廃棄されている。また廃棄するためにも工場での中和処理や指定業者へ廃棄委託をしなければならず、環境負荷も増大させるため安価で簡便な再利用法が強く求められている。
【0004】
その再利用法の一つがJIS A 5308 附属書4の規定である。(以下付属書4と略称する)これはドラム内部に付着したモルタルを付着モルタル安定剤(以下安定剤と略称する)を用いてスラリー化し、その上に新たに生コンクリートを積み込んで再利用する方法である。
ドラムの内壁や羽根に付着しているモルタルは、コンクリートの凝結を遅延させる安定剤を上水道水で希釈した安定剤希釈溶液(以下希釈溶液と略称する)を噴射して洗い落とされる。続いてドラムを高速で繰り返し正転、反転させることによってスラリー化したモルタルをドラムの最前底部に保存しておき、この上に新たなコンクリートを積み込むものである。スラリー状モルタルの保存期間は24時間以内とされているため、一日の運搬作業を終了したアジテータの場合は、翌朝最初に積み込むコンクリートの練り混ぜ水として利用される。
【0005】
この方法は処理設備やコストがほとんどかからず、また洗浄廃水を全く自然環境へ廃棄しない優れた方法である。しかし以下の問題があるため殆ど実施されていないのが実情である。
付属書4において、ドラム内を洗浄する希釈溶液量は積載量10tの大型アジテータの場合は一車当たり501、新たに積込むコンクリート量は3m以上と規定されている。5tアジテータの場合は希釈溶液30l、コンクリート積込み量1.5m以上である。
この新たに積込むコンクリートを製造する際に、正規の水量から上述の希釈溶液量(10t車の場合50l、5t車の場合30l)を差し引いた水量を用いなければならないため、重要な品質管理項目であるスランプ管理が極めて困難となる。
また傭車が日常化している現状では、スラリー状モルタルを保存している車両とそうでない車両を区分して管理しなければならず、保存している車両であってもコンクリート積載量が上述の規定を下回る場合は配車の順番を替えるか、スラリー状モルタルを廃棄しなければならないなど、配車に混乱をきたすことがある。
さらに希釈溶液でスラリー化した付着モルタルはドラム内に保存することとなっているため、寒冷地ではスラリー状モルタルが凍結して使えないことがある。
【0006】
この附属書4の規定に類似した方法が特開2001−30229にも開示されている。これは、レディーミクストコンクリート製造日の最後に使用したトラックアジテータまたはプラントの製造設備を安定剤希釈溶液で洗浄し、その洗浄廃水から骨材を除去した残りのスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として再利用するものである。
付属書4との主な相違点は、トラックアジテータのほかにコンクリート製造設備の洗浄排水をも同一の方法で再利用することと、洗浄廃水を骨材分離装置にかけて安定化スラリーとし、翌日以降に製造する生コンクリートの練混ぜ水に使用することにある。
【0007】
この方法においては、洗浄水に洗浄廃水中のセメントに対して0.2〜3重量%の安定剤を含むこととなっている。しかし、製造設備に付着しているセメント量を測定することはできないので、あらかじめ洗浄水を製造することが出来ないという問題がある。
もう一つの相違点である洗浄排水を骨材分離装置にかけて安定化スラリーとし、翌日以降に製造する生コンクリートの練混ぜ水に使用する方法については、請求項1の実施方法の一つと記載されている。したがって、この安定化スラリーを再度もとの生コン車に貯留しておいて翌日以降に使用するものである。これは骨材を分離する以外は附属書4の方法と変わりはなく、前述した付属書4の問題点を解決するものではない。
【0008】
これに対して、本発明者らは付属書4の問題点の改善策を特開2005−335386に開示した。生コンクリート車のドラム内部を洗浄するための安定剤希釈溶液を、トラックアジテータ1台分ずつ製造し、その希釈溶液を配管および噴射ノズルを用いてドラム内部を洗浄する方法である。洗浄したあとのスラリー状モルタルは全て外部の貯蔵タンクに排出しておき、必要の都度、このタンクからトラックアジテータまたはプラントミキサーに投入して練混ぜ水として使用する。
スラリー状モルタルを予めトラックアジテータのドラム内部に貯留しておく必要がないため、付属書4の方法において発生したオペレーターのスランプ管理トラックアジテータの待ち順の変更およびスラリー状モルタルの廃棄が不必要となる。
【0009】
この特開2005−335386の実施において、トラックアジテータのドラムから貯蔵タンクに排出されたスラリー状モルタルには、細かい砂利や砂粒子等の固形成分(以下固形成分と呼ぶ)が多量に含まれている。この固形成分は比重が大きいため貯蔵タンクの底部に沈殿して水中ポンプを用いても容易に吸引されず、タンク底部やポンプ周辺に滞留する。この固形成分をプラントミキサーへ移送するためには高価な大型の水中サンドポンプが必要となるが、大型ポンプを用いてもポンプの近傍にない固形成分を吸引することは容易ではない。
【0010】
【特許文献1】特開2001−30229
【特許文献2】特開2005−335386
【非特許文献1】JIS A 5308 および 付属書4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、トラックアジテータのドラム内部を安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを貯蔵タンクに排出し、それによってタンク底部に沈殿した固形成分を、通常の水中ポンプを用いて取り残しなくプラントミキサーの計量槽へ移送することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、課題解決のために固形成分を拡散させずタンク内の特定の範囲に集積し、これを溶液成分と撹拌混合してポンプで汲出すもので、撹拌混合には動力装置を用いないことが特徴である。その要点は次の通りである。
【0013】
トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として使用する方法において、ドラムから排出したスラリー状モルタルを、下部にスクリューコンベヤーを過不足なく設置した狭いコンベヤー室を有する貯蔵タンクに保存しておき、そのコンベヤー室に沈殿した固形成分をスクリューコンベヤーによって隣接した汲出し室に送り込み、同室において溶液成分と撹拌混合して水中ポンプを用いてプラントミキサーの計量槽の受入室へ移送する。
この受入室のスラリー状モルタルを受入室の下部に設けた沈殿室に流下させ、さらに沈殿室の上方に設けた戻り室へ反転移送することによって固形成分を沈殿室に沈殿させ、溶液成分は戻り室からオーバーフローさせて貯蔵タンク下部の汲出し室へ還流し、その水流によって汲出し室の固形成分を撹拌混合する。計量槽中のスラリー状モルタルが所定量に達した時点で貯蔵タンクからの移送を停止し、沈殿室下部の開閉弁を開いてプラントミキサーへ投入する方法および装置である。
【0014】
この装置において、貯蔵タンクの上部は垂直壁によって投入室と収容室に区画され、下部は投入室および収容室との間に隔壁のないコンベヤー室である。このコンベヤー室は、スクリューコンベヤーの設置、運転および保守に支障のない程度に狭くし、コンベヤー室の底面には汲出し室を設け、この汲出し室に水中ポンプを設置する。水中ポンプからプラントミキサーの計量槽へスラリー状モルタルを移送する送り管と、計量槽からオーバーフローした溶液を汲出し室へ還流させる戻り管が配設され、計量槽が送り管を接合した受入室、受入室下部の沈殿室および沈殿室より上部に設けた戻り室で構成され、戻り室に接合された戻り管の先端は汲出し室に開口させる。
沈殿室の下部にはスラリー状モルタルを下方のミキサーへ投入するための開閉弁を設ける。
【0015】
貯蔵タンクの下部に設ける汲出し室は、タンク底面から掘り下げた逆角錐台状または逆円錐台状(すり鉢状)とする。
【0016】
また計量槽の上部は垂直隔壁によって受入室と戻り室に区分し、計量槽の下部はこの両室との間に隔壁のない沈殿槽とする。戻り室のオーバーフロー水の戻り口は、ポンプ停止時に計量槽ないに貯留するスラリー状モルタルがトラックアジテータ1台に積込むスラリー状モルタル量となる位置に設定する。
沈殿室には槽内のスラリー状モルタルの質量を計測するための計測センサーを設置することもできる。
【発明の効果】
【0017】
貯蔵タンクの上部を投入室と収容室に区分し、タンク下部のコンベヤー室を狭くしているため、投入室に投入されたスラリー状モルタル中の固形成分はコンベヤー室のスクリューコンベヤーの近傍に沈殿する。そのため同コンベヤーによってほぼ取り残しなく汲出し室に落とし込むことが出来る。この汲出し室に集められた固形成分は、計量槽から還流させた水流によって撹拌するため、水中ポンプを大型化することなく円滑に計量槽の受入室に移送される。新たな撹拌水を必要としないため、スラリー状モルタルの安定剤等の成分濃度が変化しない。
計量槽内のスラリー状モルタル量が目標値に到達した時点で水中ポンプの移送を停止し、下方の開閉弁を開けてミキサーに投入することができるため、任意量の固形成分を含むスラリー状モルタルを投入することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の具体的な実施方法を述べる。
トランクアジテータのドラムの洗浄水は、JIS A 5308の附属書4に規定された付着モルタル安定剤希釈溶液が望ましい。しかし新たに製造する生コンクリートの品質に悪影響を与えないものであれば特に制限する必要はない。アジテータ1台当たりの洗浄水の使用量は規格等に基づいて決定する。附属書4においては、大型アジテータは1車あたり501,小型アジテータは301である。
付着モルタル安定剤希釈溶液は、その品質劣化や周囲への悪臭放散を防止するため、アジテータ1台分ずつ製造して直ちに噴射するのがよい。その具体例を図4に示す。
ドラム内の生コンクリートは予め全量排出しておき、附属書4に規定された量の安定剤22および上水道水を計量ポンプ24および配管25、26によって混合槽27へ導入し、槽内で撹拌したあとポンプ29、ホース32およびノズル33を用いてドラム内に噴射する。ドラムの内壁や羽根などの付着モルタルを洗い落とし、ドラムを高速で繰り返し正転、逆転させてモルタルをスラリー化する。
【0019】
このドラム内のスラリー状モルタルおよび残存している骨材等の全てを、貯蔵タンクの投入室に排出する。粗い砂利は投入室の上部に設けた回転篩によって除去され、細粒の固形成分は投入室下部の狭い沈殿室のスクリューコンベヤー近傍に沈殿する。溶液成分の方は沈殿物の上層および隣の収容室に滞留する。これらは新たに製造する生コンクリートの練混ぜ水として再使用するまでタンク内に保存しておく。
【0020】
再使用するにあたって、コンベヤー室に設置されているスクリューコンベヤーを用いて固形成分を汲出し室に落とし込む。この汲出し室において固形成分と溶液成分を撹拌混合して、汲出し室に設置した水中ポンプによってプラントミキサー上部に設置した計量槽へ移送する。
【0021】
計量槽の上部は垂直隔壁によって受入室と戻り室に区分し、下部にはこの両室との間に隔壁のない沈殿室を設ける。受入室に送られてきたスラリー状モルタルはその下部の沈殿室へ流下し、沈殿室において反転して戻り室へ押し上げられ、ここから戻り配管へオーバーフローして貯蔵タンクの汲出室へ還流する。
固形成分は比重が大きいため、沈殿室で反転移送される水流に追従できず沈殿室に堆積し、戻り室まで進んでオーバーフローするのは殆んど溶液成分である。戻り配管の先端は貯蔵タンクの底部に設けた汲出室に開口しており、ここにスクリューコンベヤーによって落とし込まれてくる固形成分を還流水の水勢によって撹拌し、溶液成分と混合してポンプによって計量槽へ移送する。
【0022】
計量槽戻り室のオーバーフロー水出口は、計量槽内のスラリー状モルタル量がアジテータへの1回分の投入量となる位置に設ける。
例えば大型アジテータの場合は、プラントミキサーで製造される生コンクリート2回分(2バッチ)を1台に積載するため、その1回分(1バッチ)に投入するスラリー状モルタル量は、洗浄水50lを使用してドラム内部を洗浄して得られる量の半分である。この洗浄で得られるスラリー状モルタル量を、あらかじめ試験を繰り返して求めておき、その半分の量が計量槽に滞留するように戻り室の出口位置を定める。
【0023】
汲出し室から計量槽へポンプ移送するスラリー状モルタル中の固形成分量は、アジテータドラム1台から排出される固形成分量の平均的な量とし、スクリューコンベヤーの運転時間によって調整する。スクリューコンベヤーによって移送されるスラリー状モルタルの量は、そのスクリューの仕様や回転速度、回転時間等によって変動するため、実際に工場で使用する当該設備で試験を行い、スクリューコンベヤーの運転時間と固形成分の落としこみ量を求めておくことによって調整が可能となる。
この所定量の固形成分が計量槽に貯留された時点で沈殿室下部の開閉弁を開け、計量槽内のスラリー状モルタルを下方のミキサーに投入する。
【0024】
さらに厳密に行うには、計量槽内のスラリー状モルタルの質量が、沈殿室に堆積する固形成分の量が増すに従って増加することを利用する。計量槽に設置した荷重測定装置を用いて、計量槽内のスラリー状モルタルの総質量と沈殿室内の固形成分の質量の関係をあらかじめ求めておき、スラリー状モルタルの総質量が所定量に達した時点でポンプによる移送を停止する。こうすることによって所定の割合の固形成分を含有するスラリー状モルタルをミキサーに投入できる。
【0025】
次に本発明の装置を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は装置の全体構成を示している。1はドラム内の洗浄を終了したトラックアジテータ、2はスラリー状モルタルの貯蔵タンク、3は粗い骨材を除去するための回転篩である。貯蔵タンクの上部は垂直隔壁5によって投入室4と収容室6に区分され、下部は両室との間に隔壁のないコンベヤー室7となっている。コンベヤー室7はスクリューコンベヤーを設置し、運転、保守に支障のない範囲で出来るだけ狭い空間とし、コンベヤーの搬送先には底面から下方へ突出する逆円錐台状または逆角錐台状の汲出し室8を設け、同室には水中ポンプ9を設置する。汲出し室8も水中ポンプを多少の余裕を持って設置できる程度とするのが望ましい。
送り配管10は水中ポンプ9によってスラリー状モルタルを計量槽11へ移送する流路、戻り配管12は計量槽11からオーバーフローさせたスラリー状モルタルを汲出し室8へ還流させる流路である。配管12の先端13はタンクの汲出し室8に開口している。
【0026】
図2は計量槽11の縦断面図である。計量槽は上部の垂直隔壁14によって区画された受入室15、戻り室16および下部の沈殿室17で構成されている。18は計量室とミキサーとの間の開閉弁、19は計量槽の側面に設けたオーバーフロー溶液の戻り口である。開閉弁18を閉じた状態で計量槽内にプラントミキサー1回分(1バッチ分)のスラリー状モルタルが滞留するように戻り口位置を定める。
このほかに、計量槽内のスラリー状モルタルの質量管理を厳密に行うため、計量槽下部の荷重測定装置や計量槽上部の吊荷重測定装置等を設置してもよい。
【0027】
図3は貯蔵タンク底部に設けた汲出し室の説明図である。スクリューコンベヤーによって落としこまれた固形成分21および溶液成分は、混合されて水中ポンプ9に接続されている送り管10を経由して計量槽の受入室へ移送される。一方、計量槽の戻り室からオーバーフローしてきた溶液成分は開口13から汲出し室へ流入し、固形成分と溶液成分を撹拌混合してポンプによる移送を容易にする。
【0028】
上記装置の動作は次の通りである。
トラックアジテータ1のドラム内部を洗浄したスラリー状モルタルがシュートaから回転篩3へ排出される。このスラリー中の砂利等の粗い粒子は回転篩内を送られてbから外部へ排出され、細かい固形成分と溶液成分が篩目を通過して貯蔵タンク2の投入室4へ落下する。砂を主成分とする固形成分は比重が重いため、投入室4の下方のコンベヤー室7に沈殿し、溶液成分はその上層および隣の収容室に滞留する。
コンベヤー室に沈殿した固形成分は、スクリューコンベヤーによって汲出し室8に落とし込まれ、ここで溶液成分と混合してポンプ9によって計量槽11へ移送される。送り配管10によって計量槽の受入室15に移送されたスラリー状モルタルは、沈殿室17を経由して戻り室16へ押し上げられ、戻り口19からオーバーフローして戻り配管12を通って貯蔵タンクの汲出し室8へ還流する。
計量槽内のスラリー状モルタルが所定量に達した時点でポンプ9による移送を停止し、開閉弁18を開けて、計量室内の固形成分および溶液成分全量をミキサーに投下する。
【0029】
計量槽へ移送する固形成分量は、トラックアジテータのドラム1台から排出されるスラリー状モルタル中の平均的な固形成分量とし、スクリューコンベヤーの運転時間によって調整する。この所用運転時間は、あらかじめ実際の生産設備で試験を行って求めておく。
【0030】
スラリー状モルタルは沈殿室から戻り室へ反転上昇させられるため、比重の軽い溶液成分の方は戻り室へ進み、比重の重い固形成分21は沈殿室17に取り残されて沈殿する。
戻り室から戻り管12によって貯蔵タンクの汲出し室8へ導かれた溶液成分は、その水流によって汲出し室内の固形成分を撹拌混合する。その混合物は、またポンプ9によって計量槽へ移送される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の装置の構成図
【図2】本発明の計量槽の断面図
【図3】本発明の貯蔵タンク下部の説明図
【図4】付着モルタル安定剤希釈溶液製造およびトラックアジテータへの投入装置例
【符号の説明】
【0032】
1 トラックアジテータ
2 貯蔵タンク
3 回転篩
4 投入室
5 垂直隔壁
6 収容室
7 コンベヤー室
8 汲出し室
9 水中ポンプ
10 送り配管
11 計量槽
12 戻り配管
13 戻り配管出口
14 隔壁
15 受入室
16 戻り室
17 沈殿室
18 開閉弁
19 戻り口
20 計量センサー
21 固形成分
22 付着モルタル安定剤タンク
24 計量ポンプ
25 安定剤供給管
26 上水道水管
27 混合槽
29 ポンプ
32 ホース
33 バルブおよび噴射ノズル
【出願人】 【識別番号】504211522
【氏名又は名称】小原 一志
【識別番号】504211533
【氏名又は名称】石原 之人
【識別番号】504210709
【氏名又は名称】石田 誠
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−68608(P2008−68608A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−281927(P2006−281927)