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【発明の名称】 湿潤セメント製造ミキサー、及びこれを使用した湿潤セメント製造装置
【発明者】 【氏名】宗宮 正和

【氏名】成瀬 泰司

【氏名】小西 勇

【要約】 【課題】撹拌された湿潤セメントを排出口側に向けて積極的に送り込むことのできる湿潤セメント製造ミキサー及びこれを使用した湿潤セメント製造装置を提供すること。

【構成】本体11内に水平方向の支持軸12を配置して、この支持軸12に対して少なくとも2本のミキサーアーム13を回転自在に組み付けるとともに、ミキサーアーム13の一方先端に、端面14aが本体11内面から僅かに後退したヘラ形ミキサー刃14を設けて、このヘラ形ミキサー刃14によって撹拌を行うとともに、ミキサーアーム13の他方先端に、鋤形ミキサー刃15を設けて、この鋤形ミキサー刃15によって撹拌と排出口11aへの送り込みを行うようにしたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に大量に収容されたセメント粉体に水を噴霧しながら撹拌することにより湿潤セメントを形成し、この湿潤セメントを排出口から排出するようにした湿潤セメント製造ミキサーであって、
前記本体内に水平方向の支持軸を配置して、この支持軸に対して少なくとも2本のミキサーアームを回転自在に組み付けるとともに、
前記ミキサーアームの一方先端に、端面が前記本体内面から僅かに後退したヘラ形ミキサー刃を設けて、このヘラ形ミキサー刃によって撹拌を行うとともに、前記ミキサーアームの他方先端に、鋤形ミキサー刃を設けて、この鋤形ミキサー刃によって撹拌と前記排出口への送り込みを行うようにしたことを特徴とする湿潤セメント製造ミキサー。
【請求項2】
前記鋤形ミキサー刃は、その送り側刃の、前記支持軸を通る平面からみた面積が、前記送り側刃とは反対側の掻き取り刃のそれに対して大きくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の湿潤セメント製造ミキサー。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2のいずれかに記載の湿潤セメント製造ミキサーと、この湿潤セメント製造ミキサーへの水タンクとを少なくとも備えて、前記セメント製造ミキサーにて地盤改良用の前記湿潤セメントを施工現場において製造し、これを前記施工現場に排出するようにしたことを特徴とする湿潤セメント製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント紛に水を噴霧して、地盤改良用の材料として適した湿潤セメントを製造するためのミキサー、及びこれを使用した湿潤セメント製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セメントは、地盤改良材として有効な材料であるが、改良が必要な地盤上で施工を行う各種の工事現場で、施工において、セメント粉の散布やセメント混合工程で発生する粉塵のために、作業環境の悪化や、粉塵飛散による周辺環境への影響から、適用が制限される場合もあり、セメント粉塵の発生やその飛散を抑制または低減することが望まれている。
【0003】
これら粉塵の発生や飛散を防止するために、液状化させたり、油脂やアルコール、ありはテフロン(登録商標)等の薬剤で処理したりすることがなされているが、中でも、セメントに単に水を加えて湿らせた「湿潤セメント」が、製造が簡単であって、環境に優しくて防塵効果が高いため、その採用が望まれているのである。
【0004】
しかし、このような地盤改良材としての「湿潤セメント」は、これを施工現場において製造し、水和反応時間以内に混合や散布を終了しなければならない、という制約があるものである。そこで、特許文献1に記載されているような「固化材供給装置」が提供されているのである。
【特許文献1】特許第3661716号掲載公報、特許請求の範囲、図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、「湿潤固化材を使用して表層地盤改良工事を行うのに、地盤改良工個所の近傍で湿潤固化材が製造できて、かつ湿潤固化材を散布用容器(フレコン)に供給するまでを短時間で行うことができる移動式の固化材供給装置を提供すること」を目的としてなされた「固化材供給装置」が記載されている。
【0006】
この特許文献1に記載さている「固化材供給装置」は、図7にも示すように、例えば「固化材製造機械と固化材供給機械からなる固化材製造装置が運搬車両に積載されている固化材供給装置であって、該固化材供給機械は、固化材製造機械の混合機から搬出された湿潤固化材を散布用容器に供給する供給機からなることを特徴とする固化材供給装置」(請求項1)という構成を有したものである。また、この特許文献1に記載さている「固化材供給装置」では、請求項3にも記載されているように、「固化材抜き出し部は、スクリュ−機構のスクリュ−コンベアを有し、該スクリュ−コンベアの回転軸は混合機に連通している」ものである。
【0007】
そして、この特許文献1に示されている「スクリューコンベア」では、当該文献1の段落0008に記載されているように、「固化材抜き出し部5のスクリュ−コンベア5Aの回転軸の延長上には、攪拌翼18が取り付けられた混合機7が固化材タンク4に付設されている」ものであるが、この「攪拌翼18」では撹拌された「湿潤セメント」を排出しにくいのではないかと考えられる。
【0008】
何故なら、この「攪拌翼18」は、「スクリュ−コンベア5Aの回転軸の延長上」に設けたものであって、撹拌するだけのみのために回転しており、スクリュ−コンベア5Aの送り力とは全く無関係となっているし、「スクリュ−コンベア5A」から供給されてくる粉体セメントと、撹拌翼18で製造される「湿潤セメント」とは性質が異なることになり、混合が十分に行われにくく、しかも排出が困難になると考えられるからである。
【0009】
そこで、本発明者等は、湿潤セメントを製造するに当たって、撹拌された湿潤セメントを排出口側に向けて積極的に送り込めるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0010】
すなわち、本発明の目的とするところは、撹拌された湿潤セメントを排出口側に向けて積極的に送り込むことのできる湿潤セメント製造ミキサー及びこれを使用した湿潤セメント製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「本体11内に大量に収容されたセメント粉体に水を噴霧しながら撹拌することにより湿潤セメントを形成し、この湿潤セメントを排出口11aから排出するようにした湿潤セメント製造ミキサー10であって、
本体11内に水平方向の支持軸12を配置して、この支持軸12に対して少なくとも2本のミキサーアーム13を回転自在に組み付けるとともに、
ミキサーアーム13の一方先端に、端面14aが本体11内面から僅かに後退したヘラ形ミキサー刃14を設けて、このヘラ形ミキサー刃14によって撹拌を行うとともに、ミキサーアーム13の他方先端に、鋤形ミキサー刃15を設けて、この鋤形ミキサー刃15によって撹拌と排出口11aへの送り込みを行うようにしたことを特徴とする湿潤セメント製造ミキサー10」
である。
【0012】
すなわち、この請求項1に係る湿潤セメント製造ミキサー10は、図2に示すように、その本体11内にセメント粉が大量に収容されるものであり、例えば図1に示すように、搬送車50によって牽引される台車40上に載置されて、同じく台車40上に配置した水タンク20からの水をこの本体11内に噴霧することにより、湿潤セメントを製造するものである。
【0013】
そして、この湿潤セメント製造ミキサー10は、噴霧された水とセメント粉とを混合するものであるが、その混合を行うのが、各ミキサーアーム13を介して支持軸12上の外パイプ12aに取り付けたヘラ形ミキサー刃14及び鋤形ミキサー刃15なのである。勿論、後述する最良形態の湿潤セメント製造ミキサー10では、ミキサーアーム13は2本だけでなく多数設けてあるものであり、各ミキサーアーム13を取り付けた外パイプ12aは、図2に示す外部のモータ12bによって、図3の矢印方向に回転されるものである。
【0014】
少なくとも一つのミキサーアーム13の先端には、図2〜図4に示すように、端面14aが本体11内面から僅かに後退したヘラ形ミキサー刃14が設けてある。このヘラ形ミキサー刃14は、図3及び図4にも示すように、平板状のものであり、その回転方向に対して直交状態となるようにミキサーアーム13によって支持されている。なお、後述する最良形態のヘラ形ミキサー刃14では、その先端に耐摩耗材14bが取り付けてあり、この耐摩耗材14bによって、本体11内のセメント粉を押していくときにヘラ形ミキサー刃14自体が摩耗しないようにしてある。
【0015】
つまり、このヘラ形ミキサー刃14は、図3中の矢印にて示した方向に回転したとき、水が噴霧された本体11内のセメント粉の撹拌を行うものであり、良質な湿潤セメントを形成するものである。なお、後述する最良形態では、このヘラ形ミキサー刃14を複数設けておくとともに、各ヘラ形ミキサー刃14を支持軸12を通る平面から見たときに、図4に示すように、各ヘラ形ミキサー刃14の端が他のヘラ形ミキサー刃14のそれと重なるようにしてある。
【0016】
一方、他のミキサーアーム13の先端には、図2〜図4に示すように、鋤形ミキサー刃15が設けてある。この鋤形ミキサー刃15は、上記ヘラ形ミキサー刃14を設けたミキサーアーム13とは反対側に延びるヘラ形ミキサー刃14の先端に設けたものであり、ヘラ形ミキサー刃14と同じ程度の数になるように、かつ各ヘラ形ミキサー刃14の間になるように配置してある。
【0017】
この鋤形ミキサー刃15は、文字通り「鋤(スキ)」型形状を有するものであり、回転方向の先端は、ヘラ形ミキサー刃14より遙かに小さな平面である(図2や図4に示した状態)か、あるいは完全に尖っているものである。これら各鋤形ミキサー刃15は、その形状が「鋤」形であるから、回転方向の左右側に、図2及び図4に示すように、掻き取り刃15b及び送り側刃15aを有している。
【0018】
この「鋤」形をしている鋤形ミキサー刃15は、ヘラ形ミキサー刃14と同様に回転するのであるから、当然のことながら当該湿潤セメント製造ミキサー10内の水とセメント紛の撹拌を行うのであるが、その送り側刃15a及び掻き取り刃15bによって上記ヘラ形ミキサー刃14とは別の作用をも発揮する。
【0019】
すなわち、まず、図2に示すように、鋤形ミキサー刃15の送り側刃15aは、本体11に形成してある排出口11a側に位置していて、回転方向の先端から後端に向けて傾斜面を形成しているから、この傾斜面によってセメント紛等の排出口11aへの送り込みを行うことになるのである。一方、掻き取り刃15bは、排出口11aとは反対側への傾斜面を有しているから、上記送り側刃15aとは逆の方向へのセメント紛等の送りを行う。つまり、この掻き取り刃15bは、セメント紛等を掻き取りながら排出口11aとは反対側へ戻すものであり、この戻されたセメント紛等のヘラ形ミキサー刃14による撹拌をより確実にするものである。
【0020】
また、この請求項1に係る湿潤セメント製造ミキサー10では、「鋤」形をしている鋤形ミキサー刃15と、ヘラ形ミキサー刃14とが、同一軸上に交互に配置されて回転するのであるから、当然のことながら当該湿潤セメント製造ミキサー10内の水とセメント紛との撹拌を十分行うだけでなく、特許文献1のように「送りの軸」と「撹拌の軸」とを別々に設けるのに比較すれば、軸を短くすることができるため、故障が少なく、メンテナンスもし易いものとなっているのである。
【0021】
従って、この請求項1に係る湿潤セメント製造ミキサー10は、撹拌された湿潤セメントを排出口11a側に向けて積極的に送り込むものとなっていて、湿潤セメントの製造を確実にしながら、製造された湿潤セメントの排出口11a側への送り出しが確実に行えるものとなているのである。
【0022】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の湿潤セメント製造ミキサー10について、
「鋤形ミキサー刃15は、その送り側刃15aの、支持軸12を通る平面からみた面積が、送り側刃15aとは反対側の掻き取り刃15bのそれに対して大きくなるようにしたこと」
である。
【0023】
すなわち、この請求項2の湿潤セメント製造ミキサー10では、各送り側刃15aの形状を掻き取り刃15bのそれより大きくしたものであり、これにより、送り側刃15aによるセメント紛等の排出口11a側への送り込み量を、掻き取り刃15bによる戻し量に比して大きくなるようにしたものである。従って、この請求項2の湿潤セメント製造ミキサー10において、その各鋤形ミキサー刃15による排出口11a側への湿潤セメントの送り込みが確実になっている。
【0024】
この場合、送り側刃15aの面積が、送り側刃15aとは反対側の掻き取り刃15bのそれに対して大きくなるようにするには、2通りの方法がある。第1の方法は、図5に示すように、掻き取り刃15bよりも大きな面積の送り側刃15aを、基部に対して大きく折り曲げるものであり、第2の方法は、図6に示すように、送り側刃15aと掻き取り刃15bとの基部に対する折り角度は同じであるが、送り側刃15aの面積を十分大きくする方法である。
【0025】
図5に示した第1の方法によれば、送り側刃15aが大きく傾斜していることにより、排出口11a側への送り込み量が少なくなるが、当該送り側刃15aが形成してあるゴム板底16の回転を行うモータ12bを小型のもので済ますことができる。図6に示した第2の方法によれば、送り側刃15aの傾斜が小さいことにより、セメント紛等の撹拌が十分行えるだけでなく、この送り側刃15aによる排出口11a側への送り込み量も多くできるが、モータ12bとして力の強いものを採用しなければならない。
【0026】
従って、この請求項2の湿潤セメント製造ミキサー10は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、その各鋤形ミキサー刃15による排出口11a側への湿潤セメントの送り込みがより確実なものになっている。
【0027】
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、
「請求項1または請求項2のいずれかに記載の湿潤セメント製造ミキサー10と、この湿潤セメント製造ミキサー10への水タンク20とを少なくとも備えて、セメント製造ミキサー10にて地盤改良用の前記湿潤セメントを施工現場において製造し、これを前記施工現場に排出するようにしたことを特徴とする湿潤セメント製造装置100」
である。
【0028】
すなわち、この請求項3に係る湿潤セメント製造装置100は、上記請求項1または請求項2に係る湿潤セメント製造ミキサー10を採用するとともに、例えば、図1に示すように、台車40の上に水タンク20をも搭載して、地盤改良を行わなければならない施工現場において、図2にも示すように、地盤改良用の湿潤セメントを直接製造して散布することができるのである。
【0029】
従って、この請求項3の湿潤セメント製造装置100は、施工現場において湿潤セメントを直接製造することができて、製造された湿潤セメントを効果的に施工現場に施工することができるのである。
【発明の効果】
【0030】
以上の通り、本発明によれば、
「本体11内に大量に収容されたセメント粉体に水を噴霧しながら撹拌することにより湿潤セメントを形成し、この湿潤セメントを排出口11aから排出するようにした湿潤セメント製造ミキサー10であって、
本体11内に水平方向の支持軸12を配置して、この支持軸12に対して少なくとも2本のミキサーアーム13を回転自在に組み付けるとともに、
ミキサーアーム13の一方先端に、端面14aが本体11内面から僅かに後退したヘラ形ミキサー刃14を設けて、このヘラ形ミキサー刃14によって撹拌を行うとともに、ミキサーアーム13の他方先端に、鋤形ミキサー刃15を設けて、この鋤形ミキサー刃15によって撹拌と排出口11aへの送り込みを行うようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、撹拌された湿潤セメントを排出口11a側に向けて積極的に送り込むことができて、湿潤セメントの製造を確実にしながら、製造された湿潤セメントの排出口11a側への送り出しを確実に行える湿潤セメント製造ミキサー10を提供することができるのである。
【0031】
また、請求項3の発明によれば、
「請求項1または請求項2のいずれかに記載の湿潤セメント製造ミキサー10と、この湿潤セメント製造ミキサー10への水タンク20とを少なくとも備えて、セメント製造ミキサー10にて地盤改良用の前記湿潤セメントを施工現場において製造し、これを前記施工現場に排出するようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、施工現場において、湿潤セメントを直接製造することができて、湿潤セメントが硬化することなく、地盤改良作用を行うことができる湿潤セメント製造装置100を提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態である湿潤セメント製造ミキサー10、及び湿潤セメント製造装置100について説明する。
【0033】
図1には、本発明に係る湿潤セメント製造ミキサー10を搭載した、同じく本発明に係る湿潤セメント製造装置100が示してあり、この湿潤セメント製造装置100は、移動自在な台車40の上に、少なくとも水タンク20と本発明に係る湿潤セメント製造ミキサー10とを搭載したものである。そして、この湿潤セメント製造装置100は、セメント粉を大量に収容した湿潤セメント製造ミキサー10内に、図2にも示したように、水タンク20からの水を噴霧しながら、湿潤セメント製造ミキサー10のヘラ形ミキサー刃14及び鋤形ミキサー刃15を回転することにより湿潤セメントを製造し、これを湿潤セメント製造ミキサー10を構成している本体11に設けた排出口11aから外部に排出するものである。
【0034】
なお、図1に示した本最良形態の湿潤セメント製造装置100では、台車40上に搭載した水タンク20内に水を、また湿潤セメント製造ミキサー10内にセメント紛を収容するとともに、後部にスクリューコンベア30を搭載して、搬送車50によって牽引されて施工現場まで運ばれるものであり、施工現場では、この台車40は、搬送車50から外されて固定されることになる。
【0035】
さて、湿潤セメント製造ミキサー10は、図2に示したように、その本体11内に水平方向の支持軸12を配置して、この支持軸12に対して少なくとも2本のミキサーアーム13を回転自在に組み付けたものである。本最良形態では、支持軸12は、左右に突出した軸受けによって固定的に支持されるものであり、この支持軸12の外周に外パイプ12aが嵌合してある。この外パイプ12aは、図2の図示左側に示したモータ12bに接続されていて、このモータ12bの回転駆動により、本体11内に支持軸12上を回転することになるものである。そして、各ミキサーアーム13を外パイプ12a上に固定することにより、各ミキサーアーム13は、支持軸12に対して回転自在に組み付けられている。
【0036】
勿論、本体11には、図2の右側に示したように、製造された湿潤セメントを排出するための排出口11aが形成してあり、この排出口11aは扉11bによって開閉される。また、この排出口11aは、図2に示したように、直接施工現場に対して開放されることもあるが、湿潤セメント製造装置100とした場合には、図1に示したように、台車40の図示右側に配置したスクリューコンベア30の投入口に向けて開放されるものであることは言うまでもない。さらに、この本体11は、図3中の実線にて示したように、下部のみ円筒状となるようにして実施してもよく、あるいは図3中の仮想線にて示したように、全体が円筒状となるように実施してもよいものである。
【0037】
なお、この本体11内へは、図2の図示左上部に示したようなセメント投入口11cからセメント紛が投入されるものである。また、このセメント投入口11cの下方に位置する本体11には、水タンク20からの水を本体11内に噴霧するための給水管21が接続してあるとともに、本体11の図示右側には、本体11内への洗浄水の噴射を行うための洗浄水給水口17が接続してある。
【0038】
支持軸12上を回転する外パイプ12aには、少なくとも2本のミキサーアーム13が連結してあった。少なくとも2本という意味は、当該ミキサーアーム13には、後述するヘラ形ミキサー刃14及び鋤形ミキサー刃15をそれぞれに取り付けなければならないからであるが、実際上は、図2にも示したように、本体11の大きさに合わせて多数のミキサーアーム13が外パイプ12aに連結されることになる。この場合、ヘラ形ミキサー刃14がより付けられるミキサーアーム13と、鋤形ミキサー刃15が取付けられるミキサーアーム13とを、図2に示したように直線状に配置することは勿論、これらを交互に配置することでもよい。
【0039】
さて、選択されたミキサーアーム13の先端には、ヘラ形ミキサー刃14が設けてあり、このヘラ形ミキサー刃14の端面14aは、図3に示したように、本体11内面、つまり本体11内に配置したゴム板底16から僅かに後退した位置となるように配置してある。このヘラ形ミキサー刃14は、図3及び図4に示したように、一枚の板状のものであり、その全面が回転方向に向かうように配置してあり、このヘラ形ミキサー刃14によって本体11内の撹拌の大部分を行うのである。
【0040】
なお、本最良形態のヘラ形ミキサー刃14は、図2にも示したように、その一部に耐摩耗材14bが取り付けてあり、この耐摩耗材14bによって当該ヘラ形ミキサー刃14が摩耗するのを防止できるようにしてある。
【0041】
さらに、選択された他のミキサーアーム13の先端には、鋤形ミキサー刃15が設けてあり、この鋤形ミキサー刃15は、これによって本体11内の撹拌と、湿潤セメントの排出口11aへの送り込みを行うものである。
【0042】
各鋤形ミキサー刃15は、図5または図6に示したように、送り側刃15aと掻き取り刃15bとを有しているものであり、これらの送り側刃15a及び掻き取り刃15bは、鋤形ミキサー刃15の回転方向に対して左右に分けたものである。また、これら内の送り側刃15aは、掻き取り刃15bよりも広い面積を有したものとして形成してあり、湿潤セメントの製造を行うことは勿論、製造された湿潤セメントを排出口11aに向けて送り込むものである。
【0043】
送り側刃15aの面積が、送り側刃15aとは反対側の掻き取り刃15bのそれに対して大きくなるようにするには、前述した通り、次の2通りの方法がある。第1の方法は、図5に示したように、掻き取り刃15bよりも大きな面積の送り側刃15aを、基部に対して大きく折り曲げるものであり、第2の方法は、図6に示したように、送り側刃15aと掻き取り刃15bとの基部に対する折り角度は同じであるが、送り側刃15aの面積を十分大きくするものである。
【0044】
図5に示した第1の方法によれば、送り側刃15aが大きく傾斜していることにより、排出口11a側への送り込み量が少なくなるが、当該送り側刃15aが形成してあるゴム板底16の回転を行うモータ12bを小型のもので済ますことができる。また、図6に示した第2の方法によれば、送り側刃15aの傾斜が小さいことにより、セメント紛等の撹拌が十分行えるだけでなく、この送り側刃15aによる排出口11a側への送り込み量も多くできるが、モータ12bとして力の強いものを採用しなければならないことは、前述した通りである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように構成した湿潤セメント製造ミキサー10、及びこれを使用した湿潤セメント製造装置100は、地盤改良のための湿潤セメントを効率的に製造するこ水タンク20ができることは当然として、施工現場において、湿潤セメントを本体11内にて製造することができるから、住宅が建て込んだ施工現場であっても、セメント粉を舞い上がらせることなく地盤改良を行えるのである。このため、地盤改良工事を、何も制限されることなく行えるのである。
【0046】
また、本発明に係る湿潤セメント製造ミキサー10は、その本体11の容積を大きくすることもできるのであり、またこれを搭載した湿潤セメント製造装置100ともし得るのであるから、セメント工場にて直接セメントを本体11内に収容し、これを施工現場に運んで湿潤セメントを製造することができるのであるから、セメント粉を袋詰めすることなく、作業が行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る湿潤セメント製造ミキサーを搭載した湿潤セメント製造装置の側面図である。
【図2】同湿潤セメント製造ミキサーの拡大断面図である。
【図3】図2中の1−1線に沿ってみた部分拡大断面図である。
【図4】図3に示したヘラ形ミキサー刃と鋤形ミキサー刃との拡大正面図である。
【図5】同湿潤セメント製造ミキサーにおいて使用されている鋤形ミキサー刃の形状を例示するもので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図6】同湿潤セメント製造ミキサーにおいて使用されている鋤形ミキサー刃の他の形状を例示するもので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図7】本発明に係る湿潤セメント製造装置において採用される配管状態を示した配管図である。
【図8】従来の技術を示す側面図である。
【符号の説明】
【0048】
100 湿潤セメント製造装置
10 湿潤セメント製造ミキサー
11 本体
11a 排出口
11b 扉
11c (セメント)投入口
12 支持軸
12a 外パイプ
12b モータ
13 ミキサーアーム
14 ヘラ形ミキサー刃
14a 端面
14b 耐摩耗材
15 鋤形ミキサー刃
15a 送り側刃
15b 掻き取り刃
16 ゴム板底
17 洗浄水給水口
20 水タンク
21 給水管
30 スクリューコンベア
40 台車
50 搬送車
【出願人】 【識別番号】506149380
【氏名又は名称】株式会社東洋スタビ
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典

【識別番号】100129698
【弁理士】
【氏名又は名称】武川 隆宣

【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一

【識別番号】100135585
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 務


【公開番号】 特開2008−55747(P2008−55747A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−234902(P2006−234902)